JP2003194308A - 石油給湯器用バーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】石油給湯器用バーナの運転時の振動や騒音の低
減をはかる。また、部品点数を削減し、コストダウンを
はかると共に、組立作業性の向上をはかる。 【解決手段】ノズル６に電磁ポンプ７を一体的に組み付
けると共に、点火電極９には、点火トランス１０を一体
的に組み付けた。そして、このノズル６と点火電極９お
よび点火トランス１０を、それぞれの取付面が設けられ
たバーナベース５を介して風洞２に取り付けることによ
り、電磁ポンプ７と点火トランス１０の取付金具を不要
とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、石油バーナで給水
管が接続された熱交換器を加熱し、配管接続された風呂
や湯水混合栓に、所望の給湯を行うための石油給湯器用
バーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】図７は、石油給湯器用バーナの従来例を
示した分解斜視図である。図示したように、この石油給
湯器用バーナ１００は、側面に送風機１０３が取り付け
られた略箱形の風洞１０２と、この風洞１０２内に装着
される燃焼筒１０４、およびこの風洞１０２の上部に取
り付けられるノズルアッセンブリー１０６や、電磁ポン
プ１０７、点火電極１０９、点火トランス１１０、炎監
視装置１１１などの部品で構成されている。

【０００３】ここにおいて、従来の石油給湯器用バーナ
１００では、ノズルアッセンブリー１０６は、その先端
（図７において下端）に設けられたノズル１０６ａが風
洞１０２内に設けられた燃焼筒１０４に臨むように、バ
ーナベース１０５を介してこの風洞１０２の上部に取り
付けられるようになっており、このノズルアッセンブリ
ー１０６と送油パイプ１１５を介して連結された電磁ポ
ンプ１０７は、図６に示すように、側面視略Ｌ字状の取
付金具１１６を介して、風洞１０２の側方に吊り下げ支
持されていた。

【０００４】また、上記バーナベース１０５には、点火
電極１０９と炎監視装置１１１が取り付けられており、
点火電極１０９と高圧コード１１７で連結された点火ト
ランス１１０は、風洞１０２の一側に固定された板状の
取付金具１１８を介して、風洞１０２上に取り付けられ
ていた。

【０００５】なお、上記電磁ポンプ１０７は、燃料供給
用の送油管１１９に接続されており、この送油管１１９
の電磁ポンプ１０７近傍位置には、ノズルアッセンブリ
ー１０６の戻り配管１２０が油比例弁１０８を介して連
結されていた。また、この電磁ポンプ１０７は、内蔵さ
れているプランジャー（図示せず）を半波整流された交
流電源で上下に駆動することにより、作動するようにな
っており、したがって、図では省略しているが、駆動用
の電源と電気的に接続されている。また、上記送風機１
０３や点火電極１０９、あるいは炎監視装置１１１など
にも、その駆動制御のための各種電気配線が施されてい
る。

【０００６】従来の石油給湯器用バーナ１００は、上記
の構成を有している。そして、図６に示すようにノズル
１０６ａから下向きに燃料を噴射して点火電極１０９で
着火させた後、送風機１０２の風量を上げ、下向きに燃
焼炎Ｆを噴射するようになっており、この燃焼炎Ｆでそ
の下方に位置した熱交換器（図示せず）を加熱して、熱
交換器内を流れる水を加温し、所望の給湯を行うように
していた。

【０００７】なお、上記ノズルアッセンブリー１０６
は、リターン用の油路が設けられたノズル１０６ａに取
付用のノズルアダプターを一体化したものである。

【０００８】また、図７において符号１２１は、送油管
路中に設けられた電磁弁、１１４は、電磁ポンプ１０７
に取り付けられた油温サーミスタ、１０４ａは、整風筒
を示す。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の石油給
湯器用バーナでは、電磁ポンプと点火トランスは、それ
ぞれ専用の金具を介して風洞に取り付けられるようにな
っており、また、電磁ポンプは送油パイプを介してノズ
ルアッセンブリーに接続され、点火トランスは高圧コー
ドで点火電極と接続されていた。したがって、その取り
付けには、多くの部品を要すると共に、手間もかかり、
コストの上昇と、組立作業性の低下を招くという問題点
があった。

【００１０】また、電磁ポンプは、内蔵されたプランジ
ャーを上下に駆動して作動するようになっているので、
運転の際に大きな振動を生じ、この振動が、取付金具を
介して風洞や燃焼筒に伝播するので、燃焼時に大きな振
動や騒音を伴うという問題点もあった。

