JP2003197992A - 積層型圧電体及びその製造方法 - Google Patents

積層型圧電体及びその製造方法

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JP2003197992A
JP2003197992A JP2001393295A JP2001393295A JP2003197992A JP 2003197992 A JP2003197992 A JP 2003197992A JP 2001393295 A JP2001393295 A JP 2001393295A JP 2001393295 A JP2001393295 A JP 2001393295A JP 2003197992 A JP2003197992 A JP 2003197992A
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electrodes
ceramic
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Junichi Hashimoto
順一 橋本
Isao Toyoshima
功 豊島
Shigeto Yamamoto
滋人 山本
Hiroshi Nakatani
宏 中谷
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐電流強度を強くでき、製品歩留まりを向上す
る、コストダウンが図れる積層型圧電体及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】本発明にかかる積層型圧電体1は、表裏の
主面と2対の対向した側面とを有するようにセラミック
層5と内部電極3,4が交互に積層されて直方体状に形
成されたセラミック積層体2からなり、前記内部電極
3,4と導通して側面電極7,8が一方対の側面2b、
2cにそれぞれ形成され、該両側面電極7,8はいずれ
か一方の主面2aに回り込んで該主面に形成された外部
電極9,10にそれぞれ接続され、該外部電極5,10
から前記内部電極2,4に電流が供給されるように構成
され、かつ、前記側面電極7,8は外部電極9,10に
接続された一方の主面2a側が厚く、他方の主面側が薄
く形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層型圧電体及びそ
の製造方法にかかり、より詳細には、セラミック層と内
部電極が交互に積層して形成され、一の主面外部電極か
ら側面電極を経て内部電極に電流を供給するタイプの積
層型圧電体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図10に示すような外観形状
をした積層型圧電体101が知られている。この積層型
圧電体101は、第1及び第2の内部電極102,10
3それぞれがセラミック層104を介して交互に積層さ
れ、対向する側面のそれぞれに引き出されて接続用側面
電極105、106にそれぞれ電気的に接続されてい
る。そして、接続用側面電極105、106は均一な厚
さに形成され、主面に回り込んで主面でそれぞれ外部電
極107,108が形成され、両外部電極107,10
8間に絶縁部109を有している。
【0003】従来の均一の厚さを有する側面電極10
5,106が形成された積層型圧電体101は、一般に
次のようにして製造されている。セラミックグリーンシ
ートと内部電極を交互に積層して焼成した親基板となる
セラミック基板を作成する。次いで、このセラミック基
板を複数のワーク110に分割した後、図11に示すよ
うに、各ワーク110の主面への引出し電極となる側面
電極111、112や、基板回路等の電源へ接続する外
部電極107,108を形成する接続電極113を成膜
することで形成する。
【0004】さらに、各ワーク110の外部電極113
の一部を削除して絶縁部109を形成すると共に外部電
極107,108を形成した後、各ワーク110を所定
の寸法に切断して積層型圧電体101を製作している。
【0005】上記のセラミック基板を複数のワークに分
割する工程においては、作業を容易にするため、セラミ
ック基板の裏面に粘着シートを貼付し、その状態で表面
からダイシング溝を形成し、その後、複数のワークに分
