JP4374857B2 - 析出板製造装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部環境とは異なる処理環境下で溶解対象物の析出板を製造する析出板製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の析出板製造装置は、溶解対象物の溶湯を収容した溶解炉の上方に析出機構を配設しておき、基板搬出入機構により装置外部から析出用基板を搬入して析出機構に引き渡し、この析出用基板を斜め上方から下降させて溶解炉の溶湯に浸漬させる。そして、析出用基板の基板面に溶解対象物を析出させた後、析出用基板を溶湯から引き上げて基板搬出入機構に引き渡して装置外部に搬出する。この後、析出用基板から析出物を引き剥がすことによって、所定厚の析出板を製造するように構成されている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−289544号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、析出用基板を基板搬出入機構から析出機構に引き渡して溶解炉の溶湯に浸漬させた後に基板搬出入機構に引き渡すまでの一連の動作が完了するまでの期間、次の析出用基板を溶解炉の溶湯に浸漬させることができない。この結果、析出用基板を溶湯に浸漬させるサイクルタイムが増大することにより生産性が低いものになっているという問題がある。
【0005】
従って、本発明は、析出用基板を溶湯に浸漬させるサイクルタイムを短縮して生産性を高めることができる析出板製造装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、溶解対象物を溶解し、該溶解対象物が溶解した溶湯を収容する溶解炉と、それぞれが装置外部に連結され、前記溶湯に浸漬される析出板用基板を着脱位置に搬出入しており前記析出板用基板の搬出入方向に交差する方向に前記溶解炉を挟んで配置された複数台の基板搬出入機構と、各基板搬出入機構により搬出入される前記析出用基板を前記着脱位置で着脱可能な基板把持機構と、前記基板把持機構を、前記着脱位置から前記溶解炉まで移動させた後、下降させることによって、該基板把持機構に装着された前記析出用基板を前記溶湯に浸漬させる析出機構とを有することを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、溶湯を収容した溶解炉を複数台の基板搬出入機構で共用することができるため、例えば析出用基板を基板搬出入機構から析出機構に引き渡して溶解炉の溶湯に浸漬させる動作と、析出用基板を溶解炉の溶湯から引き上げて基板搬出入機構に引き渡す動作とを短い時間間隔で連続的に実施することができる。この結果、析出用基板を溶湯に浸漬させるサイクルタイムが短縮することによって、高い生産性を得ることができる。
【0008】
また、基板把持機構を着脱位置に待機させておけば、装置外部からの析出用基板が着脱位置に搬入されると同時に基板把持機構による析出用基板の装着が完了する。そして、析出用基板を溶湯に浸漬させる場合においては、析出用基板の搬出入方向に対して交差する方向に移動されるため、着脱位置から溶湯への移動時および溶湯への浸漬時に析出用基板が基板把持機構から脱落することはない。また、溶湯から着脱位置への移動時においても、基板把持機構が搬出入方向に対して交差する方向に移動されるため、析出用基板が基板把持機構から脱落することはない。この後、基板把持機構が着脱位置に移動され、搬出方向に移動されると同時に基板把持機構から析出用基板が抜脱され、装置外部に搬出することが可能になる。これにより、析出用基板の搬出入動作と浸漬動作との間で待ち時間が発生しないため、高い生産性を実現することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の析出板製造装置であって、前記基板搬出入機構は、前記溶解炉を中心にして前記搬出入方向に左右対または左右一対に並列配置されていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、溶湯を収容した溶解炉を2台の基板搬出入機構で共用することができるため、析出用基板を溶湯に浸漬させるサイクルタイムを短縮して生産性をより高めることができる。さらに、同一の析出機構を各基板搬出入機構に用いることができるため、装置コストを低減することも可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図7に基づいて以下に説明する。
本実施の形態に係る析出板製造装置である半導体基板製造装置は、図5に示すように、図示一点鎖線および図示二点鎖線の搬送経路が交差しないように溶湯15上で析出用基板14を往復移動させることによって、図2に示すように、Siを主成分とするシート状の析出板2を製造するように構成されている。尚、半導体基板製造装置1は、析出板製造装置の一種であり、析出板製造装置は、半導体材料や金属材料等の溶解対象物101を加熱溶融して溶湯とし、この溶解対象物101をシート状の析出板2となるように製造する装置を意味する。また、溶解対象物101としては、Si等の半導体材料の他、鉄やチタン等の金属材料を挙げることができる。
【0012】
上記の半導体基板製造装置1は、外部環境から内部を密閉状態に隔離可能な二重壁構造の真空容器4を備えている。真空容器4は、密閉状態の処理室3を形成している。処理室3は、析出機構収容空間3aと基板移動空間3bと溶湯収容空間3cとを上下方向に備えている。析出機構収容空間3aは、最上部に位置されており、後述の析出機構10を収容するように形成されている。基板移動空間3bは、析出機構収容空間3aと溶湯収容空間3cとの間に位置されており、図1の上下方向に2セット設けられた後述の基板搬出入機構60の中間機構部60bを収容するように形成されている。溶湯収容空間3cは、最下部に位置されており、後述のルツボ装置75を収容するように形成されている。
