JP2003077726A - チップ型インダクタ及びその製造方法 - Google Patents

チップ型インダクタ及びその製造方法

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JP2003077726A
JP2003077726A JP2001262239A JP2001262239A JP2003077726A JP 2003077726 A JP2003077726 A JP 2003077726A JP 2001262239 A JP2001262239 A JP 2001262239A JP 2001262239 A JP2001262239 A JP 2001262239A JP 2003077726 A JP2003077726 A JP 2003077726A
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chip
coil
conductor
parallel
type inductor
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JP2001262239A
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Yasuo Suzuki
靖生 鈴木
Yoshinari Oba
佳成 大場
Kiyoshi Shinba
清志 榛葉
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Original Assignee
FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数のチップを同時に取り扱えるようにして
生産性を高め、しかも導体パターン形成が容易であり、
実装作業性を良好とする。広いインダクタンス可変範囲
を実現でき、Q値を高めることを可能とする。 【解決手段】 略直方体状のチップの両端部に外部電極
25が設けられ、コイル軸の方向が両外部電極間を結ぶ
方向となるように螺旋状のコイルが形成され、そのコイ
ル端末が外部電極に接続されていて、コイル軸方向に垂
直なチップ断面形状の厚/幅が1未満であるチップ型イ
ンダクタである。コイルの一部となる上下の平行縞状の
導体パターン17,15は積層工程で形成されてチップ
内に埋設され、コイルの残部となる側部の平行縞状の導
体パターン23は1個1個のチップに分離後にチップ側
面に形成され、それらの導体パターンが交互に接続され
て螺旋状のコイルとなる。そして側部の導体パターン上
に絶縁保護層24を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面実装に対応し
たチップ型インダクタ及びその製造方法に関し、更に詳
しく述べると、コイルの一部となる上下の導体パターン
は積層時に形成されてチップ内に埋設され、コイルの残
部となる側部の導体パターンはチップ切断後に側面に形
成され、それらの導体パターンが交互に接続されること
で螺旋状のコイルを構成している構造のチップ型インダ
クタ及びその製造方法に関するものである。この技術
は、例えば携帯機器などの高周波回路に用いるインダク
タンス部品として有用である。
【0002】
【従来の技術】チップ型インダクタの一形式として、両
方の外部電極の配置方向がコイル軸方向に一致するよう
にコイルを形成する構造がある。この形式は、原理的に
構造に方向性が無いために、回路基板に対するチップの
置き方が変わっても磁界の発生方向が変わらない(即
ち、電磁気的特性に変化がない)利点があり、従来から
印刷積層方式やレーザ加工方式等で実現されている。
【0003】印刷積層方式は、誘電体層と導体パターン
を交互に印刷積層して導体パターンを順次接続し、誘電
体チップ中で積層方向に重畳した螺旋状のコイルを形成
し、該コイルの両端部をそれぞれ引出導体によって誘電
体チップ両端部の外部電極に接続する構造である。
【0004】レーザ加工方式は、誘電体材料からなるチ
ップ素体の表面全体に導体膜を形成しておき、レーザ加
工によって中央部外周に螺旋状の溝を掘りコイルとする
ものである。一般にチップ素体は、両端部も中央部も、
