JP2003195950A - 適応制御法を用いた能動的振動制御方法 - Google Patents

適応制御法を用いた能動的振動制御方法

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JP2003195950A JP2001390751A JP2001390751A JP2003195950A JP 2003195950 A JP2003195950 A JP 2003195950A JP 2001390751 A JP2001390751 A JP 2001390751A JP 2001390751 A JP2001390751 A JP 2001390751A JP 2003195950 A JP2003195950 A JP 2003195950A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御対象における経時変化、温度等の環境変
化により、適応制御が安定して行われる範囲を超えた場
合でも、制御対象系において生じる発散や過電流等の不
具合を、簡易な構成により短時間にかつ安価に抑制す
る。 【解決手段】 制御部31には、予め、全制御周波数帯
域にわたって所定周波数毎に定められた振幅係数の適正
な値である抑制係数が記憶されている。デジタルフィル
タによって更新された振幅係数が抑制係数より小さいと
きは、振幅係数がそのまま適応フィルタ42において入
力信号の振幅補償に使用される。更新された振幅係数が
抑制係数より大きいときは、振幅係数として抑制係数の
値が使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御対象の振動を
能動的に除去するための適応制御法を用いた能動的振動
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、適応制御法を用いた能動的振動制
御方法としては、例えば図14に示すような適応最小平
均自乗フィルタ(以下、Filtered-X LMSと記す)を用い
た適応制御が知られている。すなわち、例えば制御対象
である自動車のエンジン等の振動発生源35から、クラ
ンク軸回転パルスやイグニッションパルス信号をセンサ
により取り出して、波形整形されて制御対象信号と同一
周波数のパルス信号sにされる。また、振動発生源35
からの振動波が、伝達系36(G′)を通して車室内に
外力dとして伝播される。パルス信号sは、参照信号生
成部1により制御対象信号と同一周波数の正弦波に変換
して下記数1に示す参照信号Xとしている。
【0003】
【数1】 X=[x(n),x(n−1),・・・,x
(n−N+1)]T
【0004】ただし、[]T は転置行列を、nはサンプ
リング順位(時刻)を示す。そして、参照信号Xは、数
2に示す振幅補償係数及び位相補償係数の関数である適
応フィルタW2のフィルタ係数により振幅補償及び位相
補償され、下記数3に示す出力信号yが形成される。
【0005】
【数2】 W(n)=[w0(n),w1(n),… ,
N-1(n)]T
【0006】
【数3】 y(n)= W(n)・X(n)=Σw
(n)x(n−i)
【0007】出力信号yは、制御対象系の伝達経路(伝
達関数G)3に入力され、制御対象系の伝達経路3を経
て処理信号zが出力される。^を冠して標記される推定
伝達関数G^4は、制御対象系の伝達経路(伝達関数
G)3を予めインパルス応答測定か、周波数掃引加振試
験等によって得られた推定の伝達関数であり、下記数4
に示す制御対象系の伝達経路(伝達関数G)3の推定値
が制御プログラム内で、制御対象の各周波数に対応して
記憶されて、適応フィルタの更新時に引用される。
【0008】
【数4】 G=[g,g,……,gM−1
【0009】処理信号zはエンジンの振動等である伝達
系36(G′)を経た外力dが加算され、観測値として
センサにより検出される。振動制御においてはセンサの
検出値の目標は0であり、目標との差が誤差信号eにな
る。この誤差信号e(n)と推定値gを用い、FIRフ
ィルタ(有限インパルスレスポンスディジタルフィル
タ)5により適応フィルタWが数5に示すように逐次更
新される。
【0010】
【数5】 W(n+1)=W(n)−μ(n)R
(n)
【0011】ここで、μ(n)はステップサイズパラ
メータであり、R(n)は、数6に示す通りであり、r
(n)は数7に示す通りである。
【0012】
【数6】 R(n)=[r(n),r(n−1),…
,r(n−N+1)]T
【0013】
【数7】 r(n)=G・X(n)= Σgx(n
−i)
【0014】以上に示したように、Filtered-X LMSによ
る適応制御系においては、最適に更新された適応フィル
タWを用いて振幅及び位相調整された処理信号zにより
外力が除去されるようになっている。
【0015】一方、このFiltered-X LMSによる適応制御
法におけるフィルタ係数の演算量を低減する他の適応制
御法として、図15に示すような、遅延調和シンセサイ
ザ最小平均自乗フィルタ(以下、DXHS LMSと記す)を用
いた適応制御法が知られている。この適応制御法では、
例えば信号源である自動車のエンジン等の振動発生源3
5から、クランク軸回転パルス等をセンサにより取り出
して、周波数判定部41にて制御対象周波数ωであるこ
とが判定されると共に、制御対象周波数ωの制御対象信
号が選択され、正弦波の入力信号xとして適応フィルタ
W42に出力される。入力信号xは、適応フィルタW4
2のフィルタ係数により振幅補償及び位相補償され、か
つ正弦波の出力信号yに合成されて出力される。出力信
号yは、制御対象系の伝達経路(伝達関数G)43を通
過後、処理信号zが出力される。処理信号zにはエンジ
ンの振動等である伝達系36(G′)を経た外力dが加
算され、観測値としてセンサにより検出される。振動制
御においてはセンサの検出値の目標は0であり、目標と
の差が誤差信号eになる。この誤差信号e(n)と推定
伝達関数44の推定値gを用い、デジタルフィルタ45
(DXHS LMS)により適応フィルタW42のフィルタ係数
が以下に示すように逐次更新される。
【0016】 このDXHS LMSによる適応制御法のアルゴ
リズムについて、以下に簡単に説明する。周波数判定部
41では、制御対象である入力信号xは、下記数8で与
えられる。信号xは、演算過程で数値として生成・処理
される信号であり、外部から得られる信号ではなく、制
御対象信号の同期信号となる外部入力信号例えばエンジ
ンのクランク角信号、イグニッションパルス信号等より
算出されるものである。
【0017】
【数8】 x=Xexp(jωt)
【0018】ここで、jは虚数単位、ω=2πfは制御
対象角周波数、fは周波数、tは時刻を表すものとし、
以下同じである。適応フィルタW42は、1つの周波数
