JP2003192790A - ラジカル重合性オルガノポリシロキサン混合物およびその製造方法 - Google Patents

ラジカル重合性オルガノポリシロキサン混合物およびその製造方法

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JP2003192790A
JP2003192790A JP2001397812A JP2001397812A JP2003192790A JP 2003192790 A JP2003192790 A JP 2003192790A JP 2001397812 A JP2001397812 A JP 2001397812A JP 2001397812 A JP2001397812 A JP 2001397812A JP 2003192790 A JP2003192790 A JP 2003192790A
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JP2001397812A
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Takayuki Aso
貴之 麻生
Haruhiko Furukawa
晴彦 古川
Yoshiji Morita
好次 森田
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機樹脂改質剤の原料として有用である、新
規なラジカル重合性オルガノポリシロキサン混合物およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 (A)反応性官能基もしくはケイ素原子
結合水素原子を有する片末端ラジカル重合性オルガノポ
リシロキサン、(B)反応性官能基もしくはケイ素原子
結合水素原子を有する両末端ラジカル重合性オルガノポ
リシロキサン、(C)ラジカル重合性基を有しない反応
性オルガノポリシロキサンからなるラジカル重合性オル
ガノポリシロキサン混合物[該混合物中、(C)成分の
比率は30重量%以下である。]およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なラジカル重
合性オルガノポリシロキサン混合物およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジカル重合性オルガノポリシロキサン
は、ラジカル重合性ビニルモノマーとの共重合に使用さ
れ、この共重合により得られるシリコーングラフト・ビ
ニル系共重合体は、例えば、有機樹脂の改質剤として用
いられている。例えば、特開昭58−167606号公
報では、両末端にSiOH基を持つジメチルポリシロキ
サンにγ−(メタ)アクリロキシプロピルクロロシラン
を反応させてラジカル重合性ジメチルポリシロキサンを
合成した後、ラジカル重合性ビニルモノマーと共重合さ
せる方法が提案されている。また、特開昭63−168
469号公報や特開平2−80415号公報には、一方
の分子鎖末端にラジカル重合性基を有するジメチルポリ
シロキサンとビニル系単量体を共重合させる方法が提案
されている。しかしながら、前者の方法では、得られた
シリコーングラフト・ビニル系共重合体中にラジカル重
合性基を有しない未反応のジメチルポリシロキサンが多
量存在するため、該共重合体を有機樹脂の改質剤として
使用すると、該ジメチルポリシロキサンが樹脂表面にブ
リードアウトするという問題点があった。また、後者の
方法で使用される、分子鎖末端の一方にラジカル重合性
基を有するジメチルポリシロキサンは、原料として高価
な高純度ヘキサメチルトリシクロシロキサンを使用する
ため、コストが非常に高いという欠点があった。加え
て、ヘキサメチルトリシクロシロキサンのリビング重合
には厳しい製造条件が必要であるため、生産性が低いと
いう欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、有機樹脂改質剤の原料として有
用である、新規なラジカル重合性オルガノポリシロキサ
ン混合物およびその製造方法に関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般
式:
【化6】 [式中、R1は炭素原子数1〜10の同一もしくは異なる
アルキル基またはアリール基であり、R2は反応性官能
