JP2003201402A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に優しい非化石資源であるタンパク質を
主成分とする樹脂組成物において、機械的強度、耐熱
性、耐水性に優れた樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、(A)タンパク
質と、(B)ロジン誘導体とテルペンフェノール樹脂の
内の少なくとも1種、および(C)前記(B)成分と架
橋反応可能な官能基を有する化合物を必須成分としてな
ることを特徴とする樹脂組成物であって、反応触媒を用
いて架橋反応させることにより所要の特性の樹脂を容易
に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンパク質を主成
分とする樹脂組成物に関し、特に、機械的強度、耐熱
性、耐水性に優れたタンパク質系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】20世紀は石油資源を採掘し、プラスチ
ックの原料やエネルギーとして限りなく使用してきた。
しかしながら、近年、石油を初めとする化石資源の枯渇
化、プラスチックの燃焼に伴なう大気汚染や大量の二酸
化炭素の発生による地球温暖化の問題、産業廃棄物によ
る環境汚染等が深刻な環境問題となっている。そこで、
石油や石炭由来のような化石資源ではなく、天然物由来
の資源(いわゆる非化石資源)を利用した環境破壊の恐
れの少ないプラスチック材料の開発が盛んに進められて
いる。例えば、非化石資源の一つであるタンパク質で
は、トウモロコシタンパク質、大豆タンパク質、小麦タ
ンパク質(グルテン)等の植物性タンパク質やカゼイン
等の動物性タンパク質を用いた検討がなされている(特
開平7−11142号公報)。しかし、これらのタンパ
ク質系プラスチックは一般的に機械的強度、耐熱性が低
く、しかも、耐水性が著しく劣るため、限られた用途で
しか使用できないという欠点があり、実用上問題が多か
った、
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な成形材料用プラスチックの問題点に鑑みてなされたも
のであり、資源の枯渇の恐れがあり、また環境に対する
負荷が大きな石油や石炭のような化石資源を用いること
なく、環境問題の原因となる恐れの少ない非化石資源で
あるタンパク質系樹脂組成物において、汎用性があり、
機械的強度、耐熱性、耐水性に優れた樹脂組成物を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)タンパ
ク質と、(B)ロジン誘導体とテルペンフェノール樹脂
の内の少なくとも1種、および(C)前記(B)成分と
架橋反応可能な官能基を有する化合物を必須成分として
なることを特徴とする樹脂組成物である。
【0005】ここで、前記(A)タンパク質は、カゼイ
ン、ゼラチン、コラーゲン、大豆タンパク、グルテンか
ら選ばれる少なくとも1種のタンパク質を用いることが
できる。
【0006】また、前記(B)ロジン誘導体として、カ
ルボキシル基含有ロジン、マレイン化ロジン、エポキシ
化ロジン、ロジンアミン、ロジンアミドから選ばれる少
なくとも1種の化合物を用いた場合には、前記(C)成
分として、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合
物を用いることができる。また、前記(B)ロジン誘導
体として、ロジン骨格含有ジオール化合物、ロジン変性
フェノール樹脂から選ばれる化合物を用いた場合には、
前記(C)成分として、(i)2個以上のイソシアネー
ト基を有するポリイソシアネート化合物、(ii)多価
カルボン酸および天然油脂からなる混合物、から選ばれ
る化合物を用いることができる。さらに、前記(B)ロ
ジン誘導体として、カルボキシル基含有ロジンを用いた
場合には、前記(C)成分として、多価アルコールおよ
び天然油脂からなる混合物を用いることができる。
【0007】前記(B)テルペンフェノール樹脂として
は、(a)環状テルペン化合物とフェノール類を共重合
させて得られる環状テルペンフェノール樹脂、(b)環
状テルペン化合物1分子にフェノール類2分子の割合で
付加させてなる環状テルペン骨格含有フェノール化合
物、(c)この環状テルペン骨格含有フェノール化合物
とアルデヒド類とを縮合反応させて得られる環状テルペ
ン骨格含有フェノール樹脂と、(d)環状テルペン化合
物1分子にフェノール類1分子の割合で付加させてなる
環状テルペン骨格含有フェノール化合物とアルデヒド類
とを縮合反応させて得られる環状テルペン骨格含有フェ
ノール樹脂、から選ばれる少なくとも1種の組成物を用
いることができる。この場合、前記(C)成分が、
(i)2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、
(ii)2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシ
アネート化合物、(iii)多価カルボン酸および天然油
脂からなる混合物、から選ばれる少なくとも1種の化合
物を用いることが好ましい。
【0008】第2の本発明は、上記樹脂組成物に、さら
に、植物性繊維粉末を配合してなることを特徴とする樹
脂組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の樹脂組成物につい
て、さらに詳細に説明する。 [タンパク質]本発明で用いられる(A)タンパク質
は、特に限定されるものではなく、例えば、カゼイン、
ゼラチン、コラーゲンなどの動物性タンパク質、大豆タ
ンパク、小麦タンパクのグルテンなどの植物性タンパク
質等が挙げられる。カゼインは、アミノ酸がペプチド結
合によって長鎖状に連なった高分子化合物であり、工業
的製法の違いにより、乳酸カゼイン、塩酸カゼイン、レ
ンネットカゼインなどがある。大豆タンパクは大豆カゼ
イン(植物カゼイン)とも呼ばれ、カゼインと類似した
性状を示す。ゼラチンは、ペプチド結合によって結合さ
れたα−アミノ酸およびイミノ酸から構成されており、
動物の皮、骨、腱などを形成する主タンパク成分のコラ
ーゲンを酸、アルカリまたは熱水で処理することにより
得られる可溶性タンパク質である。ゼラチンとコラーゲ
ンはアミノ酸組成が同じである。
【0010】グルテンは、穀物に含まれる水不溶性タン
パク質の混合物であり、穀物を混和、水洗し、デンプ
ン、可溶性タンパク質を洗い流して得られる。小麦タン
パクはグルテンが大部分であり、グルテンはグルテニン
とグリアジンから成る。構成アミノ酸はグルタミン酸が
多い。本発明においては、上記のタンパク質以外に、血
漿中に多く含まれる血液タンパクであるアルブミン、ト
ウモロコシタンパクのゼイン、落花生タンパク、絹タン
パクのフィブロインや羊毛タンパクのケラチンなどのタ
ンパク質も用いることができる。
【0011】[ロジン誘導体]本発明で用いられる
(B)ロジン誘導体としては、反応可能な官能基を有す
るロジン誘導体であれば良く、特に限定されるものでは
ない。例えば、カルボキシル基含有ロジン、マレイン化
ロジン、エポキシ化ロジン、ロジンアミン、ロジンアミ
ド、ロジン骨格含有ジオール化合物、ロジン変性フェノ
ール樹脂等が挙げられる。
【0012】カルボキシル基含有ロジンとしては、例え
ば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の天
然ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、重合ロジン、グ
リコール酸変性ロジン、高純度精製ロジン等が挙げられ
る。このようなロジンの市販品としては、荒川化学
(株)製のKR−85、KR−604、KR−610、
