JP2003197152A - 誘電体バリア放電ランプ、誘電体バリア放電ランプ部品、放電ランプ点灯装置及び光照射装置 - Google Patents

誘電体バリア放電ランプ、誘電体バリア放電ランプ部品、放電ランプ点灯装置及び光照射装置

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JP2003197152A
JP2003197152A JP2001392693A JP2001392693A JP2003197152A JP 2003197152 A JP2003197152 A JP 2003197152A JP 2001392693 A JP2001392693 A JP 2001392693A JP 2001392693 A JP2001392693 A JP 2001392693A JP 2003197152 A JP2003197152 A JP 2003197152A
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dielectric barrier
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barrier discharge
lamp body
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Akihiko Tauchi
亮彦 田内
Kazuhiko Yoshikawa
和彦 吉川
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランプ容器の材料である石英ガラスを使用量
を小さくしてコストの低下を図ることができ、また、紫
外線の放射照度も高くでき、さらにはランプ寿命の延長
が可能な放電ランプを提供する。 【解決手段】 内部給電電極4と外部電極として作用す
る導電性保持部12との間に高周波高電圧を印加するこ
とによって、ランプ本体の全長に渡り、ランプ容器2の
肉厚を介して近接対向する複数の導電性アンカー5それ
ぞれのコイル部7と導電性保持部12の対向面部分との
間に誘電体バリア放電を生起させ、放電媒体3から紫外
線15を発光させ、ランプ本体における導電性保持部1
2の存在しない側面側から紫外線を放射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体バリア放電
ランプ、誘電体バリア放電ランプ部品、放電ランプ点灯
装置及び光照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線を放電発光させる放電ランプとし
て、誘電体バリア放電を利用した誘電体バリア放電ラン
プが従来から種々提案されている。この種の放電ランプ
は、ランプ容器内にキセノンのような希ガス、あるいは
キセノン又はクリプトンのような希ガスと塩素等との混
合ガスを放電媒体として封入し、このランプ容器内の希
ガス又は混合ガスを高周波高電圧によって放電させ、単
色光に近い紫外線を発光させて放射させるランプであ
る。
【0003】このような誘電体バリア放電ランプは、例
えば、U. Koelgchatz 著「Silent-discharge driven ex
cimer UV sources and their applications」、特開平
7−272692号公報、特開平7−220687号公
報、特開2001−84966号公報に記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の誘電
体バリア放電ランプは、ランプ本体の外側電極にメッシ
ュ電極を使用し、ランプ本体内部又はトーラス型にあっ
てはランプ本体の内側の穴の周面に内部電極を通し、こ
の内外の電極間に高電圧を印加する構成であるので、外
部のメッシュ電極を保護するためにランプ容器を二重管
にしており、光線透過性の高くするために単価の高い石
英ガラスをランプ容器の材料として使う必要があるた
め、石英ガラスの使用量が多くて放電ランプが高価にな
ってしまう問題点があった。また、外部電極をなすメッ
シュ電極は金属であるため、開口率が大きいとはいえ、
なお発光した紫外線の遮光度合が大きく、発生する紫外
線の全量を効率的に利用できない問題点もあった。
【0005】本発明はこのような従来の放電ランプの問
題点に鑑みてなされたもので、ランプ容器の材料である
石英ガラスの使用量を小さくしてコストの低下を図るこ
とができ、また、紫外線の放射照度も高くでき、さらに
はランプ寿命の延長が可能な誘電体バリア放電ランプ、
誘電体バリア放電ランプ部品、放電ランプ点灯装置及び
光照射装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の誘電体
バリア放電ランプは、放電媒体が封入され、光線透過性
誘電体から成る管状又はトーラス状のランプ本体と、前
記ランプ本体の中心軸相当部に、又は中心部空間に当該
ランプ本体の軸方向に設けられた内部電極と、前記ラン
プ本体の外周面の一部に面接触して保持し、前記内部電
極と対向する外部電極として作用する光反射性且つ導電
性保持部とを備えたものである。
【0007】請求項1の発明の誘電体バリア放電ランプ
では、内部電極と外部電極として作用する導電性保持部
との間に高周波高電圧を印加することによって、ランプ
本体の全長に渡り誘電体バリア放電を生起させ、放電媒
体から光線を発光させ、ランプ本体における導電性保持
部の存在しない側面側から光線を放射させる。これによ
り、本発明の誘電体バリア放電ランプでは、照度の高い
光線の放射を可能とし、ランプ容器に単管(一重管)を
使用できて高価な石英ガラスの材料量を少なくできる。
【0008】請求項2の発明の誘電体バリア放電ランプ
は、放電媒体が封入され、光線透過性誘電体から成る管
状のランプ本体と、前記ランプ本体内に封装され、当該
ランプ本体の軸方向に張設されている内部電極と、前記
内部電極に対して、その長手方向に等間隔を開けた位置