成分に対して1つが用意され、振幅補償項a、位相補償
項φの2つの変数により下記数9に示すように構成され
ている。
【0019】
【数9】 W=[a,φ]T
【0020】ただし、[ ,]Tは転置行列を示す。入
力信号xは、適応フィルタWにより振幅補償及び位相補
償され、下記数10に示す出力信号yとして出力され
る。
【0021】
【数10】 y=aXexp[j(ωt+φ)]
【0022】つぎに、制御対象系の伝達経路(伝達関数
G)43においては、ゲインAω、位相遅れΦωの伝達
関数を有し、下記数11に示す制御対象系の伝達経路
(伝達関数G)43を通過した後、処理信号zとして出
力される。^を冠して標記される推定伝達関数G^44
は、制御対象系の伝達経路(伝達関数G)43を予めイ
ンパルス応答測定か、周波数掃引加振試験等によって得
られた推定の伝達関数であり、制御対象系の伝達経路に
おける伝達関数Gに関する推定値として予め制御プログ
ラム内で周波数に関してマップ化されて記憶され、適応
フィルタ42の更新時に引用される。
【0023】
【数11】
【0024】そして、処理信号zは、作用点にて例えば
車両におけるエンジン振動等の外力dが加算され、観測
値としてセンサにより検出される。振動制御において
は、センサの検出値の目標値は0であり、処理信号zと
外力dの差がエラー信号eとなる。エラー信号eはデジ
タルフィルタ45に戻され、係数を修正し無制御状態に
適応フィルタを収束させないようにして、適応フィルタ
Wが勾配法により逐次更新される。評価関数Jは、エラ
ー信号eの二乗で表され下記数12に示すとおりであ
る。勾配▽は、評価関数を適応フィルタWで偏微分する
ことにより得られるもので下記数13によって表され
る。また、適応更新式は下記数14によって示される。
【0025】
【数12】 J=e2 =(d−z)2
【0026】
【数13】
【0027】
【数14】 Wn+1 =Wn +μ(−▽)
【0028】なお、数13で、ゲインAω及び位相遅れ
Фωの上部に付した「^」は、推定値であることを意味
するものである。数14で、μはステップサイズパラメ
ータで、適応システムの性能を決定するパラメータであ
る。nは、サンプリング順位(時刻)である。上記数1
3及び数14により、数15に示すように適応更新式W
が得られる。
【0029】
【数15】
【0030】なお、μa は振幅のステップサイズパラメ
ータであり、μp は位相のステップサイズパラメータで
ある。
【0031】以上に示したように、上記DXHS LMSを用い
た適応制御のアルゴリズムにおいては、係数更新のため
の畳み込み演算を必要とせず、参照信号の生成において
も畳み込み演算は不要であり、そのため、周期性の振動
あるいは騒音において、その基本波とその高次成分を制
御対象とした場合に、入力に外部からの高調波信号を必
要としない。また内部で仮想入力の算出を行うことなし
に基本周期のみから演算処理が可能であり、フィルタ係
数更新及び参照信号生成のための畳み込み演算も不要と
なる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記適応制
御法を用いた能動的振動制御方法においては、車両等の
制御対象において、経時変化、温度等の環境変化によ
り、制御対象系の予め定めた推定伝達関数データと実際
の伝達関数との間に必然的に差が生じ、特に伝達関数の
位相データの差が大きくなる。このような位相データの
差が生じることにより、適応制御が安定して行われる範
囲を超えることになり、制御対象系において発散や、過
電流等の不具合が生じるという問題があった。
【0033】これに対して、Filtered-X LMSによる適応
制御法では、例えば特開平9−319380号公報に示
すように、フィルタ係数の更新式に発散抑制作用を有す
る発散抑制係数を含め、制御の発散が検出されたときに
は、発散抑制係数を発散抑制方向に変化させることによ
り、発散を抑制するようにした能動型騒音振動制御装置
が知られている。しかし、この適応制御法の場合、上記
説明から明らかなようにもともとのアルゴリズムが複雑
である上に、フィルタ係数に発散抑制係数を加えること
により、さらに演算が複雑になる。そのために、発散抑
制の制御コストが増大すると共に、発散抑制のための制
御時間が非常に長くなるという問題がある。さらに、こ
の適応制御法によれば、フィルタ係数の演算過程でオー
バーシュートが発生し、その為に信号が不安定になると
いう問題もある。
【0034】本発明は、上記した問題を解決しようとす
るもので、制御対象における経時変化、温度等の環境変
化等により、制御対象系の予め定めた推定伝達関数デー
タと実際の伝達関数との間に差が生じ、適応制御が安定
して行われる範囲を超えた場合でも、制御対象系におい
て生じる発散や過電流等の不具合を、簡易な構成により
短時間にかつ安価に抑制することが可能な適応制御法を
用いた能動的振動制御方法を提供することを目的とする
ものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、振動発
生源からの周期性の入力パルス信号に応じて周波数判定
部により入力パルス信号の周波数である制御周波数を求
めると共に制御周波数の正弦波である入力信号を形成
し、入力信号に対して適応フィルタの振幅係数及び位相
係数の関数であるフィルタ係数により振幅及び位相補償
を行い、振幅及び位相補償された出力信号が制御対象系
の伝達経路を通過した後、伝達経路通過後の出力と振動
発生源からの外力を加算し、加算の結果である誤差と制
御対象系の予め規定された推定伝達関数により入力信号
を振幅及び位相処理した処理信号とに基づいてデジタル
フィルタにより振幅係数及び位相係数の逐次更新を行
い、伝達経路通過後の出力によって外力を抑制するよう
にした遅延調和シンセサイザ最小平均自乗フィルタによ
る適応制御法を用いた能動的振動制御方法において、予
め、振幅係数の適正な値を抑制係数として全制御周波数
帯域にわたって所定周波数毎に定めておき、デジタルフ
ィルタによって更新された振幅係数が抑制係数より小さ
いときは、振幅係数をそのまま使用し、更新された振幅
係数が抑制係数より大きいときは、振幅係数として抑制
係数の値を使用するようにしたことにある。
【0036】上記のように構成した請求項1に係る発明
においては、適正な振幅係数の値である抑制係数が、予
め全制御周波数帯域にわたって所定周波数毎に定められ
ており、この抑制係数とデジタルフィルタにより更新さ
れた振幅係数との大小が比較される。更新された振幅係
数が抑制係数より小さいときは、振幅係数がそのまま使
用され、入力信号に対して適応フィルタにより振幅及び
位相補償が行われるので、発散等の不具合発生のおそれ
はない。また、更新された振幅係数が抑制係数より大き