割するという方法が行われている。この工法によれば、
分割されたワークは粘着シートに粘着された状態である
ため、分割工程で各ワークが分散するおそれがない。
【0006】そして、上記ワークに導電膜を成膜する工
程では、ワークを再整列してワーク間の隙間(図11の
Sで示す)を、例えば親基板の厚み0.5mmに対して
0.6mmと、大きくすると共に、側面に均一に直進性
の強い蒸着光が当たるように蒸着光源に向かう線に対し
て45度程度傾け、隣のワークの稜で影を作らないよう
にした状態で所定の部分に成膜し、均一厚みの導電膜を
形成している。
【0007】ワークを再整列するのは、切断幅の狭い
刃、例えば0.1mmの幅の刃でダイシングカットした
状態の、ワーク間の隙間が狭い状態のままワークを傾け
て導電膜を成膜すると、側面が蒸着光を直接見ることが
できず、導電膜成分がワーク側面に十分に当たることが
できない部分が生じ、均一な厚さに成膜できないためで
ある。一方、ワークの傾きを蒸着光(導電膜原料源を結
ぶ線)に直角な面に対して平行に近づける(ワークの側
面の成膜面と蒸着光の軸線が平行に近づく)と、側面が
蒸着光を直接見ることができるようにはなるが、所定の
厚さの導電膜を成膜しようとすると、成膜の時間が長く
かかる。また、経済的な時間で成膜すると、側面電極の
厚さが薄くなり、流れる電流に対する強度が弱くなる。
【0008】また、側面電極の厚みを確保し、かつワー
クを再整列しなくてもよいように、ダイシング溝を幅
広、例えば0.6mm、に形成し、蒸着光源に向かう方
向線に対して45度程度傾け、側面に均一に蒸着光が当
たる状態で成膜し、均一厚みの導電膜を形成することも
行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各内部電極
に電流を供給する側面電極の厚みを一定にすると、電流
源に近い複数の内部電極に供給する大きい電流の流れる
源流部分と、1つの内部電極に供給する電流の流れる末
端部分とを同じ耐電流強度にしているので、側面電極の
形成に手間がかかり、コストアップになっていた。ま
た、均一な厚さの側面電極を形成するための成膜工程
で、ワークを再整列する方法では、成膜すべき面に触れ
ねばならず、セラミック基板の電極を形成する面に埃等
が付着し、成膜不良品が発生しやすかった。また、ワー
クを再整列しなくてもよいように、ダイシング溝を幅広
に形成する方法では、材料ロスが多くてコストアップに
なった。
【0010】本発明はこのような不都合に鑑みて創案さ
れたものであり、外部に接続される外部電極側の側面電
極の厚みを厚くしてこの側の耐電流強度を強くできる
上、製品歩留まりの向上を実現することが可能な、コス
トダウンが図れる積層型圧電体及びその製造方法の提供
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1にかか
る積層型圧電体は、表裏の主面と2対の対向した側面と
を有するようにセラミック層と内部電極が交互に積層さ
れた活性部を有する直方体状に形成されたセラミック積
層体からなる積層型圧電体であって、前記内部電極と導
通して側面電極が一方対の側面それぞれに形成され、該
側面電極はいずれか一方の主面に回り込んで該主面に形
成された外部電極にそれぞれ接続され、該外部電極から
前記内部電極に電流が供給されるように構成され、前記
側面電極は外部電極に接続された一方の主面側が厚く、
他方の主面側が薄く形成されていることを特徴とする。
【0012】この構成においては、積層型圧電体は、外
部電極から引き出し電極用基板、引き出し電極、又はリ
ード線で引き出されて駆動される。そして、積層型圧電
体の内部電極と導通する側面電極を、一方の主面側で厚
く、他方の主面側で薄く形成し、均一に形成しなくても
良いから、側面電極の形成が容易になり、製品歩留まり
を向上することが可能になり、コストダウンが図れる。
また、側面電極は電流が多く流れる外部電極の形成され
た一方の主面側を厚く形成できるので、電流が多く流れ
る部分の耐電流強度が大きくできる。
【0013】本発明の請求項2にかかる積層型圧電体
は、前記請求項1の発明において、前記セラミック積層
体が第1及び第2の内部電極が交互に積層されて形成さ
れた活性部と、第3の内部電極が積層されて形成された
接続部とを有し、該セラミック積層体の対向した側面の