KR−612、AG−100等が挙げられる。
【0013】マレイン化ロジンは、ロジンと無水マレイ
ン酸を反応させて得られるロジン−無水マレイン酸付加
体である。エポキシ化ロジンは、ロジンとエピクロルヒ
ドリンを反応させて得られるロジングリシジルエステル
である。ロジンアミン、ロジンアミドは、ロジンのカル
ボキシル基を変性してアミノ基、アミド基としたもので
ある。
【0014】ロジン骨格含有ジオール化合物は、ジエポ
キシ化合物1分子とロジン2分子とを触媒存在下、12
0〜200℃で酸価5以下となるまで開環付加反応させ
て得られる。かかるジエポキシ化合物としては、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリ
シジルエーテル等が挙げられる。かかる触媒としては、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、ピリジン、2−イミダゾ
ール等のアミン系触媒、ベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド等の4級アンモニウム塩、ルイス酸、ホウ
酸エステル、有機金属化合物、有機金属塩等を使用でき
る。このようにして製造されるロジン骨格含有ジオール
化合物の市販品としては、荒川化学(株)製のKE−6
01、KE−615、KE−624等が挙げられる。
【0015】ロジン変性フェノール樹脂は、ロジンとフ
ェノールホルムアルデヒド初期縮合物を混合し、200
〜300℃の高温に加熱してから、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、またはエチレングリコールなどでロジ
ン中のカルボキシル基をエステル化して製造される。こ
のようにして製造されるロジン変性フェノール樹脂の市
販品としては、荒川化学(株)製のタマノル135、1
45等が挙げられる。
【0016】本発明における(B)ロジン誘導体の添加
量は特に制限されないが、(A)タンパク質100重量
部に対して、10〜150重量部が好ましい。10重量
部未満では樹脂組成物の特性(耐熱性、耐水性)の向上
効果が不十分であり、150重量部を超えるといわゆる
生分解性が低下する。
【0017】本発明で用いられる(C)成分の前記
(B)ロジン誘導体と架橋反応可能な官能基を有する化
合物としては、ロジン誘導体が有する官能基の種類に応
じて、そのロジン誘導体と反応可能な官能基を含有し、
架橋性を有する多官能性化合物を適宜選んで使用するこ
とができる。このようなロジン誘導体と架橋性を有する
多官能性化合物の組合せの具体的例について、各態様ご
とに詳しく説明する。
【0018】(ロジン誘導体を用いる第1の態様)
(B)ロジン誘導体が、カルボキシル基含有ロジン、マ
レイン化ロジン、エポキシ化ロジン、ロジンアミン、ロ
ジンアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物である
場合、前記(C)成分としては、2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ化合物が好適に使用される。本発明で
用いられるエポキシ化合物としては、1分子中に2個以
上のエポキシ基を有するものであれば良く、特に限定さ
れるものではない。その具体的例としては、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック
型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポ
キシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式
エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニ
ル)アルカンから誘導されるエポキシ化合物、ビスヒド
ロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキ
ル樹脂のエポキシ化物等が挙げられる。これらのエポキ
シ化合物は、単独でまたは2種以上混合して使用するこ
とができる。
【0019】ここで、エポキシ化合物の添加量は特に制
限されないが、(B)ロジン誘導体100重量部に対し
て、10〜80重量部の範囲とすることが好ましく、2
0〜70重量部の範囲とすることがさらに好ましい。1
0重量部未満では樹脂組成物の特性(機械的強度、耐熱
性)の向上効果が見られず、80重量部を超えると架橋
密度が高くなり、再利用する場合にリサイクル性が低下
する。また、本発明においては、エポキシ化合物と
(B)ロジン誘導体の官能基の反応を促進するための硬
化促進剤を適宜配合することができる。その硬化促進剤
としては、例えば塩基性触媒が使用でき、その具体例と
しては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、
トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、メチルジフェ
ニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニ
ル)ホスフィン等の有機ホスフィン化合物;2−エチル
イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾ
ール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール
化合物およびその誘導体;DBU(1,8−ジアザビシ
クロウンデセン−7)またはそのフェノール塩、6−ジ
ブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロウンデセン−7
等が挙げられる。
【0020】(ロジン誘導体を用いる第2の態様)
(B)ロジン誘導体が、ロジン骨格含有ジオール化合
物、ロジン変性フェノール樹脂から選ばれる化合物であ
る場合、前記(C)成分としては、(i)2個以上のイ
ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、
(ii)多価カルボン酸および天然油脂からなる混合物、
から選ばれる化合物が好適に使用される。本発明で用い
られる(i)ポリイソシアネート化合物としては、1分
子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれ
ば良く、特に限定されるものではない。その具体的例と
しては、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4
´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジ
フェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4´−
ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタ
ンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタン
ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイシシアネー
ト、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキ
サン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソ
シアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等
のジイソシアネート化合物、グリセリンやトリメチロー
ルプロパン等のポリオール類と上記イソシアネート化合