いときは、振幅係数として安定した適応制御が行われる
ことが保証されている抑制係数の値が使用され、入力信
号に対して適応フィルタにより振幅及び位相補償が行わ
れるので、やはり発散等の不具合が発生するおそれはな
い。さらに、請求項1の発明においては、単に抑制係数
を閾値として振幅係数の切替を行う制御になっているた
め、制御構成が簡易であると共に制御を短時間で行うこ
とができ、さらに、振幅係数の切替制御において、オー
バーシュートの発生を防止することができる。
【0037】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の適応制御法を用いた能動
的振動制御方法において、抑制係数として、適応制御が
行われている状態での適正な振幅係数値を中心とした振
幅係数の±5%の範囲内で決められた値とすることにあ
る。このように抑制係数には幅を持たせたことにより、
制御対象の経時変化等に対しても対応できる抑制係数と
することができる。
【0038】また、上記請求項3に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の適応制御法を用いた能動
的振動制御方法において、抑制係数が、非制御時におい
て制御対象系での誤差測定点で得られた振動レベルを、
前記制御対象系の予め規定された推定伝達関数のゲイン
で割った値に基づいて決められることにある。このよう
に抑制係数を定めることにより、制御対象の経時変化等
に対しても対応できる抑制係数とすることができる。
【0039】また、上記請求項4に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の適
応制御法を用いた能動的振動制御方法において、制御対
象系の運転状態の変更に応じて、抑制係数の値を変更す
るようにしたことにある。このような制御対象系の急激
な変化を伴う運転状態の変更としては、例えば制御対象
系を車両としたときのシフトレバーの位置、エアコンの
オン・オフ、冷却水温等がある。このような運転状態の
変更に応じて抑制係数を変更することにより、運転状態
の変更に対してもより適正な振動制御を行うことができ
る。
【0040】また、上記請求項5に係る発明の構成上の
特徴は、振動発生源からの周期性の入力パルス信号に応
じて周波数判定部により入力パルス信号の周波数である
制御周波数を求めると共に制御周波数の正弦波である入
力信号を形成し、入力信号に対して適応フィルタの振幅
係数及び位相係数の関数であるフィルタ係数により振幅
及び位相補償を行い、振幅及び位相補償された出力信号
が制御対象系の伝達経路を通過した後、伝達経路通過後
の出力と振動発生源からの外力を加算し、加算の結果で
ある誤差と制御対象系の予め規定された推定伝達関数に
より入力信号を振幅及び位相処理した処理信号とに基づ
いてデジタルフィルタにより振幅係数及び位相係数の逐
次更新を行い、伝達経路通過後の出力によって外力を抑
制するようにした遅延調和シンセサイザ最小平均自乗フ
ィルタによる適応制御法を用いた能動的振動制御方法に
おいて、全制御周波数帯域にわたって所定周波数毎に、
制御対象系が安定状態で適応制御が行われているときの
振幅係数を求めて、振幅係数の値を抑制係数として規定
し、さらに抑制係数の前後を含む所定範囲を抑制範囲と
して定めておき、その後の適応制御の際に、更新された
振幅係数が抑制範囲内にあるときは、振幅係数をそのま
ま使用し、更新された振幅係数が抑制範囲を外れたとき
は、振幅係数として抑制係数の値を使用するようにした
ことにある。
【0041】上記のように構成した請求項5に係る発明
においては、適応制御の実行中に、安定状態での適正な
振幅係数値が抑制係数として規定され、この抑制係数
が、全制御周波数帯域において所定周波数毎に定められ
る。さらに、この抑制係数に基づいてその前後を含む所
定範囲が抑制範囲として定められる。そして、デジタル
フィルタにより更新される振幅係数の値が、この抑制範
囲内に含まれるか否かが比較される。更新された振幅係
数が抑制範囲内にあるときは、振幅係数の値がそのまま
フィルタ係数として使用され、入力信号に対して適応フ
ィルタにより振幅及び位相補償が行われるので、発散等
の不具合発生のおそれはない。また、更新された振幅係
数が抑制範囲を外れたときは、振幅係数として安定した
適応制御が行われることが保証されている抑制係数の値
が使用され、入力信号に対して適応フィルタにより振幅
及び位相補償が行われるので、やはり発散等の不具合が
発生するおそれはない。さらに、請求項5の発明におい
ては、単に振幅係数が抑制係数を中心値とした抑制範囲
内にあるか否かによって振幅係数の切替を行う制御にな
っているため、制御構成が簡易であると共に制御を短時
間で行うことができ、さらに、振幅係数の切替制御にお
いて、オーバーシュートの発生を防止することができ
る。
【0042】また、上記請求項6に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項5に記載の適応制御法を用いた能動
的振動制御方法抑制範囲として、抑制係数値を中心とし
た抑制係数の±5%の範囲としたことにある。このよう
に抑制範囲を定めたことにより、制御対象の経時変化等
に対しても対応できる抑制範囲とすることができる。
【0043】また、上記請求項7に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項5又は6に記載の適応制御法を用い
た能動的振動制御方法において、更新された振幅係数が
抑制範囲内にあり、かつ適応制御が安定状態で行われて
いるときに、振幅係数の値によって抑制係数を更新する
ようにしたことを特徴とすることにある。これにより、
抑制係数を適正な値の保持することができる。このよう
に、適正な振幅係数によって抑制係数が更新しつづけら
れることにより、常に適正な抑制係数が得られる。
【0044】また、上記請求項8に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項5から7のいずれか1項に記載の適
応制御法を用いた能動的振動制御方法において、制御対
象系の運転状態の変更に応じて、抑制係数の値を変更す
るようにしたことにある。このような制御対象系の急激
な変化を伴う運転状態の変更に応じて抑制係数を変更し
たことにより、運転状態の変更に対してても適正な振動
制御を行うことができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。図1は、第1実施形態である車両に
適用されたDXHS LMSによる適応制御法を用いた能動的振
動除去システムを模式図により概略的に示し、図2はエ
ンジンマウントを断面図により概略的に示し、図3は振
動除去システムの能動制御構成をブロック図により示し