【００１１】本発明は、上記従来の石油給湯器用バーナ
が有していた問題点の解決を課題とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のうち、請求項１記載の発明は、給水管が
接続された熱交換器を加熱し、配管接続された風呂や湯
水混合栓に、所望の給湯を行うための石油給湯器用バー
ナにおいて、この石油給湯器用バーナを、燃焼筒が内装
された風洞と、この風洞に取り付けられた送風機と、前
記燃焼筒内に燃料を噴射するノズルと、このノズルに燃
料を供給する電磁ポンプと、ノズルから噴射した燃料に
着火する点火電極と、点火電極に高電圧を印加する点火
トランスと、着火および燃焼状態を監視する炎監視装置
とを具備したものとし、上記ノズルと点火電極および点
火トランスを、それぞれバーナーベースを介して風洞に
取り付け、かつ、このノズルには、少なくとも電磁ポン
プを一体的に取り付け、点火電極には、点火トランスを
一体的に取り付けたことを特徴とする。

【００１３】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成のうち、バーナベースを、部品取付用の複数の
面を有したものと、限定したことを特徴とする。

【００１４】請求項３記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成に、バーナベースが、緩衝材を介して風洞に取
り付けられた構成を加えたことを特徴とする。

【００１５】請求項４記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成のうち、ノズルを返油機能を備えたリターンノ
ズルに限定すると共に、このリターンノズルからの返油
を電磁ポンプに送り込む流量調節弁を、電磁ポンプに一
体的に組み付けて設けた構成を加えたことを特徴とす
る。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示した実施の形
態に基づき詳細に説明する。

【００１７】図１は、本発明の石油給湯器用バーナの斜
視図、図２は、その分解斜視図である。本発明の石油給
湯器用バーナ１は、従来のものと同様に、燃焼筒４が内
装される略箱形の風洞２と、この風洞２の側面に風洞２
内と連通するように取り付けられる送風機３と、前記燃
焼筒４内に燃料を噴射するノズル６と、このノズル６に
燃料を供給する電磁ポンプ７と、ノズル６から噴射した
燃料に着火する点火電極９と、点火電極９に高電圧を印
加する点火トランス１０と、着火および燃焼状態を監視
する炎監視装置１１とを具備している。

【００１８】ここにおいて、本発明の石油給湯器用バー
ナ１では、上記ノズル６を電磁ポンプ７と一体にユニッ
ト化し、これをバーナベース５を介して風洞２の上部開
口２ａの部分に取り付けている。

【００１９】また、このバーナベース５には、点火トラ
ンス１０が直接、接続されて該点火トランス１０と一体
化された点火電極９と、炎監視装置１１も同様に取り付
けられている。

【００２０】なお、上記バーナベース５は、ノズル６や
点火電極９、あるいは炎監視装置１１が、それぞれ所定
の高さ位置に取り付けられるように、部品取付用の複数
の面５ａ，５ｂ，５ｃを有しており、ゴムなどで形成さ
れたリング状の緩衝材１２を介して風洞２の上部にねじ
止めされるようになっている。

【００２１】上記のユニット化されたノズル６は、図３
並びに図４に示すように、返油機能を備えたリターンノ
ズル６の上方に、このノズル６に燃料を供給する電磁ポ
ンプ７を連設すると共に、この電磁ポンプ７の側方に、
ノズル６からの返油量の調節を行う油比例弁８を設けた
ものである。

【００２２】上記電磁ポンプ７は、非磁性材製のパイプ
からなる垂直なシリンダー７１内に、鉄などの磁性材で
形成されたプランジャー７２を摺動可能に挿入すると共
に、このプランジャー７２を上下に設けたばね７４，７
５で緩衝支持し、さらにシリンダー７１の周囲に、プラ
ンジャー７２を駆動するための電磁コイル７６を設けた
ものであり、電磁コイル７６に所定の駆動パルス電流を
印加することにより、プランジャー７２が上下に往復駆
動され、その時のポンプ作用により、送油配管口７３に
接続された送油管（図示せず）から供給された燃料をノ
ズル６に圧送するようになっている。

