JP2003199833A - 生体内留置用ステントおよびその製造方法 - Google Patents

生体内留置用ステントおよびその製造方法

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JP2003199833A JP2002305982A JP2002305982A JP2003199833A JP 2003199833 A JP2003199833 A JP 2003199833A JP 2002305982 A JP2002305982 A JP 2002305982A JP 2002305982 A JP2002305982 A JP 2002305982A JP 2003199833 A JP2003199833 A JP 2003199833A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルフエクスパンダブルステントであって
も、血管内留置後に、ステントの両端にストレスがかか
ることが少ない生体内留置用ステントを提供する。 【解決手段】 生体内留置用ステント1は、生体内挿入
前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾性を示す
超弾性金属により略円筒形状に一体に形成された生体内
留置用ステントである。ステント1は、応力負荷時に外
径が縮径する方向への変形が可能な複数の環状体2(拡
張要素)と、複数の環状体2をステントの軸方向に配列
した状態にて接続する接続部3(接続要素)とを備え
る。環状体2は、超弾性による弾性変形が可能であり、
接続部3は、全体もしくは一部が実質的に超弾性を備え
ない塑性変形可能部となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管、胆管、気
管、食道、尿道、その他の臓器などの管腔内に生じた狭
窄部若しくは閉塞部の改善に使用される生体内留置用ス
テントに関する。
【0002】
【従来の技術】ステントは、血管あるいは他の生体内管
腔が狭窄若しくは閉塞する事によって生じる様々な疾患
を治療するために、その狭窄若しくは閉塞部位を拡張
し、その内腔を確保するために留置される管状の医療用
具である。ステントは、体外から体内に挿入するため、
挿入時には直径が小さく、目的の狭窄若しくは閉塞部位
で拡張もしくは復元させて直径を大きくし、大きくなっ
た状態にて管腔を保持するものである。ステントは、機
能及び拡張様式によって、セルフエクスパンダブルステ
ントとバルーンエクスパンダブルステントに区別され
る。バルーンエクスパンダブルステントはステント自体
に拡張機能はなく、ステントを目的部位に挿入した後、
ステント内にバルーンを位置させてバルーンを拡張さ
せ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変
形)させ目的管腔の内面に密着させて固定する。このタ
イプのステントでは、上記のようなステントの拡張作業
が必要になる。一方、セルフエクスパンダブルステント
は基本的に弾性のある素材で作られており、大きさは拡
張された最終形状で作られる。セルフエクスパンダブル
ステントは、ステントを体内に導入するためには、小さ
く折りたたんで、その形状を拘束する部材(ほとんどの
場合はプラスチック製チューブ)の中に入れられ、その
部材即ちチューブごと体内に導入し、目的部位でチュー
ブから放出することで、ステントがその弾性により自分
自身で拡張する。
【0003】バルーンエクスパンダブルステントとセル
フエクスパンダブルステントは、拡張様式が異なり、ス
テントの性質も異なる。これら2種類のステントにはい
ろいろな長所や短所がある。バルーンエクスパンダブル
ステントは、ステントがバルーンの拡張に合わせて塑性
変形して拡張するものであるから、曲がった血管には曲
がった形で塑性変形して埋め込むことができる。しか
し、塑性変形であるため、例えば、表在性血管(頚動脈
や大腿動脈など体の表面に近い動脈)に埋め込まれた場
合、外からの力でステントが塑性変形してしまう恐れが
ある。そのような部位には、例え外から力がかかって変
形しても、ステントの弾性で元の形状に自分の力で戻る
ことのできるセルフエクスパンダブルステントを植え込
むことが一般的である。一方、セルフエクスパンダブル
ステントは、それが作られた形状に戻るという性質があ
る。多くの場合、ステントは長さ方向に真っ直ぐな形状
で作られるので、例え、形状を工夫して軽い力で曲がる
ようにしても、体の中ではステントは真っ直ぐになろう
とする。この性質がゆえに、曲がった血管に植え込まれ
ると、ステントはその血管を真っ直ぐにしようとするの
で、ステントの両端には常にストレスがかかる(特許文
献1参照)。
【特許文献1】特表2001−517535号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、セルフエクスパンダブルステントであっても、血管
内留置後に、ステントの両端にストレスがかかることが
少ない生体内留置用ステントを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、以下のものである。 (1) 生体内挿入前および生体内挿入後のいずれにお
いても超弾性を示す超弾性金属により略円筒形状に一体
に形成された生体内留置用ステントであって、該ステン
トは、応力負荷時に外径が縮径する方向への変形が可能
な複数の環状体と、該複数の環状体をステントの軸方向
に配列した状態にて接続する接続部とを備え、前記環状
体は、超弾性による弾性変形が可能であり、前記接続部
は、全体もしくは一部が実質的に超弾性を備えない塑性
変形可能部となっている生体内留置用ステント。 (2) 前記環状体は、波状線状体からなるものである
(1)に記載の生体内留置用ステント。 (3) 前記環状体は、側面に形成された複数の切欠部
および複数の開口を備える線状構成物からなるものであ
る(1)に記載の生体内留置用ステント。 (4) 前記接続部は、湾曲もしくは屈曲している
(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体内留置用ス
テント。 (5) 前記接続部は、ステントの軸方向にほぼ直交す
るように湾曲もしくは屈曲している(1)ないし(4)
のいずれかに記載の生体内留置用ステント。 (6) 前記ステントは、隣り合う前記環状体間に2以
上の接続部を有している(1)ないし(5)のいずれか
に記載の生体内留置用ステント。
【0006】(7) 留置される生体内部位に適合した
外径を有する略円筒形状の超弾性金属パイプを準備し、
該超弾性金属パイプの側面を部分的に除去して、応力負
荷時に外径が縮径する方向への変形が可能な複数の環状
体と、該複数の環状体をステントの軸方向に配列した状
態にて接続する接続部とを備えるステント基材を形成す
る工程と、前記ステント基材の前記接続部の全体もしく
は一部を加熱し、該接続部の超弾性物性を実質的に消滅
させ塑性変形性を付与するための加熱処理工程とを有す
る生体内留置用ステントの製造方法。 (8) 前記加熱処理工程は、前記接続部の両端部間に
通電し接続部の持つ抵抗による発熱により行うものであ
る(7)に記載の生体内留置用ステントの製造方法。 (9) 前記加熱処理は、前記接続部へのレーザー照射
により行うものである(7)に記載の生体内留置用ステ
ントの製造方法。 (10) 前記接続部は、ほぼ直線状となっている
(1)、(2)、(3)、または(6)のいずれかに記
載の生体内留置用ステント。 (11) 前記接続部は、前記ステントの軸方向に対し
てほぼ平行となっている(10)に記載の生体内留置用
ステント。 (12) 前記接続部は、前記ステントの中心軸に対し
て所定角度斜めとなっている(10)に記載の生体内留
置用ステント。
【0007】上記目的を達成するものは、以下のもので
ある。 (13) 留置される生体内部位の内径よりも細い外径
を有する略円筒形状の超弾性もしくは形状記憶特性を有
するもしくは付与可能な金属パイプを準備し、該パイプ
の側面を部分的に除去して、複数の環状体と、該複数の
環状体をステントの軸方向に配列した状態にて接続する
接続部とを備えるステント基体を形成するステント基体
形成工程と、該ステント基体を留置される生体内部位に
適合した外径となるまで拡張し、かつ拡張した状態にて
熱処理を行い拡張状態における形状の記憶および超弾性
の発現を行うステント基体拡張形態形成工程と、該拡張
形態となったステント基体の接続部の全体もしくは一部
を加熱し、該接続部の超弾性物性を実質的に消滅させ塑
性変形性もしくは通常の弾性物性を付与するための加熱
処理工程とを有することを特徴とする生体内留置用ステ
ントの製造方法。 (14) 前記加熱処理工程は、前記拡張形態のステン
ト基体を装着可能かつ複数の凹部を備えるヒートシンク
に、前記ステント基体の各環状体部分が前記ヒートシン
ク外面に接触し、かつ前記すべての接続部もしくは一部
の接続部の全体もしくは一部分が前記凹部上となり前記
ヒートシンク外面に接触しないように配置し、かつ、前
記拡張ステント基体全体に通電し自己発熱させるととも
に前記ヒートシンクに接触する前記環状体が放熱される
ように行うものである(13)に記載の生体内留置用ス
テントの製造方法。 (15) 前記加熱処理工程は、前記ステント基材を装
着可能かつ複数の凹部を備えるヒートシンクに、前記ス
テント基材の各環状体部分が前記ヒートシンク外面に接
触し、かつ前記すべての接続部もしくは一部の接続部の
全体もしくは一部分が前記凹部上となり前記ヒートシン
ク外面に接触しないように配置し、かつ、前記拡張ステ
ント基材全体に通電し自己発熱させるとともに前記ヒー
トシンクに接触する前記環状体が放熱されるように行う
ものである(7)に記載の生体内留置用ステントの製造
方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施例のステントについ