ごとに配置され、当該内部電極と一半のリード部の端部
が電気的且つ物理的に接続され、他半のコイル部が前記
ランプ本体の内周面に近接する構造の複数の導電性アン
カーと、前記ランプ本体の外周面の一部に面接触して保
持し、前記複数の導電性アンカーと対向する長さを有
し、且つ外部電極として作用する光反射性且つ導電性保
持部とを備えたものである。
【0009】請求項2の発明の誘電体バリア放電ランプ
では、内部電極と外部電極として作用する導電性保持部
との間に高周波高電圧を印加することによって、ランプ
本体の全長に渡り、ランプ容器の肉厚を介して近接対向
する複数の導電性アンカーそれぞれのコイル部と導電性
保持部の対向面部分との間に誘電体バリア放電を生起さ
せ、放電媒体から光線を発光させ、ランプ本体における
導電性保持部の存在しない側面側から光線を放射させ
る。これにより、本発明の放電ランプでは、照度の高い
光線の放射を可能とし、ランプ容器に単管(一重管)を
使用できて高価な石英ガラスの材料量を少なくできる。
【0010】請求項3の発明の誘電体バリア放電ランプ
は、放電媒体が封入され、光線透過性誘電体から成る管
状又はトーラス状のランプ本体と、前記ランプ本体の中
心軸相当部に、又は中心部空間に当該ランプ本体の軸方
向に設けられた内部電極と、前記ランプ本体の外周面の
一部に面接触して保持し、前記内部電極と対向する外部
電極として作用する導電性保持部と、前記ランプ本体に
対して、前記導電性保持部との接触面部分に介在し、且
つ当該ランプ本体の外周面に弾性的に密着するように取
り付けられた円筒片状の光線リフレクタとを備えたもの
である。
【0011】放電ランプの技術分野で使用するランプ容
器の場合、その材料特性のため製造工程において完全な
円筒管に仕上げるのはコスト面から困難であり、多少歪
な形状で出荷される可能性が高い。他方、導電性保持部
におけるランプ本体を保持する部分は機械加工によって
精密に設計通りの形状に加工することができる。そのた
め、ランプ本体を導電性保持部に保持させたときにはラ
ンプ容器側の歪みによって両者間が完全に密着しない場
合がある。
【0012】そこで、請求項3の発明の誘電体バリア放
電ランプでは、ランプ本体に対して、導電性保持部との
接触面部分に、且つ当該ランプ本体の外周面に弾性的に
密着するように円筒片の光線リフレクタを取り付けるこ
とにより、ランプ本体と導電性保持部との密着性を光線
リフレクタによって向上させて誘電体バリア放電の効率
を向上させ、またランプ本体を衝撃から保護する緩衝材
として光線リフレクタを作用させ、さらには、誘電体バ
リア放電で発生した光線を光線リフレクタによって反射
して、ランプ本体における導電性保持部の存在しない側
面から放射する光線量を増加させ、光線照度を向上させ
る。
【0013】請求項4の発明は、請求項3の誘電体バリ
ア放電ランプにおいて、前記ランプ本体は、製造工程上
発生することが不可避のへそ部を有し、前記導電性保持
部及び光線リフレクタの一端縁には、前記へそ部の膨ら
みを逃がすための切欠を設けたものである。
【0014】石英ガラス材料のランプ容器の内部に放電
媒体を封入する工程で、ランプ容器の長手方向の中央部
の1カ所に穴を開け、放電媒体の注入後にその穴を閉塞
する手順を採用するために、完成したランプ本体の中央
部の1カ所にランプ側面から突出するへそ部が存在す
る。誘電体バリア放電ランプを点灯させ、近接する照射
対象物に光線を照射する際、このへそ部が放出面の中央
に位置していれば、それが障害となってその突出分以下
には照射対象物との近接距離を縮めることはできない。
しかし、ランプ本体の中央のへそ部を照射対象物との対
向面部分からずらせた位置に存在するようにすれば、へ
そ部の突出が障害となって光照射対象物との近接距離が
制限されることはない。しかもその場合、へそ部を透過
して光線が放出されることがないようにするには、へそ
部をランプ本体における光線放出側面から90度近く回
転させた位置に来させるようにするのが好ましい。
【0015】しかしながら、請求項3の発明の誘電体バ
リア放電ランプの場合、ランプ本体における光線放射側
面と反対側の側面部分に光線リフレクタが取り付けられ
ているため、へそ部を光線放出面の反対側に位置させる
と光線リフレクタ及び導電性保持部と干渉し、光線リフ
レクタが変形し、また導電性保持部との密着性も保てな
くなってしまう。
【0016】そこで、これを避けるために、請求項4の
発明の誘電体バリア放電ランプでは、請求項3の誘電体
バリア放電ランプにおいて、ランプ本体に存在する製造
工程上不可避のへそ部の膨らみを逃がす切欠を導電性保
持部及び光線リフレクタの一端縁に設け、この切欠内に
へそ部を位置させることにより、へそ部との干渉に起因
する導電性保持部及び光線リフレクタの変形を防止しつ
つも光線の放射照度を向上させ、また光照射対象物まで
の近接距離を最短まで縮められるようにする。
【0017】請求項5の発明は、請求項1〜4の誘電体
バリア放電ランプにおいて、前記導電性保持部又は光線
リフレクタにより覆われる光線放射面の部分の面積の比
Sを、前記ランプ本体の全周面積を100%とするとき
にその25%〜80%の範囲にしたものである。
【0018】面積の比Sを25%よりも小さくすれば、
外部電極の作用をする導電性保持部又は光線リフレクタ
と内部電極のコイル部との対向部の面積が小さすぎて誘
電体バリア放電による光線の発生効率が悪くなる。逆に
面積の比Sを80%より大きくすれば、誘電体バリア放
電で発生した光線を外部に放出させるランプ本体の開口
面積が狭くなりすぎ、光照射の効率が悪くなる。そこ
で、請求項5の発明の誘電体バリア放電ランプでは、面
積の比Sを25%〜80%の範囲にすることにより、光
線の発生効率と光照射の効率を共に良好なものにする。
【0019】請求項6の発明は、請求項1〜4の誘電体
バリア放電ランプにおいて、前記導電性保持部又は光線
リフレクタが当該ランプ本体の外周面を覆う円周角θ
