JP4007003B2 - 基板保持装置および基板保持方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱溶融された溶解対象物、特にSiからなる溶湯に析出用基板を接触・浸漬させ、融液を凝固成長させて析出物を得る際に用いられる基板保持装置及び基板保持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば半導体基板等に使用されるSiリボンを製造する場合、Siを加熱溶融して液体状とした溶湯に矩形の薄い板状の析出用基板を接触・浸漬させ、基板の下面においてSi融液を凝固成長させ、析出物を得るという処理が一般に行われている。このとき使用される析出用基板は、図10に示すように、直方体である基部110と、その基部110上面に貫通孔113を有する懸吊部112とを備えたものであるのが一般である。そして懸吊部112の貫通孔113にピン等を通して保持しながら析出用基板111を搬送し、溶湯に浸漬させたり溶湯から取り出したりする。
【0003】
半導体基板製造に使用される析出用基板111は、析出物を基部110底面に形成させ、そしてその析出物を引き剥がすという操作の繰り返しによって、基部110の底面が磨耗するため、交換する必要がある。図10に示すような従来技術による析出用基板111の場合、交換の際には、その貫通孔113に挿入されているピン等を抜き、使用済みの析出用基板を外し、次に新しい析出用基板をその貫通孔31にピン等を挿入することによって保持させるという方法が取られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の析出用基板を交換する場合、基板の貫通孔に挿入されているピン等を抜き、使用済みの析出用基板を外し、新しい析出用基板を搬入し、またピン等をその貫通孔に挿入して支持させる、という一連の煩雑な作業を行うため、その作業によって多くの労力や時間が費やされ、生産性向上の妨げとなってしまう。
【0005】
また、新しい析出用基板を交換位置へと搬入する機構、使用済みの析出用基板を外部へと搬出する機構等が必要となるため、部品点数の多い構成となってしまう。
【0006】
本発明は以上の問題を鑑みてなされたものであり、従来技術に比べて部品点数の少ない構成で且つ析出用基板の交換が容易な基板保持装置及び基板保持方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板保持装置は、溶湯に浸漬して溶解対象物を析出させるように移動される析出用基板を着脱可能に保持する基板保持装置において、前記析出用基板との当接面に吸引穴の一端が開口された基板受け台と、前記基板受け台の吸引穴の他端に接続され、ガスを排出可能なガス排出機構とを有することを特徴とする。
【0008】
上記記載の基板保持装置によると、析出用基板に基板受け台の当接面を当接した後、ガス排出機構により吸引穴のガスを排出すれば、基板受け台の当接面に吸引穴の一端が開口されているため、基板受け台と析出用基板との当接面間を減圧状態(真空状態)にすることができる。この結果、基板受け台で析出用基板を吸着して保持することができる。また、ガス排出機構によるガスの排出を解除して基板受け台と析出用基板との当接面間の減圧状態(真空状態)を解除すれば、基板受け台から析出用基板を離脱させることができる。これにより、析出用基板と基板受け台との着脱を圧力の増減により容易に行うことができるので、析出用基板を交換する際に費やす作業量及び作業時間が低減し、生産性向上を妨げることがない。さらにまた、従来技術と比較して、基板保持装置を部品点数の少ない簡単な構成で実現することができる。
【0009】
本発明の基板保持装置は、前記基板受け台および析出用基板の各当接面には、当接面の面方向にスライドさせることにより前記基板受け台と析出用基板とを位置合わせするスライド部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
上記記載の基板保持装置によれば、析出用基板を常に一定の位置関係で保持することができる。即ち、析出用基板と基板受け台との位置決め精度が高くなる。
【0011】
本発明の基板保持方法は、溶湯に浸漬して溶解対象物を析出させるように移動される析出用基板を基板受け台に着脱可能に保持する基板保持方法において、前記基板受け台で前記析出用基板を吸着することにより保持することを特徴とする。
【0012】
上記記載の基板保持方法によれば、析出用基板と基板受け台との着脱を吸着の有無により簡単に行うことができる。従って、前述の構成と同様の効果が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る基板保持装置は、図3および図4に示すように、Siを主成分とするシート状の半導体基板2を析出物として製造する半導体基板製造装置100に搭載されている。尚、半導体基板製造装置100は、析出板製造装置の一種であり、析出板製造装置は、密閉状態にされた処理室で半導体材料や金属材料等の溶解対象物101を加熱溶融して溶湯とし、この溶解対象物101をシート状の析出板となるように製造する装置を意味する。また、溶解対象物101としては、Si等の半導体材料の他、鉄やチタン等の金属材料を挙げることができる。
【0014】
