JP2003202902A - 適応制御法を用いた能動的振動制御方法 - Google Patents

適応制御法を用いた能動的振動制御方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御対象における制御状態の違いによる誤差
信号のレベルが低くなる場合に、固定小数点演算を用い
ても、出力信号の発散を起こさない適正な演算を安価に
行うことができる適応制御法を用いた能動的振動制御方
法を提供する。 【解決手段】 制御部31は、演算を固定小数点演算に
よって行い、かつ制御対象の振動状態に応じて、増幅部
32の切替スイッチ33dによって対応する増幅器33
a〜33cに接続を切り替える。誤差信号を増幅器によ
って適宜増幅することにより、常に誤差信号を適正なレ
ベルに維持することができる。そのため、安価な固定小
数点演算を用いても、出力信号の発散を起こさない適正
な演算を行うことが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御対象の振動を
能動的に除去するための適応制御法を用いた能動的振動
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、適応制御法を用いた能動的振動制
御方法としては、例えば図5に示すような適応最小平均
自乗フィルタ(以下、Filtered-X LMSと記す)を用いた
適応制御が知られている。すなわち、例えば制御対象で
ある自動車のエンジン等の振動発生源35から、クラン
ク軸回転パルスやイグニッションパルス信号をセンサに
より取り出して、波形整形されて制御対象信号と同一周
波数のパルス信号sにされる。また、振動発生源35か
らの振動が、伝達系36(G′)を通して車室内に外力
dとして伝播される。パルス信号sは、参照信号生成部
1により制御対象信号と同一周波数の正弦波に変換して
参照信号xにされる。そして、参照信号xは、振幅補償
係数及び位相補償係数の関数である適応フィルタW2の
フィルタ係数により振幅補償及び位相補償され、出力信
号yが形成される。
【0003】出力信号yは、制御対象系の伝達経路(伝
達関数G)3に入力され、制御対象系の伝達経路3を経
て処理信号zが出力される。^を冠して標記される推定
伝達関数G^4は、制御対象系の伝達経路(伝達関数
G)3を予めインパルス応答測定か、周波数掃引加振試
験等によって得られた推定の伝達関数であり、制御対象
系の伝達経路(伝達関数G)3の推定値が制御プログラ
ム内で、制御対象の各周波数に対応して記憶されて、適
応フィルタの更新時に引用される。
【0004】処理信号zは、エンジンの振動等である伝
達系36(G′)を経た外力dが加算され、観測値とし
てセンサにより検出される。振動制御においてはセンサ
の検出値の目標は0であり、目標との差が誤差信号eに
なる。この誤差信号eと推定伝達関数4の推定値gを用
い、FIRフィルタ(有限インパルスレスポンスディジ
タルフィルタ)5により適応フィルタWのフィルタ係数
が逐次更新される。このように、Filtered-X LMSによる
適応制御系においては、最適に更新された適応フィルタ
Wを用いて振幅及び位相補償された処理信号zにより外
力が除去されるようになっている。
【0005】一方、このFiltered-X LMSによる適応制御
法におけるフィルタ係数の演算量を低減する他の適応制
御法として、図6に示すような、遅延調和シンセサイザ
最小平均自乗フィルタ(以下、DXHS LMSと記す)を用い
た適応制御法が知られている。この適応制御法では、例
えば信号源である自動車のエンジン等の振動発生源35
から、クランク軸回転パルス等をセンサにより取り出し
て、周波数判定部41にて制御対象周波数ωであること
が判定されると共に、制御対象周波数ωの制御対象信号
が選択され、正弦波の入力信号xとして適応フィルタW
42に出力される。入力信号xは、適応フィルタW42
のフィルタ係数により振幅補償及び位相補償され、かつ
正弦波の出力信号yに合成されて出力される。出力信号
yは、制御対象系の伝達経路(伝達関数G)43を通過
後、処理信号zが出力される。処理信号zにはエンジン
の振動等である伝達系36(G′)を経た外力dが加算
され、観測値としてセンサにより検出される。振動制御
においてはセンサの検出値の目標は0であり、目標との
差が誤差信号eになる。この誤差信号eと推定伝達関数
44の推定値gを用い、デジタルフィルタ45(DXHS L
MS)により適応フィルタW42のフィルタ係数が逐次更
新される。
【0006】以上に示したように、上記DXHS LMSを用い
