JP2003197467A - 可変容量コンデンサ - Google Patents

可変容量コンデンサ

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JP2003197467A
JP2003197467A JP2001395375A JP2001395375A JP2003197467A JP 2003197467 A JP2003197467 A JP 2003197467A JP 2001395375 A JP2001395375 A JP 2001395375A JP 2001395375 A JP2001395375 A JP 2001395375A JP 2003197467 A JP2003197467 A JP 2003197467A
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Hideji Kurioka
秀治 栗岡
Kazuhiro Kusabe
和宏 草部
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電気的特性を損なうことなく半田バ
ンプの形成を容易にしてマザーボードへの実装を簡便か
つ確実とし、さらには耐湿信頼性を確保して動作環境に
耐えうる可変容量コンデンサを提供することにある。 【解決手段】本発明は、支持基板11上に下部電極層1
2、外部からの電圧印加により誘電率が変化する薄膜誘
電体層13、上部電極層14及び前記下部電極層の一部
及び上部電極層の一部を露出する開口部110が形成さ
れた保護層18を順次被着形成して成る可変容量コンデ
ンサにおいて、前記保護層18の開口部110に露出す
る下部電極層12の一部及び上部電極層14の一部に、
半田バリア層15が被着形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、外部電圧により容
量が変化する可変容量コンデンサに関するものであり、
特に電気特性を損なうことなく実装でき、かつ耐湿性を
向上させることによって、種々の動作環境に対する信頼
性が高い可変容量コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、常誘電体であるチタン酸ストロン
チウム(SrTiO3)薄膜(A.Walkenhorstet al.,Appl.Phys.
Lett.60(1992)1744)や、強誘電体であるチタン酸スト
ロンチウムバリウム(Ba,Sr)TiO3薄膜(Cem Bascri et.s
l.,J.Appl.Phys 82(1997)2497)について、電圧印加によ
る非線形な誘電率変化が報告されている。また、これら
のチタン酸ストロンチウムやチタン酸ストロンチウムバ
リウム等のペロブスカイト構造強誘電体酸化物薄膜を用
いた可変容量コンデンサが提案されている。
【0003】これらの可変容量コンデンサでは、支持基
板上に下部電極層、誘電体層、上部電極層を順次被着形
成する。具体的には支持基板上に下部電極層となる導体
層を支持基板の全面に被着形成した後、パターン加工を
行い所定形状の下部電極層を形成する。次に下部電極層
上に誘電体層を形成する。この誘電体層は所定位置にマ
スクを置き薄膜技法により形成したり、または、スピン
コート法により誘電体層を形成し、その後、所定形状にパ
ターニングする。尚、必要に応じて加熱硬化を行う。上
部電極層は誘電体層上に上部電極層となる導体層を形成
した後パターニング加工を施す。尚、ここで、誘電体層
のうち、実際に下部電極層と上部電極層とで挟持される
対向領域が容量発生領域となる。
【0004】そして、この容量発生領域の誘電体層には、
下部電極層と上部電極層との間に供給される外部制御電
圧によって誘電率が変化する材料、例えば(BaSr)
TiO3を用いることにより、可変容量コンデンサが形
成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の構造では、下部
電極層、誘電体層および上部電極層が露出しており、外
部からの水分の進入を防ぐことができず耐湿性に問題が
ある。
【0006】そこで下部電極層や誘電体層、上部電極層
などを覆う保護層の形成が必要である。保護層の材料と
しては、水分の透過係数が小さい無機材料や、作製プロ
セスが簡便な有機材料、樹脂等が例として挙げられる。
【0007】また、容量可変コンデンサのマザーボード
への実装を容易にするためには、半田バンプを具備する
構造が必要である。従来の構造では下部電極層ならびに
/または上部電極層の露出している部分に半田パンプが
形成され、半田バンプの位置、大きさを再現性良く形成