上記の半導体基板製造装置100は、図3および図4に示されているように、外部環境から内部を密閉状態に隔離可能な二重壁構造の真空容器43を備えている。真空容器43は、上側収容室46を形成する円筒形状の上側タンク部44と、上側タンク部44の下部に設けられ、上側収容室46に連通した下側収容室47を形成する下側タンク部45とを有している。図3に示すように、上側タンク部44の上面中央部には第1〜第4覗き窓部48a〜48dが幅方向に形成されており、これらの覗き窓部48a〜48dは、上側収容室46および下側収容室47を上側タンク部44の幅方向全体に渡って目視可能にしている。また、図4に示すように、上側タンク部44の一端部には第5覗き窓部48eが形成されている。第5覗き窓部48eは、上側収容室46および下側収容室47を上側タンク部44の長手方向全体に渡って目視可能にしている。
【0015】
また、下側タンク部45の一方の側面壁には、図3に示すように、搬入出部5aが開口されている。搬入出部5aは、上側タンク部44の長手方向(紙面に対して垂直方向)に進退移動する開閉扉49により開閉可能にされている。そして、このように構成された真空容器43には、Arガス等の不活性ガスを供給する図示しないガス供給装置および両収容室46・47の空気を排気する図示しない真空排気装置が接続されている。これらの装置は、真空容器43の両収容室46・47を所定の圧力に減圧しながら不活性ガスを供給することによって、外部環境とは異なる処理環境を両収容室46・47に出現させるようになっている。
【0016】
上記の両収容室46・47の略中央部には、析出用基板14を溶湯15に浸漬させて引き上げる析出機構10が設けられている。析出機構10は、水平移動機構13と、水平移動機構13により水平移動可能にされた垂直移動機構11と、垂直移動機構11により昇降可能にされた旋回機構12とを有している。水平移動機構13は、水平方向に配置され、上側収容室46の両端部にかけて可動範囲が設定された水平搬送部16と、水平搬送部16の一端部に設けられた水平駆動部17とを有している。
【0017】
水平搬送部16は、図4に示すように、周面全体にネジ溝が形成されたネジ軸部材18と、ネジ軸部材18に螺合されたブロック部材19と、ブロック部材19の下面を進退移動自在に支持するレール部材20と、ブロック部材19の上面に設けられ、垂直移動機構11に連結された連結部材21とを有している。また、水平搬送部16は、これらの部材18〜19の上面を覆い隠すように設けられたカバー部材22を備えている。カバー部材22は、溶湯15等から飛散して浮遊する塵埃が各部材18〜19に積層することを防止している。
【0018】
上記の水平搬送部16の一端部には、図3に示すように、水平駆動部17が連結されている。水平駆動部17は、任意の回転速度で正逆回転可能であると共に所定の保持力で停止可能なサーボモータ等の水平駆動装置23と、水平駆動装置23を冷却する第1冷却装置24とを有している。水平駆動装置23は、ネジ軸部材18の一端部に連結されており、ネジ軸部材18を正逆回転させることによって、ブロック部材19等を介して垂直移動機構11を水平方向の任意の位置に移動可能にしている。
【0019】
また、第1冷却装置24は、図5に示すように、水平駆動装置23を下側収容室47の処理環境から隔離するように収納した収納容器25と、真空容器43の外部から収納容器25内の一端側に冷却ガスを供給するガス供給配管26と、収納容器25内の他端側から真空容器43の外部に冷却ガスを排出するガス排出配管27とを有している。ガス供給配管26には、ガス供給機28が接続されており、ガス供給機28は、冷却ガスを強制的に収納容器25内に送給することにより水平駆動装置23の周囲温度を所定温度以下に維持している。尚、冷却ガスは、Arガスや窒素ガス等の不活性ガスであっても良いし、空気であっても良い。また、ガス供給機28の代わりに、高圧の冷却ガスを収容したガスボンベを使用しても良い。
【0020】
一方、図3に示すように、垂直移動機構11は、垂直方向に配置された垂直搬送部30と、垂直搬送部30の上端部に設けられた垂直駆動部31とを有している。垂直搬送部30は、図4に示すように、上述の水平移動機構13とほぼ同一の構成部材からなっており、周面全体にネジ溝が形成されたネジ軸部材32と、ネジ軸部材32に螺合され、上面(図中左面)に旋回機構12が連結されたブロック部材33と、ブロック部材33の下面(図中右面)を昇降自在に支持するレール部材34とを有している。
【0021】
上記の垂直搬送部30の上端部には、垂直駆動部31が連結されている。垂直駆動部31は、任意の回転速度で正逆回転可能であると共に所定の保持力で停止可能なサーボモータ等の垂直駆動装置35と、垂直駆動装置35を冷却する第2冷却装置36とを有している。垂直駆動装置35は、ネジ軸部材32の上端部に連結されており、ネジ軸部材32を正逆回転させることによって、ブロック部材33等を介して旋回機構12を垂直方向の任意の高さ位置に移動可能にしている。また、第2冷却装置36は、図5の収納容器25等を有した上述の第1冷却装置24と同一の部材により同一の冷却機能を発揮するように構成されている。
【0022】
上記の垂直移動機構11で昇降される旋回機構12は、図4に示すように、ブロック部材33に一端面を連結された連結支持体38と、連結支持体38の他端面に連結された回動駆動部39とを有している。回動駆動部39は、任意の回転速度で正逆回転可能であると共に所定の保持力で停止可能なサーボモータ等の回動駆動装置40と、回動駆動装置40を冷却する第3冷却装置41とを有している。
【0023】