【0013】
上記の真空容器4には、Arガス等の不活性ガスを供給する図示しないガス供給装置および処理室3の空気を排気する図示しない真空排気装置が接続されている。これらの装置は、処理室3を所定の圧力に減圧しながら不活性ガスを供給することによって、外部環境とは異なる処理環境を処理室3に出現させるようになっている。
【0014】
また、図1に示すように、真空容器4に対して搬送方向の上流側(図中左側)には、基板搬出入機構60の搬入機構部60aが配置されている。一方、真空容器4に対して搬送方向の下流側(図中右側)には、基板搬出入機構60の搬出機構部60cが配置されている。これらの搬入機構部60aおよび搬出機構部60cと上述の中間機構部60bとは、直線状に水平配置されている。搬入機構部60aは、縦断面が矩形状の隔壁62a・62b・62cと、隔壁62a内をオペレータに目視可能にする複数の覗き窓67と、隔壁62a内に設けられ、析出用基板14を載置しながら搬送方向に移動させる図2の搬送ローラ59とを備えている。
【0015】
上記の隔壁62a・62b・62c内は、圧力調整室61aと予熱室61bと待機室61cとに区画されている。これらの各室61a・61b・61cは、搬送方向の上流側からこの順に設けられている。圧力調整室61aは、6個分の析出用基板14を直列状に収容可能なサイズに設定されている。また、圧力調整室61aは、一端が大気圧の装置外部に連通されていると共に、他端が予熱室61bに連通されている。
【0016】
圧力調整室61aの一端および他端には、第1遮蔽板63および第2遮蔽板64がそれぞれ設けられている。これらの各遮蔽板63・64は、図示しないシリンダ装置により昇降可能にされていると共に、図示しない制御装置で昇降動作が制御されている。具体的には、第1遮蔽板63は、析出用基板14を圧力調整室61aに搬入するときに上昇され、搬入後に圧力調整室61aの一端を気密状態に密閉するように下降される。一方、第2遮蔽板64は、圧力調整室61aから予熱室61bに析出用基板14を搬送するときに、第2遮蔽板64の他端を開放するように上昇される。また、圧力調整室61aには、電磁バルブ65を介して排気系66が接続されている。排気系66は、圧力調整室61aを真空状態にまで減圧可能になっている。電磁バルブ65は、圧力調整室61aへの析出用基板14の搬入時において閉栓され、析出用基板14の搬入後に、圧力調整室61aを減圧するように開栓される。
【0017】
上記の圧力調整室61aに第2遮蔽板64を介して連通された予熱室61bは、圧力調整室61aと同様に、6個分の析出用基板14を直列状に収容可能なサイズに設定されている。予熱室61bは、真空容器4と同様に二重壁構造の隔壁62bに囲まれている。また、予熱室61bは、一端が上述の第2遮蔽板64により開閉可能にされている一方、他端が第1仕切り部材68により区画されている。第1仕切り部材68は、図2に示すように、搬送ローラ59で搬送される析出用基板14を通過させる程度の隙間を形成するように設けられている。
【0018】
上記の予熱室61bには、第1予熱ヒーター82が設けられている。第1予熱ヒーター82は、搬送方向の上流側端部に位置する析出用基板14に対向するように配置されている。そして、第1予熱ヒーター82は、析出用基板14が対向されたときに、この析出用基板14を加熱して所定温度に昇温させることによって、溶湯15と析出用基板14との温度差を一定にするようになっている。尚、第1予熱ヒーター82は、電熱線を通電により発熱させて加熱する方式であっても良いし、電磁誘導を利用して加熱する方式であっても良い。また、図1に示すように、予熱室61bには、予熱時に析出用基板14から放散した不純物ガスを吸引するように、排気系66が接続されている。排気系66の吸引口は、不純物ガスを効率的に吸引するように、第1予熱ヒーター82に近接されている。
【0019】
上記の予熱室61bは、第1仕切り部材68を介して待機室61cに連通されている。待機室61cは、真空容器4と同様に二重壁構造の隔壁62cに囲まれている。また、待機室61cの一端および他端は、第1仕切り部材68および第2仕切り部材69によりそれぞれ区画されている。第2仕切り部材69は、析出用基板14と後述の基板送り機構70とを通過させるように形成および設けられている。また、待機室61cには、上述の第1予熱ヒーター82と同様の第2予熱ヒーター83が設けられている。
【0020】
上記の第2予熱ヒーター83は、待機状態の析出用基板14に対向するように配置されている。そして、第2予熱ヒーター83は、析出用基板14が対向されたときに、第1予熱ヒーター82で予熱された析出用基板14を加熱して昇温させることによって、溶湯15と析出用基板14との温度差を縮小した状態で一定にするようになっている。尚、第2予熱ヒーター83は、析出用基板14の予熱温度を微調整する用途に使用されても良いし、待機期間中における析出用基板14の過大な温度低下を防止する用途に使用されても良い。さらに、待機室61cには、予熱時に析出用基板14から放散した不純物ガスを吸引するように、排気系66が接続されている。排気系66の吸引口は、不純物ガスを効率的に吸引するように、第2予熱ヒーター83に近接されている。
【0021】