基を有する一価有機基または水素原子であり、R3 はラ
ジカル重合性基であり、R4はR1またはR2であり、m
は1〜50であり、nは0〜299であり、(m+n)は
2〜300の整数である。]で表わされるオルガノポリ
シロキサン、(B)一般式:
【化7】 (式中、R1、R2、R3、mおよびnは前記と同じであ
る。)で表わされるオルガノポリシロキサン、および、
(C)一般式:
【化8】 (式中、R1、R2、R4、mおよびnは前記と同じであ
る。)で表わされるオルガノポリシロキサンからなるラ
ジカル重合性オルガノポリシロキサン混合物[該混合物
中、(C)成分の比率は30重量%以下である。]およ
びその製造方法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】(A)一般式:
【化9】 で表される片末端ラジカル重合性オルガノポリシロキサ
ンにおいて、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基も
しくはアリール基であり、アルキル基としては、メチル
基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イ
ソプロピル基,イソブチル基,シクロペンチル基,シク
ロヘキシル基が例示され、アリール基としては、フェニ
ル基,ナフチル基が例示される。これらの中でもメチル
基,フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
このR1は全て同一である必要はなく、複数の基が混在
してもよい。R2は反応性官能基を有する一価有機基ま
たは水素原子である。反応性官能基とは、各種有機樹脂
や硬化剤と反応する官能基、自己架橋性基あるいは加水
分解性基であり、具体的には、水酸基,エポキシ基,ア
ミノ基,アミド基,カルボキシル基,イソシアネート
基,アルコキシシリル基,ハロゲン化シリル基,ハロゲ
ン化アルキル基,フェノール基が挙げられる。但し、ラ
ジカル重合性基は含まない。このような反応性官能基
は、例えば、アルキレン基,ポリオキシアルキレン基,
エーテル基,エステル基のような二価有機基を介してケ
イ素原子に結合していることが好ましい。エステル基お
よびエーテル基の具体例としては、式:
【化10】
【化11】 (上式中、R6は水素原子もしくはメチル基である。)で
示される基が挙げられる。なお、この二価有機基はヘテ
ロ原子を含んでいてもよい。このようなR2としては、
3−グリシドキシプロピル基,アミノプロピル基,N−
ブチルアミノプロピル基,N−シクロヘキシルアミノプ
ロピル基,N,N−ジブチルアミノプロピル基,3−ヒド
ロキシプロピル基,3−(2−ヒドロキシエチル)プロ
ピルエーテル基,3−(2−ヒドロキシプロピル)プロ
ピルエーテル基,3−カルボキシプロピル基,10−カル
ボキシデシル基,3−イソシアネートプロピル基、トリ
メトキシシリルエチル基,トリメトキシシリルプロピル
基,3−クロロプロピル基,3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基,p−クロロメチルフェネチル基,ノナフルオロヘ
キシル基,ヒドロキシフェニルプロピル基の他、下記式
で示される有機基が例示される。下式中、nは平均2〜
50の整数である。
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】 3はラジカル重合性基であり、例えば、下記式で表さ
れる基やアルケニル基が挙げられる。
【化26】
【化27】
【化28】 上式中、R6は水素原子もしくはメチル基である。R7
炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、R8は炭素
原子数1〜10のアルキル基である。bは0〜4の整数
であり、cは0または1である。このようなラジカル重
合性基としては、例えば、アクリロキシメチル基,3−
アクリロキシプロピル基,メタクリロキシメチル基,3
−メタクリロキシプロピル基,4−ビニルフェニル基,
3−ビニルフェニル基,4−(2−プロペニル)フェニ
ル基,3−(2−プロペニル)フェニル基,2−(4−
ビニルフェニル)エチル基,2−(3−ビニルフェニ
ル)エチル基,ビニル基,アリル基,メタリル基,5−
ヘキセニル基が挙げられる。R4 はR1またはR2であ
り、共重合体の分子設計に応じてどちらかを選択すれば