物との付加反応物等が挙げられる。これらのポリイソシ
アネート化合物は、単独でまたは2種以上混合して使用
することができる。
【0021】ここで、(i)ポリイソシアネート化合物
の添加量は特に制限されないが、(B)ロジン誘導体1
00重量部に対して、10〜80重量部の範囲とするこ
とが好ましく、20〜70重量部の範囲とすることがさ
らに好ましい。10重量部未満では樹脂組成物の特性
(機械的強度、耐熱性)の向上効果が見られず、80重
量部を超えると架橋密度が高くなり、再利用する場合に
リサイクル性が低下する。また、本発明においては、
(i)ポリイソシアネート化合物と(B)ロジン誘導体
の水酸基の反応を促進するウレタン化反応触媒として活
性水素原子化合物を適宜配合することができる。その活
性水素原子化合物としては、例えばエチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエ
チレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレン
トリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメ
タン4,4´−ジアミン等が挙げられる。
【0022】さらに、樹脂組成物の特性を損なわない範
囲で、公知の多価アルコールを適宜添加しても差し支え
ない。その多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、グリセリン、ブタンジオー
ル、プロパンジオール、トリメチロールプロパン等の1
分子中に2個以上の水酸基を有するアルコールが挙げら
れる。
【0023】本発明で用いられる(ii)成分の化合物
は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多価
カルボン酸および天然油脂からなる混合物である。多価
カルボン酸としては、例えば(無水)フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、(無水)トリメリット酸、アジ
ピン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、安息香酸、コ
ハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、スペリン酸等が挙げら
れる。これらの多価カルボン酸は、単独でまたは2種以
上混合して使用することができる。
【0024】また、天然油脂の具体的例としては、アマ
ニ油、サフラワー油、桐油、ひまし油、大豆油、綿実
油、米糠油、ごま油、コーン油、なたね油、オリーブ
油、ヤシ油、ひまわり油、落花生油、エノ油、つばき油
等の植物油、鯨油、魚油、肝油等の動物油およびそれら
の脂肪酸が挙げられる。これらの天然油脂は単独でまた
は2種以上混合して使用することができる。本発明にお
いて、(ii)成分の多価カルボン酸と天然油脂からなる
混合物は(B)ロジン誘導体の水酸基と反応してエステ
ル結合を形成することにより架橋反応を行なうことがで
きる。また、多価カルボン酸または天然油脂に含まれる
不飽和二重結合を付加重合させることにより、さらに強
固な架橋構造を形成することが可能となる。
【0025】ここで、(ii)成分の多価カルボン酸と天
然油脂からなる混合物の添加量は特に制限されないが、
(B)ロジン誘導体100重量部に対して、10〜80
重量部の範囲とすることが好ましく、20〜70重量部
の範囲とすることがさらに好ましい。10重量部未満で
は樹脂組成物の特性(機械的強度、耐熱性)の向上効果
が見られず、80重量部を超えると架橋密度が高くな
り、再利用する場合にリサイクル性が低下する。また、
多価カルボン酸と天然油脂の混合比率は、重量比で8
0:20〜20:80の範囲であることが好ましい。こ
の範囲から外れると樹脂組成物の特性(機械的強度、耐
熱性)の向上効果が不十分となる。
【0026】本発明においては、(ii)成分の多価カル
ボン酸と天然油脂からなる混合物と(B)ロジン誘導体
の水酸基の反応を促進するためのエステル化触媒を適宜
配合することができる。そのエステル化反応触媒として
は、例えば、テトラブチルジルコネート、ジルコニウム
ナフテート、テトラブチルチタネート、テトラオクチル
チタネート、シュウ酸第1スズ、テトラフェニルスズ、
ジブチルスズジクロライド、酢酸亜鉛、ナフテン酸亜
鉛、鉄アセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、ナ
フテン酸マンガン、トリフェニルビスマス、マグネシウ
ムチタネート、マグネシウムジルコネート、酸化亜鉛、
塩化スズ、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸ニッケ
ル、オクチル酸ブチルスズ、テトラフェニルスズ、テト
ラブチルスズ等が挙げられる。
【0027】また、本発明においては、(ii)成分の多
価カルボン酸と天然油脂からなる混合物に含まれる不飽
和二重結合の重合を促進する重合触媒を適宜配合するこ
とができる。その重合触媒としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド(BPO)、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、ジアシルパーオキサ
イド、ジラウロイルパーオキサイド、m−トルイルパー
オキサイド、アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ア
ゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
さらに、樹脂組成物の特性を損なわない範囲で、公知の
多官能性アルコールを適宜添加しても差し支えない。そ
の多官能性アルコールとしては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、グリセリン、ブタンジオール、プ
ロパンジオール等の多価アルコールまたはアリルアルコ
ール、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、3−ブテン−2−オール、2−ヘキ
セン−1−オール、4−アリルカテコール等の不飽和結
合を有するアルコールが挙げられる。
【0028】(ロジン誘導体を用いる第3の態様)
(B)ロジン誘導体が、カルボキシル基含有ロジンであ
る場合、前記(C)成分としては、多価アルコールおよ
び天然油脂からなる混合物が好適に使用される。本発明
で用いられる多価アルコールとしては、1分子中に2個
以上の水酸基を有するものであれば良く、特に限定され
るものではない。その具体的例としては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、ブタンジオ
ール、プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げら
れる。これらの多価アルコールは、単独でまたは2種以
上混合して使用することができる。
【0029】また、天然油脂の具体的例としては、アマ
ニ油、サフラワー油、桐油、ひまし油、大豆油、綿実
油、米糠油、ごま油、コーン油、なたね油、オリーブ
油、ヤシ油、ひまわり油、落花生油、エノ油、つばき油
等の植物油、鯨油、魚油、肝油等の動物油およびそれら
の脂肪酸が挙げられる。これらの天然油脂は単独でまた
は2種以上混合して使用することができる。本発明にお
いて、かかる多価アルコールと天然油脂からなる混合物
は(B)ロジン誘導体のカルボキシル基と反応してエス
テル結合を形成することにより架橋反応を行なうことが
できる。また、多価アルコールまたは天然油脂に含まれ
る不飽和二重結合を付加重合させることにより、さらに
強固な架橋構造を形成することが可能となる。ここで、