て説明する。図1は、本発明の実施例のステントの側面
図(正面図)であり、図2は、図1に示したステントの
展開図であり、図3は、図1に示したステントの部分拡
大図であり、図4は、図3に示したステントの接続部が
伸展した状態を説明するための説明図であり、図5は、
図1に示したステントを縮径させた状態のステントの側
面図である。本発明のステント1は、生体内挿入前およ
び生体内挿入後のいずれにおいても超弾性を示す超弾性
金属により略円筒形状に一体に形成された生体内留置用
ステントである。ステント1は、応力負荷時に外径が縮
径する方向への変形が可能な複数の環状体2(言い換え
れば、拡張要素)と、複数の環状体2をステント1の軸
方向に配列した状態にて接続する接続部3(言い換えれ
ば、接続要素)とを備える。環状体2は、超弾性による
弾性変形が可能であり、接続部3は、全体もしくは一部
が実質的に超弾性を備えない塑性変形可能部となってい
る。この実施例のステント1は、ステントの軸方向に複
数配列された環状体2と、複数の環状体2を接続する接
続部3を有する一体物である。
【0009】この実施例のステント1では、図1および
図2に示すように、超弾性を示す超弾性金属により形成
され複数の応力負荷時に外径が縮径する方向への変形を
補助する変形補助機能を有する環状体2が、ほぼ直線的
に並ぶように配列されている。隣り合う環状体2は、実
質的に超弾性を備えず塑性変形可能部となっているある
いは塑性変形可能部を備える接続部3により接続されて
いる。この実施例のステント1は、ステント1の側面全
体よりステントの中心方向に負荷をかけると、図5に示
す状態に縮径する。この実施例のステント1では、図
1、図2および図3に示すように、拡張保持の役割を担
う波状(ジグザグ状)かつ環状につながった線状体4か
らなる複数の環状体2を備え、これらの環状体2は接続
部3(コネクター)により隣り合う環状体2が離反しな
いように接続されている。複数の環状体2は、軸方向に
隣り合う波状環状体2の谷部と山部が近接するように軸
方向にほぼ直線的に配列されている。
【0010】この環状体2は、上記のように波状(ジグ
ザグ状)かつ環状につながった線状体4からなるため、
応力負荷時に外径が縮径する方向への変形を補助する変
形補助機能を有しており、かつ、超弾性を示す超弾性金
属により形成されており、応力負荷を解除することによ
り作製時の形状に復元する。これに対して、接続部3
は、全部もしくは一部が実質的に超弾性を備えず塑性変
形可能となっており、これにより、接続部3でのステン
ト1の塑性変形を可能とするとともに、ステント1の血
管などの管腔への留置時にステント1の両端が管腔に与
えるストレスを軽減する。このように、接続部3を塑性
変形可能とすることにより、曲がった血管等に留置した
場合、血管の湾曲に追従して湾曲するとともに湾曲した
形状を維持するため、ステント1の両端に負荷が掛かる
ことが少ない。図3は、ステント1の接続部3付近の拡
大図を示しており、図3における接続部3(斜線部分)
が塑性変形する部分である。そして、このステント1を
接続部3(斜線部分)が外側となる状態にて曲げると、
図4に示すように、接続部3は伸ばされて塑性変形す
る。このため、伸展した接続部3により接続されている
環状体2間は距離が広がる。また、接続部3の変形は、
塑性変形であるので、伸展状態を維持する。なお、接続
部3における塑性変形可能部分の占有率は、50〜10
0%が好ましく、特に、80〜100%が好ましい。
【0011】そして、この実施例のステント1の接続部
3は、隣り合う波状環状体2の谷部と近接する波状環状
体2の山部を接続するとともに、湾曲もしくは屈曲して
いる。このように、屈曲もしくは湾曲することにより、
留置後、ステント1に湾曲する方向に力が負荷されたと
き、湾曲の外側に位置する接続部3は、延びることがで
きるため、ステント1は湾曲する力に対向することなく
対応でき、留置管腔部位にストレスを与えることが少な
い。特に、この実施例のステント1では、接続部3は、
ステント1の軸方向に直交する方向に屈曲している。こ
のため、湾曲時の伸展がより確実なものとなっている。
なお、接続部3は、ステント1の軸方向に完全に直交す
るのではなく、所定角度を持って屈曲するものであって
もよい。この実施例のステント1では、接続部3は、U
字状となっているが、V字状でも、S字状であってもよ
い。そして、このように接続部3が屈曲もしくは湾曲す
る場合には、湾曲部もしくは屈曲部が少なくとも塑性変
形可能部分となっていることが好ましい。
【0012】また、この実施例のステント1では、隣り
合う環状体2は複数の接続部3により接続されている。
このように、環状体2は複数の接続部3により接続する
ことが好ましい。この場合、接続部3は、ほぼ向かい合
う位置に2つ設けること、また、3以上の接続部3をス
テント1の中心軸に対してほぼ等角度となるように配置
することが好ましい。この実施例では、隣り合う環状体
2には、複数の近接する谷部と山部が形成されており、
その谷部と山部が1つおきに接続部3より接続されてい
る。また、この実施例のステント1では、接続部3は、
環状体2に入り込んでいない状態となっている。このた
め、ステント1は、環状体構成部分と接続部構成部分が
ステント1の軸方向に並んだ状態となっている。特に、
この実施例のステント1では、複数の環状体構成部分と
複数の接続部構成部分がステント1の軸方向に交互に並
び、両端が環状体構成部分となった状態となっている。
このように、ステント1の軸方向において、接続部構成
部分をステント1の側面から見た状態において、環状体
2内に入り込まずかつ中心軸に対して直交する環状部分
に位置するものとすることにより、接続部3の物性変化
処理を容易なものとすることができるとともに、接続部
3の物性変化処理が環状体2に与える影響を少ないもの
とすることができる。
【0013】そして、ステント1は、留置対象部位によ
り異なるが、一般的に、外径が2.0〜30mm、好ま
しくは2.5〜20mm、肉厚が0.04〜1.0m
m、好ましくは0.06〜0.5mmのものであり、長
さは、10〜150mm、より好ましくは15〜100
mmである。特に、血管内留置用ステントの場合には、
外径が2.0〜14mm、好ましくは2.5〜10m
m、肉厚が0.04〜0.3mm、好ましくは0.06
〜0.2mmのものであり、長さは5〜40mm、より
好ましくは10〜30mmである。上述したように、こ
の実施例のステント1では、環状体2は、上記のように
波状(ジグザグ状)かつ環状につながった線状体4から
なるものであり、波の数は、6〜36程度が好適であ
り、特に、8〜24が好ましい。環状体2の長さは、1
〜10mm、より好ましくは1.5〜5mmである。ま
た、環状体2の数は、3〜30、より好ましくは5〜2
0である。そして、環状体2間の距離、言い換えれば、
接続部3のステント1の軸方向の長さは、0.1〜5m
m、好ましくは、0.15〜3mmが好ましい。また、
接続部を構成する線状体の幅は、軽い力で曲げられるよ
うに線幅は小さい方が好ましい。具体的には、接続部を
構成する線状体4の幅は、0.03〜0.2mm、より
好ましくは0.05〜0.1mmである。また、接続部
3は、直線状態にしたときの長さは、0.15〜8m
m、好ましくは、0.2〜5mmであることが好まし
い。
【0014】また、環状体としては、上述した形態のも
のに限定されるものではない。例えば、図6に示すよう
な形態の環状体を用いるものであってもよい。この実施
例のステント20も、上述したステント1と同様に、生
体内挿入前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾
性を示す超弾性金属により略円筒形状に一体に形成され
た生体内留置用ステントである。この実施例のステント
20の環状体21は、側面に形成された複数の切欠部お
よび複数の開口を備える線状構成物からなり、超弾性を
示す金属により形成されている。このステント20もス
テントの軸方向に複数配列された環状体21と、複数の
環状体21を接続する接続部27を有する一体物であ
る。
【0015】この環状体21では、環状体の端部に切欠
部を有するので、環状体21の端部23a,23bの変
形が容易となり、特に、端部の部分的変形が可能とな
り、留置される血管の変形時に対する応答が良好にな
る。また、端部23は、複数のフレーム26aの端部に
より形成されているため、つぶれにくく、十分な強度を
有する。また、両端部間には、フレーム26a,26b
により囲まれた開口24が形成されており、この開口2
4は、フレーム26aの変形により容易に変形する。こ
のため、環状体21は、その中央部(フレーム体の中央
部)での変形が容易である。なお、この実施例では、開
口24は、圧し潰された形状の六角形となっており、切
欠部25は二等辺三角形となっている。また、切欠部2
5は、それぞれの端部に複数、具体的には6個形成され
ており、それぞれはほぼ等しい形状となっている。ま
た、開口24もステント20の側面を形成するように、
複数、具体的には、6個形成されている。なお、切欠部
および開口は上記の形状および個数に限定されるもので
はなく、切欠部としては、3〜10個、開口としては、
3〜10個程度が好適である。そして、この実施例のス
テント20では、軸方向に上述した環状体21が複数配
列されており、かつ、隣り合う環状体21は接続部27
により接続された状態となっている。接続部27は、全
体もしくは一部が実質的に超弾性を備えない塑性変形可
能部となっている。言い換えれば、接続部27は、塑性
変形可能部となっているもしくは塑性変形可能部を備え
ている。
【0016】この実施例のステント20では、3つの環
状体21が直線状に配置され、かつ接続部27より接続
された状態となっている。また、接続部27は、隣り合
う環状体21の頂点と近接する環状体21の頂点を接続
するとともに、湾曲もしくは屈曲している。このよう
