JP2003191484A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2003191484A
JP2003191484A JP2001394827A JP2001394827A JP2003191484A JP 2003191484 A JP2003191484 A JP 2003191484A JP 2001394827 A JP2001394827 A JP 2001394827A JP 2001394827 A JP2001394827 A JP 2001394827A JP 2003191484 A JP2003191484 A JP 2003191484A
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ink
ink jet
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ejection port
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JP2001394827A
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Hideo Saikawa
英男 才川
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】回復装置を簡略化する場合でも、記録ヘッド内
のインク中の気泡等の異物を効果的に除去することを可
能にし、記録装置の小型軽量化及び記録画像の品位向上
を図る。 【構成】記録時には吐出口123が鉛直方向下向きにな
る姿勢でインクを記録用紙40へ吐出し、非記録時に回
復動作を行なうときには、吐出口123が鉛直方向上向
きになる姿勢で記録ヘッド31内のインクを加圧して吐
出口123から排出することにより気泡等の異物を除去
する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録手段から被記録
材へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置は、記録情
報に基づいて紙、布、プラスチックシート、OHP用シ
ート等の被記録材(記録媒体)に画像(文字や記号等を
含む)を記録していくように構成されている。前記記録
装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤド
ット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けること
ができる。
【0003】被記録材の搬送方向(紙送り方向、副走査
方向)と交叉する方向に主走査しながら記録するシリア
ルタイプの記録装置においては、被記録材に沿って移動
するキャリッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)に
よって画像を記録(主走査)し、1行分の記録を終了し
た後に所定量の紙送り(副走査としてのピッチ搬送)を
行い、その後に再び停止した被記録材に対して次の行の
画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことに
より、被記録材全体の記録が行われる。一方、被記録材
の搬送方向の副走査のみで記録するラインタイプの記録
装置においては、被記録材を所定の記録位置にセット
し、一括して1行分の記録を行った後、所定量の紙送り
(ピッチ送り)を行い、さらに次の行の記録を一括して
行うという動作を繰り返すことにより、被記録材全体の
記録が行われる。
【0004】そのうち、インクジェット式の記録装置
(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッ
ド)から被記録材へインクを吐出して記録を行うもので
あり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な
画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理
を必要とせずに記録することができ、ランニングコスト
が安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、
しかも、多種類のインク(例えばカラーインク)を使用
してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を
有している。
【0005】インクジェット記録ヘッドの吐出口からイ
ンクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する
エネルギー発生素子としては、ピエゾ素子等の電気機械
変換体を用いるもの、レーザー等の電磁波を照射して発
熱させ、この発熱作用によってインク滴を吐出させるも
の、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換体によって
液体を加熱するものなどがある。その中でも、熱エネル
