JP2003201559A - スパッタターゲット、該スパッタターゲットを用いた位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法 - Google Patents

スパッタターゲット、該スパッタターゲットを用いた位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法

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JP2003201559A JP2002003211A JP2002003211A JP2003201559A JP 2003201559 A JP2003201559 A JP 2003201559A JP 2002003211 A JP2002003211 A JP 2002003211A JP 2002003211 A JP2002003211 A JP 2002003211A JP 2003201559 A JP2003201559 A JP 2003201559A
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智 岡崎
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英雄 金子
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 パルスDCスパッタリング(周波数25
〜250kHz)により位相シフトマスクブランクの位
相シフト膜を形成するためのスパッタターゲットであっ
て、窒化ケイ素を主成分とし、遷移金属を0.01〜5
%(原子比)含有し、比抵抗が10Ωcm以下であるこ
とを特徴とするスパッタターゲット。 【効果】 位相シフト膜をスッパタリング法で製造する
際、スパッタターゲットとして窒化ケイ素を主成分と
し、微量の遷移金属を添加したスパッタターゲットを用
いることにより、パルスDCスパッタリングの適用が可
能となり、上記スパッタターゲットを用い、パルスDC
スパッタリングにて位相シフト膜を成膜することで、低
欠陥、高スループットであるだけでなく、従来に比べて
膜応力の小さい位相シフト膜を形成でき、高精度な位相
シフトマスクブランク及び位相シフトマスクを提供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路及
び高密度集積回路などの製造工程において使用される位
相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクの位相シ
フト膜の形成に用いられるスパッタターゲット、該スパ
ッタターゲットを用いて位相シフト膜を形成する位相シ
フトマスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】LS
I、VLSI等の高密度半導体集積回路やCCD(電荷
結合素子)、LCD(液晶表示素子)用のカラーフィル
ター及び磁気ヘッド等の微細加工には、フォトマスクを
使ったフォトリソグラフィー技術が用いられている。そ
して、このフォトマスクを作製するためにフォトマスク
ブランクが使用され、このフォトマスクブランクとして
は、通常、石英ガラス等の透光性基板上にクロムからな
る遮光膜を設けたものが使用されている。
【0003】しかし、近年の更なるパターン微細化の要
求に応えるため、露光波長の短波長化が進むと同時に位
相シフトリソグラフィー技術が採用され始めている。位
相シフトリソグラフィーは光リソグラフィーの解像度を
上げる技術のひとつであり、フォトマスクを透過する露
光光間に位相差を与えることにより透過光相互の干渉を
利用して解像度を飛躍的に向上できるようにしたもので
ある。
【0004】また、位相シフトマスクには、レベンソン
型、補助パターン型、自己整合型などのタイプが知られ
ており、近年研究開発が活発に行われているが、この位
相シフトマスクの一つとしていわゆるハーフトーン型位
相シフトマスクと呼ばれる位相シフトマスクがあり、徐
々に実用化され始めている。
【0005】この位相シフトマスク(ハーフトーン型位
相シフトマスク)は、例えば、図4(A),(B)に示
したように、基板1上に位相シフト膜2をパターン形成
してなるもので、位相シフト膜の存在しない基板露出部
(第1の光透過部)1aとマスク上のパターン部分を形
成している位相シフター部(第2の光透過部)2aとに
おいて、両者を透過してくる光の位相差を図4(B)に
示したように180度とすることで、パターン境界部分
の光の干渉により、干渉した部分で光強度はゼロとな