を、前記ランプ本体の全周360°の円周角に対して3
00°〜100°の範囲にしたものである。
【0020】導電性保持部又は光線リフレクタがランプ
本体の外周面を覆う円周角θを100°よりも小さくす
れば、外部電極の作用をする導電性保持部又は光線リフ
レクタと内部電極のコイル部との対向部の面積が小さす
ぎて誘電体バリア放電による光線の発生効率が悪くな
る。逆に導電性保持部又は光線リフレクタがランプ本体
の外周面を覆う円周角θを300°より大きくすれば、
誘電体バリア放電で発生した光線を外部に放出させるラ
ンプ本体の開口面積が狭くなりすぎ、光照射の効率が悪
くなる。そこで、請求項6の発明の誘電体バリア放電ラ
ンプでは、導電性保持部又は光線リフレクタがランプ本
体の外周面を覆う円周角θを300°〜100°の範囲
にすることにより、光線の発生効率と光照射の効率を共
に良好なものにする。
【0021】請求項7の発明は、請求項1〜6の誘電体
バリア放電ランプにおいて、前記導電性保持部が冷却手
段を有するものである。
【0022】ランプ本体の誘電体バリア放電を発生させ
る部分は高熱を帯びることになるが、この誘電体バリア
放電が発生するランプ本体の部分は導電性保持部と接触
している部分でもある。そこで、請求項7の発明の誘電
体バリア放電ランプでは、冷却手段によって導電性保持
部を冷却することにより、ランプ本体の昇温を抑制し、
高出力化が図れる。
【0023】請求項8の発明は、請求項7の誘電体バリ
ア放電ランプにおいて、前記冷却手段は前記導電性保持
部内に冷却水を流通させるパイプとし、冷却水の流量は
1リットル/分以上にするものである。
【0024】導電性保持部に設けた冷却手段を水冷式と
すると、当該導電性保持部の内部のパイプを流通させる
冷却水の流量が1リットル/分よりも少ない場合には冷
却水に伝達されて除去される熱量が少なく、十分な冷却
効果が期待できない。そこで、請求項8の発明の誘電体
バリア放電ランプでは、導電性保持部に冷却手段として
冷却水を流通させるパイプを設け、パイプに流通させる
冷却水の流量を1リットル/分以上にすることにより、
導電性保持部の冷却、ひいてはランプ本体の冷却を効果
的に行えるようにする。
【0025】請求項9の発明の誘電体バリア放電ランプ
部品は、放電媒体が封入され、光線透過性誘電体から成
る管状又はトーラス状のランプ本体と、前記ランプ本体
の中心軸相当部に、又は中心部空間に当該ランプ本体の
軸方向に設けられた内部電極と、前記ランプ本体の外周
面に弾性的に密着するように取り付けられた円筒片状の
光線リフレクタとを備えたものであり、これを放電ラン
プ点灯装置の導電性保持部に装着することによって、誘
電体バリア放電の効率が良く、ランプ本体を耐衝撃にも
優れ、さらには照度の高い光線を放射できる放電ランプ
点灯装置を完成させることができる。
【0026】請求項10の発明の放電ランプ点灯装置
は、請求項1〜8のいずれかの誘電体バリア放電ランプ
の前記導電性保持部をアース電位とし、前記内部電極に
高圧を印加するものであり、外部電極の作用をする導電
性保持部と内部電極との間に高周波高電圧を印加して放
電ランプを点灯させる際、外部電極となる導電性保持部
側をアース電位にすることにより、外部に露出する導電
性保持部に万が一、人やその他の物品が接触しても感
電、漏電の事故が起こらず、安全である。
【0027】請求項11の発明の光照射装置は、請求項
1〜8のいずれかの誘電体バリア放電ランプの複数本を
並列させ、各放電ランプの導電性保持部をアース電位と
し、前記内部電極に高圧を印加するものであり、一度に
広い面積の光照射が行える。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1及び図2は本発明の1の実施の
形態の誘電体バリア放電ランプの構成を示し、図4はこ
の誘電体バリア放電ランプ1を点灯させる放電ランプ点
灯装置の回路を示している。図1及び図2に示す誘電体
バリア放電ランプ1において、石英ガラスのような光線
透過性材料の管状のランプ容器2の内部には従来と同種
の放電媒体3が封入され、ランプ本体を構成している。
【0029】このランプ容器内の中心軸部分に軸方向に
内部給電電極4が張設されている。この内部給電電極4
には、例えば、細径のタングステンをコイル状に巻くこ
とによって形成されたものが使用される。
【0030】内部給電電極4に対してその長手方向に等
間隔を開けた位置ごとに導電性アンカー5が設置されて
いる。この導電性アンカー5は、一半のリード部6の端
部が内部給電電極4と電気的且つ物理的に接続され、他
半の円環状のコイル部7がランプ容器2の内周面に近接
する構造である。ランプ容器2の軸方向の両端の封止部
8には、例えばモリブデンのような素材の金属箔9が封
止され、この金属箔9に内部給電電極4の各端部が接続
され、また外部に引き出されるリード線10の一端が接
続され、共に封止されている。
【0031】ランプ容器2の仕様を例示すれば、石英ガ
ラスから成り、外形寸法が18mmで内径が16mmの
円筒状の中空部とその両端に形成された封止部から成
り、長さは1300mmとする。このようなランプ容器
2に対して、放電媒体としてキセノンを封入し、また、
内部給電電極4には、線径が0.26mmのタングステ
ンにより外径1.1mmとなる伸縮性を持ったコイル状
に巻かれたものを用い、これを封止部8間に張設し、ま
た、外径が15mmのタングステン製のコイル部を持つ
導電性アンカー5をこの内部給電電極4に対しては、軸
方向に15mmごとの等間隔に配置することによってラ
ンプ本体を構成する。
【0032】ランプ本体の外部には、その胴部の約半周
面と弾性的に密着するように、アルマイト処理が施さ
れ、また鏡面処理が施されたアルミニウム金属円筒片で
成る、特に紫外線反射効果の高い光線リフレクタ11が
嵌着されている。さらにランプ本体の胴部の約半周面に
は、光線リフレクタ11を間に挟み込むようにして、外
部電極として作用する導電性保持部12を接触させ、保