コイル軸に垂直な断面は全て正方形状としている。両端
部に外部電極を形成し、コイル外周面を絶縁樹脂層で被
覆して保護する構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】印刷積層方式は、コの
字型のような導体パターンを向きを変え積み重ねてコイ
ルを形成するために、工程が非常に複雑で導体パターン
がずれやすく、インダクタンス値のばらつきが大きい欠
点があった。特に、チップ形状が小型になればなるほ
ど、小面積中で細幅の導体パターンを精密に位置合わせ
して形成しなければならず、高精度印刷が必要となる。
しかし、精密なパターン形成やパターン位置合わせは困
難であり、歩留まりが低下する。更に、チップ断面で強
度の弱い導体部が広い面積を占めているため、曲げ強度
が弱い欠点もあった。
【0006】それに対してレーザ加工方式では、チップ
素体としてアルミナセラミックスなどが使用できるため
に、機械的な強度は大きいが、チップ単体での作業が多
く、そのため生産性が低い問題があった。また、外部電
極を形成する部分とコイルを形成する部分を予め分けて
作製することになるため、コイルを形成できる部分が短
く、よってインダクタンス値の可変範囲が狭い欠点もあ
った。無理にインダクタンス値の可変範囲を広げようと
すると、レーザ加工間隔が狭くなり短絡しやすくなって
しまう問題が生じる。また外部電極がコイル磁界を遮断
するため、Q値が低下する。更に、実装時の吸着のため
に、コイルを樹脂被覆した全ての外面を平らに整える必
要があり、工程が複雑化する欠点もあった。
【0007】本発明の目的は、多数のチップを同時に取
り扱えるようにして生産性を高め、しかも導体パターン
形成が容易であり、実装時の吸着面となる上下面を容易
に平坦化できるため実装作業性も良好となるチップ型イ
ンダクタ及びその製造方法を提供することである。本発
明の他の目的は、広いインダクタンス可変範囲を実現で
き、Q値を高めることができる構造のチップ型インダク
タ及びその製造方法を提供することである。本発明の更
に他の目的は、同じ中間製品を利用してインダクタンス
値の異なる最終製品を容易に製造できる方法を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、略直方体状の
チップの両端部に外部電極が設けられ、コイル軸の方向
が両外部電極間を結ぶ方向となるように螺旋状のコイル
が形成され、そのコイル端末が前記外部電極に接続され
ていて、コイル軸方向に垂直なチップ断面形状の厚/幅
が1未満であるチップ型インダクタである。本発明で
は、コイルの一部となる上下の平行縞状の導体パターン
はチップ内に埋設され、コイルの残部となる側部の平行
縞状の導体パターンはチップ側面に形成され、それらの
導体パターンが交互に接続されて螺旋状のコイルとなっ
ており、側部の平行縞状の導体パターン上に絶縁保護層
が設けられていて、その点に特徴がある。
【0009】製造方法的には、印刷積層法を利用しても
よいし、シート積層法を利用してもよい。従って、上下
の導体パターンは積層工程で形成され、側部の導体パタ
ーンは積層後にチップ単体に切り離した後の状態で形成
される。チップは、通常、誘電体セラミックスの焼結体
からなり、チップ上下面は焼結した誘電体セラミックス
の平坦面となる。チップ厚/チップ幅が1未満であり、
実装面が幅広の上下2面に限られるため、実装時にチッ
プが置かれたときに勢いで転がることもなく安定し、チ
ップ立ちも起きにくいし、上面が平坦面であるので実装
時に確実に安定にバキューム吸着することができる。な
お、面の幅が異なることから、その形状的な異方性を利
用して幅の広い面が上下方向となるように向きを揃える
ことは容易である。それ故、テーピング梱包することな
く、袋詰め梱包(バルク供給)が可能となる。側面の絶
縁保護層はエポキシ等の絶縁性樹脂でよい。
【0010】本発明において、上下の平行縞状の導体パ
ターンの一方若しくは両方はチップ長手方向に対して傾
斜したパターンとし、それに対して両側部の平行縞状の
導体パターンはチップ長手方向に対して垂直なパターン
とするのが好ましい。これにより、多数のチップを配列