に、屈曲もしくは湾曲することにより、留置後、ステン
ト20に湾曲する方向に力が負荷されたとき、湾曲の外
側に位置する接続部27は、延びることができるため、
ステント20は湾曲する力に対向することなく対応で
き、留置管腔部位にストレスを与えることが少ない。特
に、この実施例のステント20では、接続部27は、ス
テント20の軸方向に直交する方向に屈曲している。こ
のため、湾曲時の伸展がより確実なものとなっている。
なお、接続部27は、ステント20の軸方向に完全に直
交するのではなく、所定角度を持って屈曲するものであ
ってもよい。この実施例のステント20では、接続部2
7は、U字状となっているが、V字状でも、S字状であ
ってよい。そして、このように接続部27が屈曲もしく
は湾曲する場合には、湾曲部もしくは屈曲部が少なくと
も塑性変形可能部分となっていることが好ましい。な
お、接続部27における塑性変形可能部分の占有率は、
50〜100%が好ましく、特に、80〜100%が好
ましい。
【0017】また、この実施例のステント20では、隣
り合う環状体21は複数の接続部27により接続されて
いる。このように、環状体21は複数の接続部27によ
り接続することが好ましい。この場合、接続部27は、
ほぼ向かい合う位置に2つ設けること、また、3以上の
接続部27をステント20の中心軸に対してほぼ等角度
となるように配置することが好ましい。この実施例で
は、接続部27は、ほぼ向かい合う位置に2つ設けられ
ている。また、この実施例のステント20においても、
接続部27は、環状体21に入り込んでいない状態とな
っている。このため、ステント20は、環状体構成部分
と接続部構成部分がステント20の軸方向に並んだ状態
となっている。特に、この実施例のステント20では、
複数の環状体構成部分と複数の接続部構成部分がステン
ト20の軸方向に交互に並び、両端が環状体構成部分と
なった状態となっている。このように、ステント20の
軸方向において、接続部構成部分をステント20の側面
から見た状態において、環状体21内に入り込まずかつ
中心軸に対して直交する環状部分に位置するものとする
ことにより、接続部27の物性変化処理を容易なものと
することができるとともに、接続部27の物性変化処理
が環状体21に与える影響を少ないものとすることがで
きる。
【0018】この実施例のステント20のような環状体
21の場合には、環状体21の長さは、2〜4mm、よ
り好ましくは2.5〜3.5mmである。また、環状体
21の数は、3〜30、より好ましくは5〜20であ
る。そして、環状体21間の距離、言い換えれば、接続
部27のステント20の軸方向の長さは、0.1〜5m
m、好ましくは0.15〜3mmが好ましい。また、環
状体21を構成する線状体(フレーム)の幅は、0.0
8〜0.3mm、より好ましくは0.1〜0.2mmで
ある。また、接続部27は、直線状態にしたときの長さ
は、0.15〜8mm、好ましくは0.2〜5mmであ
ることが好ましい。また、接続部27を構成する線状体
の幅は、軽い力で曲げられるように線幅は小さい方が好
ましい。具体的には、接続部27を構成する線状体の幅
は、0.03〜0.2mm、より好ましくは0.05〜
0.1mmである。
【0019】さらに、ステントとしては、図7に示すス
テント30のように、両端部に台形状の切欠部が形成さ
れるとともに、中央部にハニカム状に複数の六角形の開
口が形成された環状体31を用いるものでもよい。な
お、接続部27については上述した実施例と同様に、全
体もしくは一部が塑性変形可能なものとなっている。ま
た、ステントの形態としては、上述した形態ものに限定
されるものではない。図8は、本発明の実施例のステン
トの側面図(正面図)であり、図9は、図8に示したス
テントの展開図であり、図10は、図8に示したステン
トの部分拡大図である。この実施例のステント50で
は、図8および図9に示すように、拡張保持の役割を担
う波状(ジグザグ状)かつ環状につながった線状体4か
らなる複数の環状体2を備え、これらの環状体2は接続
部53(コネクター)により隣り合う環状体2が離反し
ないように接続されている。複数の環状体2は、軸方向
に隣り合う波状環状体2の谷部と山部が向かい合うよう
に軸方向にほぼ直線的に配列されている。
【0020】接続部53は、全部もしくは一部が実質的
に超弾性を備えず塑性変形可能となっており、これによ
り、接続部53でのステント50の塑性変形を可能とす
るとともに、ステント50の血管などの管腔への留置時
にステント50の両端が管腔に与えるストレスを軽減す
る。このように、接続部53を塑性変形可能とすること
により、曲がった血管等に留置した場合、血管の湾曲に
追従して湾曲するとともに湾曲した形状を維持するた
め、ステント50の両端に負荷が掛かることが少ない。
図10は、ステント50の接続部53付近の拡大図を示
しており、図10における接続部53(斜線部分)が塑
性変形性を有するまたは通常の弾性変形をする部分であ
る。そして、このステント50では、それを曲げると、
接続部53は塑性変形する。なお、接続部53における
塑性変形可能部分の占有率は、10〜100%が好まし
く、特に、40〜100%が好ましい。ここでいう通常
の弾性変形とは超弾性に到達しない弾性変形状態をい
う。
【0021】そして、この実施例のステント50の接続
部53は、隣り合う波状環状体2の谷部と近接する波状
環状体2の山部を接続する。この接続部53は、直線状
のものとなっている。また、この実施例のステントで
は、隣り合う波状環状体2の谷部と近接する波状環状体
2の最も近接する山部の隣の山部とを接続しており、斜
めとなっている。つまり、ステント50では、接続部5
3は、ステントの中心軸に対して所定角度斜めとなって
いる。また、この実施例のステント50では、隣り合う
環状体2は複数の接続部53により接続されている。こ
のように、環状体2は複数の接続部53により接続する
ことが好ましい。接続部53が2カ所の場合は、ほぼ向
かい合う位置に2つ設けること、また、3以上の接続部
53をステント50の中心軸に対してほぼ等角度となる
ように配置することが好ましい。
【0022】この実施例では、隣り合う環状体2には、
複数の近接する谷部と山部が形成されており、その谷部
と最も近接する山部の隣の山部が1つおきに接続部53
より接続されている。また、同じ環状体を接続する接続
部53は、それぞれが平行となっている。軸方向に隣り
合う接続部53は、2つずれた谷部と谷部を接続してい
る。さらに、接続部53は、軸方向に隣り合う接続部5
3は、傾斜方向が異なるものとなっている。図9に示す
ように、図面上において最も上方に位置する接続部53
は左斜め下方に延びているのに対して、その接続部53
の下方に位置する接続部53は、右斜め下方に延びるも
のとなっている。そして、この実施例のステント50で
は、接続部53および接続部53と連結する環状体2の
直線部分は、ステントの軸方向に延びるジグザグ状とな
っている。また、この実施例のステント50では、接続
部53は、環状体2に入り込んでいない状態となってい
る。具体的には、図8および図9に示す実施例のステン
ト50では、環状体のジグザグの数が16であり、接続
部はステントの中心軸に対して等角度となるよう(等配
に)8カ所設けてある。このステント50では、複数の
環状体の山部と谷部が隣り合うように配列されている
が、接続部はステントの中心軸に対して斜行するように
ある環状体の山部から隣接する環状体の谷部にかけて設
けられている。また、接続部は環状体に入り込まない状
態になっている。
【0023】また、ステントの形態としては、上述した
形態ものに限定されるものではない。図11は、本発明
の実施例のステントの側面図であり、図12は、図11
に示したステントの展開図であり、図13は、図11に
示したステントの部分拡大図である。この実施例のステ
ント60の構成は、上述したステント50とほぼ同じで
ある。相違は、接続部53がステントの軸方向(言い換
えれば、中心軸))に対してほぼ平行となっている点で
ある。図11および図12に示すように、拡張保持の役
割を担う波状(ジグザグ状)かつ環状につながった線状
体4からなる複数の環状体2を備え、これらの環状体2
は接続部53(コネクター)により隣り合う環状体2が
離反しないように接続されている。複数の環状体2は、
軸方向に隣り合う波状環状体2の山部と山部が軸方向に
ほぼ直線的となるように配列されている。同様に、複数
の環状体2は、軸方向に隣り合う波状環状体2の谷部と
谷部も軸方向にほぼ直線的となるように配列されてい
る。つまり、各環状体2は同じ形態かつ同じ配置となっ
ている。接続部53は、全部もしくは一部が実質的に超
弾性を備えず塑性変形可能となっている。図13は、ス
テント60の接続部53付近の拡大図を示しており、図
13における接続部53(斜線部分)が塑性変形する部
分である。そして、このステント60を接続部53(斜
線部分)が外側となる状態にて曲げると、接続部53は
塑性変形する。なお、接続部53における塑性変形可能
部分の占有率は、10〜100%が好ましく、特に、4
0〜100%が好ましい。
【0024】そして、この実施例のステント60の接続
部53は、隣り合う波状環状体2の谷部と近接する波状
環状体2の谷部を接続する。この接続部53は、直線状
のものとなっている。ステント60では、接続部53
は、ステントの中心軸に対して平行となっている。ま
た、この実施例のステント60では、隣り合う環状体2
は複数の接続部53により接続されている。このよう
に、環状体2は複数の接続部53により接続することが
好ましい。接続部53が2カ所の場合は、接続部53
は、ほぼ向かい合う位置に2つ設けること、また、3以
上の接続部53をステント60の中心軸に対してほぼ等
角度となるように配置することが好ましい。この実施例
では、隣り合う環状体2には、複数の近接する谷部と山
部が形成されており、その谷部と最も近接する谷部が3