【００２３】また、上記油比例弁８は、非磁性材で形成
されたシリンダー８１内に、中心に挿通孔８２ａを有す
る筒形に磁性材で形成された押圧部材８２を摺動可能に
挿入し、その上側に押圧部材８２を下方付勢するばね８
３を設けると共に、その下側にボール弁８４とこのボー
ル弁８４で開閉される通路８５ａを備えた弁座８５を設
け、さらに、上記シリンダー８１の周囲に電磁コイル８
６を設けたものであり、この電磁コイル８６に通電する
ことにより、押圧部材８２の付勢力を調節し、通過する
返油量を可変とするものである。ちなみにこの電磁コイ
ル８６への通電量が大きくなると、通過する燃料は減少
するようになっている。

【００２４】本発明の石油給湯器用バーナ１は、上記の
構成を有している。

【００２５】なお、図４において符号８８は、返油路８
７中に設けられたフィルター、８９は、油比例弁８の入
口側（図４において下側）に設けられた逆止弁を示す。
また、１３は、アキュムレータ、１４は、温度サーミス
タを示す。さらに図２において符号４ａは、整風筒を示
す。

【００２６】また、図では省略しているが、各部品には
それぞれを駆動制御するための各種の電気配線が施され
ている。

【００２７】次に上記構成を有する本発明の石油給湯器
用バーナ１の機能について説明すると、まず、電源を投
入すると、送風機３が低速で回転を開始し、次いで電磁
ポンプ７が作動し、燃料がノズル６に送られ、同時に点
火電極９で放電が開始される。この時、油比例弁８は、
軟着火状態（油戻り量大）にあり、したがって、ノズル
６からは、少量の燃料が噴霧されることとなる。なお、
この時、温度サーミスタ１４で燃料の温度を感知し、噴
霧量の補正を行う。

【００２８】次いで、ノズル６から噴射された燃料に着
火すると、ノズル６の近傍に設けられた炎監視装置１１
がその事を検知し、点火電極９の放電を停止すると共
に、送風機３を高回転で作動させ、さらに、油比例弁８
を要求熱量分の出力となるように油戻り量を絞り込む。

【００２９】このことで、図５に示すように、燃焼炎Ｆ
が下方に噴射され、その下方に配置された熱交換器（図
示せず）を加熱して、熱交換器内を通過する水を加温
し、所望の給湯をおこなうものである。

【００３０】そして、このように作動している間、ノズ
ル６に燃料を供給するため電磁ポンプ７のプランジャー
７２は、上下に往復駆動され、振動を発生することとな
るが、本発明の石油給湯器用バーナ１では、電磁ポンプ
７はノズル６と一体化されて直接、バーナベース５に取
り付けられ、しかもこのバーナベース５は、緩衝材１２
を介して風洞２に取り付けられているので、振動や騒音
が増幅されることなく、むしろ減衰して風洞２に伝達さ
れる。よって、運転時の騒音や振動が低減されることと
なる。

【００３１】また、バーナベース５には、部品取付用の
複数の面５ａ，５ｂ，５ｃが設けられているので、ノズ
ル６や点火電極９などの部品が、図５に示すように最適
な位置に取り付けられると共に、バーナベース５自体の
剛性も向上することとなる。よって、この面からも振動
や騒音の低減効果が得られる。

【００３２】さらに、本発明の石油給湯器用バーナ１で
は、ノズル６に電磁ポンプ７や油比例弁８が一体化さ
れ、点火電極９には点火トランス１０が一体的に取り付
けられているので、連結用の配管や高圧コードなどの部
品が不要になると共に、その接続の手間もなくなる。よ
って、コストダウンと組立作業性の向上が図られると共
に、配管や高圧コードが共振して振動や騒音を生じるお
それもなくなるものである。

【００３３】なお、図示した実施の形態ではノズル６と
して返油機能を備えたリターンノズルを例示したが、返
油機能のない通常のノズルであっても良く、この場合
は、当然、油比例弁８は、電磁ポンプ７に併設する必要
はない。

【００３４】また、実施の形態では、バーナベース５と
風洞２との間に、緩衝材１２を介在させた例を示した
が、バーナ自体が小型であったり、あるいは振動や騒音
をそれほど抑える必要がない場合には、この緩衝材１２
は必ずしも設けなくても良い。