し一括してレーザ加工することにより一度に側部の平行
縞状の導体パターンを形成することができる。
【0011】通常、上下の平行縞状の導体パターンの幅
と配列ピッチが、側部の平行縞状の導体パターンの幅と
配列ピッチに等しくなるように設定する。その他、上下
の平行縞状の導体パターンの幅と配列ピッチに対して、
側部の平行縞状の導体パターンの幅と配列ピッチが全体
的に若しくは部分的に異なるように(例えば2倍以上と
なるように)設定してもよい。その場合には、側面の導
体パターンによってインダクタンス値(コイル巻数)が
決まることになる。従って、この構成を利用すると、同
じ中間製品(積層体チップ)を用いても、側部の導体パ
ターンを変えることで、インダクタンス値の異なる最終
製品を製造できることになる。
【0012】外部電極は、誘電体チップの端部を包み込
むように形成してもよいし、誘電体チップの下面若しく
は上下面の端部に形成されている端子導体膜で構成して
もよい。あるいは、それら端子導体膜と誘電体チップの
端部に埋設され端縁が露出している1層以上のダミー導
体膜とからなる構成も可能である。この構成は、間に誘
電体層が介在していても間隔が0.3mm程度以下であれ
ば、その後のメッキによって更に間隔が狭まり、実装時
に半田が乗りフィレットが形成できる。誘電体層を更に
薄くすればメッキ工程で導体が繋がりチップの端面を覆
うような構造にすることも可能である。誘電体層が厚く
ても、ダミー導体膜を厚くすれば、ダミー導体膜の層数
が少なくてもメッキは乗りやすくなる。
【0013】また本発明は、略直方体状のチップの両端
部に外部電極を設け、コイル軸の方向が外部電極間を結
ぶ方向となるように螺旋状のコイルを形成し、そのコイ
ル端末を前記外部電極に接続するようにし、コイル軸方
向に垂直なチップ断面形状の厚/幅を1未満とするチッ
プ型インダクタの製造方法である。本発明では、誘電体
層の上にコイルの一部となる第1の平行縞状の導体パタ
ーンを印刷形成し、積層した別の誘電体層を介してコイ
ルの一部となる第2の平行縞状の導体パターンを印刷形
成し、更にその上に誘電体層を設け一体化し、その後、
個々のチップに切断分離し、チップの両側面に第3及び
第4の平行縞状の導体パターンを形成して、それらによ
って螺旋状のコイルを構成し、側面の第3及び第4の平
行縞状の導体パターン上に絶縁保護層を設ける。
【0014】チップ側部の平行縞状の導体パターンは、
面状の導体膜を形成した後、レーザ加工により多数の平
行溝を掘ることで形成するのが好ましい。回転刃による
機械加工等で平行溝を掘ることも可能である。その場
合、チップ側部の面状の導体膜は、積層時に線状導体パ
ターンが側面に位置するように印刷し、その後の焼成に
よって形成することもできる。勿論、チップ焼成後に導
体ペーストを塗布し焼き付けることによって形成しても
よい。
【0015】チップ側部の平行縞状の導体パターンは、
スクリーン印刷法、あるいは転写法により形成すること
もできる。この場合、コイル幅は0.03mm以上とする
必要がある。
【0016】積層時に、チップの下面若しくは下面と上
面の両端部に、外部電極となる端子導体膜を印刷により
形成する。積層時に、チップの両端部に、ダミー導体膜
を印刷により形成すると、それを外部電極の一部として
利用することができる。このような方法で、外部電極を
容易に形成することができる。
【0017】チップの上下の平行縞状の導体パターンの
幅と配列ピッチは一定に維持し、それに対して側部の平
行縞状の導体パターンの幅と配列ピッチを全体的に若し
くは部分的に変えることによって、同じ中間製品(積層
体チップ)を用いてインダクタンス値の異なる複数品種
の最終製品を製造することが可能となる。これによっ
て、製造コストを低減し、効率よく生産することができ
る。
【0018】
【実施例】図1〜図3は本発明に係るチップ型インダク
タの一実施例を示す製造工程の説明図である。図1は前
半の積層工程での印刷パターンを表し、図2はその各工
程終了後の断面を表している。図3は積層後の工程を示
している。
【0019】まず積層工程で端子導体膜と上下の平行縞
状の導体パターンを形成する。ここでは印刷積層法を用
いている。チップ構成材料としては、例えばガラスを添
