JP2003215778A - スパッタターゲット、該スパッタターゲットを用いた位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法 - Google Patents

スパッタターゲット、該スパッタターゲットを用いた位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法

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JP2003215778A
JP2003215778A JP2002011397A JP2002011397A JP2003215778A JP 2003215778 A JP2003215778 A JP 2003215778A JP 2002011397 A JP2002011397 A JP 2002011397A JP 2002011397 A JP2002011397 A JP 2002011397A JP 2003215778 A JP2003215778 A JP 2003215778A
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Tsutomu Shinagawa
勉 品川
Hideo Kaneko
英雄 金子
Satoshi Okazaki
智 岡崎
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 パルスDCスパッタリングにより位相シ
フトマスクブランクの位相シフト膜を形成するためのス
パッタターゲットであって、シリコンを主成分とし、シ
リコン以外の金属を0.01〜5%(原子比)含有し、
比抵抗が10Ωcm以下であることを特徴とするスパッ
タターゲット。 【効果】 本発明によれば、位相シフト膜をスッパタリ
ング法で製造する際、スパッタターゲットとしてシリコ
ンを主成分とし、微量のシリコン以外の金属を添加した
スパッタターゲットを用いることにより、パルスDCス
パッタリングの適用が可能となり、上記スパッタターゲ
ットを用い、パルスDCスパッタリングにて位相シフト
膜を成膜することで、低欠陥、高スループットであるだ
けでなく、従来に比べて膜応力の小さい位相シフト膜を
形成でき、高精度な位相シフトマスクブランク及び位相
シフトマスクを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路及
び高密度集積回路などの製造工程において使用される位
相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクの位相シ
フト膜の形成に用いられるスパッタターゲット、該スパ
ッタターゲットを用いて位相シフト膜を形成する位相シ
フトマスクブランク及び位相シフトマスクの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】LS
I、VLSI等の高密度半導体集積回路やCCD(電荷
結合素子)、LCD(液晶表示素子)用のカラーフィル
ター及び磁気ヘッド等の微細加工には、フォトマスクを
使ったフォトリソグラフィー技術が用いられている。そ
して、このフォトマスクを作製するためにフォトマスク
ブランクが使用され、このフォトマスクブランクとして
は、通常、石英ガラス等の透光性基板上にクロムからな
る遮光膜を設けたものが使用されている。
【0003】しかし、近年の更なるパターン微細化の要
求に応えるため、露光波長の短波長化が進むと同時に位
相シフトリソグラフィー技術が採用され始めている。位
相シフトリソグラフィーは光リソグラフィーの解像度を
上げる技術の一つであり、フォトマスクを透過する露光
光間に位相差を与えることにより透過光相互の干渉を利
用して解像度を飛躍的に向上できるようにしたものであ
る。
【0004】また、位相シフトマスクには、レベンソン
型、補助パターン型、自己整合型などのタイプが知られ
ており、近年研究開発が活発に行われているが、この位
相シフトマスクの一つとしていわゆるハーフトーン型位
相シフトマスクと呼ばれる位相シフトマスクがあり、徐
々に実用化され始めている。
【0005】この位相シフトマスク(ハーフトーン型位
相シフトマスク)は、例えば、図4(A),(B)に示
したように、基板1上に位相シフト膜2をパターン形成
してなるもので、位相シフト膜の存在しない基板露出部
(第1の光透過部)1aとマスク上のパターン部分を形
成している位相シフター部(第2の光透過部)2aとに
おいて、両者を透過してくる光の位相差を図4(B)に
示したように180度とすることで、パターン境界部分
の光の干渉により、干渉した部分で光強度はゼロとな
り、転写像のコントラストを向上させることができるも
のである。また、位相シフト法を用いることにより、必