上記の待機室61cは、第2仕切り部材69を介して処理室3に連通されている。処理室3は、基板搬出入機構60の中間機構部60bを収容している。中間機構部60bは、図2に示すように、析出用基板14を移動自在に載置する第1搬送台84および第2搬送台85を備えている。第1搬送台84は、搬送ローラ59の端部に近接するように、一端部が待機室61cに進出されている。第1搬送台84と第2搬送台85とは、処理室3の上流側(図中左側)と下流側(図中右側)とに所定間隔を隔てて直列配置されている。両搬送台84・85の隙間は、基板搬出入機構60と析出機構10との間で析出用基板14を受け渡しする着脱位置Aとして設定されている。
【0022】
上記の第1搬送台84の側方には、図1に示すように、基板送り機構70が配設されている。基板送り機構70は、複数の爪部材71と、これらの爪部材71を自由端側で片持ち支持する爪支持部材72と、爪支持部材72の基端部を回動可能に支持する爪旋回機構73と、爪旋回機構73と共に爪支持部材72および爪部材71を搬送方向に進退移動させる爪進退機構74とを備えている。上記の各爪部材71は、析出用基板14の両測面を挟み込むように配設間隔が設定されていると共に、隣接する析出用基板14・14間の隙間を所定幅に拡大させるように所定の厚みに設定されている。また、爪旋回機構73は、クラッチ付きモータ等からなっており、正逆方向に回動することにより爪部材71を析出用基板14の上方および側方に位置決め可能に旋回させるようになっている。爪進退機構74は、エアーシンリンダ等からなっており、1回当りの移動距離が析出用基板14の長さに設定されている。
【0023】
そして、このように構成された基板送り機構70は、析出用基板14を爪部材71で所定間隔をおいて把持する動作と、爪部材71を搬送方向に移動させる動作と、析出用基板14から爪部材71を開放する動作と、爪部材71を搬送方向とは逆方向に移動させる動作とを繰り返すことによって、予熱室61bから待機室61cに搬入された析出用基板14を第2予熱ヒーター83による予熱位置と着脱位置Aとに順次送り込むようになっていると共に、着脱位置Aから搬出機構部60cに送り出すようになっている。
【0024】
上記の各機構部60a〜60cからなる基板搬出入機構60は、ルツボ装置75を中心として左右対称に並列配置されている。ルツボ装置75は、図2に示すように、溶湯15を収容するルツボ76と、ルツボ76の側面壁の周囲に配置された誘導加熱コイル77と、これらのルツボ76および誘導加熱コイル77を支持するルツボ支持台78とを有している。誘導加熱コイル77には、図示しない電力ケーブルを介して高周波電源が接続されている。これにより、誘導加熱コイル77は、高周波電源から高周波数の交流電力が供給されることによって、ルツボ76の周囲に交番磁場を生成させ、ルツボ76の主に表面側を誘導加熱するようになっている。
【0025】
上記のルツボ76は、図1に示すように、平面視円形状に形成されている。尚、ルツボ76は、析出用基板14の進行方向が長尺となるように平面視長方形状や楕円形状に形成されていても良い。この場合には、溶湯15の収容量を最小限に抑制しながら、ルツボ76の側面壁が析出用基板14の浸漬時の障害物になることを回避することができる。また、ルツボ76は、側面側と底面側との2方向から大きな熱量が伝達されるように、底面壁が十分に大きな厚みに設定されている。一方、ルツボ76の側面壁は、電磁誘導の浸透深さ未満の厚みに設定されており、溶湯15を対流させることによりゴミ等の落下物が核となって溶湯15の表面中央が凝固する現象を防止している。
【0026】
上記のルツボ装置75の斜め上方には、溶解対象物101を供給する供給機構90が設けられている。供給機構90は、真空容器4における搬送方向の下流側の壁面に設けられている。供給機構90は、一端が処理室3内に開口された収容隔壁91と、収容隔壁91内を処理室3側の送給室93と大気側の準備室94とに気密状に分離可能な遮蔽機構92と、準備室94を大気側に開閉可能な蓋部材95と、溶解対象物101を準備室94からルツボ76の上方に搬送する原料搬送機構96とを有している。
【0027】
また、供給機構90の側方には、真空容器4の第1覗き窓部4aが配置されている。第1覗き窓部4aには、CCDカメラ等の第1撮像装置8aが設けられている。第1撮像装置8aは、ルツボ76と共に溶湯15を撮像するように設定されており、撮像信号に基づいて溶湯15の湯面高さを検出可能にしている。また、真空容器4における搬送方向の下流側の側壁面には、第2覗き窓部4bが配置されている。第2覗き窓部4bには、CCDカメラ等の第2撮像装置8bが設けられている。第2撮像装置8bは、第1撮像装置8aでは撮像できない逆方向から見た領域を撮像するように設定されている。
【0028】
上記の各撮像装置8a・8bおよび供給機構90は、図示しない制御装置で動作が制御されている。制御装置は、演算部や記憶部、入出力部等を備えており、半導体基板製造装置1の各機構を個別および連動させながら制御する各種の機能を備えている。具体的には、第1撮像装置8aからの撮像信号の明暗に基づいて溶湯15の湯面高さを検出する機能や、検出された湯面高さが所定の基準高さとなるように、供給機構90における溶解対象物101の供給タイミングや供給量を制御する機能等を有している。
【0029】
また、ルツボ装置75の上方には、図2に示すように、析出機構10が設けられている。析出機構10は、後述の基板把持機構51を着脱位置Aとルツボ装置75の溶湯15との間で搬出入方向に対して直交する方向に移動させることによって、基板把持機構51に装着された析出用基板14を溶湯15に浸漬させて引き上げるように構成されている。具体的には、析出機構10は、着脱位置Aでは析出用基板14の他方面を下側から着脱可能に基板把持機構51を介して保持し、溶湯15への浸漬位置では析出用基板14の他方面を上側に位置させるように析出用基板14を支持しながら回転軸を中心として旋回させることによって、基板把持機構51と共に析出用基板14を交差方向に移動させる構成にされている。