することは大変困難である。そのため下部電極層ならび
に/または上部電極層および誘電体層を覆う保護層と、
半田バンプを形成する位置に下部電極層ならびに/また
は上部電極層に達する開口部を形成し、半田バンプの形
成位置を特定することが必要である。
【0008】また従来構造の可変容量コンデンサは、下
部電極層ならびに/あるいは上部電極層に直接半田バン
プを形成するため、バンプ形成時に両者の界面において
高抵抗電極層が形成され、可変容量コンデンサの電気的
特性が劣化する可能性がある。
【0009】さらにこの高抵抗電極層は一般に硬くても
ろいことが多く、形成した保護層との密着性が確保され
ないことがある。その結果、保護層が電極層から剥離し
たり、クラックが発生したりするため、素子の耐湿信頼
性が確保されないという問題点がある。
【0010】本発明は上記の問題を鑑みて案出されたも
のであり、その目的は、電気的特性を損なうことなく半
田バンプの形成を容易にしてマザーボードへの実装を簡
便かつ確実とし、さらには耐湿信頼性を確保して動作環
境に耐えうる可変容量コンデンサを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持基板上に
下部電極層、外部からの電圧印加により誘電率が変化す
る薄膜誘電体層、上部電極層及び前記下部電極層の一部
及び上部電極層の一部を露出する開口部が形成された保
護層を順次被着形成して成る可変容量コンデンサにおい
て、前記保護層の開口部に露出する下部電極層の一部及
び上部電極層の一部に、半田バリア層が被着形成されて
いることを特徴とする可変容量コンデンサである。
【0012】また、前記半田バリア層の厚みが0.5μ
m以上であり、さらに前記半田バリア層上にAuよりな
る金属層が形成されており、前記金属層の厚みが0.0
5μm以上1.0μm以下である可変容量コンデンサであ
る。
【0013】さらに、前記保護層がSi34、Si
2、TiO2、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド、
エポキシ樹脂の少なくとも1種類の材料より成る可変容
量コンデンサある。
【0014】また前記保護層がSi34、SiO2、T
iO2の中から選ばれる少なくとも1種類の材料と、ベ
ンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂の中
のいずれかとを順次形成した少なくとも2層構造である
可変容量コンデンサである。
【0015】また前記保護層と下部電極層、上部電極層
および半田バリア層の少なくとも1つの層との間に密着
層を有し、前記密着層が白金、パラジウム、ロジウムの
中のいずれか1つからなる可変容量コンデンサである。
【0016】さらに前記保護層は、下部電極層、上部電
極層ならびに薄膜誘電体層の周囲で支持基板上に直接形
成されている部分を有する可変容量コンデンサである。
【0017】また前記半田バリア層上にAuよりなる金
属層が形成されており、かつ該金属層は該保護層の開口
部と同形、もしくは開口部の内側に形成されている可変
容量コンデンサである。
【0018】さらに前記保護層の開口部に半田バンプが
形成されており、半田バンプには鉛フリー半田を用いて
いる可変容量コンデンサである。
【作用】本発明の可変容量コンデンサは、支持基板上に
下部電極層と、外部からの電圧印加により誘電率が変化
する薄膜誘電体層と、上部電極層とを順次被着形成して
なる可変容量コンデンサにおいて、該下部ならびに/あ
るいは上部電極層上に形成された半田バリア層と、該下
部電極層、薄膜誘電体層、上部電極層および前記半田バ
リア層を覆う保護層とを有し、該保護層には半田バリア
層まで達する開口部が形成されていることを特徴とする
ものである。
【0019】このような構造により、半田バンプの形成
を容易にして、マザーボードへの実装を簡便かつ確実に
行うことができるようになる。また、半田バンプ形成時
やマザーボードへの実装時に生じる半田の上部電極への
浸食を阻止することによって高抵抗電極層の形成を防止
し、その結果、電気特性を良好に保つことができる。さ
らには、保護層を形成することにより、半田フラックス
による電極等の汚染を防止すると共に、外部からの水分
の侵入を抑制し、耐湿信頼性の向上に寄与することがで
きる。
【0020】前記半田バリア層の厚みは、半田の上部電
極への侵食を防止するのに十分でなければならず、その
厚みは0.5μm以上である。また、この半田バリア層
にはNiが好適に用いられる。
【0021】さらに、半田バリア層上に半田濡れ性の良
い金属、例えばAuの表面金属層を形成することによ
り、半田バンプの形成がより容易となる。
【0022】さらに前記Auの表面金属層の厚みは0.