ギーを利用してインクを滴として吐出するインクジェッ
ト式の記録手段(記録ヘッド)は、吐出口を高密度に配
列することができるため高解像度の記録をすることが可
能である。特に、その中でも、電気熱変換体素子をエネ
ルギー発生素子として用いる記録ヘッドは、小型化が容
易であり、かつ最近の半導体分野における技術の進歩と
信頼性の向上性が著しいIC技術やマイクロ加工技術の
長所を十分に活用でき、高密度実装化が容易で製造コス
トも安価なことから、有利である。
【0006】また、被記録材の材質に対する要求も様々
なものがあり、近年では、これらの要求に対する開発が
進み、通常の被記録材である紙(薄紙や加工紙を含む)
や樹脂薄板(OHP等)などの他に、布、皮革、不織
布、さらには金属等を被記録材として用いる記録装置も
使用されるようになっている。
【0007】一方、情報処理装置としてのコンピュータ
は、出張先や移動中の新幹線の車内等でも使用できるよ
うに、携帯性に優れた小型軽量で省エネ化されたものも
多く発売されてきている。そのため、出力機器としての
記録装置に対しても同様なことが要請されている。例え
ば、携帯可能で独立して記録可能なタイプの記録装置が
提案されており、そのための記録装置として、柱条の筐
体に記録ヘッドが一体的に組み込まれたものが知られて
いる。このような記録装置は、例えば、作業者が記録装
置を把持して被記録材(用紙)上を移動させながら記録
する構成になっている。そして、このように構成するこ
とによって、記録紙を搬送するための搬送機構や記録ヘ
ッドを搭載したキャリッジを往復移動させるための主走
査機構を省略することが可能となり、小型軽量化及び低
消費電力化を実現することができる。
【0008】また、記録ヘッドの微細な吐出口から吐出
される微小インク滴を記録紙の表面に付着させて画像を
記録していくインクジェット記録装置においては、吐出
口近傍の液路内のインク中に気泡や増粘インクや固着イ
ンクが発生すると、インクの不吐出や吐出方向のヨレな
どの吐出不良が発生し、記録画像の品位が低下してしま
うことがある。そこで、このような不都合を解消するた
め、所定のタイミングで記録時以外に吐出口からインク
を排出(吐出を含む)することにより、記録ヘッド(そ
の液路等)内の気泡や増粘インクや塵埃などの異物をイ
ンクとともに排出させて記録ヘッド内のインクをリフレ
ッシュさせる処理である回復処理が行なわれている。
【0009】つまり、一般のインクジェット記録装置で
は、記録ヘッド内のインクの性状を維持回復させるため
の回復装置(回復機構)が設けられており、従って、イ
ンクジェット記録装置では、記録装置の小型軽量化を図
るためには、記録ヘッドの吐出口や液路内のインク中の
気泡や増粘インクを排出させるための回復装置などを簡
略化することが有効である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インクジェット記録装置では、回復装置を簡略化する
と、インクの種類や記録装置の周囲の環境によっては、
吐出口内のインク中の気泡などの異物を十分に取り除く
ことができない場合がある。本発明は、このような技術
的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、
回復装置を簡略化する場合でも、記録手段内のインク中
の気泡等の異物を効果的に除去することができ、それに
よって、装置の小型軽量化及び記録画像の品位向上を図
ることができるインクジェット記録装置を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)は、
上記目的を達成するため、記録手段の吐出口から被記録
材へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録
装置において、前記吐出口が鉛直方向上向きになる姿勢
で、前記記録手段内の気泡を除去するための回復動作を
行なうことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、上記請求項1の構成に
加えて、記録時には前記吐出口が鉛直方向下向きになる
姿勢でインクを吐出する構成とすることにより、記録時
のインク滴の飛翔速度を低下させることがなく、高い記
録品位を保ったまま、一層効率よく上記目的を達成する
ものである。また、請求項3の発明は、上記請求項1又
は2の構成に加えて、前記回復動作は、記録手段内のイ
ンクを加圧して前記吐出口から吐出させる動作である構
成とすることにより、装置の更なる小型軽量化を図るこ
とで、一層効率よく上記目的を達成するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明を適用したインクジ
ェット記録装置の一実施例の記録時の状態を示す模式的
斜視図である。図1は本発明の実施の一形態として机等
の平板上に置かれた被記録材(用紙)に記録する状態を
示すものである。図1において、装置本体3をガイド軸
7に沿って矢印A方向に移動(走査)しながら、該装置
本体3内の装着された記録手段としての記録ヘッド31