【0030】
上記の析出機構10は、水平移動機構13と、水平移動機構13により水平移動可能にされた垂直移動機構11と、垂直移動機構11により昇降可能にされた旋回機構12とを有している。水平移動機構13は、待機室61cを取り囲む隔壁62cの上面に設けられている。水平移動機構13は、図3に示すように、搬送方向に対して直交された水平搬送部16と、この水平搬送部16を駆動する水平駆動部17とを有している。水平搬送部16は、水平方向に配置されており、一端側が真空容器4外に配置され、他端側が真空容器4内の処理室3に配置されている。
【0031】
上記の水平搬送部16は、図2に示すように、周面全体にネジ溝が形成されたネジ軸部材18と、ネジ軸部材18に螺合されたブロック部材19と、ブロック部材19の下面を進退移動自在に支持するレール部材20と、ブロック部材19の上面に設けられ、垂直移動機構11に連結された連結部材21とを有している。さらに、水平搬送部16は、図3に示すように、、ネジ軸部材18の一端に連結され、真空容器4外に延設された連結軸部材24を有している。連結軸部材24の一端部には、水平駆動部17が連結されている。水平駆動部17は、任意の回転速度で正逆回転可能であると共に所定の保持力で停止可能なサーボモータ等の水平駆動装置23を有している。水平駆動装置23は、連結軸部材24を介してネジ軸部材18を正逆回転させることにより垂直移動機構11を水平方向の任意の位置に移動可能にしている。
【0032】
上記の水平移動機構13で水平移動される垂直移動機構11は、図2に示すように、垂直方向に配置された垂直搬送部30と、垂直搬送部30の上端部に設けられた垂直駆動部31とを有している。垂直搬送部30は、周面全体にネジ溝が形成された図示しないネジ軸部材と、ネジ軸部材に螺合され、前面(図中右面)に旋回機構12が連結されたブロック部材33と、ブロック部材33の裏面(図中左面)を昇降自在に支持するレール部材34とを有している。
【0033】
上記の垂直搬送部30の上端部には、垂直駆動部31が連結されている。垂直駆動部31は、任意の回転速度で正逆回転可能であると共に所定の保持力で停止可能なサーボモータ等の垂直駆動装置35と、垂直駆動装置35を冷却する冷却装置36とを有している。垂直駆動装置35は、ネジ軸部材の上端部に連結されており、ネジ軸部材を正逆回転させることによって、ブロック部材33等を介して旋回機構12を垂直方向の任意の高さ位置に移動可能にしている。
【0034】
また、冷却装置36は、垂直駆動装置35を処理室3の処理環境から隔離するように収納し、窒素ガス等の不活性ガスや空気等の冷却ガスが封入された収納容器25と、収納容器25の壁面に接合することによって、この収納容器25の壁面に沿って冷却水等の冷却媒体を流動させる図示しない冷却配管とを有している。そして、冷却装置36は、冷却ガスが冷却配管を流通する冷却水等の冷却媒体で熱交換されることによって、収納容器25内における収容環境を所定の温度以下に維持するようになっている。尚、冷却装置36は、真空容器3外から収納容器25内に冷却ガスを給排出して循環させるように構成されていても良い。
【0035】
上記の垂直移動機構11は、旋回機構12を昇降可能に支持している。旋回機構12は、ブロック部材33に一端面を連結された連結支持体38と、連結支持体38の上面に連結された旋回駆動部39と、旋回駆動部39により旋回駆動される浸漬機構部37とを有している。旋回駆動部39は、任意の回転速度で回転可能であると共に所定の保持力で停止可能なサーボモータ等の旋回駆動装置40と、旋回駆動装置40を冷却する冷却装置41とを有している。
【0036】
上記の冷却装置41は、垂直駆動部31と同様に、収納容器25等を有した上述の冷却装置36と同一の部材により同一の冷却機能を発揮するように構成されている。この冷却装置41内の旋回駆動装置40は、旋回駆動軸40aが水平配置されると共に、旋回駆動軸40aの先端部がブロック部材33に対向するように配置されている。旋回駆動軸40aには、駆動用スプロケット42aが設けられている。駆動用スプロケット42aの下方には、中間スプロケット42bと旋回用スプロケット42cとがこの順に配置されている。そして、駆動用スプロケット42aは、第1チェーン43aを介して中間スプロケット42bに連結され、中間スプロケット42bは、第2チェーン43bを介して旋回用スプロケット42cに連結されている。
【0037】
上記の旋回用スプロケット42cは、回転軸部材44に設けられている。回転軸部材44は、第1支持部材45により水平方向に回転自在に支持されている。第1支持部材45は、中間スプロケット42bを回転自在に支持している。第1支持部材45は、図3にも示すように、連結支持体38から垂下されていると共に、中間スプロケット42bやチェーン43a・43bを溶湯15の輻射熱から保護するように設けられている。
【0038】
上記の第1支持部材45に支持された回転軸部材44の一端部は、ロータリーエンコーダ46に連結されている。ロータリーエンコーダ46は、回転軸部材44の回転角度を検出することによって、浸漬機構部37の旋回角度を検出可能にしている。また、ロータリーエンコーダ46の周囲には、カバー部材47が設けられている。カバー部材47は、溶湯15からの輻射熱を遮る熱遮蔽板としての機能と、溶湯15等から飛散して浮遊する塵埃がロータリーエンコーダ46に付着する防塵カバーとしての機能を備えている。
【0039】