【００３５】さらにまた、図示した実施の形態では、剛
性を上げると共にノズルや点火電極９などの部品を最適
な位置に取り付けられるように、部品取付用の複数の面
５ａ，５ｂ，５ｃを有するバーナベース５を例示した
が、バーナベース５が十分な剛性を有し、かつ、部品側
で最適な位置に取り付けられるように、その寸法や形状
が対応するように形成されている場合には、このバーナ
ベースは、一枚の板状のものであっても良い。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち、請
求項１記載の発明は、電磁ポンプが一体的に取り付けら
れたノズルと、点火トランスが一体的に取り付けられた
点火電極を、バーナベースを介して風洞に取り付けるこ
ととしたので、取付金具や配管などの部品点数が削減さ
れ、コストダウンが図られると共に、組立作業性も向上
する。また、運転時の振動や騒音が低減され、石油給湯
器に対する従来のイメージが払拭されて、従来、導入が
困難であった場所への利用も促進されるという効果があ
る。

【００３７】また、請求項２記載の発明は、バーナベー
スを、部品取付用の複数の面を有するものとしたので、
点火電極や炎監視装置などの部品を最適な位置に簡単に
取り付けることができると共に、バーナベース自体の剛
性も向上し、この面からの振動や騒音の低減効果が得ら
れる。さらに、各部品がコンパクトに一体化されるの
で、バーナ自体の高さが低くなり、コンパクトになると
いう効果もある。

【００３８】請求項３記載の発明は、バーナーベース
を、緩衝材を介して風洞に取り付けることとしたので、
請求項１記載の発明の効果に加え、振動や騒音が一層低
減されるという効果がある。

【００３９】請求項４記載の発明は、ノズルを返油機能
を備えたリターンノズルとし、このリターンノズルから
の返油を電磁ポンプに送り込む流量調節弁を、電磁ポン
プに一体的に組み付けることとしたので、この種の燃料
流量調節機能を備えた石油給湯器用バーナにおいて、上
記請求項１記載の発明の効果を損なうことなく、その構
成が簡素化されるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る石油給湯器用バーナの実施形態を
示した斜視図である。

【図２】図１に示した石油給湯器用バーナの分解斜視図
である。

【図３】ユニット加されたノズル部分の正面図である。

【図４】図３に示したノズル部分の縦断面図である。

【図５】本発明の石油給湯器用バーナの燃焼状態を示し
た簡略説明図である。

【図６】従来の石油給湯器用バーナの燃焼状態を示した
簡略説明図である。

【図７】従来の石油給湯器用バーナの分解斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 石油給湯器用バーナ ２ 風洞 ３ 送風機 ４ 燃焼筒 ５ バーナベース ５ａ，５ｂ，５ｃ 部品取付面 ６ ノズル ７ 電磁ポンプ ８ 油比例弁 ９ 点火電極 １０ 点火トランス １１ 炎監視装置 １２ 緩衝材 １３ アキュムレータ １４ 温度サーミスタ ７１ シリンダー ７２ プランジャー ７３ 送油配管口 ７４，７５ ばね ７６ 電磁コイル ８１ シリンダー ８２ 押圧部材 ８２ａ 挿通孔 ８３ ばね ８４ ボール弁 ８５ 弁座 ８５ａ 通路 ８６ 電磁コイル ８７ 返油路 ８８ フィルター ８９ 逆止弁

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給水管が接続された熱交換器を加熱し、
   配管接続された風呂や湯水混合栓に、所望の給湯を行う
   ための石油給湯器用バーナであって、 この石油給湯器用バーナは、燃焼筒が内装された風洞
   と、この風洞に取り付けられた送風機と、前記燃焼筒内
   に燃料を噴射するノズルと、このノズルに燃料を供給す
   る電磁ポンプと、ノズルから噴射した燃料に着火する点
   火電極と、点火電極に高電圧を印加する点火トランス
   と、着火および燃焼状態を監視する炎監視装置とを具備
   し、 上記ノズルと点火電極および点火トランスは、それぞれ
   バーナベースを介して風洞に取り付けられ、かつ、この
   ノズルには、少なくとも電磁ポンプが一体的に取り付け
   られ、点火電極には、点火トランスが一体的に取り付け
   られていることを特徴とする石油給湯器用バーナ。
2. 【請求項２】 上記バーナベースが、部品取付用の複数
   の面を有していることを特徴とする請求項１記載の石油
   給湯器用バーナ。
3. 【請求項３】 上記バーナベースが、緩衝材を介して風
   洞に取り付けられたことを特徴とする請求項１記載の石
   油給湯器用バーナ。
4. 【請求項４】 上記ノズルが返油機能を備えたリターン
   ノズルで、かつ、このリターンノズルからの返油を電磁
   ポンプに送り込む流量調節弁が、該電磁ポンプに一体的
   に組み付け、設けられたことを特徴とする請求項１記載
   の石油給湯器用バーナ。