つおきに接続部53より接続されている。また、接続部
53はそれぞれが平行となっている。また、この実施例
のステント60では、接続部53の一部が環状体2に入
り込んだ状態となっている。さらに、接続部53は、軸
方向に連続しないように設けられている。この実施例の
ステント60では、軸方向に隣り合う接続部53は、2
つずれた谷部と谷部を接続している。
【0025】具体的には、図11および図12に示す実
施例のステント60では、環状体のジグザグの数は12
であり、接続部53は、ステントの中心軸に対して等配
に3カ所ずつ設けてある。このステント60では、複数
の環状体の谷部と谷部が隣り合うように配列されてお
り、接続部はステントの中心軸と並行である。また、接
続部はある環状体の谷部から隣接する環状体の谷部にか
けて設けてあり、接続部が環状体の線状体の間に入り込
む部分がある。これらの形状にすることで、ジグザグの
環状体の長さに比べて接続部の長さを相対的に長くし、
ステントが接続部で容易に湾曲変位することが出来る。
そして、ステント50およびステント60は、留置対象
部位により異なるが、一般的に、外径が2.0〜30m
m、好ましくは2.5〜20mm、肉厚が0.04〜
1.0mm、好ましくは0.06〜0.5mmのもので
あり、長さは、10〜150mm、より好ましくは15
〜100mmである。特に、血管内留置用ステントの場
合には、外径が2.0〜14mm、好ましくは2.5〜
10mm、肉厚が0.04〜0.3mm、好ましくは
0.06〜0.2mmのものであり、長さは5〜80m
m、より好ましくは10〜60mmである。
【0026】上述したように、この実施例のステント5
0および60では、環状体2は、上記のように波状(ジ
グザグ状)かつ環状につながった線状体4からなるもの
であり、波の数は、6〜36程度が好適であり、特に、
8〜24が好ましい。環状体2の長さは、1〜10m
m、より好ましくは1.5〜5mmである。また、環状
体2の数は、3〜30、より好ましくは5〜20であ
る。そして、環状体2間の距離は、2〜7mmが好まし
い。また、接続部53の長さは、2〜10mmが好まし
い。また、接続部を構成する線状体の幅は、軽い力で曲
げられるように線幅は小さい方が好ましい。具体的に
は、接続部53を構成する線状体4の幅は、0.03〜
0.2mm、より好ましくは0.05〜0.12mmで
ある。さらに、この実施例のステント50およびステン
ト60では、図8、図9、図11および図12に示すよ
うに、ステントの両端に位置する環状体2の外端を形成
する屈曲部の頂点部分55は、膨出形状となっているこ
とが好ましい。このようにすることにより、ステントの
外端が生体内壁に与える負荷を軽減する。膨出形状とし
ては、図8および図11に示すような略円状とすること
が好ましい。
【0027】さらに、この実施例のステント50および
ステント60のように、X線不透過性材料製マーカ56
を設けることが好ましい。X線不透過材料製マーカ56
は、ステントの端部側に設けることが好ましい。特に、
両端部側にそれぞれ設けることが好ましい。具体的に
は、図8、図9、図11および図12に示すように、両
端側にそれぞれ複数のX線不透過材料製マーカー56を
設けることが好ましい。この実施例のステント50およ
びステント60では、最も一端部側に位置する接続部5
3にX線不透過材料製マーカ56が設けられている。ま
た、最も他端部側に位置する複数の接続部53にもマー
カ56が設けられている。X線不透過材料製マーカー5
6は、ステントに形成された小開口を閉塞するようにス
テントに固定されている。このようなマーカーは、例え
ば、ステントに形成された小開口に、この小開口より若
干小さいX線造影用物質の円盤状部材を配置し両面より
押圧してかしめることにより取り付けられることが好ま
しい。なお、X線不透過材料製マーカーとしては、どの
ようなものであってもよく、上記のようなものに限定さ
れない。例えば、X線造影性物質をステントの外面に被
覆すること、またX線造影性物質により形成された線材
を巻き付けたもの、さらには、X線造影性物質により形
成されたリング状部材を取り付けたものなどであっても
よい。なお、X線不透過材料製マーカーの形成材料とし
ては、例えば、金、白金、タングステン、タンタルある
いはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等が好
適である。また、上述した実施例のステント1,20,
30にも上記のようなX線不透過性材料製マーカ56を
設けてもよい。
【0028】そして、上述したすべての実施例のステン
トにおいて、ステントを形成する超弾性金属としては、
超弾性合金が好適に使用される。ここでいう超弾性合金
とは一般に形状記憶合金といわれ、少なくとも生体温度
(37℃付近)で超弾性を示すものである。特に好まし
くは、49〜53原子%NiのTiNi合金、38.5
〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量
%XのCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,A
l,Ga)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等
の超弾性金属体が好適に使用される。特に好ましくは、
上記のTiNi合金である。また、Ti−Ni合金の一
部を0.01〜10.0%Xで置換したTi−Ni−X
合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,
W,Bなど)とすること、またはTi−Ni合金の一部
を0.01〜30.0%原子で置換したTi−Ni−X
合金(X=Cu,Pb,Zr)とすること、また、冷間
加工率または/および最終熱処理の条件を選択すること
により、機械的特性を適宜変えることができる。また、
上記のTi−Ni−X合金を用いて冷間加工率および/
または最終熱処理の条件を選択することにより、機械的
特性を適宜変えることができる。そして、使用される超
弾性合金の座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜20
0kg/mm(22℃)、より好ましくは、8〜15
0kg/mm、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3
〜180kg/mm(22℃)、より好ましくは、5
〜130kg/mmである。ここでいう超弾性とは、
使用温度において通常の金属が塑性変形する領域まで変
形(曲げ、引張り、圧縮)させても、変形の解放後、加
熱を必要とせずにほぼ元の形状に回復することを意味す
る。
【0029】そして、ステントは、例えば、超弾性金属
パイプを用いて、ステント非構成部分を除去(例えば、
切削、溶解)することに作製され、これにより、一体形
成物となっている。なお、本発明のステントの形成に用
いられる超弾性金属パイプは、不活性ガスまたは真空雰
囲気にて溶解しTi−Ni合金などの超弾性合金のイン
ゴットを形成し、このインゴットを機械的に研磨し、続
いて、熱間プレスおよび押し出しにより、太径パイプを
形成し、その後順次ダイス引き抜き工程および熱処理工
程を繰り返すことにより、所定の肉厚、外径のパイプに
細径化し、最終的に表面を化学的または物理的研磨する
ことにより製造することができる。そして、この超弾性
金属パイプによるステント基材の形成は、レーザー加工
(例えば、YAGレーザー)、放電加工、化学エッチン
グ、切削加工などにより行うことができ、さらにそれら
の併用により行ってもよい。
【0030】また、本発明のステントは、内面または外
面、さらには両面に生体適合性材料を被覆してもよい。
生体適合性材料としては、生体適合性材料を有する合成
樹脂または金属が考えられる。ステントの表面を不活性
な金属で被覆する方法としては、電気メッキ法を用いた
金メッキ、蒸着法を用いたステンレスメッキ、スパッタ
法を用いたシリコンカーバイド、窒化チタンメッキ、金
メッキなどが考えられる。また、合成樹脂としては、熱
可塑系または熱硬化系の樹脂から選択できるが、例え
ば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリ塩
化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド
エラストマー、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素樹
脂、シリコーンゴム等が使用でき、好ましくは、ポリオ
レフィン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルある
いはポリウレタン、また、生体内分解性樹脂(例えば、
ポリ乳酸、ポリグリコール酸、両者のコポリマー)であ
る。合成樹脂被膜は、ステントを構成するフレームの湾
曲の妨げにならない程度に柔軟であることが好ましい。
合成樹脂被膜の肉厚は、5〜300μm、好ましくは、
10〜200μmである。
【0031】ステントの表面に合成樹脂を薄く被覆する
方法としては、例えば、溶融状態または溶液状態の合成
樹脂の中に、超弾性金属パイプを挿入して被覆する方
法、モノマーを超弾性金属パイプの表面で重合させなが
ら被覆する化学蒸着などがある。極薄な樹脂被覆が要求
される場合は、希薄溶液を用いた被覆、または化学蒸着
が好適である。さらに、より生体適合性材料を向上させ
るために、上記樹脂被膜に抗血栓性材料を被覆または固
定してもよい。抗血栓性材料として、公知の各種の樹脂
を単独または混合して使用することができるが、例え
ば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキ
シエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例え
ば、HEMA−St−HEMAブロック共重合体)など