上記の第3冷却装置41は、垂直駆動部31と同様に、図5の収納容器25等を有した上述の第1冷却装置24と同一の部材により同一の冷却機能を発揮するように構成されている。第3冷却装置41内の回動駆動装置40は、回動軸40aの先端部が連結支持体38内に配置されている。回動軸40aの先端部には、図3に示すように、上下方向に配置された第1縦設部材42aの上端部が固設されている。第1縦設部材42aは、横設部材42bを介して第2縦設部材42cの上端部に連結されている。また、第1および第2縦設部材42a・42bの下端部は、析出用基板14における旋回方向の両端部に連結されている。そして、第1および第2縦設部材42a・42cと横設部材42bとは、旋回支持機構42を構成しており、旋回支持機構42は、回動軸40aを中心として析出用基板14を旋回させるようになっている。
【0024】
上記の第1および第2縦設部材42a・42cは、回動軸40a側から中部までの範囲が機械的強度に優れたステンレス鋼等の金属材料で形成されている一方、中部から析出用基板14に連結された下端部までの範囲が耐熱性に優れたカーボンにより形成されている。これにより、旋回支持機構42は、析出用基板14を旋回させて高温の溶湯15に浸漬させる際に、溶湯15から大量の輻射熱を下側部分に受けることになっても、長期間に亘って初期の機械的強度を維持することが可能になっている。
【0025】
上記のように各機構11〜13で構成された析出機構10は、水平移動機構13により垂直移動機構11および旋回機構12を水平方向に進退移動させることによって、図3に示すように、これら機構11・12と共に析出用基板14を予熱位置Aと析出位置Bと引き剥がし位置Cと研磨位置Dとに位置決め可能にしている。析出位置Bにおいては、各機構11〜13を連動させながら作動させることによって、回動軸40aよりも溶湯15側に近い旋回中心Oを半径とした析出軌跡で析出用基板14を進行させるようになっている。尚、図3に示す析出軌跡は、析出用基板14を旋回方向(進行方向)の上流側から斜め方向に下降させて溶湯15に浸漬させた後、進行方向の下流側に斜め方向に上昇させて溶湯15から引き上げることによって、浸漬された部分に溶湯15の凝固成長した析出物である半導体基板2を生成させるように設定されている。
【0026】
析出用基板14は、半導体基板2が析出される下面からなる基板面14aを有し、図6に示すように、矢印で示されている進行方向の上流側から斜め方向に、溶湯15に対する浸漬角度θ1をなして下降されて溶湯15に浸漬された後、進行方向の下流側に斜め方向に上昇されて溶湯から引き上げられることによって、浸漬された部分に溶湯15の凝固成長した析出物である半導体基板2を得るものである。この析出用基板14は薄い板状であり、その進行方向の上流側および下流側の各側面において、下面端部14eが上面端部14dの内側に位置するように下面から上面側にかけて下面に対して角度θ2をなして傾斜され、傾斜部14bを形成している。
【0027】
具体的には、傾斜部14bは、溶湯15に対する浸漬角度θ1よりも基板面14aに対する傾斜部14bの傾斜角度θ2が大きな角度となるように設定されており、析出される半導体基板2の進行方向の端部を上面端部14dよりも進行方向の内側に位置させるようになっている。なお、この析出用基板14は例えばカーボン等、耐火性のある材料により形成されるのが好ましい。析出用基板14をカーボン製とすることで、析出物である半導体基板2を析出用基板14から引き剥がす作業がさらに容易になると共に、析出用基板14を長期間繰り返して使用することができる。
【0028】
このような溶湯15に浸漬して溶解対象物101を析出させるように移動される析出用基板14を着脱可能に保持するため、図1および図2に示すような、析出用基板14との当接面3aに吸引穴3bの一端が開口された基板受け台3と、基板受け台3の吸引穴3bの他端に接続され、ガスを排出可能なガス排出機構7とを有する基板保持装置1が備えられている。なお、図1に断面図で示す基板受け台3は、図2に示すX−X’方向の基板受け台3中央で切断したものである。
【0029】
基板受け台3における析出用基板14との当接面3aに設けられた複数の吸引穴は、図1および図2に示すように、基板受け台3の上面から突出しているパイプ4が分岐して複数のパイプとなって当接面3cに表れたものである。このパイプ4は、図1に示されているように、2つに分岐しており、一端は真空容器3外に設置された真空ポンプ5等に接続され、他端は真空容器3内に配置され、夫々にバルブ6a,6bが設けられて開閉が調節できるようになっている。
【0030】
先ず、基板保持装置1で析出用基板14を保持する場合は、析出用基板14に基板受け台3の当接面3aを当接した後、バルブ6bを閉じた状態としてバルブ6aを開放する。基板受け台3の当接面3aに吸引穴3bの一端が開口されているため、真空ポンプ5がパイプ4を介して吸引穴3bからガスを吸引し、ガス排出機構7によって吸引穴3bのガスが排出され、基板受け台3と析出用基板14との当接面3a間が減圧状態(真空状態)となって、基板受け台3で析出用基板14を吸着して保持することができる。
【0031】
次に、基板保持装置1から析出用基板14を離脱する場合は、バルブ6aを閉じてバルブ6bを開く。これにより、吸引穴3bから真空ポンプ5へのガスの排出が解除されると共に、分岐したもう一方のパイプから真空容器3内に存在する例えば大気やArガス等が吸引穴3bへと導入される。こうしてガス排出機構7によるガスの排出を解除して基板受け台3と析出用基板14との当接面3a間の減圧状態(真空状態)が解除され、基板受け台3から析出用基板14が離脱される。
【0032】