05μm〜1.0μmとする。0.05μm未満では、
Auが均一に形成されない恐れがある。また1.0μm
より厚くなると、半田バンプ形成時、半田がAuのみと
合金層を形成して半田バリア層まで達せず、半田バンプ
と素子との密着性が低下する可能性がある。
【0023】一方、保護層には耐熱性が高い材料が必要
であり、かつ形成の容易な材料が好ましい。無機材料で
あるSi34、SiO2、TiO2、有機材料であるベン
ゾシクロブテン樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂は耐熱
性が高いことが既に知られている上、形成も容易であ
る。例えば、Si34、SiO2、TiO2はスパッタリ
ング法、CVD法などで、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリ
イミド、エポキシ樹脂はスピンコート法などで容易に形
成できる。
【0024】さらに本発明では、保護膜をSi34、S
iO2、TiO2等の無機層を形成した後に、ベンゾシク
ロブテン樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂などの有機層
を形成する少なくとも2層構造とすることにより、半田
フラックスによる電極等の汚染の防止、耐湿信頼性の向
上に寄与するばかりでなく、有機層により素子を外力か
ら機械的に保護することが出来る。
【0025】また本発明では、前記保護層と下部電極
層、上部電極層および半田バリア層の少なくとも1つの
層との間に密着層を有する可変容量コンデンサとするこ
とにより、保護層と下部電局層や上部電極層、半田バリ
ア層との剥離、保護層のクラックの発生を抑制すること
ができる。したがって、前記密着層により、保護層の耐
湿信頼性を高めることができる。
【0026】また、前記密着層としては、Pt、Pd、
Rdが好適に用いられる。これは、特に上部電極層とし
て低抵抗導体であるAu、Agが用いられることが多
く、上記Pt、Pd、RdはAu、Agとの密着性、お
よび前記保護層材料との密着性が良好なためである。
【0027】さらに本発明では、前記保護層を、下部電
極層、薄膜誘電体層ならびに上部電極層の周囲で支持基
板上に直接形成する部分を有する可変容量コンデンサと
する。一般に支持基板と電極層とは密着性が悪いため
に、支持基板と電極層との界面から水分が浸入し、素子
の耐湿信頼性が低下する。本発明によれば、支持基板と
の密着性が高い保護膜を下部電極層、薄膜誘電体層なら
びに上部電極層の周囲で支持基板上に直接形成するため
に、支持基板と電極層との界面からの水分の浸入を抑制
することができ、素子の耐湿信頼性の向上に寄与するこ
とができる。
【0028】また本発明は、前記半田バリア層上にAu
よりなる表面金属層を形成し、このAuの表面金属層が
前記保護層の開口部と同形、もしくは開口部の内側に形
成されている可変容量コンデンサである。半田バリア層
上に表面金属層をAuを形成することにより、半田バン
プの形成が容易になるが、Auは半田と反応し、合金層
を形成する。一般にこの合金層は硬くてもろく、保護層
との密着性も低いため、このAu層が前記保護層の開口
部より大きく形成された場合、合金層が保護層と前記密
着層、もしくは密着層と半田バリア層ならびに電極層と
の間に形成され、その結果、保護層が電極層から剥離す
るなどして、素子の耐湿信頼性が低下する可能性があ
る。従って、前記Au層を前記開口部と同形、もしくは
開口部の内側に形成することによって、合金層が保護膜
と密着層、もしくは密着層と半田バリア層ならびに電極
層との間に形成されるのを防止することができるため、
素子の耐湿信頼性の向上が図られる。
【0029】本発明の可変容量コンデンサは、前記保護
層の開口部に半田バンプが形成されている。これによ
り、支持基板の上面側を実装面として、半田バンプを介
し、マザーボード上に簡便かつ確実に実装することがで
き、素子の取り扱いを容易にする。また、前記半田バン
プに鉛フリー半田を用いることにより、環境への負荷を
低減することが出来る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可変容量コンデン
サを図面に基づいて詳説する。
【0031】図1は、本発明の可変容量コンデンサの1
例を示すものであり、図1(a)は断面構造を示す図で