が好適に使用できる。
【0032】次に、本発明のステントの製造方法につい
て説明する。本発明のステントの製造方法では、留置さ
れる生体内部位に適合した外径を有する略円筒形状の超
弾性金属パイプを準備し、該超弾性金属パイプの側面を
部分的に除去して、応力負荷時に外径が縮径する方向へ
の変形が可能な複数の環状体と、該複数の環状体をステ
ントの軸方向に配列した状態にて接続する接続部とを備
えるステント基材を形成する工程と、このステント基材
の接続部を加熱し、接続部の超弾性物性を実質的に消滅
させ塑性変形性を付与するための加熱処理工程とが少な
くとも行われる。超弾性金属パイプは、不活性ガスまた
は真空雰囲気にて溶解しTi−Ni合金などの超弾性合
金のインゴットを形成し、このインゴットを機械的に研
磨し、続いて、熱間プレスおよび押し出しにより、太径
パイプを形成し、その後順次ダイス引き抜き工程および
熱処理工程を繰り返すことにより、所定の肉厚、外径の
パイプに細径化し、最終的に表面を化学的または物理的
研磨することにより製造される。
【0033】そして、超弾性金属パイプの側面を部分的
に除去して、応力負荷時に外径が縮径する方向への変形
が可能な複数の環状体と、該複数の環状体をステントの
軸方向に配列した状態にて接続する接続部とを備えるス
テント基材を形成する工程は、例えば、レーザー加工
(例えば、YAGレーザー)、放電加工、機械研磨など
による切削加工、または化学エッチングなどにより行う
ことができる。さらにそれらの併用により行ってもよ
い。そして、このように、パイプの加工によりステント
を形成しているので、パイプの外径がそのままステント
の外径となり、作製後の寸法精度が高く、生体内に留置
したときに作製形状への復帰が確実であり、狭窄部の改
善を確実に行うことができる。
【0034】具体的には、ステント基材形性工程では、
まず、超弾性金属パイプを放電加工により、ステント基
材とならない部分を加熱熔融させて除去し、ステント基
材のほぼ目的形状に初期加工する一次加工工程を行う。
続いて、一次加工処理したステント形成体のエッジを削
りとる面取り工程(二次加工)を行う。面取り工程は、
例えば、硬質微粒子を用いたブラスト処理することによ
り行われる。このブラスト処理によりバリ取りおよび面
取りが行われる。そして、一次加工時にステント形成体
の周縁に熱変性部分が形成される場合には、それを除去
するために、熱変性部分処理工程(三次加工、化学エッ
チング)を行ってもよい。この熱変性部分処理工程は、
例えば、フッ酸と硝酸の混合液に少量の過酸化水素液を
混合した変性部処理液にブラスト処理したステント形成
体を浸漬することにより行われる。なお、化学エッチン
グ(熱変性部分処理工程)によって、バリ取りおよび面
取りを同時に行ってもよく、この場合には、ブラスト処
理工程は行わなくてもよい。また、超弾性金属パイプよ
り、ステント基材を形成する工程における上記の一次加
工は、準備された所定の外径の超弾性金属パイプをレー
ザー装置(例えば、YAGレーザー装置)によりレーザ
ー加工することにより行うことが好ましい。
【0035】また、超弾性金属パイプより、ステント基
材を形成する工程は、以下のようにフォトファブリケー
ション技術を用いて行ってもよい。この方法では、最初
に超弾性金属パイプの内面、外面の脱脂、洗浄を行う。
脱脂および洗浄は、例えば、界面活性剤水溶液中への浸
漬、RO水中への浸漬、ヘキサンなどの洗浄用有機溶媒
中への浸漬により行われる。そして、乾燥させた後、超
弾性金属パイプの外面および内面にフォトレジストを塗
布する。フォトレジストとしては、ポジ型、ネガ型のい
ずれでもよく、さらに、UVレジスト、電子線レジス
ト、X線レジストでもよい。フォトレジストの膜厚とし
ては、0.5〜4μm程度が好適である。そして、フォ
トレジスト膜のパイプへの密着性を高めるために、80
〜90℃程度で加熱処理(プリベーキング)を行う。
【0036】続いて、ステント基材の形状に対応した模
様を有するマスキングフィルム(フォトレジストがポジ
型、ネガ型により相違する)を超弾性金属パイプの外面
に巻き付け真空密着させた後、露光作業を行う。露光作
業は、例えば、超高圧水銀灯を用いて行うことができ
る。また、この際に全体に確実に照射されるように超弾
性金属パイプを回転させながら行うことが好ましい。そ
して、現像処理を行う。現像処理は、超弾性金属パイプ
をフォトレジスト現像液に浸漬することにより行われ
る。続いて、120〜145℃に加熱しポストベーキン
グ処理する。これにより、マスキング工程が終了する。
【0037】このようにして、超弾性金属パイプのステ
ント基材非形成部分には、フォトレジストが存在せず、
ステント基材形成部分には、硬化したフォトレジストが
存在する超弾性金属パイプが作製される。エッチング液
にこのステント形成体を浸漬し、ステント基材非形成部
分を溶解し除去する。超弾性金属パイプのステント基材
非形成部分はエッチング液に接触するため溶解し、超弾
性金属パイプのステント基材形成部分は硬化したフォト
レジストによりエッチング液に接触しないため溶解され
ない。このエッチング液処理により、ステントのほぼ外
形をしたステント基材が作製される。そして、ステント
基材の表面に付着している硬化フォトレジストを除去す
る。この処理は、硬化フォトレジストを溶解する溶液に
ステントを浸漬することにより行われる。さらに、ステ
ントの周縁に形成されたバリの除去および面取りのため
に、上述のようにブラスト処理する。さらに、エッチン
グ液に浸漬し、表面処理を行う。これにより、ステント
基材が作製される。さらに、必要により、ステントに金
属メッキまたは樹脂被膜の形成工程が行われる。金属メ
ッキ方法としては、電気メッキ法を用いた金メッキ、蒸
着法を用いたステンレスメッキ、スパッタ法を用いたシ
リコンカーバイド、窒化チタンメッキ、金メッキなどが
考えられる。上記のようにして形成されるステント基材
の形状は、上述した実施例のステント1,20,30,
50,60のいずれかであることが好ましい。特に、ス
テント1が好ましい。しかし、ステント基材の形状は、
それらに限定されるものではない。
【0038】次に、このステント基材の接続部を加熱
し、接続部の超弾性物性を実質的に消滅させ塑性変形性
を付与するための加熱処理工程を行う。接続部の加熱処
理工程は、個々の接続部の両端部間に通電し接続部の持
つ電気抵抗による発熱により行う方法(電気抵抗法)、
個々の接続部へのレーザー照射により行う方法(レーザ
ー加熱法)、半田ごてのような高熱物を個々の接続部に
押し当てる方法(直接加熱法)などにより行うことがで
きる。電気抵抗法を用いる場合には、個々の接続部の両
端、即ち、加熱したい部分のみに高圧の電気を印加し、
超弾性金属の電気抵抗により加熱させるのである。この
方法は瞬時に通電することで高熱を加えられ、通電を終
了することによって急激に冷却されるので、加熱のコン
トロールが容易である。さらに、この方法を用いる場合
には、接続部の長さがある程度長い方が抵抗が高くなり
効率的である。また、レーザー加熱法の場合には、レー
ザーとして、YAGレーザー、半導体励起レーザーなど
を用いることが好ましく、出力や焦点距離を調整するこ
とで、加熱エネルギーを調整することができる。直接加
熱法を用いる場合には、加熱したい接続部の長さ部分を
有する半田ごてを用いることが好ましい。
【0039】上記のいずれの方法においても、ステント
基材における接続部は、ステント基材の軸に直交する環
状部分に配置された形態となっているものを用いること
が好ましい。このようなステント基材を用いることによ
り、加熱処理工程を容易に行うことができる。具体的に
は、ステント基材を装置に固定し、間歇的にステント基
材を回転させて、1つの環状部分に設けられている接続
部の加熱処理を行うことができる。そして、1つの環状
部分の接続部の処理が終了した後、ステント基材もしく
は加熱基材を軸方向に移動させ、他の環状部分の接続部
の加熱処理を順次行うものとなる。そして、ステント基
材を間歇的に回転させて、停止時に電気抵抗法の場合に
は通電用接点を接続部に接触させ加熱し、レーザー照射
法の場合には、レーザーを照射し、直接加熱の場合には
熱源を接触させる。そして、1つの環状部分における加
熱対象の接続部すべての加熱処理が終了した後、他の環
状部分における接続部の加熱処理を順次行う。接続部の
加熱処理における加熱温度は、超弾性合金の金属組成、
超弾性付与のための温度処理条件などによっても異なる
が、接続部の弾性変形消失部位における加熱温度は、4
00度から600度であることが好ましく、特に、45
0度から550度が好ましい。
【0040】また、加熱処理工程は、ステント基材を装
着可能かつ複数の凹部を備えるヒートシンクに、ステン
ト基材の各環状体部分が前記ヒートシンク外面に接触
し、かつ、すべての接続部もしくは一部の接続部の全体
もしくは一部分が凹部上となりヒートシンク外面に接触
しないように配置し、かつ、拡張ステント基材全体に通
電し自己発熱させるとともにヒートシンクに接触する前
記環状体が放熱されるように行うものであってもよい。
この加熱処理工程は、後述する生体内留置用ステントの
製造方法における加熱処理工程と同じであり、後述の説
明を参照するものとする。また、本発明の生体内留置用
ステントの製造方法は下記のようなものであってもよ
い。この発明の生体内留置用ステントの製造方法は、留
置される生体内部位の内径よりも細い外径を有する略円
筒形状の超弾性もしくは形状記憶特性を有するもしくは
付与可能な金属パイプを準備し、パイプの側面を部分的
に除去して、複数の環状体と、該複数の環状体をステン
トの軸方向に配列した状態にて接続する接続部とを備え
るステント基体を形成するステント基体形成工程と、ス
テント基体を留置される生体内部位に適合した外径とな
るまで拡張し、かつ拡張した状態にて熱処理を行い拡張
状態における形状の記憶および超弾性の発現を行うステ
ント基体拡張形態形成工程と、拡張形態となったステン