上記のように、本実施形態に係る基板保持装置1によると、析出用基板14と基板受け台3との着脱を圧力の増減により容易に行うことができるので、析出用基板14を交換する際に費やす作業量及び作業時間が低減し、生産性向上を妨げることがない。さらにまた、従来技術と比較して、基板保持装置1を部品点数の少ない簡単な構成で実現することができる。
【0033】
基板受け台3および析出用基板14の各当接面3aには、図2に示されているように、円錐形のスライド部3c,14cが形成されている。基板受け台3側のスライド部3cは凹んだ円錐形、析出用基板14側のスライド部14cは基板受け台3側のスライド部3cに相当する突設した円錐形であり、互いに係合可能となっている。位置合わせの際、当接面3aの面方向にスライドさせると、先ず析出用基板14のスライド部14cの円錐形頂部が基板受け台3のスライド部3cの円錐形凹部斜面に当たり、析出用基板14のスライド部14c頂部が基板受け台3のスライド部3c斜面に沿って移動し、基板受け台3のスライド部3c頂部へと導かれる。このように、基板保持装置1で析出用基板14を保持する際に、基板受け台3および析出用基板14を当接面3aの面方向にスライドさせることにより基板受け台3と析出用基板14とを位置合わせすることができ、析出用基板14を常に一定の位置関係で保持することができる。即ち、析出用基板14と基板受け台3との位置決め精度を高くすることができる。
【0034】
また、基板受け台3の上面(当接面3aの反対側)には、上述の旋回支持機構42の各縦設部材42a・42cが取りつけられており、この縦設部材42a・42cによって、基板受け台3および析出用基板14は上方から支持されている。
【0035】
次に、析出用基板14が浸漬される溶湯15は、図7および図8に示すように、ルツボ装置51に収容されている。ルツボ装置51は、溶湯15を収容する収容部52aを備えたルツボ52と、ルツボ52の側面壁52bの周囲に配置された誘導加熱コイル53と、図3及び図4に示す、これらのルツボ52および誘導加熱コイル53を支持するルツボ支持台54とを有している。誘導加熱コイル53には、図3および図4に示す耐熱構造の電力ケーブル55が着脱可能に接続されており、図示しない高周波電源から高周波数の交流電力が供給されるようになっている。これにより、誘導加熱コイル53はルツボ52の周囲に交番磁場を生成させ、ルツボ52の主に表面側を誘導加熱することが可能になっている。
【0036】
一方、ルツボ52は、析出用基板14の進行方向が長尺となるように平面視長方形状に形成されており、溶湯15の収容量を最小限に抑制しながら、側面壁52bが析出用基板14の旋回の障害にならないようにしている。尚、ルツボ52は、析出用基板14の進行方向が長尺になる形状であれば良く、例えば平面視楕円形状であっても良い。また、ルツボ52は、図8に示すように、収容部52aの側面側と底面側との2方向から大きな熱量が伝達されるように、底面壁52cの厚みが平均ルツボ半径と略同等であり且つ側面壁52bの厚みと同等以上に設定されている。
【0037】
ここで、平均ルツボ半径とは、ルツボ52の全方向の半径を平均化したものである。また、ルツボ52の側面壁52bは、電磁誘導の浸透深さ未満の厚みに設定されていることが望ましく、この場合には、溶湯15を対流させることができるため、ゴミ等の落下物が核となって溶湯15の表面中央が凝固する現象を防止することが可能になる。
【0038】
また、ルツボ52の収容部52a内には、図7にも示すように、溶湯15の湯面高さの監視に使用されるカーボン製の湯面高さ検出部61が形成されている。湯面高さ検出部61は、収容部52aの底面から上面にかけて複数の段部61aを階段状に有している。湯面高さ検出部61は、析出用基板14の障害物とならないように、収容部52aのコーナー部に配置されている。尚、湯面高さ検出部61は、ルツボ52と一体的に形成されていても良いし、ルツボ52とは別に形成されていても良い。
【0039】
さらに、ルツボ52の収容部52a内には、ルツボ52の長手方向(半導体基板2の進行方向)に沿って仕切り壁62が設けられている。仕切り壁62は、析出用基板14の障害物とならないように配置されている。また、仕切り壁62は、図8に示すように、上端部がルツボ52の上面に位置し、下端部が収容部52aの底面上方に位置するように形成されている。これにより、仕切り壁62は、析出用基板14が浸漬する第1溶解槽63と、第1溶解槽63に連通する第2溶解槽64とに収容部52aを区分しており、第2溶解槽64と第1溶解槽63との間における湯面の乱れの伝播を防止している。
【0040】
上記のように構成されたルツボ52は、図3および図4に示すように、ルツボ支持台54により支持されている。ルツボ支持台54は、ルツボ52および誘導加熱コイル53をそれぞれ独立して支持する断熱支持体54aと、断熱支持体54aの下面に接合され、冷却配管を埋設された冷却盤54bと、冷却盤54bを支持する搬送台54cとを有している。ルツボ支持台54は、図4に示すルツボ搬入出機構57に載置されている。ルツボ搬入出機構57は、図4に示すように、真空容器43の搬入出部5aを挟んで真空容器43の内外に敷設されており、複数の搬送ローラー56を回転可能に備えている。そして、ルツボ搬入出機構57は、搬送ローラー56を正逆回転させることによって、ルツボ支持台54やルツボ52等からなるルツボ装置51の真空容器43に対する搬入出を可能にしている。
【0041】
