JP2003194665A - 風洞装置、気流遮蔽板、半密閉型風洞用の壁体ユニット - Google Patents

風洞装置、気流遮蔽板、半密閉型風洞用の壁体ユニット

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JP2003194665A
JP2003194665A JP2002299299A JP2002299299A JP2003194665A JP 2003194665 A JP2003194665 A JP 2003194665A JP 2002299299 A JP2002299299 A JP 2002299299A JP 2002299299 A JP2002299299 A JP 2002299299A JP 2003194665 A JP2003194665 A JP 2003194665A
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chamber
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reinforcing member
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JP2002299299A
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Toshifumi Kudo
敏文 工藤
Koji Tanaka
浩二 田中
Yoshinao Komatsu
由尚 小松
Tsutomu Yamaguchi
勉 山口
Masaharu Nishimura
正治 西村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空力性能と音響性能をともに精度よく計測可
能な風洞装置等を提供することを目的とする。 【解決手段】 風洞の測定胴1に音波透過壁100を設
置し、供試体15に対する空力性能を測定する空力計測
室200と、供試体15に対する音響性能を測定する第
1〜第3の音響計測室300a,300b、300cと
に測定胴1を仕切る。音波透過壁100は、音波を透過
する多孔体101と、多孔体101の空力計測室200
に対向する側の面を覆う繊維状部材102とから構成さ
れている。これにより、気流が多孔体101に接するこ
とによって生じる音は繊維状部材102により低減され
るため、第1〜第3の音響計測室300a,300b、
300c内では供試体15の音響性能を好適に計測する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風洞の測定胴内に
供試体を配置し、測定胴内で供試体の音響性能および空
力性能を計測する風洞装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば航空機や自動車の空力性
能、音響性能等を計測するために風洞が使用されてい
る。計測に使用される風洞としては、内部の空気が回流
する回流形風洞、風洞の両端が開口している吸い込み形
風洞、押込み形風洞がある。図20は、回流形風洞の全
体の概略構成図を示したものである。同図において、測
定胴1には、第1拡散胴2,第1屈曲胴3,第1異形胴
4,第2屈曲胴5,送風機6,第2異形胴7,第2拡散
胴8,第3屈曲胴9,第4屈曲胴10,整流胴11,お
よび縮流胴12が循環路を構成するように連結されてい
る。送風機6は、電動機13によって駆動される。ま
た、上記風洞の各角部に位置する第1屈曲胴3,第2屈
曲胴5,第3屈曲胴9および第4屈曲胴10には、それ
ぞれ変流翼14が設けられている。上記のように構成さ
れた回流形風洞は、送風機6で発生した気流が風洞内を
矢印で示す方向に循環し、測定胴1において供試体の空
力性能、音響性能等が計測される。
【0003】ところで、回流形風洞には、密閉型風洞、
開放型風洞および半密閉型風洞の3種類がある。以下、
図面を用いて、密閉型風洞、開放型風洞および半密閉型
風洞の特徴を説明する。
【0004】図21は、密閉型風洞の測定胴1に供試体
15を配置した状態を示す図である。図21に示すよう
に、送風機6で発生した気流は、縮流胴12を通過して
密閉型風洞の測定胴1内に流れ込む。密閉型風洞の測定
胴1は後述する開放型風洞の測定胴よりも小サイズであ
り、供試体15の空力性能、すなわち、測定胴1内に流
入した気流により供試体15に生じる揚力、抗力等を計
測するのに適した構造となっている。なお、測定胴1の
周辺部、より具体的には供試体15の下流側には、供試
体15の空力性能を計測する計測機器(図示せず)が設
置される。
【0005】図22は、開放型風洞の測定胴1に供試体
15を配置した状態を示す図である。図22に示すよう
に、開放型風洞の測定胴1は、前述した密閉型風洞の測
定胴1よりも数倍大きく構成されている。また、測定胴
1の上部内壁には、吸音材16が装着されており、測定
胴1内は、広く開放されたいわゆる無響室となってい
る。送風機6で発生した気流は、縮流胴12を通過して
測定胴1に流れ込む。ここで、開放型風洞の測定胴1
は、縮流胴12の先端開口部の高さよりも数倍大きな高
さを有するため、気流は噴流となって無響室内に広がる
構成となっている。このように、噴流が発生する広大な
スペースを有する風洞を、本明細書では開放型風洞と称
するものとする。開放型風洞は供試体15の音響性能を
計測するのに適した構造となっており、無響室内に設置
されたマイクロホン400により、供試体15が発生す
る音波が計測される。
【0006】図23は、半密閉型風洞の測定胴1に供試
体15を配置した状態を示す図である。図23に示す半
密閉型風洞は、図21に示した密閉型風洞の改良型であ
る。半密閉型風洞は、その測定胴1を構成する壁にスリ
ット,スロット等の空隙Sが設けられており、スロテッ
ドウォールとも呼ばれている。縮流胴12を通過して測
定胴1内に流れ込んだ気流の一部は、空隙Sから測定胴
1外部に流出する。このように、測定胴1を構成する壁
に空隙Sを設けているのは、密閉型風洞におけるブロケ
ージ比の影響を低減するためである。ここで、ブロケー
ジ比とは、測定胴1に対する供試体15の断面積の比率
をいう。ブロケージ比が数%以下でないと、供試体15
に対する空力性能を正確に計測できないことが知られて
いるが、半密閉型風洞によれば、密閉型風洞を用いる場
合よりも大きな供試体15を使用して空力性能を計測で
きるという利点がある。
【0007】
【特許文献1】特開2002−62215号公報(図1
〜図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した密閉型風洞お
よび半密閉型風洞は、供試体15に対する空力性能を計
測するのに適した構造である。しかしながら、これらを
用いて音響性能を計測しようとすると、以下のような問
題が生じる。密閉型風洞の測定胴1に音響計測用のマイ
クロホン400を設置したとしても、流れのある測定胴
1内部で音を計測することとなり、気流中のマイクロホ
ン400が発生する二次的な音や、測定胴1壁面での音
波の反射による増音等があり、正確な音響性能の計測は
困難である。また、気流速度によっては、マイクロホン
400が気流によって吹き飛ばされてしまうこともあ
る。また、半密閉型風洞では、流路内部で発生した音波
は、壁面の空隙Sを通過するため、流路外部にマイクロ
ホン400を設置すれば音波の計測は可能である。とこ
ろが、半密閉型風洞自体がもつ流力的な発生音(気流が
壁面の空隙Sを通過する際に生じる余計な音)、および
音響的なフィルタ効果により、正確な音響性能の計測は
困難である。
【0009】一方、図22に示した開放型風洞は、供試
体15に対する音響性能を測定するのに適した構造であ
る。この開放型風洞を用いて音響性能を測定する際に
は、無響室内にマイクロホン400を設置するが、この
無響室内では効果的に音響を計測することができる。し
かしながら、無響室を設けるには広大なスペースを要す
るため、風洞装置が大規模となってしまう。また、広大
なスペースを有する無響室内はある意味で自由空間であ