り、転写像のコントラストを向上させることができるも
のである。また、位相シフト法を用いることにより、必
要な解像度を得る際の焦点深度を増大させることが可能
となり、クロム膜等からなる一般的な露光パターンを持
つ通常のマスクを用いた場合に比べて、解像度の改善と
露光プロセスのマージンを向上させることが可能なもの
である。
【0006】上記位相シフトマスクは、位相シフター部
の光透過特性によって、完全透過型位相シフトマスク
と、ハーフトーン型位相シフトマスクとに実用的には大
別することができる。完全透過型位相シフトマスクは、
位相シフター部の光透過率が基板と同等であり、露光波
長に対し透明なマスクである。一方、ハーフトーン型位
相シフトマスクは、位相シフター部の光透過率が基板露
出部の数%〜数十%程度のものである。
【0007】図1にハーフトーン型位相シフトマスクブ
ランク、図2にハーフトーン型位相シフトマスクの基本
的な構造をそれぞれ示す。図1に示したハーフトーン型
位相シフトマスクブランクは、露光光に対して透明な基
板1上にハーフトーン型位相シフト膜2を形成したもの
である。また、図2に示したハーフトーン型位相シフト
マスクは、上記シフト膜2をパターニングして、マスク
上のパターン部分を形成するハーフトーン型位相シフタ
ー部2aと、位相シフト膜が存在しない基板露出部1a
を形成したものである。
【0008】ここで、位相シフター部2aを透過した露
光光は基板露出部1aを透過した露光光に対して位相が
シフトされる(図4(A),(B)参照)。また、位相
シフター部2aを透過した露光光が被転写基板上のレジ
ストに対しては感光しない程度の光強度になるように、
位相シフター部2aの透過率は設定されている。従っ
て、位相シフター部2aは露光光を実質的に遮光する機
能を有する。
【0009】上記ハーフトーン型位相シフトマスクとし
ては、構造が簡単な単層型のハーフトーン型位相シフト
マスクが提案されており、このような単層型のハーフト
ーン型位相シフトマスクとして、モリブデンシリサイド
酸化物(MoSiO)、モリブデンシリサイド酸化窒化
物(MoSiON)からなる位相シフト膜を有するもの
などが提案されている(特開平7−140635号公報
等)。
【0010】このような位相シフトマスクを作製する方
法としては、位相シフトマスクブランクをリソグラフィ
ー法によりパターン形成する方法が用いられる。このリ
ソグラフィー法は、位相シフトマスクブランク上にレジ
ストを塗布し、電子線又は紫外線により所望の部分のレ
ジストを感光後に現像し、位相シフト膜表面を露出させ
た後、パターニングされたレジスト膜をマスクとして所
望の部分の位相シフト膜をエッチングして基板を露出さ
せる。その後、レジスト膜を剥離することにより位相シ
フトマスクが得られるものである。
【0011】上述したように、近年の更なるパターンの
微細化の要求に応えるためのハーフトーン型位相シフト
マスクとして、主にMoSiONやMoSiOを主成分
とする位相シフト膜用いられている。しかしながら、上
記位相シフト膜は、膜応力が大きいために、成膜前後及
びその後のプロセスを経たパターン形成前後でのマスク
基板の平坦度(フラットネス)が大きく変化し、微細化
を達成できる高精度なハーフトーン型位相シフトマスク
を製造することは難しかった。
【0012】また、位相シフト膜としては、窒化ケイ
素、酸化窒化ケイ素等を主成分とする位相シフト膜も知
られている(特許第3172527号公報)が、この場
合、位相シフト膜の形成には、絶縁体である窒化ケイ素
をターゲットとして用いるため、スパッタリング方法と
してRF(高周波)スパッタリング法を適用しなければ
ならないが、RFスパッタリング法では、DCスパッタ
リング法に比べて成膜速度が遅いために、位相シフトマ
スクブランク製造のスループットが悪くなるだけでな
く、ターゲット近傍のプラズマ空間がDCスパッタリン
グの場合と比較して大きくなるため、ターゲット近傍の
内壁部からパーティクルが発生し、このパーティクルが
成膜途中の位相シフト膜中に混入し、欠陥が多くなると
いう問題もあった。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、成膜前後又はパターン形成前後の平坦度(フラッ
トネス)の変化が小さい位相シフトマスクブランク及び
位相シフトマスク、即ち、膜応力の小さい位相シフト膜
を有する位相シフトマスクブランク及び位相シフトマス
クを製造するため用いられるスパッタターゲット、該ス
パッタターゲットを用いた位相シフトマスクブランク及