た適応制御のアルゴリズムにおいては、係数更新のため
の畳み込み演算を必要とせず、参照信号の生成において
も畳み込み演算は不要であり、そのため、周期性の振動
あるいは騒音において、その基本波とその高次成分を制
御対象とした場合に、入力に外部からの高調波信号を必
要としない。また内部で仮想入力の算出を行うことなし
に基本周期のみから演算処理が可能であり、フィルタ係
数更新及び参照信号生成のための畳み込み演算も不要と
なる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両等の振
動制御のために使用される上記各適応制御法を用いた能
動的振動制御方法においては、制御コストを抑える為に
低コストのマイクロコンピュータが使用される。この場
合、特に制御演算部分において、演算負荷が大きい浮動
小数点演算を採用することは困難である為、演算負荷の
小さい固定小数点演算が採用されている。しかるに、固
定小数点演算では、取扱うことができる数値の範囲が小
さく、そのために浮動小数点演算に比べて演算精度が劣
ることになる。さらに、制御対象である車両等では、周
波数によって十分な信号感度が得られない場合があり、
そのような場合には、さらに演算精度が悪化する。この
ように、固定小数点演算では精度の良いフィルタ係数演
算結果が得られないため、出力信号において発散が生じ
るおそれがあった。これに対して、誤差信号を検出する
センサ側で、信号レベルの変化に対応することが可能で
ある。しかし、この場合は、制御対象が変わる毎に専用
のセンサが必要となり、これに対応することは非常に煩
雑であると共にコストも要することになる。
【0008】本発明は、上記した問題を解決しようとす
るもので、制御対象における制御状態の違いによる誤差
信号のレベルが低くなる場合に、固定小数点演算を用い
ても、出力信号の発散を起こさない適正な演算を安価に
行うことができる適応制御法を用いた能動的振動制御方
法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、振動発
生源からの周期性の入力パルス信号に基づいて信号生成
部において入力パルス信号の周波数と同一周波数である
制御周波数の入力信号を形成し、入力信号に対して適応
フィルタの振幅係数及び位相係数の関数であるフィルタ
係数により振幅及び位相補償を行い、振幅及び位相補償
された出力信号が制御対象系の伝達経路を通過した後、
伝達経路通過後の出力と振動発生源からの外力を加算
し、加算の結果である誤差信号と制御対象系の予め規定
された推定伝達関数により入力信号を振幅及び位相処理
した処理信号とに基づいてデジタルフィルタにより振幅
係数及び位相係数の逐次更新を行い、伝達経路通過後の
出力によって外力を抑制するようにした適応制御法を用
いた能動的振動制御方法において、適応制御法による演
算が、固定小数点演算によって行われるものであり、か
つ制御対象系における制御状態に応じて、誤差信号を増
幅手段によって増幅するようにしたことにある。
【0010】上記のように構成した請求項1に係る発明
においては、振動発生源からの周期性の入力パルス信号
に基づいて信号生成部において入力パルス信号の周波数
と同一周波数である制御周波数の入力信号が形成され、
入力信号に対して適応フィルタの振幅係数及び位相係数
の関数であるフィルタ係数により振幅及び位相補償が行
われる。振幅及び位相補償された出力信号が制御対象系
の伝達経路を通過した後、該伝達経路通過後の出力と前
記振動発生源からの外力を加算することにより誤差信号
が得られる。この誤差信号と制御対象系の予め規定され
た推定伝達関数により入力信号を振幅及び位相処理した
処理信号とに基づいてデジタルフィルタにおいて固定小
数点演算により振幅係数及び位相係数の逐次更新が行な
われる。
【0011】ここで、例えば制御対象系のフェールチェ
ックを行うような場合、誤差信号が通常の振幅レベルに
あるので、誤差信号はそのままデジタルフィルタに入力
される。一方、例えば伝達関数の測定時や通常の制御時
のように、誤差信号のレベルが低い場合には、誤差信号
のレベルに応じて信号レベルを高めるために増幅が行わ
れる。そのため、デジタルフィルタに入力される誤差信
号のレベルが常に適正な値にされる。その結果、演算精
度が必ずしも十分ではない固定小数点演算を採用するこ
とによっても、浮動小数点演算を行なった場合と同様
に、出力信号の発散の起こらない適正な演算を行うこと
ができる。
【0012】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の適応制御法を用いた能動