り、自由空間に吹き出す噴流によっては供試体15の空
力性能を誤って計測してしまう傾向がある。したがっ
て、空力性能と音響性能をともに精度よく測定可能な風
洞装置は未だ得られていない。そこで、本発明は、空力
性能と音響性能をともに精度よく計測可能な風洞装置等
を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、風洞の測定胴
内に供試体を配置し、当該供試体の性能を計測する風洞
装置において、前記供試体を収容し、供試体に対する空
力性能を測定する第1の室と、供試体に対する音響性能
を測定する第2の室と、第1の室と第2の室を仕切る、
音波を透過する多孔体と当該多孔体の第1の室に対向す
る側の面を覆う起毛部材とからなる音波透過壁と、を備
えたことを特徴とする風洞装置を提供する。本発明の風
洞装置によれば、1つの風洞装置を用いて供試体に対す
る空力性能と音響性能を精度よく計測することが可能と
なる。音波透過壁を構成する多孔体において、開口率を
30〜98%とすることによって、供試体が発生する音
波を第2の室に効果的に透過させることができる。ここ
で、多孔体としては、ハニカム構造あるいは発泡性多孔
質金属を板状にしたものやパンチング・メタル等の多孔
板を用いることができる。多孔体としてハニカム構造あ
るいは発泡性多孔質金属を板状にしたものを用いる場合
には開口率を30〜98%、パンチング・メタル等の多
孔板を用いる場合には開口率を30〜60%程度とする
ことが好ましい。
【0011】また、第1の室は、対向して配置されかつ
各々空隙が形成された一対の側壁、この一対の側壁を繋
ぐ床および音波透過壁により区画された構成とすること
ができる。ここで、側壁の空隙に面している部分を起毛
部材で覆うことによって、空隙を通過する気流の音を低
減することができる。さらに、本発明は、対向して配置
される一対の側壁、この一対の側壁を繋ぐ床および音波
透過壁により第1の室を区画し、第1の室を流通する気
流の流通方向における側壁の下流側に、気流が外部に通
過可能な通過窓を有する風洞装置を提供する。気流が外
部に通過可能な通過窓を設けることによって、ブロケー
ジ比による影響を大幅に低減することが可能となる。こ
こで、第1の室を流通する気流の流通方向における下流
側かつ第1の室と第2の室との境界部分に、気流の流路
を制御する流路制御部材、例えばフラップを備えること
が望ましい。本発明の風洞装置において、第2の室は、
対向して配置される一対の側壁、この一対の側壁を繋ぐ
天井および音波透過壁により区画することができる。こ
こで、一対の側壁および天井における第2の室に臨む面
には、音波を吸収する吸音材を設けることが供試体の音
響性能を計測する上で有効である。
【0012】さらに本発明は、対向して配置される一対
の側壁と、この一対の側壁を繋ぐ床と、この床に対して
所定の間隔をもって対向配置され、かつ一対の側壁を繋
ぐ天井と、を備えて測定胴を構成し、一対の側壁の少な
くとも一部が複数の管状部材を高さ方向に配置すること
により構成され、管状部材間に間隙が形成されているこ
とを特徴とする風洞装置を提供する。複数の管状部材に
より構成した側壁において、管状部材間に形成された空
隙が測定胴内と外部の気流の流通路として機能する。ま
た、測定胴を流通する気流の流通方向における側壁の下
流側に、気流が外部に通過可能な通過窓を有するような
構成を採用することもできる。さらには、側壁の供試体
と対向する側または側壁の供試体と対向しない側に、管
状部材同士を連結する補強部材を1または複数設けるこ
とが望ましい。ここで、補強部材を、気流の流通方向に
おける通過窓の上流側前縁に設けるようにしてもよい。
また、側壁の供試体と対向しない側に、補強部材の周囲
の流れを管状部材に対して平行流にする導風板をさらに
設けることも効果的である。
【0013】さらにまた、側壁の供試体と対向しない側
に、管状部材を支持する支持部材をさらに設けること
が、側壁の強度を向上させる上で好ましい。この支持部
材は、側壁の上部で補強部材または管状部材に接合され
て側壁を支持する支持アームと、側壁と所定距離隔てた
位置に配置され、支持アームを介して側壁を支持する支
持ベースとで構成することができる。また、本発明にお
いて、上述した測定胴の側壁側または天井側に、供試体
に対する音響性能を測定する音響計測室を少なくとも1
つ設けることも、もちろん可能である。
【0014】さらに本発明は、風洞装置の測定胴内に設
置される気流遮蔽板であって、音波を透過する発泡型の
多孔質金属からなる基板と、基板の表面または裏面の少
なくとも一方の面を覆う起毛部材とを備えたことを特徴
とする気流遮蔽板を提供する。さらにまた本発明は、複
数の管状部材を高さ方向に配置することにより構成さ
れ、かつ当該管状部材間に間隙が形成されている壁と、
この壁を支持する支持アームと、壁と所定距離隔てた位
置に配置され、支持アームを介して壁を支持する支持ベ
ースとを備えたことを特徴とする半密閉型風洞用の壁体
ユニットを提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。第1実施形態〜第3実施形態では、
供試体15が自動車である場合の構成例を示す。第4実
施形態では、供試体15が航空機である場合の構成例を
示す。第1実施形態〜第4実施形態における風洞装置は
いずれも回流形風洞であり、基本的な構成は従来技術で
示した回流形風洞と同様である。なお、従来と同一の部
分には同一の符号を付してある。
【0016】(第1実施形態)本発明の第1実施形態に
係る風洞装置について、図1を参照して説明する。図1
(a)は測定胴1の側断面図、同図(b)は図1(a)
のA−A断面図である。また図1(c)は音波透過壁1
00の側断面図である。図1(b)に示すように、第1
実施形態における測定胴1には、音波透過壁100が3
つ設けられており、この3つの音波透過壁100によっ
て測定胴1は4つの室、すなわち、空力計測室200と
第1の音響計測室300a、第2の音響計測室300
b、第3の音響計測室300cに仕切られている。
【0017】はじめに、空力計測室200について説明
する。空力計測室200は、供試体15の空力性能を計
測するために用いられ、供試体15は空力計測室200
内に配置される。ここで、供試体15の空力性能とは、
空力計測室200内を流れる気流によって供試体15に
生じる揚力および抗力等をいう。供試体15の空力性能
は、空力計測室200の周辺部分に設けられた計測機器
(図示せず)によって計測される。
【0018】図1(a)に示したように、空力計測室2
00には、上流側に縮流胴12を構成するノズル23の
先端が連結され、下流側に第1拡散胴2を構成するディ
フューザ24の先端が連結される。ノズル23およびデ
ィフューザ24の先端開口部は、ほぼ同じ大きさに設定
され、供試体15の正面から見た大きさに比較して5〜
50倍程度の開口面積を有している。なお、供試体15
は、自動車の場合、実車の1/10〜1/1(実車)程
度の大きさに設定される。また、空力計測室200の上
流端および下流端の大きさは、ノズル23およびディフ
ューザ24の先端開口部とほぼ同じ大きさに設定され
る。なお、空力計測室200の上流端から下流端までの
長さは、従来の測定胴と同程度の長さを有している。
【0019】以上の構成を有する空力計測室200の上
部および左右には、第1〜第3の音響計測室300a〜
300cがそれぞれ設けられている。この第1〜第3の
音響計測室300a〜300cは、供試体15の音響性
能を計測するために用いられる。図1(a)および図1
(b)に示したように、第1〜第3の音響計測室300
a〜300cの内壁には音波を吸収する吸音材16が装
着されている。この吸音材16によって、音波の反射が
防止され、正確な音響計測が可能となる。吸音材16と
しては、例えば楔状のもの、あるいは平板状の吸音ボー
ド、グラスウール等が用いられる。空力計測室200の
上部に設けられる第1の音響計測室300aの高さは、
空力計測室200の高さよりも低く形成することが可能
である。具体的には、吸音材16の高さを50cm〜1
m、第1の音響計測室300aの高さを1.5m〜2m