上記のルツボ装置51の上方には、図4に示すように、溶解対象物101を第2溶解槽64に供給する供給機構71が設けられている。供給機構71は、先端部に投入部が形成され、粉状や塊状の溶解対象物101を収容した収容箱72と、収容箱72を水平方向に進退移動させる収容箱移動機構73と、収容箱72内の溶解対象物101を先端部から押し出す押出機構74とを備えている。
【0042】
また、ルツボ装置51の上方における真空容器43の第1覗き窓部48aには、図3に示すように、湯面高さ検出部61を溶湯15と共に撮像して撮像信号を出力する撮像装置75が設けられている。撮像装置75は、CCDカメラ等のカメラ本体76と、カメラ本体76の前方に配置されたスリット板77とを有している。スリット板77には、カメラ本体76の撮像領域を湯面高さ検出部61の周辺に制限するスリットが形成されている。
【0043】
上記の撮像装置75および供給機構71は、図示しない制御装置に接続されている。制御装置は、演算部や記憶部、入出力部等を備えており、半導体基板製造装置100の各機構を個別および連動させながら制御する各種の機能を備えている。具体的には、図7に示す湯面高さ検出部61の各段部61aにおける撮像信号の明暗に基づいて、溶湯15の湯面高さを検出する機能や、検出された湯面高さが所定の基準高さとなるように供給機構71における溶解対象物101の供給タイミングおよび/または供給量を制御する機能等を有している。
【0044】
また、図3および図4に示すように、ルツボ装置51と析出機構10との間には、溶湯15から析出機構10に向かう輻射熱を遮る第1熱遮蔽体78が設けられている。第1熱遮蔽体78は、図4に示すように、銅製の熱遮蔽板78aと、熱遮蔽板78aの上面に接合され、熱遮蔽板78aを冷却する冷却配管78bとを備えている。熱遮蔽板78aには、旋回支持機構42を挿通させる開口部と、撮像装置75による湯面高さ検出部61の撮像を可能にする窓部とが形成されている。これにより、第1熱遮蔽体78は、析出機構10に対する輻射熱の直射を極力低減することによって、析出機構10の過熱を防止するようになっている。さらに、ルツボ装置51と第1熱遮蔽体78との間には、旋回支持機構42への輻射熱の直射を防止するように、第2熱遮蔽体79が設けられている。
【0045】
また、図3に示すように、ルツボ装置51から見て析出用基板14の進行方向の上流側には、予熱機構81が設けられている。予熱機構81は、予熱位置Aの下方に配置された予熱ヒーター82と、予熱ヒーター82に着脱可能に接続された電力ケーブル83と、真空容器43の外部に配置され、電力ケーブル83を介して予熱用電力を供給する図示しない予熱電源装置とを有している。そして、予熱機構81は、予熱ヒーター82に対して析出用基板14が対向されたときに、この析出用基板14を所定温度に昇温させることによって、溶湯15と析出用基板14との温度差を一定にするようになっている。
【0046】
一方、ルツボ装置51から見て析出用基板14の進行方向の下流側には、図3に示すように、引き剥がし機構85と研磨機構86とがこの順に配置されている。引き剥がし機構85は、引き剥がし位置Cの下方に配置されており、析出用基板14と半導体基板2との間に進入する剥離部材87と、剥離部材87により引き剥がされて落下した半導体基板2を受け止める基板載置台88とを備えている。
【0047】
また、研磨機構86は、図3に示すように、研磨位置Dの斜め下方向に配置されている。研磨機構86は、析出用基板14を進入させるように上縁部の一部が開口された収納ボックス89と、収納ボックス89内に設けられた研磨機本体90とを備えている。研磨機本体90は、図9に示すように、析出用基板14の基板面14aが面状に当接される研磨ベルト91と、研磨ベルト91を張設した駆動ローラー92および従動ローラー93と、駆動ローラー92の一端部に接続され、研磨ベルト91を回転駆動させるローラー駆動モータ94と、ローラー駆動モータ94を冷却する第4冷却装置95と、これら部材を支持する研磨支持台96とを備えている。尚、第4冷却装置95は、図5の収納容器25等を有した上述の第1冷却装置24と同一の部材により同一の冷却機能を発揮するように構成されている。そして、このように構成された研磨機本体90は、析出用基板14の基板面14aに研磨ベルト91を面状に当接させながら回転させることによって、基板面14aに付着した付着物を除去するようになっている。
【0048】
上記の構成において、半導体基板製造装置100の動作を通じて本実施形態に係る基板保持装置1の動作を説明する。
【0049】
(準備・保全工程)
準備・保全工程は、半導体基板2の生産開始前および生産開始後において、半導体基板製造装置100を生産に適した状態にする場合に実施される。即ち、図3に示すように、ルツボ装置51の検査やルツボ52の交換、真空容器43内の各機構の検査等を行う場合には、先ず、開閉扉49が移動されて真空容器43の搬入出部5aが開口される。そして、電力ケーブル55がルツボ装置51から切り離された後、ルツボ搬入出機構57の各搬送ローラー56が回転されることによって、ルツボ装置51が搬入出部5aを介して機外に搬出される。この後、図示しない検査作業場において、ルツボ装置51の検査等が実施され、不具合があれば、該当箇所の修理や交換が行われる。
【0050】
また、ルツボ装置51の検査中に、図4に示すように、供給機構71の収容箱72に収容された溶解対象物101の残存量が確認され、適正な量となるように補充される。さらに、オペレータが真空容器43内の状態を目視等により検査し、必要に応じて部品の修理および交換が行われる。
【0051】