多価アルコールと天然油脂からなる混合物の添加量は特
に制限されないが、(B)ロジン誘導体100重量部に
対して、10〜80重量部の範囲とすることが好まし
く、20〜70重量部の範囲とすることがさらに好まし
い。10重量部未満では樹脂組成物の特性(機械的強
度、耐熱性)の向上効果が見られず、80重量部を超え
ると架橋密度が高くなり、再利用する場合にリサイクル
性が低下する。
【0030】また、多価アルコールと天然油脂の混合比
率は、重量比で80:20〜20:80の範囲であるこ
とが好ましい。この範囲から外れると樹脂組成物の特性
(機械的強度、耐熱性)の向上効果が不十分となる。本
発明においては、多価アルコールと天然油脂からなる混
合物と(B)ロジン誘導体のカルボキシル基の反応を促
進するためのエステル化触媒を適宜配合することができ
る。そのエステル化反応触媒としては、前記第2の態様
に記載されたものと同様の触媒を用いることができる。
また、本発明においては、多価アルコールと天然油脂か
らなる混合物に含まれる不飽和二重結合の重合を促進す
る重合触媒を適宜配合することができる。その重合触媒
としては、前記第2の態様に記載されたものと同様の重
合触媒を用いることができる。
【0031】さらに、樹脂組成物の特性を損なわない範
囲で、公知の多価カルボン酸を適宜添加しても差し支え
ない。その多価カルボン酸としては、例えば(無水)フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、(無水)トリメ
リット酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、フマル
酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタ
ル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スペリ
ン酸等が挙げられる。
【0032】[テルペンフェノール樹脂]本発明で用い
られる(B)テルペンフェノール樹脂とは、(a)環状
テルペン化合物とフェノール類を共重合させて得られる
環状テルペンフェノール樹脂、(b)環状テルペン化合
物1分子にフェノール類2分子の割合で付加させてなる
環状テルペン骨格含有フェノール化合物、(c)この環
状テルペン骨格含有フェノール化合物とアルデヒド類と
を縮合反応させて得られる環状テルペン骨格含有フェノ
ール樹脂と、(d)環状テルペン化合物1分子にフェノ
ール類1分子の割合で付加させてなる環状テルペン骨格
含有フェノール化合物とアルデヒド類とを縮合反応させ
て得られる環状テルペン骨格含有フェノール樹脂、から
選ばれる少なくとも1種のテルペンフェノール樹脂であ
る。これらのテルペンフェノール樹脂は、単独で使用す
ることもできるし、2種類以上を併用して使用すること
もできる。
【0033】本発明で用いられる(B)テルペンフェノ
ール樹脂を製造するための原料のテルペン化合物は、単
環のテルペン化合物であっても、双環のテルペン化合物
であってもよく、特に限定されるものではない。その具
体的例としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテ
ン、リモネン、フェランドレン、α−テルピネン、γ−
テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,
4−シネオール、ターピネオール、パラメンテン類、パ
ラメンタジエン類、カレン類等が挙げられる。
【0034】また、本発明で用いられる(B)テルペン
フェノール樹脂を製造するための他方の原料であるフェ
ノール類としては、フェノール、クレゾール、エチルフ
ェノール、ブチルフェノール、キシレノール、プロピル
フェノール、ノニルフェノール、フェニルフェノール、
ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、メトキシフ
ェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフ
トール等の化合物が挙げられる。これらの化合物は単独
もしくは2種以上混合して使用することができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0035】(a)環状テルペンフェノール樹脂は、環
状テルペン化合物とフェノール類をフリーデルクラフツ
型触媒の存在下で共重合させることにより製造すること
ができる。(a)の環状テルペンフェノール樹脂を製造
するための環状テルペン化合物とフェノール類の共重合
反応は、環状テルペン化合物1モルに対してフェノール
類を0.1〜12モル、好ましくは0.2〜6モル使用
し、フリーデルクラフツ型触媒の存在下で0〜120℃
の温度で1〜10時間行なわせる。そのフリーデルクラ
フツ型触媒としては塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素
もしくはその錯体等が挙げられる。このようにして製造
される環状テルペンフェノール樹脂の市販品としては、
ヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターやマイテイ
エース等が挙げられる。
【0036】(b)環状テルペン骨格含有フェノール化
合物は、環状テルペン化合物とフェノール類とを酸性触
媒の存在下で付加反応させることにより製造することが
できる。(b)の環状テルペン化合物1分子とフェノー
ル類2分子との付加反応は、環状テルペン化合物1モル
に対してフェノール類を1〜12モル、好ましくは2〜
8モル使用し、酸性触媒の存在下で20〜150℃の温
度で1〜10時間行なわせる。その酸性触媒としては、
塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、三フッ化ホウ素もし
くはその錯体、陽イオン交換樹脂、活性白土等が挙げら
れる。このようにして製造される環状テルペン骨格含有
フェノール化合物の市販品としては、ヤスハラケミカル
(株)製のYP−90等が挙げられる。
【0037】(c)環状テルペン骨格含有フェノール樹
脂は、上記環状テルペン骨格含有フェノール化合物とア
ルデヒド類とを縮合反応させることにより製造すること
ができる。(c)の環状テルペン骨格含有フェノール樹
脂を製造するための縮合剤として使用するアルデヒド類
としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ベン
ズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニル
アセトアルデヒド等が挙げられる。前記(b)環状テル
ペン骨格含有フェノール化合物とアルデヒド類との縮合
反応においては、通常のノボラック化反応の方法が用い
られる。この縮合反応におけるフェノール化合物とアル
デヒド類との反応割合は、フェノール化合物1モルに対
してアルデヒド類が0.1〜1.0モル、好ましくは
0.2〜0.7モルであり、酸性触媒の存在下で40〜
200℃の温度で1〜12時間反応させる。アルデヒド
類が多すぎると環状テルペン骨格含有フェノール樹脂が
高分子量化する。その縮合反応用酸性触媒としては、例
えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、シュ
ウ酸、トルエンスルホン酸等の有機酸を使用することが
できる。このようにして製造される(c)環状テルペン
骨格含有フェノール樹脂の市販品としては、ヤスハラケ
ミカル(株)製のテルペン変性ノボラック樹脂(YP−
90をノボラック化したもの)、ジャパンエポキシレジ
ン(株)製のテルペン変性フェノールノボラック樹脂
(MP402FPY)等が挙げられる。
