JP2009275823A - 制振装置及び車両 - Google Patents

制振装置及び車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2009275823A
JP2009275823A JP2008127731A JP2008127731A JP2009275823A JP 2009275823 A JP2009275823 A JP 2009275823A JP 2008127731 A JP2008127731 A JP 2008127731A JP 2008127731 A JP2008127731 A JP 2008127731A JP 2009275823 A JP2009275823 A JP 2009275823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
phase
signal
phase signal
calculated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008127731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4983720B2 (ja
Inventor
Hideaki Moriya
英朗 守屋
Takeo Ito
丈生 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sinfonia Technology Co Ltd
Original Assignee
Sinfonia Technology Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sinfonia Technology Co Ltd filed Critical Sinfonia Technology Co Ltd
Priority to JP2008127731A priority Critical patent/JP4983720B2/ja
Publication of JP2009275823A publication Critical patent/JP2009275823A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4983720B2 publication Critical patent/JP4983720B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】過補償状態となることにより制振するべき位置での振動を制振することができなくなってしまうことを防止することが可能な制振装置及び車両を提供する。
【解決手段】制振装置は、振動発生源100から伝達された制振するべき位置での振動を検出して振動信号として出力する振動検出手段200と、振動を打ち消すための制振力を発生させる加振手段700と、算出位相信号を算出する位相算出手段300と、算出位相信号と基準波とから、加振指令を出力する加振指令発生手段600と、振動信号の位相差である抽出位相信号を出力する位相抽出手段400と、算出位相信号と抽出位相信号とに基づいて、制振状態か過補償状態であるかを判別する過補償判別手段500とを備え、位相算出手段は、過補償判別手段が過補償状態と判別した場合には算出位相信号を減少させて出力させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、発生する振動を抑制する制振装置及びこれを備えた車両に関する。
従来から車両のエンジンの出力トルク変動により生じた車両振動について、加振手段によって制振力を発生させて積極的に加振させることで、車両振動を打ち消す制振装置が知られている。より具体的には、このような制振装置としては、振動発生源となるエンジンに設けられた加振手段となるリニアアクチュエータと、振動発生源となるエンジンの回転数を検出する手段と、制振するべき位置における振動を検出する振動検出手段と、検出されたエンジンの回転数及び制振するべき位置の振動に基づいてリニアアクチュエータに加振指令を出力する適応制御アルゴリズムとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この制振装置では、適応制御アルゴリズムによってエンジン回転数と制振するべき位置で現在検出されている振動に応じた最適な振幅と位相とを有する加振指令を出力することが可能であり、これにより加振手段から発生する制振力によって振動発生源となるエンジンから発生し、座席部など制振するべき位置に伝達される振動を低減させることができるものである。
また、車両に加振機と、加振機の設置箇所から車室内の所定点までの振動伝達特性を記憶した特性マップと、加速度センサによる検出信号と振動伝達特性とから車室内の所定点における振動を予測するデジタルフィルタとを備え、予測した振動を低減するように加振機によって振動を与えることによって振動を低減する装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
一方、往復動を行う加振手段として、可動子が、固定子に対して往復動可能であるように弾性支持部(板バネ)によって支持されたリニアアクチュエータが知られている(例えば、特許文献3参照)。このリニアアクチュエータは、可動子が摩耗しないため、長期間にわたって使用した後でも軸支持の精度が低下しない。また,可動子に摺動抵抗が作用しないため、摺動抵抗による消費電力の損失が少ない。さらにまた、嵩の張るコイルと弾性支持部とを近接して配置できるので、リニアアクチュエータを小型化できるという特徴がある。
特許文献3に記載されたリニアアクチュエータは,駆動時の反力によって,制振しようとする対象機器が発生している振動を相殺することができる。すなわち,制振対象機器の振動加速度に対して,アクチュエータの発生反力が逆位相になるように電流指令を印加することにより,アクチュエータは制振対象機器の振動を低減することができる。なお,一般的には,アクチュエータの反力を増加させるため,可動子には補助質量(おもり)が付与される。このようなリニアアクチュエータを用いた制振装置を自動車の車体に取り付けることにより,自動車のエンジンから車体に加わる力を相殺することができるため,車体の振動を低減することができる。
特開平10−492204号公報 特開平08−226489号公報 特開2004−343964号公報
ところで、特許文献1に示す制振装置は、加振手段であるリニアアクチュエータを車体の振動発生源であるエンジン近傍に装着しているが、例えば特許文献3に記載されたリニアアクチュエータを加振手段として車体に後付けしようとしても、設置スペースの都合上,エンジン近傍や制振するべき位置近傍に装着できない場合がある。このような場合、加振手段の装着位置をエンジンや制振するべき位置から離す必要があるが,振動発生源(エンジン)、加振手段(リニアアクチュエータ)、制振するべき位置(座席部)が異なることになるため、最適な制振力を得られないという問題がある。すなわち、振動発生源から制振するべき位置までの伝達特性と、加振手段が設けられた位置から制振するべき位置までの伝達特性が異なるため、加振手段によって発生させるべき制振力の振幅と位相を,エンジン回転数から一意に決めることができなくなるのである。なお,各伝達特性は、車体の剛性や、加振手段の指令に対する応答性や、加速度センサのフィルタ特性などによって決定される。
このような問題を解決するために、特許文献2の制振装置は、振動伝達特性に基づいて、発生している振動を予測し、加振手段によって発生させるべき制振力の位相と振幅を求めるようにしたため、振動伝達特性を考慮して、振動抑制制御を行うことができる。
以上のようにして各伝達特性を考慮することで、図11に示すように、制振するべき位置において、振動発生源から伝達される振動F1に対して、加振手段による制振力F2がほぼ逆位相となって伝達されることで、振動F1の振幅から制振力F2の振幅分が打ち消され、制振状態として、振動発生源から伝達された振動F1を振動F3に抑制することが可能となる。そして、該振動F3を検出し、この検出した振動F3に基づいて、加振手段で発生させる制振力F2の振幅を調整することを繰り返すことで、制振力F2の振幅が振動発生源から伝達される振動F1の振幅と近似した値となり、制振するべき位置における振動振幅を限りなく小さくすることが可能となる。