あり、図1(b)は、各層の平面形状を説明する概略平
面図である。
【0032】図1において、11は支持基板であり、1
2は下部電極層であり、13は外部からの電圧印加によ
り誘電率が変化する薄膜誘電体層であり、14は上部電
極層であり、15は半田バリア層であり、16は半田バ
リア層上に形成されたAuからなる金属層であり、17
は下部電極層、上部電極層ならびに半田バリア層上に形
成された密着層であり、18aは下層側の保護層、18
bは上層側の保護層であり、19は半田バンプであり、
110は保護層に形成されている開口部である。
【0033】支持基板11は、絶縁性を有するものであ
れば特に限定は無いが、アルミナ基板、サファイア基
板、ガラス基板、MgO基板などが好適に用いられる。
【0034】この支持基板11上に、スパッタ法や蒸着
法により下部電極層12を形成する。形成法は特に限定
しないが、通常スパッタ法や蒸着法により成膜し、パタ
ーニング加工にはフォトリソグラフィーやエッチング法
などが用いられる。
【0035】下部電極層12には、低抵抗導体であるA
uあるいはAgが好適であるが、Pt、Al、Cuなど
も用いることができる。また、支持基板との密着性を向
上させるために、下部電極層と支持基板との間に密着層
を形成させることができる。
【0036】下部電極層12の厚みは、0.1〜5μm
が好ましい。0.1μm未満では、半田バリア層15と
の連続性が悪くなり、電気特性に悪影響を及ぼす恐れが
あり、5μmよりも厚くすると、誘電体層13の段差被
覆性が悪くなり、段差部で下部電極層12が露出し、上
部電極層14と短絡する恐れがある。
【0037】次に下部電極層12上に薄膜誘電体層13
を形成する。形成する方法としては、スパッタリング法
や蒸着法、ゾルゲル法などで成膜した後に、通常用いら
れるパターニング法を用いて加工することができる。
【0038】薄膜誘電体層13に用いられる材料は、外
部からの電圧印加により誘電率が変化しうる誘電体材料
であれば特に限定は無く、BaTiO3、SrTiO3
(BaSr)TiO3などを例として挙げることができ
る。
【0039】また、薄膜誘電体層13の厚みは、印加す
る外部の電圧、および要求される誘電率の変化量に応じ
て任意に変化させることができる。
【0040】引き続き、上部電極層14および半田バリ
ア層15を形成する。初めに上部電極層14をスパッタ
法、蒸着法により成膜、パターニング加工した後に、半
田バリア層を同様に成膜、パターニング加工する。もし
くは、上部電極層14と半田バリア層15を続けて成膜
した後に、半田バリア層15と上部電極層14を順次パ
ターニング加工しても良い。
【0041】上部電極層14としては、下部電極層12
と同様の材料を用いることができ、その厚みに特に限定
は無いが、半田バリア層15との連続性や保護膜層18
a、18bの被覆性を考慮した場合、0.1〜5μmが
最適である。
【0042】また、上部電極層14の形成の際、下部電
極層12の時と同様に、支持基板11および誘電体層1
3との間に密着層を形成しても良い。半田バリア層15
としては、Niが最適であり、その膜厚は半田の下部電
極層12や上部電極層14への浸食を防止するために、
0.5μm以上が必要である。
【0043】次に半田バリア層15上にAuの表面金属
層16を形成する。形成方法は、通常のスパッタ法や蒸
着法による成膜、フォトリソグラフィー法、エッチング
法による加工を用いることができる。
【0044】Auの表面金属層16の厚みは、0.05
μm〜1.0μmとする。0.05μm未満では、Au
が均一に形成されない恐れがある。また1.0μmより
厚くなると、半田バンプ形成時、半田がAuのみと合金
層を形成して半田バリア層15まで達せず、半田バンプ
19と素子との密着性が低下する可能性がある。
【0045】引き続いて密着層17を形成する。形成方
法は、通常のスパッタ法や蒸着法による成膜の後、フォ
トリソグラフィー法やエッチング法による加工を用いる
ことができる。
【0046】密着層17には、下部電極層12や上部電
極層14、半田バリア層15と保護層18a、18bと
の密着を確保する観点から、Pt、Pd、Rdの中のい
ずれか1つを用いる。またその膜厚は、特に限定は無
く、段差被覆性や工程の簡便化を考慮して決定される。
【0047】次に保護層18a、18bを形成する。耐
湿信頼性の確保の観点から、保護層18aは水蒸気透過