加して低温焼結化を可能とした誘電体セラミックスを使
用する。本実施例では、硼珪酸ガラスとアルミナを体積
比で70:30の比率に混合した誘電体材料粉末を使用
し、これにビヒクルとしてエチルセルロースとテレピネ
ールと分散剤、可塑剤などを配合し混合して、印刷用の
誘電体ペーストを作製した。導体ペーストとしては、銀
粒子を上記ビヒクルに混合した銀ペーストを使用した。
ビヒクル中のバインダとしては、エチルセルロース以外
に、PVB(ポリビニルブチラール)、メチルセルロー
ス、アクリル樹脂などでもよい。導体ペーストは、銀に
代えて銀パラジウムを用いてもよい。分散剤や可塑剤
は、印刷性の向上や生産時の取り扱い性などを考慮し
て、適宜適量添加する。
【0020】以下の印刷積層工程を示す括弧付き数字
は、図1及び図2の括弧付き数字で示された図に対応し
ている。 (1)印刷用のベース10上に、下面両端部に位置する
矩形状の端子導体膜12を印刷する。 (2)それら端子導体膜の間を埋めるように、長さが短
い誘電体パターン13を中央に印刷する。上記(1)と
(2)の工程を、必要に応じて所定の厚みとなるまで複
数回繰り返してもよい。 (3)全面誘電体パターン14を印刷る。通常、必要回
数重ねて印刷し、所定の厚みまで積層する。 (4)下方の平行縞状の導体パターン15を印刷する。
ここでは、チップ長手方向に対して垂直なパターンとし
ている。 (5)全面誘電体パターン16を必要回数重ねて印刷
し、所定の厚みまで積層する。 (6)上方の平行縞状の導体パターン17を印刷する。
ここでは、チップ長手方向に対して傾斜したパターンと
している。上方の導体パターンの幅と配列ピッチは、下
方の導体パターンの幅と配列ピッチと同じに設定してい
る。 (7)全面誘電体パターン18を印刷する。通常、必要
回数重ねて印刷し、所定の厚みまで積層する。 (8)上面両端部に位置する矩形状の端子導体膜19を
印刷する。 (9)それら端子導体膜の間を埋めるように、長さが短
い誘電体パターン20を中央に印刷する。 上記(8)と(9)の工程を、必要に応じて所定の厚み
となるまで複数回繰り返してもよい。
【0021】なお、上記の実施例では、説明及び図面を
分かり易くするために、積層体チップを1個ずつ製造す
る場合(1つのチップ領域のみ)の印刷積層手順を示し
ている。しかし、通常、このような積層体チップの製造
は、量産化のために、縦横に同じパターンが多数規則的
に配列されるように印刷積層し、得られた積層体ブロッ
クを縦横に切断することで個々のチップに分離する方式
で多数個取りができるようにする。従って本発明におい
ても、実際には、そのような多数個取りの方式で印刷積
層し製造することになる。このようにして最大厚/最大
幅が1未満となる積層体チップを得る。
【0022】次に図3に示す後工程に移る。 (1)上記のように作製した積層体チップを脱脂、焼成
した後、バレル研磨によりバリ取りを行い中間製品21
とする。 (2)チップの両側面全体に銀ペーストを塗布し、焼き
付けることで導体膜22を形成する。 (3)チップを並べてレーザ加工により平行溝を掘り、
平行縞状の導体パターン23を形成する。ここでは、チ
ップ長手方向に対して垂直なパターンであり、上下の導
体パターンの幅と配列ピッチに一致するようにしてい
る。これによって、側部の導体パターンと上下の導体パ
ターンが連続し、螺旋状のコイルとなる。 (4)側部の平行縞状の導体パターン上に絶縁保護層2
4を設ける。この絶縁保護層24は、エポキシなどの耐
熱性合成樹脂からなる。 (5)外部に露出している導体部分にメッキ処理(例え
ばニッケルメッキと半田メッキ)を施すことで、外部電
極25を形成する。これによって、最終製品であるチッ
プ型インダクタ26が得られる。
【0023】このチップ型インダクタは、縦横の形状異
方性を有するために容易に特定の向きに揃えることがで
き、実装面を幅の広い2面(上下面)に限定することが
できる。従って、テーピング梱包することなく袋詰め梱
包でもパーツフィーダで所定の向きに自動整列供給する
(バルク供給する)ことが可能である。また、幅広の上
下面は誘電体パターンの印刷面であるので平らに仕上げ
られており、実装時のバキューム吸着を確実に行うこと
ができる。チップ外形における最大幅に対する最大厚が