しかしながら、制振力F2による調整を繰り返すことで、図12に示すように、該制振力F2の振幅は、振動発生源から伝達される振動F1の振幅を超えて、当該振幅よりも大きくなってしまう過補償状態となってしまう場合がある。この場合、検出される振動F3の位相は加振手段による制振力F2とほぼ同位相となる。そして、制御部では、検出される該振動F3の振幅を減少させるようにさらに加振手段による制振力F2の振幅を大きくするので、検出される振動F3は、同位相でさらに大きくなって制振できなくなってしまう問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、過補償状態となることにより制振するべき位置での振動を制振することができなくなってしまうことを防止することが可能な制振装置及びこれを備えた車両を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の制振装置は、振動発生源から伝達された制振するべき位置での振動を検出して振動信号として出力する振動検出手段と、前記制振するべき位置と異なる位置に設けられ、前記制振するべき位置での振動を打ち消すための制振力を発生させる加振手段と、前記振動信号と、前記振動発生源が発生する振動の振動周波数を有する基準波との位相差を近似した算出位相信号を算出する位相算出手段と、前記算出位相信号と、前記基準波とから、前記加振手段に前記制振力を発生させるための加振指令を出力する加振指令発生手段と、前記振動信号と、前記基準波との位相差である抽出位相信号を出力する位相抽出手段と、前記位相算出手段の前記算出位相信号と前記位相抽出手段の前記抽出位相信号とに基づいて、制振状態か過補償状態であるかを判別する過補償判別手段とを備え、前記位相算出手段は、該過補償判別手段が過補償状態と判別した場合には前記算出位相信号を減少させて出力させることを特徴としている。
ここで、制振状態とは、制振するべき位置において、図1における加振手段700によって制振力を発生させて振動発生源に起因して伝達される振動を打ち消すことで、振動検出手段200で検出され出力される振動信号が、振動発生源100に起因して伝達される振動に対して同位相を含む位相領域で減衰している状態をいう。言い換えれえれば、振動検出手段200による振動信号が、加振手段700により制振されるべき位置に伝達される制振力の位相を基準として、逆位相を含む位相領域M”、図2に示すように当該振動信号の位相差をΔφ”として、(180°−q)≦Δφ”≦(180°+q)を満たす範囲の位相で出力されていることをいう。
また、過補償状態とは、振動検出手段200で検出され出力される振動信号が、振動発生源100に起因して伝達される振動に対して逆位相を含む位相領域で生成されている状態をいう。すなわち、振動検出手段200による振動信号が、加振手段700により制振されるべき位置に伝達される制振力の位相を基準として、同位相を含み、上記位相領域M”以外となる位相領域N”、すなわち、0≦Δφ”<(180°−q)、(180°+q)<Δφ”≦360°で出力されることをいう。
ここで、制振状態と過補償状態との閾値を決定するqは、以下の関係に基づいて求められる。すなわち、制限状態では、周期(2π/ω)の正弦波sin(ωt)で表される振動に対して、とqだけ位相がずれ、同じ振幅となる正弦波で表される制振力で制振した場合に、合成した結果がもとの振動の振幅以下になる必要がある。このため、sin(ωt)+sin(ωt+q)≦1の関係、及び加法定理に基づいて、qは60°となる。
この構成によれば、図1に示すように、振動検出手段200は,振動発生源100から伝達された制振するべき位置での振動を検出し,振動信号として位相算出手段300および位相抽出手段400に出力する。位相算出手段300は,振動信号と,振動発生源100が発生する振動と略同じ周波数の基準波との位相差および振動信号の振幅を近似した算出位相信号を、加振指令発生手段600へ出力する。一方、位相抽出手段400は,前記振動信号と前記基準波との位相差である抽出位相信号を過補償判別手段500へ出力する。そして、加振指令発生手段600は、位相算出手段300から出力された算出位相信号と、基準波とから、加振指令を加振手段700に出力する。加振手段700は,加振指令発生手段600が出力した加振指令により,前記制振するべき位置とは異なる位置を加振することによって,該制振するべき位置の振動を抑制する。
ここで、過補償判別手段500では、位相算出手段300によって算出された算出位相信号と、位相抽出手段400によって抽出された抽出位相信号とから、加振手段700による制振力で制振状態となっているか過補償状態となっているかを判別している。制振状態と判断した場合には、位相算出手段300は、当該判別結果に基づいて同様に算出位相信号を出力し、加振指令発生手段600も同様に加振指令値を出力し、加振手段700によって制振力を発生させる。一方、過補償状態と判断した場合には、位相算出手段300は当該判別結果に基づいて算出位相信号を減少して出力することとなり、これにより、加振指令手段600からの加振指令により加振手段700から発生する制振力の振幅も減少することとなる。このため、制振状態から過補償状態となったとしても、速やかに制振状態に復帰させることができ、これにより過補償状態が続いて制振することができなくなってしまうことを防止することができる。
また、本発明の制振装置は、前記位相算出手段は、前記算出位相信号として、正弦成分と余弦成分とを算出し、それぞれに1未満の共通のゲインを乗算することで前記算出位相信号を減少させることを特徴としている。
この構成によれば、位相算出手段は、算出位相信号として正弦成分と余弦成分とを算出しており、過補償判別手段による判別結果が過補償状態である場合に、正弦成分と余弦成分のそれぞれに1未満の共通のゲインを乗算して算出位相信号を減少させている。このため、算出位相信号を減少させるのに伴って、基準波に対する該算出位相信号の位相差が、振動信号の位相差に近似しない方向に変化してしまうことを防ぐことができる。これにより、加振手段による制振力によって効果的に減衰させつつ、過補償状態が続いて制振することができなくなってしまうことを確実に防止することができる。
また、本発明の制振装置は、前記位相算出手段は、前記算出位相信号として、正弦成分と余弦成分とを算出し、前記位相抽出手段は、前記抽出位相信号として、正弦成分と余弦成分とを抽出し、前記過補償判別手段は、前記算出位相信号の正弦成分及び余弦成分、並びに前記抽出位相信号の正弦成分及び余弦成分に基づいて、前記算出位相信号と前記抽出位相信号との差分を算出し、該差分から制振状態か過補償状態かを判別することを特徴としている。
この構成によれば、位相算出手段が算出位相信号として正弦成分及び余弦成分を算出し、位相抽出手段が抽出位相信号として正弦成分及び余弦成分を抽出することで、これらに基づいて算出位相信号と前記抽出位相信号との差分を算出することができる。このため、この差分に基づいて制振状態か過補償状態かを正確に判別することができる。
また、本発明の制振装置は、前記位相算出手段が前記算出位相信号として正弦成分X1と余弦成分Y1とを算出した結果と、前記位相抽出手段が前記抽出位相信号として正弦成分X2と余弦成分Y2とを抽出した結果から、関係式<α=X2×Y1−Y2×X1>で算出される第一の特性値α及び関係式<β=Y2×X1+X2×Y1>で算出される第二の特性値βとを出力する位相差ベクトル抽出手段を備え、前記過補償判別手段は、前記第一の特性値と前記第二の特性値との比β/αが予め設定された閾値に対して大小いずかであるかによって制振状態か過補償状態かを判別することを特徴としている。
この構成によれば、位相差ベクトル抽出手段は、位相算出手段が算出位相信号として正弦成分及び余弦成分を算出し、位相抽出手段が抽出位相信号として正弦成分及び余弦成分を抽出したそれぞれの結果からこれらに基づいて第一特性値α及び第二特性値βを算出することができる。このため、過補償判別手段は、両者の比β/αと予め設定された閾値とに基づいて制振状態か過補償状態かを正確に判別することができる。
