JP4694183B2 - 圧電トランス - Google Patents

Description

この発明は、パソコン等に用いられている液晶を裏側から光で照らすバックライト用の光源に使用される冷陰極管の駆動回路や、集塵機等の高圧電源用に広く使用されている圧電トランスに関する。

この種の圧電トランスとして、図４（ａ）に示すような積層構造のものがある。

この圧電トランス１’の一次側の駆動部２’は圧電セラミックス４’と内部電極５’とが交互に複数積層され構成されている。

図４（ｂ）は一枚の圧電セラミックス４’の平面図で、その駆動部側上面に内部電極５’を設け、これらが積層される。

この内部電極５’は、図４（ａ）に示すように、積層体の側面６’に設けられた外部電極７’によって電気的に接続される。

これら圧電セラミックス４’と内部電極５’との積層部分は厚み方向に分極され駆動部２’が構成される。

また、内部電極５’がない圧電セラミックス４’の二次側の他半部は長さ方向に分極され発電部３’が構成される。

従来の上記構成の積層構造の圧電トランス１’は側面６’に内部電極接続用の外部電極７’が設けられているが、内部電極５’の内端部５ｂ’は外部電極７’から露出し、発電部３’側に突出していた。

この積層型の圧電トランスを製造する場合、その生産工程において、発電部３’を形成するためにその部分を高温・高電界のもとで分極するが、この際に内部電極５’の内端部５ｂ’が外部電極７’から露出していると、その部分に電界が集中してしまうため、放電が起こり易くなる。

分極中に放電が起きると、期待通りに分極されないため、積層圧電トランスの効率などの特性が落ちてしまい、信頼性を欠き、また、生産上も好ましくない、という課題があった。

この発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、分極工程での内部電極内端部の電界集中による放電を防止し、生産性を良好とし、かつ信頼性も向上させた圧電トランスを提供することにある。

請求項１の発明は、一次側である駆動部２と二次側である発電部３とを有し、前記駆動部２は、薄板の平板状であって細長い形状をなす圧電セラミックス４と細長い形状である内部電極５とを交互に積層してなり、前記各内部電極５を積層体の側面６のほぼ中央部であって、内部電極が発電部側に露出した位置に、積層体の上部から下部にかけて帯状に設けた外部電極７によって接続する圧電トランスであって、前記外部電極７に接続される、前記圧電セラミックス４間に設けられた前記内部電極５の内端部は側面６側の側部にのみ切欠部５ａが設けられ、前記外部電極７から側部が発電部３側に露出させないことを特徴とする。

請求項１の発明によれば、内部電極５の内端部が外部電極７から突出しないようにし外部電極７で覆ったため、高電圧をかける分極工程の際に内端部の電界集中を防ぎ放電を防止ないし軽減することができるので、所望の分極を行うことができ、生産性が良好となり、かつ製品の信頼性も向上する利点がある。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

図１は本発明の基本構成の側面図を示す。

この圧電トランス１は一次側である駆動部２と、二次側である発電部３とを備えている。

駆動部２は、薄板の平板状であって細長い形状をなす圧電セラミックス４と導電材料からなり、細長い形状をなす内部電極５とが交互に積層され、この積層体の側面６のほぼ中央部に各内部電極５を電気的に接続するための帯状の外部電極７が厚さ方向に設けられている。

この場合、発電部３側寄りの内部電極５の内端部は外部電極７内に位置するようにし、外部電極７から外部に露出しないように構成している。

なお、発電部３の端部には出力取り出し用の２次側電極８が設けられている。

駆動部２は厚さ方向に分極され、発電部３は長さ方向に高温、高電界のもとで分極される。

この場合、内部電極５の内端部は外部電極７内に位置し、発電部３側に突出していないため、内端部の電界集中を防ぐことができ、所望の分極を行うことができる。

［実施の形態１］
図２は本発明の第１実施例を示す。

この実施例では、圧電セラミックス４の上面に設ける内部電極５の内端部の側面６側の側部にのみ例えば矩形に切欠いた切欠部５ａを形成し、側面６において内部電極５が外部電極７から露出しないようにしたことに特徴を有している。

他の構成、作用等は上述の基本構成と同様である。

［実施の形態２］
図３は本発明の第２実施例を示す。

この実施例では、内部電極５の内端側の側部をテーパ状に切欠いて切欠部５ａとした点が第１実施例と異なっている。

他の構成は上述の実施例と同様である。

本発明の基本構成の側面図を示す。 本発明の第１実施例の圧電セラミックス上に設けられた内部電極の平面図を示す。 本発明の第２実施例の圧電セラミックス上に設けられた内部電極の平面図を示す。 （ａ）は従来例の側面図、（ｂ）は従来例の圧電セラミックス上に設けられた内部電極の平面図を示す。

１ 圧電トランス
２ 駆動部
３ 発電部
４ 圧電セラミックス
５ 内部電極
５ａ 切欠部
６ 側面
７ 外部電極
８ 出力取出用の電極

Claims (1)

1. 一次側である駆動部（２）と二次側である発電部（３）とを有し、前記駆動部（２）は、薄板の平板状であって細長い形状をなす圧電セラミックス（４）と細長い形状である内部電極（５）とを交互に積層してなり、前記各内部電極（５）を積層体の側面（６）のほぼ中央部であって、内部電極が発電部側に露出した位置に、積層体の上部から下部にかけて帯状に設けた外部電極（７）によって接続する圧電トランスであって、
   前記外部電極（７）に接続される、前記圧電セラミックス（４）間に設けられた前記内部電極（５）の内端部は側面（６）側の側部にのみ切欠部（５ａ）が設けられ、前記外部電極（７）から側部が発電部（３）側に露出させないことを特徴とする圧電トランス。

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