要な解像度を得る際の焦点深度を増大させることが可能
となり、クロム膜等からなる一般的な露光パターンを持
つ通常のマスクを用いた場合に比べて、解像度の改善と
露光プロセスのマージンを向上させることが可能なもの
である。
【0006】上記位相シフトマスクは、位相シフター部
の光透過特性によって、完全透過型位相シフトマスク
と、ハーフトーン型位相シフトマスクとに実用的には大
別することができる。完全透過型位相シフトマスクは、
位相シフター部の光透過率が基板と同等であり、露光波
長に対し透明なマスクである。一方、ハーフトーン型位
相シフトマスクは、位相シフター部の光透過率が基板露
出部の数%〜数十%程度のものである。
【0007】図1にハーフトーン型位相シフトマスクブ
ランク、図2にハーフトーン型位相シフトマスクの基本
的な構造をそれぞれ示す。図1に示したハーフトーン型
位相シフトマスクブランクは、露光光に対して透明な基
板1上にハーフトーン型位相シフト膜2を形成したもの
である。また、図2に示したハーフトーン型位相シフト
マスクは、上記シフト膜2をパターニングして、マスク
上のパターン部分を形成するハーフトーン型位相シフタ
ー部2aと、位相シフト膜が存在しない基板露出部1a
を形成したものである。
【0008】ここで、位相シフター部2aを透過した露
光光は基板露出部1aを透過した露光光に対して位相が
シフトされる(図4(A),(B)参照)。また、位相
シフター部2aを透過した露光光が被転写基板上のレジ
ストに対しては感光しない程度の光強度になるように、
位相シフター部2aの透過率は設定されている。従っ
て、位相シフター部2aは露光光を実質的に遮光する機
能を有する。
【0009】上記ハーフトーン型位相シフトマスクとし
ては、構造が簡単な単層型のハーフトーン型位相シフト
マスクが提案されており、このような単層型のハーフト
ーン型位相シフトマスクとして、モリブデンシリサイド
酸化物(MoSiO)、モリブデンシリサイド酸化窒化
物(MoSiON)からなる位相シフト膜を有するもの
などが提案されている(特開平7−140635号公報
等)。
【0010】このような位相シフトマスクを作製する方
法としては、位相シフトマスクブランクをリソグラフィ
ー法によりパターン形成する方法が用いられる。このリ
ソグラフィー法は、位相シフトマスクブランク上にレジ
ストを塗布し、電子線又は紫外線により所望の部分のレ
ジストを感光後に現像し、位相シフト膜表面を露出させ
た後、パターニングされたレジスト膜をマスクとして所
望の部分の位相シフト膜をエッチングして基板を露出さ
せる。その後、レジスト膜を剥離することにより位相シ
フトマスクが得られるものである。
【0011】上述したように、近年の更なるパターンの
微細化の要求に応えるためのハーフトーン型位相シフト
マスクとして、主にMoSiONやMoSiOを主成分
とする位相シフト膜が用いられている。しかしながら、
上記位相シフト膜は、膜応力が大きいために、成膜前後
及びその後のプロセスを経たパターン形成前後でのマス
ク基板の平坦度(フラットネス)が大きく変化し、微細
化を達成できる高精度なハーフトーン型位相シフトマス
クを製造することは難しかった。
【0012】また、半導体であるシリコンをターゲット
として用いる場合、成膜方法としてRF(高周波)スパ
ッタリング法を適用しなければならないが、この方法で
は、DCスパッタリング法に比べて成膜速度が遅いため
に、位相シフトマスクブランク製造のスループットが悪
くなるだけでなく、ターゲット近傍のプラズマ空間がD
Cスパッタリングの場合と比較して大きくなるため、タ
ーゲット近傍の内壁部からパーティクルが発生し、成膜
途中の位相シフト膜中に混入し、欠陥が多くなるという
問題もあった。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、成膜前後又はパターン形成前後の平坦度(フラッ
トネス)の変化が小さい位相シフトマスクブランク及び
位相シフトマスク、即ち、膜応力の小さい位相シフト膜
を有する位相シフトマスクブランク及び位相シフトマス
クを製造するため用いられるスパッタターゲット、該ス
パッタターゲットを用いた位相シフトマスクブランク及
び位相シフトマスクの製造方法を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結
果、位相シフトマスクの位相シフト膜を形成するための
スパッタターゲットとして、半導体であるシリコンにシ
リコン以外の金属を添加して導電性を持たせてやると、
パルスDCスパッタリングのスパッタターゲットとして
適用でき、更に上記金属の添加量が0.01〜5%(原
子比)であるスパッタターゲットを用いてスパッタリン
グすることにより、膜応力が十分軽減した位相シフト膜