【0038】また、(d)環状テルペン骨格含有フェノ
ール樹脂は、環状テルペン化合物1分子にフェノール類
1分子の割合で酸性触媒の存在下で付加反応させてなる
環状テルペン骨格含有フェノール化合物とアルデヒド類
とを縮合反応させることにより製造することができる。
(d)の環状テルペン骨格含有フェノール樹脂の前駆体
である環状テルペン骨格含有フェノール化合物を製造す
るための環状テルペン化合物1分子とフェノール類1分
子の付加反応は、環状テルペン化合物1モルに対してフ
ェノール類を0.5〜6モル、好ましくは1〜4モル使
用し、酸性触媒の存在下で20〜150℃の温度で1〜
10時間行なう。その酸性触媒としては、塩酸、硫酸、
リン酸、ポリリン酸、三フッ化ホウ素もしくはその錯
体、陽イオン交換樹脂、活性白土等が挙げられる。
【0039】(d)の環状テルペン骨格含有フェノール
樹脂を製造するための上記環状テルペン骨格含有フェノ
ール化合物とアルデヒド類との縮合反応は、前記(c)
の環状テルペン骨格含有フェノール樹脂と同様に行な
う。このようにして製造される(d)環状テルペン骨格
含有フェノール樹脂の市販品としては、ヤスハラケミカ
ル(株)製のDLN−120、DLN−140等が挙げ
られる。
【0040】本発明における(B)テルペンフェノール
樹脂の添加量は特に制限されないが、(A)タンパク質
100重量部に対して、10〜150重量部が好まし
い。10重量部未満では樹脂組成物の特性(耐熱性、耐
水性)の向上効果が不十分であり、150重量部を超え
るといわゆる生分解性が低下する。
【0041】本発明で用いられる(C)成分の前記
(B)テルペンフェノール樹脂と架橋反応可能な官能基
を有する化合物としては、テルペンフェノール樹脂の水
酸基と反応可能な官能基を含有し、架橋性を有する公知
の多官能性化合物が挙げられるが、なかでも、(i)2
個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、(ii)2
個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート
化合物、(iii)多価カルボン酸および天然油脂からな
る混合物のうちから選ばれる化合物が好適に使用され
る。
【0042】本発明で用いられる(i)エポキシ化合物
としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するも
のであれば良く、特に限定されるものではない。その具
体的例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジ
オール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまた
はテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導され
るエポキシ化合物、ビスヒドロキシビフェニル系エポキ
シ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物等が
挙げられる。これらのエポキシ化合物は、単独でまたは
2種以上混合して使用することができる。ここで、
(i)エポキシ化合物の添加量は特に制限されないが、
(B)テルペンフェノール樹脂100重量部に対して、
10〜80重量部の範囲とすることが好ましく、20〜
70重量部の範囲とすることがさらに好ましい。10重
量部未満では樹脂組成物の特性(機械的強度、耐熱性)
の向上効果が見られず、80重量部を超えると架橋密度
が高くなり、再利用する場合にリサイクル性が低下す
る。
【0043】また、本発明においては、(i)エポキシ
化合物と(B)テルペンフェノール樹脂の水酸基の反応
を促進するための硬化促進剤を適宜配合することができ
る。その硬化促進剤としては、例えば塩基性触媒が使用
でき、その具体例としては、トリメチルホスフィン、ト
リエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェ
ニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィ
ン、メチルジフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジ
メトキシフェニル)ホスフィン等の有機ホスフィン化合
物;2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等
のイミダゾール化合物およびその誘導体;DBU(1,
8−ジアザビシクロウンデセン−7)またはそのフェノ
ール塩、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
ウンデセン−7等が挙げられる。
【0044】本発明で用いられる(ii)ポリイソシアネ
ート化合物としては、1分子中に2個以上のイソシアネ
ート基を有するものであれば良く、特に限定されるもの
ではない。その具体的例としては、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイ
ソシアネート、4,4´−ジベンジルイソシアネート、
ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラ
アルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−
フェニレンジイシシアネート、1,4−フェニレンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−
1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジ
イソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキ
シルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロ
ヘキサンジイソシアネート等のジイソシアネート化合
物、グリセリンやトリメチロールプロパン等のポリオー
ル類と上記イソシアネート化合物との付加反応物等が挙
げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独
でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0045】ここで、(ii)ポリイソシアネート化合物
の添加量は特に制限されないが、(B)テルペンフェノ
ール樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範
囲とすることが好ましく、20〜70重量部の範囲とす
ることがさらに好ましい。10重量部未満では樹脂組成
物の特性(機械的強度、耐熱性)の向上効果が見られ
ず、80重量部を超えると架橋密度が高くなり、再利用
する場合にリサイクル性が低下する。
【0046】また、本発明においては、(ii)ポリイソ
シアネート化合物と(B)テルペンフェノール樹脂の水
酸基の反応を促進するウレタン化反応触媒として活性水
素原子化合物を適宜配合することができる。その活性水
素原子化合物としては、例えばエチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレ
ンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリ
アミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン
4,4´−ジアミン等が挙げられる。
【0047】さらに、樹脂組成物の特性を損なわない範
囲で、公知の多価アルコールを適宜添加しても差し支え
ない。その多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、グリセリン、ブタンジオー