よい。ただし、mが3以下の場合は、R4をR2とした方
が好ましい。mは1〜50であり、nは0〜299であ
り、(m+n)は2〜300の整数である。これは、(m
+n)が300を越えると、ラジカル重合性が低下する
ためである。なお、上記一般式中の式:(R21Si
O)と式:(R1 2SiO)のシロキサン単位の結合状態
は、ブロック結合でもランダム結合でもよい。(A)成
分としては、1種類のオルガノポリシロキサンを単独で
使用してもよく、重合度の異なる2種以上のオルガノポ
リシロキサン混合物を使用してもよい。
【0006】(B)一般式:
【化29】 で表される両末端ラジカル重合性オルガノポリシロキサ
ンにおいて、R1、R2、R3、mおよびnは前記と同じ
である。また、式:(R21SiO)と式:(R1 2Si
O)のシロキサン単位の結合状態は、ブロック結合でも
ランダム結合でもよい。(B)成分としては、1種類の
オルガノポリシロキサンを単独で使用してもよく、重合
度の異なる2種以上のオルガノポリシロキサン混合物を
使用してもよい。
【0007】(C)一般式:
【化30】 で表されるラジカル重合性基を有しない反応性オルガノ
ポリシロキサンにおいて、R1、R2、R4、mおよびn
は前記と同じである。また、式:(R21SiO)と
式:(R1 2SiO)のシロキサン単位の結合状態は、ブ
ロック結合でもランダム結合でもよい。(C)成分とし
ては、1種類のオルガノポリシロキサンを単独で使用し
てもよく、重合度の異なる2種以上のオルガノポリシロ
キサン混合物を使用してもよい。
【0008】本発明のラジカル重合性オルガノポリシロ
キサン混合物は、上記(A)成分〜(C)成分からな
り、この混合物中、(C)成分の比率は30重量%以下
である。これは、30重量%を越えると、本発明混合物
のラジカル重合性が低下するためである。各成分の配合
比率は、(A)成分:(B)成分:(C)成分=0.1
〜80:0.1〜70:0.1〜30重量%であることが
好ましく、(A)成分:(B)成分:(C)成分=20
〜70:0.5〜50:0.5〜30重量%であることが
より好ましい。
【0009】このようなラジカル重合性オルガノポリシ
ロキサン混合物は、上記各成分をそれぞれ合成した後、
混合してもよいが、一般式(a):
【化31】 (式中、R1およびR3は前記と同じである。)で表され
るジシロキサンと、一般式(b):
【化32】 (式中、R1は前記と同じであり、R5はR1または水素
原子である。)で表わされるジシロキサンと、一般式
(c):(R1 2SiO)4で表されるテトラシクロシロキ
サンと、一般式(d):(HR1SiO)4で表されるテト
ラシクロシロキサンとを、酸性触媒存在下に平衡共重合
させる方法、または、前記一般式(a)〜(d)で表される
シロキサンを酸性触媒存在下に平衡共重合させた後、生
成した平衡共重合物に、二重結合および反応性官能基を
含有する化合物をヒドロシリル化反応用触媒の存在下に
ヒドロシリル化反応させる方法により製造することがで
きる。即ち、前者の方法では、(A’)一般式:
【化33】 (式中、R1、R3、R5、mおよびnは前記と同じであ
る。)で表わされるオルガノポリシロキサンと、
(B’)一般式:
【化34】 (式中、R1、R3、mおよびnは前記と同じである。)
で表わされるオルガノポリシロキサンと、(C’)一般
式:
【化35】 (式中、R1、R5、mおよびnは前記と同じである。)
で表わされるオルガノポリシロキサンからなる、Si−
H結合含有ラジカル重合性オルガノポリシロキサン混合
物が得られ、後者の方法により、上記(A’)成分〜
(C’)成分中のSi−H結合が反応性官能基に置換さ
れる。このような本発明の製法は、厳しい製造条件を要
するヘキサメチルトリシクロシロキサンのリビング重合
が不要であるため、生産性が良好である。各シロキサン
の配合比率は、(a)成分:(b)成分:(c)成分:
(d)成分=0.1〜30:0〜30:0.1〜99:
0.1〜99重量%であることが好ましく、(a)成
分:(b)成分:(c)成分:(d)成分=0.1〜2
0:0〜20:1〜95:0.5〜95重量%であるこ
とがより好ましい。酸性触媒としては、ジオルガノシロ
キサンの平衡重合に通常使用される触媒が使用でき、具
体的には、トリフルオロメタンスルホン酸,活性白土,
濃硫酸などの酸性触媒が挙げられる。平衡共重合は、耐