程度とすることができる。
【0020】また、第1〜第3の音響計測室300a〜
300cには音響計測用のマイクロホン400が設置さ
れる。マイクロホン400は、上述した吸音材16と後
述する音波透過壁100との間に1本あるいは複数本設
置され、計測装置(図示せず)に接続される。第1〜第
3の音響計測室300a〜300cに設けられるマイク
ロホン400の数は、計測内容に応じて任意に設定され
る。
【0021】次に、本発明の最も特徴的な部分である音
波透過壁100について説明する。図1(a)および図
1(b)に示したように、音波透過壁100は、上述し
た空力計測室200と第1〜第3の音響計測室300a
〜300cとの境界面に設置され、音波透過壁100に
より、測定胴1は空力計測室200と第1〜第3の音響
計測室300a〜300cに仕切られる。音波透過壁1
00の前端はノズル23の先端開口部に、そして音波透
過壁100の後端はディフューザ24の先端開口部に一
致している。よって、音波透過壁100は、ノズル23
からディフューザ24までの気流の流路を形成すると共
に、空力計測室200側から第1〜第3の音響計測室3
00a〜300c側に流入しようとする気流を遮蔽す
る。
【0022】次に、図1(c)を用いて、音波透過壁1
00の構造を説明する。図1(c)に示すように、音波
透過壁100は、多孔体101と繊維状部材(起毛部
材)102とで構成されている。多孔体101として
は、発泡型の多孔質金属、例えばステンレス系の金属か
らなる多孔体を用いることができる。発泡型の多孔質金
属を多孔体101として用いる場合には、所定の気孔
率、つまり、供試体15によって発生される気流音を透
過する程度の気孔率を有していることが求められる。な
お、多孔体101として発泡型の多孔質金属を用いる場
合の厚みは約10mm程度とすればよい。
【0023】多孔体101の表面、より具体的には多孔
体101の空力計測室200に対向する側の面は、繊維
状部材102によって覆われている。繊維状部材102
としては、メッシュ状のベース102aに細い柔毛10
2bを植毛したものを用いることができる。繊維状部材
102を構成する柔毛102bは、1本1本が非常に細
く柔らかいため、気流に逆らわず、反力(圧力変動)が
発生しない。よって、繊維状部材102は、気流と多孔
体101とが接することによって生じる音を低減する役
割を果たす。しかも、繊維状部材102を構成するベー
ス102aはメッシュ状であるから、供試体15によっ
て発生される気流音は透過するのである。繊維状部材1
02としては、例えば、表面が起毛したぬいぐるみ作製
用の布を好適に用いることができる。なお、メッシュ状
のベース102aに細い柔毛102bを植毛して繊維状
部材102を構成するのみならず、多孔体101に柔毛
102bを直接植毛してもよい。
【0024】こうした構成を有する音波透過壁100に
よれば、空力計測室200から第1〜第3の音響計測室
300a〜300c側に流入しようとする気流を遮蔽す
る一方で、空力計測室200内で供試体15が発生する
気流音を第1〜第3の音響計測室300a〜300c内
に容易に透過させることができる。しかも、繊維状部材
102が気流と多孔体101とが接することによって生
じる音を低減するため、供試体15に対する音響性能を
より正確に行うことが可能となる。
【0025】音響性能の計測に際しては、上述の通り供
試体15を空力計測室200に配置し、縮流胴12のノ
ズル23から例えば流速10〜100m/s程度の気流
を測定胴1内に流入させる。そして、この気流により供
試体15から発生する気流音を音波透過壁100を介し
て、第1〜第3の音響計測室300a〜300c内に透
過させ、第1〜第3の音響計測室300a〜300c内
に設置されたマイクロホン400を用いて供試体15の
音響性能を計測するのである。音響性能の計測に際して
は、供試体15を遠隔操作により例えば左右前後に適宜
移動させる等、各種の条件を与えて計測する。そして、
得られた音響計測値から音のマップを作成し、供試体1
5の音響性能を求める。
【0026】なお、繊維状部材102の音の吸収率を予
め設定しておき、この設定された吸収率に基づき第1〜
第3の音響計測室300a〜300cで測定された音響
計測結果を補正することによって、より正確な供試体1
5の音響性能を計測することが可能となる。
【0027】また、図2に示すように、パンチング・メ
タル等の多孔板101Aを用いて多孔体101を構成し
てもよい。多孔板101Aを多孔体101として用いる
場合には、その板厚を約2〜5mm程度とすればよい。
多孔体101の孔の径は特に問題とならないが、開口率
が30〜98%、好ましくは40〜60%であることが
望ましい。多孔体101の開口率が30%以上になる
と、供試体15によって発生される気流音が音波透過壁
100を効果的に透過するからである。多孔体101と
してハニカム構造あるいは発泡性多孔質金属(例:セル
メット=商品名)を板状にして用いることが可能である
が、この場合の開口率は最大98%となる。但し、この
ようなものを用いる場合は、構造強度上補強することが
必要となり、繊維状部材102の貼付けについても工夫
が必要となる。よって、気流音の音波透過および構造強
度面を考慮すると、多孔体101としては開口率40〜
60%を有するパンチング・メタル等の多孔板101A
を用いるのが好ましい。
【0028】図3(a)は、本発明の第1実施形態に係
る風洞装置において、音波透過壁100を補強材500
で支持した状態を示す図である。図3(b)は補強材5
00の斜視図である。図3(a)に示すように、測定胴
1は長さが約20m、幅が約8m、と広大な専有面積を
有している。そして、測定胴1を空力計測室200と第
1〜第3の音響計測室300a〜300cに仕切る音波
透過壁100は、前述の測定胴1の専有面積と同等の面
積を有することとなる。こうした広大な面積を有する音
波透過壁100を単体で作製するよりも、パネル状に形
成された複数の多孔体101(または多孔板101A)
を組み合わせて音波透過壁100を作製する方が有利で
ある。この場合には、補強材500を用いて、多孔体1
01と多孔体101との間、つまり継ぎ目を接合するこ
とが好ましい。
【0029】補強材500としては、例えば図3(b)
に示すような逆T字状のものを用いることができる。こ
こで、図3(b)に示したように、補強材500のフラ
ンジ部分501は、音波透過壁100に接する部分とな
る。そして、このフランジ部分501の幅xが大きくな
ると、音波透過壁100における音響透過面積を狭める
こととなるため、フランジ部分501の幅xは必要最小
限の大きさとすることが好ましい。本実施の形態では、
下記式1に基づき、フランジ部分501の幅x(m)を
設定することを提案する。
【0030】
【式1】x≦λmin/4=C/4fmax
【0031】式1において、λ:波長(λmin:最小波
長)、C:音速(m/s)、f:対象周波数(fmax
対象最大周波数)(Hz)である。ここで、対象周波数
とは、耳で聴きたい音を示しており、供試体15が航空
機である場合には、通常、20〜50kHzが対象周波
数となる。また、フランジ部分501の幅xのみなら
ず、フランジ部分501の長さyについても考慮するこ
とが好ましいが、音波透過壁100の性能を保つために
は幅xの方が長さyよりも影響が大きい。よって、第1
実施形態においては長さyを無限大と仮定し、式1にお
いては幅xのみを考慮している。
【0032】以上説明の通り、本発明によれば密閉型風
洞を用いて供試体15の空力性能のみならず、音響性能
についても計測することが可能となる。つまり、大きな
スペースを要する無響室を設けることなく供試体15の
音響性能を計測することができるため、装置の小型化を
図ることができる。また、既存の密閉型風洞に本発明の
音波透過壁100を設置することにより、供試体15の
音響性能および空力性能を計測可能な風洞を得ることが
できる。
【0033】(第2実施形態)本発明の第2実施形態に
係る風洞装置について、図4を参照して説明する。第1
実施形態と同様に、第2実施形態においても、音波透過