持させている。なお、この光線リフレクタ11は放電ラ
ンプ1を高性能なものにする場合に必要なものであり、
放電ランプ1の用途により採用を控えることもできる。
【0033】内部給電電極4と導電性アンカー5は、ニ
ッケル、タングステン、モリブデンなどの耐火性金属、
ステンレス、チタンなどの金属を素材とする。この内部
給電電極4は棒状、線状、短冊状、コイル状のいずれで
あってもよい。
【0034】導電性保持部12は断面が矩形で、その一
側面にランプ容器2の周面の曲率と一致する曲率の凹溝
13が形成されており、この凹溝13にランプ本体をそ
れに嵌着された光線リフレクタ11と共に保持させてい
る。この導電性保持部12には、比較的安価に入手可能
なSUSやニッケル、熱伝導特性に優れたアルミニウム
を素材として用いることができる。特にランプ容器2と
接触する凹溝13の溝壁面は鏡面仕上げにすることによ
り、この面に放射される紫外線を効果的に反射してラン
プ容器内に戻し、反対側の紫外線放射面から放出させる
ことができ、紫外線15の放射効率を高めることができ
る。
【0035】なお、現実の放電ランプ点灯装置において
は、導電性保持部12は図示とは逆にランプ本体の上側
に位置させ、これを枠体によって吊設して支持し、その
下側にランプ本体をあてがい、ランプ本体の両端のリー
ド線を点灯装置に接続して使用することになる。
【0036】ランプ容器2において、この導電性保持部
12により覆われる閉塞部分の面積の比Sは、ランプ本
体の胴部(紫外線放射面であり、両端の封止部8に挟ま
れた部分)の全周面積を100%とするときにその25
%〜80%の範囲である。あるいは、導電性保持部12
がランプ本体の外周面を覆う円周角θにして、ランプ容
器2の胴部の全周360°の円周角に対して300°〜
100°の範囲である。また、導電性保持部12の長さ
Lは、ランプ本体の胴部の長さL1に対してL=(1〜
1/2)L1である。
【0037】図3は第1の実施の形態の誘電体バリア放
電ランプを図4の点灯装置によって点灯させ、ランプ本
体の外周面を覆う導電性保持部12の覆い角度(円周角
度)を変えた場合のランプ表面照度と照射面に対する積
算光量の変化を測定した結果を示すグラフである。これ
により、ランプ表面照度70%以上、積算光量50%以
上が得られる角度範囲として300°〜100°が得ら
れていることが分かる。
【0038】図4は、上記の実施の形態の放電ランプ1
を点灯させる放電ランプ点灯回路を示している。ASは
交流電源、RDCは整流化直流電源、SWは点滅スイッ
チ、AFはアクティブフィルタ、HFIは高周波インバ
ータ、C1はコンデンサであり、誘電体バリア放電ラン
プ1をこの回路によって点灯させる。
【0039】交流電源ASは、商用交流電源である。整
流化直流電源RDCは、全波整流回路で構成され、非平
滑の整流化直流電圧を出力する。アクティブフィルタA
Fは、チョッパ回路で構成され、非平滑の整流化直流電
圧を平滑化するとともに、入力電流が高力率、低高調波
歪であり、且つ所要の値に変換された直流電圧を出力す
る。高周波インバータHFIは、並列インバータ回路方
式であり、一対のスイッチング手段Q1、Q2、出力ト
ランスTR、定電流インダクタL、共振コンデンサC
2、起動抵抗器R1、R2および帰還巻線FCによって
構成されている。
【0040】一対のスイッチング手段Q1、Q2は、た
とえばバイポーラトランジスタから成り、エミッタが共
にアクティブフィルタAFの直流出力端の負極に接続さ
れている。出力トランスTRは、絶縁形トランスで構成
され、1次巻線Pおよび2次巻線Sを備えている。そし
て、1次巻線Pの両端は、一方がスイッチング手段Q1
のコレクタに接続され、他方がスイッチング手段Q2の
コレクタに接続されている。
【0041】定電流インダクタLは、その一端がアクテ
ィブフィルタAFの出力端の正極に接続され、他端が出
力トランスTRの1次巻線Pのセンタータップに接続さ
れている。共振コンデンサC2は、出力トランスTRの
1次巻線Pの両端に接続され、1次巻線のインダクタン
スと並列共振回路を構成している。
【0042】起動抵抗器R1は、スイッチング手段Q1
のベースとアクティブフィルタAFの出力端の正極に接
続されている。起動抵抗器R2は、同様にスイッチング
手段Q2のベースとアクティブフィルタAFの出力端の
正極に接続されている。帰還巻線FCは、出力トランス
TRに磁気結合されており、一端がスイッチング手段Q
1のベースに、他端がスイッチング手段Q2のベースに
それぞれ接続されている。
【0043】高周波インバータHFIは、アクティブフ
ィルタAFの出力端の正極から起動抵抗器R1、R2を
介してスイッチング手段Q1、Q2のベースにドライブ
信号が供給されると、いずれか一方のスイッチング手段
が先にオンしだす。一方のスイッチング手段がオンしだ
すと、帰還巻線FCからオンしている方のスイッチング
手段に対してはオン方向の極性の電流として帰還される
から確実にオンし、反対にオフしている方のスイッチン
グ手段に対してはオフ方向の極性として作用するから確
実にオフして、高周波インバータHFIは起動し、自励
発振する。コンデンサC1は、誘電体バリア放電ランプ
1に流れるランプ電流を調整する。
【0044】誘電体バリア放電ランプ1の内部給電電極
4には、コンデンサC1、リード線10を介して出力ト
ランスTRの2次巻線Sの一端を接続し、外部電極をな
す導電性保持部12には2次巻線Sの他端を接続すると
共に、接地する。
【0045】この放電ランプ点灯装置の回路動作につい
て説明する。電源スイッチSWを投入すると、整流化直
流電源RDCから非平滑整流化直流電圧がアクティブフ
ィルタAFの入力端に印加されるので、その出力端に所
要値の平滑化された直流電圧が現れる。この直流電圧
は、高周波インバータHFIの入力端に印加されるの
で、高周波インバータHFIが起動する。
【0046】高周波インバータHFIが起動すると、正
弦波の高周波の交流出力電圧がコンデンサC1を介して