本実施形態に係る基板保持装置1に保持された析出用基板14に不具合がある場合には、図1に示すバルブ6aを閉じてバルブ6bを開き、吸引穴3bから真空ポンプ5へのガスの排出を解除し、分岐したもう一方のパイプから真空容器3内に存在する例えば真空容器3内の大気等を吸引穴3bに導入する。こうしてガス排出機構7によるガスの排出を解除して基板受け台3と析出用基板14との当接面3a間の減圧状態(真空状態)を解除し、基板受け台3から析出用基板14を離脱する。
【0052】
次に、新たな析出用基板14が準備され、この析出用基板14を基板保持装置1によって保持させるため、析出用基板14に基板受け台3の当接面3aを当接した後、バルブ6bを閉じた状態としてバルブ6aを開放する。基板受け台3の当接面3aに吸引穴3bの一端が開口されているため、真空ポンプ5がパイプ4を介して吸引穴3bからガスを吸引し、ガス排出機構7によって吸引穴3bのガスが排出され、基板受け台3と析出用基板14との当接面3a間が減圧状態(真空状態)となって、基板受け台3で析出用基板14を吸着して保持することができる。
【0053】
次に、上記のようにして各機器の検査および交換等が完了すると、図3に示すように、開閉扉49により搬入出部5aが閉鎖され、真空容器43内の上側収容室46および下側収容室47が内部から密閉される。そして、図示しない真空排気装置が作動されて空気が排気された後、Arガス等の不活性ガスが供給されることによって、外部環境とは異なる処理環境が収容室46・47に形成される。なお、本実施形態に係る基板保持装置1による析出用基板14の交換は、真空容器43内を不活性ガスで充填する前後どちらでも行うことができる。ただし、真空容器43内を不活性ガスで充填した後に析出基板14を離脱する場合は、吸引穴3bにはArガス等の真空容器43内の不活性ガスが導入される。
【0054】
この後、図7に示す誘導加熱コイル53に高周波数の交流電力が供給され、高周波磁界がルツボ52の周囲に生成される。この結果、図8に示すように、ルツボ52の側面壁の表面側に強度の磁界が印加されることによって、側面壁の主に表面側が誘導加熱により加熱され、この表面側の熱量が内側方向に向かって伝導していくことになる。この際、ルツボ52は、底面壁52cの厚みが平均ルツボ半径と略同等であり且つ側面壁52bの厚みと同等以上に設定されている。これにより、収容部52aの側面側と底面側との2方向から大きな熱量が伝達され、この熱量で溶解対象物101が均等に加熱される結果、早期に全体が溶解して溶湯15となる。また、溶湯15になった後は、この溶湯15の側面および下面が大きな熱量で加熱され続けられるため、溶湯15全体が均一な温度に維持される。
【0055】
また、溶湯15が形成されると、図3に示す真空容器43内の収容室46・47が高温になると共に、溶湯15から高温の輻射熱が放出される。そして、輻射熱の一部は、析出機構10方向に進行することになるが、析出機構10の手前に配設された第1熱遮蔽体78および第2熱遮蔽体79により進行が遮られるため、析出機構10に殆んど到達することがない。これにより、析出機構10は、輻射熱が直射されることによる熱劣化が防止されている。
【0056】
また、高温化した真空容器43内の収容室46・47には、図3および図4に示す析出機構10の駆動装置23・35・40および研磨機構86のローラー駆動モータ94が冷却装置24・36・41・95にそれぞれ収容されることにより冷却されている。この際、図5に示すように、冷却装置24・36・41・95に使用される冷却媒体には、冷却ガスが使用されている。従って、ガス供給配管26やガス排出配管27、収納容器25等が破損することによって、冷却ガスが収容室46・47に漏洩した場合でも、冷却水が溶湯15に接触して重大な故障を引き起こすような事態を生じることがない。
【0057】
(予熱工程)
上記のようにして所望の処理環境下で溶湯15が形成されることによって、生産の準備が完了すると、図3に示すように、析出機構10の垂直移動機構11が水平移動機構13により予熱位置Aに水平移動される。そして、旋回機構12が析出用基板14を垂下させた姿勢を維持しながら垂直移動機構11により下降されることによって、析出用基板14が予熱ヒーター82に対向される。この後、予熱ヒーター82に予熱用電力が供給され、予熱ヒーター82より析出用基板14が所定の予熱温度となるように加熱される。
【0058】
(析出工程)
析出用基板14が所定の予熱温度になると、図3に示すように、垂直移動機構11が析出位置Bに移動される。そして、垂直移動機構11と旋回機構12と水平移動機構13とが連動して作動されることによって、回動軸40aよりも溶湯15側に近い旋回中心Oを半径とした析出軌跡で基板保持装置1に保持された析出用基板14が旋回される。この結果、図6に示すように、析出用基板14が溶湯15に浸漬され、析出用基板14に溶湯15が析出されて半導体基板2となり、一定時間の経過後に析出用基板14が溶湯15から引き上げられることによって、所定厚みの半導体基板2が形成される。
【0059】
(引き剥がし工程)
所定厚みの半導体基板2が析出用基板14の基板面14aに形成されると、垂直移動機構11が図3に示す引き剥がし位置Cに移動される。そして、旋回機構12が析出用基板14を垂下させた姿勢から剥離部材87方向に旋回させることによって、析出用基板14と半導体基板2との間に剥離部材87を進入させる。これにより、半導体基板2が剥離部材87により強制的に析出用基板14から引き剥がされて基板載置台88に載置され、所定枚数の半導体基板2が得られた後、図示しない排出口から一括して機外に搬出される。