一方、回転軸部材44の他端部は、浸漬機構部37に連結されている。浸漬機構部37は、連結支持体38の下面から垂下された第2支持部材48と、第2支持部材48により水平方向に回転自在に支持された旋回軸49と、旋回軸49に設けられた一対の旋回部材50・50とを有している。これらの旋回部材50・50の先端部には、後述の基板把持機構51が設けられている。尚、各旋回部材50は、機械的強度に優れたステンレス鋼等の金属材料で形成されていても良いし、耐熱性に優れたカーボンにより形成されていても良い。そして、このように構成された垂直移動機構11は、旋回部材50・50を旋回させることによって、着脱位置Aでは析出用基板14を下側から着脱可能に保持し、析出位置Bでは析出用基板14を保持した面を上側に位置させるようになっている。
【0040】
上記のように各機構11〜13で構成された析出機構10は、図3に示すように、水平移動機構13による水平移動と、垂直移動機構11による垂直移動と、旋回機構12による旋回移動とを組み合わせることによって、基板把持機構51を着脱位置Aと析出位置Bとに位置決め可能にしていると共に、、析出用基板14を所定の浸漬軌跡で溶湯15に浸漬させるようになっている。尚、浸漬軌跡は、析出用基板14を旋回方向(矢符方向)の上流側から斜め方向に下降させて溶湯15に浸漬させた後、旋回方向の下流側に斜め方向に上昇させて溶湯15から引き上げることによって、浸漬された部分に溶湯15の凝固成長した析出物である析出板2を生成させるように設定されている。
【0041】
上記の析出用基板14は、図4に示すように、カーボンにより平面視矩形状に形成されている。析出用基板14は、析出板2が析出される基板面14a(下面)と、析出用基板14の上面(反析出面)に形成された逆台形形状の把持部14bと、搬送方向の両側面に形成された突起部14cとを有している。上記の突起部14cは、析出用基板14・14同士が当接したときの突起部14c・14c間のブレを減少させるように、各側面の両端部に左右一対に配置されている。そして、これらの突起部14cは、隣接する析出用基板14・14間に隙間を生じさせることによって、析出用基板14のコーナー部の破損を防止するようになっていると共に、図1の基板送り機構70による析出用基板14の分離作業を容易化するようになっている。
【0042】
尚、析出用基板14の突起部14cは、搬送方向の少なくとも一方の側面に形成されていれば良い。また、析出用基板14は、基板面14aの両端部が上面の両端部の内側に位置するように基板面14aから上面側にかけて傾斜されていて良い。
【0043】
上記の析出用基板14は、図2の浸漬機構部37に設けられた基板把持機構51により着脱可能に保持される。基板把持機構51は、チャック部52・52を左右対称に一体的に備えている。各チャック部52・52は、把持部14bに係合するように下面に形成された係合部52aと、ゴミ等の落下物を受け止めるように形成された環状溝部52bと、環状溝部52bに周囲を囲まれた懸吊部52cとを有している。上記の係合部52aは、析出用基板14の把持部14bを挿入するように左右対称に配置されている。これにより、基板把持機構51は、析出用基板14が搬送方向(搬出入方向)に移動されたときに、この析出用基板14の把持部14bを係合部52a・52a間に挿入させることにより析出用基板14を上下方向に保持可能になっている。
【0044】
一方、懸吊部52cの上面には、2つの突設部52d・52dが対向配置されている。両突設部52d・52dの中央部には、ピン挿通穴52e・52eが形成されている。これらの突設部52d・52d間には、図4に示すように、上述の浸漬機構部37の旋回部材50・50が嵌合されるようになっている。そして、ピン挿通穴52e・52eには、カーボン製のピン部材53が抜脱可能に挿通されるようになっており、ピン部材53は、各旋回部材50・50をチャック部52・52に連結させるようになっている。
【0045】
上記のピン部材53は、溶湯15からの輻射熱の直射を回避するように、チャック部52の析出側の投影面積よりも短くなるように形成されている。また、ピン部材53の表面には、硬化層54が形成されており、ピン部材53は、硬化層54により表面の機械的強度が高められることによって、チャック部52のピン挿通穴52eに対して着脱する際の磨耗が低減されている。一方、チャック部52においては、ピン部材53に接触するピン挿通穴52eと、析出用基板14に接触する係合部52aおよび下面とに硬化層54が形成されている。そして、チャック部52は、硬化層54で接触面の機械的強度が高められることによって、ピン部材53の着脱時および析出用基板14の把持時における磨耗が低減されている。
【0046】
尚、硬化層54の形成方法としては、プラズマCVDやイオンプレーティング等の表面処理方法でSiC膜をコーティングする硬化処理を挙げることができる。また、硬化層54は、基板把持機構51の全表面に形成されていても良く、この場合には、基板把持機構51の全体の機械的強度を高めることができるため、基板把持機構51をオペレータが運搬する際に衝撃を与えても破損し難いものとすることができる。また、本実施形態においては、図5に示すように、図示一点鎖線および図示二点鎖線の搬送経路が交差しないように溶湯15上で析出用基板14を往復移動させるように設定した場合について説明しているが、これに限定されるものではない。即ち、図6に示すように、搬送経路が溶湯15上で交差するように設定されていても良いし、図7に示すように、搬送経路が溶湯15上で交差されると共に、搬送経路の搬送方向が互いに逆方向に設定されていても良い。
【0047】
上記の構成において、半導体基板製造装置1の動作を説明する。
【0048】
(準備・保全工程)