ト基体の接続部の全体もしくは一部を加熱し、該接続部
の超弾性物性を実質的に消滅させ塑性変形性を付与する
ための加熱処理工程とを有するものである。
【0041】そこで、各工程について説明する。最初
に、ステント基体形成工程が行われる。このステント基
体形成工程では、まず、留置される生体内部位の内径よ
りも細い外径を有する略円筒形状の超弾性もしくは形状
記憶特性付与可能な金属パイプを準備する。準備する金
属パイプとしては、すでに超弾性もしくは形状記憶特性
を備えるものであってもよく、また、後述する工程によ
り超弾性もしくは形状記憶特性が付与可能なものであっ
てもよい。金属パイプは、不活性ガスまたは真空雰囲気
にて溶解しTi−Ni合金などの超弾性付与可能な合金
のインゴットを形成し、このインゴットを機械的に研磨
し、続いて、熱間プレスおよび押し出しにより、太径パ
イプを形成し、その後順次ダイス引き抜き工程および熱
処理工程を繰り返すことにより、所定の肉厚、外径のパ
イプに細径化し、最終的に表面を化学的または物理的研
磨することにより製造される。
【0042】そして、パイプの側面を部分的に除去し
て、複数の環状体と、該複数の環状体をステントの軸方
向に配列した状態にて接続する接続部とを備えるステン
ト基体の形成を行う。この工程は、例えば、レーザー加
工(例えば、YAGレーザー)、放電加工、機械研磨な
どによる切削加工、または化学エッチングなどにより行
うことができる。さらにそれらの併用により行ってもよ
い。次に、上記のように作製されたステント基体を留置
される生体内部位に適合した外径となるまで拡張し、か
つ拡張した状態にて熱処理を行い拡張状態における形状
の記憶および超弾性の発現を行うステント基体拡張形態
形成工程を行う。上記のように作製されたステント基体
を留置される生体内部位に適合した外径となるまで拡張
する工程は、例えば、一端がステント基体より外径が小
さく、ステント基体内に挿入可能なテーパー部を備え、
このテーパー部と連続するステント拡張状態の外径を備
える大径部を備える芯金を用いることにより行うことが
できる。この芯金のテーパー部端部よりステント基体を
被せ、さらに芯金の大径部にステント基体を押し込むこ
とにより、ステント基体は拡張される。また、この拡張
工程は、段階的に行ってもよい。具体的には、大径部の
外径が異なる複数の芯金を準備する。そして、細径の芯
金を用いた上記の拡張工程(1次拡張)を行い、次に、
外径の大きい芯金を用いた拡張工程(2次拡張)を行
う。さらに、必要により外径の大きい芯金を用いた拡張
工程(3次拡張)を行う。
【0043】そして、ステント基体を拡張した状態にて
熱処理を行い拡張状態における形状の記憶および超弾性
の発現を行う工程は、例えば、上記の芯金の大径部にス
テント基体が位置している状態にて、ステント基体をヒ
ーターなどの加熱手段により加熱し、拡張状態における
形状記憶および超弾性を付与させる。つまり、ステント
気体を芯金に嵌めた状態で加熱することにより、ステン
トの記憶形状が芯金の大径部の外径となるように熱処理
を行う。熱処理時の雰囲気は、アルゴン、窒素などの不
活性雰囲気とすることが好ましい。なお、熱処理時の雰
囲気としては、空気であってもよい。この工程(熱処理
工程)における加熱温度および加熱時間は、使用する金
属によっても相違するが、拡張ステント基体が、350
〜550℃となった状態が、5〜20分維持されるよう
に行うことが好ましい。そして、ステント基体を冷却し
た後、芯金より取り外される。この冷却は、空冷するこ
とが好ましい。具体的には、急冷することが好ましい。
この工程により得られたステント基体は、その形態にお
いて接続部を含む全体が超弾性特性(または形状記憶特
性)を備えている。
【0044】次に、上述の工程により拡張形態となりか
つ超弾性を有するステント基体の接続部の全体もしくは
一部を加熱し、該接続部の超弾性物性を実質的に消滅さ
せ塑性変形性もしくは通常の弾性物性を付与するための
加熱処理工程を行う。この加熱処理工程は、拡張形態の
ステント基体を装着可能かつ複数の凹部81を備えるヒ
ートシンク80に、ステント基体100の各環状体部分
2がヒートシンク80外面に接触し、かつ、すべての接
続部53もしくは一部の接続部の全体もしくは一部分が
凹部81上となりヒートシンク外面に接触しないように
配置し、かつ、拡張ステント基体100の全体に通電し
自己発熱させるとともにヒートシンク80に接触する環
状体が放熱されるように行うものであることが好まし
い。図14は、加熱処理工程に使用される加熱処理装置
の一例を説明するための説明図である。
【0045】加熱処理装置70は、ステント加熱装置7
1と、このステント加熱装置71に電流を供給するため
の電源装置72と、ステントの加熱状態を把握するため
の加熱状態把握装置73と、加熱状態把握装置により把
握された加熱状態情報を用いて電源装置72を制御する
ための制御装置74と、加熱処理されるステントを冷却
するための冷却装置75を備えている。ステント加熱装
置は71は、加熱処理対象のステントを装着するための
ヒートシンク80と、ヒートシンク把持部82a,82
bと、ステントに通電するための電極84a,84b
と、電極84a、84bを電源装置72と接続するため
の接続端子85を備えている。
【0046】ヒートシンク80は、図15に示すよう
に、拡張形態のステント基体を装着可能かつ複数の凹部
81を備えている。具体的には、ヒートシンク80は、
表面が絶縁処理されたベースシャフト86と、このベー
スシャフトに、所定距離離間して固定された導電性材料
により形成された電極取付用筒状体87a,87bと、
この電極取付用筒状体87a,87b間に、それぞれが
接触しないように配置され、かつ導電性材料により形成
されたリング状部材88を備えている。そして、電極取
付用筒状体87a,87bおよびリング状部材88間に
より、上記の凹部81が複数形成されている。また、ベ
ースシャフト86としては、この実施例では、伝熱性の
良好な金属パイプが用いられるとともに、パイプ内に、
冷却装置により循環される冷却液が流通するものとなっ
ている。ベースシャフト86としては、表面が絶縁処理
されたアルミニウムパイプが好適である。ベースシャフ
ト86の絶縁処理としては、シャフトの表面に絶縁性被
膜を設けることが好ましい。絶縁被膜としては、PTF
E、ETFEなどのフッ素系樹脂、さらには、エポキシ
樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹
脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化型樹脂が好
適である。また、被膜の厚さとしては、20μm〜50
μm程度が好適である。また、ベースシャフト86とし
て、アルミパイプを用いる場合には、アルマイト処理に
より絶縁処理することが好ましい。この場合、アルマイ
トの厚さとしては、15μm〜50μm程度が好適であ
る。また、電極取付用筒状体87a,87bおよびリン
グ状部材88は、金属製であることが好ましく、例え
ば、銅または真鍮が好適である。
【0047】冷却装置75は、冷却液タンク92、通液
管93,94、ポンプ95、ベースシャフト86へのコ
ネクター76a,76bを備えている。そして、冷却液
タンク92内の冷却液92aは、ポンプ95により、通
液管93、コネクター76b、ベースシャフト86内、
コネクター76a、通液管94を通り、タンク92に戻
り、循環される。冷却液としては、水、ポリエチレング
リコールなどが用いられる。冷却液タンクは、収納する
冷却液量が多いものであれば熱が自然に放熱されるので
格別な冷却手段は不要である。なお、少ない冷却液を用
いる場合には、冷却液を冷却するためのチラーなどの冷
却手段を設けることが望ましい。なお、冷却装置として
は、冷却液を用いるものに限定されるものではなく、冷
却モジュールを用いるものであってもよい。冷却モジュ
ールを用いる場合には、ベースシャフトに直接取付れば
よく、この場合には、ベースシャフトとしては中実のも
のを用いることが好ましい。冷却モジュールとしては、
例えば、ペルチェ素子を用いたサーモモジュール、電子
式冷却モジュールなどを用いることができる。
【0048】そして、図15に示すように、この実施例
のものでは、ステント基体100は、各環状体部分2が
ヒートシンク80外面に接触し、かつ、すべての接続部
53の両端部分を除くほぼ全体が凹部81上となりヒー
トシンク外面に接触しないように配置されている。そし
て、ヒートシンク80の電極取付用筒状体87a,87
bには、図14および図15に示すように、電極84
a、84bが取付られている。また、ベースシャフト8
6の両端部は、図14に示すように、ヒートシンク把持
部82a,82bにより把持され、ベース71aに固定
されている。また、電極84a、84bは、リード線8
9a,89bにより接続端子85に接続されている。ま
た、電極84a、84bとしては、図15に示すような
網状電極が好ましい。電源装置72は、直流電源装置が
用いられる。電源装置としては、定電圧電源装置、定電
流電源のいずれでもよい。電源装置としては、定電流電
源が好ましい。電源装置72は、リード線72a,72
bにより、接続接点85に接続されている。なお、接続
接点を設けることなく、電極84a、84bを直接電源
装置72と接続してもよい。
【0049】ステントの加熱状態を把握するための加熱
状態把握装置73としては、サーモグラフィ装置、スポ
ット温度計等の非接触型のものが用いられる。そして、
サーモグラフィ装置を用いる場合には、ステントを拡大
観察するためのレンズ73aが設けられている。サーモ
グラフィ装置73により、加熱状態におけるステントの
加熱状況が把握され、その情報は、制御装置74に送ら
れる。制御装置74としては、例えば、パーソナルコン
ピュータが用いられる。また、制御装置74は、電源装
置と電気的に直接または間接的に接続されている。制御