1未満であるので、実装時にチップを回路基板上に載せ
る時に勢いで転がることもなく安定し、半田付け時のチ
ップ立ちも起き難い。絶縁保護層や外部電極などの厚み
のばらつき、及び形状的異方性によるチップ整列が可能
なことなどを考慮し、チップ外形の最大幅と最大厚の関
係を決める。チップ寸法にもよるが、現状の1005タ
イプのチップでは、 0.06mm<(最大幅−最大厚)≦0.2mm の範囲、より好ましくは 0.1mm≦(最大幅−最大厚)≦0.2mm の範囲とするのがよい。
【0024】図4は、本発明に係るチップ型インダクタ
における外部電極の例を示す説明図である。Aに示す例
は、上記の実施例と同様であり、チップ端部の外周のみ
に外部電極25を形成し、端面はほぼ無導体面26とし
ている。Bに示す例では、チップ端部を包み込むように
外部電極25を形成している。この構造は、印刷でも形
成できるが、ディップ法により導体ペーストを塗布し焼
き付ける方法でも形成できる。Cに示す例は、チップの
上下面の端部に形成されている端子導体膜の他に、チッ
プ内の端部に埋設され端縁が露出している複数層のダミ
ー導体膜27とを利用して外部電極25を構成してい
る。ダミー導体膜の間あるいはダミー導体膜と端子導体
膜との間の誘電体層を0.3mm以下に設定すると、半田
付けの際にフィレットが形成できるようになる。
【0025】図5は本発明に係るチップ型インダクタの
他の実施例を示す説明図である。積層焼成工程までは、
前記の実施例と同様であるので、それらについての説明
は省略する。図5の(1)は図3の(3)の状態に対応
しており、図5の(2)は図3の(4)の状態に対応し
ている。この実施例では、側部の平行縞状の導体パター
ン23の長さを短くして(中間部は長くてもよい)端子
導体膜12,19に接続されないようにする。これによ
って、コイルをチップのほぼ全長にわたるように形成で
きる。従って、コイル形成範囲が広がり、インダクタン
ス値の設定可能な範囲が拡大することになる。そして、
この構成では、コイル端部がチップ端面近傍に位置し、
且つチップ端面は無導体面となっているので、コイルで
発生する磁界が導体によって遮断されず、Q値を高くす
ることができる。側部の平行縞状の導体パターンは、レ
ーザ加工で形成してもよいが、スクリーン印刷法あるい
は転写法(樹脂などにパターンを形成し、それをチップ
に転写する方法)によって形成してもよい。コイルと外
部電極との接続は、チップ最端部で行われる。
【0026】図6及び図7は、本発明に係るチップ型イ
ンダクタの更に他の実施例を示す説明図である。図6は
前半の積層工程での印刷パターンを表し、図7は積層後
の工程を示している。
【0027】まず積層工程で端子導体膜と上下の平行縞
状の導体パターンを形成する。ここでも印刷積層法を用
いている。使用する材料などは最初の実施例と同様であ
ってよいので、それらについての説明は省略する。
【0028】以下の印刷積層工程を示す括弧付き数字
は、図6の括弧付き数字で示された図に対応している。 (1)下面両端部に位置する矩形状の端子導体膜30を
印刷する。 (2)それら端子導体膜の間を埋めるように、長さが短
い誘電体パターン31を中央に印刷する。上記(1)と
(2)の工程を、必要に応じて所定の厚みとなるまで複
数回繰り返してもよい。 (3)下方の平行縞状の導体パターン32を印刷する。
ここでは、チップ長手方向に対して傾斜したパターンと
している。この工程の前に、全面誘電体パターンを1層
以上印刷してもよい。 (4)側縁に沿った線状パターンを除くような誘電体パ
ターン33を印刷する。 (5)残した線状パターンを埋めるように、両側縁に線
状導体パターン34を印刷する。上記(4)と(5)の
工程を、必要に応じて所定の厚みとなるまで複数回繰り
返してもよい。なお、(4)と(5)の工程は逆でもよ
い。 (6)枠状の導体パターン35を印刷する。その両端部
分はダミー導体膜に相当し、両側縁部分は線状導体パタ
ーンに相当するものである。 (7)枠の内部に誘電体パターン36を印刷して埋め
る。上記(6)と(7)の工程を、必要に応じて所定の
厚みとなるまで複数回繰り返してもよい。なお、(6)
と(7)の工程は逆でもよい。(4)〜(7)の工程を