【0060】
(湯面制御工程)
上述の析出工程が繰り返されることによって、多数の半導体基板2が生産されると、半導体基板2の生産数に応じた消費量で溶湯15が減少する。そして、溶湯15の減少を放置すると、湯面高さが低下する結果、析出用基板14の浸漬深さが浅くなり、最終的には、析出用基板14を溶湯15に浸漬させることができなくなる。そこで、半導体基板2の生産中においては、撮像装置75によりルツボ52内の湯面高さ検出部61が撮像され、撮像信号に基づいて湯面が一定となるように溶解対象物101が供給される。
【0061】
即ち、図7に示す湯面高さ検出部61を撮像して得た各段部61aの撮像信号が図示しない制御装置に取り込まれ、この制御装置において、撮像信号中の輝度信号成分が抽出される。そして、溶湯15と湯面高さ検出部61の各段部61aとを判別するように、輝度信号成分が所定の閾値で2値化される。この後、2値化データに基づいて溶湯15から露出した段部61aが求められ、所定の段部61aが露出したときに、溶湯15の湯面高さが許容範囲以下にまで低下したと判定される。そして、この場合には、図4に示すように、供給機構71から所定量の溶解対象物101が押し出されてルツボ52に投入され、所定の湯面高さに復帰される。
【0062】
尚、上記のようにしてルツボ52に溶解対象物101が投入されると、湯面が揺動することになるが、図7に示す仕切り壁62で上面が区分された第2溶解槽64に対して溶解対象物101が投下されるため、析出用基板14が浸漬される第1溶解槽63に対して揺動が伝播することはない。これにより、溶解対象物101の投入中においても、半導体基板2の生産を継続することができる。
【0063】
(研磨工程)
半導体基板2の生産が繰り返されると、析出用基板14の基板面14aに付着物が残留する場合がある。従ってこの場合には、図3に示すように、垂直移動機構11が研磨位置Dに移動され、析出用基板14が研磨機構86の上方に位置される。そして、析出用基板14が下降され、析出用基板14の基板面14aが研磨ベルト91に当接されることによって、研磨ベルト91が回転される。この結果、基板面14aの付着物が強制的に擦り落とされ、基板面14aが生産当初の状態に回復されることになる。
【0064】
以上のように、本実施形態の基板保持装置1は、図1に示すように、溶湯15に浸漬して溶解対象物101を析出させるように移動される析出用基板14を着脱可能に保持し、析出用基板14との当接面3aに吸引穴3bの一端が開口された基板受け台3と、基板受け台3の吸引穴3bの他端に接続され、ガスを排出可能なガス排出機構7とを有するので、析出用基板14に基板受け台3の当接面3aを当接した後、ガス排出機構7により吸引穴3bのガスを排出すれば、基板受け台3の当接面3aに吸引穴3bの一端が開口されているため、基板受け台3と析出用基板14との当接面3a間を減圧状態(真空状態)にすることができる。この結果、基板受け台3で析出用基板14を吸着して保持することができる。また、ガス排出機構7によるガスの排出を解除して基板受け台3と析出用基板14との当接面3a間の減圧状態(真空状態)を解除すれば、基板受け台3から析出用基板14を離脱させることができる。これにより、析出用基板14と基板受け台3との着脱を圧力の増減により容易に行うことができるので、析出用基板14を交換する際に費やす作業量及び作業時間が低減し、生産性向上を妨げることがない。さらにまた、従来技術と比較して、基板保持装置1を部品点数の少ない簡単な構成で実現することができる。
【0065】
また、基板受け台3および析出用基板14の各当接面3aには、当接面3aの面方向にスライドさせることにより基板受け台3と析出用基板14とを位置合わせするスライド部3c,14cが形成されているので、析出用基板14を常に一定の位置関係で保持することができ、析出用基板14と基板受け台3との位置決め精度が高くなる。
【0066】
尚、本実施形態においては、基板受け台3および析出用基板14の各当接面に、夫々凹凸をなして互いに係合する円錐形のスライド部3c,14cを設けた場合について説明したが、これに限定されるものではない。即ち、スライド部3c,14cとしては、当接面3aの面方向にスライドさせることにより基板受け台3と析出用基板14とを位置合わせできるものであれば、角錐形、円柱形等様々な形状を選択でき、また、基板受け台3側に突設するスライド部を設け、析出用基板14側に凹んだスライド部を設けてもよい。また、基板受け台3の当接面3aに開口されている吸引穴3bは任意数であってよく、パイプ4も任意数設けてよい。本実施形態の基板保持装置1ではガス排出機構として真空ポンプ5等を備えた構造としているが、吸引穴3bのガスを排出できるものであれば、他の構造であってもよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明の基板保持装置は、溶湯に浸漬して溶解対象物を析出させるように移動される析出用基板を着脱可能に保持する基板保持装置において、前記析出用基板との当接面に吸引穴の一端が開口された基板受け台と、前記基板受け台の吸引穴の他端に接続され、ガスを排出可能なガス排出機構とを有する構成である。
【0068】