壁100は多孔体101(または多孔板101A)と繊
維状部材102とで構成されており、音波透過壁100
により空力計測室200と第1〜第3の音響計測室30
0a〜300cとが仕切られている。以下、図面を用い
て、第1実施形態と異なる、第2実施形態に特有の部分
について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分に
は同一の符号を付してある。
【0034】図4(a)は第2実施形態に係る測定胴1
Aの側断面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面
図、同図(c)は測定胴1Aの壁面の部分拡大図であ
る。図4(a)に示すように、第2実施形態における測
定胴1Aは、供試体15が配置される空力計測室200
の側壁201には空隙Sが形成されている。ノズル23
から空力計測室200内に流入する気流の一部は、空隙
Sを通過して空力計測室200外部へ流出する。つま
り、第1実施形態で示した測定胴1が密閉型構造であっ
たのに対し、第2実施形態における測定胴1Aは、いわ
ゆるスロテッドウォール、つまり半密閉型の構造となっ
ている。なお、側壁201の開口率は20〜40%とす
ることが好ましい。
【0035】次に図4(c)を用いて、側壁201の構
成を説明する。側壁201は、第1実施形態で示した多
孔体101(または多孔板101A)と繊維状部材10
2を用いて構成することができる。図4(c)に示すよ
うに、表面が繊維状部材102で覆われた多孔体101
を所定間隔隔てて平行に配置することにより空隙Sを形
成し、かつ側壁201のうち空隙Sに面している部分を
繊維状部材102で覆うことができる。これにより、空
力計測室200内の気流が空隙Sを通過して空力計測室
200外部に流出する際の音は繊維状部材102によっ
て低減される。また、空力計測室200外部に一旦流出
した気流が、再度、空力計測室200内に流入する際の
音についても繊維状部材102によって低減される。し
たがって、空隙Sを通過する際に生じる気流音を排除し
つつ、供試体15によって生ずる気流音をマイクロホン
400により計測することが可能となる。
【0036】また、半密閉型構造の測定胴1Aを用いた
場合には、密閉型構造の測定胴1を用いた場合よりもブ
ロケージ比による影響を低減することができる。よっ
て、半密閉型構造の測定胴1Aによれば、供試体15が
大型車である場合であっても、効果的に供試体15の空
力性能および音響性能を計測することが可能となる。
【0037】次に、第2実施形態の変形例について図5
を用いて説明する。図5に示すように、側壁201A
は、有壁部分201aと無壁部分(通過窓)201bと
で構成される。有壁部分201aは上述の場合と同様
に、多孔体101(または多孔板101A)と繊維状部
材102により構成されている。一方、無壁部分201
bは空力計測室200の外部と貫通しており、有壁部分
201aに設けられている空隙Sを通過して空力計測室
200外部に流出した気流が、無抵抗で流路内に戻れる
ようになっている。また、空隙Sの下流側の端部は開放
された構造となっている。このように、側壁201Aに
無壁部分201bを設けることによって、ブロケージ比
による影響をより一層低減することができる。
【0038】(第3実施形態)本発明の第3実施形態に
係る風洞装置について、図6を参照して、第1実施形態
および第2実施形態と異なる、第3実施形態に特有の部
分について説明する。なお、第1実施形態および第2実
施形態と同一の部分には同一の符号を付してある。図6
(a)は第3実施形態に係る測定胴1Bの側断面図、同
図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は測
定胴1Bの壁面の構成を示す図である。図6(a)に示
すように、第3実施形態における測定胴1Bは、供試体
15が配置される空力計測室200の側壁201Bには
空隙(流通路)Sが形成されており、ノズル23から空
力計測室200内に流入する気流の一部は、空隙Sを通
過して空力計測室200外部へ流出する。つまり、第3
実施形態における測定胴1Bは、第2実施形態で示した
測定胴1Aと同様に半密閉型の構造となっている。
【0039】次に図6(c)を用いて、側壁201Bの
構成を説明する。側壁201Bは、複数の管状部材60
0を高さ方向に配置することにより形成される。管状部
材600同士は、溶接その他の方法でその両端が接合さ
れている。また、管状部材600間には空隙Sが形成さ
れており、側壁201Bはいわゆるスロテッドウォール
となっている。なお、側壁201Bの開口率は20〜5
0%とすることが好ましい。
【0040】管状部材600を用いて空隙Sを形成する
ことにより、空隙Sを通過する気流音を大幅に低減する
ことができる。これは、管状部材600の断面形状が円
であるため、空隙Sを通過して空力計測室200外部へ
流出する気流、および空力計測室200外部に一旦流出
し、再度、空力計測室200内に流入する気流が、管状
部材600の外面をスムーズに通過するためである。な
お、管状部材600の断面形状は円に限らず、楕円とし
てもよい。ここで、図6(c)に示したように、管状部
材600の両端を、他の部分よりも径を大きくさせて拡
径部Eを形成し、こうした形状を有する管状部材600
を、その両端がそれぞれ接触するように積み重ね、空隙
Sを形成させると、管状部材600から発生する気流音
をより一層低減することができる。また、管状部材60
0を用いて空隙Sを形成する場合には、管状部材600
の直径(拡径部E以外の直径)x’を20mm程度とす
ることができ、従来のスロテッドウォールと比較して空
隙Sを大きくとることができる。これにより、測定胴1
Bにおける音の反射を、より一層低減することができる
という効果を奏する。ここで,図6(c)に示したよう
に、管状部材600の両端を他の部分よりも径の大きい
拡径部Eとした場合の空隙Sは、その両端が緩やかに閉
じるようになっているため、気流が空隙S端部を通過す
る際に生じる音は従来のスロテッドウォールと比較して
大幅に低減されているが、必要に応じて空隙Sの端部に
繊維状部材102を装着し、気流が空隙S端部を通過す
る際に生じる音をさらに低減することもできる。
【0041】なお、図6では、拡径部Eを有する管状部
材600を同一平面上に積み重ねることによって側壁2
01Bを構成する例を図示したが、管状部材600の形
状は拡径部Eを有するものに限定されないことはもちろ
んである。例えば、図24(a)に示すような径が一様
の管状部材600Aを、支持部材で支持することによ
り、側壁201Bを構成するようにしてもよい。ここ
で、支持部材としては、例えば図24(b)に示すよう
に、管状部材600Aとほぼ同一の曲率を有する曲面部
を2つ備えた支持部材Z1を用いることができる。ま
た、図24(c)に示すように、管状部材600Aを挿
入可能な複数のリングRを所定間隔をあけて配置した支
持部材Z2を用いることにより、管状部材600A同士
を接続し、側壁201Bを構成するようにしてもよい。
なお、管状部材600Aおよび支持部材Z1を用いて側
壁201Bを構成した例を図24(d)に示しておく。
【0042】次に、第3実施形態の変形例1〜7につい
て図7〜図16を用いて説明する。 (変形例1)管状部材600を同一平面上に積み重ねて
形成されている側壁201Bに補強部材Mを設ける例に
ついて、図7を用いて説明する。補強部材Mを側壁20
1Bに設けた状態の測定胴1Bの側断面図を図7(a)
に、同図(a)のA−A断面図を同図(b)に、測定胴
1Bの壁面の拡大図を同図(c)にそれぞれ示す。な
お、図7(b)において、吸音材16およびマイクロホ
ン400の記載は省略してある。図7(a)〜図7
(c)に示すように、補強部材Mは、管状部材600同
士を連結するようにして設置される。上述のように、管
状部材600の両端同士は接合されているが、両端同士
を接合しただけでは側壁201Bとしての強度が十分で
ない。そこで、管状部材600同士を接合して支持し、
かつ管状部材600同士を連結する補強部材Mを設ける
ことによって、管状部材600を側壁201Bとして十