適宜回数繰り返すことで、複数層のダミー導体膜と、連
続した線状導体パターンによる面状導体膜を形成する。
但し、上下対称な構造とすることが好ましい。 (8)上方の平行縞状の導体パターン37を印刷する。
ここでも、チップ長手方向に対して傾斜したパターンと
している。上方の導体パターンの幅と配列ピッチは、下
方の導体パターンの幅と配列ピッチと同じである。 (9)チップ両端部を除くように、長さが短い誘電体パ
ターン38を中央に印刷する。この工程の前に、全面誘
電体パターンを1層以上印刷してもよい。 (10)上面両端部に位置する矩形状の端子導体膜39
を印刷する。上記(9)と(10)の工程を、必要に応
じて所定の厚みとなるまで複数回繰り返してもよい。
【0029】このようなパターンを縦横に多数規則的に
配列した積層体ブロックを、縦横に切断することで個々
のチップに分離する。次に図7に示す後工程に移る。 (1)上記のように作製した積層体チップを脱脂、焼成
した後、バレル研磨によりバリ取りを行い中間製品40
を得る。側面の面状導体膜41は線状導体パターンが積
層されて連続し、焼成されることで形成されているもの
である。 (2)チップを並べてレーザ加工を行うことにより平行
溝42を掘り、平行縞状の導体パターン43を形成す
る。ここでは、チップ長手方向に対して垂直なパターン
とし、上下の導体パターンの幅と配列ピッチの2倍に設
定している。これによって、側部の導体パターンと上下
の導体パターンが連続し、螺旋状のコイルとなる。 (3)側部の平行縞状の導体パターン上に絶縁保護層4
4を設ける。この絶縁保護層は、耐熱性の合成樹脂(例
えばエポキシ樹脂)からなる。 (4)外部に露出している導体部分にメッキ処理(例え
ばニッケルメッキと半田メッキ)を施すことで、外部電
極45を形成する。これによって、最終製品となるチッ
プ型インダクタ46が得られる。
【0030】図8及び図9は上下の導体パターン50と
側部の導体パターン52の関係の例を示している。コイ
ル巻数が少なくてよい場合には、図8のA及びBで示す
ようにパターン幅を広げてよく、側部の平行縞状の導体
パターンはスクリーン印刷法あるいは転写法で効率よく
形成できる。
【0031】また図9のAで示すように、上下の導体パ
ターン50の幅と配列ピッチを狭く形成しておくと、B
のように側部の導体パターン52の幅及び配列ピッチを
広げれば実質的にコイル巻数が少なくなり、Cのように
側部の導体パターン52の幅及び配列ピッチを狭めれば
実質的にコイル巻数が多くなる。あるいはDで示すよう
に部分的に導体パターン52の幅及び配列ピッチを変え
れば、それに対応したコイル巻数を実現できる。このよ
うに、同じ上下の導体パターンであっても側部の導体パ
ターンを変えることで異なる巻数(インダクタンス値)
の最終製品を製造することができる。
【0032】以上、本発明の好ましい実施例について詳
述したが、本発明はかかる構成のみに限定されるもので
はない。印刷積層法に限らず、シート積層法(誘電体シ
ート上に導体パターンを印刷し、それを積層一体化する
方法)でも製造できる。上下の導体パターンをチップ長
手方向に対して垂直なパターンとし、側部の導体パター
ンの方をチップ長手方向に対して傾斜したパターンとし
てもよい。側部の導体パターンをレーザ加工等で形成す
る場合には、作業性向上の観点からは、多数のチップを
配列して加工できるように、両側部の導体パターンをチ
ップ長手方向に対して垂直となるようなパターンとする
のが望ましい。
【0033】
【発明の効果】本発明は上記のように、積層時に上下の
導体パターンを形成し、チップに切断後に側部の導体パ
ターンを形成することでコイルとする構成であるから、
多数のチップを同時に取り扱えるため生産性が高く、し
かも導体パターン形成が容易であり、実装時の吸着面と
なる上下面を容易に平坦にできるため実装作業性が良好
となる。
【0034】また本発明では、コイル端部がチップ端面
に達するように、コイルをチップ全長にわたって形成で
きるため、広いインダクタンス可変範囲を実現でき、そ
の場合にチップ端面を無電極面とすることでQ値を高め
ることができる。
【0035】更に本発明では、同じ積層体チップを用い
ても、側部の導体パターンの幅と配列ピッチを変えるだ