(図2)から下向き(矢印B方向)にインクを吐出して
被記録材としての記録紙40の記録面に画像を記録して
いく。つまり、前記装置本体3にはガイド孔15が設け
られており、図1に示す記録状態では、前記ガイド軸7
をこのガイド孔15に摺動自在に挿入嵌合することによ
り、記録装置(装置本体3)を該ガイド軸7に沿って矢
印A方向に移動(走査)しながら装置本体3内の記録ヘ
ッド31(図2)からインクを吐出して記録紙40に記
録していく。
【0014】図1において、装置本体3には走行用のロ
ーラ4が回転自在に軸支されており、ガイド軸7の下側
の両端部にはゴム足9が設けられており、前記ローラ4
及び前記ゴム足9は用紙40が置かれた机等の上面に接
している。そして、前記ローラ4と前記2個のゴム足9
とによって、装置本体3内の記録ヘッド(記録手段)3
1の吐出口面と用紙(被記録材)40との間隙(クリア
ランス)が一定に保たれている。また、装置本体3の図
1の状態での底面には、自由に回転する複数個の拍車1
7が取り付けられている。これらの拍車17は、記録状
態では、不図示のバネ軸により用紙40をわずかに下へ
押しつけるように構成されている。
【0015】前記ガイド軸7はほぼ円柱形状をしてお
り、その図1中の上部は長手方向全域にわたって一部削
除されて平坦化され、該平坦化部分に磁気的エンコーダ
20が張り付けられている。前記装置本体3の上部には
カバー1が装着されており、該カバー1の内部には記録
ヘッド31にインクを供給するためのインクタンク33
(図2)が構成されている。また、図1において、装置
本体3の内部には、本記録装置とパソコン等との間の赤
外線信号の受渡しを行うためのインターフェースである
IRDA(不図示)や、前記エンコーダ20の磁気信号
を読み取って装置本体3の移動量を検出するためのセン
サなどが搭載されている。さらに、装置本体3には、本
記録装置の状態を表す表示部としてのLED5や、本記
録装置への入力手段の役割を果たすスイッチ6などが設
けられている。
【0016】図1の記録装置(インクジェット記録装
置)の記録するまでの一連の動作は以下の通りである。
すなわち、先ず、スイッチ6を押すことにより、本記録
装置はデータ受信可能な状態となり、LED5が点灯す
る。次に、不図示のパソコンから赤外線データが送られ
てくると、本記録装置は、IRDAよりデータを受信
し、制御部で処理を行なって記録可能な状態となる。ま
た、前記LED5は点滅を開始する。
【0017】次いで、装置本体3をガイド軸7に沿って
移動させ、センサ(不図示)によってエンコーダ20の
データを検出する。このデータに基いて制御部が装置本
体3の移動状態を解析し、その移動量に応じてインクジ
ェット記録ヘッド31(図2)から用紙40へインクを
吐出して記録を開始する。このとき、前記ローラ4は、
机等の載置面に接しており、装置本体3の移動に合わせ
て回転する。同時に、前記拍車17は、用紙40の浮き
を押さえながら前記ローラ4とともに回転する。
【0018】図2は、図1のインクジェット記録装置の
記録時の状態における横断面図である。図1及び図2に
おいて、装置本体3はその内部の記録ヘッド31が鉛直
方向下向きにインクを吐出する姿勢で載置面上のガイド
軸7に沿って移動可能であり、該装置本体3の上部にカ
バー1が着脱可能に取り付けられている。図2におい
て、前記カバー1の内部にはインクタンク33が設けら
れており、該インクタンク33の内部には多孔質体15
1が収納されており、該多孔質体151内にはインク1
52が保持(貯留)されている。また、カバー1の上面
(外側面)には、環境温度の変化によるインクタンク3
3内部の膨張空気を逃がすための大気連通孔153が設
けられている。さらに、カバー1の装置本体3側(内側
面)には、装置本体3を上下反転させて取り付けた場合
(図6の非記録時の状態)に、記録ヘッド(記録手段)
31の吐出口面と密着して吐出口を密閉するためのキャ
ップ156が装着されている。
【0019】図2において、装置本体3には、インクを
吐出して記録するための記録ヘッド31と該記録ヘッド
31へインクを供給するためのチューブ154とが設け
られている。前記チューブ154と記録ヘッド31との
間はユニバーサルジョイント155で接続されており、
インクタンク33から記録ヘッド31へインクが供給さ
れる。さらに、装置本体3の内部には、記録ヘッド31
の吐出信号の制御や外部からの信号の授受を司るPCB
32、並びに電気エネルギーを記録ヘッド31やPCB
32へ供給するための電源34なども設けられている。
前記エンコーダ20を読み取るためのセンサ(不図示)
は前記PCB32に設けられ、該エンコーダ20の磁気
信号を読み取りながら装置本体3の移動量及び位置を検
出するように構成されている。
【0020】図3は図1及び図2のインクジェット記録
装置で使用されるインクジェット記録ヘッド31の概略
構成を示す模式的分解斜視図である。図3において、図
1及び図2のインクジェット記録装置では、用紙40の
幅の一部又は全域をに対応する長さを有するライン型記