また、本発明の制振装置は、前記位相算出手段は、前記振動信号に収束ゲインおよび前記基準波を乗ずる第一乗算器と、該第一乗算器の出力を積分する積分器と、過補償状態で前記積分器の帰還経路中に挿入されて1未満のゲインを乗算する第二乗算器とを有することを特徴としている。
この構成によれば、位相算出手段では、入力される振動信号に第一乗算器によって収束ゲイン及び基準波を乗じ、積分器によって積分することで、算出位相信号として、基準波に対する振動信号の位相差に近似した信号を算出することができる。また、過補償判別手段による判別結果が過補償状態である場合には、積分器における帰還経路中に第二乗算器が挿入されて1未満のゲインが乗算され積分されることで、積分器による積分結果となる算出位相信号を減少させて出力することができ、これにより加振指令手段により加振手段から発生する制振力の振幅を減少させることができる。
また、本発明の制振装置は、前記加振手段を車両の車体フレームに装着したことを特徴としている。
この構成によれば、加振手段を車体フレーム上の設置可能な任意の場所へ設置できるため,制振装置を車両に後付けで設置することができる。そのため,制振装置が未装着の車両に対しても,制振装置を装着することにより乗員が感じる振動を軽減することができる。また、制振するべき位置において、制振装置による制振が制振状態から過補償状態となったとしても、速やかに制振状態に復帰させることができ、これにより過補償状態が続いて制振することができなくなってしまうことを防止することができる。
また、本発明の車両は、上記の制振装置を備えることを特徴としている。
この構成によれば、過補償状態が続いて制振することができなくなってしまうことを防止しつつ、制振するべき位置における制振を行うことができ、乗員に快適な乗り心地を提供することが出来る。
本発明の制振装置によれば、過補償判別手段及びその判別結果に基づいて算出位相信号を出力する位相算出手段を備えることで、過補償状態となることにより制振するべき位置での振動を制振することができなくなってしまうことを防止しつつ、確実に振動発生源に起因して伝達される振動を制振することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による制振装置を説明する。図3は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、自動車等の車両を走行させるための駆動力を発生するために車両に搭載されたエンジン(振動発生源)であり、車両内に発生する振動の発生源である。符号10は、所定の質量を有する補助質量11を備え、この補助質量11を振動させることにより得られる反力によって車両内に発生する振動を抑制するための制振力を発生するリニアアクチュエータ(以下、アクチュエータと称する。「加振手段」)である。符号2は、車両の車体フレームであり、エンジンマウント1mによってエンジン1が搭載されるとともに、所定の位置にアクチュエータ10が装着される。ここでは、アクチュエータ10は、車体フレーム2に発生する上下方向(重力方向)の振動を抑制制御するものとする。
符号3は、アクチュエータ10に制振力を発生させて、車両内に発生する振動を抑制する制御を行う制御部である。符号4は、制御部3から出力される指令値に基づいて、アクチュエータ10を駆動するための電流をアクチュエータ10に対して供給するアンプである。符号5は、車両内の乗員用の座席6の近傍に装着された加速度センサ(振動検出手段)である。制御部3は、エンジン1から出力されるエンジンパルス信号(点火タイミング信号)と、加速度センサ5から出力される加速度センサ出力信号に基づいて、アクチュエータ10を駆動するための加振指令を求めて、アンプ4へ出力する。アンプ4は、この加振指令に基づいて、アクチュエータ10に対して供給するべき電流値を求めてアクチュエータ10へ供給することにより、補助質量が往復運動(図3に示す例では、上下方向の運動)を行い、その反力を使用して、制振するべき位置である座席近傍に発生している振動を低減することができる。
ここで、図4を参照して、図3に示すアクチュエータ10の詳細な構成を説明する。図4は、図3に示すアクチュエータ10の詳細な構成を示す図である。この図において、符号12は、永久磁石を備える固定子であり、車体フレーム2に固定される。符号13は、可動子であり、抑制するべき振動方向と同方向の往復動(図4の紙面では上下動)を行う。ここでは、車体フレーム2の抑制するべき振動の方向と可動子13の往復動方向(推力方向)とが一致するように、車体フレーム2に固定される。符号14は、可動子13及び補助質量11を推力方向に移動可能なように支持する板バネであり固定子12に固定されている。符号15は、可動子13と補助質量11を接合する軸であり、板バネ14によって支持されている。アクチュエータ10と補助質量11によって、動吸振器が構成されていることになる。
次に、図4に示すアクチュエータ10の動作を説明する。アクチュエータ10を構成するコイル(図示せず)に交流電流(正弦波電流、矩形波電流)を流した場合、コイルに所定方向の電流が流れる状態では、磁束が、永久磁石においてS極からN極に導かれることにより、磁束ループが形成される。その結果、可動子13には、重力に逆らう方向(上方向)に移動する。一方、コイルに対して所定方向とは逆方向の電流を流すと、可動子13は、重力方向(下方向)に移動する。可動子13は、交流電流によるコイルへの電流の流れの方向が交互に変化することにより以上の動作を繰り返し、固定子12に対して軸15の軸方向に往復動することになる。これにより、軸15に接合されている補助質量11が上下方向に振動することになる。アクチュエータ10と補助質量11によって構成される動吸振器は、アンプ4から出力する電流制御信号に基づいて、補助質量11の加速度を制御して制振力を調節することにより、車体フレーム2に発生する振動を相殺して振動を低減することができる。
次に、図5を参照して、図3に示す車体フレーム2の振動伝達特性について説明する。ここでは、車体フレーム2の振動の振動源はエンジン1のみであるとし、車体フレーム2に発生する振動のうち、乗員用の座席(運転席)6付近で発生する振動を抑制するものとして説明する。エンジン1を駆動するためのエンジンパルスは、点火するタイミングで立ち上がるパルスであり、4気筒のエンジン1の回転数が1200rpmであれば40Hzのパルス信号となって出力されることになる(図6(a)参照)。このエンジンパルスに応じて、エンジン1の各気筒は、点火することになるため、この点火タイミングに同期した振動がエンジン1から発生することになる(図5(b)参照)。エンジン1において発生した振動波は、車体フレーム2を伝達して座席6に到達する。このときの車体フレーム2の振動伝達特性をG’とする。エンジン1で発生した振動は、車体フレーム2の振動伝達特性G’によって、位相が変化する(例えば、θ’だけ遅れる)とともに、振幅も変化して、座席6の振動として現れることになる。この振動波を加速度センサ5で検出することにより、座席6において発生する振動を検出することが可能となる(図5(c)参照)。加速度センサ5により得られた振動波の信号の逆位相の振動(図5の破線で示す振動波)を座席6の位置において発生すれば座席6に発生している振動を相殺することができるため、座席6の振動を抑制することが可能となる。
しかし、座席6の近傍に振動抑制のための制振力を発生する振動源を設けることは車両のレイアウトの制限上できない場合がある。そのため、図3に示すアクチュエータ10は、振動を抑制するべき位置(加速度センサ5が設けられている位置)とは異なる位置に設けなければならない場合がある。したがって、補助質量11を振動させることによって発生する制振力は、車体フレーム2を伝達して座席6に到達することになる。このとき、車体フレーム2の伝達特性Gによって、アクチュエータ10に発生させた振動波の位相と振幅が変化してしまう。このため、アクチュエータ10によって発生させるべき振動波は、アクチュエータ10の装着位置から加速度センサ5の装着位置(座席6の位置)までの振動伝達特性Gに基づく位相変化と振幅変化を考慮して(例えば、位相をθだけ早めたり、振幅を大きくするなど)、加速度センサ5の出力信号の逆位相の信号を生成する必要がある(図6(d)参照)。そこで、アクチュエータ10の装着位置から加速度センサ5の装着位置(座席6の位置)までの振動伝達特性Gに基づく位相変化と振幅変化を考慮して、制振力を発生させれば、期待する制振効果を得ることが可能となる。ただし、経年変化や温度変化等によって振動伝達特性Gが変化するため、本発明は、振動伝達特性の変化に応じて、アクチュエータ10が発生するべき振動波の補正を行うようにして、特性変化が生じることにより振動伝達特性が変化しても期待する制振効果を得ることができるようにするものである。