装置は、電源装置の作動を制御する機能を有している。
具体的には、ステントの接続部部分が目的となる温度ま
で加熱される状態がサーモグラフィ装置により把握され
るように電源装置のオンオフもしくは電流または電圧を
制御する。そして、上記のような構成を備える加熱処理
装置のヒートシンク80に、ステント基体100の各環
状体部分2がヒートシンク80外面に接触し、かつ、接
続部53の少なくとも中央部分が凹部81上となりヒー
トシンク外面に接触しないように配置する。そして、制
御装置74を作動させて、電源装置より電極84a、8
4b間に直流電流を流し、ステント基体100を自己加
熱させるとともに、冷却装置を作動させてベースシャフ
トひいてはヒートシンク80を冷却する。これにより、
ヒートシンク80に接触する部分のステント基体は自己
の発熱が冷却され温度は高くならず、ヒートシンク80
に接触しない部分(接続部)は、自己発熱がそのまま発
現する。なお、ヒートシンク80に接触しないものの近
接する部分接続部は、若干冷却された状態となり中央部
分に比べて温度は低いものとなる。
【0050】具体的に説明すると、図14において、電
源装置72より流れる電流は、電極82b、電極取付用
筒状体87b、ステント基体の右端から左端、電極取付
用筒状体87a、電極82a、電源装置72の順に流れ
る。図16に示すように、ヒートシンク80のリング状
部材88間およびベースシャフト86は互いに絶縁され
ているので、電流はステント基体100に集中的に流れ
る。電流が流れるとステント基体100は、ジュール熱
を発するが、環状体2および接続部53の一部は、ヒー
トシンク80(具体的には、リング状部材88)に接触
しているため熱がヒートシンク80(具体的には、リン
グ状部材88)に逃げるため温度が上昇しない。一方、
接続部の一部(中央部)は、ヒートシンクの溝部に対応
しているので、ここで発生したジュール熱が直接ヒート
シンクに散逸することがない。したがって、接続部の中
央部分だけ熱が逃げにくいため自己発熱する。この発熱
温度は、通電する電流量によって、制御することができ
る。より、具体的には、サーモグラフィ(等の非接触型
温度計)の測定データはGPIBやRS-232C等の通信手段を
介して制御手段であるパーソナルコンピュータに取り込
まれる。PC内部では、あらかじめ設定されていた目標
温度と測定温度との差に応じ、測定データに適当な演算
処理が施される。この結果得られた演算結果(演算デー
タ)は、同じく通信手段を介して直流電源装置に入力さ
れ、ステントの接続部が、目標温度となるように直流電
源装置の出力電流を制御する。このようにして、PCに
記憶させていたプログラムに基づき、接続部の温度を所
望の時間だけ所望の温度に維持することができる。
【0051】また、この方法によれば、複数の同一形状
(デザイン、長さ、直径が同一)のステントを同時に熱
処理することも容易である。そのためには、ステントを
セットした焼鈍用治具を複数台配置し、これらを加熱電
流が直列接続になるよう配線する。一方、冷却装置(冷
却液タンクは共用可であるが)、冷却液配管系は各焼鈍
治具毎に並列に配管する。このようにすれば、各ステン
トには同じ値の電流・電圧が印加され、かつヒートシン
クへの熱の逃げ具合も同じになるので、複数のステント
を同時に同様に熱処理することが可能である。この際、
接続部の温度は、いずれか一つのステントについてモニ
タ(測定)すれば十分である。また、図11ないし図1
3に示す実施例のステント60のように、接続部53の
一部が環状体2内に侵入した形態のステントの場合に
は、図17に示すような形態のヒートシンク90が用い
られる。このヒートシンク90と上述したヒートシンク
の相違は、リング状部材および電極取付用筒状体に接続
部との接触を避けるための溝部が形成されている点のみ
である。特に、この例のヒートシンク90では、リング
状部材88の外面に複数の溝部88aが設けられてお
り、電極取付用筒状体87bに複数の溝部91が設けら
れている。溝部88a、91の幅は、接続部の幅よりも
大きいものとなっている。このようにすることで、環状
体2および接続部53の両端は超弾性を維持したまま、
接続部の中央部分のみを熱処理し、塑性化、柔軟化する
ことが可能である。接続部上で塑性にする部分の長さの
割合はステントのデザインに応じて種々取り得るが、お
おむね10%〜100%であり、特に40%〜90%が
望ましい。
【0052】
【実施例】次に、本発明のステントの具体的実施例につ
いて述べる。 (実施例1)TiNi合金(51原子%Ni)の合金パ
イプを冷間加工して、外径約8mm、内径約7.6m
m、長さ約34mmの超弾性金属パイプを作製した。そ
して、金属パイプを軸がぶれないようにファスナー機構
の付いた回転モーター付治具にセットし、さらにこれを
数値制御可能なXYテーブル上にセットした。そして、
XYテーブルおよび回転モーターをパーソナルコンピュ
ータに接続し、パーソナルコンピュータの出力が、XY
テーブルの数値制御コントローラーおよび回転モーター
に入力されるものとした。パーソナルコンピュータ内に
は図面ソフトが記憶されており、ここに図2に示すよう
な構図のステントの展開図面を入力した。このような構
成により、パーソナルコンピュータより出力される図面
データに基づいて、XYテーブルおよび回転モーターが
駆動する。そこにレーザーを照射することにより、図1
に示すような形状のステント基材を作製した。上記金属
パイプのレーザー加工条件としては、電流値25A,出
力1.5W、駆動スピード10mm/分にて行った。な
お、上記のようなシステムに限らず、レーザー加工機が
駆動するいわゆるレーザーマーカー(ガルバノメーター
方式)であってもよい。そして、化学研磨液を加温した
ものに、上記のフレーム基材を約2分間浸漬し、面取り
(バリ取り、化学研磨)を行った。続いて、すべての接
続部において、通電用接点を接触させて、直流電圧を印
加した。これにより通電用接点接触部間は、約490度
に数秒間発熱した。このようにして作製したステント
は、外径約8mm、全長34mm、肉厚0.2mm、環
状体(拡張要素)における線状体の幅0.12mm、接
続部(コネクター要素)の幅0.06mmであり、接続
部のほぼ全体が塑性変形するステントを得た。
【0053】(実施例2)実施例1のステントを用い
て、その表面全体を金メッキした。金メッキは、スルフ
ァミン酸系メッキ浴(徳力本店株式会社製、商品名オー
ロフレックスTI)を約40℃に加温し、シアン金カリ
ウムを溶解し、このメッキ浴中に、実施例1のステント
を浸漬した。これにより、ステントの表面には、1.8
μmの非光沢の金メッキ層が形成された。
【0054】(比較例)実施例1における接続部の加熱
処理を行わない以外は、実施例1と同様に行い外径約8
mm、全長34mm、肉厚0.2mm、環状体(拡張要
素)における線状体の幅0.12mm、接続部(コネク
ター要素)の幅0.06mmであり、全体が超弾性を示
すステントを得た。
【0055】(実験)実施例1のステントと比較例のス
テントとを、直径50mmの丸棒の円周に沿って巻き付
けた。その後、手を離してステントの変形を観察する
と、比較例のステントは全く変形がなく元の形状に戻っ
ていたが、実施例のステントは曲率半径約35mm程度
で緩くカーブしていた。このように、実施例のステント
は負荷に対して、相応の変形をすることがわかった。
【0056】(実施例3)NiTi製超弾性(または形状記
憶)合金のパイプ(例えば、外径約1.6mm、肉厚約0.2
mm、長さ1m)からステント基体をレーザーカットし
た。具体的には、パイプをXθテーブルに設置し、この
Xθテーブルを図9に示すステント展開図を入力したコ
ンピュータで移動制御した。このXθテーブルの移動
(すなわち、NiTiパイプの移動)とタイミングを合わせ
て、パイプの外表面にレーザーを断続的に集光照射する
ことにより、細径のステント基体を作製した。次に、ス
テント基体に化学研磨を施し、バリを取り除いた。その
後、径拡用の芯金をステント基体内腔に通し、ステント
基体を外径約10mmに拡張した。そして、芯金がステ
ント基体に挿入された状態にて熱処理(その後、空冷)
を行うことにより、全体が超弾性を有する拡張ステント
基体を作製した。拡張ステント基体を、図14に示した
構成の加熱処理装置のヒートシンクに被せ、接続部の選
択的焼鈍(塑性化)処理を施した。図14の制御装置で
あるコンピュータ(PC)には、あらかじめ温度制御プ
ログラムが入力されており、そのプログラムに応じて、
直流電源装置からリード線を介して部分焼鈍装置(ひい
ては、ステント基体そのもの)に直流電源が供給され
る。電流値は、目的とする温度、時間に応じて、コンピ
ュータプログラムによって適宜、設定するが、実際に焼
鈍に用いた温度、時間、電流の一例は、表1に示す通り
である。
【0057】
【表1】 時間(分) 0(加熱開始)20 25 30 ・・・・・・・ 95 130 135 加熱終了 温度(℃)410 410 400 390 約-10℃/5分で降温 260 190 190 室温まで 電流(A) 6.3 6.3 6.2 6.1 4.7 3.9 3.9 空冷 ステント基体に電流を流し、自己発熱(ジュール熱)に
より接続部を選択的に加熱し、一定時間(20分間)、高
温(410℃)に維持した。その後、約-10℃/5分の割合
で190℃まで降温(加熱電流を徐々に低減)し、その
後、通電を停止して室温まで降温し、熱処理を終了し
た。前述の通り、接合部の温度はサーモグラフィ等の非
接触型温度計で測定し、そのデータをフィードバックし
て温度を制御するので、熱処理中の温度の変動(設定温
度と測定温度の差)は、±2℃以内に抑えることができ
た。この値は、焼鈍処理に要する温度精度と比べて十分
小さく、従って温度変動が焼鈍処理に及ぼす影響はほと
んどない。また、加熱に要する電流の値は、ステントの
デザインや冷却水の温度等、種々の要因によって異な
る。上述のような部分焼鈍を施すことにより、ステント