一方に形成された前記側面電極は少なくとも前記第1の
内部電極と導通する駆動用側面電極と該駆動用側面電極
と並列して形成された前記第3の内部電極と導通する接
続用側面電極であり、他方の側面には少なくとも前記第
2の内部電極及び第3の内部電極の双方と導通する共通
の側面電極を備えている。このように積層型圧電体を構
成することにより、側面電極の先端部の導通厚みが薄く
ても、耐電流強度を大きくでき、圧電アクチュエータに
適する積層型圧電体を製作することができる。
【0014】本発明の請求項3にかかる積層型圧電体の
製造方法は、表裏の主面と2対の対向した側面とを有す
るようにセラミック層と内部電極が交互に積層されて形
成されると共に、該内部電極と導通して側面電極が一方
対の側面それぞれに形成され、該側面電極はいずれか一
方の主面に回り込んで該主面に形成された外部電極に接
続され、該外部電極から前記内部電極に電流が供給され
る積層型圧電体の製造方法であって、前記外部電極の形
成される一方の主面を導電膜の蒸着源またはスパッタリ
ング源に向かう線に直交する軸周りで回転可能に支持し
て、該主面の蒸着源またはスパッタリング源に対向する
角度が変化するように回転させながら成膜して、外部電
極が形成される主面側の導電膜厚を厚くした側面電極を
形成して積層型圧電体を製造することを特徴とする。
【0015】このように積層型圧電体を製造することに
より、耐電流強度の大きい電極の形成が容易になる。ま
た、製品歩留まりの向上を実現することが可能となり、
コストダウンを図ることができる。
【0016】本発明の請求項4にかかる積層型圧電体の
製造方法は、請求項3にかかる製造方法において、内部
電極を形成する導電パターンが印刷されたセラミックグ
リーンシートと印刷されてないセラミックグリーンシー
トとを適宜積層して焼成してセラミック基板を形成し、
該セラミック基板の裏面をダイシングシートに粘着し、
該セラミック基板の表面からダイシング溝を形成して複
数のワークを形成し、該ワークを、その表面が蒸着源ま
たはスパッタリング源に向かう線に直交した回転可能な
軸に支持された、固定板に複数個を配置し、該固定板を
回転させることで複数個のワークを回転させながらPV
D法により外部電極が形成される主面側の導電膜厚を厚
くした側面電極を形成し、積層型圧電体を製造する。P
VD(Physical Vapor Deposit
ion)法による成膜では、公知の蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーテイング法等を適用することがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [第1の実施の形態]図1は本発明の第1の実施の形態
に係る積層型圧電体素子の全体を示す斜視図、図2は図
1のA−A線に沿う断面図である。
【0018】この第1実施の形態における積層型圧電体
1は、直方体状のセラミック積層体2を備えている。こ
のセラミック積層体2の短手方向に対向する第1、第2
側面2b,2cからそれぞれ対向面に向けて互いに第1
の内部電極3と第2の内部電極4とがセラミック積層体
2内においてセラミック層5を挟んで交互に積層配置さ
れ、それぞれが片方の側面に露出するように延設されて
いる。そして、両内部電極3,4が互いに重複する部分
には、変位する活性部6が形成されている。なお、セラ
ミック積層体2の活性部6のセラミック層は分極されて
おり、交流電圧が印加されることによって積層方向Xに
沿って又は直交する方向に伸び縮み動作するようになっ
ている。
【0019】セラミック積層体2の第1側面2bに引き
出された第1の内部電極3は、第1側面電極7に導通さ
れている。そして、セラミック積層体2の他方の第2側
面2cに引き出された第2の内部電極4は第2側面電極
8に導通されている。第1側面電極7は、セラミック積
層体2の第1側面2bに形成され、側面2bから表主面
2a上に回り込んで表主面2aに延設されて第1外部電
極9が形成されている。同様に、第2側面電極8は、セ
ラミック積層体2の第2側面2cに形成され、第2側面
2cから表主面2a上に回り込んで表主面2aに延設さ
れて第2外部電極10が形成されている。そして、第1
外部電極9と第2外部電極10とは絶縁部11により電
気的に絶縁されて並列に形成されている。これらの構成