録ヘッド31が使用されており、このライン型記録ヘッ
ド31としては、例えば、インク152を吐出する吐出
口が配列密度360dpi(70.5μm)で吐出口数
1200(記録幅85mm)個形成された構成のものが
使用されている。
【0021】図3において、複数の素子基板(以下ヒー
ターボードともいう)100のそれぞれは、吐出エネル
ギー発生素子101が所定の位置に360dpiの密度
で形成された構造を有する。図示の例では、支持部材
(ベースプレート)130の上面に15個の素子基板
(ヒーターボード)100が配設されている。ここで
は、各素子基板(ヒーターボード)100に設けられる
吐出エネルギー発生素子101として、インクに熱を与
えるための発熱抵抗素子(電気熱変換体)が使用される
場合を例示する。また、各ヒーターボード100には、
外部からの電気信号により任意のタイミングで各吐出エ
ネルギー発生素子101を駆動したりする信号パッド、
並びにその駆動のための電力などを供給するための電力
パッド102などが設けられている。前記各ヒーターボ
ード100は、金属やセラミックスといった材質で作ら
れた支持体(ベースプレート)130の表面上に接着剤
にて接着固定さている。
【0022】また、ベースプレート130には、前記複
数のヒーターボード100と共に、配線基板140が接
着貼付されている。ここで、前記ヒーターボード100
上のパッド102と前記配線基板140上に設けられた
信号・電力供給パッド141とは所定の位置関係となる
ような関係位置に接着貼付されている。また、配線基板
140には、外部から記録信号や駆動電力の供給を受け
るためのコネクター142が設けられている。
【0023】図4は図3中の天板120、すなわち記録
ヘッド31内に各吐出口へ通じる液路(流路)を形成す
るための溝が形成される溝付部材である天板120を示
す図であり、同図の(a)は(d)中の上方から見た平
面図であり、(b)は(d)中の左方から見た正面図で
あり、(c)は(d)中の下方から見た下面図であり、
(d)は(b)中の線X−Xに沿った断面図である。図
4において、天板120には、各ヒーターボード100
に設けられた複数の吐出エネルギー発生素子101のそ
れぞれに対応して設けられた複数の液路(流路)122
と、各液路122の先端開口部によって形成され被記録
材(記録紙)に向けてインク152を吐出させるための
複数の吐出口123と、複数の液路122のそれぞれに
インク152を供給するために各液路122に連通した
共通液室121と、インクタンク33から供給されるイ
ンクを前記共通液室121に流入させるためのインク供
給口124と、が設けられている。
【0024】そして、上記天板120は、前記複数のヒ
ーターボード100を並べて形成された吐出エネルギー
発生素子列の全体に覆い被さるような長さの部材で構成
されている。また、本実施例では、図3で示されるよう
に天板120は、その複数の液路122とベースプレー
ト130上に配列された各ヒーターボード100上の複
数の吐出エネルギー発生素子101との関係位置が所定
の位置関係になるように接合固着されている。
【0025】以上図3及び図4に示す記録手段31によ
り、インクを吐出するために利用される熱エネルギーを
発生する電気熱変換体101を備えているインクジェッ
ト記録手段が構成されている。また、この記録手段31
は、前記電気熱変換体101が発生する熱エネルギーに
より液路122中のインクに生じる膜沸騰を利用して吐
出口123よりインクを吐出させるものである。
【0026】図5は図1及び図2に示すインクジェット
記録装置の非記録時の状態を示す模式的斜視図であり、
図6は図5の非記録状態のインクジェット記録装置の横
断面図であり、図7は図5及び図6に示すインクジェッ
ト記録装置において非記録時に(非記録状態の時に)記
録手段31内の気泡を除去するための回復動作を行なう
際の状態を示す横断面図である。
【0027】本実施例に係るインクジェット記録装置
は、記録時には(記録状態では)、図1及び図2に示す
ように吐出口123が鉛直方向下向きになる姿勢でイン
クを吐出して(従ってインクを鉛直方向下向きに吐出し
て)被記録材40に記録していくが、非記録時には(非
記録状態では)、図5及び図6に示すように図1及び図
2の状態からカバー1の取付け位置を装置本体3の記録
ヘッド31側へ変更することによりキャップ156を該
記録ヘッド31に密着させて吐出口123を密閉すると
ともにガイド軸7を装置本体3の外側表面上(図示上
面)のツメ11、12に係合させて保持する状態にし、
カバー1を下側にして保管場所に載置するように構成さ
れている。
【0028】さらに、上記本実施例に係るインクジェッ
ト記録装置は、非記録時に(非記録状態で)記録手段3
1の回復処理を行なう際には、図5及び図6の状態(姿
勢)から上下反転させることにより吐出口123が鉛直
方向上向きになる姿勢で、記録手段31内の気泡を除去
するための回復動作を行なうように構成されている。そ
して、この回復動作は、記録手段(記録ヘッド)31内
のインクを加圧して前記吐出口123から吐出させる動
作で行なわれる。