係数の低いSi34やSiO2、TiO2などの無機材料
を用い、保護層18bは素子の機械的保護の観点から、
ベンゾシクロブテン樹脂やポリイミド、エポキシ樹脂を
用いるのが好ましい。
【0048】さらに保護層18a、18bを形成する場
合、通常のように順次スパッタリング法や蒸着法、スピ
ンコート法などを用いて成膜し、パターニング加工する
方法も適用できるが、上記のように、下層側の保護層1
8aに無機材料、表面側の保護層18bに有機材料を用
いる場合、次のような方法で形成することが可能であ
る。
【0049】すなわち保護層18aをスパッタリング法
や蒸着法によって成膜した後、パターニング加工を行わ
ずに、続けて保護層18bをスピンコート法などにより
成膜し、保護層18bのみを開口部を有するように所定
のパターンにて加工する。その後、ECRエッチング法
などにより保護層18bをマスクとして保護層18aを
半田バリア層15までエッチングすると、半田バリア層
15まで達する開口部を有する保護層を形成できる。こ
の方法により、加工の工程が簡略化できる。
【0050】保護層18a、18bの膜厚は、外部から
の水分の浸入を防止する観点から厚いほうが好ましい
が、厚くすると、とりわけ無機膜にクラックなどが発生
しやすくなる為、通常は0.2μm〜30μmの範囲と
なるが、上記問題点が生じない範囲で任意に決定でき
る。
【0051】最後に保護層18a、18bの開口部11
0に半田バンプ19を形成する。形成する方法は、半田
ボールによる方法や印刷法でよく、リフローにより半田
バンプとなる。この際、半田は拡散するが、半田バリア
層15により、下部ならびに上部電極層への浸食は防止
される。また、素子表面に半田フラックスが残存する
が、これは適当な溶剤を用いて洗浄する。
【0052】以上により、図1に示す可変容量コンデン
サを得る事ができる。
【0053】図2(a)、(b)は、本発明の可変容量
コンデンサの別の形態をを示すものである。
【0054】図2において、21は支持基板であり、2
2は下部電極層であり、23は外部からの電圧印加によ
り誘電率が変化する薄膜誘電体層であり、24は上部電
極層であり、25は半田バリア層であり、26は半田バ
リア層上に形成されたAuからなる金属層であり、27
は下部電極層、上部電極層ならびに半田バリア層上に形
成された密着層であり、28(a)、28(b)は保護
層であり、29は半田バンプであり、210は保護層に
形成されている開口部である。
【0055】図2に示す可変容量コンデンサは、図1に
示す可変容量コンデンサと同様の方法により作製するこ
とができ、また用いる材料についても同様である。
【0056】さらに図2に示す可変容量コンデンサで
は、下部電極層22、薄膜誘電体層23、上部電極層2
4に段差が生じない為、各層の膜厚に対する制限が緩和
される。特に、図1の形態で懸念された薄膜誘電体層2
3の段差被覆不良による下部電極層22と上部電極層2
4との短絡が回避できるため、薄膜誘電体23の膜厚を
薄くすることが可能である。従って、同じ外部電圧に対
してより大きな誘電率の変化量を得る事が可能となる。
また、下部電極層22および上部電極層24の厚みは、
密着層27ならびに保護層28a、28bの段差被覆性
が確保される範囲で任意に選択することができる。
【0057】一方、半田バリア層25ならびに半田バリ
ア層上のAu層26に関しては、半田の上部電極層24
への浸食防止、半田バンプと素子との密着性確保の為、
図1の形態と同様の膜厚である必要がある。
【0058】以上、本発明により、電気的特性を損なう
ことなく、半田バンプの形成を容易にしてマザーボード
への実装を簡便かつ確実とし、さらには耐湿信頼性を確
保して動作環境に耐えうる可変容量コンデンサを提供す
ることができる。
【0059】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。
【0060】図1に示す可変容量コンデンサを作製し
た。
【0061】支持基板11としてサファイアR基板を用
い、この基板上に密着層として0.03μmのPtをス
パッタ法にて250℃で成膜した後、続けて250℃で
0.5μmのAuをスパッタ法により成膜し、フォトリ
ソグラフィーとドライエッチングによりPt、Auとも
に電極状に加工して下部電極層12を形成した。
【0062】次に(Ba0.5Sr0.5)TiO3からなる