酸性の重合装置を使用して、20℃〜150℃の温度条
件下に1〜20時間重合させるのが好ましい。重合後
は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアな
どで中和し、次いで、中和塩や不要揮発物を蒸留やろ過
にて取り除けばよい。
【0010】平衡共重合後のヒドロシリル化反応に使用
される、二重結合および反応性官能基を含有する化合物
の一例としては、一般式(e):
【化36】 で示される化合物が挙げられる。上式中、R6はメチル
基または水素原子であり、R9は反応性官能基を有する
一価有機基であり、前記R2で例示したのと同様の基が
挙げられる。このような化合物としては、アリルアルコ
ール,エチレングリコールモノアリルエーテル,プロピ
レングリコールモノアリルエーテル,ブチレングリコー
ルモノアリルエーテル等のアルキレングリコールモノア
リルエーテル;ポリエチレングリコールモノアリルエー
テル,ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル,
ポリブチレングリコールモノアリルエーテル等のポリア
ルキレングリコールモノアリルエーテル;アリルグリシ
ジルエーテル,アリルアミン,N−ブチルアリルアミ
ン,N,N−ジメチルアリルアミン,アクリル酸N,N−
ジメチルアミノエチル,メタクリル酸N,N−ジメチル
アミノエチル,アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチ
ル,メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル,アク
リル酸,メタクリル酸,ウンデシレン酸,ビニルトリメ
トキシシラン,メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン,ビニルメチルクロロシラン,ビニルジメチルクロ
ロシラン,ビニルトリクロロシラン,塩化ビニル,塩化
アリル,アリルフェノールが例示される。
【0011】ヒドロシリル化反応用触媒は白金系触媒が
好ましく、具体的には、塩化白金酸,塩化白金酸のアル
コール溶液,白金のオレフィン錯体,白金のビニル系シ
ロキサン錯体,白金のカルボニル錯体が例示される。ヒ
ドロシリル化の反応条件は使用される触媒の種類によっ
て異なるが、白金系触媒を使用した均一な系では、50
〜150℃で1〜6時間反応させればよい。
【0012】以上のような本発明のラジカル重合性オル
ガノポリシロキサン混合物は、上記(A)成分〜(C)
成分の3種類のオルガノポリシロキサンから構成される
新規な混合物である。このような本発明の混合物は、反
応性官能基とラジカル重合性基を有するので、例えばこ
れをラジカル重合性ビニルモノマーとラジカル共重合さ
せると、反応性官能基を有するシリコーングラフト・ビ
ニル系共重合体が得られる。さらにこのシリコーングラ
フト・ビニル系共重合体は、該共重合体中に存在する、
ラジカル重合性基を有しない(C)非重合性オルガノポ
リシロキサンが反応性官能基を有するので、該反応性官
能基と反応し得る基を有する有機樹脂に添加配合する
と、これらが化学的に結合してシリコーン成分によるブ
リードアウトが発生しないという利点を有する。従っ
て、本発明のラジカル重合性オルガノポリシロキサン混
合物は、有機樹脂改質剤の原料として有用である。ここ
で有機樹脂としては、イソシアネート樹脂,ポリエステ
ル樹脂,ポリエーテル樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリア
クリル樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリアミノ樹脂,ポリ
アミド樹脂,シリコーン樹脂,エポキシ樹脂が挙げられ
る。また本発明のラジカル重合性オルガノポリシロキサ
ン混合物は、有機樹脂改質剤だけでなく、塗料,ワック
ス,紙加工剤,繊維処理剤,フィルム加工剤,土木用樹
脂,接着剤,粘着剤,電子写真現像剤などの原料として
も使用することができる。また、本発明の製造方法は、
従来のラジカル重合性オルガノポリシロキサンの製法に
必須であったヘキサメチルトリシクロシロキサンを使用
しないので、本発明のラジカル重合性オルガノポリシロ
キサン混合物を低コストで効率よく生産できるという特
徴を有する。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。