分機能させることが可能となる。なお、管状部材600
と補強部材Mは、溶接または接着剤等で接合されてい
る。
【0043】ここで、図7(b)に示したように、補強
部材Mは管状部材600の外表面かつ第2および第3の
音響計測室300b、300c側に設置される。このよ
うに、補強部材Mを第2および第3の音響計測室300
b、300c側、つまり供試体15に対向しない側に設
置するのは、以下の理由に基づく。すなわち、供試体1
5が配置される空力計測室200側よりも第2および第
3の音響計測室300b、300c側の方が流速が遅
い。そして、流速騒音は、一般に気流の流速の6乗に比
例するとされる。よって、できるだけ流速が遅い部分、
つまり第2および第3の音響計測室300b、300c
側に補強部材Mを設置することにより、気流と補強部材
Mとの接触により生じる音を低減することができる。
【0044】補強部材Mの形状は例えば平板状とするこ
とができる。また、補強部材Mとしては、板厚が薄く、
かつ幅が狭いものが好ましい。このように、補強部材M
の表面積を小さくして、補強部材Mと気流の接触面積を
小さくすることにより、気流が補強部材Mに接触するこ
とにより生じる音を低減することができる。なお、補強
部材Mの板厚は1〜10mm程度、また補強部材Mの幅
は20〜200mm程度とすることができる。
【0045】図8(a)は補強部材Mを設けた側壁20
1Bの平面図、同図(b)は補強部材Mの断面図であ
る。図8(a)に示すように、補強部材Mは、気流の流
れる方向の上流端をラウンド形状とすることが望まし
い。これにより、空隙Sを通過した気流が補強部材Mに
衝突する際に生じる音をより一層低減することができ
る。一方、補強部材Mの下流端については、例えば図8
(b)に示すようなナイフエッジのような形状とするこ
とが好ましい。補強部材Mの周囲で渦流が形成されるの
を防止するためである。補強部材Mの数は特に限定され
るものではなく、側壁201Bの大きさに応じて適宜設
定することができる。また、図8(a)に示したよう
に、管状部材600が例えば部材600a,600b,
600cと複数の部材を接合したものである場合には、
その接合部分に補強部材Mを設置することが望ましい。
なお、接合部分以外の部分に補強部材Mを設置してもよ
いことはもちろんである。
【0046】(変形例2)変形例1では補強部材Mを第
2および第3の音響計測室300b、300c側に設置
する例を示した。ここでは、補強部材Mとは形状が異な
る補強部材M1を空力計測室200側に設置する例を変
形例2として説明する。補強部材M1を側壁201Bに
設けた状態の測定胴1Bの正面断面図を図9(a)に、
補強部材M1を設けた側壁201Bの平面図を同図
(b)に、補強部材M1の断面図を同図(c)にそれぞ
れ示す。
【0047】図9(a)および図9(b)に示すよう
に、補強部材M1は、空力計測室200側、つまり、供
試体15と対向する側に設置される。但し、上述のよう
に、空力計測室200の方が第2および第3の音響計測
室300b、300cよりも流速が速く、空力計測室2
00の内部に物体を置いた場合には流速音が生じやすい
ため、本来であれば空力計測室200内に補強部材M1
を設置することは好ましくない。しかしながら、図9
(b)に示したように、補強部材M1が管状部材600
表面から突出しないよう、つまり補強部材M1の表面と
管状部材600の外周面が同一平面上に配置されるよう
に、管状部材600の外表面に凹部を形成し、そこに補
強部材M1を埋め込むことにより、新たな流速音の発生
を最小限にとどめることができる。
【0048】図7(a)の矢印で示したように、空隙S
を通過して、一旦、空力計測室200から流出した気流
は、測定胴1Bの下流側で再び空隙Sを通過して空力計
測室200内に流入しうる。この際、変形例1で示した
ように第2および第3の音響計測室300b、300c
側に補強部材Mを設けていると、測定胴1Bの下流側で
は気流が補強部材Mに衝突し、この衝突にともなう流速
騒音が生じうる。また、補強部材Mの周辺でも、渦状の
気流が発生しやすく、この渦状の気流が管状部材600
に衝突することによっても、新たな流速騒音が生じう
る。ところが、変形例2のように、管状部材600の外
周面が補強部材M1の表面と同一平面上になるように補
強部材M1を空力計測室200側に設置した場合には、
上述したような不具合を解消することができる。ここ
で、補強部材M1としては、上述した補強部材Mと同様
に、板厚が薄く、かつ幅が狭いものを用いることができ
る。また、補強部材M1の形状は、図9(c)に示した
ように、上流端および下流端ともエッジ形状とすること
が望ましい。なお、図9(b)に示したように、管状部
材600が接合部分を有している場合には、この接合部
分に補強部材M1を設置するようにしてもよい。接合部
分以外の部分に補強部材Mを設置してもよいことはもち
ろんである。
【0049】(変形例3)変形例3として、変形例1で
示した補強部材Mと所定距離隔てた位置に導風板Wをさ
らに設置する例を挙げる。導風板Wを補強部材Mの近傍
に備えた状態の測定胴1Bの正面断面図を図10(a)
に、導風板Wを備えた側壁201Bの平面図を同図
(b)にそれぞれ示す。なお、図10(a)において、
吸音材16およびマイクロホン400の記載は省略して
ある。流速騒音を低減させるためには、図10(a)お
よび(b)に示すように、導風板Wを補強部材Mと所定
距離隔てて平行に配置することが有効である。このよう
に導風板Wを配置することによって、導風板Wと補強部
材Mとの間に気流の流路が形成され、補強部材Mの周囲
の気流が導風板Wに対して平行に流れるように気流の進
行方向を矯正することができる。特に、噴流が生じやす
い箇所に導風板Wを設けた場合には、流速音の低減効果
が大きい。気流との接触面積を小さくするために、導風
板Wの板厚は薄い方が好ましい。但し、流路を形成する
という機能を担保するために、導風板Wの幅は補強部材
Mよりも大きくする。また、図10(b)に示したよう
に、導風板Wの上流端は補強部材Mの上流端よりも上流
側に位置させる。このような配置とすることにより、導
風板Wと補強部材Mおよび管状部材600とで区画され
る流路を気流がスムーズに通過するようにさせることが
できる。なお、補強部材Mと同様に導風板Wについて
も、図10(b)に示したように、その上流端をラウン
ド形状とし、かつその下流端をエッジ形状とすることが
望ましい。また、導風板Wと補強部材Mとの距離は、例
えば管状部材600の径と同程度とすればよい。
【0050】以上、変形例1で示した補強部材Mと所定
距離隔てた位置に、導風板Wをさらに設置する場合につ
いて説明したが、図11に示すように、変形例2で示し
た補強部材M1に対しても、同様に導風板Wを設置する
ことができる。図11(a)は、導風板Wを補強部材M
1の近傍に備えた状態の測定胴1Bの正面断面図、同図
(b)は導風板Wを備えた側壁201Bの平面図である
(図11(a)において、吸音材16およびマイクロホ
ン400の記載は省略)。図11(a)に示したよう
に、補強部材M1は第2および第3の音響計測室300
b、300c側に設置されていることから、主として、
管状部材600と導風板Wとで流路を形成することとな
る。
【0051】なお、導風板Wの板厚は1〜10mm程
度、また導風板Wの幅は補強部材M(補強部材M1)の
幅に対して1〜5倍とすればよい。但し、導風板Wの幅
が必要以上に大きくなると、半密閉型風洞としての機能
が低下し、ブロッケージ比が下がることから、導風板W
の幅は管状部材600の長さの1/20以下とすること
が望ましい。導風板Wの数は特に限定されるものではな
く、側壁201Bの大きさ、補強部材M(補強部材M
1)の設置数等に応じて適宜設定することができる。
【0052】(変形例4)側壁201Bの構造上の強度
を確保するために、支持部材SUを設ける例を変形例4
として示す。補強部材Mとともに支持部材SUを設置し
た状態の測定胴1Bの正面断面図を図12(a)に、支
持部材SUによって支持された側壁201Bの平面図を
同図(b)にそれぞれ示す。また、補強部材M1ととも
に支持部材SUを設置した状態の測定胴1Bの正面断面