次に、図5を参照して、図3に示す制御部3がアクチュエータ10の装着位置から加速度センサ5の装着位置までの振動伝達特性Gに基づく位相変化と振幅変化を考慮して、制振力を発生させるための振動波の信号(加振指令)を生成するとともに、検出される振動をもとに制振動作が過補償状態か否かを判断して過補償状態である場合に加振指令の振幅を調整する動作について説明する。
制御部3は、振動波の信号を生成する場合に、振動伝達特性の変化に応じて、生成する振動波の位相を補正した信号を生成する。図5は、図3に示す制御部3の詳細な構成を示す制御ブロック図である。
制御部3は、加速度センサ5の出力信号と、エンジン1のエンジンパルス信号を入力し、アンプ4に対して、加振指令を出力するものである。
初めに、制御部3がアクチュエータ10の装着位置から加速度センサ5の装着位置までの振動伝達特性Gに基づく位相変化と振幅変化を考慮して、制振力を発生させるための振動波の信号(加振指令)を生成する基本動作を説明する。
BPF(バンドパスフィルタ)50は,加速度センサ5の出力信号のうち,振動信号としてAsin(ωt+φ)を出力する。ここでAsin(ωt+φ)は,周波数検出部31が検出したエンジンパルス信号の周波数fの成分である(ω=2πf)。BPF50が出力する振動信号は、現時点で発生している振動を検出した信号となる。すなわち、この振動信号がエンジン1を起振源として発生した振動の検出信号であるため、この振動信号の位相を反転した信号を生成し、この位相を反転した信号に対して、振動伝達特性Gの逆特性(1/G)を与えて、アンプ4へ出力することにより、エンジン1を起振源として発生した振動の制振制御を行う。
次に、BPF50から出力される振動信号(Asin(ωt+φ))は、収束ゲイン2μが乗算される。乗算器33、34は、その乗算結果に、正弦波発信器32から出力される基準正弦波sin(ωt)と基準余弦波cos(ωt)をそれぞれ乗算して、積分器35,36に出力する。積分器35,36は、乗算器33、34からの出力を積分し、振幅補正成分と位相差成分の両方を有する信号をそれぞれ出力する。すなわち、積分器35からは算出位相信号(−A’cosφ’)が出力され、積分器36からは算出位相信号(−A’sinφ’)が出力されることになる。図5及び以下の説明においては,加速度センサ5によって検出した成分については「A」と「φ」と表記し,制御部3内において生成した成分については「A’」と「φ’」と表記する。
積分器35,36は、算出位相信号(−A’sinφ’,−A’cosφ’)を位相差ベクトル抽出部60及び乗算器39,40に出力する。
正弦波発振器32は、周波数検出部31によって検出されたエンジンパルス信号の周波数fから、内蔵された電気角生成部(図示せず)によって基準角度ωtを生成し、当該基準角度ωtから、基準波sin(ωt)と基準波cos(ωt)を出力する。
値設定部37は、エンジンパルス信号の周波数fに対する振幅テーブルおよび位相テーブルを備えている。この2つのテーブルには,経年変化や温度変化前における,加振手段から振動検出手段までの振動伝達特性,すなわちアクチュエータの発生力から加速度センサが検出する加速度までの伝達関数Gを予め測定した結果に基づき,その逆特性である振幅成分|1/G(jω)|および位相成分∠1/G(jω)が記録されている。値設定部37は、周波数検出部31が検出したエンジンパルス信号の周波数fを入力し、この周波数fから求めた周波数fに関係付けられた位相成分∠1/G(jω)と振幅成分|1/G(jω)|を2つのテーブルからそれぞれ読み出す。そして、値設定部37は、位相成分をPとして、加算器61へ出力し、振幅成分を(1/G)として、乗算器64,65へ出力する。
振幅検出部66は,振動信号Asin(ωt+φ)を絶対値回路ABS66aにて全波整流し,ノッチフィルタ66bにて基準波の2倍の周波数成分である2f成分を除去し,ローパスフィルタLPF66cにて高周波成分を除去した後,アンプ66dにてπ/2を乗じることによって,振幅成分Aを抽出する。この振幅検出部66の出力Aは除算器68に供給される。除算器68は、BPF50から出力された振幅信号Asin(ωt+φ)を、振幅検出部66からの出力Aで除算し、振動信号sin(ωt+φ)を乗算器55,56に出力する。
乗算器55,56は、正弦波発振器32が出力した基準波に2を乗じた2sinωt,2cosωtと、除算器68から出力された除算結果sin(ωt+φ)とを乗算し、乗算結果(2sinωt・sin(ωt+φ)、2cosωt・sin(ωt+φ))を出力する。この乗算結果は、ノッチフィルタ58により、周波数の2倍の成分が除去され、LPF59により高周波成分が除去された後、抽出位相信号cosφ,sinφとして、位相ベクトル抽出部60に出力する。
位相差ベクトル抽出部60は,LPF59から出力された抽出位相信号cosφ,sinφと,積分器35,36から出力された算出位相信号−A’cosφ’,−A’sinφ’とが入力されるごとに,加法定理により,以下の第1の特性値αおよび第2の特性値βを算出する。
α=sinφ・A’cosφ’−cosφ・A’sinφ’=A’sin(Δφ)
β=cosφ・A’cosφ’+sinφ・A’sinφ’=A’cos(Δφ)
ただしΔφ=φ−φ’である。
なお,特性値α,βは,それぞれ正弦,余弦成分を有するので,極座標上でαを縦軸に,βを横軸に取ると,位相差ベクトル(β,α)と横軸との角度がΔφを,位相差ベクトルの半径が振幅A’を表すことになる。図10は,位相差ベクトル(β,α)を極座標で表したものである。
ここでΔφは,加速度センサ5で検出した成分φと,制御部3内にて生成した成分φ’との差であり,経年変化等による振動伝達特性の変化を数値化したものである。すなわち,経年変化等によって,実際の車体における振動伝達特性が値設定部37で記憶している振動伝達特性と異なるほど,Δφが0から遠ざかることになる。
本発明では,図10に示すように,このΔφが0になるように加振指令の位相を位相補正量Δpにより補正する。以下,位相補正量Δpについて説明する。
位相補正ブロック63は,位相差ベクトル抽出部60が算出したαに基づき,位相補正量Δpを出力する。この位相補正量Δpは,正弦波発振器38が出力するsin(ωt+P)およびcos(ωt+P)の位相を補正してsin(ωt+P+Δp)およびcos(ωt+P+Δp)とするためのものである。以下,位相補正量Δpの算出方法について説明する。
まず,経年変化等がなく,振動伝達特性Gに変化がない場合について述べる。このとき,振動信号Asin(ωt+φ)と,制御部3内で生成される信号(−A’sin(ωt+φ’))とは,図6に示すように逆位相になるので,Δφ=φ−φ’=0よりα=0となる。なお,値設定部が出力する振幅成分(1/G)と位相成分Pを,生成信号(−A’sin(ωt+φ’))に加味した(−A’/G)sin(ωt+P+φ’)が,加振指令として出力される信号である。すなわち,(−A’/G)は加振手段から制振するべき位置までの振動伝達特性Gを考慮した加振指令の振幅値であり,P+φ’は振動信号に対する加振手段から制振するべき位置までの振動伝達特性Gを考慮した加振指令の位相差である。このとき,振動発生源から伝達される振動と,加振手段が発生する制振力とは相殺しあうため,位相補正をしなくても制振するべき位置での振動が抑制される。
次に,経年変化等により振動伝達特性Gが変化した場合について述べる。このとき,生成信号は振動信号に対し,図7に示すようなΔφの位相進み(0≦Δφ≦π),または図8に示すようなΔφの位相遅れ(−π≦Δφ≦0)の状態となる。すなわち,Δφの位相進みの場合はα>0,Δφの位相遅れの場合はα<0となる。位相補正ブロック63は,このα≠0の時に位相補正量Δpを用いて加振手段に入力される位相補正された基準波の位相を補正する。