基体の接続部だけを選択的に塑性化し、かつ柔軟にする
ことが可能だった。また、前述のようにジグザグ部の屈
折部はヒートシンクに接触させて温度が上がらないよう
にしたので、この部分の超弾性は維持され、ステント基
体は、元の拡張力、自己拡張性を維持した。
【0058】
【発明の効果】本発明の生体内留置用ステントは、生体
内挿入前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾性
を示す超弾性金属により略円筒形状に一体に形成された
生体内留置用ステントであって、該ステントは、応力負
荷時に外径が縮径する方向への変形が可能な複数の環状
体と、該複数の環状体をステントの軸方向に配列した状
態にて接続する接続部とを備え、前記環状体は、超弾性
による弾性変形が可能であり、前記接続部は、全体もし
くは一部が実質的に超弾性を備えない塑性変形可能部と
なっている。本発明のステントは、拡張要素である環状
体部分は弾性変形可能であり、製造時の外径への復元力
により生体管腔を確実に押し広げることができるととも
に、接続部にのみ塑性変形可能部分を備えるので、上記
の生体管腔拡張機能を阻害することがない。さらに、接
続部が備える塑性変形可能部分により、生体管腔の湾曲
に追従して塑性変形湾曲を生じるので、ステントが直線
状に復元しようとする力に起因するストレスを留置生体
管腔部位に与えることが極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例のステントの側面図で
ある。
【図2】図2は、図1に示したステントの展開図であ
る。
【図3】図3は、図1に示したステントの部分拡大図で
ある。
【図4】図4は、図3に示したステントの接続部が伸展
した状態を説明するための説明図である。
【図5】図5は、図1に示したステントを縮径させた状
態のステントの側面図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施例のステントの斜視
図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例のステントの斜視
図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施例のステントの側面
図である。
【図9】図9は、図8に示したステントの展開図であ
る。
【図10】図10は、図8に示したステントの部分拡大
図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施例のステントの
側面図である。
【図12】図12は、図11に示したステントの展開図
である。
【図13】図13は、図11に示したステントの部分拡
大図である。
【図14】図14は、加熱処理工程に使用される加熱処
理装置の一例を説明するための説明図である。
【図15】図15は、加熱処理工程に使用されるヒート
シンクの一例を説明するための説明図である。
【図16】図16は、加熱処理工程に使用されるヒート
シンクの一例を説明するための説明図である。
【図17】図17は、加熱処理工程に使用されるヒート
シンクの他の例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 生体内留置用ステント 2 環状体 3 接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C167 AA41 AA44 AA45 AA50 AA53 CC08 FF05 GG03 GG04 GG06 GG07 GG10 GG21 GG23 GG24 GG32 GG33 GG34 HH08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体内挿入前および生体内挿入後のいず
    れにおいても超弾性を示す超弾性金属により略円筒形状
    に一体に形成された生体内留置用ステントであって、該
    ステントは、応力負荷時に外径が縮径する方向への変形
    が可能な複数の環状体と、該複数の環状体をステントの
    軸方向に配列した状態にて接続する接続部とを備え、前
    記環状体は、超弾性による弾性変形が可能であり、前記
    接続部は、全体もしくは一部が実質的に超弾性を備えな
    い塑性変形可能部となっていることを特徴とする生体内
    留置用ステント。
  2. 【請求項2】 前記環状体は、波状線状体からなるもの
    である請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  3. 【請求項3】 前記環状体は、側面に形成された複数の
    切欠部および複数の開口を備える線状構成物からなるも
    のである請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  4. 【請求項4】 前記接続部は、湾曲もしくは屈曲してい
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内留置用ス
    テント。
  5. 【請求項5】 前記接続部は、ステントの軸方向にほぼ
    直交するように湾曲もしくは屈曲している請求項1ない
    し4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  6. 【請求項6】 前記ステントは、隣り合う前記環状体間
    に2以上の接続部を有している請求項1ないし5のいず
    れかに記載の生体内留置用ステント。
  7. 【請求項7】 留置される生体内部位に適合した外径を
    有する略円筒形状の超弾性金属パイプを準備し、該超弾
    性金属パイプの側面を部分的に除去して、応力負荷時に
    外径が縮径する方向への変形が可能な複数の環状体と、
    該複数の環状体をステントの軸方向に配列した状態にて
    接続する接続部とを備えるステント基材を形成する工程
    と、前記ステント基材の前記接続部の全体もしくは一部
    を加熱し、該接続部の超弾性物性を実質的に消滅させ塑
    性変形性を付与するための加熱処理工程とを有すること
    を特徴とする生体内留置用ステントの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱処理工程は、前記接続部の両端
    部間に通電し接続部の持つ抵抗による発熱により行うも
    のである請求項7に記載の生体内留置用ステントの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記加熱処理は、前記接続部へのレーザ
    ー照射により行うものである請求項7に記載の生体内留
    置用ステントの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記接続部は、ほぼ直線状となってい
    る請求項1、2、3、または6のいずれかに記載の生体
    内留置用ステント。
  11. 【請求項11】 前記接続部は、前記ステントの軸方向
    に対してほぼ平行となっている請求項10に記載の生体
    内留置用ステント。
  12. 【請求項12】 前記接続部は、前記ステントの中心軸
    に対して所定角度斜めとなっている請求項10に記載の
    生体内留置用ステント。
  13. 【請求項13】 留置される生体内部位の内径よりも細
    い外径を有する略円筒形状の超弾性もしくは形状記憶特
    性を有するもしくは付与可能な金属パイプを準備し、該
    パイプの側面を部分的に除去して、複数の環状体と、該
    複数の環状体をステントの軸方向に配列した状態にて接
    続する接続部とを備えるステント基体を形成するステン
    ト基体形成工程と、該ステント基体を留置される生体内
    部位に適合した外径となるまで拡張し、かつ拡張した状
    態にて熱処理を行い拡張状態における形状の記憶および
    超弾性の発現を行うステント基体拡張形態形成工程と、
    該拡張形態となったステント基体の接続部の全体もしく
    は一部を加熱し、該接続部の超弾性物性を実質的に消滅
    させ塑性変形性もしくは通常の弾性物性を付与するため
    の加熱処理工程とを有することを特徴とする生体内留置
    用ステントの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記加熱処理工程は、前記拡張形態の
    ステント基体を装着可能かつ複数の凹部を備えるヒート
    シンクに、前記ステント基体の各環状体部分が前記ヒー
    トシンク外面に接触し、かつ前記すべての接続部もしく
    は一部の接続部の全体もしくは一部分が前記凹部上とな
    り前記ヒートシンク外面に接触しないように配置し、か
    つ、前記拡張ステント基体全体に通電し自己発熱させる
    とともに前記ヒートシンクに接触する前記環状体が放熱
    されるように行うものである請求項13に記載の生体内
    留置用ステントの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記加熱処理工程は、前記ステント基
    材を装着可能かつ複数の凹部を備えるヒートシンクに、
    前記ステント基材の各環状体部分が前記ヒートシンク外
    面に接触し、かつ前記すべての接続部もしくは一部の接
    続部の全体もしくは一部分が前記凹部上となり前記ヒー
    トシンク外面に接触しないように配置し、かつ、前記拡
    張ステント基材全体に通電し自己発熱させるとともに前
    記ヒートシンクに接触する前記環状体が放熱されるよう
    に行うものである請求項7に記載の生体内留置用ステン
    トの製造方法。
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