準備・保全工程は、析出板2の生産開始前および生産開始後において、半導体基板製造装置1を生産に適した状態にする場合に実施される。即ち、図2に示すように、ルツボ装置75の検査やルツボ76の交換、真空容器4内の各機構の検査が行われる。また、ルツボ装置75の検査中に、供給機構71の収容箱72に収容された溶解対象物101の残存量が確認され、適正な量となるように補充される。各機器の検査や交換等が完了すると、真空容器4が密閉される。そして、図示しない真空排気装置が作動されて空気が排気された後、Arガス等の不活性ガスが供給されることによって、外部環境とは異なる処理環境が処理室3に形成される。
【0049】
この後、誘導加熱コイル77に高周波数の交流電力が供給され、高周波磁界がルツボ76の周囲に生成される。この結果、ルツボ76の側面壁の表面側に強度の磁界が印加されることによって、側面壁の主に表面側が誘導加熱により加熱され、この表面側の熱量が内側方向に向かって伝導していくことになる。そして、ルツボ76の側面側と底面側との2方向から大きな熱量が伝達され、この熱量で溶解対象物101が均等に加熱される結果、早期に全体が溶解して溶湯15となる。また、溶湯15になった後は、この溶湯15の側面および下面が大きな熱量で加熱され続けられるため、溶湯15全体が均一な温度に維持される。
【0050】
また、溶湯15が形成されると、真空容器4内の収容室6・7が高温になると共に、溶湯15から高温の輻射熱が放出される。この際、輻射熱の一部は、析出機構10に向かって進行することになるが、析出機構10の旋回駆動部39に進行する輻射熱は、連結支持体38が熱遮蔽板としての機能を発揮することにより旋回駆動部39を直射することがない。また、析出機構10の第1チェーン43a等の駆動力伝達機構に進行する輻射熱は、第1支持部材45が熱遮蔽板としての機能を発揮することにより駆動力伝達機構を直射ことがない。さらに、析出機構10のロータリーエンコーダ46に進行する輻射熱は、カバー部材47が熱遮蔽板として機能を発揮することによりロータリーエンコーダ46を直射することがない。これにより、析出機構10の内部機器は、輻射熱が直射されることによる熱劣化が防止されることになる。
【0051】
さらに、垂直駆動部31および旋回駆動部39は、垂直駆動装置35および旋回駆動装置40を冷却装置36・41の収納容器25・25内に収容することによって、処理室3の高温環境下での運転を回避している。従って、これらの駆動部31・39は、熱に起因した故障の発生が十分に防止されている。尚、冷却装置36・41は、冷却ガスが冷却配管を流通する冷却水等の冷却媒体で熱交換することにより収納容器25内における収容環境を所定の温度以下に維持している。従って、溶解対象物を加熱溶融しているときに、冷却ガスが収納容器25等の破損により漏洩しても、冷却水が溶湯15に接触して重大な故障を引き起こすことがない。
【0052】
(基板搬送工程)
上記のようにして所望の処理環境下で溶湯15が形成されることによって、生産の準備が完了すると、図1に示すように、ルツボ装置75を中心として上下対称に配置された基板搬出入機構60・60において析出用基板14の搬送動作が実施される。尚、以降の説明においては、説明の便宜上、一方の基板搬出入機構60における搬送動作を説明する。
【0053】
具体的には、先ず、基板搬出入機構60の上流側に配置された図示しない基板セット位置において6個等の複数の析出用基板14が基板面14aを上向にして直列状態にセットされる。この後、電磁バルブ65の閉栓により圧力調整室61aの排気動作が停止されると共に、第1遮蔽板63が上昇されることにより圧力調整室61aの一端が開口される。そして、図示しない搬送ローラ等の搬送装置により析出用基板14が直列状態で圧力調整室61aに搬入される。
【0054】
上記の析出用基板14のセット時や搬入時において、隣接する析出用基板14・14が接触や衝突することにより各析出用基板14に衝撃が加わることがある。この際、析出用基板14の搬送方向の前後の側面に一対の突起部14c・14cが形成されているため、セット時や搬送時における接触や衝突は、析出用基板14・14の突起部14c14c同士で起ることになる。これにより、析出用基板14のコーナー部に衝撃が加わることによるコーナ−部の欠け等の破損を防止することができる。この結果、析出用基板14の基板面14aが元の形状を維持するため、所定形状の析出板を確実に得ることができる。
【0055】
圧力調整室61aに全数の析出用基板14が搬入されると、第1遮蔽板63が下降され、圧力調整室61aの両端が閉口された状態にされる。この後、電磁バルブ65が開栓され、排気系66により圧力調整室61aが真空状態にされる。そして、第2遮蔽板64の上昇により圧力調整室61aの他端が開口されることによって、圧力調整室61aと予熱室61bとが連通される。
【0056】
この後、圧力調整室61aの析出用基板14が圧力調整室61aに搬送され、全数が圧力調整室61aに搬入されると、第2遮蔽板64の下降により圧力調整室61aと予熱室61bとが隔離される。尚、圧力調整室61aにおいては、上述の基板セット位置からの析出用基板14の搬入動作が実施される。
【0057】
予熱室61bにおいては、搬送方向の先頭(最上流側)に位置する析出用基板14が第1予熱ヒーター82に対向されている。これにより、予熱ヒーター82に予熱用電力が供給されると、この予熱ヒーター82より先頭の析出用基板14が所定の予熱温度に加熱される。尚、析出用基板14を加熱したときに、析出用基板14から塵埃等が飛散する場合があるが、飛散した塵埃等は、排気系66に吸引されて装置外部に排出されるため、処理室3の雰囲気が悪化することはない。
【0058】