ここで位相補正量Δpの算出方法について述べる。位相補正量Δpは振動発生源すなわちエンジンパルス信号の振動周波数fの関数であり,次式で定義される。
Δp(f,n)=Δp(f,n−m) (α=0)
Δp(f,n)=Δp(f,n−m)−h (α>0)
Δp(f,n)=Δp(f,n−m)+h (α<0)
なお,n,mはn≧mの整数であり,hは前述した予め設定された固定角度である。すなわち,あるサンプリング周期における位相補正量Δp(f,n)は,そのmサンプリング周期前のΔp(f,m−n)に0またはhを加減算して求める。また,hは,たとえば1°などの小さい値が好ましい。hすなわちΔpによる補正を大きくすると制御が不安定になる可能性があるためである。経年変化による特性の変化は,短い時間で大きく変化するものではないため,一度に補正する値は小さい値にしておき,制御動作を安定に保ったまま徐々に補正を行うことが好ましい。
位相補正ブロック63は,αの正負を振動信号および生成信号から判断する。すなわち,生成信号(−A’sin(ωt+φ’))の符号がたとえば負から正に変化するゼロクロスポイントの時点において,振動信号(Asin(ωt+φ))の符号が正であれば位相進み(α>0),負であれば位相遅れ(α<0)と判断する。そして,αの値に応じてΔφ=0となるΔpを算出し,加算器61へ出力する。
なお,本実施例ではゼロクロスポイントにおいて補正するものとして説明するが,後述するように,本発明における制御部3は,ゼロクロスポイントだけでなく任意の時点での位相補正が可能である。
加算器61は、値設定部37の位相テーブルから出力された位相成分Pに、位相補正ブロック63から出力された位相補正量Δpを加算して、この加算結果(P+Δp)を正弦波発信器38に出力する。
正弦波発振器38は,エンジンパルス信号の周波数fに基づいて,内蔵された電気角生成部(不図示)によって基準角度ωtを生成する。そして,加算器61から出力された加算結果(P+Δp)に基づいて,基準波sinωt,cosωtを補正して,この補正した基準波sin(ωt+P+Δp),cos(ωt+P+Δp)を,乗算器64,65にそれぞれ出力する。
乗算器64,65は,値設定部37の振幅テーブルから出力された振幅1/Gと,補正された基準波sin(ωt+P+Δp),cos(ωt+P+Δp)とを乗じて,それぞれ信号(1/G)sin(ωt+P+Δp),(1/G)cos(ωt+P+Δp)を乗算器39,40に出力する。
乗算器39,40は,信号(1/G)sin(ωt+P+Δp),(1/G)cos(ωt+P+Δp)と,積分器35,36から出力された算出位相信号−A’cosφ’,−A’sinφ’とを乗じて,信号(−A’/G)cosφ’sin(ωt+P+Δp+φ’),(−A’/G)sinφ’cos(ωt+P+Δp+φ’)を加算器41に出力する。
加算器41は,信号(−A’/G)cosφ’sin(ωt+P+Δp+φ’),(−A’/G)sinφ’cos(ωt+P+Δp+φ’)を加算し,加法定理を利用して,信号(−A’/G)sin(ωt+P+Δp+φ’)を算出する。これにより,エンジンパルス信号の周波数近傍の周波数成分の信号(Asin(ωt+φ))に対して,位相を反転するための(−1)と,振動伝達特性Gの逆特性の振幅成分(1/G)とが乗算されるとともに,位相補正量Δpを含む位相差成分(P+Δp)が位相成分に加算された信号が得られることになる。そして,乗算器41は,その加算結果をBPF51に出力する。
BPF51は,周波数f近傍の周波数を通過させるフィルタである。なお,fは周波数検出部31から出力されるエンジンパルス信号の周波数である。
制振すべき周波数が変化した場合,過渡状態では,制振力には複数の周波数成分が存在する。そのため,たとえば変化後の周波数近傍に制振対象の共振周波数が存在する場合には,制振力には周波数が共振周波数と一致し,かつ共振振動を低減できる振動の位相とは異なる位相の成分が含まれる場合があるため,共振周波数を加振してしまい,制御が不安定化することがある。
このBPF51により,制振すべき周波数以外の制振力を除去することにより,制振効果を高め,かつ,制御が不安定化するのを防止することができる。
BPF51は、加算器41からの出力に対して、エンジンパルス信号の周波数近傍の周波数のみを通過させ、当該信号(−(A’/G)sin(ωt+φ’+P+Δp))をアンプ4に出力する。このBPF51から出力される信号が、アクチュエータ10の装着位置から加速度センサ5の装着位置までの振動伝達特性Gに基づく位相変化と振幅変化を考慮した加振指令となる。
この加振指令をアンプ4へ出力すると、補助質量11が振動して制振力を発生することにより、加速度センサ5によって検出されるエンジン1が発生する振動が抑制されることになる。このとき、アクチュエータ10が補助質量を振動させることにより発生する制振力は、アクチュエータ10の装着位置から加速度センサ5の装着位置までの振動伝達特性Gに基づく位相変化と振幅変化を考慮した制振力であるため、振動を検出する位置(座席6の位置)と制振力を発生する位置が異なっていても、制振するべき座席6の位置において、振動発生源となるエンジン1から発生する振動に対して、制振力が伝達され互いに打ち消しあうことで、図11に示すように、座席6の位置における振動を減衰させることができる。
すなわち、図5に示すように、制御部3から加振指令を発生させ、これに基づいてアクチュエータ10から制振力を発生させ、該制振力によって座席6の位置における振動を減衰させる。そして、減衰させた状態で加速度センサ5で振動を検出して制御部3にフィードバックさせ、加振指令を再度発生させる。これを繰り返すことで、図11に示すように、座席6の位置に伝達される制振力の振幅がエンジン1から伝達される振動の振幅と等しい値に近づき、制振状態として、座席6の位置における加速度センサ5で検出される振動の振幅がゼロに近づくこととなる。制振状態である場合、アクチュエータ10から発生され、伝達される制振力は、積分器35、36において反転されていることから、加速度センサ5で検出される振動とほぼ同位相となっている。
一方、座席6の位置に伝達される制振力の振幅がエンジン1から伝達される振動の振幅より大きくなってしまうと、加速度センサ5では、制振状態で検出される振動と逆位相の振動が検出されることとなる。
すなわち、図12に示すように、制振力は、エンジン1から発生する振動を打ち消すために積分器34、35で反転させているので、加速度センサ5からは伝達される制振力に重畳する振動が検出されることとなる過補償状態となってしまう。この状態になると、制御部3は、加速度センサ5で検出された振動振幅に基づいてさらに生成する加振指令の振幅を大きくしてしまい、結果制御が発散してしまうこととなる。
そこで、制御部3は、過補償判別手段70を備えていて、該過補償判別手段70は、積分器35、36から出力される算出位相信号(−A’sinφ’,−A’cosφ’)及びLPF59から出力される抽出位相信号(sinφ,cosφ)から、アクチュエータ10による制振が上記のような制振状態か過補償状態かの判別を行っている。そして、過補償判別手段70は、過補償状態であると判別した場合には、判別結果を信号として出力し、制御部3では判別結果に基づいて加振指令の振幅を低減させ、速やかに制振状態に復帰させるように制御を行う。以下に、詳細を示す。
ここで、上記においては、説明を容易とするため、座席6の位置における制振力と、加速度センサ5で検出された振動が同位相である場合に制振状態であるとしたが、制振状態とは、エンジン1から伝達された振動をアクチュエータ10から発生した制振力によって減衰させていくことが可能な状態であり、制振させる座席6に伝達されるべき制振力に対して、制振された結果として加速度5で検出された振動の位相差が同位相を含む位相領域Mであると定義される。同様に、過補償状態とは、制振力の振幅がエンジン1から伝達される振動の振幅を超えて、当該振幅よりも大きくなってしまい、制振力によって加振してしまっている状態であり、制振させる座席6に伝達されるべき制振力に対して、制振された結果として加速度5で検出された振動の位相差が逆位相を含む位相領域Nであると定義される。