図を図13(a)に、支持部材SUによって支持された
側壁201Bの平面図を同図(b)にそれぞれ示す。な
お、図12(a)および図13(a)において、吸音材
16およびマイクロホン400の記載は省略してある。
【0053】上述した補強部材Mおよび補強部材M1
は、管状部材600同士を連結し、側壁201Bの形状
を維持するために機能する。但し、新たな流速音の発生
を防止するために、補強部材Mおよび補強部材M1は、
その板厚を薄くし、かつ幅を狭く設定している。よっ
て、管状部材600同士を連結はするものの、側壁20
1Bを強固に支持するものではない。そこで、本実施の
形態では、側壁201Bの構造上の強度を確保するた
め、支持部材SUを設置する。
【0054】支持部材SUは、側壁201Bの上部で補
強部材Mまたは管状部材600に接合されて側壁201
Bを支持する支持アームAと、側壁201Bと所定距離
隔てた位置に配置され、支持アームAを介して側壁20
1Bを支持する支持ベースBとで構成される。支持ベー
スBを補強部材Mと所定距離隔てた位置に設置するの
は、余計な気流音を発生させないようにしつつ、構造上
の強度を確保するためである。なお、支持ベースBの板
厚は例えば10〜200mm程度、また支持ベースBの
幅は50〜400mm程度とすればよい。支持アームA
としては、薄板状の部材、円柱状(あるいは楕円柱状)
の部材を用いることができる。支持アームAの形状をこ
のようなものとすることによって、新たな流速音の発生
を低減することができる。支持アームAの板厚は3〜3
0mm程度と薄く設定し、また支持アームAの幅は補強
部材Mの幅以下とすることが望ましい。なお、支持ベー
スBと補強部材Mとの間の距離、つまり支持アームAの
長さは、100〜500mm程度とする。新たな気流音
の発生を防止すべく、支持ベースBは補強部材Mからで
きるだけ離して設置することが好ましい。但し、この距
離があまりにも大きくなると、装置が大型化するため好
ましくない。
【0055】ここで、補強部材M、支持アームA、支持
ベースB、管状部材600とで、1つの壁体ユニットU
を構成することができる。位置決め部材を予め空力計測
室200側に設置しておき、この壁体ユニットUを位置
決め部材に設けられた凹み部に押しあてるようにして設
置することによって、空力計測室200と、第2および
第3の音響計測室300b、300cとの境界に構造強
度が高い側壁201Bを簡単に設置することが可能とな
る。なお、この壁体ユニットUは、例えば高さ2m×幅
2m程度の寸法とすることができる。また、測定胴1B
の長さによっては、壁体ユニットUを複数組み合わせる
ことによって側壁201Bを構成するようにしてもよ
い。その際には、支持ベースB同士が連結可能なように
雌型のものと雄型のものを作製する、支持アームA同士
が近接しないように、その位置を調節する等、適宜工夫
を凝らせばよい。
【0056】なお、支持ベースBおよび支持アームAに
ついても、気流の流れる方向の上流端をラウンド形状と
し、空隙Sを通過した気流が支持ベースBまたは支持ア
ームAに衝突する際に生じる音を低減することが好まし
い。一方、支持ベースBおよび支持アームAの下流端に
ついては、特にエッジ加工を施す必要はない。エッジ加
工を施すと、その分だけ装置が大型化してしまうからで
ある。また、上述した繊維状部材102を支持ベースB
および支持アームAに適用し、気流が支持ベースBおよ
び支持アームAを通過する際に発生する音を低減させる
ようにすることも有効である。さらに、支持ベースBと
補強部材M(または補強部材M1)との間に、上述した
導風板Wを設けてもよい。
【0057】(変形例5)次に、図14を用いて変形例
5について説明する。図14に示すように、側壁201
Bは、有壁部分201aと無壁部分(通過窓)201b
とで構成される。有壁部分201aは上述の場合と同様
に、管状部材600により構成されている。一方、無壁
部分201bは第1〜第3の音響計測室300a〜30
0cと貫通しており、測定胴1Bの上流側において有壁
部分201aに設けられている空隙Sを通過して第1〜
第3の音響計測室300a〜300cに流出した気流
が、無抵抗で空力計測室200内に戻れるようになって
いる。また、有壁部分201aの下流側の端部、つまり
気流の流通方向における無壁部分201bの上流側前縁
には、補強部材Mまたは補強部材M1が設けられる。こ
こで、変形例1または変形例2で上述したように、補強
部材Mまたは補強部材M1を設置する際には、余計な流
速音が生じないような配慮がなされている。よって、側
壁201Bに無壁部分201bを設け、さらに有壁部分
201aの下流側の端部に補強部材M(または補強部材
M1)を設けることによって、余計な流速音の発生を防
止しつつ、ブロケージ比による影響をより一層低減する
ことができる。
【0058】また、上述した壁体ユニットUを用いるこ
とで、有壁部分201aと無壁部分201bを備えた側
壁201Bを容易に構成することができる。なお、補強
部材M(または補強部材M1)に繊維状部材102を適
用して補強部材M周辺を通過する気流音を低減させるこ
とが有効である。また、図15に示したように、測定胴
1Bの下流側端部、あるいはディフューザ24の上流側
に繊維状部材102を適用するようにしてもよい。
【0059】(変形例6)次に、図15を用いて変形例
6について説明する。変形例5では、気流の流通方向に
おける有壁部分201aの下流側の端部(気流の流通方
向における無壁部分201bの上流側前縁)に、補強部
材M(または補強部材M1)を設ける例を示したが、下
流側の端部に補強部材Mを設置することにより、新たな
気流音が発生することも想定される。よって、ここで
は、有壁部分201aの下流側の端部には補強部材M
(または補強部材M1)を設けずに自由端とする例を示
す。
【0060】図15は、有壁部分201aと無壁部分2
01bとで構成される側壁201Bを有する測定胴1B
の側断面図である。図15に示すように、管状部材60
0が有壁部分201aを構成しているが、有壁部分20
1aの終端をなす管状部材600の端部には、半球状キ
ャップCが装着される。半球状キャップCを装着して管
状部材600の端部を半球状、つまりラウンド形状とす
ることにより、管状部材600の端部と気流とが接触す
ることにより生じうる気流音を低減することができる。
なお、有壁部分201aの下流側の端部に補強部材M
(または補強部材M1)を設けない構成とする場合に
は、側壁201Bの構造上の強度が懸念されるが、有壁
部分201aの終端より上流側に補強部材M(または補
強部材M1)を設けることによって、側壁201Bの形
状を維持することができる。また、変形例6の構成を採
用する場合にも、測定胴1Bの下流側端部、あるいはデ
ィフューザ24の上流側に繊維状部材102を適用する
ことが好ましい。
【0061】(変形例7)次に、図16を用いて変形例
7について説明する。変形例7では、変形例5または6
で示した、有壁部分201aと無壁部分201bとで構
成される側壁201Bを有する測定胴1Bに、さらにフ
ラップ(流路制御部材)Fを適用する。フラップFを設
けた測定胴1Bの側断面図を図16に示す。図16に示
すように、フラップFは無壁部分201bに設けられ
る。より具体的には、空力計測室200を流通する気流
の流通方向における下流側かつ空力計測室200と第1
の音響計測室300aとの境界部分に、フラップFが設
置される。空隙Sを通過して第1の音響計測室300a
(または第2の音響計測室300b、第3の音響計測室
300c)に流入した気流が、第1の音響計測室300
aの壁に衝突して音を発生する場合があるが、フラップ
Fを無壁部分201bに設けることにより、気流を空力
計測室200側およびディフューザ24側へスムーズに
移動させることができる。このように気流をスムーズに
移動させるために、フラップFのフラップ角度は可変と
することが好ましい。ここで、フラップFを、上述した
音波透過壁100と同じ素材、つまり、多孔質材または
多孔板で構成することが望ましい。多孔質材または多孔
板でフラップFを構成することにより、フラップF自体