は、従来技術の場合と同様である。
【0020】そして、積層型圧電体1の第1側面電極7
と第2側面電極8とは、裏主面側からこれと反対側の表
主面2a側にかけて、その厚さが徐々に厚くなるように
形成されている。これにより、流れる電流の大きい側の
側面電極が厚くされ、耐電流強度が大きくされているこ
とがこの発明の特徴である。
【0021】上記のように構成した積層型圧電体1の製
作は、以下のような手順により図3〜図7に示すように
作製される各中間製品を加工してなされる。まず、セラ
ミック積層体2を製作するための親基板を製作するに
は、図3に示すように、3種類のグリーンシート21,
22,23を用意する。つまり、複数個(図3の例では
8個)の第1の内部電極3となる導電パターン31が形
成されたグリーンシート21と、複数個(図3の例では
8個)の第2の内部電極4となる導電パターン32が形
成されたグリーンシート22と、何らの導体パターンも
形成されていない無地のグリーンシート23とを用意す
る。なお、これらのグリーンシート21,22,23
は、PZTなどの圧電体原料を用いて平面視矩形状に形
成して作製する。また、導電パターン31,32はAg
などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷す
ることによって形成する。
【0022】そして、上記の導電パターン31,32が
それぞれ形成されたグリーンシート21,22を順次交
互に所定枚数ずつ積層してから、最上部と最下部と所要
の中間に無地のグリーンシート23を配置した後、これ
らを積層方向に沿って圧着してこれを焼成し、セラミッ
ク層と内部電極が交互に積層された大判板状の親基板2
4を作製する(図4)。
【0023】次いで、図5に示すように、親基板24を
粘着シート25に粘着し、固定基板に固定する。続い
て、親基板の厚さより小さい隙間、親基板の厚み0.5
mmに対して、0.05から0.2mmの隙間、に切断
することができる適宜の刃厚のダイシングソー26など
のカッターを用いて、親基板24を積層型圧電体の長手
方向に沿って所定のピッチでもって(図4に示すY−Y
にに沿って)カットし、ワーク27を作製する。
【0024】続いて、図6に示すように、固定板28に
粘着シート25に粘着されたままのワーク27を固定す
る。固定板28は回転可能な水平軸28aに対して固定
されており、ワーク27は、側面電極が形成される面が
水平軸28aと平行になるように固定する。そして、固
定板28を回転させて、蒸着源に対する側面電極が形成
される面の角度を変化させながら、蒸着源に面したワー
ク27の表面に導電膜を成膜する。固定板28の回転に
よりワーク27も回転し、隣接するワーク27同士の表
主面2aの稜で、蒸着源に対して側面が隠れたり、露出
したりする。これにより、露出部の成膜が促進され、隠
れた部分は成膜が遅くなり、その結果として、側面の電
極の厚さが表主面側で厚くなり、裏主面側で薄くなる。
なお、この導電膜の成膜は、蒸着に限られず、スパッタ
リング、イオンプレーテイング等のPVD法で行うこと
ができる。導電膜の膜構造としては、単層構造でもよい
が、例えば(Cr/Ni/Au)等のような積層構造
で、0.2/0.4/0.2μmのような厚み構成とし
てもよい。
【0025】続いて、所定の側面電極及び外部電極を形
成するように、不要な導電膜を適宜に除去する。その
後、導電膜を形成したワーク27を所定の切断線に沿っ
て、切断して積層型圧電体を作製する。
【0026】[第2の実施の形態]図8は本発明の第2
の実施の形態に係る積層型圧電体の全体を示す斜視図
で、同図(a)は1方の側面側から見た斜視図、同図
(b)は他方の側面側から見た斜視図である。この実施
の形態2において、上記実施の形態1の積層型圧電体と
同様な作用をする部分については同一の符号を付して詳
細な説明を省略する。
【0027】この積層型圧電体12は、直方体状のセラ
ミック積層体2を備え、セラミック積層体2に第1の内
部電極3と第2の内部電極4の他に、この部分から離れ
てセラミック層5を挟んで接続用内部電極13が積層さ
れている。そして、両内部電極3,4が互いに重複する
部分には、変位する活性部6が形成され、セラミック層
5を挟んで接続用内部電極13が設けられている部分に
は接続部14が形成されている。なお、セラミック積層