誘電体バリア放電ランプ1の内部給電電極4と導電性保
持部12との間に高周波高電圧が印加されるので、放電
ランプ1が誘電体バリア放電を開始し、放電媒体3中の
キセノンの共鳴線である波長172nmの紫外線が発生
する。発生する紫外線15は直接にランプ本体の開口側
面から外部に放射され、また光線リフレクタ11に反射
してから開口側面を通って外部に放射される。
【0047】これにより、第1の実施の形態の放電ラン
プ1では、照度の高い紫外線の放射が可能であり、ラン
プ容器2に単管を使用できて高価な石英ガラスの材料量
を少なくできる。
【0048】また、本実施の形態の放電ランプ1では、
ランプ本体に対して、導電性保持部12との接触面部分
に介在し、且つランプ本体の外周面に弾性的に密着する
ように円筒片の光線リフレクタ11を嵌着したことによ
り、ランプ容器2と導電性保持部12との密着性を光線
リフレクタ11によって向上させて誘電体バリア放電の
効率を向上させ、またランプ本体を衝撃から保護する緩
衝材として光線リフレクタ11を作用させ、さらには、
誘電体バリア放電で発生した紫外線を光線リフレクタ1
1によって反射して、ランプ本体における導電性保持部
12の存在しない開口側面から放射する紫外線15の量
を増加させ、紫外線照度を向上させることができる。
【0049】さらに、本実施の形態の放電ランプ点灯装
置では、上記の放電ランプ1の導電性保持部12をアー
ス電位としたことにより、外部電極の作用をする導電性
保持部12と内部給電電極4との間に高周波高電圧を印
加して放電ランプ1を点灯させる際、外部電極となり、
外部に露出する導電性保持部12に万が一、人やその他
の物品が接触しても感電、漏電の事故が起こらず、安全
である。
【0050】なお、第1の実施の形態の放電ランプ1に
おいて、導電性保持部12により覆われる紫外線放射面
の部分の面積の比Sを、ランプ本体の紫外線放射面の全
周面積を100%とするときにその25%〜80%の範
囲にすることにより、紫外線の発生効率と紫外線照射の
効率を共に良好なものにすることができる。
【0051】また、第1の実施の形態の放電ランプ1に
おいて、導電性保持部12が当該ランプ本体の外周面を
覆う円周角θを、ランプ本体の紫外線放射面の360°
の円周角に対して300°〜100°の範囲にすること
により、紫外線の発生効率と紫外線照射の効率を共に良
好なものにする。
【0052】次に、本発明の第2の実施の形態及び第3
の実施の形態の誘電体バリア放電ランプについて説明す
る。光線リフレクタ11を採用する場合、図5及び図6
に示す第2の実施の形態のように、ランプ本体に残る製
造工程上不可避のへそ部16の膨らみを逃がすための切
欠17,18を光線リフレクタ11の端縁部と導電性保
持部12の端縁部とのそれぞれに設け、へそ部16がこ
の切欠17,18の中に入り込む位置にして光線リフレ
クタ11をランプ本体の胴部に嵌着し、また導電性保持
部12に保持させる。
【0053】なお、光線リフレクタ11を採用しない場
合、導電性保持部12に切欠18を設け、そこにへそ部
16を位置させるようにする。また、光線リフレクタ1
1を採用しても、切欠17,18を形成しない場合、ラ
ンプ本体に残るへそ部16が導電性保持部12又は光線
リフレクタ11とのいずれか高い方の端縁の直上位置に
来るようにランプ本体の回転位置を設定することによっ
てへそ部16の悪影響を回避する。これは、次の理由に
よる。
【0054】図8に示すように、石英ガラス材料のラン
プ容器2の内部に放電媒体3を封入する工程で、ランプ
容器2の長手方向の中央部の1カ所に穴を開け、放電媒
体3の注入後にその穴を閉塞する手順を採用するため
に、完成したランプ本体の中央部の1カ所にランプ側面
から突出するへそ部16が必ず残る。
【0055】図9に示すように、誘電体バリア放電ラン
プ1を点灯させ、近接する照射対象物20に紫外線を照
射する際、このへそ部16が紫外線放出面の中央に位置
していれば、それが障害となってその突出分の高さd1
以下には照射対象物20との近接距離d2を縮めること
はできない。しかし、ランプ本体を回転させてへそ部1
6を照射対象物20との対向面部分からずらせた位置に
存在するようにすれば、へそ部16の突出が障害となっ
て紫外線照射対象物20との近接距離d2が制限される
ことはない。しかもその場合、へそ部16を透過して放
出される紫外線が悪影響を与えないようにするには、へ
そ部16をランプ本体における紫外線放出側面からほぼ
90度かそれ以上回転させた位置に来させるようにする
のが好ましい。
【0056】そこで、図5及び図6に示した第2の実施
の形態の放電ランプのように、光線リフレクタ11の端
縁部と導電性保持部12の端縁部に切欠17,18を設
け、その切欠17,18内にへそ部16を位置させるこ
とによって、へそ部16との干渉に起因する光線リフレ
クタ11や導電性保持部12の変形を防止しつつも紫外
線の放射照度を向上させ、また必要に応じて、紫外線照
射対象物20までの近接距離d2を最短まで縮められる
ようにすることができる。
【0057】また、図7に示した第3の実施の形態の放
電ランプのように、光線リフレクタ11を設けた場合も
設けない場合も、導電性保持部12の端縁近くに位置す
るようにへそ部16の回転位置を調整することによって
も、紫外線照射対象物20までの近接距離d2を最短ま
で縮められるようにすることができる。
【0058】次に、本発明の第4の実施の形態の放電ラ
ンプ及び放電ランプ点灯装置を、図10及び図11を用
いて説明する。第4の実施の形態は、図1及び図2に示
した第1の実施の形態に対して、外部電極として作用す
る導電性保持部12に、冷却水を流通させる冷却水流路
21を設け、これに冷却水を流通させるようにしたこと
を特徴とする。なお、第4の実施の形態では、図7に示
した場合と同様に光線リフレクタを使用していないが、
第1の実施の形態のように光線リフレクタ11を使用す
ることができる。また、第4の実施の形態の放電ランプ