が音響計測結果に悪影響を及ぼすことを防止することが
できる。また、フラップFに気流が接触することによっ
て新たな流速騒音が生じることを防止すべく、フラップ
Fの前縁はラウンド形状とすることが望ましい。さら
に、フラップFの一部または全部を繊維状部材102で
覆うことが望ましい。フラップFの一部を繊維状部材1
02で覆う場合には、気流との接触頻度が高く、かつ気
流との接触面積が大きい箇所に繊維状部材102を設け
ることが有効である。
【0062】以上、第3実施形態の変形例1〜7とし
て、図7〜図16を用いて説明した。この変形例1〜7
で示した内容は、第2実施形態で示した測定胴1Aにも
適宜、適用可能である。例えば、図5で示した多孔体1
01(または多孔体101A)と繊維状部材102とで
構成される側壁201Aの終端部、つまり、有壁部分2
01aの終端部に、補強部材M(または補強部材M1)
を設けることも、効果的である。また、変形例7で示し
たフラップFを、図5で示した測定胴1Aに適用しても
よい。さらには、図5に示した側壁201Aの有壁部分
201aの終端を自由端にしつつ、有壁部分201aの
終端の形状を図17に示すような形状としてもよい。図
17に示すように、有壁部分201aの終端をノコギリ
歯形状とすることによって、有壁部分201aの終端部
での流速音を低減することができる。また、図5および
図17で示した側壁201Aに対して、図3で示した補
強材500を適用することも可能である。
【0063】供試体15が自動車である場合を例にし
て、第1実施形態〜第3実施形態およびそれらの変形例
を述べたが、以下のような構成を採用することもでき
る。すなわち、図18(a)に示すように、例えば空力
計測室200の右側(または左側)に、第2の音響計測
室300bを一つだけ設ける。そして、空力計測室20
0の上部および左側(または右側)には、供試体15が
発生する気流音を遮蔽するために機能する室X1および
X2を設けるのである。また、図18(b)に示すよう
に、例えば空力計測室200の右側(または左側)に、
第2の音響計測室300bを一つだけ設け、室X1およ
びX2を省略する構成としてもよい。図18(a)およ
び図18(b)に示した構成を採用することによって、
風洞装置をコンパクトなものとすることができる。ま
た、上述した第1実施形態〜第3実施形態で示したよう
に、3つの音響計測室、つまり第1〜第3の音響計測室
300a〜300cを空力計測室200の上部および左
右に設ける構成とするのではなく、図18(c)に示す
ように、空力計測室200を覆うようにして一つの音響
計測室300Xが設けられるという構成としてもよい。
【0064】(第4実施形態)第1実施形態〜第3実施
形態では供試体15が自動車である場合について説明し
たが、第4実施形態では供試体15が航空機である場合
の風洞装置の構成を示す。以下、第1実施形態〜第3実
施形態と異なる、第4実施形態に特有の部分について説
明する。なお、第1実施形態〜第3実施形態と同一の部
分には同一の符号を付してある。
【0065】図19(a)は測定胴1Cの側断面図であ
る。図19(b)は図19(a)のA−A断面図であ
る。図19(b)に示すように、第4実施形態における
測定胴1Cには音波透過壁100が4つ設けられてお
り、この4つの音波透過壁100によって測定胴1Cは
5つの室、すなわち、空力計測室200と第1〜第4の
音響計測室300a〜300dに仕切られている。第1
実施形態〜第3実施形態と同様に、空力計測室200に
は供試体15が配置される。供試体15は、航空機の場
合、実機に比較して1/5〜1/100程度の大きさに
設定される。
【0066】第1〜第4の音響計測室300a〜300
dには、それぞれ音響計測用のマイクロホン400が設
置される。計測に際しては、供試体15を上から吊っ
て、あるいは下、左右、後方から支持することにより空
力計測室200の中央部に配置し、縮流胴12のノズル
23から例えば流速10〜100m/s程度の気流を測
定胴1C内に流入させ、この気流により供試体15から
発生する気流音をマイクロホン400によって計測す
る。この場合、供試体15を遠隔操作により例えば左右
上下方向に傾ける等、各種の条件を与えて計測する。そ
して、上記音響計測値から音のマップを作成し、供試体
15の音響性能、空力性能等を求める。
【0067】以上の構成を有する第4実施形態における
風洞装置によれば、4つの音波透過壁100が気流を遮
蔽しかつ供試体15による生じる音波のみを第1〜第4
の音響計測室300a〜300dに透過させることがで
きる。これにより、密閉型風洞を用いて、供試体15の
音響性能を計測することが可能となる。また、第1実施
形態と同様に、空力計測室200周辺部分に設けられた
計測機器(図示せず)によって供試体15の空力性能を
計測することが可能であるため、第4実施形態における
風洞装置によれば、1つの密閉型風洞を用いて、供試体
15の音響性能および空力性能を計測することが可能と
なる。
【0068】なお、図19では4つの音波透過壁100
を用いて4つの音響計測室、つまり第1〜第4の音響計
測室300a〜300dを設ける例を示したが、計測内
容によっては第1〜第4の音響計測室300a〜300
dの少なくとも一つを設けることで音響性能の計測を行
うことも可能である。また、図19では空力計測室20
0の4つの壁を音波透過壁100を構成する例を示した
が、側壁部分を上述した側壁201A、または側壁20
1Bで構成することももちろん可能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば空力
性能と音響性能をともに精度よく計測可能な風洞装置等
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る風洞装置の構成
を示し、(a)は測定胴の側断面図、(b)は(a)の
A−A断面図、(c)は音波透過壁の側断面図である。
【図2】 多孔板を用いて音波透過壁を構成した例を示
す図である。
【図3】 (a)は本発明の第1実施形態に係る風洞に
おいて、音波透過壁を補強材で支持した状態を示す図で
あり、(b)は補強材の斜視図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る風洞装置の構成
を示し、(a)は測定胴の側断面図、(b)は(a)の
A−A断面図、(c)は測定胴の壁面の部分拡大図であ
る。
【図5】 側壁が有壁部分と無壁部分とで構成された状
態を示した図である。
【図6】 本発明の第3実施形態に係る風洞装置の構成
を示し、(a)は測定胴の側断面図、(b)は(a)の
A−A断面図、(c)は測定胴の壁面の構成を示す図で
ある。
【図7】 (a)は補強部材を側壁に設けた状態の測定
胴の側断面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)
は測定胴の壁面の拡大図を示す図である。
【図8】 (a)は補強部材を設けた側壁の平面図、
(b)は補強部材の断面図である。
【図9】 (a)は補強部材を側壁に設けた状態の測定
胴の正面断面図、(b)は補強部材を設けた側壁の平面
図、(c)は補強部材の断面図である。
【図10】 (a)は変形例1で示した補強部材の近傍
に導風板を備えた状態の測定胴の正面断面図、(b)は
導風板を備えた側壁の平面図である。
【図11】 (a)は変形例2で示した補強部材の近傍
に導風板を備えた状態の測定胴の正面断面図、(b)は
導風板を備えた側壁の平面図である。
【図12】 (a)は支持部材を変形例1で示した補強
部材の近傍に備えた状態の測定胴の正面断面図、(b)
は支持部材を備えた側壁の平面図である。
【図13】 (a)は支持部材を変形例2で示した補強
部材の近傍に備えた状態の測定胴の正面断面図、(b)
は支持部材を備えた側壁の平面図である。
【図14】 側壁を有壁部分と無壁部分とで構成し、さ
らに有壁部分の終端に補強部材を設けた状態を示す図で
ある。
【図15】 側壁を有壁部分と無壁部分とで構成し、さ
らに有壁部分の終端を自由端とした状態を示す図であ
る。
【図16】 フラップを設けた測定胴の側断面図であ
る。