体2の活性部6の変位の方向は積層方向Xに沿う方向又
は直交する方向のいずれでもよい。
【0028】そして、第2の内部電極4は、図8(a)
に示すように、セラミック積層体2の対向した第1側面
2b,第2側面2cのうちの一方、つまり、第2側面2
cからのみ端縁部が露出しており、その他方である第1
側面2bからは端縁部が露出していない。また、第1の
内部電極3は、積層型圧電体12を他方側から見た状態
を示す図8(b)のように、セラミック積層体2の第1
側面2bからは端縁部が露出しているものの、その第2
側面2cからは端縁部が露出していない。接続用の第3
の内部電極13は第1及び第2側面2b,2cいずれか
らも端縁部が露出している。
【0029】セラミック積層体2の第1側面2bには第
1側面電極7がほぼ全面にわたって形成されており、こ
の第1側面電極7には第1の内部電極3及び接続用内部
電極13がともに導通している。そして、第1側面電極
7の厚さは、上部の表主面2a側が厚く、下方の反対側
にかけて薄く形成されていることが大きいな特徴であ
る。そして、第1側面電極7は、第1側面2bから表主
面2a上に回り込んで表主面2aに延設されて第1外部
電極9を形成している。
【0030】第2側面2cには第2側面電極8及び接続
用側面電極14のそれぞれが所定幅の空隙部分15を介
して並列して形成されている。これらの第2側面電極8
に対しては、第2の内部電極4が導通し、接続用側面電
極14に対しては、第3の内部電極13が導通してい
る。そして、第2側面電極8及び接続用側面電極14の
厚さは、上部の表主面2a側が厚く、反対側の下方の裏
主面にかけて薄く形成されていることを特徴としてい
る。そして、第2側面電極8は、第2側面2cから表主
面2a上に回り込んで表主面2aに延設されて第2外部
電極10を形成し、接続用側面電極14も同様に、第2
側面2cから表主面2a上に回り込んで表主面2aに延
設されて接続用外部電極16を形成している。第2外部
電極10と接続用外部電極16とは絶縁部17によって
側面電極間の絶縁が維持されるようになっている。
【0031】上記のように構成した積層型圧電体12
は、図9に示すような2種類のセラミックグリーンシー
ト33,34及び図示していない無地のセラミックグリ
ーンシートを用いて製作される。なお、第2の実施の形
態の積層型圧電体12の製造方法は、第1の実施の形態
とは積層型圧電体の構成が異なることから、セラミック
グリーンシート33,34に形成されている導電パター
ンが異なる等の相違を有しているが、基本的な製造方法
は同様なので、詳細な説明は省略する。
【0032】図9に示すように、セラミックグリーンシ
ート33には、複数個(図9の例では8個)の第1の内
部電極3となる導電パターン35と接続内部電極13と
なる導電パターン36が形成さている。セラミックグリ
ーンシート34には、複数個(図3の例では8個)の第
2の内部電極4となる導電パターン37と接続内部電極
13となる導電パターン36が形成されている。
【0033】そして、セラミックグリーンシート33,
34を交互に積層し、図示していないが何らの導体パタ
ーンも形成されていない無地のセラミックグリーンシー
トを上下と中間に所要数積層し、積層方向に沿って圧着
してこれを焼成し、セラミック層と内部電極が交互に積
層された大判板状の親基板を作製する。
【0034】親基板を粘着シートに粘着し、固定基板に
固定し、適宜のカッターを用いて、親基板を積層型圧電
体の長手方向に沿って所定のピッチでもって(図9に示
すY−Yにに沿って)カットし、ワークを作製する。と
ころで、図9に示したセラミックグリーンシート33,
34を積層して焼成し、切断した場合には分割線X,Y
が厚み方向で一致せずにずれていることがある。その結
果、隣接した導電パターン35と切れ端部分35aから
なる電極部分と導電パターン37と切れ端部分37aか
らなる電極部分がそれぞれのセラミック層に形成される
と共に、セラミック層を切れ端部分35aと切れ端部分
37aからなる電極がセラミック積層体に形成されてし
まうことがある。しかしながら、このような電極部分が
形成されても、実用上、何らの不都合も生じない。
【0035】続いて、粘着シートに粘着されたままのワ
ークを成膜工程用の固定板に固定する。固定板は回転可