が形成できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0015】即ち、本発明は、下記のスパッタターゲッ
ト、該スパッタターゲットを用いた位相シフトマスクブ
ランク及び位相シフトマスクの製造方法を提供する。 請求項1:パルスDCスパッタリングにより位相シフト
マスクブランクの位相シフト膜を形成するためのスパッ
タターゲットであって、シリコンを主成分とし、シリコ
ン以外の金属を0.01〜5%(原子比)含有し、比抵
抗が10Ωcm以下であることを特徴とするスパッタタ
ーゲット。 請求項2:シリコン以外の金属が、クロム、モリブデ
ン、タングステン、タンタル、チタン、ジルコニウム、
ハフニウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム及び
スズから選ばれる一つ以上であることを特徴とする請求
項1記載のスパッタターゲット。 請求項3:請求項1又は2記載のスパッタターゲットを
用い、不活性ガスと反応性ガスとの混合ガス雰囲気中で
パルスDCスパッタリングにより膜応力が500MPa
以下である位相シフト膜を形成することを特徴とする位
相シフトマスクブランクの製造方法。 請求項4:反応性ガスが、窒素原子及び/又は酸素原子
を含むガス、炭素原子を含むガス及びフッ素原子を含む
ガスから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求
項3記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。 請求項5:請求項3又は4記載の位相シフトマスクブラ
ンクを光リソグラフィー法によってパターンを形成して
なることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
【0016】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明のスパッタターゲットはシリコンを主成分と
し、微量のシリコン以外の金属を含有するものであり、
例えば、シリコン粉末とシリコン以外の金属粉末とを所
定の組成になるように混合し焼結することにより作製す
ることができる。
【0017】上記金属としては、クロム、モリブデン、
タングステン、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフ
ニウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム及びスズ
の中から選ばれる一つ以上を添加することが好ましく、
特にモリブデン、ジルコニウムが好ましい。
【0018】また、上記金属の添加量は、0.01〜
5.0%(原子比)、好ましくは0.1〜3.0%(原
子比)である。金属の添加量が0.01%未満であると
ターゲットの導電性が不十分となり、放電が不安定とな
る。また、金属の添加量が5.0%を超えると形成した
位相シフト膜の膜応力が大きくなり、成膜前後又はパタ
ーン形成前後における基板の平坦度が大きく変化するた
め、高精度な位相シフトマスクを製造することができな
くなる。
【0019】更に、本発明のスパッタターゲットは、比
抵抗が10Ωcm以下のものである。比抵抗が10Ωc
mを超えると、ターゲットの導電性が不十分で放電が起
こらなかったり、放電が不安定になったりする。
【0020】本発明においては、上述のスパッタターゲ
ットを用い、パルスDSスパッタリングにより透明基板
上に位相シフト膜を形成して位相シフトマスクブランク
を製造する。
【0021】この場合、パルスDSスパッタリング条件
は特に限定されないが、パルスDCスパッタリングの周
波数は25〜250kHzが好ましく、特に50〜20
0kHzが好ましい。また、位相シフト膜を成膜する際
に用いるスパッタリングガスとして、アルゴン等の不活
性ガスと窒素原子及び/又は酸素原子を含むガス、炭素
原子を含むガス及びフッ素原子を含むガスから選ばれる
1種以上の反応性ガスとの混合ガスを用いることが好ま
しい。
【0022】上記、反応性ガスとしては、例えば窒素、
酸素、二酸化窒素、一酸化窒素、亜酸化窒素、一酸化炭
素、二酸化炭素、メタン、弗化ケイ素などが挙げられ
る。
【0023】また、位相シフト膜は、露光波長(KrF
エキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等)に対し
て位相を180度反転させ、かつ所望の膜厚及び透過率
を達成できるような屈折率及び吸収係数となる膜組成を
持つように、適宜添加ガス種及びその流量を調整するこ
とで所望の位相シフト膜が形成される。
【0024】なお、成膜される位相シフト膜の透過率を
上げたいときには膜中に酸素及び窒素が多く取り込まれ
るようにスパッタリングガスに添加する酸素や窒素を含