を点灯させるための放電ランプ点灯回路は、図4に示し
た第1の実施の形態のものと同様である。
【0059】冷却水流路21は、導電性保持部12を成
型する時に同時に形成することができ、また削り出しに
よって形成することもできるが、その方法は、導電性保
持部12の材質に応じて適切なものを用いる。
【0060】また冷却水流路21に流通させる冷却水の
流量は、大量である方が好ましい。図12は、冷却水流
路21に流通させる冷却水の流量と出入口の冷却水温度
差との関係を示している。このグラフに示した冷却水流
路21の出入口温度差と冷却水流量との関係から、導電
性保持部12内の出口までの各所での冷却水温度を低く
して熱交換効率を良好に保つためには、冷却水流量は少
なくとも1リットル/分以上であることが望ましい。
【0061】このように冷却手段によって導電性保持部
12を冷却し、ひいてはランプ本体を冷却することによ
って高出力化が可能となる。
【0062】次に、本発明の第5の実施の形態の光照射
装置を図13及び図14を用いて説明する。第5の実施
の形態の光照射装置は、図1及び図2に示した第1の実
施の形態の放電ランプ又は図10及び図11に示した第
4の実施の形態の放電ランプの複数本を導電性保持部1
2の上に並列させ、この複数本の放電ランプそれぞれの
内部給電電極4を高周波高電圧のインバータHFIにお
ける出力トランスTRの2次巻線Sの一端に並列に接続
し、導電性保持部12は共通の外部電極として、出力ト
ランスTRの2次巻線Sの他端に接続すると共に接地し
ている。
【0063】複数本の放電ランプを共通に保持する導電
性保持部12には、その放電ランプ保持面と反対の背面
にパイプ溝が穿たれ、そこに冷却水パイプ22が設置さ
れ、この導電性保持部12に対してねじ止めされる裏板
23によって固定されている。冷却水パイプ22には熱
伝導性に優れた銅管を採用するのが好ましい。
【0064】これにより、第5の実施の形態の光照射装
置では、商用電源ASにより複数本の放電ランプを並列
点灯させ、強力な紫外線放射ができる。また、冷却水パ
イプ22に冷却水を流通させることにより、導電性保持
部12を介して複数本の放電ランプそれぞれのランプ本
体を冷却することができ、高出力での使用が可能であ
る。
【0065】なお、冷却水パイプ22に代えて導電性保
持部12に直接に冷却水流路21を形成することも可能
である。また、用途に応じて、放電ランプの発熱が小さ
くて冷却の必要性が少ない場合には、第1の実施の形態
のように冷却手段を設けなくてもよい。さらに、図13
には光線リフレクタ11を用いていない放電ランプにつ
いて示したが、第1の実施の形態のように光線リフレク
タ11を採用した放電ランプを使用することもできる。
【0066】次に、本発明の第6の実施の形態の誘電体
バリア放電ランプについて、図15を用いて説明する。
第6の実施の形態の誘電体バリア放電ランプ1は、ラン
プ容器2′としてトーラス状のものを採用し、その中央
の軸方向の透孔内に内部電極4′を配設し、ランプ容器
2′の内部空間に放電媒体3を封入してランプ本体を構
成した点が特徴である。
【0067】ランプ本体の外周側面に嵌着した光線リフ
レクタ11、ランプ本体の胴部を保持する導電性保持部
12は図1及び図2に示した第1の実施の形態の誘電体
バリア放電ランプと同様である。
【0068】このトーラス状の誘電体バリア放電ランプ
1に対しても、第1の実施の形態と同様に、図4に示し
た点灯装置によって外部電極として作用する導電性保持
部12をアース電位にし、内部電極4′に高周波高電圧
を印加することにより放電させて紫外線を発生させるこ
とができる。
【0069】なお、光線リフレクタ11は用途により必
要に応じて採用すればよいものである。また、導電性保
持部12は、図10及び図11に示した第4の実施の形
態の誘電体バリア放電ランプと同様に冷却水流通路21
を設け、冷却水を流通させて冷却する構成にしてもよ
く、それによって高出力化が図れる。
【0070】さらに、本実施の形態の誘電体バリア放電
ランプの複数本を用いて、第5の実施の形態の光照射装
置によって並列点灯させることもできる。加えて、本実
施の形態の誘電体バリア放電ランプにおけるトーラス状
のランプ本体に製造工程上不可避のへそ部が生じていれ
ば、第2の実施の形態、第3の実施の形態と同様に光線
リフレクタ11に切欠17を設けてへそ部を位置させ、
あるいはランプ本体の回転位置を紫外線放出側にへそ部
が位置しないように調整することも可能である。
【0071】次に、本発明の第7の実施の形態の誘電体
バリア放電ランプ部品について、図16を用いて説明す
る。現実の事業活動では、誘電体バリア放電ランプ点灯
装置又は光照射装置側に導電性保持部12を設けてお
き、図16に示す構成の誘電体バリア放電ランプ部品が
交換部品として販売される。そこで、ユーザは購入した
誘電体バリア放電ランプ部品を放電ランプ点灯装置又は
光照射装置側に備えられている導電性保持部12にその
胴部をあてがい、両端のリード線を点灯装置の端子に接
続して点灯させるという使い方をする。
【0072】図16に示した誘電体バリア放電ランプ部
品は、石英ガラスのような光線透過性材料の管状のラン
プ容器2の内部には従来と同種の放電媒体3が封入さ
れ、ランプ本体を構成している。このランプ本体内の中
心軸部分に軸方向に内部給電電極4が張設されている。
この内部給電電極4には、例えば、細径のタングステン
をコイル状に巻くことによって形成されたものが使用さ
れる。内部給電電極4に対してその長手方向に等間隔を
開けた位置ごとに導電性アンカー5が設置されている。
この導電性アンカー5は、一半のリード部6の端部が内
部給電電極4と電気的且つ物理的に接続され、他半の円
環状のコイル部7がランプ容器2の内周面に近接する構
造である。ランプ容器2の軸方向の両端の封止部8に
は、例えばモリブデンのような素材の金属箔9が封止さ
れ、この金属箔9に内部給電電極4の各端部が接続さ
れ、また外部に引き出されるリード線10の一端が接続