び位相シフトマスクの製造方法を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結
果、位相シフトマスクの位相シフト膜を形成するための
スパッタターゲットとして、絶縁体である窒化ケイ素に
遷移金属を添加して導電性を持たせてやると、パルスD
Cスパッタリングのスパッタターゲットとして適用で
き、更に上記遷移金属の添加量が0.01〜5%(原子
比)であるスパッタターゲットを用いてスパッタリング
することにより、膜応力が十分軽減した位相シフト膜が
形成できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0015】即ち、本発明は、下記のスパッタターゲッ
ト、該スッパタターゲットを用いた位相シフトマスクブ
ランク及び位相シフトマスクの製造方法を提供する。 請求項1:パルスDCスパッタリング(周波数25〜2
50kHz)により位相シフトマスクブランクの位相シ
フト膜を形成するためのスパッタターゲットであって、
窒化ケイ素を主成分とし、遷移金属を0.01〜5%
(原子比)含有し、比抵抗が10Ωcm以下であること
を特徴とするスパッタターゲット。 請求項2:遷移金属が、クロム、モリブデン、タングス
テン、タンタル、チタン、ジルコニウム及びハフニウム
から選ばれる一つ以上の金属であることを特徴とする請
求項1記載のスパッタターゲット。 請求項3:請求項1又は2記載のスパッタターゲットを
用い、不活性ガス雰囲気中又は不活性ガスと反応性ガス
との混合ガス雰囲気中でパルスDCスパッタリングによ
り膜応力が500MPa以下である位相シフト膜を形成
することを特徴とする位相シフトマスクブランクの製造
方法。 請求項4:反応性ガスが、窒素原子及び/又は酸素原子
を含むガス、炭素原子を含むガス及びフッ素原子を含む
ガスから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求
項3記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。 請求項5:請求項3又は4記載の位相シフトマスクブラ
ンクを光リソグラフィー法によってパターンを形成して
なることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
【0016】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明のスパッタターゲットは窒化ケイ素を主成分
とし、微量の遷移金属を含有するものであり、例えば、
窒化ケイ素粉末と遷移金属粉末とを所定の組成になるよ
うに混合し焼結することにより作製することができる。
【0017】上記遷移金属としては、クロム、モリブデ
ン、タングステン、タンタル、チタン、ジルコニウム及
びハフニウムの中から選ばれる1つ以上を添加すること
が好ましく、特にモリブデン、ジルコニウムが好まし
い。
【0018】また、上記遷移金属の添加量は、0.01
〜5%(原子比)、好ましくは0.1〜3%(原子比)
である。遷移金属の添加量が0.01%未満であるとタ
ーゲットの導電性が不十分となり、放電が不安定とな
る。また、遷移金属の添加量が5%を超えると形成した
位相シフト膜の膜応力が大きくなり、成膜前後又はパタ
ーン形成前後における基板の平坦度が大きく変化するた
め、高精度な位相シフトマスクを製造することができな
くなる。
【0019】更に、本発明のスパッタターゲットは、比
抵抗が10Ωcm以下のものである。比抵抗が10Ωc
mを超えると、ターゲットの導電性が不十分で放電が起
こらなかったり、放電が不安定になったりする。
【0020】本発明においては、上述のスパッタターゲ
ットを用い、パルスDSスパッタリングにより透明基板
上に位相シフト膜を形成して位相シフトマスクブランク
を製造する。
【0021】この場合、パルスDCスパッタリングの周
波数は25〜250kHz、好ましくは50〜200k
Hzである。また、上記周波数以外のパルスDSスパッ
タリング条件は特に限定されないが、位相シフト膜を成
膜する際に用いるスパッタリングガスとして、アルゴン
等の不活性ガスのみ、或いは窒素原子及び/又は酸素原
子を含むガス、炭素原子を含むガス及びフッ素原子を含
むガスから選ばれる1種以上の反応性ガスと不活性ガス
との混合ガスを用いることが好ましい。
【0022】上記、反応性ガスとしては、例えば窒素、
酸素、二酸化窒素、一酸化窒素、亜酸化窒素、一酸化炭
素、二酸化炭素、メタン、弗化ケイ素などが挙げられ
る。
【0023】また、得られる位相シフト膜は、露光波長
(KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー
等)に対して位相を180度反転させ、かつ所望の膜厚
および透過率を達成できるような屈折率及び吸収係数と
なる膜組成を持つように、適宜添加ガス種及びその流量
を調整することで所望の位相シフト膜が形成される。
【0024】なお、成膜される位相シフト膜の透過率を
上げたいときには膜中に酸素及び窒素が多く取り込まれ
るようにスパッタリングガスに添加する酸素や窒素を含
むガス量を増やす方法で調整することができる。
【0025】本発明に係る位相シフト膜は、露光光にお
ける透過率が数%〜数十%(特に3%〜40%であるこ
とが好ましい)であり、位相シフター部を透過した光の
位相が透明基板のみを透過した光に対して180±5度
の位相差を有することが好ましい。なお、透明基板は、
使用する露光波長に対して透明な基板であれば特に制限
はない。透明基板としては、石英基板、蛍石、その他各
種ガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノ
シリケートガラス等)などが挙げられる。
【0026】次に、本発明の位相シフトマスクブランク
を用いて図2に示したような位相シフトマスクを製造す
る場合は、図3(A)に示したように、透明基板1上に
位相シフト膜2を形成した後、位相シフト膜2上にレジ
スト膜3を形成し、図3(B)に示したように、レジス
ト膜4をパターニングし、更に、図3(C)に示したよ
うに、位相シフト膜2をエッチングした後、図3(D)
に示したように、レジスト膜3を剥離する方法が採用し
得る。この場合、レジスト膜の塗布、パターニング(露
光、現像)、レジスト膜の除去は、公知の方法によって
行うことができる。
【0027】上記方法により形成された位相シフト膜
は、特に200nm以下の露光波長に対する屈折率およ
び吸収係数特性から、ArFエキシマレーザー用のハー
フトーン型位相シフトマスクとして優れた特性を有す
る。
【0028】また、本発明の上記位相シフトマスクブラ
ンクの位相シフト膜の膜応力は500MPa以下、特に
300MPa以下であることから、これから得られる位
相シフトマスクは、低欠陥であるばかりでなく、低膜応
力を反映し高精度なものである。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0030】[実施例1]6インチ角形石英基板上に、
ケイ素と窒素のモル比が3:4である窒化ケイ素Si3
4からなる粉末に対して原子比が0.5%となるよう
にモリブデンを添加したものをスパッタターゲットと
し、スパッタリングガスとしてアルゴンガスを用い、放
電中のガス圧0.25Pa、投入電力200W、成膜温
度120℃、周波数100kHzでのパルスDCスパタ
リング法により、位相差が約180度になるように位相
シフト膜(膜厚65nm)を形成し、SiNを主成分と
し、微量のMoを含む位相シフト膜を有する位相シフト
マスクブランクを得た。
【0031】得られた位相シフトマスクブランクの透過
率は波長193nmの光に対して17.3%であり、ハ
ーフトン型位相シフトマスクとして要求される数%〜数
十%の範囲を十分に満たしていた。また、成膜前後の基
板の平坦度変化から算出される位相シフト膜の膜応力は
211MPaであった。結果を表1に示す。
【0032】なお、波長193nmにおける位相差及び
透過率は、レーザーテック社製MPM−193で測定
し、基板の平坦度はニデック社製FT−900で測定し
た(以下の実施例、比較例において同じ)。
【0033】次に、上記薄膜上に電子線レジスト膜を形
成し、パターン露光、現像によりレジスト膜を形成後、
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、薄膜部
分を除去し、位相シフト薄膜のL&Sパターンを得た。
レジストを剥離後、80℃の濃硫酸に15分間浸漬して
洗浄、純水でリンスして位相シフトマスクを得た。この
位相シフト膜のL&SパターンをSEMにて観察したと
ころ良好なパターンが形成されていた。
【0034】[実施例2]モリブデンの添加量を1.0
%とした以外は実施例1と同様に位相シフト膜(膜厚6
7nm)を形成し、SiNを主成分とし、微量のMoを
含む位相シフト膜を有する位相シフトマスクブランクを
得た。
【0035】得られた位相シフトマスクブランクの透過
率は波長193nmの光に対して13.8%であり、ハ
ーフトン型位相シフトマスクとして要求される数%〜数
十%の範囲を十分に満たしていた。また、成膜前後のマ
スク基板の平坦度変化から算出される位相シフト膜の膜