的振動制御方法において、増幅手段が、制御対象系にお
ける制御状態の違いに応じた複数の異なる増幅度の増幅
器と、誤差信号入力線のいずれかの増幅器への接続を切
り替える切替手段とを備えており、制御対象系における
制御状態の違いに応じて切替手段により対応する増幅器
に接続が切り替えられることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。図1は、同実施形態である車両に適
用されたDXHS LMSによる適応制御法を用いた能動的振動
除去システムを模式図により概略的に示し、図2はエン
ジンマウントを断面図により概略的に示し、図3は振動
除去システムの能動制御構成をブロック図により示した
ものである。振動除去システムは、車体10に搭載され
たアクチュエータ搭載エンジンマウント20と、振動発
生源であるエンジン11の回転数を検知する回転数セン
サ12と、シート13の下に設けられたピックアップ加
速度センサ14と、電気制御装置30とを備えている。
【0014】エンジンマウント20は、例えば図2に示
すように、筒状のケース21内に、防振ゴム22と、防
振ゴム22の下方にエンジンの動的変位を制御する電磁
式アクチュエータ23を備えている。防振ゴム22は、
ケース21の内壁に固定されると共に、固定金具24に
取り付けられている。固定金具24には、防振ゴム22
のストッパ部22aが、ケース21の一端に向けて設け
られている。固定金具24の軸心位置には、固定軸25
が軸方向に向けて取り付けられており、その先端がケー
ス21の一端側に設けた貫通穴21aから突出してい
る。ケース21の他端には、固定軸26が設けられてい
る。エンジンンマウント20は、固定軸26によって車
体10に固定され、固定軸25にエンジン11を取り付
けることにより、エンジン11を支持している。
【0015】エンジン11のクランク軸には回転数セン
サ12が取り付けられており、またシート13の下部に
はピックアップ加速度センサ14が取り付けられてい
る。回転数センサ12は、クランク軸回転パルス信号を
出力し、これに基づいて制御部31は、出力信号の基本
周波数を決定する。また、ピックアップ加速度センサ1
4は誤差信号を出力し、システムの位相特性も予め測定
して出力する。
【0016】振動除去システムの電気制御装置30は、
マイクロコンピュータよりなる制御部31を備えてお
り、その一部に増幅部32と、DXHS LMSによる適応制御
部40を設けている。制御部31の入力側には、上記回
転数センサ12及びピックアップ加速度センサ14が接
続されている。ピックアップ加速度センサ14は、増幅
部32を介して適応制御部40に接続されている。増幅
部32は、2つの増幅器33a,33b及び単なる信号
線33cと、切替スイッチ33dとを備えている。切替
スイッチ33dは、制御部31の指令に応じてピックア
ップ加速度センサ14の入力線と、各増幅器33a,3
3b及び単なる信号線33cのいずれか1つとの接続を
切り替える。増幅器33aは、増幅度A(A>1)であ
り、増幅器33bは増幅度B(B>A)である。制御部
31の出力側は、パルス幅変調ドライバ(PWMドライ
バ)34を介してエンジンマウント20のアクチュエー
タ23に接続されている。
【0017】適応制御部40は、図3(a)に示すよう
に、基本的には図6に示したDXHS LMSを用いた適応制御
系で構成され、これに加えてさらに誤差信号をデジタル
フィルタ45に入力する信号線に上記増幅部32の増幅
器33a,33b及び信号線33cと、切替スイッチ3
3dが配設されている。なお、図3(b)に示すよう
に、増幅部32は、各増幅器33a,33bの前にそれ
ぞれACカップリング用コンデンサ33f,33eを配
設してもよい。その結果、温度等の環境要因及び各増幅
器自体によるドリフトを対策することができる。
【0018】つぎに、実施形態の動作について説明す
る。例えば制御状態として、誤差信号としてゼロ点を固
定し5Vで貼り付けたフェールチェックを行う場合はノ
ーマルゲイン(増幅度1)であり、実際の振動制御時は
増幅ゲイン(増幅度A>1)とし、制御系の伝達関数を
測定するときは増幅ゲイン(増幅度B>A)を採用する
ことが、予め規定されているとする。
【0019】制御が伝達関数測定の場合、制御部31
は、回転数センサ12からの入力パルス信号sに基づい
て周波数判定部41において制御周波数を算出すると共
に、制御周波数の正弦波信号である入力信号xを出力す
る。つぎに、制御部31は、入力された誤差信号eを処
理する。ここでは、増幅ゲインBが採用されるので、制