むガス量を増やす方法で調整することができる。
【0025】本発明に係る位相シフト膜は、露光光にお
ける透過率が数%〜数十%(特に3%〜40%であるこ
とが好ましい)のハーフトーン型であることが好まし
く、位相シフター部を透過した光の位相が透明基板のみ
を透過した光に対して180±5度の位相差を有するこ
とが好ましい。なお、透明基板は、使用する露光波長に
対して透明な基板であれば特に制限はない。透明基板と
しては、石英基板、蛍石、その他各種ガラス基板(例え
ば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス
等)などが挙げられる。
【0026】次に、本発明の位相シフトマスクブランク
を用いて図2に示したような位相シフトマスクを製造す
る場合は、図3(A)に示したように、透明基板1上に
位相シフト膜2を形成した後、位相シフト膜2上にレジ
スト膜3を形成し、図3(B)に示したように、レジス
ト膜4をパターニングし、更に、図3(C)に示したよ
うに、位相シフト膜2をエッチングした後、図3(D)
に示したように、レジスト膜3を剥離する方法が採用し
得る。この場合、レジスト膜の塗布、パターニング(露
光、現像)、レジスト膜の除去は、公知の方法によって
行うことができる。
【0027】上記方法により形成された位相シフト膜
は、特に200nm以下の露光波長に対する屈折率及び
吸収係数特性から、ArFエキシマレーザー用のハーフ
トーン型位相シフトマスクとして優れた特性を有する。
【0028】また、本発明の上記位相シフトマスクブラ
ンクの位相シフト膜の膜応力は500MPa以下、特に
300MPa以下であることから、低欠陥であるばかり
でなく、低膜応力を反映し高精度な位相シフトマスクを
製造することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0030】[実施例1]6”角形石英基板上に、シリ
コン粉末に対して原子比が0.25%となるようにモリ
ブデンを添加したものをスパッタターゲットとし、スパ
ッタリングガスとしてアルゴンガスと窒素ガスを流量比
2:5とした混合ガス雰囲気中、放電中のガス圧0.3
1Pa、投入電力200W、成膜温度120℃、周波数
100kHzでのパルスDCスパタリング法により、位
相差が約180度になるように位相シフト膜(膜厚73
nm)を形成し、窒化ケイ素を主成分とし、微量のモリ
ブデンを含む位相シフト膜を有する位相シフトマスクブ
ランクを得た。
【0031】得られた位相シフトマスクブランクの透過
率は波長193nmの光に対して18.1%であり、ハ
ーフトーン型位相シフトマスクとして要求される数%〜
数十%の範囲を十分に満たしていた。また、成膜前後の
基板の平坦度変化から算出される位相シフト膜の膜応力
は197MPaであった。結果を表1に示す。
【0032】なお、波長193nmにおける位相差及び
透過率は、レーザーテック社製MPM−193で測定
し、基板の平坦度はニデック社製FT−900で測定し
た(以下の実施例、比較例において同じ)。
【0033】次に、上記薄膜上に電子線レジスト膜を形
成し、パターン露光、現像によりレジスト膜を形成後、
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、薄膜部
分を除去し、位相シフト薄膜のL&Sパターンを得た。
レジストを剥離後、80℃の濃硫酸に15分間浸漬して
洗浄、純水でリンスして位相シフトマスクを得た。この
位相シフト膜のL&SパターンをSEMにて観察したと
ころ良好なパターンが形成されていた。
【0034】[実施例2]モリブデンの添加量を0.5
%とした以外は実施例1と同様に位相シフト膜(膜厚7
1nm)を形成し、窒化ケイ素を主成分とし、微量のモ
リブデンを含む位相シフト膜を有する位相シフトマスク
ブランクを得た。
【0035】得られた位相シフトマスクブランクの透過
率は波長193nmの光に対して17.8%であり、ハ
ーフトーン型位相シフトマスクとして要求される数%〜
数十%の範囲を十分に満たしていた。また、成膜前後の
マスク基板の平坦度変化から算出される位相シフト膜の
膜応力は195MPaであった。結果を表1に示す。
【0036】次に、上記薄膜上に電子線レジスト膜を形
成し、パターン露光、現像によりレジスト膜を形成後、
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、薄膜部
分を除去し、位相シフト薄膜のL&Sパターンを得た。
レジストを剥離後、80℃の濃硫酸に15分間浸漬して
洗浄、純水でリンスして位相シフトマスクを得た。この
位相シフト膜のL&SパターンをSEMにて観察したと
ころ良好なパターンが形成されていた。
【0037】[実施例3]モリブデンの添加量を1.0
%、放電中のガス圧を0.33Paとした以外は実施例