応力は203MPaであった。結果を表1に示す。
【0036】次に、上記薄膜上に電子線レジスト膜を形
成し、パターン露光、現像によりレジスト膜を形成後、
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、薄膜部
分を除去し、位相シフト薄膜のL&Sパターンを得た。
レジストを剥離後、80℃の濃硫酸に15分間浸漬して
洗浄、純水でリンスして位相シフトマスクを得た。この
位相シフト膜のL&SパターンをSEMにて観察したと
ころ良好なパターンが形成されていた。
【0037】[実施例3]窒化ケイ素Si34に対し、
モリブデンの代わりにジルコニウムを原子比で4%とな
るように加えたこと以外は実施例1と同様に位相シフト
膜(膜厚63nm)を形成し、SiNを主成分とし、微
量のZrを含む位相シフト膜を有する位相シフトマスク
ブランクを得た。
【0038】得られた位相シフトマスクブランクの透過
率は波長193nmの光に対して11.4%であり、ハ
ーフトン型位相シフトマスクとして要求される数%〜数
十%の範囲を十分に満たしていた。また、成膜前後のマ
スク基板の平坦度変化から算出される膜応力は192M
Paであった。結果を表1に示す。
【0039】次に、上記薄膜上に電子線レジスト膜を形
成し、パターン露光、現像によりレジスト膜を形成後、
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、薄膜部
分を除去し、位相シフト薄膜のL&Sパターンを得た。
レジストを剥離後、80℃の濃硫酸に15分間浸漬して
洗浄、純水でリンスして位相シフトマスクを得た。この
位相シフト膜のL&SパターンをSEMにて観察したと
ころ良好なパターンが形成されていた。
【0040】[比較例1]窒化ケイ素Si34に対し、
原子比で40%のモリブデンを添加し、スパッタリング
ガスに更に反応性ガスとして酸素を添加した以外は実施
例1と同様に位相シフト膜(膜厚82nm)を形成し、
MoSiONの位相シフト膜を有する位相シフトマスク
ブランクを得た。
【0041】得られた位相シフトマスクブランクの透過
率は波長193nmの光に対して2.3%であり、ま
た、成膜前後のマスク基板の平坦度変化から算出される
膜応力は672MPaであり、成膜前後におけるマスク
基板の平坦度が大きく変化した。結果を表1に示す。
【0042】次に、上記薄膜上に電子線レジスト膜を形
成し、パターン露光、現像によりレジスト膜を形成後、
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、薄膜部
分を除去し、位相シフト薄膜のL&Sパターンを得た。
レジストを剥離後、80℃の濃硫酸に15分間浸漬して
洗浄、純水でリンスして位相シフトマスクを得た。この
位相シフトマスクの平坦度を測定したところ、平坦度は
前記成膜後の値と比較して更に変化していた。
【0043】
【表1】
【0044】上記より、比較例では膜応力が大きく、微
細なパターンにおいては大きな寸法変動が生じるもので
あるのに対し、実施例の位相シフト膜は、応力が比較例
の3分の1程度であり、寸法精度の高い位相シフトマス
クを与える位相シフトマスクブランクであることがわか
る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、位相シフト膜をスッパ
タリング法で製造する際、スパッタターゲットとして窒
化ケイ素を主成分とし、微量の遷移金属を添加したスパ
ッタターゲットを用いることにより、パルスDCスパッ
タリングの適用が可能となり、上記スパッタターゲット
を用い、パルスDCスパッタリングにて位相シフト膜を
成膜することで、低欠陥、高スループットであるだけで
なく、従来に比べて膜応力の小さい位相シフト膜を形成
でき、高精度な位相シフトマスクブランク及び位相シフ
トマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る位相シフトマスクブラ
ンクの断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る位相シフトマスクの断
面図である。
【図3】位相シフトマスクの製造法を示した説明図であ
り、(A)はレジスト膜を形成した状態、(B)はレジ
スト膜をパターンニングした状態、(C)は位相シフト
膜のエッチングを行った状態、(D)はレジスト膜を除
去した状態の概略断面図である。
【図4】(A),(B)はハーフトーン型位相シフトマ
スクの原理を説明する図であり、(B)は(A)のX部