【0029】図5及び図6において、装置本体3はAB
S等のプラスチック材で作られており、該装置本体3の
記録ヘッド31と反対側の外面にはツメ(掛止部)1
1、12が一体に形成されている。携帯時等の非記録状
態では、前記ガイド軸7はこれらのツメ11、12の間
に圧入する。つまり、これらのツメ11、12は携帯時
等に前記ガイド軸7を保持して一体に持ち運びできるよ
うに構成されている。また、カバー1を装置本体3の記
録ヘッド31側に取り付けることにより、該カバー1の
内面に装着されたキャップ156により記録ヘッド31
の吐出口123部分が密閉され、これによって、該吐出
口123近傍におけるインク乾燥の防止(又は軽減)及
び塵埃等の異物の付着防止が図られている。
【0030】さらに、チューブ154と記録ヘッド31
との間は前述のようにユニバーサルジョイント155で
接続されており、かつチューブ154の長さも予め十分
に長く設定されているため、装置本体3に対するカバー
1の取付け位置を上下反対側へ変更する場合でも、イン
クタンク33から記録ヘッド31へのインク供給に不都
合が生じることはない。
【0031】さらにまた、吐出口123内のインクの増
粘や塵埃侵入による記録品位の劣化を防止するために、
記録を開始する前に予備吐出を行なう必要があるが、こ
の予備吐出では、例えば図1に示したスイッチ6を3秒
以上連続して押すことで予備吐出モードに入ることによ
り、全吐出口123のそれぞれから400発づつのイン
ク吐出を行なう。予備吐出されたインクは、インクタン
ク33内の多孔質部材151に到達し吸収保持される。
吸収されたインクの一部は、再びインクタンク33から
チューブ154を通して記録ヘッド31へ供給すること
で再利用される。一度吐出されたインクは濃度が若干上
昇するが、インクタンク33内のインク容量に比べれば
その量が極くわずかであるので、記録品位には影響しな
い。また、一度吐出されたインク中にゴミが混在して
も、インクタンク33内のフィルター157によりトラ
ップされるため、何ら不都合はない。
【0032】また、本実施例では、インクが無くなった
場合は、インクタンク33のみを交換してもよいが、カ
バー1そのものを交換してもよい。カバー1を交換する
場合は、ランニングコストは若干上昇するが、フィルタ
ー157やキャップ156やパッキン30の劣化による
トラブルを未然に回避できるという利点がある。
【0033】図7は本実施例に係るインクジェット記録
装置において非記録時に(非記録状態の時に)記録手段
31内の気泡を除去するための回復動作を行なう際の姿
勢(状態)を示す横断面図であり、図8はこの回復動作
の操作状態を図7中の線K−Kに沿った部分で順次説明
するための部分断面図である。本実施例においては、非
記録時に(非記録状態で)、図5及び図6の状態(姿
勢)から記録装置を上下反転させることにより、図7に
示すように吐出口123が鉛直方向上向きになる姿勢に
したうえで、、記録手段31内の気泡を除去するための
回復動作が行なわれる。そして、この回復動作は、記録
手段(記録ヘッド)31内のインクを加圧して前記吐出
口123からインク吐出させる動作で行なわれる。
【0034】図7及び図8において、インクタンク33
内のインク152はチューブ154を通して記録ヘッド
31へ供給される。また、装置本体3には、外部から押
圧操作可能な操作部材161と、該操作部材161の先
端(内端)部にリンク部材164を介して回転自在に結
合されたチューブ押圧部材162と、該チューブ押圧部
材162を矢印E方向に付勢して該チューブ押圧部材1
62に前記リンク部材164に関して図示反時計方向の
弾性回転力を付与しているバネとが設けられている。
【0035】図8の(a)は、操作部材161に操作力
が作用しない通常の状態を示す。図8の(b)は、操作
部材161に矢印D方向の操作力(押圧力)を作用させ
ることにより、該操作部材161及び前記チューブ押圧
部材162をそのまま(バネ163が圧縮しないまま)
の姿勢で図示右方向へ移動させて、該チューブ押圧部材
162によりチューブ154をポイントFで押し潰した
状態を示する。図8の(c)は、図8の(b)の状態か
ら操作部材161をさらに矢印D方向に押圧操作するこ
とにより、該操作部材161がさらに図示右方向へ移動
するとともに、前記チューブ押圧部材162がバネ16
3に抗して図示時計方向にある角度回転し、それによっ
て、チューブ押圧部材162によるチューブ154の押
し潰し位置が図8の(b)に示すポイントFから記録ヘ
ッド31寄りのポイントGへ移動した状態を示す。
【0036】図8において、(a)の状態ではインクは
チューブ154を通して記録ヘッド31へ通常通り供給
されるが、(b)及び(c)の状態ではインクの供給と
遮断される。そして、チューブ154の押し潰し点が
(b)のポイントFから(c)のポイントGへ記録ヘッ
ド31側へ移動することにより、チューブ154内のイ
ンクが矢印H方向へ移動し、記録ヘッド31内のインク
の圧力が上昇する。
【0037】つまり、図8の(a)、(b)、(c)の
一連の動作によりチューブ154内のインクが矢印H方