この後、基板送り機構70が作動され、予熱された先頭の析出用基板14が爪部材71・71に挟持されながら、ほぼ析出用基板14の長さ寸法分の距離を搬送されることにより待機室61cに搬入される。待機室61cに搬入された析出用基板14は、第2予熱ヒーター83によりさらに予熱され、所望の予熱温度に調整される。この後、基板送り機構70による搬送動作が繰り返して実施されることによって、待機室61cにおける析出用基板14が順次着脱位置A方向に搬送されながら、予熱室61bにおける先頭の析出用基板14が順次待機室61cに搬送される。
【0059】
上記のようにして析出用基板14が基板送り機構70により搬送されている間、着脱位置Aにおいては、図3に示すように、基板把持機構51が係合部52a・52aを上側に位置した姿勢で待機している。従って、析出用基板14が着脱位置Aに搬送されると、図4に示すように、析出用基板14の把持部14bが基板把持機構51の係合部52a・52a間に側方から挿入され、上下方向に係合した保持状態にされる。
【0060】
また、図2に示すように、着脱位置Aへの搬送時に、前回の析出用基板14が基板把持機構51に保持されていた場合には、今回の析出用基板14により前回の析出用基板14が基板把持機構51から搬送方向に押し出される。そして、押し出された前回の析出用基板14は、第2搬送台85を介して真空容器4の外部に搬出され、図示しない剥離機構により析出板2が析出用基板14から分離される。これにより、着脱位置Aにおいては、析出前の析出用基板14の基板把持機構51への装着と、析出後の析出用基板14の基板把持機構51からの抜脱とを同時に行うことが可能になっている。
【0061】
(析出工程)
上記のようにして両基板搬出入機構60・60において、基板把持機構51への析出用基板14の装着が完了すると、図3に示すように、一方の基板搬出入機構60における着脱位置Aの基板把持機構51が向きを一定にした状態で搬送方向に対して直交方向に移動され、基板把持機構51に保持された析出用基板14が溶湯15に浸漬される。
【0062】
具体的には、基板把持機構51が水平移動機構13により析出位置Bに向かって水平移動されながら垂直移動機構11により上昇される。そして、基板把持機構51が溶湯15の上方に位置したときに、旋回機構12が作動されることによって、旋回部材50の旋回中心を半径とした浸漬軌跡で基板把持機構51および析出用基板14が旋回される。尚、浸漬軌跡は、各機構11・12・13の動作の組み合わせにより任意のカーブを描くことができる。
【0063】
旋回時においては、基板把持機構51が係合部52a・52aの向きを搬送方向に一致させた状態で旋回する。従って、析出用基板14の突起部14cが係合部52a・52a内で搬送方向に移動しないため、析出用基板14が基板把持機構51から脱落することがない。そして、このようにして基板把持機構51に保持された析出用基板14が図示二点鎖線のように基板把持機構51の下側に位置した状態となりながら析出位置Bで溶湯15に浸漬され、析出用基板14の基板面14aに溶湯15の溶解対象物101が析出される。そして、一定時間の経過後に、析出用基板14が溶湯15から引き上げられることによって、析出用基板14の基板面14aに所定厚みの析出板2が形成される。
【0064】
上記の旋回部材50の旋回動作は、基板把持機構51が旋回前の位置に復帰するまで継続される。この際、旋回角度は、図のロータリーエンコーダ46により検出されているため、基板把持機構51の位置決めが高精度に行われる。この後、旋回機構12が停止されると共に、垂直移動機構11および水平移動機構13が作動されることによって、基板把持機構51が着脱位置Aに復帰される。この後、上述の基板搬送工程において、次回の析出用基板14が基板送り機構70により着脱位置Aに搬送されると、この次回の析出用基板14により今回の析出用基板14が送り出される。
【0065】
また、上記のようにして一方の基板搬出入機構60で析出動作が完了し、次回の析出用基板14が基板把持機構51に装着されるまでの間、他方の基板搬出入機構60における析出動作が同様に実施される。これにより、両基板搬出入機構60・60で搬送された析出用基板14が交互に使用されながら、1台のルツボ装置75で析出板2が順次製造される。
【0066】
以上のように、本実施形態の半導体基板製造装置1は、図1に示すように、溶解対象物101の溶湯15を溶解、収容するルツボ装置75(溶解炉)と、装置外部に連絡され、溶湯15に浸漬される析出用基板14を着脱位置Aに搬出入し、2台が搬出入方向に交差する方向に前記溶解炉を挟んで並列配置された基板搬出入機構60・60と、析出用基板14の搬送方向(搬出入方向)の移動により該析出用基板14(基板)を着脱可能な基板把持機構51と、基板把持機構51を着脱位置Aからルツボ装置75まで移動させた後、下降させることによって、基板把持機構51に装着された析出用基板14を溶湯15に浸漬させる析出機構10とを有した構成にされている。
【0067】
尚、本実施形態においては、2台の基板搬出入機構60・60を備えた場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、3台以上の基板搬出入機構60が並列されたものであっても良い。また、本実施形態においては、析出機構10が基板把持機構51を搬送方向に対して直交方向に移動させることによって、析出用基板14を溶湯15に浸漬させる場合について説明しているが、これに限定されるものでもなく、搬送方向に対して交差する方向に移動させるようになっていても良い。
【0068】