上記の構成によれば、析出用基板に基板受け台の当接面を当接した後、ガス排出機構により吸引穴のガスを排出すれば、基板受け台の当接面に吸引穴の一端が開口されているため、基板受け台と析出用基板との当接面間を減圧状態(真空状態)にすることができる。この結果、基板受け台で析出用基板を吸着して保持することができる。また、ガス排出機構によるガスの排出を解除して基板受け台と析出用基板との当接面間の減圧状態(真空状態)を解除すれば、基板受け台から析出用基板を離脱させることができる。これにより、析出用基板と基板受け台との着脱を圧力の増減により容易に行うことができるので、析出用基板を交換する際に費やす作業量及び作業時間が低減し、生産性向上を妨げることがない。さらにまた、従来技術と比較して、基板保持装置を部品点数の少ない簡単な構成で実現することができるという効果を奏する。
【0069】
また、本発明の基板保持装置は、前記基板受け台および析出用基板の各当接面には、当接面の面方向にスライドさせることにより前記基板受け台と析出用基板とを位置合わせするスライド部が形成されている構成である。
【0070】
上記の構成によれば、析出用基板を常に一定の位置関係で保持することができる。即ち、析出用基板と基板受け台との位置決め精度が高くなるという効果を奏する。
【0071】
また、本発明の基板保持方法は、溶湯に浸漬して溶解対象物を析出させるように移動される析出用基板を基板受け台に着脱可能に保持する基板保持方法において、前記基板受け台で前記析出用基板を吸着することにより保持する構成である。
【0072】
上記の構成によれば、析出用基板と基板受け台との着脱を吸着の有無により簡単に行うことができる。従って、前述の構成と同様の効果が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板保持装置において基板受け台と析出用基板との係合状態における断面とガス排出機構を模式的に示す概略構成図である。
【図2】図1の基板保持装置の基板受け台と析出用基板との係合前の状態を示す斜視図である。
【図3】半導体基板製造装置を正面視した場合における概略構成図である。
【図4】半導体基板製造装置を側面視した場合における概略構成図である。
【図5】第1冷却装置の概略構成を示す説明図である。
【図6】析出用基板が溶湯に浸漬する状態を示す説明図である。
【図7】溶湯の収容状態を示す斜視図である。
【図8】ルツボの熱伝導の状態を示す説明図である。
【図9】研磨機本体の斜視図である。
【図10】従来技術による析出用基板の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板保持装置
2 半導体基板(析出物)
3 基板受け台
3a 当接面
3b 吸引穴
3c スライド部
4 パイプ
5 真空ポンプ
6a,6b バルブ
7 ガス排出機構
10 析出機構
11 垂直移動機構
12 旋回機構
13 水平移動機構
14 析出用基板
14a 基板面
14b 傾斜部
14c スライド部
14d 上面端部
14e 下面端部
15 溶湯
23 水平駆動装置
24 第1冷却装置
28 ガス供給機
30 垂直搬送部
31 垂直駆動部
36 第2冷却装置
40 回動駆動装置
41 第3冷却装置
42 旋回支持機構
43 真空容器
44 上側タンク部
45 下側タンク部
46 上側収容室
49 開閉扉
51 ルツボ装置
52 ルツボ
57 ルツボ搬入出機構
61 湯面高さ検出部
62 仕切り壁
75 撮像装置
76 カメラ本体
78 第1熱遮蔽体
79 第2熱遮蔽体
81 予熱機構
86 研磨機構
95 第4冷却装置
96 研磨支持台
100 半導体基板製造装置
101 溶解対象物

Claims (7)

  1. 溶湯に浸漬して半導体材料又は金属材料である溶解対象物を析出させるように移動され、耐火性のある材料により形成された析出用基板を着脱可能に保持する基板保持装置において、
    前記析出用基板との当接面に吸引穴の一端が開口された基板受け台と、
    前記基板受け台の吸引穴の他端に接続され、ガスを排出可能なガス排出機構と
    を有し、
    前記基板受け台及び析出用基板の各当接面に、夫々凹凸をなして互いに係合するスライド部を備えていることを特徴とする基板保持装置。
  2. 前記スライド部は、前記当接面の2箇所に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の基板保持装置。
  3. 前記スライド部は、円錐形又は角錐形の形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持装置。
  4. 前記析出用基板は、カーボンにより形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の基板保持装置。
  5. 前記半導体材料は、Siを主成分とすることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の基板保持装置。
  6. 前記金属材料は、鉄およびチタンの何れか1つであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の基板保持装置。
  7. 溶湯に浸漬して半導体材料又は金属材料である溶解対象物を析出させるように移動され、耐火性のある材料により形成された析出用基板を、基板受け台に着脱可能に当接させて保持する基板保持方法において、
    各当接面に、夫々凹凸をなして互いに係合するスライド部を備えた前記基板受け台及び析出用基板を当接させ、
    前記基板受け台で前記析出用基板を吸着することにより保持することを特徴とする基板保持方法。
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