向(記録手段31へ向かう方向)へ移動するため、該記
録手段(記録ヘッド)31内のインク圧力が上昇し、該
記録手段31内のインクが吐出口123より外部へ排出
される。その際、記録手段31(液路122や共通液室
121など)内の気泡や増粘インクなどもインクととも
に排出される。こうして、吐出口123内のインクをリ
フレッシュし、記録時に吐出口123から吐出するイン
クの性状を回復維持することができる。
【0038】なお、前述のように記録ヘッド31内のイ
ンクを加圧して排出する加圧式回復方法は、吐出口12
3部分をキャップ等で密閉して該キャップ内を減圧する
ことによりインクを排出する吸引式回復方法に比べ、回
復装置(回復機構)の小型軽量化及びコスト節減の点で
有利である。ただし、吸引式回復方法は、大気圧との圧
力差を大きくすることが容易であるため、記録ヘッド内
の気泡等を容易に効果的に除去できる点では優れてい
る。そこで、本発明の他の実施例として、前述の加圧式
回復動作に代えて、上記の吸引式回復動作によって記録
ヘッド31内の気泡等の除去する方法を採用してもよ
い。
【0039】以上説明した実施例によれば、記録手段3
1の吐出口123から被記録材40へインクを吐出して
記録を行なうインクジェット記録装置において、図7及
び図8について説明したように、前記吐出口123が鉛
直方向上向きになる姿勢で、前記記録手段31内の気泡
を除去するための回復動作を行なう構成としたので、回
復装置を簡略化する場合でも、記録手段31内のインク
中の気泡等の異物を効果的に除去することができ、それ
によって、装置の小型軽量化及び記録画像の品位向上を
図ることができる。
【0040】さらに、図1及び図2について説明したよ
うに、記録時には前記吐出口123が鉛直方向下向きに
なる姿勢でインクを吐出する構成としたので、記録時の
インク滴の飛翔速度を低下させることがなく、高い記録
品位を保ったまま、一層効率よく前記効果を達成するこ
とができる。また、前記回復動作は、記録手段31内の
インクを加圧して前記吐出口123から吐出させる動作
である構成としたので、装置の更なる小型軽量化を図る
ことで、一層効率よく前記効果を達成することができ
る。
【0041】なお、図面に基いて説明した前述の実施例
では、装置本体3の記録手段31と反対側の外面(図7
の姿勢における底面)にガイド軸7を着脱自在に取り付
けるように構成したが、これに代えて、装置本体3の側
面あるいはカバー1の外面(側面及び上面を含む)の適
当箇所にガイド軸7を着脱自在に取り付けるように構成
してもよい。このような構成にすれば、図7に示す回復
動作時の姿勢と図5及び図6に示す保管時の姿勢とを容
易に共通化することができ、非記録状態において、回復
動作する際に保管時の姿勢を上下反転させる必要性を無
くすことが容易になる。
【0042】なお、以上の実施例では、被記録材の全幅
または一部をカバーする長さのラインタイプの記録手段
を用いて副走査のみで記録するライン記録方式のインク
ジェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は、
記録手段を被記録材に対して相対移動させながら1ライ
ンを記録する主走査と上記副走査とを併用して記録する
シリアル記録方式のインクジェット記録装置に対しても
同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るも
のである。また、本発明は、1個の記録手段で記録する
記録装置、異なる色のインクで記録する複数の記録手段
を用いるカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃
度で記録する複数の記録手段を用いる階調記録装置、さ
らには、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同
様に適用することができ、同様の効果を達成し得るもの
である。
【0043】さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタ
ンクを一体化した交換可能なヘッドカートリッジを用い
る構成、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、その間
をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録
ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも
同様に適用することができ、同様の効果が得られるもの
である。なお、本発明は、インクジェット記録装置の場
合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる
記録手段を使用するものにも適用できるが、中でも、熱
エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段
を使用するインクジェット記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