の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 基板 1a 基板露出部 2 位相シフト膜 2a 位相シフター部 3 レジスト膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月6日(2002.2.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本発明においては、上述のスパッタターゲ
ットを用い、パルスDCスパッタリングにより透明基板
上に位相シフト膜を形成して位相シフトマスクブランク
を製造する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】この場合、パルスDCスパッタリングの周
波数は25〜250kHz、好ましくは50〜200k
Hzである。また、上記周波数以外のパルスDCスパッ
タリング条件は特に限定されないが、位相シフト膜を成
膜する際に用いるスパッタリングガスとして、アルゴン
等の不活性ガスのみ、或いは窒素原子及び/又は酸素原
子を含むガス、炭素原子を含むガス及びフッ素原子を含
むガスから選ばれる1種以上の反応性ガスと不活性ガス
との混合ガスを用いることが好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】次に、本発明の位相シフトマスクブランク
を用いて図2に示したような位相シフトマスクを製造す
る場合は、図3(A)に示したように、透明基板1上に
位相シフト膜2を形成した後、位相シフト膜2上にレジ
スト膜3を形成し、図3(B)に示したように、レジス
ト膜3をパターニングし、更に、図3(C)に示したよ
うに、位相シフト膜2をエッチングした後、図3(D)
に示したように、レジスト膜3を剥離する方法が採用し
得る。この場合、レジスト膜の塗布、パターニング(露
光、現像)、レジスト膜の除去は、公知の方法によって
行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 智 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社新機能材料技術研究 所内 (72)発明者 金子 英雄 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社新機能材料技術研究 所内 (72)発明者 稲月 判臣 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社新機能材料技術研究 所内 Fターム(参考) 2H095 BA01 BB03 BB25 BB31 BC05 BC08 4K029 BA58 BB00 BC00 BC03 BD01 CA06 DC05 DC34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスDCスパッタリング(周波数25
    〜250kHz)により位相シフトマスクブランクの位
    相シフト膜を形成するためのスパッタターゲットであっ
    て、窒化ケイ素を主成分とし、遷移金属を0.01〜5
    %(原子比)含有し、比抵抗が10Ωcm以下であるこ
    とを特徴とするスパッタターゲット。
  2. 【請求項2】 遷移金属が、クロム、モリブデン、タン
    グステン、タンタル、チタン、ジルコニウム及びハフニ
    ウムから選ばれる一つ以上の金属であることを特徴とす
    る請求項1記載のスパッタターゲット。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のスパッタターゲッ
    トを用い、不活性ガス雰囲気中又は不活性ガスと反応性
    ガスとの混合ガス雰囲気中でパルスDCスパッタリング
    により膜応力が500MPa以下である位相シフト膜を
    形成することを特徴とする位相シフトマスクブランクの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 反応性ガスが、窒素原子及び/又は酸素
    原子を含むガス、炭素原子を含むガス及びフッ素原子を
    含むガスから選ばれる一種以上であることを特徴とする
    請求項3記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の位相シフトマスク
    ブランクを光リソグラフィー法によってパターンを形成
    してなることを特徴とする位相シフトマスクの製造方
    法。
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