1と同様に位相シフト膜(膜厚67nm)を形成し、窒
化ケイ素を主成分とし、微量のモリブデンを含む位相シ
フト膜を有する位相シフトマスクブランクを得た。
【0038】得られた位相シフトマスクブランクの透過
率は波長193nmの光に対して15.9%であり、ハ
ーフトーン型位相シフトマスクとして要求される数%〜
数十%の範囲を十分に満たしていた。また、成膜前後の
マスク基板の平坦度変化から算出される膜応力は205
MPaであった。結果を表1に示す。
【0039】次に、上記薄膜上に電子線レジスト膜を形
成し、パターン露光、現像によりレジスト膜を形成後、
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、薄膜部
分を除去し、位相シフト薄膜のL&Sパターンを得た。
レジストを剥離後、80℃の濃硫酸に15分間浸漬して
洗浄、純水でリンスして位相シフトマスクを得た。この
位相シフト膜のL&SパターンをSEMにて観察したと
ころ良好なパターンが形成されていた。
【0040】[実施例4]シリコンに対し、モリブデン
の代わりにジルコニウムを原子比で4.0%となるよう
に加えたこと以外は実施例1と同様に位相シフト膜(膜
厚70nm)を形成し、窒化ケイ素を主成分とし、微量
のジルコニウムを含む位相シフト膜を有する位相シフト
マスクブランクを得た。
【0041】得られた位相シフトマスクブランクの透過
率は波長193nmの光に対して13.5%であり、ハ
ーフトーン型位相シフトマスクとして要求される数%〜
数十%の範囲を十分に満たしていた。また、成膜前後の
マスク基板の平坦度変化から算出される膜応力は213
MPaであった。結果を表1に示す。
【0042】次に、上記薄膜上に電子線レジスト膜を形
成し、パターン露光、現像によりレジスト膜を形成後、
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、薄膜部
分を除去し、位相シフト薄膜のL&Sパターンを得た。
レジストを剥離後、80℃の濃硫酸に15分間浸漬して
洗浄、純水でリンスして位相シフトマスクを得た。この
位相シフト膜のL&SパターンをSEMにて観察したと
ころ良好なパターンが形成されていた。
【0043】[比較例1]シリコンに対し、原子比で4
0%のモリブデンを添加し、放電中のガス圧を0.38
Paとし、スパッタリングガスに反応性ガスとして更に
酸素ガスを加え、アルゴンガスと窒素ガスと酸素ガスの
流量比を1:1:1として添加した以外は実施例1と同
様に位相シフト膜(膜厚82nm)を形成し、MoSi
ONからなる位相シフト膜を有する位相シフトマスクブ
ランクを得た。
【0044】得られた位相シフトマスクブランクの透過
率は波長193nmの光に対して1.9%であり、ま
た、成膜前後のマスク基板の平坦度変化から算出される
膜応力は685MPaであり、成膜前後におけるマスク
基板の平坦度が大きく変化した。結果を表1に示す。
【0045】次に、上記薄膜上に電子線レジスト膜を形
成し、パターン露光、現像によりレジスト膜を形成後、
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、薄膜部
分を除去し、位相シフト薄膜のL&Sパターンを得た。
レジストを剥離後、80℃の濃硫酸に15分間浸漬して
洗浄、純水でリンスして位相シフトマスクを得た。ここ
で得られた位相シフトマスクの基板の平坦度を測定した
ところ、平坦度は前記成膜後の値と比較して更に変化し
ており、微細なパターンにおいては寸法変動が生じてい
た。
【0046】
【表1】
【0047】上記より、比較例では膜応力が大きく、微
細なパターンにおいては大きな寸法変動が生じるもので
あるのに対し、実施例の位相シフト膜は、応力が比較例
の3分の1程度であり、寸法精度の高い位相シフトマス
クを与える位相シフトマスクブランクであることがわか
る。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、位相シフト膜をスッパ
タリング法で製造する際、スパッタターゲットとしてシ
リコンを主成分とし、微量のシリコン以外の金属を添加
したスパッタターゲットを用いることにより、パルスD
Cスパッタリングの適用が可能となり、上記スパッタタ
ーゲットを用い、パルスDCスパッタリングにて位相シ
フト膜を成膜することで、低欠陥、高スループットであ
るだけでなく、従来に比べて膜応力の小さい位相シフト
膜を形成でき、高精度な位相シフトマスクブランク及び
位相シフトマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る位相シフトマスクブラ
ンクの断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る位相シフトマスクの断