また、本実施形態においては、図5に示すように、図示一点鎖線および図示二点鎖線の搬送経路が交差しないように溶湯15上で析出用基板14を往復移動させるように設定した場合について説明しているが、これに限定されるものではない。即ち、図6に示すように、搬送経路が溶湯15上で交差するように設定されていても良いし、図7に示すように、搬送経路が溶湯15上で交差されると共に、搬送経路の搬送方向が互いに逆方向に設定されていても良い。
【0069】
上記の構成によれば、溶湯15を収容したルツボ装置75を複数台の基板搬出入機構60で共用することができるため、例えば析出用基板14を基板搬出入機構60から析出機構10に引き渡して溶湯15に浸漬させる動作と、析出用基板14を溶湯15から引き上げて基板搬出入機構60に引き渡す動作とを短い時間間隔で連続的に実施することができる。この結果、析出用基板14を溶湯15に浸漬させるサイクルタイムが短縮することによって、高い生産性を得ることができる。
【0070】
また、基板搬出入機構60を着脱位置Aに待機させておけば、装置外部からの析出用基板14が着脱位置Aに搬入されると同時に基板把持機構51による析出用基板14の装着が完了する。そして、析出用基板14を溶湯15に浸漬させる場合においては、析出用基板14の搬送方向に対して交差する方向に移動されるため、着脱位置Aから溶湯15への移動時および溶湯15への浸漬時に析出用基板14が基板把持機構51から脱落することはない。また、溶湯15から着脱位置Aへの移動時においても、基板把持機構51が搬出入方向に対して交差する方向に移動されるため、析出用基板14が基板把持機構51から脱落することはない。この後、基板把持機構51が着脱位置Aに移動され、搬送方向(搬出方向)に移動されると同時に基板把持機構51から析出用基板14が抜脱され、装置外部に搬出することが可能になる。これにより、析出用基板14の搬出入動作と浸漬動作との間で待ち時間が発生しないため、高い生産性を実現することができる。
【0071】
また、本実施形態の基板搬出入機構60は、ルツボ装置75を中心として左右対称に並列配置されている。尚、基板搬出入機構60は、ルツボ装置75を中心として左右一対に並列配置されていても良い。これにより、ルツボ装置75を2台の基板搬出入機構60で共用することができるため、析出用基板14を溶湯15に浸漬させるサイクルタイムを短縮して生産性をより高めることができる。さらに、同一の析出機構10を各基板搬出入機構60に用いることができるため、装置コストを低減することも可能になる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、溶湯を収容した溶解炉を複数台の基板搬出入機構で共用することができるため、例えば析出用基板を基板搬出入機構から析出機構に引き渡して溶解炉の溶湯に浸漬させる動作と、析出用基板を溶解炉の溶湯から引き上げて基板搬出入機構に引き渡す動作とを短い時間間隔で連続的に実施することができる。この結果、析出用基板を溶湯に浸漬させるサイクルタイムが短縮することによって、高い生産性を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体基板製造装置を平面視した場合における概略構成図である。
【図2】半導体基板製造装置を正面視した場合における概略構成図である。
【図3】半導体基板製造装置を側面視した場合における概略構成図である。
【図4】析出用基板を保持した基板把持機構の斜視図である。
【図5】搬送経路の説明図である。
【図6】搬送経路の説明図である。
【図7】搬送経路の説明図である。
【符号の説明】
1 半導体基板製造装置
2 析出板
3 処理室
3a 析出機構収容空間
3b 基板移動空間
3c 溶湯収容空間
4 真空容器
10 析出機構
11 垂直移動機構
12 旋回機構
13 水平移動機構
14 析出用基板
14a 基板面
14b 把持部
14c 突起部
15 溶湯
16 水平搬送部
17 水平駆動部
23 水平駆動装置
24 連結軸部材
25 収納容器
30 垂直搬送部
31 垂直駆動部
33 ブロック部材
35 垂直駆動装置
36 冷却装置
37 浸漬機構部
38 連結支持体
39 旋回駆動部
40 旋回駆動装置
41 冷却装置
46 ロータリーエンコーダ
47 カバー部材
49 旋回軸
50 旋回部材
51 基板把持機構
52 チャック部
52a 係合部
60 基板搬出入機構
60a 搬入機構部
60b 中間機構部
60c 搬出機構部
61a 圧力調整室
61b 予熱室
61c 待機室
63 第1遮蔽板
64 第2遮蔽板
65 電磁バルブ
66 排気系
67 覗き窓
68 第1仕切り部材
69 第2仕切り部材
75 ルツボ装置
76 ルツボ
82 第1予熱ヒーター
83 第2予熱ヒーター
84 第1搬送台
85 第2搬送台
90 供給機構
96 原料搬送機構
101 溶解対象物

Claims (2)

  1. 溶解対象物を溶解し、該溶解対象物が溶解した溶湯を収容する溶解炉と、
    それぞれが装置外部に連結され、前記溶湯に浸漬される析出板用基板を着脱位置に搬出入しており前記析出板用基板の搬出入方向に交差する方向に前記溶解炉を挟んで配置された複数台の基板搬出入機構と、
    各基板搬出入機構により搬出入される前記析出用基板を前記着脱位置で着脱可能な基板把持機構と、
    前記基板把持機構を、前記着脱位置から前記溶解炉まで移動させた後、下降させることによって、該基板把持機構に装着された前記析出用基板を前記溶湯に浸漬させる析出機構とを有することを特徴とする析出基板製造装置。
  2. 前記基板搬出入機構は、前記溶解炉を中心にして前記搬出入方向に左右対または左右一対に並列配置されていることを特徴とする請求項1に記載の析出板製造装置。
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