実施例中、部は重量部を表す。
【0014】
【実施例1】攪拌装置、温度計および還流冷却管をつけ
た1000ccの4つ口フラスコに、式:
【化37】 で表わされるジシロキサン25.4g、ヘキサメチルジ
シロキサン10.7g、オクタメチルテトラシクロシロ
キサン924.5g、テトラメチルテトラシクロシロキ
サン39.5g、ハイドロキノン1gおよびトリフルオ
ロメタンスルホン酸1gを仕込み、70℃に加温した。
これを70℃にて5時間保持した後、アンモニアガスを
吹き込んで中和した。次いで、減圧下にて100℃まで
昇温して揮発分を除去し、冷却後精密ろ過して、
(A')式:
【化38】 (B’)式:
【化39】 (C’)式:
【化40】 で表わされるSi―H結合含有ラジカル重合性オルガノ
ポリシロキサン混合物904gを得た。この混合物中、
各シロキサンの比率は、重量比で、(A'):
(B’):(C’)=50:25:25であった。
【0015】
【実施例2】攪拌装置、温度計、および還流冷却管をつ
けた200ccの4つ口フラスコに、実施例1で得たS
i―H結合含有ラジカル重合性オルガノポリシロキサン
混合物91gを仕込み、窒素で置換した後、エチレング
リコールモノアリルエーテル9gを加えて50℃に加温
した。次いで、塩化白金酸0.001gを加えて、50
℃にて2時間反応させた。IRスペクトルにてSi―H
結合の消滅を確認した後、減圧下にて余剰のエチレング
リコールモノアリルエーテルを除去、ろ過して、(A)
式:
【化41】 (B)式:
【化42】 (C)式:
【化43】 で表されるOH基含有ラジカル重合性オルガノポリシロ
キサン混合物95gを得た。この混合物中、各シロキサ
ンの比率は、重量比で、(A):(B):(C)=5
0:25:25であった。
【0016】
【実施例3】攪拌装置、温度計、および還流冷却管をつ
けた200ccの4つ口フラスコに、実施例1で得たS
i―H結合含有ラジカル重合性オルガノポリシロキサン
混合物89gを仕込み、窒素で置換した後、N,N’−
(トリメチルシリル)アリルアミン11gを加えて50
℃に加温した。次いで、塩化白金酸0.001gを加え
て、50℃にて2時間反応させた。IRスペクトルにて
Si―H結合の消滅を確認した後、水1gを加えてシリ
ルエステルを加水分解し、減圧下にてアリルアミンや水
等の揮発成分を除去、ろ過して、(A)式:
【化44】 (B)式:
【化45】 (C)式:
【化46】 で表されるアミノ基含有ラジカル重合性オルガノポリシ
ロキサン混合物90gを得た。この混合物中、各シロキ
サンの比率は、重量比で、(A):(B):(C)=5
0:25:25であった。
【0017】
【実施例4】実施例2において、Si―H結合含有ラジ
カル重合性オルガノポリシロキサン混合物の量を88g
とし、エチレングリコールモノアリルエーテルをビニル
トリメトキシシラン12gに代えた以外は実施例2と同
様にして、(A)式:
【化47】 (B)式:
【化48】 (C)式:
【化49】 で表されるトリメトキシシリル基基含有ラジカル重合性
オルガノポリシロキサン混合物94gを得た。この混合
物中、各シロキサンの比率は、重量比で、(A):
(B):(C)=50:25:25であった。
【0018】
【実施例5】実施例2において、Si―H結合含有ラジ
カル重合性オルガノポリシロキサン混合物の量を90g
とし、エチレングリコールモノアリルエーテルをアリル
グリシジルエーテル10gに代えた以外は実施例2と同
様にして、(A)式:
【化50】 (B)式:
【化51】 (C)式:
【化52】 で表されるエポキシ基含有ラジカル重合性オルガノポリ
シロキサン混合物93gを得た。この混合物中、各シロ
キサンの比率は、重量比で、(A):(B):(C)=
50:25:25であった。
【0019】
【応用例1】攪拌装置、温度計および還流冷却管をつけ
た300ccの4つ口フラスコに、トルエン150gを
投入して、窒素雰囲気下80℃に加熱攪拌しながらこの
中に、実施例2で得たOH基含有ラジカル重合性オルガ
ノポリシロキサン混合物10g、メタクリル酸メチル8
0g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10gおよび
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.