能な水平軸に対して固定されており、ワークは、側面電
極が形成される面が水平軸と平行になるように固定す
る。そして、固定板を回転させて、蒸着源に対する主面
の角度、すなわち、側面電極が形成される面の角度を変
化させながら、蒸着源に面したワークの露出表面に導電
膜を成膜する。側面の電極の厚さが表主面側で厚くする
ことができることは、第1の実施の形態と同様である。
【0036】続いて、所定の側面電極及び外部電極を形
成するように、不要な導電膜を適宜に除去する。その
後、導電膜を形成したワークを所定の切断線に沿って、
切断して積層型圧電体を作製する。
【0037】(実施例)導電パターンが形成されたグリ
ーンシート及び無地のグリーンシートを配置した後、こ
れらを積層方向に沿って圧着してこれを焼成し、セラミ
ック層と内部電極が交互に積層された厚さ0.5mm、
50mm角の大判板状の親基板を作製した。
【0038】次いで、この親基板をダイシングシートに
貼り、0.1mm幅の刃で切断し、5×20mmのワー
クを作製する。このとき、互いに対向する内部電極は
4.6×20mmに形成されており、ワークの幅5mm
に対して、それよりやや狭い4.6mmに形成され、
4,6mmの一方の端縁は20mm長の第1の側面と第
2の側面に交互に露出している。
【0039】次いで、蒸着チャンバー内に回転可能なシ
ャフトを蒸着粒子の流れに当たるように配置し、シャフ
ト中央部に設けられたホルダーにダイシングシートに貼
ってカットしたサンプルをそのまま固定した。そして、
シャフトを回転させてサンプルを回転させながら成膜す
る。
【0040】上記のようにしてサンプル外面に形成した
電極の内、側面に形成した電極は、上記エッジ付近では
表主面に形成した電極の50%であり、他方主面にいく
ほど側面電極の厚さが薄くなっていた。
【0041】この実施例での親基板からの取得個数は、
0.6mm幅のブレードを使用して切断していた従来例
に比べて10%アップさせることができ、それだけコス
トをダウンできた。また、積層型圧電体の側面の主面エ
ッジでの電極厚みは、0.6mm厚のブレードを使用し
てカットして成膜した従来例と同じ程度であり、その部
分の耐電流強度も従来例のものと同程度の強度のものが
得られた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる積
層型圧電体においては、圧電積層体の内部電極と導通す
る側面電極を、一方の主面側で厚く、他方の主面側で薄
く形成し、均一に形成しなくても良いから、電極の形成
が容易になり、製品歩留まりの向上を実現することが可
能になり、コストダウンが図れる。また、電流が多く流
れる外部電極の形成された一方の主面側を厚く形成でき
るので、電流が多く流れる部分の耐電流強度が大きくで
きる。
【0043】本発明の請求項2にかかる積層型圧電体
は、外部電極の導通経路が狭くても、耐電流強度を大き
くでき、圧電アクチュエータに適する積層型圧電体とす
ることができる。
【0044】本発明の請求項3にかかる積層型圧電体の
製造方法は、耐電流強度の大きい電極の形成が容易にな
る。また、製品歩留まりの向上を実現することが可能と
なり、コストダウンを図ることができる。本発明の請求
項4にかかる積層型圧電体の製造方法は、耐電流強度の
大きい電極の形成が容易になり、圧電アクチュエータに
適する積層型圧電体を容易に製作することができると共
に、製品歩留まりの向上を実現することが可能となり、
コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる積層型圧電体の外観
形状を示す斜視図である。
【図2】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図3】積層型圧電体を説明する分解斜視図である。
【図4】積層型圧電体の製造方法を説明する1工程での
中間製品を示す斜視図である。
【図5】他の1工程での作業方法を示す斜視図である。
【図6】さらに他の1工程での作業方法を示す斜視図で
ある。
【図7】さらに他の1工程での中間製品を示す斜視図で
ある。
【図8】第2の実施形態にかかる積層型圧電体を説明す
る図で、同図(a)は第2の側面側から見た斜視図で、
同図(b)は第1の側面側から見た斜視図である。
【図9】第2の実施形態にかかる積層型圧電体を説明す
る分解斜視図である。