たものである。振動除去システムは、車体10に搭載さ
れたアクチュエータ搭載エンジンマウント20と、振動
発生源であるエンジン11の回転数を検知する回転数セ
ンサ12と、シート13の下に設けられたピックアップ
加速度センサ14と、電気制御装置30とを備えてい
る。
【0046】エンジンマウント20は、例えば図2に示
すように、筒状のケース21内に、防振ゴム22と、防
振ゴム22の下方にエンジンの動的変位を制御する電磁
式アクチュエータ23を備えている。防振ゴム22は、
ケース21の軸方向中間位置にて内壁に固定されると共
に、固定金具24に取り付けられている。固定金具24
には、防振ゴム22のストッパ部22aが、ケース21
の一端に向けて設けられている。固定金具24の軸心位
置には、固定軸25が軸方向に向けて取り付けられてお
り、その先端がケース21の一端側に設けた貫通穴21
aから突出している。ケース21の他端には、固定軸2
6が設けられている。エンジンンマウント20は、固定
軸26によって車体10に固定され、固定軸25にエン
ジン11を取り付けることにより、エンジン11を支持
している。
【0047】エンジン11のクランク軸には回転数セン
サ12が取り付けられており、またシート13の下部に
はピックアップ加速度センサ14が取り付けられてい
る。回転数センサ12は、クランク軸回転パルス信号を
出力し、これに基づいて制御部31は、出力信号の基本
周波数を決定する。また、ピックアップ加速度センサ1
4は、誤差信号を出力し、システムの位相特性も予め測
定して出力する。
【0048】振動除去システムの電気制御装置30は、
マイクロコンピュータよりなる制御部31を備えてお
り、その一部にDXHS LMSによる適応制御部40を設けて
いる。制御部31のROMには、図4のフローチャート
に示す「振動制御Iプログラム」が記憶されており、さ
らに全制御周波数範囲において所定周波数毎(例えば1
Hz毎)に予め求められた抑制係数R(Fr)のデータ
が記憶されている。この抑制係数R(Fr)について
は、予め図15に示す適用制御系において安定制御が行
われている状態で求められた適正な振幅係数を用いて、
その振幅係数値を中心値とした振幅係数値の±5%の範
囲内で決められた値として規定される。制御部31は、
上記「振動制御Iプログラム」を実行するものである。
制御部31の入力側には、上記回転数センサ12及びピ
ックアップ加速度センサ14が接続されている。また、
制御部31の出力側には、パルス幅変調ドライバ(PW
Mドライバ)32を介してエンジンマウント20のアク
チュエータ23が接続されている。
【0049】適応制御部40は、図3に示すように、基
本的には図15に示したDXHS LMSを用いた適応制御系で
構成され、これに加えてさらにデジタルフィルタ45の
出力側に振幅係数判定出力部47を設けている。振幅係
数判定出力部47は、デジタルフィルタ45で更新され
た振幅係数Am(Fr)が抑制係数R(Fr)より大き
いか否かを判定し、その判定結果が振幅係数Am(F
r)が抑制係数R(Fr)より小さいときは、そのまま
振幅係数Am(Fr)を適応フィルタ42に戻し、振幅
係数Am(Fr)が抑制係数R(Fr)より大きいとき
に振幅係数Am(Fr)を抑制係数R(Fr)の値と等
しくして、適応フィルタ42に戻すようになっている。
【0050】つぎに、上記第1実施形態の動作について
説明する。制御部31は、図4に示す「振動制御Iプロ
グラム」の実行をステップ60において開始し、ステッ
プ61にて各種変数の初期設定を行った後、回転数セン
サ12からの入力パルス信号sに基づいて周波数判定部
41において制御周波数Frを算出すると共に、制御周
波数Frの正弦波信号である入力信号xを出力する(ス
テップ62,63)。つぎに、制御部31は、入力され
た誤差信号eを処理する(ステップ64)。この誤差信
号eと、制御対象系の予め規定された推定伝達関数44
により入力信号xを処理して得られた処理信号gとを用
いて、デジタルフィルタ45により振幅係数Am(F
r)及び位相係数φ(Fr)の更新処理が行われ、更新
された振幅係数Am(Fr)及び位相係数φ(Fr)が
出力される(ステップ65)。
【0051】つぎに、制御部31は、ROMから制御周
波数Frにおける抑制係数R(Fr)を読み出し(ステ
ップ66)、この抑制係数R(Fr)データと、更新さ
れた振幅係数Am(Fr)の大小について、振幅係数判
定出力部47で比較判定させる(ステップ67)。振幅
係数Am(Fr)が抑制係数R(Fr)以下のときは、
振幅係数Am(Fr)は更新されたそのままの値が適応
フィルタ42に出力される(ステップ68)。適応フィ
ルタ42においては、更新されたフィルタ係数によっ
て、入力信号xの振幅補償及び位相補償が行われ、出力
信号yが出力される(ステップ69)。
【0052】そして、制御対象系の経時変化等により振
幅係数Am(Fr)が抑制係数R(Fr)より大きくな
ると、振幅係数判定出力部47では、振幅係数Am(F
r)が抑制係数R(Fr)より大と判定され(ステップ
68)、これに応じて振幅係数Am(Fr)の値が抑制
係数R(Fr)に更新されて、適応フィルタ42に出力
される(ステップ70,69)。
【0053】以上に説明したように、第1実施形態にお
いては、予め振幅係数Am(Fr)の適正値である抑制
係数R(Fr)が、全制御周波数帯域にわたって所定周
波数毎に定められており、この抑制係数R(Fr)とデ
ジタルフィルタ45により更新された振幅係数Am(F
r)の値との大小が比較される。更新された振幅係数A
m(Fr)が抑制係数R(Fr)以下のときは、振幅係
数Am(Fr)の値がそのままフィルタ係数として使用
され、入力信号xに対して適応フィルタ42により振幅
及び位相補償が行われて、適正な出力信号が形成され
る。そのため、振動制御システムにおいて発散等の不具
合の発生を抑えることができる。また、更新された振幅
係数Am(Fr)が抑制係数R(Fr)より大きいとき
は、振幅係数Am(Fr)として安定した適応制御が行
われる保証がされている抑制係数R(Fr)の値が使用
され、入力信号xに対して適応フィルタ42により振幅
及び位相補償が行われるので、やはり発散等の不具合発
生のおそれはない。
【0054】さらに、第1実施形態においては、単に抑
制係数R(Fr)を閾値として振幅係数Am(Fr)の
切替を行う制御になっているため、制御構成が簡易であ
ると共に制御を短時間で行うことができ、さらに、振幅
係数の切替制御において、オーバーシュートの発生を防
止することができる。
【0055】その結果、第1実施形態においては、制御
対象における経時変化、温度等の環境変化等により、制
御対象系の予め定めた推定伝達関数データと実際の伝達
関数との間に差が生じ、適応制御自体が安定して行われ