【図17】 有壁部分の終端をノコギリ歯形状とした測
定胴の側断面図である。
【図18】 (a)、(b)は空力計測室の片側にのみ
音響計測室を設けた状態を示す図、(c)は空力計測室
を覆うようにして一つの音響計測室を設けた状態を示す
図である。
【図19】 本発明の第4実施形態に係る風洞装置の構
成を示し、(a)は測定胴の側断面図、(b)は(a)
のA−A断面図である。
【図20】 回流形風洞の全体の概略構成図を示す図で
ある。
【図21】 密閉型風洞の測定胴に供試体を配置した状
態を示す図である。
【図22】 開放型風洞の測定胴に供試体を配置した状
態を示す図である。
【図23】 半密閉型風洞の測定胴に供試体を配置した
状態を示す図である。
【図24】 径が一様の管状部材を用いて側壁を構成す
る場合を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C…測定胴、15…供試体、16…
吸音材、100…音波透過壁、101…多孔体、101
A…多孔板(多孔体)、102…繊維状部材(起毛部
材)、200…空力計測室、201,201A,201
B…側壁、201a…有壁部分、201b…無壁部分
(通過窓)、300a,300b,300c…第1〜第
3の音響計測室、400…マイクロホン、500…補強
材、600…管状部材、A…支持アーム、B…支持ベー
ス、C…半球状キャップ、E…拡径部、F…フラップ
(流路制御部材)、M,M1…補強部材、S…空隙(流
通路)、SU…支持部材、U…壁体ユニット、W…導風
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 由尚 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 山口 勉 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 西村 正治 兵庫県明石市藤江1568番地の10 Fターム(参考) 2G023 AA03 AB14 AB22 AC01 AC10 AD03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風洞の測定胴内に供試体を配置し、当該
    供試体の性能を計測する風洞装置において、 前記測定胴は、 前記供試体を収容し、前記供試体に対する空力性能を測
    定する第1の室と、 前記供試体に対する音響性能を測定する第2の室と、 前記第1の室と前記第2の室を仕切る、音波を透過する
    多孔体と当該多孔体の前記第1の室に対向する側の面を
    覆う起毛部材とからなる音波透過壁と、を備えたことを
    特徴とする風洞装置。
  2. 【請求項2】 前記多孔体は、開口率が30〜98%で
    あることを特徴とする請求項1に記載の風洞装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の室は、対向して配置されかつ
    各々空隙が形成された一対の側壁、前記一対の側壁を繋
    ぐ床および前記音波透過壁により区画され、前記側壁の
    前記空隙に面している部分は、前記起毛部材により覆わ
    れていること特徴とする請求項1または2に記載の風洞
    装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の室は、対向して配置される一
    対の側壁、前記一対の側壁を繋ぐ床および前記音波透過
    壁により区画され、 前記第1の室を流通する気流の流通方向における前記側
    壁の下流側に、前記気流が外部に通過可能な通過窓を有
    すること特徴とする請求項3に記載の風洞装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の室を流通する気流の流通方向
    における下流側かつ前記第1の室と前記第2の室との境
    界部分に、前記気流の流路を制御する流路制御部材を備
    えたことを特徴とする請求項4に記載の風洞装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の室は、対向して配置される一
    対の側壁、前記一対の側壁を繋ぐ天井および前記音波透
    過壁により区画され、 前記一対の側壁および前記天井における前記第2の室に
    臨む面には、音波を吸収する吸音材が設けられているこ
    と特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の風洞装
    置。
  7. 【請求項7】 風洞の測定胴内に供試体を配置し、当該
    供試体の性能を計測する風洞装置において、 前記測定胴は、 対向して配置される一対の側壁と、 前記一対の側壁を繋ぐ床と、 前記床に対して所定の間隔をもって対向配置され、かつ
    前記一対の側壁を繋ぐ天井と、を備え、 前記一対の側壁の少なくとも一部が、 複数の管状部材を高さ方向に配置することにより構成さ
    れ、かつ当該管状部材間に間隙が形成されていることを
    特徴とする風洞装置。
  8. 【請求項8】 前記管状部材により構成した前記側壁に
    おいて、前記管状部材間に形成された空隙が前記測定胴
    内と外部の気流の流通路として機能することを特徴とす
    る請求項7に記載の風洞装置。
  9. 【請求項9】 前記測定胴を流通する気流の流通方向に
    おける前記側壁の下流側に、前記気流が外部に通過可能
    な通過窓を有すること特徴とする請求項7または8に記
    載の風洞装置。
  10. 【請求項10】 前記側壁の前記供試体と対向する側ま
    たは前記側壁の前記供試体と対向しない側に、前記管状
    部材同士を連結する補強部材を1または複数設けること
    を特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の風洞装
    置。
  11. 【請求項11】 前記補強部材は、前記気流の流通方向
    における前記通過窓の上流側前縁に設けられていること
    特徴とする請求項10に記載の風洞装置。
  12. 【請求項12】 前記側壁の前記供試体と対向しない側
    に、前記補強部材の周囲の流れを前記管状部材に対して
    平行流にする導風板をさらに設けることを特徴とする請
    求項10に記載の風洞装置。
  13. 【請求項13】 前記側壁の前記供試体と対向しない側
    に、前記管状部材を支持する支持部材をさらに設け、 前記支持部材は、 前記側壁の上部で前記補強部材または前記管状部材に接
    合されて前記側壁を支持する支持アームと、 前記側壁と所定距離隔てた位置に配置され、前記支持ア
    ームを介して前記側壁を支持する支持ベースとで構成さ
    れることを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載
    の風洞装置。
  14. 【請求項14】 前記測定胴の前記側壁側または前記天
    井側に、前記供試体に対する音響性能を測定する音響計
    測室が少なくとも1つ備えられていることを特徴とする
    請求項7〜13のいずれかに記載の風洞装置。
  15. 【請求項15】 風洞装置の測定胴内に設置される気流
    遮蔽板であって、 音波を透過する発泡型の多孔質金属からなる基板と、 前記基板の表面または裏面の少なくとも一方の面を覆う
    起毛部材と、を備えたことを特徴とする気流遮蔽板。
  16. 【請求項16】 複数の管状部材を高さ方向に配置する
    ことにより構成され、かつ当該管状部材間に間隙が形成
    されている壁と、 前記壁を支持する支持アームと、 前記壁と所定距離隔てた位置に配置され、前記支持アー
    ムを介して前記壁を支持する支持ベースとを備えたこと
    を特徴とする半密閉型風洞用の壁体ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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