けで、インダクタンス値の異なる製品が製造可能とな
り、多品種の製造に容易に対応できる。
【0036】本発明では、チップ厚/チップ幅が1未満
であり、実装面を上下面に限定していることにより、そ
の形状的な異方性を利用して幅の広い面が上下方向とな
るように向きを揃えることは容易であり袋詰め梱包(バ
ルク供給)が可能であるし、実装時にチップが置かれた
ときに勢いで転がることもなく安定し、チップ立ちも起
き難く、上下面が平坦面であるので確実に安定にバキュ
ーム吸着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチップ型インダクタの一実施例に
おける積層工程での印刷パターンの例を示す工程説明
図。
【図2】その各工程後における断面を示す説明図。
【図3】その積層焼成後の工程を示す説明図。
【図4】外部電極の例を示すチップ型インダクタの斜視
図。
【図5】本発明に係るチップ型インダクタの製造工程の
他の例の一部を示す説明図。
【図6】本発明に係るチップ型インダクタの他の実施例
における積層工程での印刷パターンの例を示す工程説明
図。
【図7】その積層焼成後の工程を示す説明図。
【図8】上下の導体パターンと側部の導体パターンの関
係の一例を示す説明図。
【図9】上下の導体パターンと側部の導体パターンの関
係の他の例を示す説明図。
【符号の説明】
12,19 端子導体膜 15 下方の平行縞状の導体パターン 16 誘電体パターン 17 上方の平行縞状の導体パターン 21 中間製品 22 導体膜 23 側部の平行縞状の導体パターン 24 絶縁保護層 25 外部電極 26 チップ型インダクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榛葉 清志 東京都港区新橋5丁目36番11号 エフ・デ ィー・ケイ株式会社内 Fターム(参考) 5E062 DD04 5E070 AA01 AB06 BA12 CB03 CB13

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体状のチップの両端部に外部電極
    が設けられ、コイル軸の方向が両外部電極間を結ぶ方向
    となるように螺旋状のコイルが形成され、そのコイル端
    末が前記外部電極に接続されていて、コイル軸方向に垂
    直なチップ断面形状の厚/幅が1未満であるチップ型イ
    ンダクタにおいて、 コイルの一部となる上下の平行縞状の導体パターンはチ
    ップ内に埋設され、コイルの残部となる側部の平行縞状
    の導体パターンはチップ側面に形成され、それらの導体
    パターンが交互に接続されて螺旋状のコイルとなってお
    り、側部の平行縞状の導体パターン上に絶縁保護層が設
    けられていることを特徴とするチップ型インダクタ。
  2. 【請求項2】 チップは誘電体セラミックスの焼結体か
    らなり、絶縁保護層は絶縁性樹脂からなる請求項1記載
    のチップ型インダクタ。
  3. 【請求項3】 上下の平行縞状の導体パターンの一方若
    しくは両方がチップ長手方向に対して傾斜したパターン
    であるのに対して、両側部の平行縞状の導体パターンは
    チップ長手方向に対して垂直なパターンである請求項1
    又は2記載のチップ型インダクタ。
  4. 【請求項4】 上下の平行縞状の導体パターンの幅と配
    列ピッチが、側部の平行縞状の導体パターンの幅と配列
    ピッチに等しい請求項1乃至3のいずれかに記載のチッ
    プ型インダクタ。
  5. 【請求項5】 上下の平行縞状の導体パターンの幅と配
    列ピッチに対して、側部の平行縞状の導体パターンの幅
    と配列ピッチが全体的に若しくは部分的に異なっている
    請求項1乃至3のいずれかに記載のチップ型インダク
    タ。
  6. 【請求項6】 外部電極が、チップの下面若しくは上下
    面の端部に形成されている端子導体膜と、チップ端部に
    埋設され端縁が露出している1層以上のダミー導体膜と
    で構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載のチ