る範囲を超えた場合でも、制御対象系において生じる発
散や過電流等の不具合を、簡易な構成により短時間にか
つ安価に抑制することができる。
【0056】なお、第1実施形態においては、抑制係数
R(Fr)として、適応制御が行われている状態での適
正な振幅係数Am(Fr)値を中心としたその±5%の
範囲内で決められた値が用いられているが、これに限る
ものではない。抑制係数R(Fr)についての他の決定
方法としては、非制御時において制御対象系の誤差測定
点で計測された振動レベルを、制御対象系の予め規定さ
れた推定伝達関数G^のゲインAω^で割った値に基づ
いて実験的に決めるようにしてもよい。この場合も、上
記第1実施形態に示した適応制御構成及び振動制御フロ
ーチャートを変更することなくそのまま使用することが
できる。
【0057】つぎに、上記第1実施形態の具体的実施例
について説明する。制御周波数Fr=30Hzで、制御
対象系の位相の推定値と実際の値との差Δφが0であ
り、抑制係数を0.728(最大許容振幅を1としてい
る)としたときの、誤差信号eと出力信号yとの関係及
び振幅係数Amと位相係数φとの関係を、それぞれ図6
(a),(b)に示す。この場合は、位相差が0なの
で、制御は安定して行われており、出力信号yの振幅は
一定であり、誤差信号eは適正に収束している。つぎ
に、同一制御周波数Fr、同一抑制係数で、制御対象系
の位相の推定値と実際の値との差Δφを90°と大きく
変更したとき、図7に示すように、制御は安定して行わ
れており、出力信号yの振幅は一定であり、誤差信号e
は適正に収束している。さらに、制御対象系の位相の推
定値と実際の値との差Δφを120°と大きく変更した
ときでも、図8に示すように、制御は安定して行われて
おり、出力信号yの振幅は一定であり、誤差信号eはわ
ずかに広がりが発生するが、不規則な発散は生じない。
すなわち、位相差Δφが90°、さらに120°のよう
に大きく変化した場合でも、抑制係数を適正に設定した
ことにより、出力信号y及び誤差信号eの発散がなく、
適正な振動制御が行われる。
【0058】これに対して、従来例では抑制係数につい
て考慮されておらず、出力信号の最大許容振幅が1であ
る。従来例において、制御周波数Fr=30Hzで、制
御対象系の位相の推定値と実際の値との差Δφが0のと
きは、誤差信号eと出力信号yとの関係、及び振幅係数
と位相係数との関係については図6とほぼ同様に傾向で
あり、出力信号は一定であり、誤差信号eは適正に収束
する。しかし、制御対象系の位相の推定値と実際の値と
の差Δφを90°と大きく変更したときは、図12に示
すように、誤差信号e及び出力信号y共に、波動を繰返
す発散状態になっている。さらに、制御対象系の位相の
推定値と実際の値との差Δφを120°と大きく変更し
たときは、図13に示すように、誤差信号eが大きな変
動を繰返し、振幅係数Am及び位相係数φも大きな変動
を繰返す、完全な発散状態になる。以上の具体的な実施
例に示したように、第1実施形態の結果は、従来例に比
べて明らかに発散を抑える効果が得られることが確認さ
れた。
【0059】次に、上記第1実施形態の変形例について
説明する。上記第1実施形態において、振動制御システ
ムが適応された自動車の運転状態、例えばシフトポジシ
ョンが、ニュートラルからドライブに変更されたとき
は、制御対象系に大きな変化が生じる。このような運転
状態の変化に対して、上記抑制係数R(Fr)が一定値
のままでは不都合が生じる可能性がある。例えば、ニュ
ートラルのときに適正な抑制係数R(Fr)が、ドライ
ブのときには大きすぎるため、ニュートラルのときは問
題がなくても、ドライブでは発散することがある。これ
に対して、抑制係数R(Fr)を小さめに設定すると、
ドライブでは問題がなくても、ニュートラルのときに
は、出力が抑えられて振動抑制効果が不十分になること
がある。変形例では、このような運転状態の変化に応じ
て、抑制係数R(Fr)を変更させるようにしたもので
ある。
【0060】具体的には、シフトレバー位置を検出する
シフト位置検出センサ17を設けて、それを制御部31
の入力に接続させた。さらに、制御部31により実行さ
れる振動制御プログラムの一部を図5に示すように変更
した。シフトレバー16がニュートラルからドライブ側
に切り替えられると、これに応じて抑制係数R(Fr)
が、m・R(Fr)に変更されるようになっている(ス
テップ71,72)。mは、運転状態の変化の程度に応
じて予め定められる1より小さい定数である。さらに出
力信号形成後には、抑制係数R(Fr)はもとの値に戻
される(ステップ73)。その他の構成については、第
1実施形態と同様である。
【0061】上記構成の変形例においては、振動制御の
実行中に、シフトレバー16がニュートラルからドライ
ブ側に切り替えられると、制御部31は、これに応じて
抑制係数R(Fr)を、それより小さい値のm・R(F
r)に変更する。そのため、ニュートラル状態及びドラ
イブ状態のそれぞれに応じて、制御の発散を抑えること
ができると共に、出力が低く抑えられることもない。そ
の結果、シフトレバー16の位置の変更に対しても、よ
り適正な振動制御を行うことができる。
【0062】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。第2の実施形態においては、抑制係数R(F
r)を適応制御前に予め決定しておくのではなく、実際
に適応制御が行われている過程で、全周波数帯域にわた
って順次決定するようにしたものである。本実施形態に
おいては、適応制御部50は、図9に示すように、図1
5に示すDXHS-LMSを用いた適応制御系に対して、さらに
安定状態判定部51、抑制係数決定部52、振幅係数判
定部53及び抑制係数更新部54を設けている。
【0063】安定状態判定部51は、図9に示すよう
に、誤差信号eに基づいて制御が安定状態にあるか否か
を判定するものである。抑制係数決定部52は、制御が
安定状態にあるときの更新された振幅係数Am(Fr)
を抑制係数R(Fr)として決定するもので、すでに抑
制係数R(Fr)が決定されているときはそのままの状
態を維持するものである。振幅係数判定部53は、更新
された振幅係数Am(Fr)が、抑制係数R(Fr)に
対する所定の「抑制範囲」であるR(Fr)(1±α)
内にあるか否かを判定し、「抑制範囲」内にないときは
振幅係数Am(Fr)値として抑制係数R(Fr)値に
置き換えて適応フィルタ42に出力し、「抑制範囲」内
にあるときはそのまま抑制係数更新部54に出力する。
抑制係数更新部54は、振幅係数判定部53からの振幅
係数Am(Fr)についてこれを新たな抑制係数R(F
r)値に更新する。抑制係数更新部54は、振幅係数A
m(Fr)に適応フィルタ42に出力すると共に、この
更新した抑制係数R(Fr)を振幅係数判定部53に戻