ル、プロパンジオール、トリメチロールプロパン等の1
分子中に2個以上の水酸基を有するアルコールが挙げら
れる。
【0048】本発明で用いられる(iii)成分の化合物
は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多価
カルボン酸および天然油脂からなる混合物である。多価
カルボン酸としては、例えば(無水)フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、(無水)トリメリット酸、アジ
ピン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、安息香酸、コ
ハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、スペリン酸等が挙げら
れる。これらの多価カルボン酸は、単独でまたは2種以
上混合して使用することができる。
【0049】また、天然油脂の具体的例としては、アマ
ニ油、サフラワー油、桐油、ひまし油、大豆油、綿実
油、米糠油、ごま油、コーン油、なたね油、オリーブ
油、ヤシ油、ひまわり油、落花生油、エノ油、つばき油
等の植物油、鯨油、魚油、肝油等の動物油およびそれら
の脂肪酸が挙げられる。これらの天然油脂は単独でまた
は2種以上混合して使用することができる。
【0050】本発明において、(iii)成分の多価カル
ボン酸と天然油脂からなる混合物は(B)テルペンフェ
ノール樹脂の水酸基と反応してエステル結合を形成する
ことにより架橋反応を行なうことができる。また、多価
カルボン酸または天然油脂に含まれる不飽和二重結合を
付加重合させることにより、さらに強固な架橋構造を形
成することが可能となる。ここで、(iii)成分の多価
カルボン酸と天然油脂からなる混合物の添加量は特に制
限されないが、(B)テルペンフェノール樹脂100重
量部に対して、10〜80重量部の範囲とすることが好
ましく、20〜70重量部の範囲とすることがさらに好
ましい。10重量部未満では樹脂組成物の特性(機械的
強度、耐熱性)の向上効果が見られず、80重量部を超
えると架橋密度が高くなり、再利用する場合にリサイク
ル性が低下する。
【0051】また、多価カルボン酸と天然油脂の混合比
率は、重量比で80:20〜20:80の範囲であるこ
とが好ましい。この範囲から外れると樹脂組成物の特性
(機械的強度、耐熱性)の向上効果が不十分となる。本
発明においては、(iii)成分の多価カルボン酸と天然
油脂からなる混合物と(B)テルペンフェノール樹脂の
水酸基の反応を促進するためのエステル化触媒を適宜配
合することができる。そのエステル化反応触媒として
は、例えば、テトラブチルジルコネート、ジルコニウム
ナフテート、テトラブチルチタネート、テトラオクチル
チタネート、シュウ酸第1スズ、テトラフェニルスズ、
ジブチルスズジクロライド、酢酸亜鉛、ナフテン酸亜
鉛、鉄アセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、ナ
フテン酸マンガン、トリフェニルビスマス、マグネシウ
ムチタネート、マグネシウムジルコネート、酸化亜鉛、
塩化スズ、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸ニッケ
ル、オクチル酸ブチルスズ、テトラフェニルスズ、テト
ラブチルスズ等が挙げられる。
【0052】また、本発明においては、(iii)成分の
多価カルボン酸と天然油脂からなる混合物に含まれる不
飽和二重結合の重合を促進する重合触媒を適宜配合する
ことができる。その重合触媒としては、例えば、ベンゾ
イルパーオキサイド(BPO)、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、ジアシルパーオキ
サイド、ジラウロイルパーオキサイド、m−トルイルパ
ーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ア
ゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
さらに、樹脂組成物の特性を損なわない範囲で、公知の
多官能性アルコールを適宜添加しても差し支えない。そ
の多官能性アルコールとしては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、グリセリン、ブタンジオール、プ
ロパンジオール等の多価アルコールまたはアリルアルコ
ール、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、3−ブテン−2−オール、2−ヘキ
セン−1−オール、4−アリルカテコール等の不飽和結
合を有するアルコールが挙げられる。
【0053】[添加剤]本発明の樹脂組成物において
は、上記(A)〜(C)成分からなる必須成分のみでも
機械的特性、耐熱性、耐水性の優れた樹脂組成物を得る
ことができるが、木材資源の有効利用と樹脂成形品の高
強度化を図るために、さらに、植物性繊維粉末を配合す
ることもできる。その植物性繊維粉末としては、例え
ば、木粉、紙粉、セルロース繊維の粉末等が挙げられ
る。木粉としては、破砕チップ、木材パルプ、木材の加
工廃材、おが屑等を微粉砕したものが挙げられる。紙粉
としては、バージンパルプや古紙パルプの粉末、古紙を
微粉砕したもの等が挙げられる。古紙としては、OA用
紙等の上質紙、新聞紙・週刊誌・ダンボール等の再生済
古紙等を用いることができる。セルロース繊維として
は、機械パルプ、化学パルプ、セミケミカルパルプおよ
びこれらのリサイクルパルプ等の粉末を用いることがで
きる。かかるセルロース繊維の原料としては、針葉樹や
広葉樹を原料とする木材繊維、コウゾ、ケフナ、マニラ
麻、ワラ、パガス、竹、籾殻などの非木材繊維が挙げら
れ、いずれをも使用することができる。また、セルロー
ス繊維はボール紙、新聞紙等の各種紙製品を解繊して得
たものを用いることもできる。
【0054】本発明において、植物性繊維粉末のサイズ
は特に制限されないが、20〜300メッシュの範囲に
粉砕された粉砕粉であることが好ましい。サイズが粗す
ぎると植物性繊維粉末の分散が悪くなり、添加効果が不
十分であり、細かすぎると樹脂組成物の成形性が低下す
る。また、植物性繊維粉末の添加量は特に制限されない
が、添加量が少ないと高強度化の効果が見られず、多す
ぎると樹脂組成物の成形性が著しく低下する。本発明の
樹脂組成物には、上述したような成分に加え、さらに必
要に応じて、無機充填剤、可塑剤、離型剤、顔料、着色
剤、溶剤、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、
相溶剤、発泡剤、香料、抗菌抗カビ剤、防腐剤等の各種
添加剤を適宜配合することもできる。
【0055】[組成物の調製方法]本発明の樹脂組成物
の調製方法は、特に限定されるものではなく、従来公知
の方法によって行なうことができる。例えば、上述した
ような各成分を加熱ロール、スーパーミキサー、ヘンシ
ェルミキサー、ニーダー、万能混合攪拌機、単軸あるい
は二軸押出機等を用いて溶融混練することによって容易
に調製することができる。また、(C)成分として多価
カルボン酸または多価アルコールと天然油脂からなる混
合物を用いる場合には、まず第一段階として溶融混練に
よりエステル化反応を行ない、次いで、第二段階として
重合触媒を添加して再び混合処理する方法を用いること
ができる。
【0056】本発明の樹脂組成物の成形方法としては、
圧縮成形、フィルム成形、押出成形、射出成形、インフ
レーション成形、ブロー成形などの従来公知の方法によ
り適宜所望の形状に成形して、各種成形品を製造するこ
とができる。本発明で成形した樹脂組成物は、フィル