御部31は、切替スイッチ33dによって誤差信号入力
線の接続を増幅器33bに切り替える。増幅器33bに
よって増幅された誤差信号eと、制御対象系の予め規定
された推定伝達関数44により入力信号xを処理して得
られた処理信号gとを用いて、デジタルフィルタ45に
より振幅係数a及び位相係数φの更新処理が行われ、更
新された振幅係数a及び位相係数φが出力される。さら
に、制御部31は、適応フィルタW42においては、更
新されたフィルタ係数によって、入力信号xの振幅補償
及び位相補償を行い、出力信号yを出力する。
【0020】また、実際の振動制御時は、制御部31
は、入力された誤差信号eを処理するにあたって、切替
スイッチ33dによって入力線の接続を増幅器33aに
切り替える。これにより、誤差信号が増幅度Aに増幅さ
れ、デジタルフィルタ45に入力される。このようにレ
ベルの高められた誤差信号により、デジタルフィルタ4
5において、振幅係数a及び位相係数φの更新処理が発
散の生じないように適正に行われる。さらに、フェール
チェックのときは、増幅ゲインが1なので、制御部31
は、入力された誤差信号eを処理するにあたって、切替
スイッチ33dにより入力線の接続を信号線33cに切
り替えて、通常の適応制御を行う。
【0021】以上に説明したように、本実施形態におい
ては、例えば制御系のフェールチェックを行う場合のよ
うに、誤差信号が通常の振幅レベルにあるときは、誤差
信号はそのままデジタルフィルタに入力される。又、例
えば伝達関数の測定時や通常の制御時のように、誤差信
号の振動レベルが低い場合には、誤差信号のレベルに応
じて信号レベルを高めるために増幅が行われる。このよ
うに、本実施形態においては、制御対象系における制御
状態に応じて、デジタルフィルタ45に入力される誤差
信号eの信号レベルが低い場合には、レベルに応じて適
正に増幅されるため、デジタルフィルタ45に入力され
る誤差信号eのレベルが常に適正な値にされる。
【0022】その結果、制御部31は、演算精度が必ず
しも十分ではない固定小数点演算を採用しているが、こ
れによっても浮動小数点演算と同様に、出力信号の発散
の起こらない適正な演算を安価に行うことができる。さ
らに、制御部31によって、誤差信号のレベルを変更で
きるため、本発明を適用する相手車両等が変った場合で
も、異なる仕様のセンサを用意する必要がない。
【0023】なお、上記実施形態においては、制御形態
として、フェールチェックの場合はノーマルゲイン(増
幅度1)であり、実際の振動制御時は増幅ゲイン(増幅
度A)とし、制御系の伝達関数を測定するときは増幅ゲ
イン(増幅度B>A)としたがこれに限るものではな
く、制御対象系における制御状態に応じて適宜変更され
る。例えば、フェールチェックの場合及び実際の振動制
御の場合はノーマルゲインとし、制御系の伝達関数を測
定するときのみ増幅ゲインとすることがある。また、実
際の振動制御の場合のみを増幅ゲインとし、制御系の伝
達関数を測定するとき及びフェールチェックのときに、
ノーマルゲインとすることがある。さらに、フェールチ
ェック、実際の振動制御及び制御系の伝達関数測定のい
ずれにおいても、増幅ゲインとすることがある。その他
の組合せの場合も可能である。
【0024】つぎに、上記実施形態の具体的実施例につ
いて説明する。図4に示すように、振動制御において、
演算が固定小数点演算であり、増幅部を従来のようにノ
ーマルゲインとしたときの振動レベル(図中の点線で示
す)は、浮動小数点演算としたときの振動レベル(図中
の細い実線で示す)より大幅に劣っていることが明らか
である。これに対し、振動制御において、信号レベルに
応じて増幅部33が増幅器33aに切り替えられたとき
の振動レベル(図中の太い実線で示す)は、演算を浮動
小数点としたときの振動レベルとほぼ同等になり、ノー
マルゲインの時に比べて格段に振動レベルが改善され
た。
【0025】なお、上記各実施形態においては、DXHS L
MSによる適応制御を用いた振動除去システムについて説
明しているが、本発明をFiltered-X LMS等による他の適
応制御系に対しても同様に適用することができる。ま
た、上記実施形態では、自動車のエンジン振動に伴う制
御対象系の振動を除去するため用いられているが、本発
明に係る振動除去システムをその他の振動発生系におけ
る周期性振動や騒音の除去にも用いることができる。
【0026】
【発明の効果】上記請求項1の発明によれば、デジタル
フィルタに入力される誤差信号のレベルが常に適正な値
に維持されるため、誤差信号の演算処理において、演算
精度が必ずしも十分ではない固定小数点演算を採用する