    ップ型インダクタ。
  7. 【請求項7】 複数層のダミー導体膜が0.3mm以下の
    厚みの誘電体層を介するように形成されている請求項6
    記載のチップ型インダクタ。
  8. 【請求項8】 略直方体状のチップの両端部に外部電極
    を設け、コイル軸の方向が外部電極間を結ぶ方向となる
    ように螺旋状のコイルを形成し、そのコイル端末を前記
    外部電極に接続するようにし、コイル軸方向に垂直なチ
    ップ断面形状の厚/幅を1未満とするチップ型インダク
    タの製造方法において、 誘電体層の上にコイルの一部となる第1の平行縞状の導
    体パターンを印刷形成し、積層した別の誘電体層を介し
    てコイルの一部となる第2の平行縞状の導体パターンを
    印刷形成し、更にその上に誘電体層を設け、一体化した
    後に個々のチップに切断分離し、チップの両側面に第3
    及び第4の平行縞状の導体パターンを形成して、それら
    によって螺旋状のコイルを構成し、側面の第3及び第4
    の平行縞状の導体パターン上に絶縁保護層を設けること
    を特徴とするチップ型インダクタの製造方法。
  9. 【請求項9】 チップの両側面に、面状の導体膜を形成
    した後、レーザ加工により多数の平行溝を掘ることで平
    行縞状の導体パターンを形成する請求項8記載のチップ
    型インダクタの製造方法。
  10. 【請求項10】 チップの両側面の面状の導体膜を、積
    層時に線状導体パターンが側面に位置するように印刷積
    層し、その後の焼成によって形成する請求項9記載のチ
    ップ型インダクタの製造方法。
  11. 【請求項11】 チップの両側面の面状の導体膜を、チ
    ップ焼成後に導体ペーストを塗布し焼き付けることによ
    って形成する請求項9記載のチップ型インダクタの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 チップの両側面に、スクリーン印刷
    法、あるいは転写法により平行縞状の導体パターンを形
    成する請求項8記載のチップ型インダクタの製造方法。
  13. 【請求項13】 積層時に、チップの下面若しくは下面
    と上面の両端部に、外部電極となる端子導体膜を印刷に
    より形成する請求項8乃至12のいずれかに記載のチッ
    プ型インダクタの製造方法。
  14. 【請求項14】 積層時に、チップの両端内部に、外部
    電極の一部となるダミー導体膜を印刷により形成する請
    求項13の記載のチップ型インダクタの製造方法。
  15. 【請求項15】 チップの上下の平行縞状の導体パター
    ンの幅と配列ピッチは一定に維持し、それに対して側部
    の平行縞状の導体パターンの幅と配列ピッチを全体的に
    若しくは部分的に変えることにより、インダクタンス値
    の異なる複数品種の製品を製造する請求項8乃至14の
    いずれかに記載のチップ型インダクタの製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7167071B2 (en) 2003-03-17 2007-01-23 Tdk Corporation Inductive device and method for producing the same
KR100729232B1 (ko) * 2005-08-30 2007-06-15 이기환 진공 및 스팀 청소기
US9875849B2 (en) 2015-05-29 2018-01-23 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic electronic component and manufacturing method thereof
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CN110189886A (zh) * 2018-02-22 2019-08-30 三星电机株式会社 电感器
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