ここで、アクチュエータ10から発生する制振力は、制御部3が生成する加振指令−(A’/G)sin(ωt+P+Δp+φ’)と同位相であり、当該制振力は、経年変化等も考慮した伝達特性Gの位相成分(P+Δp)の影響を受けることから、制振する座席6での位相は、(ωt+φ’)となる。このため、座席6に伝達される制振力と加速度センサ5で検出される振動との位相差は、基準波に対する算出位相信号の位相差φ´と抽出位相信号の位相差φとの差分Δφで表わせる。
これにより、図10に示すように、制振状態とする位相領域Mは、定数qによって、
−q≦Δφ≦+q
と表わされる。
また、過補償状態とする位相領域Nは、同様に定数qによって、
+q≦Δφ≦360−q
と表わされる。
ここで、Δφは、位相差ベクトル抽出部60で算出される第一の特性値αと第二の特性値βとの比α/βを用いて以下のとおり表わされる。
α/β=tanΔφ
以上から、制振状態とする位相領域Mは、第一の特性値αと第二の特性値βとの比α/βによって、
α/β≦tan(+q)(但しα≧0)、α/β≧tan(−q)(但しα≧0)
で表わされる。
一方、過補償状態とする位相領域Nは、
α/β≧tan(+q)(但しα≧0)、α/β≦tan(−q)(但しα≧0)
で表わされる。
なお、制振状態と過補償状態との閾値tan(+q)、tan(−q)を決定する定数qは、上記のとおり60度であり、このことから、tan(+q)=√3、tan(−q)=−√3 を閾値として位相領域M、Nは表わされる。
すなわち、過補償判別手段70は、位相差ベクトル抽出部60で算出位相信号(−A’sinφ’,−A’cosφ’)及び抽出位相信号(sinφ,cosφ)に基づいて算出し出力された第一の特性値α及び第二の特性値βを参照する。そして、第一の特性値と第二の特性値との比α/βを算出し、当該比及び上記閾値から、現在の状態が制振状態か過補償状態かを判別し、その判別結果を判別信号として、各積分器35、36の帰還経路中に設けられた切替器70、71に出力する。
切替器70、71は、制振状態と対応する判別信号が入力されることで、各積分器35、36による出力をそのまま加算させ、上記のように算出位相信号(−A’sinφ’,−A’cosφ’)をそのまま出力させる。
一方、切替器70、71は、過補償状態と対応する判別信号が入力されると、それぞれの積分器35、36の帰還経路中に乗算器(第二乗算器)73、74を挿入させる。乗算器73、74では、1未満の共通のゲインを乗ずるように設定されており、具体的には例えば0.99を乗ずるように設定されている。
このため、積分器35、36による積分結果となる算出位相信号(A’sinφ’、A’cosφ’)の振幅は減少することとなり、算出位相信号から算出された加振指令によってアクチュエータ10から発生する制振力も減少することなる。これによりエンジン1から伝達される振動の振幅に対して、これを減衰させる制振力の振幅が減少するので、制振状態から過補償状態になったとしても、速やかに制振状態に復帰させることができる。このため、過補償状態が続いて制御が発散し、制振することができなくなってしまうことを防止することができる。また、上記のように、積分器35、36の各帰還経路では互いの共通のゲインを乗じて出力を減少させている。図10を参照して、例えば正弦成分A’sinφ’及び余弦成分A’cosφ’に対して所定値分減じる操作する場合、あるいは、異なるゲインを乗じて減少させる場合、位相差ベクトル(α、β)の向きを表わす差分Δφが変化することとなり、すなわち基準波に対する算出位相信号の位相差φ’は、基準波に対する振動信号の位相差φと近似しない方向へ変化してしまうこととなる。一方、本実施形態のように、正弦成分A’sinφ’及び余弦成分A’cosφ’ともに、共通のゲイン0.99を乗じて減少させることで、位相差ベクトル(α、β)の向きは変化せずに、半径成分のみが変化することとなり、すなわち基準波に対する算出位相信号の位相差φ’を変化させずに振幅A’のみを減少させることができる。このため、アクチュエータ10による制振力によって効果的に減衰させつつ、過補償状態が続いて制振することができなくなってしまうことを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、上記のとおり位相補正ブロック63を備えていることから、基準波と振動信号との位相差である抽出位相信号と,基準波と振動信号との位相差を近似した算出位相信号とから,位相補正量Δpを算出し,このΔpにより位相成分Pを補正することによって,制御部3から出力される加振指令の位相を調整することができる。すなわち,経年変化等によって制振装置内に予め設定してある振動伝達特性Gを修正する必要が生じた場合でも,制振装置が自律的にGの変化分を補正できるため,ユーザーに何ら複雑な修正作業を行わせることなく,経年変化等前の制振効果を保ち続けることができる。
また,エンジンパルス信号の周波数fに基づいて,逆特性テーブルから振幅成分1/Gおよび位相成分Pを求める一方で,加速度センサ出力信号に基づいた算出位相信号および基準波に基づいた抽出位相信号から位相補正量Δpを求め,これらを乗算して加振指令を算出している。そのため,たとえばエンジンパルス信号と加速度センサ出力信号とから逆特性そのものを演算する場合に比べ,演算処理を簡略化でき,演算時間を短縮することが出来る。すなわち,応答性の良い制御を実現できるだけでなく,演算に必要な回路を安価に構成することができるので,ユーザーに安価で制振性能の高い制振装置を提供することが出来る。
また,加振手段から振動検出手段までの振動伝達特性の逆特性を加味して制振力を発生させるようにしているため,加振手段であるアクチュエータ10を,車体フレーム2の任意の位置に後付けでも装着することが出来る。そのため,たとえば経年変化等を経た中古車両に後付けした場合でも,何ら複雑な調整作業を要することなく,制振を行うことができる。なお,経年変化等のない新車両に最初から装着することも可能である。
なお、前述した説明においては、車体フレーム2に発生する上下方向(重力方向)の振動を制振する場合について述べたが,制振する振動の方向は上下方向に限られるものではなく,振動検出手段の検出位置および検出方向と,加振手段の加振位置および加振方向は適宜変更が可能である。たとえば検出手段を車両のハンドルに設置すれば,過補償状態が続いて制振することができなくなってしまうことを防止しつつ、ハンドルからドライバーの手に伝わる振動を低減することが可能である。
また、図3に示すリニアアクチュエータ10を使用して、制振力を発生するものとして説明したが、補助質量11を振動させることによって振動を抑制することができる反力を発生できる駆動源であれば、補助質量11を振動させる手段は何でもよい。
また、位相差ベクトル抽出部60に、抽出位相信号及び算出位相信号が入力されるごとに、加振指令の位相が補正され、位相補正後の加振指令がBPF51から出力されることから、BPF51から出力される加振指令の位相を迅速に調整することができる。そのため、過渡的な位相特性変化が発生した場合であっても、アクチュエータ10による制振力によって効果的な制振を行うことができる。
また、制振装置が車体フレーム2に装着されていることから、車体フレーム2に発生する振動を、制振するべき位置において減衰させることができるため、経年変化や温度変化に基づく制振効果の低減によって生じる違和感を乗員に与えることを防止することができる。
なお、制御部3は、位相算出手段、位相抽出手段、位相補正手段及び加振指令発生手段として兼用されるものである。具体的には、収束ゲイン2μの乗算器、乗算器33,34及び積分器35,36は、位相算出手段として機能し、振幅検出部66、除算器68、乗算器53,54,55,56、ノッチフィルタ58及びLPF59は、位相抽出手段として機能するものである。また、位相差ベクトル抽出部60、位相補正ブロック63、加算器61及び正弦波発振器38は、位相補正手段として機能し、乗算器39,40,64,65及び加算器41は、加振指令発生手段として機能するものである。