ことによっても、演算精度のよい高価な浮動小数点演算
の場合と同様に、出力信号の振幅あるいは位相に発散の
起こらない適正な演算を安価に行うことができる。さら
に、誤差信号を制御によって変更できるため、本発明を
適用する相手車両等が変った場合でも、異なる仕様のセ
ンサを用意する必要がない。また、制御対象系における
制御状態の違いに応じて切替手段により対応する増幅器
に切り替えられるため、常に増幅手段によって誤差信号
を適正なレベルにすることができる(請求項2の発明の
効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるDXHS LMSによる適応
制御法を用いた能動的振動除去システムを概略的に示す
模式図である。
【図2】同振動除去システムを適用した車両に使用され
るエンジンマウントの一例を示す一部断面図である。
【図3】同振動除去システムの適応制御系(DXHS LMS)
を示すブロック図である。
【図4】具体的実施例である、固定小数点演算における
誤差信号がノーマルゲインのとき及び増幅ゲインのとき
の振動レベルとエンジン回転数(周波数)との関係、及
び比較例である浮動小数点演算における振動レベルとエ
ンジン回転数(周波数)との関係を示すグラフである。
【図5】従来例である適応制御系(Filtered-X LMS)を
示すブロック図である。
【図6】従来例である適応制御系(DXHS LMS)を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
10…車体、11…エンジン、12…回転数センサ、1
4…ピックアップ加速度センサ、20…エンジンマウン
ト、23…アクチュエータ、30…電気制御装置、31
…制御部、32…増幅部、33a,33b…増幅器、3
3c…信号線、33d…切替スイッチ、33e,33f
…ACカップリング用コンデンサ、35…振動発生源、
36…伝達系、40…適応制御部、42…適応フィルタ
W、43…制御対象系伝達経路(伝達関数G)、44…
推定伝達関数G^、45…デジタルフィルタ(DXHS LM
S)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伏見 武彦 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 3D035 CA31 CA35 5H004 GA09 GA34 GA40 GB12 HA12 HB08 HB09 JB17 KC12 KC33 LB10 MA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生源からの周期性の入力パルス信
    号に基づいて信号生成部において該入力パルス信号の周
    波数と同一周波数である制御周波数の入力信号を形成
    し、該入力信号に対して適応フィルタの振幅係数及び位
    相係数の関数であるフィルタ係数により振幅及び位相補
    償を行い、振幅及び位相補償された出力信号が制御対象
    系の伝達経路を通過した後、該伝達経路通過後の出力と
    前記振動発生源からの外力を加算し、該加算の結果であ
    る誤差信号と前記制御対象系の予め規定された推定伝達
    関数により前記入力信号を振幅及び位相処理した処理信
    号とに基づいてデジタルフィルタにより前記振幅係数及
    び位相係数の逐次更新を行い、前記伝達経路通過後の出
    力によって前記外力を抑制するようにした適応制御法を
    用いた能動的振動制御方法において、 前記適応制御法による演算が、固定小数点演算によって
    行われるものであり、かつ前記制御対象系における制御
    状態に応じて、前記誤差信号を増幅手段によって増幅す
    るようにしたことを特徴とする適応制御法を用いた能動
    的振動制御方法。
  2. 【請求項2】 前記増幅手段が、前記制御対象系におけ
    る制御状態の違いに応じた複数の異なる増幅度の増幅器
    と、誤差信号入力線のいずれかの増幅器への接続を切り
    替える切替手段とを備えており、前記制御対象系におけ
    る制御状態の違いに応じて前記切替手段により対応する
    増幅器に接続が切り替えられることを特徴とする前記請
    求項1に記載の適応制御法を用いた能動的振動制御方
    法。
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Cited By (8)

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