して新たな抑制係数R(Fr)とさせる。また、制御部
31のROMには、図10に示す「振動制御IIプログ
ラム」が格納されている。
【0064】つぎに、上記第2実施形態の動作について
説明する。制御部31は、図10に示す「振動制御II
プログラム」の実行をステップ90において開始し、各
種変数の初期化すると共に、制御周波数Frでの抑制フ
ラグRFG(Fr)を「0」に設定をする(ステップ9
1)。その後、回転数センサ12からの入力パルス信号
に基づいて周波数判定部41において制御周波数Frが
算出されると共に、制御周波数の正弦波信号である入力
信号xが出力される(ステップ92,93)。つぎに、
制御部31は、入力された誤差信号eを処理する(ステ
ップ94)。この誤差信号eと、制御対象系の予め規定
された推定伝達関数により入力信号を処理して得られた
処理信号gとを用いて、デジタルフィルタ45により振
幅係数Am(Fr)及び位相係数φ(Fr)の更新処理
が行われ、更新された振幅係数Am(Fr)及び位相係
数φ(Fr)が得られる(ステップ95)。
【0065】つぎに、制御部31は、抑制フラグRFG
(Fr)が「1」か否かを判定する(ステップ96)。
現時点ではRFG(Fr)=0なので、「NO」との判
定の基にプログラムはステップ97に移される。つぎ
に、安定状態判定部51で制御が安定状態にあるか否か
が判定される(ステップ97)。安定状態にないとき
は、更新された振幅係数Am(Fr)データは抑制係数
決定部52及び振幅係数判定部53をそのまま通過して
適応フィルタ42に送られ、適応フィルタ42において
振幅及び位相補償された出力信号yが生成される(ステ
ップ98)。
【0066】制御が安定状態になると、抑制係数決定部
52において更新された振幅係数Am(Fr)値が抑制
係数R(Fr)として決定され、さらに抑制係数R(F
r)が決定されたことに応じて抑制フラグRFG(F
r)=1に設定される(ステップ99,100)。この
抑制係数R(Fr)にされた振幅係数Am(Fr)に基
づいて適応フィルタ42において振幅及び位相補償され
た出力信号が生成される(ステップ98)。
【0067】同様に、入力パルス信号が処理され、制御
周波数Frが算出され、誤差信号が処理されて、デジタ
ルフィルタにおいてフィルタ係数が更新された後に、制
御周波数Frにおいて抑制フラグRFG(Fr)が
「1」に設定されているか否かが判定される(ステップ
96)。RFG(Fr)=1になっているときは、プロ
グラムはステップ101に移され、抑制係数R(Fr)
の許容範囲である上限値R (Fr)及び下限値R
(Fr)が算出され、制御部31のRAMに記憶され
る(ステップ101,102)。つぎに、振幅係数判定
部53において、振幅係数Am(Fr)が、上限値R
(Fr)及び下限値R(Fr)の間の範囲(以下、
「抑制範囲」と記す)内にあるか否かが判定される(ス
テップ103)。振幅係数Am(Fr)が、「抑制範
囲」内の値であるときは、プログラムはステップ104
に移され、さらに制御が安定状態であるか否かが判定さ
れる(ステップ104)。制御が安定状態にあるとき
は、抑制係数更新部54において、この振幅係数Am
(Fr)の値によって抑制係数R(Fr)が置き換えら
れ、さらに振幅整数判定部53における抑制係数R(F
r)が、抑制係数更新部54で置き換えられた抑制係数
R(Fr)の値に置き換えられる(ステップ105)。
その後、振幅係数Am(Fr)は適応フィルタ42に出
力され、適応フィルタ42においては、更新されたフィ
ルタ係数によって、入力信号xの振幅補償及び位相補償
が行われ、出力信号yとして出力される(ステップ6
8)。
【0068】一方、振幅係数Am(Fr)が上記「抑制
範囲」内の値であっても制御が不安定状態にあるとき
は、振幅係数Am(Fr)はそのまま適応フィルタ42
に出力される。適応フィルタ42においては、更新され
たフィルタ係数によって、入力信号xの振幅補償及び位
相補償が行われ、出力信号yとして出力される(ステッ
プ98)。
【0069】そして、制御系の経時変化等により振幅係
数Am(Fr)が「抑制範囲」から外れると、ステップ
103にて「NO」との判定の基にプログラムはステッ
プ106に移され、振幅係数判定部53において振幅係
数Am(Fr)の値が抑制係数R(Fr)に更新され、
適応フィルタ42に出力される。適応フィルタ42にお
いては、更新されたフィルタ係数によって、入力信号x
の振幅補償及び位相補償が行われ、出力信号yとして出
力される(ステップ98)。
【0070】以上に説明したように、第2実施形態にお
いては、適応制御の実行中に、安定状態での適正な振幅
係数Am(Fr)値に基づいて抑制係数R(Fr)が、
全制御周波数帯域において所定周波数毎に定められ、こ
の抑制係数R(Fr)に基づいてその前後の抑制係数の
±αを含む範囲が「抑制範囲」として定められる。そし
て、デジタルフィルタ45により更新される振幅係数A
m(Fr)が、この「抑制範囲」内に含まれるか否かが
判定される。更新された振幅係数Am(Fr)が「抑制
範囲」内にあるときは、振幅係数Am(Fr)の値がそ
のままフィルタ係数として使用され、入力信号に対して
適応フィルタ42により振幅及び位相補償が行われるの
で、発散等の不具合発生のおそれはない。また、更新さ
れた振幅係数Am(Fr)が「抑制範囲」を外れたとき
は、振幅係数Am(Fr)の値として安定した適応制御
が行われる保証がされている抑制係数R(Fr)が使用
され、入力信号に対して適応フィルタ42により振幅及
び位相補償が行われるので、やはり発散等の不具合発生
のおそれはない。
【0071】さらに、第2実施形態においては、単に振
幅係数Am(Fr)が抑制係数R(Fr)を中心値とし
た「抑制範囲」内にあるか否かによって振幅係数Am
(Fr)の切替を行う制御になっているため、制御構成
が簡易であると共に制御を短時間で行うことができ、さ
らに、振幅係数Am(Fr)の切替制御において、オー
バーシュートの発生を防止することができる。その結
果、第2実施形態においても、制御対象における経時変
化等により、適応制御自体が安定して行われる範囲を超
えた場合でも、制御対象系において生じる発散や過電流
等の不具合を、簡易な構成により短時間にかつ安価に抑
制することができる。
【0072】また、第2実施形態においては、抑制係数
R(Fr)が、振幅係数Am(Fr)が上記「抑制範
囲」内にあってかつ制御が安定な状態のときの適正な振
幅係数値によって更新しつづけられることにより、常に
適正な値が得られる。そのため、この抑制係数R(F
r)に基づく振動制御も安定して行われ、発振等の不具
合を確実に抑えることができる。
【0073】つぎに、第2実施形態の変形例について説
明する。上記第2実施形態においては、振幅係数Am