(請求項1)によれば、記録手段の吐出口から被記録材
へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装
置において、前記吐出口が鉛直方向上向きになる姿勢
で、前記記録手段内の気泡を除去するための回復動作を
行なう構成としたので、回復装置を簡略化する場合で
も、記録手段内のインク中の気泡等の異物を効果的に除
去することができ、それによって、装置の小型軽量化及
び記録画像の品位向上を図ることができるインクジェッ
ト記録装置が提供される。
【0045】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
構成に加えて、記録時には前記吐出口が鉛直方向下向き
になる姿勢でインクを吐出する構成としたので、記録時
のインク滴の飛翔速度を低下させることがなく、高い記
録品位を保ったまま、一層効率よく上記効果を達成する
ことができる。
【0046】請求項3の発明によれば、上記請求項1又
は2の構成に加えて、前記回復動作は、記録手段内のイ
ンクを加圧して前記吐出口から吐出させる動作である構
成としたので、装置の更なる小型軽量化を図ることで、
一層効率よく上記効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例の記録時の状態を示す模式的斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の記録時の状態
における横断面図である。
【図3】図1及び図2のインクジェット記録装置で使用
される記録手段の概略構成を示す模式的分解斜視図であ
る。
【図4】図3中の天板を示す図であり、(a)は平面
図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は(b)
中の線X−Xに沿った横断面図である。
【図5】図1及び図2に示すインクジェット記録装置の
非記録時の状態を示す模式的斜視図である。
【図6】図5の非記録状態のインクジェット記録装置の
横断面図である。
【図7】図5及び図6に示すインクジェット記録装置に
おいて非記録時に記録手段の回復動作を行なう際の姿勢
を示す横断面図である。
【図8】図7の姿勢で回復動作を行なう状態を図7中の
線K−Kに沿った部分で順次説明するための部分断面図
である。
【符号の説明】
1 カバー 3 装置本体 4 ローラ 6 スイッチ 7 ガイド軸 9 ゴム足 11 ツメ 12 ツメ 20 エンコーダ 31 記録ヘッド 32 PCB 33 インクタンク 34 電源 40 用紙 100 ヒーターボード 101 電気熱変換体(吐出エネルギー発生素子) 120 天板 121 共通液室 122 液路(流路) 123 吐出口 124 インク供給口 130 ベースプレート 140 配線基盤 151 多孔質部材 152 インク 153 大気連通孔 154 チューブ 155 ユニバーサルジョイント 156 キャップ 157 フィルター 161 操作部材 162 チューブ押圧部材 163 バネ 164 リンク部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段の吐出口から被記録材へイン
    クを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置にお
    いて、 前記吐出口が鉛直方向上向きになる姿勢で、前記記録手
    段内の気泡を除去するための回復動作を行なうことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 記録時には前記吐出口が鉛直方向下向
    きになる姿勢でインクを吐出することを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記回復動作は、記録手段内のインク
    を加圧して前記吐出口から吐出させる動作であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録
    装置。
  4. 【請求項4】 前記記録手段はインクを吐出するため
    に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備
    えているインクジェット記録手段であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録
    装置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段は前記電気熱変換体が発
    生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用
    して吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする請
    求項4に記載のインクジェット記録装置。
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