され、共に封止されている。ランプ本体の外部には、そ
の胴部の約半周面と弾性的に密着するように、アルマイ
ト処理が施され、また鏡面処理が施されたアルミニウム
金属円筒片で成る光線リフレクタ11が嵌着されてい
る。
【0073】上記の誘電体バリア放電ランプ部品の仕様
を例示する。ランプ容器2は石英ガラスから成り、外形
寸法が18mmで内径が16mmの円筒状の中空部とそ
の両端に形成された封止部から成り、長さは1300m
mとする。このようなランプ容器2に対して、放電媒体
としてキセノンを封入し、また、内部給電電極4には、
線径が0.26mmのタングステンにより外径1.1m
mとなる伸縮性を持ったコイル状に巻かれたものを用
い、これを封止部8間に張設し、また、外径が15mm
のタングステン製のコイル部を持つ導電性アンカー5を
この内部給電電極4に対しては、軸方向に15mmごと
の等間隔に配置することによってランプ本体を構成す
る。内部給電電極4と導電性アンカー5は、ニッケル、
タングステン、モリブデンなどの耐火性金属、ステンレ
ス、チタンなどの金属を素材とする。この内部給電電極
4は棒状、線状、短冊状、コイル状のいずれであっても
よい。
【0074】このような構成の第7の実施の形態の誘電
体バリア放電ランプ部品は、上述したように交換部品と
して販売され、放電ランプ点灯装置又は光照射装置に装
填した使用されるが、それにより、誘電体バリア放電の
効率が良く、ランプ本体を耐衝撃にも優れ、さらには照
度の高い光線を放射できる放電ランプ点灯装置を完成さ
せることができる。
【0075】なお、上記の各実施の形態では紫外線を発
生する誘電体バリア放電ランプ、誘電体バリア放電ラン
プ部品、放電ランプ点灯装置及び光照射装置について説
明したが、ランプ容器2,2′内に封入する放電媒体に
別のものを選択することによって紫外線以外の光線を放
電発光させることが可能であり、特に紫外線発光のもの
に限定されることはない。
【0076】
【発明の効果】以上のように請求項1及び2の発明の誘
電体バリア放電ランプによれば、照度の高い光線が放射
でき、ランプ容器に単管を使用できて高価な石英ガラス
の材料量を少なくでき、コスト低減が図れる。加えて、
放電がランプ本体の外周の一部に面接触する導電性保持
部の部分で起こり、ランプ本体の残りの部分では起こら
ないのでその部分でのランプ容器素材の劣化が起こら
ず、長寿命となる。
【0077】請求項3の発明の誘電体バリア放電ランプ
によれば、ランプ本体と導電性保持部との密着性を光線
リフレクタによって向上させて誘電体バリア放電の効率
を向上させ、またランプ本体を衝撃から保護する緩衝材
として光線リフレクタを作用させ、さらには、誘電体バ
リア放電で発生した光線を光線リフレクタによって反射
して、ランプ本体における導電性保持部の存在しない側
面から放射する光線量を増加させ、光線照度を向上させ
ることができる。加えて、放電がランプ本体の外周の一
部に面接触する光線リフレクタの部分で起こり、ランプ
本体の残りの部分では起こらないのでその部分でのラン
プ容器素材の劣化が起こらず、長寿命となる。
【0078】請求項4の発明の誘電体バリア放電ランプ
によれば、ランプ本体の製造過程でどうしてもできてし
まうへそ部との干渉に起因する光線リフレクタの変形を
防止しつつも光線の放射照度を向上させ、また光照射対
象物までの近接距離を最短まで縮められる。
【0079】請求項5及び請求項6の発明の誘電体バリ
ア放電ランプによれば、光線の発生効率と光照射の効率
を共に良好なものにすることができる。
【0080】請求項7の発明の誘電体バリア放電ランプ
によれば、冷却手段によって導電性保持部を冷却するこ
とにより、ランプ本体の昇温を抑制し、高出力化が図れ
る。
【0081】請求項8の発明の放電ランプによれば、導
電性保持部に設けた冷却手段に流通させる冷却水の流量
を1リットル/分以上にすることにより、導電性保持部
の冷却、ひいてはランプ本体の冷却を効果的に行える。
【0082】請求項9の発明の誘電体バリア放電ランプ
部品によれば、これを放電ランプ点灯装置の導電性保持
部に装着することによって、誘電体バリア放電の効率が
良く、ランプ本体を耐衝撃にも優れ、さらには照度の高
い光線を放射できる放電ランプ点灯装置を完成させるこ
とができる。
【0083】請求項10の発明の放電ランプ点灯装置に
よれば、誘電体バリア放電ランプの外部電極として作用
する導電性保持部をアース電位とし、内部電極に高圧を
印加して誘電体バリア放電ランプを点灯させるので、外
部に露出する導電性保持部に万が一、人やその他の物品
が接触しても感電、漏電の事故が起こらず、安全であ
る。
【0084】請求項11の発明の光照射装置によれば、
誘電体バリア放電ランプの複数本を並列し、各放電ラン
プの導電性保持部をアース電位とし、内部電極に高圧を
印加するので、一度に広い面積の光照射が行え、その
上、外部に露出している部材が高圧とならずに安全であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の誘電体バリア放電
ランプの正面図。
【図2】上記の第1の実施の形態の誘電体バリア放電ラ
ンプの軸方向に垂直な面での断面図。
【図3】上記の第1の実施の形態の誘電体バリア放電ラ
ンプにおいて、導電性保持部の覆い角度を大小変化させ
た時の紫外線照度と積算光量の変化を示すグラフ。
【図4】上記の第1の実施の形態の誘電体バリア放電ラ
ンプに対する放電ランプ点灯回路の回路図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の誘電体バリア放電
ランプの正面図。
【図6】上記の第2の実施の形態の誘電体バリア放電ラ
ンプの軸方向に垂直な面での断面図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の誘電体バリア放電
ランプの軸方向に垂直な面での断面図。
【図8】ランプ本体とそれに製造上不可避的に形成され
るへそ部を示す正面図。