【図10】従来形態にかかる積層型圧電体の外観形状を
示す図で、同図(a)は斜視図で、同図(b)は同図
(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図11】従来形態にかかる積層型圧電体の製造方法を
説明する1工程の側面図である。
【符号の説明】
1 ,12 積層型圧電体 2 セラミック積層体 3 第1の内部電極 4 第2の内部電極 5 セラミック層 6 活性部 7 第1側面電極 8 第2側面電極 9 第1外部電極 10 第2外部電極 11 絶縁部 13 第3の内部電極 14 接続用側面電極 21,22,23 グリーンシート 24 親基板 25 粘着シート 26 ダイシングソー 27 ワーク 28 固定板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 滋人 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 中谷 宏 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏の主面と2対の対向した側面とを有
    するようにセラミック層と内部電極が交互に積層された
    活性部を有する直方体状に形成されたセラミック積層体
    からなる積層型圧電体であって、 前記内部電極と導通して側面電極が一方対の側面それぞ
    れに形成され、該側面電極はいずれか一方の主面に回り
    込んで該主面に形成された外部電極にそれぞれ接続さ
    れ、該外部電極から前記内部電極に電流が供給されるよ
    うに構成され、 前記側面電極は外部電極に接続された一方の主面側が厚
    く、他方の主面側が薄く形成されていることを特徴とす
    る積層型圧電体。
  2. 【請求項2】 前記セラミック積層体が第1及び第2の
    内部電極が交互に積層されて形成された活性部と、第3
    の内部電極が積層されて形成された接続部とを有し、該
    セラミック積層体の対向した側面の一方に形成された前
    記側面電極は少なくとも前記第1の内部電極と導通する
    駆動用側面電極と該駆動用側面電極と並列して形成され
    た前記第3の内部電極と導通する接続用側面電極であ
    り、他方の側面には少なくとも前記第2の内部電極及び
    第3の内部電極の双方と導通する共通の側面電極である
    請求項1に記載の積層型圧電体。
  3. 【請求項3】 表裏の主面と2対の対向した側面とを有
    するようにセラミック層と内部電極が交互に積層されて
    形成されると共に、該内部電極と導通して側面電極が一
    方対の側面それぞれに形成され、該側面電極はいずれか
    一方の主面に回り込んで該主面に形成された外部電極に
    接続され、該外部電極から前記内部電極に電流が供給さ
    れる積層型圧電体の製造方法であって、 前記外部電極の形成される一方の主面を導電膜の蒸着源
    またはスパッタリング源に向かう線に直交する軸周りで
    回転可能に支持して、該主面の蒸着源またはスパッタリ
    ング源に対向する角度が変化するように回転させながら
    成膜して、外部電極が形成される主面側の導電膜厚を厚
    くした側面電極を形成して積層型圧電体を製造すること
    を特徴とする積層型圧電体の製造方法。
  4. 【請求項4】 内部電極を形成する導電パターンが印刷
    されたセラミックグリーンシートと印刷されてないセラ
    ミックグリーンシートとを適宜積層して焼成してセラミ
    ック基板を形成し、 該セラミック基板の裏面をダイシングシートに粘着し、 該セラミック基板の表面からダイシング溝を形成して複
    数のワークを形成し、 該ワークを、その表面が蒸着源またはスパッタリング源
    に向かう線に直交した回転可能な軸に支持された、固定
    板に複数個を配置し、 該固定板を回転させることで複数個のワークを回転させ
    ながらPVD法により外部電極が形成される主面側の導
    電膜厚を厚くした側面電極を形成し、積層型圧電体を製
    造する請求項3に記載の積層型圧電体の製造方法。
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