(Fr)が上記「抑制範囲」内にあってかつ制御が安定
な状態のときの適正な振幅係数値によって抑制係数R
(Fr)を更新することが行われているが、変形例とし
て、これについては省略したものである。すなわち、振
幅係数Am(Fr)が上記「抑制範囲」内にあるとき
は、制御の安定状態か否かを判断することなく、更新さ
れた振幅係数Am(Fr)を適応フィルタ42にそのま
ま入力することのみを行うようにしてもよい。この場合
は、制御部31において、図9に示す抑制係数更新部5
4を削除し、振幅係数判定部53は、振幅係数Am(F
r)が「抑制範囲」内にあるときは、更新された振幅係
数Am(Fr)をそのまま適応フィルタ42に出力すれ
ばよい。また、図10に示す「振動制御IIプログラ
ム」において、ステップ104,105を廃止すればよ
い。これによっても、抑制係数の安定性は若干劣るが、
出力信号の発振等を抑える効果は得られる。また、この
場合、制御構成が簡略化される為、制御コストを低減す
ることができる。
【0074】また、第2実施形態においても、上記第1
実施形態の変形例を同様に適用することができる。制御
対象系において運転状態が変更されたときに、これに応
じて抑制係数R(Fr)を変更させることである。本変
形例においても、具体的には、シフトレバー位置を検出
するシフト位置検出センサを設けて、それを制御部31
の入力に接続させる。さらに、制御部31により実行さ
れる振動制御プログラムの一部を図11に示すように変
更した。
【0075】これにより、シフトレバーがニュートラル
からドライブ側に切り替えられると(ステップ10
7)、これに応じて抑制係数R(Fr)が、m・R(F
r)に変更されるようになっている(ステップ10
8)。さらに出力信号形成後には、抑制係数R(Fr)
はもとの値に戻される(ステップ109)。かかる構成
によっても、上記変形例と同様に、振動制御の実行中
に、運転状態が変更されても、それに応じて適正に制御
の発散等を抑えられると共に、出力が低く抑えられるこ
ともなく、より適正な振動制御を行うことができる。
【0076】なお、上記各実施形態においては、本発明
に係るDXHS LMSによる適応制御を用いた振動除去システ
ムが、自動車のエンジン振動に伴う制御対象系の振動を
除去するため用いられているが、本発明に係る振動除去
システムをその他の振動発生系における周期性振動や騒
音の除去にも用いることができる。
【0077】
【発明の効果】上記請求項1の発明によれば、予め決め
られた適正な振幅係数の値である抑制係数とデジタルフ
ィルタにより更新された振幅係数の値との大小が比較さ
れ、出力信号の発振の可能性がある振幅係数が抑制係数
より大きくなるときに、振幅係数として安定した適応制
御が行われることが保証されている抑制係数の値が使用
されるため、出力信号の発散等の不具合を確実に抑制で
き、オーバーシュートの発生も防止できる。その結果、
請求項1の発明においては、制御対象における経時変
化、温度等の環境変化等により、制御対象系の予め定め
た推定伝達関数データと実際の伝達関数との間に差が生
じ、適応制御自体が安定して行われる範囲を超えた場合
でも、制御対象系において生じる発散や過電流等の不具
合を、簡易な構成により短時間にかつ安価に抑制するこ
とができる。
【0078】また、抑制係数としては、適応制御が行わ
れている状態での適正な振幅係数値を中心としてその±
5%の範囲内で決められた値とすることができる。ま
た、適正な抑制係数として、非制御時において制御対象
系での誤差測定点で得られた振動レベルを、制御対象系
の予め規定された推定伝達関数のゲインで割った値に基
づいて決められた値でもよい(請求項2、3の発明の効
果)。さらに、制御対象系の運転状態の変更に応じて、
抑制係数の値を変更することにより、運転状態の変更に
応じて振動抑制制御を適正に行うことができる(請求項
4の発明の効果)。
【0079】また、上記請求項5の発明によれば、適応
制御の実行中に、安定状態で規定された抑制係数につい
て、さらにその前後を含む所定範囲が抑制範囲として定
められ、この抑制範囲によって振幅係数の値が判定され
る。振幅係数が、制御において発振等が起こり易い範囲
として決められた抑制範囲外となったときに、振幅係数
として安定した適応制御が行われることが保証されてい
る抑制係数の値が使用されるため、発散等の不具合の発
生を抑えることができ、オーバーシュートの発生も防止
できる。その結果、請求項5の発明においては、制御対
象における経時変化等により、適応制御自体が安定して
行われる範囲を超えた場合でも、制御対象系において生
じる発散や過電流等の不具合を、簡易な構成により短時
間にかつ安価に抑制することができる。なお、上記抑制
範囲の適正な値として、抑制係数値を中心としてその±
5%の範囲とすることができる(請求項6の発明の効
果)。
【0080】また、更新された振幅係数が抑制範囲内に
あり、かつ適応制御が安定状態で行われているとき、抑
制係数を振幅係数の値によって更新しつづけることによ
り、常に適正な抑制係数が得られる(請求項7の発明の
効果)。さらに、制御対象系の運転状態の変更に応じ
て、抑制係数の値を変更することにより、運転状態の変
更に応じて振動抑制制御を適正に行うことができる(請
求項8の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるDXHS LMSによる適
応制御法を用いた能動的振動除去システムを概略的に示
す模式図である。
【図2】同振動除去システムを適用した車両に使用され
るエンジンマウントの一例を示す一部断面図である。
【図3】同振動除去システムの適応制御系を示すブロッ
ク図である。
【図4】図1の制御部により実行される「振動制御Iプ
ログラム」のフローチャートである。
【図5】第1実施形態の変形例にかかる「振動制御Iプ
ログラム」の変更部分を示すフローチャートの一部であ
る。
【図6】第1実施形態の具体的実施例において、制御対
象系の位相の推定値と実際の位相値との位相差Δφが0
°のときのエラー及び出力特性と、フィルタ係数の特性
を示すグラフである。
【図7】同具体的実施例において、位相差Δφが90°
のときのエラー及び出力特性と、フィルタ係数の特性を
示すグラフである。
【図8】同具体的実施例において、位相差Δφが120
°のときのエラー及び出力特性と、フィルタ係数の特性
を示すグラフである。
【図9】第2実施形態に係る適応制御系を示すブロック
図である。
【図10】第2実施形態において制御部により実行され
る「振動制御IIプログラム」のフローチャートであ
る。
【図11】第2実施形態の変形例にかかる「振動制御I
Iプログラム」の変更部分を示すフローチャートの一部
である。
【図12】従来例において、位相差Δφが90°のとき
のエラー及び出力特性と、フィルタ係数の特性を示すグ
ラフである。
【図13】従来例において、位相差Δφが120°のと
きのエラー及び出力特性と、フィルタ係数の特性を示す
グラフである。
【図14】従来例である適応制御系(Filtered-X LMS)
を示すブロック図である。
【図15】従来例である適応制御系(DXHS LMS)を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
10…車体、11…エンジン、12…回転数センサ、1
4…ピックアップ加速度センサ、17…シフト位置検出
センサ、20…エンジンマウント23…アクチュエー
タ、30…電気制御装置、31…制御部、35…振動発
生源、36…伝達系、40…適応制御部、42…適応フ
ィルタW、43…制御対象系伝達経路(伝達関数G)、
44…推定伝達関数G^、45…デジタルフィルタ(DX
HS LMS)、47…振幅係数判定出力部、50…適応制御
部、51…安定状態判定部、52…抑制係数決定部、5
3…振幅係数判定部、54…抑制係数更新部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伏見 武彦 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 辻 孝浩 愛知県名古屋市中区千代田二丁目10番31号 中日本技研株式会社内 Fターム(参考) 3D035 CA05 CA32 3J048 AA06 AB07 AD07 BA01 CB01 CB21 CB22 DA01 EA01 5H004 GA09 GB12 HA12 HB12 JB30 KC12 LA11 MA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生源からの周期性の入力パルス信
    号に応じて周波数判定部により該入力パルス信号の周波
    数である制御周波数を求めると共に該制御周波数の正弦
    波である入力信号を形成し、該入力信号に対して適応フ
    ィルタの振幅係数及び位相係数の関数であるフィルタ係
    数により振幅及び位相補償を行い、振幅及び位相補償さ
    れた出力信号が制御対象系の伝達経路を通過した後、該
    伝達経路通過後の出力と前記振動発生源からの外力を加
    算し、該加算の結果である誤差と前記制御対象系の予め
    規定された推定伝達関数により前記入力信号を振幅及び
    位相処理した処理信号とに基づいてデジタルフィルタに
    より前記振幅係数及び位相係数の逐次更新を行い、前記
    伝達経路通過後の出力によって前記外力を抑制するよう
    にした遅延調和シンセサイザ最小平均自乗フィルタによ
    る適応制御法を用いた能動的振動制御方法において、 予め、前記振幅係数の適正な値を抑制係数として全制御
    周波数帯域にわたって所定周波数毎に定めておき、前記
    デジタルフィルタによって更新された振幅係数が前記抑
    制係数より小さいときは、該振幅係数をそのまま使用
    し、前記更新された振幅係数が該抑制係数より大きいと
    きは、該振幅係数として該抑制係数の値を使用するよう
    にしたことを特徴とする適応制御法を用いた能動的振動
    制御方法。
  2. 【請求項2】 前記抑制係数として、適応制御が行われ
    ている状態での適正な振幅係数値を中心とした該振幅係
    数の±5%の範囲内で決められた値とすることを特徴と
    する前記請求項1に記載の適応制御法を用いた能動的振
    動制御方法。
  3. 【請求項3】 前記抑制係数が、非制御時において制御
    対象系での誤差測定点で得られた振動レベルを、前記制
    御対象系の予め規定された推定伝達関数のゲインで割っ
    た値に基づいて決められることを特徴とする前記請求項
    1に記載の適応制御法を用いた能動的振動制御方法。
  4. 【請求項4】 前記制御対象系の運転状態の変更に応じ
    て、前記抑制係数の値を変更するようにしたことを特徴
    とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載の適応
    制御法を用いた能動的振動制御方法。
  5. 【請求項5】 振動発生源からの周期性の入力パルス信
    号に応じて周波数判定部により該入力パルス信号の周波
    数である制御周波数を求めると共に該制御周波数の正弦
    波である入力信号を形成し、該入力信号に対して適応フ
    ィルタの振幅係数及び位相係数の関数であるフィルタ係
    数により振幅及び位相補償を行い、振幅及び位相補償さ
    れた出力信号が制御対象系の伝達経路を通過した後、該
    伝達経路通過後の出力と前記振動発生源からの外力を加
    算し、該加算の結果である誤差と前記制御対象系の予め
    規定された推定伝達関数により前記入力信号を振幅及び
    位相処理した処理信号とに基づいてデジタルフィルタに
    より前記振幅係数及び位相係数の逐次更新を行い、前記
    伝達経路通過後の出力によって前記外力を抑制するよう
    にした遅延調和シンセサイザ最小平均自乗フィルタによ
    る適応制御法を用いた能動的振動制御方法において、 全制御周波数帯域にわたって所定周波数毎に、制御対象
    系が安定状態で適応制御が行われているときの振幅係数
    を求めて、該振幅係数の値を抑制係数として規定し、さ
    らに該抑制係数の前後を含む所定範囲を抑制範囲として
    定めておき、その後の適応制御の際に、前記更新された
    振幅係数が前記抑制範囲内にあるときは、該振幅係数を
    そのまま使用し、前記更新された振幅係数が該抑制範囲
    を外れたときは、該振幅係数として前記抑制係数の値を
    使用するようにしたことを特徴とする適応制御法を用い
    た能動的振動制御方法。
  6. 【請求項6】 前記抑制範囲として、前記抑制係数値を
    中心とした該抑制係数の±5%の範囲としたことを特徴
    とする前記請求項5に記載の適応制御法を用いた能動的
    振動制御方法。
  7. 【請求項7】 前記更新された振幅係数が前記抑制範囲
    内にあり、かつ適応制御が安定状態で行われているとき
    に、該振幅係数の値によって前記抑制係数を更新するよ
    うにしたことを特徴とする前記請求項5又は6に記載の
    適応制御法を用いた能動的振動制御方法。
  8. 【請求項8】 前記制御対象系の運転状態の変更に応じ
    て、前記抑制係数の値を変更するようにしたことを特徴
    とする前記請求項5から7のいずれか1項に記載の適応
    制御法を用いた能動的振動制御方法。
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