【図9】ランプ本体のへそ部と紫外線照射対象物との干
渉の様子を示す説明図。
【図10】本発明の第4の実施の形態の誘電体バリア放
電ランプの正面図。
【図11】上記の第4の実施の形態の誘電体バリア放電
ランプの軸方向に垂直な面での断面図。
【図12】上記の第4の実施の形態の誘電体バリア放電
ランプにおいて、冷却水流路に流す冷却水の流量と冷却
水流路の出入口での冷却水温度差との関係を示すグラ
フ。
【図13】本発明の第5の実施の形態の光照射装置の構
造断面図。
【図14】上記の第5の実施の形態の光照射装置の回路
図。
【図15】本発明の第6の実施の形態の誘電体バリア放
電ランプの軸方向に垂直な面での断面図。
【図16】本発明の第7の実施の形態の誘電体バリア放
電ランプ部品の正面図及びA−A線断面図。
【符号の説明】
1 放電ランプ 2,2′ ランプ容器 3 放電媒体 4 内部給電電極 4′ 内部電極 5 導電性アンカー 6 リード部 7 コイル部 8 封止部 9 金属箔 10 リード線 11 光線リフレクタ 12 導電性保持部 13 凹溝 16 へそ部 17 切欠 18 切欠 20 照射対象物 21 冷却水流路 22 冷却水パイプ 23 裏板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電媒体が封入され、光線透過性誘電体
    から成る管状又はトーラス状のランプ本体と、 前記ランプ本体の中心軸相当部に、又は中心部空間に当
    該ランプ本体の軸方向に設けられた内部電極と、 前記ランプ本体の外周面の一部に面接触して保持し、前
    記内部電極と対向する外部電極として作用する光反射性
    且つ導電性保持部とを備えたことを特徴とする誘電体バ
    リア放電ランプ。
  2. 【請求項2】 放電媒体が封入され、光線透過性誘電体
    から成る管状のランプ本体と、 前記ランプ本体内に封装され、当該ランプ本体の軸方向
    に張設されている内部電極と、 前記内部電極に対して、その長手方向に等間隔を開けた
    位置ごとに配置され、当該内部電極と一半のリード部の
    端部が電気的且つ物理的に接続され、他半のコイル部が
    前記ランプ本体の内周面に近接する構造の複数の導電性
    アンカーと、 前記ランプ本体の外周面の一部に面接触して保持し、前
    記複数の導電性アンカーと対向する外部電極として作用
    する光反射性且つ導電性保持部とを備えた誘電体バリア
    放電ランプ。
  3. 【請求項3】 放電媒体が封入され、光線透過性誘電体
    から成る管状又はトーラス状のランプ本体と、 前記ランプ本体の中心軸相当部に、又は中心部空間に当
    該ランプ本体の軸方向に設けられた内部電極と、 前記ランプ本体の外周面の一部に面接触して保持し、前
    記内部電極と対向する外部電極として作用する導電性保
    持部と、 前記ランプ本体に対して、前記導電性保持部との接触面
    部分に介在し、且つ当該ランプ本体の外周面に弾性的に
    密着するように取り付けられた円筒片状の光線リフレク
    タとを備えた誘電体バリア放電ランプ。
  4. 【請求項4】 前記ランプ本体は、放電媒体注入穴の痕
    跡を塞ぐへそ部を有し、前記導電性保持部及び光線リフ
    レクタの一端縁には、前記へそ部の膨らみを逃がすため
    の切欠を設けたことを特徴とする請求項3に記載の誘電
    体バリア放電ランプ。
  5. 【請求項5】 前記導電性保持部又は光線リフレクタに
    より覆われる紫外線放射面の部分の面積の比Sは、前記
    ランプ本体の全周面積を100%とするときにその25
    %〜80%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の誘電体バリア放電ランプ。
  6. 【請求項6】 前記導電性保持部又は光線リフレクタが
    当該ランプ本体の外周面を覆う円周角θは、前記ランプ
    本体の全周360°の円周角に対して300°〜100
    °の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の誘電体バリア放電ランプ。
  7. 【請求項7】 前記導電性保持部は、冷却手段を有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の誘電
    体バリア放電ランプ。
  8. 【請求項8】 前記冷却手段は、前記導電性保持部内に
    冷却水を流通させるパイプであり、当該冷却水の流量
    は、1リットル/分以上であることを特徴とする請求項
    7に記載の誘電体バリア放電ランプ。
  9. 【請求項9】 放電媒体が封入され、光線透過性誘電体
    から成る管状又はトーラス状のランプ本体と、 前記ランプ本体の中心軸相当部に、又は中心部空間に当
    該ランプ本体の軸方向に設けられた内部電極と、 前記ランプ本体の外周面に弾性的に密着するように取り
    付けられた円筒片状の光線リフレクタとを備えた誘電体
    バリア放電ランプ部品。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載の誘電
    体バリア放電ランプを点灯させる放電ランプ点灯装置で
    あって、前記導電性保持部をアース電位とし、前記内部
    電極に高周波高電圧を印加して前記誘電体バリア放電ラ
    ンプを点灯させることを特徴とする放電ランプ点灯装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8のいずれかに記載の誘電
    体バリア放電ランプの複数本を並列させ、各放電ランプ
    の導電性保持部をアース電位とし、前記内部電極に高周
    波高電圧を印加して各放電ランプを並列点灯させること
    を特徴とする光照射装置。
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