面図である。
【図3】位相シフトマスクの製造法を示した説明図であ
り、(A)はレジスト膜を形成した状態、(B)はレジ
スト膜をパターンニングした状態、(C)は位相シフト
膜のエッチングを行った状態、(D)はレジスト膜を除
去した状態の概略断面図である。
【図4】(A),(B)はハーフトーン型位相シフトマ
スクの原理を説明する図であり、(B)は(A)のX部
の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 基板 1a 基板露出部 2 位相シフト膜 2a 位相シフター部 3 レジスト膜
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月6日(2002.2.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本発明においては、上述のスパッタターゲ
ットを用い、パルスDCスパッタリングにより透明基板
上に位相シフト膜を形成して位相シフトマスクブランク
を製造する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】この場合、パルスDCスパッタリング条件
は特に限定されないが、パルスDCスパッタリングの周
波数は25〜250kHzが好ましく、特に50〜20
0kHzが好ましい。また、位相シフト膜を成膜する際
に用いるスパッタリングガスとして、アルゴン等の不活
性ガスと窒素原子及び/又は酸素原子を含むガス、炭素
原子を含むガス及びフッ素原子を含むガスから選ばれる
1種以上の反応性ガスとの混合ガスを用いることが好ま
しい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】次に、本発明の位相シフトマスクブランク
を用いて図2に示したような位相シフトマスクを製造す
る場合は、図3(A)に示したように、透明基板1上に
位相シフト膜2を形成した後、位相シフト膜2上にレジ
スト膜3を形成し、図3(B)に示したように、レジス
ト膜3をパターニングし、更に、図3(C)に示したよ
うに、位相シフト膜2をエッチングした後、図3(D)
に示したように、レジスト膜3を剥離する方法が採用し
得る。この場合、レジスト膜の塗布、パターニング(露
光、現像)、レジスト膜の除去は、公知の方法によって
行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 英雄 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社新機能材料技術研究 所内 (72)発明者 岡崎 智 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社新機能材料技術研究 所内 Fターム(参考) 2H095 BB03 4K029 BA58 BD00 CA06 DC02 DC34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスDCスパッタリングにより位相シ
    フトマスクブランクの位相シフト膜を形成するためのス
    パッタターゲットであって、シリコンを主成分とし、シ
    リコン以外の金属を0.01〜5%(原子比)含有し、
    比抵抗が10Ωcm以下であることを特徴とするスパッ
    タターゲット。
  2. 【請求項2】 シリコン以外の金属が、クロム、モリブ
    デン、タングステン、タンタル、チタン、ジルコニウ
    ム、ハフニウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム
    及びスズから選ばれる一つ以上であることを特徴とする
    請求項1記載のスパッタターゲット。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のスパッタターゲッ
    トを用い、不活性ガスと反応性ガスとの混合ガス雰囲気
    中でパルスDCスパッタリングにより膜応力が500M
    Pa以下である位相シフト膜を形成することを特徴とす
    る位相シフトマスクブランクの製造方法。
  4. 【請求項4】 反応性ガスが、窒素原子及び/又は酸素
    原子を含むガス、炭素原子を含むガス及びフッ素原子を
    含むガスから選ばれる一種以上であることを特徴とする
    請求項3記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の位相シフトマスク
    ブランクを光リソグラフィー法によってパターンを形成
    してなることを特徴とする位相シフトマスクの製造方
    法。
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