ターゲットを用い、基板温度600℃にて厚さ0.3μ
mの誘電体層をスパッタ法にて成膜し、その後加工して
薄膜誘電体層13を形成した。
【0063】次に上部電極層14として、Auをスパッ
タ法により下部電極層と同様の条件にて、膜厚を1.2
μmとして成膜、加工した。尚、下部電極層の時と同様
に密着層として0.03μmのPtを形成した。続い
て、半田バリア層15としてNiをスパッタ法にて1μ
mの膜厚にて成膜し、続いてAu層16を膜厚0.2μ
mとしてスパッタ法にて成膜した後、Au層16、半田
バリア層15を順次加工した。その後、密着層17とし
て膜厚0.05μmのPtの成膜、加工を行った。
【0064】続いて保護層18(a)としてCVD法に
よりSiO2を膜厚3μmで成膜した。その上に保護層
18(b)として感光性のベンゾシクロブテン樹脂を、
スピンコート法にて膜厚を2μmとして成膜し、開口部
を形成するように所定のパターンにて加工した。その
後、保護層18(b)をマスクとしてドライエッチング
法により保護層18(a)を加工し、半田バリア層まで
達する開口部を有し、かつ下部電極層、薄膜誘電体層、
上部電極層の周囲で基板上に直接形成されている保護層
18(a)(b)を形成した。
【0065】最後に、鉛フリー半田を用いて印刷、リフ
ロー法により半田バンプ19を形成し、図1に示す可変
容量コンデンサを得た。
【0066】以上のようにして作製した可変容量コンデ
ンサをマザーボードに実装し、85℃/85%RHの加
温加湿下に一定時間放置した後絶縁抵抗を測定したとこ
ろ、加温加湿前の絶縁抵抗値と同じであった。
【0067】一方比較例として、従来構造の可変容量コ
ンデンサに半田バンプのみを形成して、同様にマザーボ
ードに実装し、85℃/85%RHの加温加湿下に一定
時間放置した後絶縁抵抗を測定したところ、加温加湿前
の絶縁抵抗値の1/10に低下していた。
【0068】これは本発明において、保護層18と下部
電極層12、上部電極層14および半田バリア層15と
の間に密着層17を設けたこと、ならびに保護層18が
基板上に直接形成されたこと、により、水分の浸入を有
効に防止したことによるものである。
【0069】さらには半田バリア層15上のAu層16
が保護層18(a)(b)の開口部の内側に形成され、
半田−Auの合金層が密着層17と半田バリア層15と
の間に形成されなかったために、半田バリア層15、密
着層17、保護層18(a)との密着が確保されたこと
も、水分浸入の防止に寄与していると考えられる。
【0070】また、図1に示す可変容量コンデンサの断
面を電子顕微鏡にて観察したところ、半田バリア層15
により、半田バンプ19の下部電極層12ならびに上部
電極層14への浸食が起きていないことが確認された。
【0071】一方、半田バリア層の無い従来構造の可変
容量コンデンサでは、半田の上部電極への浸食が起きて
いることが確認された。
【0072】さらに図2に示す可変容量コンデンサを同
様にして作製してマザーボードに実装し、85℃/85
%RHの加温加湿下に一定時間放置した後絶縁抵抗を測
定したところ、加温加湿前の絶縁抵抗値と同じであっ
た。
【0073】また、断面断面を電子顕微鏡にて観察した
ところ、半田バリア層25により、半田バンプ29の下
部電極層22ならびに上部電極層24への浸食が起きて
いないことが確認された。
【0074】以上、本発明の可変容量コンデンサは、半
田バリア層によって半田の電極への浸食を防止すること
によって、電気特性を保つことができるとともに、耐湿
性が向上することにより、動作環境にも耐えうる可変容
量コンデンサである。
【0075】
【発明の効果】本発明により、支持基板上に下部電極層
と、外部からの電圧印加により誘電率が変化する薄膜誘
電体層と、上部電極層とを順次被着形成してなる可変容
量コンデンサにおいて、下部電極層の一部または上部電
極層の一部上に形成された半田バリア層と、該下部電極
層、薄膜誘電体層、上部電極層および前記半田バリア層
を覆う保護層とを有し、該保護層には半田バリア層まで
達する開口部が形成されている可変容量コンデンサとす
ることにより、電気的特性を損なうことなく、半田バン
プの形成を容易にしてマザーボードへの実装を簡便かつ
確実とし、さらには耐湿信頼性を確保して動作環境に耐
えうる可変容量コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の可変容量コンデンサの断面