また、位相補正ブロック63は、位相補正を実施する場合に、不感帯を設け、予め決められたしきい値より小さい位相ずれに対して位相補正を行わないようにしてもよい。このようにすることにより、位相安定時における制振振動周波数が変動することを軽減することができる。このため、制振するべき位置における振動の状態をより安定的なものとしつつ、経年変化や温度変化等による振動伝達特性の変化に対して好適な制振効果を得ることができる。
また、位相補正ブロック63は、振動発生源(エンジン1)からの振動が安定しているときに位相の補正動作を実施するようにしてもよい。ここでいう「振動が安定している」とは、検出した振動周波数の値が、予め決められた回数連続したことをいう。このようにすることにより、振動信号の周波数の変動が過渡的なときに補正が行われることを防止し、振動信号の周波数が安定しているときにのみ位相の補正を行うことができる。このため、制振するべき位置における振動の状態が不安定化することを防止しつつ、経年変化や温度変化等による振動伝達特性の変化に対して好適な制振効果を得ることができる。
また、位相補正ブロック63は、アンプ4へ供給されている加振指令が安定しているときに位相の補正動作を実施するようにしてもよい。ここでいう「加振指令が安定している」とは、アンプ4へ供給した加振指令が、予め決められた回数近い値(変動誤差が2%以内)であったことをいう。このようにすることにより、加振指令の振幅の変動が過渡的なときに補正が行われることを防止し、加振指令の振幅が安定しているときにのみ位相の補正を行うことができる。このため、制振するべき位置に伝達される制振力が不安定化することを防止しつつ、経年変化や温度変化等による振動伝達特性の変化に対して好適な制振効果を得ることができる。
また、位相補正ブロック63は、加速度センサ5によって検出した振動の振幅が大きいときに位相の補正動作を実施するようにしてもよい。ここでいう振動の振幅が大きいとは、検出した振動の振幅が予め決められた閾値より大きい場合をいい、人間が大きい振動であると感じる振動のことである。このようにすることにより、閾値よりも小さいときには、十分に位相の補正がなされている状態であるとして補正を行わないので、演算負荷を軽減することができるとともに、量子化誤差による誤演算を防止することができる。このため、経年変化や温度変化等による振動伝達特性の変化に対応しつつ、効率的かつ安定的に制振するべき位置における制振を行うことができる。
経年変化や温度変化は、極めて短い時間内に変化するものではないため、上記のように制御系が安定するのを待って位相補正を行っても問題がないとともに、制御系が安定したときに位相補正を行うことにより、正確な位相補正を行うことが可能となる。
また、位相補正ブロック63は、図10の極座標におけるいずれの象限に位相差ベクトルが現れるかによって、位相補正量を変更してもよい。例えば、位相差ベクトルが第1及び第4象限にあるときには、位相補正量を小さくし、第2及び第3象限にあるときには、位相補正量を大きくしてもよい。これにより、差分Δφの大きさに応じた効果的な制振制御を行うことができる。
また、位相差ベクトル抽出部60は、位相補正ブロック63に第1の特性値αのみを出力するとしたが、これに限ることはなく、第1及び第2の特性値α、βを出力してもよい。これにより、位相補正ブロック63は、位相差ベクトルの差分Δφを求めることができ、差分Δφの大きさに応じたより効果的な制振制御を行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
本発明による制振装置は、振動を抑制するべき位置と制振力を発生させる位置が異なる場合における振動抑制する用途に適用することができる。また、前述した説明においては、制振対象を自動車の車体フレームであるものとして説明したが、本発明の制振装置による制振対象機器は必ずしも自動車の車体フレームである必要はなく、自律走行搬送車の車体、ロボットアーム等であってもよい。
本発明に係る制振装置を機能ごとに示すブロック図である。 制振状態及び過補償状態と、加振指令と振動信号との位相差との関係を示す説明図である。 本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。 図3に示すアクチュエータ10の構成を示す模式図である。 図3に示す制御部3の構成を示すブロック図である。 図3に示す車体フレーム2の振動伝達特性G、G’を示す説明図である。 生成した信号と検出した信号の位相ずれ状態を示す説明図である。 生成した信号と検出した信号の位相ずれ状態を示す説明図である。 生成した信号と検出した信号の位相ずれ状態を示す説明図である。 制振状態及び加振状態と、第1の特性値αと第2の特性値βとの比α/βとの関係を示す説明図である。 制振状態を説明する説明図である。 過補償状態を説明する説明図である。
符号の説明
1 エンジン(振動発生源)
3 制御部(位相算出手段、位相抽出手段、位相補正手段、加振指令発生手段)
5 加速度センサ(振動検出手段)
10 アクチュエータ(加振手段)
33,34 乗算器(第一乗算器)
35,36 積分器
38 正弦波発信器
39,40,64,65 乗算器
41 加算器
53,54,55,56 乗算器
60 位相差ベクトル抽出部
61 加算器
70 補償判別手段
71,72 切替器
73,74 乗算器(第二乗算器)

Claims (7)

  1. 振動発生源から伝達された制振するべき位置での振動を検出して振動信号として出力する振動検出手段と、
    前記制振するべき位置と異なる位置に設けられ、前記制振するべき位置での振動を打ち消すための制振力を発生させる加振手段と、
    前記振動信号と、前記振動発生源が発生する振動の振動周波数を有する基準波との位相差を近似した算出位相信号を算出する位相算出手段と、
    前記算出位相信号と、前記基準波とから、前記加振手段に前記制振力を発生させるための加振指令を出力する加振指令発生手段と、
    前記振動信号と、前記基準波との位相差である抽出位相信号を出力する位相抽出手段と、
    前記位相算出手段の前記算出位相信号と前記位相抽出手段の前記抽出位相信号とに基づいて、制振状態か過補償状態であるかを判別する過補償判別手段とを備え、
    前記位相算出手段は、該過補償判別手段が過補償状態と判別した場合には前記算出位相信号を減少させて出力させることを特徴とする制振装置。
  2. 前記位相算出手段は、前記算出位相信号として、正弦成分と余弦成分とを算出し、それぞれに1未満の共通のゲインを乗算することで前記算出位相信号を減少させることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記位相算出手段は、前記算出位相信号として、正弦成分と余弦成分とを算出し、
    前記位相抽出手段は、前記抽出位相信号として、正弦成分と余弦成分とを抽出し、
    前記過補償判別手段は、前記算出位相信号の正弦成分及び余弦成分、並びに前記抽出位相信号の正弦成分及び余弦成分に基づいて、前記算出位相信号と前記抽出位相信号との差分を算出し、該差分から制振状態か過補償状態かを判別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置。
  4. 前記位相算出手段が前記算出位相信号として正弦成分X1と余弦成分Y1とを算出した結果と、前記位相抽出手段が前記抽出位相信号として正弦成分X2と余弦成分Y2とを抽出した結果から、関係式<α=X2×Y1−Y2×X1>で算出される第一の特性値α及び関係式<β=Y2×X1+X2×Y1>で算出される第二の特性値βとを出力する位相差ベクトル抽出手段を備え、
    前記過補償判別手段は、前記第一の特性値と前記第二の特性値との比β/αが予め設定された閾値に対して大小いずかであるかによって制振状態か過補償状態かを判別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置。
  5. 前記位相算出手段は、前記振動信号に収束ゲインおよび前記基準波を乗ずる第一乗算器と、該第一乗算器の出力を積分する積分器と、過補償状態で前記積分器の帰還経路中に挿入されて1未満のゲインを乗算する第二乗算器とを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の制振装置。