ム、シート、成形体、発泡体等の任意の形状で、包装用
容器、発泡体、シート、建材や自動車、家電製品、OA
機器の部材、内装材、ハウジング等に有効に利用するこ
とができる。
【0057】本発明の樹脂組成物は、三次元架橋構造を
有するが従来の熱硬化性樹脂に比べて架橋密度が低く、
しかも生分解性を有するタンパク質を含有するため、公
知の分解剤を用いることにより容易に分解することがで
き、再利用あるいはリサイクルが可能である。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもの
ではない。 [実施例1〜14、比較例1〜3]原料として、以下に
示す各成分を用いた。 タンパク質A:カゼイン タンパク質B:ゼラチン タンパク質C:コラーゲン タンパク質D:大豆タンパク タンパク質E:グルテン ロジン誘導体A:カルボキシル基含有ロジン(荒川化学
社製、KR−610、酸価170) ロジン誘導体B:マレイン化ロジン(荒川化学社製、酸
価366) ロジン誘導体C:エポキシ化ロジン(荒川化学社製、エ
ポキシ当量350) ロジン誘導体D:ロジンアミン(荒川化学社製) ロジン誘導体E:ロジンアミド(荒川化学社製) ロジン誘導体F:ロジン骨格含有ジオール化合物(荒川
化学社製、KE−601、水酸基価110) ロジン誘導体G:ロジン変性フェノール樹脂(荒川化学
社製、タマノル135、酸価18) ロジン誘導体H:ロジンエステル(荒川化学社製、KE
−100、官能基なし) エポキシ化合物:オルソクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(住友化学社製、ESCN−195XL、エポキ
シ当量197) 硬化促進剤: 2−ヘプタデシルイミダゾール(四国化
成社製、C17Z) ポリイソシアネート化合物:4,4´−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート 活性水素化合物:トリエチレンジアミン 多価カルボン酸A:無水マレイン酸 多価カルボン酸B:アジピン酸 多価アルコール:ジエチレングリコール 天然油脂:アマニ油 エステル化反応触媒:テトラブチルジルコネート 重合触媒:ジ−t−ブチルパーオキサイド 植物性繊維粉末A:木粉(三木産業社製、リグノセル) 植物性繊維粉末B:古紙(新聞紙)の微粉砕粉 植物性繊維粉末C:粉末セルロース(三木産業社製、ア
ーボセル) 上記各成分を下記表1及び表2(実施例1〜14、比較
例1〜3)に示す割合で配合し、以下のように調製して
所望の樹脂組成物を得た。表中の配合量は重量部を示
す。
【0059】(実施例1〜5および11、比較例1〜3
の調製)まず、タンパク質、ロジン誘導体、エポキシ化
合物、硬化促進剤もしくは植物性繊維粉末をヘンシェル
ミキサーで混合し、約60〜約120℃の加熱ロールに
よって溶融混練した。次に、この混合物をシート状に取
出し、冷却した後、粉砕することによって所望の樹脂組
成物を得た。
【0060】(実施例6、7および12の調製)まず、
タンパク質、ロジン誘導体、ポリイソシアネート化合
物、活性水素化合物もしくは植物性繊維粉末をヘンシェ
ルミキサーで混合した後、約40〜約100℃に加熱し
たニーダーによって溶融混練した。次に、この混合物を
シート状もしくはバルク状に取出し、所望の樹脂組成物
を得た。
【0061】(実施例8〜10および13、14の調
製)まず、タンパク質、ロジン誘導体、多価カルボン酸
または多価アルコール、天然油脂およびエステル化反応
触媒を万能混合攪拌機にて約100〜約150℃、真空
減圧下で溶融混合しながらエステル化反応を行なった。
次に、この混合物に重合触媒、もしくは植物性繊維粉末
を加えて、ニーダーによって混合し、混合物をシート状
もしくはブロック状に取出し、所望の樹脂組成物を得
た。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】これら実施例1〜14、比較例1〜3に係
る17種の樹脂組成物について、下記のような評価試験
を行なった。各樹脂組成物を用いて、圧縮成形機により
成形温度150℃、成形圧力100kgf/cmで1
0分間圧縮成形し、厚さ4mmの板状の成形品を得た。
この成形品を各評価試験の試験片として用いた。 (1)機械的強度 オートグラフを用いて、各樹脂組成物の成形品の引張強
度を測定した。 (2) 耐熱性 示差走査型熱量計(DSC)を用いて、各樹脂組成物の
成形品のガラス転移温度を測定した。 (3)耐水性 各樹脂組成物の板状の成形品を25℃の水中に24時間
浸漬し、重量変化を測定して吸水率を求めた。得られた
評価結果を、下記表3及び表4に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】上記表3及び4に示されるように、本発明
の樹脂組成物(実施例1〜14)は、機械的強度、耐熱
性、耐水性が優れていることが確認された。これに対し
て表4に示されるように、タンパク質だけからなる樹脂
組成物(比較例1)は機械的強度、耐熱性、耐水性が著
しく劣っている。(C)成分を含まない樹脂組成物(比
較例2)は機械的強度、耐熱性が不十分である。また、
(C)成分が配合されていても(B)成分が官能基を持
たないロジンエステル(ロジン誘導体H)の場合(比較
例3)も機械的強度、耐熱性が不十分である。
【0068】[実施例15〜25、比較例4〜6]原料
として、以下に示す各成分を用いた。 タンパク質A:カゼイン タンパク質B:ゼラチン タンパク質C:コラーゲン タンパク質D:大豆タンパク タンパク質E:グルテン テルペンフェノール樹脂a:環状テルペンフェノール樹
脂(ヤスハラケミカル社製、YSポリスターN125、
水酸基当量300) テルペンフェノール樹脂b:環状テルペン骨格含有フェ
ノール化合物(ヤスハラケミカル社製、YP−90、水
酸基当量160) テルペンフェノール樹脂c:環状テルペン骨格含有フェ
ノール樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、MP40
2、水酸基当量174) テルペンフェノール樹脂d:環状テルペン骨格含有フェ
ノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、DLN−120、
水酸基当量190) テルペン樹脂:(ヤスハラケミカル社製、YSレジンP
X1250、水酸基なし) エポキシ化合物A:オルソクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(住友化学社製、ESCN−195XL、エポ
キシ当量197) エポキシ化合物B:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828、エ
ポキシ当量190) 硬化促進剤: 2−ヘプタデシルイミダゾール(四国化
成社製、C17Z) ポリイソシアネート化合物A:4,4´−ジフェニルメ
タンジイソシアネート ポリイソシアネート化合物B:イソホロンジイソシアネ
ート 活性水素化合物:トリエチレンジアミン 多価カルボン酸A:無水マレイン酸 多価カルボン酸B:アジピン酸 天然油脂:アマニ油 エステル化反応触媒:テトラブチルジルコネート 重合触媒:ジ−t−ブチルパーオキサイド 植物性繊維粉末A:木粉(三木産業社製、リグノセル) 植物性繊維粉末B:古紙(新聞紙)の微粉砕粉 植物性繊維粉末C:粉末セルロース(三木産業社製、ア
ーボセル) 上記各成分を下記表5及び表6(実施例15〜25、比
較例4〜6)に示す割合で配合し、以下のように調製し
て所望の樹脂組成物を得た。表中の配合量は重量部を示
す。
【0069】(実施例15〜19および23、比較例4
〜6の調製)まず、タンパク質、テルペンフェノール樹
脂、エポキシ化合物、硬化促進剤もしくは植物性繊維粉
末をヘンシェルミキサーで混合し、約60〜約120℃
の加熱ロールによって溶融混練した。次に、この混合物
をシート状に取出し、冷却した後、粉砕することによっ
て所望の樹脂組成物を得た。
【0070】(実施例20、21および24の調製)ま
ず、タンパク質、テルペンフェノール樹脂、ポリイソシ
アネート化合物、活性水素化合物もしくは植物性繊維粉
末をヘンシェルミキサーで混合した後、約40〜約10
0℃に加熱したニーダーによって溶融混練した。次に、
この混合物をシート状もしくはバルク状に取出し、所望
の樹脂組成物を得た。
【0071】(実施例22および25の調製)まず、タ
ンパク質、テルペンフェノール樹脂、多価カルボン酸、
天然油脂およびエステル化反応触媒を万能混合攪拌機に
て約100〜約150℃、真空減圧下で溶融混合しなが
らエステル化反応を行なった。次に、この混合物に重合
触媒、もしくは植物性繊維粉末を加えて、ニーダーによ
って混合し、混合物をシート状もしくはブロック状に取
出し、所望の樹脂組成物を得た。
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】これら実施例15〜25、比較例4〜6に
係る14種の樹脂組成物について、下記のような評価試
験を行なった。各樹脂組成物を用いて、圧縮成形機によ
り成形温度150℃、成形圧力100kgf/cm
10分間圧縮成形し、厚さ4mmの板状の成形品を得
た。この成形品を各評価試験の試験片として用いた。 (1)機械的強度 オートグラフを用いて、各樹脂組成物の成形品の引張強
度を測定した。 耐熱性 示差走査型熱量計(DSC)を用いて、各樹脂組成物の
成形品のガラス転移温度を測定した。 (3)耐水性 各樹脂組成物の板状の成形品を25℃の水中に24時間
浸漬し、重量変化を測定して吸水率を求めた。得られた
評価結果を、下記表7及び表8に示す。
【0075】
【表7】
【0076】
【表8】
【0077】上記表7及び8に示されるように、本発明
の樹脂組成物(実施例15〜25)は、機械的強度、耐
熱性、耐水性が優れていることが確認された。これに対
して表8に示されるように、タンパク質だけからなる樹
脂組成物(比較例4)は機械的強度、耐熱性、耐水性が
著しく劣っている。(C)成分を含まない樹脂組成物
(比較例5)は機械的強度、耐熱性が不十分である。ま
た、(C)成分が配合されていても(B)成分が水酸基
を持たないテルペン樹脂の場合(比較例6)も機械的強
度、耐熱性が不十分である。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
機械的強度、耐熱性、耐水性に優れたタンパク質系の樹
脂組成物を提供することができる。また、本発明の樹脂
組成物は、架橋密度が低く、しかも生分解性を有するタ
ンパク質を含有するため、容易に分解することができ、
再利用あるいはリサイクルが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 93/04 C08L 93/04 (72)発明者 親里 由美子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4J002 AD01W AD02W AD03W AF02X CC01X CC04X CC05X CC06X CD00X EF066 EF076 EF096 EF116 FD146 GG00 GL00 GN00 GQ00 4J034 BA03 BA07 CA04 CA05 CB03 CB04 CB07 CC03 CC08 CD04 DA01 DA08 DB03 DB07 DC02 DJ01 DJ08 DK05 DK06 DK08 EA02 EA11 EA14 HA01 HA02 HA07 HA08 HB12 HC03 HC09 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 QD01 QD04 RA06 RA10 RA12 RA14 4J036 AA01 AA02 DC41 DC46 DD07 FB06 FB18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)タンパク質と、(B)ロジン誘導体
    とテルペンフェノール樹脂の内の少なくとも1種、およ
    び(C)前記(B)成分と架橋反応可能な官能基を有す
    る化合物を必須成分としてなることを特徴とする樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】前記(A)タンパク質が、カゼイン、ゼラ
    チン、コラーゲン、大豆タンパク、グルテンから選ばれ
    る少なくとも1種のタンパク質であることを特徴とする
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記(B)ロジン誘導体が、カルボキシル
    基含有ロジン、マレイン化ロジン、エポキシ化ロジン、
    ロジンアミン、ロジンアミドから選ばれる少なくとも1
    種の化合物であり、かつ、前記(C)成分が、2個以上
    のエポキシ基を有するエポキシ化合物であることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記(B)ロジン誘導体が、ロジン骨格含
    有ジオール化合物、ロジン変性フェノール樹脂から選ば
    れる化合物であり、かつ、前記(C)成分が、(i)2
    個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート
    化合物、(ii)多価カルボン酸および天然油脂からなる
    混合物、から選ばれる化合物であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記(B)ロジン誘導体が、カルボキシル
    基含有ロジンであり、かつ、前記(C)成分が、多価ア
    ルコールおよび天然油脂からなる混合物であることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記(B)テルペンフェノール樹脂が、
    (a)環状テルペン化合物とフェノール類を共重合させ
    て得られる環状テルペンフェノール樹脂、(b)環状テ
    ルペン化合物1分子にフェノール類2分子の割合で付加
    させてなる環状テルペン骨格含有フェノール化合物、
    (c)この環状テルペン骨格含有フェノール化合物とア
    ルデヒド類とを縮合反応させて得られる環状テルペン骨
    格含有フェノール樹脂と、(d)環状テルペン化合物1
    分子にフェノール類1分子の割合で付加させてなる環状
    テルペン骨格含有フェノール化合物とアルデヒド類とを
    縮合反応させて得られる環状テルペン骨格含有フェノー
    ル樹脂、から選ばれる少なくとも1種の組成物であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】前記(C)成分が、(i)2個以上のエポ
    キシ基を有するエポキシ化合物、(ii)2個以上のイ
    ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、
    (iii)多価カルボン酸および天然油脂からなる混合
    物、から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを
    特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の樹脂組成物に、さらに、
    植物性繊維粉末を配合してなることを特徴とする樹脂組
    成物。
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