構造図であり、(b)はその平面図である。
【図2】(a)は、本発明の可変容量コンデンサの断面
構造図であり、(b)はその平面図である。
【符号の説明】
11、21・・・支持基板 12、22・・・下部電極層 13、23・・・薄膜誘電体層 14、24・・・上部電極層 15、25・・・半田バリア層 16、26・・・Au層 17、27・・・密着層 18(a)(b)、28(a)(b)・・・保護層 19、29・・・半田バンプ 110、210・・・開口部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持基板上に下部電極層、外部からの電圧
    印加により誘電率が変化する薄膜誘電体層、上部電極層
    及び前記下部電極層の一部及び上部電極層の一部を露出
    する開口部が形成された保護層を順次被着形成して成る
    可変容量コンデンサにおいて、 前記保護層の開口部に露出する下部電極層の一部及び上
    部電極層の一部に、半田バリア層が被着形成されている
    ことを特徴とする可変容量コンデンサ。
  2. 【請求項2】半田バリア層がNiであることを特徴とす
    る請求項1記載の可変容量コンデンサ。
  3. 【請求項3】半田バリア層の厚みが、0.5μm以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の可変容量コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】半田バリア層上にAuよりなる表面金属層
    が形成されており、該表面金属層の厚みが0.05μm
    以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の可変容量コンデンサ。
  5. 【請求項5】前記保護層がSi34、SiO2、Ti
    2、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド、エポキシ
    樹脂の中から選ばれる少なくとも1種類の材料より成る
    ことを特徴とする請求項1記載の可変容量コンデンサ
  6. 【請求項6】前記保護層がSi34、SiO2、TiO2
    の中から選ばれる少なくとも1種類の材料と、ベンゾシ
    クロブテン樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂の中のいず
    れかの材料とを順次形成した少なくとも2層構造である
    ことを特徴とする請求項1記載の可変容量コンデンサ。
  7. 【請求項7】前記保護層と前記上部電極層との間に密着
    層を有することを特徴とする請求項1記載の可変容量コ
    ンデンサ。
  8. 【請求項8】前記密着層がPt、Pd、Rdの中のいず
    れか1つからなることを特徴とする請求項7記載の可変
    容量コンデンサ。
  9. 【請求項9】前記保護層は、前記下部電極層、前記上部
    電極層ならびに前記薄膜誘電体層の周囲で支持基板上に
    直接形成されている部分を有することを特徴とする請求
    項1記載の可変容量コンデンサ。
  10. 【請求項10】前記半田バリア層上にAuよりなる前記
    表面金属層が形成されており、かつ前記表面金属層は前
    記保護層の開口部と同形、もしくは開口部の内側に形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の可変容量コ
    ンデンサ。
  11. 【請求項11】前記保護層の開口部に半田バンプが形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の可変容量コ
    ンデンサ。
  12. 【請求項12】前記半田バンプは、鉛フリー半田を用い
    ていることを特徴とする請求項11記載の可変容量コン
    デンサ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101358939B1 (ko) * 2012-05-23 2014-02-06 한국과학기술연구원 고밀도 실장용 박막 콘덴서, 그 제조방법 및 고밀도 실장 기판

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