0gの混合物を徐々に滴下した。滴下終了後、80℃に
て8時間保温・攪拌したところで重合を終了して減圧乾
燥することにより、OH基含有シリコーングラフト・ビ
ニル系共重合体組成物95gを得た。この組成物10g
にトルエン15gを加えて溶解させた後、イソシアネー
ト系硬化剤(日本ポリウレタン製;商品名コロネート
L)2g、オクチル酸スズ0.1gを混合した。この混
合液を、乾燥後の厚さが50μmとなるようにガラス板
に塗布して、室温にてトルエンを揮発させた。次いで1
00℃のオーブンで30分処理して、透明な硬化皮膜を
得た。得られた硬化皮膜表面にシリコーン成分のしみ出
しはなく、ブリードアウトは認められなかった。
【0020】
【応用比較例1】応用例1において、実施例2で得たO
H基含有ラジカル重合性オルガノポリシロキサン混合物
の代わりに、(X)式:
【化53】 (Y)式:
【化54】 (Z)式:
【化55】 で示されるラジカル重合性オルガノポリシロキサン混合
物[(X):(Y):(Z)は重量比で50:25:2
5]10gを使用した以外は応用例1と同様にして、反
応性官能基を含有しないシリコーングラフト・ビニル系
共重合体組成物95gを得た。この組成物を用いて応用
例1と同様にして硬化皮膜を形成したところ、皮膜表面
にかなりのシリコーン成分がしみ出ており、ブリードア
ウトが認められた。
【0021】
【応用比較例2】応用例1において、実施例2で得たO
H基含有ラジカル重合性オルガノポリシロキサン混合物
の代わりに、一般式:
【化56】 で示されるラジカル重合性オルガノポリシロキサンを使
用した以外は応用例1と同様にして、反応性官能基を含
有しないシリコーングラフト・ビニル系共重合体94g
を得た。この組成物を用いて応用例1と同様にして硬化
皮膜を形成したところ、皮膜表面に少量のシリコーン成
分がしみ出ており、ブリードアウトが認められた。
【0022】
【発明の効果】本発明のラジカル重合性オルガノポリシ
ロキサン混合物は、上記(A)成分〜(C)成分からな
る新規な混合物であり、ラジカル官能性ビニルモノマー
と共重合しやすく、反応性官能基またはケイ素原子結合
水素原子を有するので、有機樹脂改質剤の原料として有
用であるという特徴を有する。また、本発明の製造方法
は、該ラジカル重合性オルガノポリシロキサン混合物を
効率よく製造できるという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 好次 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 Fターム(参考) 4J027 AF01 AF04 AF05 AF06 4J035 BA02 CA022 CA132 LB20 4J038 CL001 DL101

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式: 【化1】 [式中、R1は炭素原子数1〜10の同一もしくは異なる
    アルキル基またはアリール基であり、R2は反応性官能
    基を有する一価有機基または水素原子であり、R3 はラ
    ジカル重合性基であり、R4はR1またはR2であり、m
    は1〜50であり、nは0〜299であり、(m+n)は
    2〜300の整数である。]で表わされるオルガノポリ
    シロキサン、(B)一般式: 【化2】 (式中、R1、R2、R3、mおよびnは前記と同じであ
    る。)で表わされるオルガノポリシロキサン、および、
    (C)一般式: 【化3】 (式中、R1、R2、R4、mおよびnは前記と同じであ
    る。)で表わされるオルガノポリシロキサンからなるラ
    ジカル重合性オルガノポリシロキサン混合物[該混合物
    中、(C)成分の比率は30重量%以下である。]。
  2. 【請求項2】 R2の反応性官能基が、水酸基,エポキ
    シ基,アミノ基,アミド基、カルボキシル基,イソシア
    ネート基,アルコキシシリル基,ハロゲン化シリル基,
    ハロゲン化アルキル基,フェノール基からなる群から選
    択される基である、請求項1に記載のラジカル重合性オ
    ルガノポリシロキサン混合物。
  3. 【請求項3】 一般式(a): 【化4】 (式中、R1およびR3は前記と同じである。)で表され
    るジシロキサンと、一般式(b): 【化5】 (式中、R1は前記と同じであり、R5はR1または水素
    原子である。)で表わされるジシロキサンと、一般式
    (c):(R1 2SiO)4で表されるテトラシクロシロキ
    サンと、一般式(d):(HR1SiO)4で表されるテト
    ラシクロシロキサンとを、酸性触媒存在下に平衡共重合
    させることを特徴とする、請求項1に記載のラジカル重
    合性オルガノポリシロキサン混合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記一般式(a)〜一般式(d)で表される
    シロキサンを酸性触媒存在下に平衡共重合させた後、生
    成した平衡共重合物に、二重結合および反応性官能基を
    含有する化合物をヒドロシリル化反応用触媒の存在下に
    ヒドロシリル化反応させることを特徴とする、請求項1
    に記載のラジカル重合性オルガノポリシロキサン混合物
    の製造方法。
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