  6. 前記加振手段を車両の車体フレームに装着したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の制振装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の制振装置を備えることを特徴とする車両。
JP2008127731A 2008-05-14 2008-05-14 制振装置及び車両 Expired - Fee Related JP4983720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008127731A JP4983720B2 (ja) 2008-05-14 2008-05-14 制振装置及び車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008127731A JP4983720B2 (ja) 2008-05-14 2008-05-14 制振装置及び車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009275823A true JP2009275823A (ja) 2009-11-26
JP4983720B2 JP4983720B2 (ja) 2012-07-25

Family

ID=41441441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008127731A Expired - Fee Related JP4983720B2 (ja) 2008-05-14 2008-05-14 制振装置及び車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4983720B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013007460A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Sinfonia Technology Co Ltd アクティブ制振装置、アクティブ制振装置の制御方法
JP2020044953A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh ハンドル加振システム、及び、ハンドル加振システムの制御方法
CN116066511A (zh) * 2023-03-09 2023-05-05 成都理工大学 一种可调节的多级同步主动减振装置及减振方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6154324A (ja) * 1984-08-21 1986-03-18 Mitsubishi Motors Corp 車体振動低減装置
JPH0692127A (ja) * 1992-09-11 1994-04-05 Mazda Motor Corp 車両の振動低減装置
JPH0874925A (ja) * 1994-09-07 1996-03-19 Mazda Motor Corp 車両の振動低減装置及びその制御方法
JPH08210433A (ja) * 1995-02-03 1996-08-20 Nok Corp アクティブマウント制御装置
JP2003195950A (ja) * 2001-12-25 2003-07-11 Tokai Rubber Ind Ltd 適応制御法を用いた能動的振動制御方法
JP2007253755A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Toyota Motor Corp 車両用振動制御装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6154324A (ja) * 1984-08-21 1986-03-18 Mitsubishi Motors Corp 車体振動低減装置
JPH0692127A (ja) * 1992-09-11 1994-04-05 Mazda Motor Corp 車両の振動低減装置
JPH0874925A (ja) * 1994-09-07 1996-03-19 Mazda Motor Corp 車両の振動低減装置及びその制御方法
JPH08210433A (ja) * 1995-02-03 1996-08-20 Nok Corp アクティブマウント制御装置
JP2003195950A (ja) * 2001-12-25 2003-07-11 Tokai Rubber Ind Ltd 適応制御法を用いた能動的振動制御方法
JP2007253755A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Toyota Motor Corp 車両用振動制御装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013007460A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Sinfonia Technology Co Ltd アクティブ制振装置、アクティブ制振装置の制御方法
JP2020044953A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh ハンドル加振システム、及び、ハンドル加振システムの制御方法
JP7168389B2 (ja) 2018-09-19 2022-11-09 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング ハンドル加振システム、及び、ハンドル加振システムの制御方法
CN116066511A (zh) * 2023-03-09 2023-05-05 成都理工大学 一种可调节的多级同步主动减振装置及减振方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4983720B2 (ja) 2012-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2009139403A1 (ja) 制振装置および車両
JP5522038B2 (ja) 制振装置および車両
EP2023007B1 (en) Damper for automobiles for reducing vibration of automobile body
WO2011065441A1 (ja) 制振装置及びこれを備えた車両
JP5391578B2 (ja) 制振装置及び車両
US8538630B2 (en) A/D conversion device and vibration damping apparatus for automobile using the A/D conversion device
JP4983720B2 (ja) 制振装置及び車両
JP5120709B2 (ja) 制振装置及び車両
JP5098796B2 (ja) 制振装置及び車両
JP5120707B2 (ja) 制振装置及び車両
JP5098795B2 (ja) 制振装置及び車両
JP5120708B2 (ja) 制振装置及び車両
JP7197774B2 (ja) 制振装置、制振装置を備えた車両及び制振装置の安定度判定方法
JP5353657B2 (ja) 制振装置及びこれを搭載した車両
JP2005233345A (ja) 動作制御データの生成方法及び適応性を有するマップ制御方法
JP5131588B2 (ja) 制振装置
JP2019215048A (ja) 制振装置、制振装置を備えた車両及び制振装置の位相誤差推定方法
JP5136197B2 (ja) 制振装置および輸送用機器

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120327

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120409

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees