JP2003194470A - 析出板製造装置 - Google Patents

析出板製造装置

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JP2003194470A JP2001398793A JP2001398793A JP2003194470A JP 2003194470 A JP2003194470 A JP 2003194470A JP 2001398793 A JP2001398793 A JP 2001398793A JP 2001398793 A JP2001398793 A JP 2001398793A JP 2003194470 A JP2003194470 A JP 2003194470A
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昌宏 田所
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敦 奥野
Yasuhiro Nakai
泰弘 中井
Yoshito Nakajima
賢人 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実に、精度高く、同じ析出要件で析出板を
得る。 【解決手段】 密閉状態にされた処理室6、7で溶解対
象物101を溶湯15とし、該溶解対象物101を析出
用基板14の基板面14aに凝固成長させることによっ
て、シート状の半導体基板2(析出板)を製造する半導
体基板製造装置1(析出板製造装置)であって、溶解対
象物101を溶湯15とするように加熱しながら収容す
るルツボ装置51(溶解炉装置)と、析出用基板14を
溶解対象物101に浸漬させて引き上げる析出機構10
と、浸漬前の析出用基板14に対する予熱機構81とを
備え、予熱機構81は、析出用基板14の基板面14a
に当接自在な予熱板84と、この予熱板84を所定温度
とする温度調整機構82、83とを有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部環境とは異な
る処理環境下で溶解対象物を溶湯とし、該溶解対象物を
析出用基板の基板面に凝固成長させることによって、シ
ート状の析出板を製造する析出板製造装置に関し、特
に、析出用基板の析出条件を同じとする析出用基板製造
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体基板を製造する場合のよう
に、加熱溶融された溶解対象物に対して析出処理を施し
て目的とする析出板を製造する場合には、通常、外部環
境とは異なる処理環境を出現させる真空容器と、溶解対
象物を溶湯とするように加熱しながら収容する溶解炉装
置と、析出用基板を溶湯に浸漬させて引き上げる析出機
構とを備えた析出板製造装置が使用される。そして、従
来、上記の析出板製造装置を用いて所定厚の析出板を製
造する場合には、真空容器内に外部環境とは異なる処理
環境を出現させ、この処理環境下で溶解対象物を加熱溶
融して溶湯とする。この後、溶湯に析出用基板を浸漬さ
せ、基板面に溶解対象物を析出させて凝固成長させ、所
定の浸漬時間が経過した後に溶湯から引き上げることに
よって、所定厚の析出板を基板面に生成させる処理が行
われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、溶湯に対する浸漬時間を所定時間に設定す
ることより所定厚の析出板を製造する構成では、析出板
が一定の時間間隔(サイクルタイム)ごとに繰り返して
製造されるときには各析出板の厚みの変動幅が小さなも
のであるが、例えば溶解対象物の補給等が必要となって
製造のサイクルタイムが不規則になったような場合、各
析出板の厚みの変動幅が無視できない程に大きなものに
なるという問題がある。また、一定のサイクルタイムで
製造される場合においても、析出板内の厚み分布が不均
一になり易いという問題もある。
【0004】そこで、本発明者らは、析出板の厚みや厚
み分布の変動要因を調査および検討した結果、析出用基
板が溶湯に浸漬するときの基板面の温度および温度分布
が溶解対象物の凝固成長の速度に大きく関係しており、
凝固成長の速度と浸漬時間との積算により析出板の厚み
および厚み分布が決定されるため、凝固成長の速度を析
出用基板間および基板面内で一定にすることが必要であ
ることを見出した。
【0005】従って、本発明は、析出用基板が溶湯に浸
漬するときの基板面の温度および温度分布を常に一定に
した析出条件で析出板を得ることのできる析出板製造装
置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の析出板製造装置は、密閉状態にさ
れた処理室で溶解対象物を溶湯とし、該溶解対象物を析
出用基板の基板面に凝固成長させることによって、シー
ト状の析出板を製造する析出板製造装置であって、前記
溶解対象物を溶湯とするように加熱しながら収容する溶
解炉装置と、前記析出用基板を前記溶解対象物に浸漬さ
せて引き上げる析出機構と、浸漬前の前記析出用基板に
対する温度調整装置とを備え、前記温度調節装置は、前
記析出用基板の基板面に当接自在な予熱板と、この予熱
板を所定温度とする温度調整機構とを有してなることを
特徴とするものである。
【0007】上記の構成によると、析出用基板が溶解対
象物の溶湯中に浸漬する前に予熱板を用いて予熱される
ため、所定温度に全面的に均一に予熱される。この結
果、確実に、精度高く、全面に渡って同じ温度差および
温度分布である析出条件の析出板を得ることができる。
また、1枚毎に所定温度に設定することで、一枚毎に析
出条件の同じ析出板を製造することができる。
【0008】請求項2に記載の析出板製造装置は、請求
項1において、前記析出用基板は、一枚の板を連続して
使用することを特徴とするものである。
【0009】上記の構成によると、同一の析出用基板を
用いて繰返し析出板の製造を行う場合でも、一回の浸漬
毎に所定温度とし、一枚毎の析出板の析出条件を同じも
のとすることができる。尚、析出用基板が非常に高温と
なっている場合は、一旦冷却して予熱を行うことが好ま
しい。
【0010】請求項3に記載の析出板製造装置は、請求
項1又は2において、前記析出用基板と前記予熱板とは
同材質であることを特徴とするものである。
【0011】上記の構成によると、析出用基板と予熱板
とが同材質であるため、確実に予熱板の前面を均一な温
度とすることができ、析出用基板を均一に予熱すること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図10に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係る
駆動源の冷却装置は、図1に示すように、Siを主成分
とするシート状の半導体基板2を製造する半導体基板製
造装置1(析出用基板製造装置)に搭載されている。
尚、半導体基板製造装置1は、析出板製造装置の一種で
あり、析出板製造装置は、密閉状態にされた処理室で半
導体材料や金属材料等の溶解対象物101を加熱溶融し
て溶湯とし、この溶解対象物101をシート状の析出板
となるように製造する装置を意味する。また、溶解対象
物101としては、Si等の半導体材料の他、鉄やチタ
ン等の金属材料を挙げることができる。
【0013】上記の半導体基板製造装置1は、外部環境
から内部を密閉状態に隔離可能な二重壁構造の真空容器
3を備えている。真空容器3は、上側収容室6を形成す
る円筒形状の上側タンク部4と、上側タンク部4の下部
に設けられ、上側収容室6に連通した下側収容室7を形
成する下側タンク部5とを有している。上側タンク部4
の上面中央部には、第1〜第4覗き窓部8a〜8cが幅
方向に形成されており、これらの覗き窓部8a〜8c
は、上側収容室6および下側収容室7を上側タンク部4
の幅方向全体に渡って目視可能にしている。また、図2
に示すように、上側タンク部4の一端部には、第5覗き
窓部8eが形成されている。第5覗き窓部8eは、上側
収容室6および下側収容室7を上側タンク部4の長手方
向全体に渡って目視可能にしている。
【0014】また、下側タンク部5の一方の側面壁に
は、図1に示すように、搬入出部5aが開口されてい
る。搬入出部5aは、上側タンク部4の長手方向(紙面
に対して垂直方向)に進退移動する開閉扉9により開閉
可能にされている。そして、このように構成された真空
容器3には、Arガス等の不活性ガスを供給する図示し
ないガス供給装置および両収容室6・7の空気を排気す
る図示しない真空排気装置が接続されている。これらの
装置は、真空容器3の両収容室6・7を所定の圧力に減
圧しながら不活性ガスを供給することによって、外部環
境とは異なる処理環境を両収容室6・7に出現させるよ
うになっている。
【0015】上記の両収容室6・7の略中央部には、析
出用基板14を溶湯15に浸漬させて引き上げる析出機
構10が設けられている。析出機構10は、水平移動機
構13と、水平移動機構13により水平移動可能にされ
た垂直移動機構11と、垂直移動機構11により昇降可
能にされた旋回機構12とを有している。水平移動機構
13は、水平方向に配置され、上側収容室6の両端部に
かけて可動範囲が設定された水平搬送部16と、水平搬
送部16の一端部に設けられた水平駆動部17とを有し
ている。
【0016】水平搬送部16は、図2に示すように、周
面全体にネジ溝が形成されたネジ軸部材18と、ネジ軸
部材18に螺合されたブロック部材19と、ブロック部
材19の下面を進退移動自在に支持するレール部材20
と、ブロック部材19の上面に設けられ、垂直移動機構
11に連結された連結部材21とを有している。また、
水平搬送部16は、これらの部材18〜19の上面を覆
い隠すように設けられたカバー部材22を備えている。
カバー部材22は、溶湯15等から飛散して浮遊する塵
埃が各部材18〜19に積層することを防止している。
【0017】上記の水平搬送部16の一端部には、図1
に示すように、水平駆動部17が連結されている。水平
駆動部17は、任意の回転速度で正逆回転可能であると
共に所定の保持力で停止可能なサーボモータ等の水平駆
動装置23と、水平駆動装置23を冷却する第1冷却装
置24とを有している。水平駆動装置23は、ネジ軸部
材18の一端部に連結されており、ネジ軸部材18を正
逆回転させることによって、ブロック部材19等を介し
て垂直移動機構11を水平方向の任意の位置に移動可能
にしている。
【0018】予熱機構81は、図1に示すように、上記
のルツボ装置51から見て析出用基板14の進行方向の
上流側に設けられている。予熱機構81は、予熱位置A
の下方に配置された予熱ヒーター82と、予熱ヒーター
82に設けられたカーボン製の予熱板84と、予熱ヒー
ター82に着脱可能に接続された電力ケーブル83と、
真空容器3の外部に配置され、電力ケーブル83を介し
て予熱用電力を供給する図示しない予熱電源装置とを有
している(温度調整機構)。そして、予熱機構81は、
予熱電力を供給して予熱板84を昇温させ析出用基板1
4に当接させることで、析出用基板14を所定温度に昇
温させることができ、溶湯15と析出用基板14との温
度差を一定にするようになっている。
【0019】また、上記の析出用基板14は、図3およ
び図4に示すように、カーボンにより形成されている。
析出用基板14は、半導体基板2が析出される下面から
なる基板面14aと、進行方向の上流側および下流側の
各側面に形成された傾斜部14bと、析出用基板14の
上面(反基板面14a)に形成された把持部14cとを
有している。傾斜部14bは、基板面14aの両端部が
上面の両端部の内側に位置するように基板面14aから
上面側にかけて傾斜されている。具体的には、傾斜部1
4bは、溶湯15に対する浸漬角度θ1よりも基板面1
4aに対する傾斜角度θ2が大きな角度となるように設
定されており、半導体基板2の端部を上面の両端部より
も進行方向の内側に位置させるようになっている。
【0020】また、析出用基板14の上面に形成された
把持部14cは、断面が逆台形形状に形成されており、
カーボン基板把持装置43の一部を構成している。カー
ボン基板把持装置43は、把持部14cを着脱自在に保
持するチャック機構44を備えている。チャック機構4
4は、チャック部材45・45を左右対称に備えてい
る。各チャック部材45・45は、把持部14cに係合
するように下面に形成された係合部45aと、ゴミ等の
落下物を受け止めるように上面の四辺に沿って形成され
た環状溝部45bと、環状溝部45bに周囲を囲まれた
懸吊部45cとを有している。
【0021】上記の懸吊部45cの上面には、2つの突
設部45d・45dが対向配置されている。両突設部4
5d・45dの中央部には、ピン挿通穴45e・45e
が形成されている。これらの突設部45d・45d間に
は、図5に示すように、上述の旋回支持機構42の各縦
設部材42a・42bが嵌合されるようになっている。
そして、ピン挿通穴45e・45eには、カーボン製の
ピン部材46が抜脱可能に挿通されるようになってお
り、ピン部材46は、各縦設部材42a・42bをチャ
ック機構44に対して連結させるようになっている。
【0022】上記のピン部材46は、溶湯15からの輻
射熱の直射を回避するように、チャック部材45の析出
側の投影面積よりも短くなるように形成されている。ま
た、ピン部材46の表面には、図6に示すように、硬化
層100が形成されており、ピン部材46は、硬化層1
00により表面の機械的強度が高められることによっ
て、チャック部材45のピン挿通穴45eに対して着脱
する際の磨耗が低減されている。一方、チャック部材4
5においては、ピン部材46に接触するピン挿通穴45
eと、析出用基板14に接触する係合部45aおよび下
面とに硬化層100が形成されている。そして、チャッ
ク部材45は、硬化層100で接触面の機械的強度が高
められることによって、ピン部材46の着脱時および析
出用基板14の把持時における磨耗が低減されている。
【0023】尚、硬化層100の形成方法としては、プ
ラズマCVDやイオンプレーティング等の表面処理方法
でSiC膜をコーティングする硬化処理を挙げることが
できる。また、硬化層100は、チャック部材45の全
表面に形成されていても良く、この場合には、チャック
部材45の全体の機械的強度を高めることができるた
め、チャック部材45をオペレータが運搬する際に衝撃
を与えても破損し難いものとすることができる。
【0024】また、第1冷却装置24は、図7に示すよ
うに、水平駆動装置23を下側収容室7の処理環境から
隔離するように収納した収納容器25と、真空容器3の
外部から収納容器25内の一端側に冷却ガスを供給する
ガス供給配管26と、収納容器25内の他端側から真空
容器3の外部に冷却ガスを排出するガス排出配管27と
を有している。ガス供給配管26には、ガス供給機28
が接続されており、ガス供給機28は、冷却ガスを強制
的に収納容器25内に送給することにより水平駆動装置
23の周囲温度を所定温度以下に維持している。尚、冷
却ガスは、Arガスや窒素ガス等の不活性ガスであって
も良いし、空気であっても良い。また、ガス供給機28
の代わりに、高圧の冷却ガスを収容したガスボンベを使
用しても良い。
【0025】一方、図1に示すように、垂直移動機構1
1は、垂直方向に配置された垂直搬送部30と、垂直搬
送部30の上端部に設けられた垂直駆動部31とを有し
ている。垂直搬送部30は、図2に示すように、上述の
水平移動機構13とほぼ同一の構成部材からなってお
り、周面全体にネジ溝が形成されたネジ軸部材32と、
ネジ軸部材32に螺合され、上面(図中右面)に旋回機
構12が連結されたブロック部材33と、ブロック部材
33の下面(図中右面)を昇降自在に支持するレール部
材34とを有している。
【0026】上記の垂直搬送部30の上端部には、垂直
駆動部31が連結されている。垂直駆動部31は、任意
の回転速度で正逆回転可能であると共に所定の保持力で
停止可能なサーボモータ等の垂直駆動装置35と、垂直
駆動装置35を冷却する第2冷却装置36とを有してい
る。垂直駆動装置35は、ネジ軸部材32の上端部に連
結されており、ネジ軸部材32を正逆回転させることに
よって、ブロック部材33等を介して旋回機構12を垂
直方向の任意の高さ位置に移動可能にしている。また、
第2冷却装置36は、図7の収納容器25等を有した上
述の第1冷却装置24と同一の部材により同一の冷却機
能を発揮するように構成されている。
【0027】上記の垂直移動機構11で昇降される旋回
機構12は、ブロック部材33に一端面を連結された連
結支持体38と、連結支持体38の他端面に連結された
回動駆動部39とを有している。回動駆動部39は、任
意の回転速度で正逆回転可能であると共に所定の保持力
で停止可能なサーボモータ等の回動駆動装置40と、回
動駆動装置40を冷却する第3冷却装置41とを有して
いる。
【0028】上記の第3冷却装置41は、垂直駆動部3
1と同様に、図7の収納容器25等を有した上述の第1
冷却装置24と同一の部材により同一の冷却機能を発揮
するように構成されている。第3冷却装置41内の回動
駆動装置40は、回動軸40aの先端部が連結支持体3
8内に配置されている。回動軸40aの先端部には、上
下方向に配置された第1縦設部材42aの上端部が固設
されている。第1縦設部材42aは、横設部材42bを
介して第2縦設部材42cの上端部に連結されている。
また、第1および第2縦設部材42a・42bの下端部
は、析出用基板14における旋回方向の両端部に連結さ
れている。そして、第1および第2縦設部材42a・4
2cと横設部材42bとは、旋回支持機構42を構成し
ており、旋回支持機構42は、回動軸40aを中心とし
て析出用基板14を旋回させるようになっている。
【0029】上記の第1および第2縦設部材42a・4
2cは、回動軸40a側から中部までの範囲が機械的強
度に優れたステンレス鋼等の金属材料で形成されている
一方、中部から析出用基板14に連結された下端部まで
の範囲が耐熱性に優れたカーボンにより形成されてい
る。これにより、旋回支持機構42は、析出用基板14
を旋回させて高温の溶湯15に浸漬させる際に、溶湯1
5から大量の輻射熱を下側部分に受けることになって
も、長期間に亘って初期の機械的強度を維持することが
可能になっている。
【0030】上記のように各機構11〜13で構成され
た析出機構10は、水平移動機構13により垂直移動機
構11および旋回機構12を水平方向に進退移動させる
ことによって、これら機構11・12と共に析出用基板
14を予熱位置Aと析出位置Bと引き剥がし位置Cと研
磨位置Dとに位置決め可能にしている。析出位置Bにお
いては、各機構11〜13を連動させながら作動させる
ことによって、回動軸40aよりも溶湯15側に近い旋
回中心Oを半径とした析出軌跡で析出用基板14を進行
させるようになっている。尚、析出軌跡は、析出用基板
14を旋回方向(進行方向)の上流側から斜め方向に下
降させて溶湯15に浸漬させた後、進行方向の下流側に
斜め方向に上昇させて溶湯15から引き上げることによ
って、浸漬された部分に溶湯15の凝固成長した析出物
である半導体基板2を生成させるように設定されてい
る。
【0031】上記のカーボン基板把持装置43で保持さ
れる析出用基板14が浸漬される溶湯15は、図8に示
すように、ルツボ装置51に収容されている。ルツボ装
置51は、溶湯15を収容する収容部52aを備えたル
ツボ52と、ルツボ52の側面壁52bの周囲に配置さ
れた誘導加熱コイル53と、これらのルツボ52および
誘導加熱コイル53を支持するルツボ支持台54とを有
している。誘導加熱コイル53には、図2の耐熱構造の
電力ケーブル55が着脱可能に接続されており、図示し
ない高周波電源から高周波数の交流電力が供給されるよ
うになっている。これにより、誘導加熱コイル53は、
ルツボ52の周囲に交番磁場を生成させ、ルツボ52の
主に表面側を誘導加熱することが可能になっている。
【0032】一方、ルツボ52は、析出用基板14の進
行方向が長尺となるように平面視長方形状に形成されて
おり、溶湯15の収容量を最小限に抑制しながら、側面
壁52bが析出用基板14の旋回の障害にならないよう
にしている。尚、ルツボ52は、析出用基板14の進行
方向が長尺になる形状であれば良く、例えば平面視楕円
形状であっても良い。また、ルツボ52は、図9に示す
ように、収容部52aの側面側と底面側との2方向から
大きな熱量が伝達されるように、底面壁52cの厚みが
平均ルツボ半径と略同等であり且つ側面壁52bの厚み
と同等以上に設定されている。
【0033】ここで、平均ルツボ半径とは、ルツボ52
の全方向の半径を平均化したものである。また、ルツボ
52の側面壁52bは、電磁誘導の浸透深さ未満の厚み
に設定されていることが望ましく、この場合には、溶湯
15を対流させることができるため、ゴミ等の落下物が
核となって溶湯15の表面中央が凝固する現象を防止す
ることが可能になる。
【0034】また、ルツボ52の収容部52a内には、
図8にも示すように、溶湯15の湯面高さの監視に使用
されるカーボン製の湯面高さ検出部61が形成されてい
る。湯面高さ検出部61は、収容部52aの底面から上
面にかけて複数の段部61aを階段状に有している。湯
面高さ検出部61は、析出用基板14の障害物とならな
いように、収容部52aのコーナー部に配置されてい
る。尚、湯面高さ検出部61は、ルツボ52と一体的に
形成されていても良いし、ルツボ52とは別に形成され
ていても良い。
【0035】さらに、ルツボ52の収容部52a内に
は、ルツボ52の長手方向(半導体基板2の進行方向)
に沿って仕切り壁62が設けられている。仕切り壁62
は、析出用基板14の障害物とならないように配置され
ている。また、仕切り壁62は、上端部がルツボ52の
上面に位置し、下端部が収容部52aの底面上方に位置
するように形成されている。これにより、仕切り壁62
は、析出用基板14が浸漬する第1溶解槽63と、第1
溶解槽63に連通する第2溶解槽64とに収容部52a
を区分しており、第2溶解槽64と第1溶解槽63との
間における湯面の乱れの伝播を防止している。
【0036】上記のように構成されたルツボ52は、ル
ツボ支持台54により支持されている。ルツボ支持台5
4は、図1に示すように、ルツボ52および誘導加熱コ
イル53をそれぞれ独立して支持する断熱支持体54a
と、断熱支持体54aの下面に接合され、冷却配管を埋
設された冷却盤54bと、冷却盤54bを支持する搬送
台54cとを有している。ルツボ支持台54は、ルツボ
搬入出機構57に載置されている。ルツボ搬入出機構5
7は、真空容器3の搬入出部5aを挟んで真空容器3の
内外に敷設されており、複数の搬送ローラー56を回転
可能に備えている。そして、ルツボ搬入出機構57は、
搬送ローラー56を正逆回転させることによって、ルツ
ボ支持台54やルツボ52等からなるルツボ装置51の
真空容器3に対する搬入出を可能にしている。
【0037】上記のルツボ装置51の上方には、図2に
示すように、溶解対象物101を第2溶解槽64に供給
する供給機構71が設けられている。供給機構71は、
先端部に投入部が形成され、粉状や塊状の溶解対象物1
01を収容した収容箱72と、収容箱72を水平方向に
進退移動させる収容箱移動機構73と、収容箱72内の
溶解対象物101を先端部から押し出す押出機構74と
を備えている。
【0038】また、ルツボ装置51の上方における真空
容器3の第1覗き窓部8aには、図1に示すように、湯
面高さ検出部61を溶湯15と共に撮像して撮像信号を
出力する撮像装置75が設けられている。撮像装置75
は、CCDカメラ等のカメラ本体76と、カメラ本体7
6の前方に配置されたスリット板77とを有している。
スリット板77には、カメラ本体76の撮像領域を湯面
高さ検出部61の周辺に制限するスリットが形成されて
いる。
【0039】上記の撮像装置75および供給機構71
は、図示しない制御装置に接続されている。制御装置
は、演算部や記憶部、入出力部等を備えており、半導体
基板製造装置1の各機構を個別および連動させながら制
御する各種の機能を備えている。具体的には、湯面高さ
検出部61の各段部61aにおける撮像信号の明暗に基
づいて溶湯15の湯面高さを検出する機能や、検出され
た湯面高さが所定の基準高さとなるように、供給機構7
1における溶解対象物101の供給タイミングおよび/
または供給量を制御する機能等を有している。
【0040】また、ルツボ装置51と析出機構10との
間には、溶湯15から析出機構10に向かう輻射熱を遮
る第1熱遮蔽体78が設けられている。第1熱遮蔽体7
8は、銅製の熱遮蔽板78aと、熱遮蔽板78aの上面
に接合され、熱遮蔽板78aを冷却する冷却配管78b
とを備えている。熱遮蔽板78aには、旋回支持機構4
2を挿通させる開口部と、撮像装置75による湯面高さ
検出部61の撮像を可能にする窓部とが形成されてい
る。これにより、第1熱遮蔽体78は、析出機構10に
対する輻射熱の直射を極力低減することによって、析出
機構10の過熱を防止するようになっている。さらに、
ルツボ装置51と第1熱遮蔽体78との間には、旋回支
持機構42への輻射熱の直射を防止するように、第2熱
遮蔽体79が設けられている。
【0041】一方、ルツボ装置51から見て析出用基板
14の進行方向の下流側には、引き剥がし機構85と研
磨機構86とがこの順に配置されている。引き剥がし機
構85は、引き剥がし位置Cの下方に配置されており、
析出用基板14と半導体基板2との間に進入する剥離部
材87と、剥離部材87により引き剥がされて落下した
半導体基板2を受け止める基板載置台88とを備えてい
る。
【0042】また、研磨機構86は、研磨位置Dの斜め
下方向に配置されている。研磨機構86は、析出用基板
14を進入させるように上縁部の一部が開口された収納
ボックス89と、収納ボックス89内に設けられた研磨
機本体90とを備えている。研磨機本体90は、図10
に示すように、析出用基板14の基板面14aが面状に
当接される研磨ベルト91と、研磨ベルト91を張設し
た駆動ローラー92および従動ローラー93と、駆動ロ
ーラー92の一端部に接続され、研磨ベルト91を回転
駆動させるローラー駆動モータ94と、ローラー駆動モ
ータ94を冷却する第4冷却装置95と、これら部材を
支持する研磨支持台96とを備えている。尚、第4冷却
装置95は、図7の収納容器25等を有した上述の第1
冷却装置24と同一の部材により同一の冷却機能を発揮
するように構成されている。そして、このように構成さ
れた研磨機本体90は、析出用基板14の基板面14a
に研磨ベルト91を面状に当接させながら回転させるこ
とによって、基板面14aに付着した付着物を除去する
ようになっている。
【0043】上記の構成において、半導体基板製造装置
1の動作を通じて予熱機構81の動作を説明する。
【0044】(準備・保全工程)準備・保全工程は、半
導体基板2の生産開始前および生産開始後において、半
導体基板製造装置1を生産に適した状態にする場合に実
施される。即ち、図1に示すように、ルツボ装置51の
検査やルツボ52の交換、真空容器3内の各機構の検査
等を行う場合には、先ず、開閉扉9が移動されて真空容
器3の搬入出部5aが開口される。そして、電力ケーブ
ル55がルツボ装置51から切り離された後、ルツボ搬
入出機構57の各搬送ローラー56が回転されることに
よって、ルツボ装置51が搬入出部5aを介して機外に
搬出される。この後、図示しない検査作業場において、
ルツボ装置51の検査等が実施され、不具合があれば、
該当箇所の修理や交換が行われる。
【0045】また、ルツボ装置51の検査中に、図2に
示すように、供給機構71の収容箱72に収容された溶
解対象物101の残存量が確認され、適正な量となるよ
うに補充される。さらに、オペレータが真空容器3内の
状態を目視等により検査し、必要に応じて部品の修理お
よび交換が行われる。
【0046】例えばカーボン基板把持装置43に取り付
けられた析出用基板14に不具合がある場合には、図5
および図6に示すように、ピン部材46がピン挿通穴4
5eから抜脱されることによって、旋回支持機構42の
第1および第2縦設部材42a・42cが突設部45d
・45dから切り離される。これにより、縦設部材42
a・42cにより析出用基板14の上面に左右方向に固
定されていたチャック部材45・45が自由な状態とな
る。そして、チャック部材45・45が左右方向に引き
離すように移動されることによって、析出用基板14が
カーボン基板把持装置43から取り外される。
【0047】次に、新たな析出用基板14が準備され、
この析出用基板14の把持部14cを挟み込むようにチ
ャック部材45・45がセットされる。この後、旋回支
持機構42の第1および第2縦設部材42a・42cが
突設部45d・45d間に挿入され、ピン部材46がピ
ン挿通穴45eに挿通される。これにより、チャック部
材45・45が左右方向に固定され、係合部45a・4
5aが把持部14cを把持することによって、析出用基
板14がカーボン基板把持装置43に取り付けられる。
【0048】ここで、カーボン基板把持装置43に対し
て析出用基板14が着脱される場合には、チャック部材
45のピン挿通穴45eとピン部材46との擦れ合い
や、チャック部材45の係合部45aと析出用基板14
との擦れ合いが生じるため、磨耗し易い状態となる。と
ころが、ピン部材46やカーボン基板把持装置43の擦
れ合う部分は、硬化層100により機械的強度が高めら
れている。従って、析出用基板14の着脱が繰り返して
行われた場合でも、ピン部材46およびカーボン基板把
持装置43が初期の形状を維持するため、ピン部材46
およびカーボン基板把持装置43を長期間に亘って使用
することができる。また、析出用基板14の着脱時にお
いて、ピン部材46等の一部が破損して欠落することに
なった場合でも、この落下物が環状溝部45bで受け止
められるため、図1の溶湯15にゴミとして落下するこ
とはない。
【0049】次に、上記のようにして各機器の検査およ
び交換等が完了すると、図1に示すように、開閉扉9に
より搬入出部5aが閉鎖され、真空容器3内の上側収容
室6および下側収容室7が内部から密閉される。そし
て、図示しない真空排気装置が作動されて空気が排気さ
れた後、Arガス等の不活性ガスが供給されることによ
って、外部環境とは異なる処理環境が収容室6・7に形
成される。
【0050】この後、誘導加熱コイル53に高周波数の
交流電力が供給され、高周波磁界がルツボ52の周囲に
生成される。この結果、図9に示すように、ルツボ52
の側面壁の表面側に強度の磁界が印加されることによっ
て、側面壁の主に表面側が誘導加熱により加熱され、こ
の表面側の熱量が内側方向に向かって伝導していくこと
になる。この際、ルツボ52は、底面壁52cの厚みが
平均ルツボ半径と略同等であり且つ側面壁52bの厚み
と同等以上に設定されている。これにより、収容部52
aの側面側と底面側との2方向から大きな熱量が伝達さ
れ、この熱量で溶解対象物101が均等に加熱される結
果、早期に全体が溶解して溶湯15となる。また、溶湯
15になった後は、この溶湯15の側面および下面が大
きな熱量で加熱され続けられるため、溶湯15全体が均
一な温度に維持される。
【0051】また、溶湯15が形成されると、真空容器
3内の収容室6・7が高温になると共に、溶湯15から
高温の輻射熱が放出される。そして、輻射熱の一部は、
析出機構10方向に進行することになるが、析出機構1
0の手前に配設された第1熱遮蔽体78および第2熱遮
蔽体79により進行が遮られるため、析出機構10に殆
んど到達することがない。これにより、析出機構10
は、輻射熱が直射されることによる熱劣化が防止されて
いる。
【0052】また、高温化した真空容器3内の収容室6
・7には、析出機構10の駆動装置23・35・40お
よび研磨機構86のローラー駆動モータ94が冷却装置
24・36・41・95にそれぞれ収容されることによ
り冷却されている。この際、図7に示すように、冷却装
置24・36・41・95に使用される冷却媒体には、
冷却ガスが使用されている。従って、ガス供給配管26
やガス排出配管27、収納容器25等が破損することに
よって、冷却ガスが収容室6・7に漏洩した場合でも、
冷却水が溶湯15に接触して重大な故障を引き起こすよ
うな事態を生じることがない。
【0053】(予熱工程)上記のようにして所望の処理
環境下で溶湯15が形成されることによって、生産の準
備が完了すると、図1に示すように、析出機構10の垂
直移動機構11が水平移動機構13により予熱位置Aに
水平移動される。そして、旋回機構12が析出用基板1
4を垂下させた姿勢を維持しながら垂直移動機構11に
より下降されることによって、析出用基板14が予熱ヒ
ーター82に設けられた予熱板84に対向して当接され
る。この後、予熱ヒーター82に予熱用電力が供給さ
れ、予熱ヒーター82より予熱板84が昇温され、析出
用基板14が所定の予熱温度となるように加熱される。
この際、予熱板84には温度センサ(図示しない)が設
けられており、予熱板84は所定温度に設定される。そ
して、予め所定温度に設定された予熱板84に析出用基
板14が当接された経時時間で、間接的に析出用基板1
4の基板面14aの温度は検知される。尚、予熱用電力
は常時供給されていても良いし、予熱板84の温度を検
知することによって必要な時のみ供給されるものであっ
てもよい。
【0054】(析出工程)析出用基板14が所定の予熱
温度になると、垂直移動機構11が析出位置Bに移動さ
れる。そして、垂直移動機構11と旋回機構12と水平
移動機構13とが連動して作動されることによって、回
動軸40aよりも溶湯15側に近い旋回中心Oを半径と
した析出軌跡で析出用基板14が旋回される。この結
果、図4に示すように、析出用基板14が溶湯15に浸
漬され、析出用基板14の基板面14aに溶湯15が析
出して半導体基板2となり、一定時間の経過後に、半導
体基板2が溶湯15から引き上げられることによって、
所定厚みの半導体基板2が形成される。
【0055】この時、基板面14aの温度によって、溶
解対象物101の凝固成長速度が決まる。即ち、基板面
14aの温度が低く溶湯15との温度差が大きければ凝
固成長速度は速くなり、基板面14aの温度が高く溶湯
15との温度差が小さければ凝固成長速度は遅くなる。
このように凝固成長速度が異なると溶解対象物101の
結晶の精度や厚みが異なってくる。例えば、溶解対象物
101の凝固成長速度が遅いと、溶解対象101の結晶
は格子欠陥の少ないものとなり品質は安定する。そのた
め、基板面14a上で温度分布が存在すると、半導体基
板2の面内で品質にバラツキのあるものとなってしまう
が、先程の予熱工程により析出用基板14の基板面14
aは全体的に均一な温度分布とされているため、本工程
で全体に均一な品質である半導体基板2を得ることがで
きる。また、一定のサイクルタイムで製造されない場合
においても、析出条件を同じとし、同精度の半導体基板
2を得ることができる。
【0056】(引き剥がし工程)所定厚みの半導体基板
2が析出用基板14の基板面14aに形成されると、垂
直移動機構11が引き剥がし位置Cに移動される。そし
て、旋回機構12が析出用基板14を垂下させた姿勢か
ら剥離部材87方向に旋回させることによって、析出用
基板14と半導体基板2との間に剥離部材87を進入さ
せる。これにより、半導体基板2が剥離部材87により
強制的に析出用基板14から引き剥がされて基板載置台
88に載置され、所定枚数の半導体基板2が得られた
後、図示しない排出口から一括して機外に搬出される。
【0057】(湯面制御工程)上述の析出工程が繰り返
されることによって、多数の半導体基板2が生産される
と、半導体基板2の生産数に応じた消費量で溶湯15が
減少する。そして、溶湯15の減少を放置すると、湯面
高さが低下する結果、析出用基板14の浸漬深さが浅く
なり、最終的には、析出用基板14を溶湯15に浸漬さ
せることができなくなる。そこで、半導体基板2の生産
中においては、撮像装置75によりルツボ52内の湯面
高さ検出部61が撮像され、撮像信号に基づいて湯面が
一定となるように溶解対象物101が供給される。
【0058】即ち、湯面高さ検出部61を撮像して得た
各段部61aの撮像信号が図示しない制御装置に取り込
まれ、この制御装置において、撮像信号中の輝度信号成
分が抽出される。そして、溶湯15と湯面高さ検出部6
1の各段部61aとを判別するように、輝度信号成分が
所定の閾値で2値化される。この後、2値化データに基
づいて溶湯15から露出した段部61aが求められ、所
定の段部61aが露出したときに、溶湯15の湯面高さ
が許容範囲以下にまで低下したと判定される。そして、
この場合には、図2に示すように、供給機構71から所
定量の溶解対象物101が押し出されてルツボ52に投
入され、所定の湯面高さに復帰される。
【0059】尚、上記のようにしてルツボ52に溶解対
象物101が投入されると、湯面が揺動することになる
が、仕切り壁62で上面が区分された第2溶解槽64に
対して溶解対象物101が投下されるため、析出用基板
14が浸漬される第1溶解槽63に対して揺動が伝播す
ることはない。これにより、溶解対象物101の投入中
においても、半導体基板2の生産を継続することができ
る。
【0060】(研磨工程)半導体基板2の生産が繰り返
されると、析出用基板14の基板面14aに付着物が残
留する場合がある。従って、この場合には、垂直移動機
構11が研磨位置Dに移動され、析出用基板14が研磨
機構86の上方に位置される。そして、析出用基板14
が下降され、析出用基板14の基板面14aが研磨ベル
ト91に当接されることによって、研磨ベルト91が回
転される。この結果、基板面14aの付着物が強制的に
擦り落とされ、基板面14aが生産当初の状態に回復さ
れることになる。
【0061】以上のように、本実施形態の予熱機構81
は、図1に示すように、密閉状態にされた処理室6、7
で溶解対象物101を溶湯15とし、該溶解対象物10
1を析出用基板14の基板面14aに凝固成長させるこ
とによって、シート状の半導体基板2(析出板)を製造
する反相対基板製造装置1(析出板製造装置)であっ
て、溶解対象物101を溶湯15とするように加熱しな
がら収容するルツボ装置51(溶解炉装置)と、析出用
基板14を溶解対象物101に浸漬させて引き上げる析
出機構10と、浸漬前の析出用基板14に対する予熱機
構81とを備え、予熱機構81は、析出用基板14の基
板面14aに当接自在な予熱板84と、この予熱板84
を所定温度とする温度調整機構82、83とを有してな
る。これにより、析出用基板14は溶解対象物101の
溶湯15中に浸漬する前に予熱板84を用いて予熱され
るため、所定温度に全面的に均一に予熱され、確実に、
精度高く、全面に渡って同じ析出条件の析出板を得るこ
とができる。また、1枚毎に所定温度に設定すること
で、一枚毎に析出条件の同じ半導体基板2(析出板)を
製造することができる。
【0062】尚、本実施形態においては、予熱板は、電
力ケーブルと予熱ヒーターにより予熱されるものについ
て説明したが、これに限定されるものではない。即ち、
予熱板が全面的に均一に所定温度にされるものであれ
ば、どのような予熱手段であってもよい。
【0063】また、本実施形態では、析出用基板14
は、一枚の板を連続して使用することとした。これによ
り、同一の析出用基板14を用いて繰返し半導体基板2
(析出板)の製造を行う場合でも、一回の浸漬毎に所定
温度とし、一枚毎の半導体基板2の析出条件を同じもの
とすることができる。尚、半導体基板2が非常に高温と
なっている場合は、一旦冷却して予熱を行うことが好ま
しい。
【0064】尚、本実施形態においては、一枚の板を連
続して析出用基板として用いることができる析出板製造
装置について説明したが、これに限定されるものではな
い。即ち、析出機構が往復することなく、複数の析出用
基板を一方方向に搬送することで析出板を製造する析出
板製造装置であってもよい。
【0065】また、本実施形態では、析出用基板14と
予熱板84とは同材質であることとした。これにより、
確実に予熱板84の前面を均一な温度とすることがで
き、析出用基板14を均一に予熱することができる。
【0066】尚、本実施形態においては、析出用基板と
予熱板とを同じ材質のものとした場合について説明した
が、これに限定されるものではない。即ち、全面的に均
一に所定温度にされるものであれば、析出用基板と同材
質によるものでなくてもよい。
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明によると、析出用基板は
溶解対象物の溶湯中に浸漬する前に予熱板を用いて予熱
されるため、所定温度に全面的に均一に予熱され、確実
に、精度高く、全面に渡って同じ析出条件の析出板を得
ることができる。また、1枚毎に所定温度に設定するこ
とで、一枚毎に析出条件の同じ析出板を製造することが
できる。
【0068】請求項2の発明によると、同一の析出用基
板を用いて繰返し析出板の製造を行う場合でも、一回の
浸漬毎に所定温度とし、一枚毎の析出板の析出条件を同
じものとすることができる。尚、析出用基板が非常に高
温となっている場合は、一旦冷却して予熱を行うことが
好ましい。
【0069】請求項3の発明によると、析出用基板と予
熱板とが同材質であるため、確実に予熱板の前面を均一
な温度とすることができ、析出用基板を均一に予熱する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体基板製造装置を正面視した場合における
概略構成図である。
【図2】半導体基板製造装置を側面視した場合における
概略構成図である。
【図3】カーボン基板把持装置の斜視図である。
【図4】析出用基板が溶湯に浸漬する状態を示す説明図
である。
【図5】カーボン基板把持装置の斜視図である。
【図6】カーボン基板把持装置の分解斜視図である。
【図7】第1冷却装置の概略構成を示す説明図である。
【図8】溶湯の収容状態を示す斜視図である。
【図9】ルツボの熱伝導の状態を示す説明図である。
【図10】研磨機本体の斜視図である。
【符号の説明】
1 半導体基板製造装置 2 半導体基板 3 真空容器 4 上側タンク部 5 下側タンク部 6 上側収容室 9 開閉扉 10 析出機構 11 垂直移動機構 12 旋回機構 13 水平移動機構 14 析出用基板 15 溶湯 23 水平駆動装置 24 第1冷却装置 28 ガス供給機 30 垂直搬送部 31 垂直駆動部 36 第2冷却装置 40 回動駆動装置 41 第3冷却装置 42 旋回支持機構 43 カーボン基板把持装置 44 チャック機構 45 チャック部材 46 ピン部材 51 ルツボ装置 52 ルツボ 57 ルツボ搬入出機構 61 湯面高さ検出部 62 仕切り壁 75 撮像装置 76 カメラ本体 78 第1熱遮蔽体 79 第2熱遮蔽体 81 予熱機構 82 予熱ヒーター 83 電力ケーブル 84 予熱板 86 研磨機構 95 第4冷却装置 96 研磨支持台 100 硬化層 101 溶解対象物
フロントページの続き (72)発明者 奥野 敦 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 (72)発明者 中井 泰弘 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 (72)発明者 中嶋 賢人 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 Fターム(参考) 4K046 AA01 BA05 CC01 CC03 CD02 CE03 DA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉状態にされた処理室で溶解対象物を
    溶湯とし、該溶解対象物を析出用基板の基板面に凝固成
    長させることによって、シート状の析出板を製造する析
    出板製造装置であって、 前記溶解対象物を溶湯とするように加熱しながら収容す
    る溶解炉装置と、前記析出用基板を前記溶解対象物に浸
    漬させて引き上げる析出機構と、浸漬前の前記析出用基
    板に対する予熱機構とを備え、 前記予熱機構は、前記析出用基板の基板面に当接自在な
    予熱板と、この予熱板を所定温度とする温度調整機構と
    を有してなることを特徴とする析出板製造装置。
  2. 【請求項2】 前記析出用基板は、一枚の板を連続して
    使用することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板
    製造装置。
  3. 【請求項3】 前記析出用基板と前記予熱板とは同材質
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の析出板
    製造装置。
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