JP2003191416A - 金属缶溶接部補修フィルム - Google Patents

金属缶溶接部補修フィルム

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JP2003191416A
JP2003191416A JP2001393790A JP2001393790A JP2003191416A JP 2003191416 A JP2003191416 A JP 2003191416A JP 2001393790 A JP2001393790 A JP 2001393790A JP 2001393790 A JP2001393790 A JP 2001393790A JP 2003191416 A JP2003191416 A JP 2003191416A
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polyester
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welding part
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JP2001393790A
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Shintaro Kishimoto
伸太郎 岸本
Masaaki Kanao
雅彰 金尾
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の塗布型補修剤では達成し得なかった環
境特性、防錆性の問題を解決し、さらに耐衝撃性、密着
性、加工特性、高温下での寸法安定性等にも優れた金属
缶溶接部の補修用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 2層以上の積層フィルムであって、一方
の露出する面を形成する層(A)が、全多価アルコール
単位中の1,4−シクロヘキサンジメタノール単位の比
率が10〜50モル%であるポリエステルAと融点20
0〜280℃であるポリエステルBとから構成され、も
う一方の露出する面を形成する層(B)が、融点200
〜280℃のポリエステルDの90〜40重量部とポリ
ブチレンテレフタレート系樹脂Cの10〜60重量部と
から構成され、層(A)と層(B)の厚み比率(tA/
tB)が1〜50であることを特徴とする金属缶溶接部
補修フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、3P飲料缶のよう
な溶接缶の缶胴溶接部の補修に使用される熱融着性ポリ
エステルフィルムに関する。詳しくは、本発明は、金属
缶の製缶過程において、溶接後に表面保護層から露出し
た金属板の腐食防止目的あるいは金属溶出防止目的のた
めに被覆される補修用の積層フィルムに関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】近年、金属缶は、食品、非食品を問わず
保存容器として幅広い用途に使用されている。金属缶の
缶材表面はそのままで用いられることは少なく、例えば
塗料塗布やフィルム貼り合わせにより、缶内外面を錆
び、傷、汚れ等から保護するための表面処理が施されて
いる。例えば、代表的な金属溶接缶である飲料用の3ピ
ーススチール缶の製缶工程では、まずスチール鋼板に表
面保護処理がなされる。これらの処理方法としては、樹
脂フィルム(特にポリエステルフィルム)を接着剤ある
いは熱融着によりラミネートする方法が挙げられる。表
面処理のなされたスチール鋼板を所望のサイズに切断
し、次いで切り出されたスチール鋼板から溶接により円
筒状の缶胴部を製造し、その後、缶胴上下に缶蓋を巻き
締めて缶体が製造される。 【0003】ところが3ピーススチール缶の製缶工程で
は、缶胴部の溶接後に下地のスチール鋼鈑が露出するこ
とが避けられないという問題を有している。具体的には
溶接後、溶接貼り合わせ部近傍の幅約数ミリ程度の部分
には、保護処理層がのっておらず、下地のスチールが露
出した状態となってしまう。また溶接部分のスチールは
メッキ層等が溶融したため、非常に錆やすい状態になっ
てしまう。そのままの状態では缶内容物あるいは外気と
の接触により露出したスチールが腐食してしまうため、
現状では、腐食防止処理として、エポキシ・フェノール
系塗料、塩化ビニル系オルガノゾル塗料等の有機系塗料
を用いた補修塗装が缶胴製造後に実施されている。 【0004】しかしながら、現行の有機系塗料による補
修塗装にも幾つかの問題点がある。すなわち、補修塗装
処理を実施しても、ピンホール状の塗装欠陥が発生する
場合があるため、さらに塗料塗布量や塗装回数を増加し
て対処しているが、塗装欠陥の発生を皆無にすることは
極めて困難であり、現状の溶接金属缶は耐腐食性の点で
大きな問題を有している。また、塗料塗布処理では、高
温加熱による焼き付け工程で発生する溶剤の回収設備が
必要で、製造設備コストの観点から負担が大きいこと
や、焼き付け工程に要するエネルギー消費量が極めて大
きいことなどの問題がある。 【0005】さらに近年、エポキシ/フェノール樹脂や
塩化ビニル系オルガノゾル塗料等の有機系塗料は、ユー
ザー等に敬遠されつつあり、製缶メーカーではその使用
を控えようとする動きも出始めている。最近は、現行塗
料に取って代わる次世代塗料である水性塗料、紫外線硬
化型塗料、粉体塗料等などの脱有機溶剤型塗料あるいは
脱ハロゲン系塗料の検討も盛んになされている。しか
し、従来の有機系塗料のような保護性能を有する塗料は
未だに開発されていないのが現状である。また、有機系
塗料剤は、一般的に缶内容物からの吸着物質が多く、缶
内容物の減味問題、すなわちフレーバー適性に劣るとい
う大きな欠点も有している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みなされたものであって、その解決課題は、従来の塗布
型補修剤では達成し得なかった環境特性、防錆性の問題
を解決し、さらに耐衝撃性、密着性、加工特性、高温下
での寸法安定性等にも優れた金属缶溶接部の補修用ポリ
エステルフィルムを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、特定の物性を有するポリエス
テルフィルムを用いた場合、上述の課題を解決できるこ
とを見いだし、本発明に至った。 【0008】すなわち、本発明の要旨は、2層以上の積
層フィルムであって、一方の露出する面を形成する層
(A)が、全多価アルコール単位中の1,4−シクロヘ
キサンジメタノール単位の比率が10〜50モル%であ
るポリエステルAと融点200〜280℃であるポリエ
ステルBとから構成され、もう一方の露出する面を形成
する層(B)が、融点200〜280℃のポリエステル
Dの90〜40重量部とポリブチレンテレフタレート系
樹脂Cの10〜60重量部とから構成され、層(A)と
層(B)の厚み比率(tA/tB)が1〜50であるこ
とを特徴とする金属缶溶接部補修フィルムに存する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属缶溶接部補修フィルムは、ポリエステルA
およびポリエステルBから構成される層(A)とポリエ
ステルDおよびポリブチレンテレフタレート系樹脂Cか
ら構成される層(B)とが最表層に位置する少なくとも
2層以上からなる積層フィルムである。本発明のフィル
ムを構成するポリエステルAは、多価アルコール成分と
してエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−2−
ブチル−1−プロパンジオールなどが挙げられるが、全
多価アルコール単位中、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールを10〜50モル%、好ましくは15〜45モル
%、さらに好ましくは25〜40モル%含有する事が必
要である。1,4−シクロヘキサンジメタノール単位比
率が10モル%未満の場合には、缶内外表面に塗装され
た塗料面、印刷面、ラミネートされた保護用樹脂フィル
ム、露出缶材への十分な熱接着性を持ち得ないので好ま
しくない。また1,4−シクロヘキサンジメタノール単
位比率が50モル%缶を超える場合、被覆後に印刷工程
等の加熱工程が入る場合、フィルムの耐熱性が不足する
ため、加熱によって補修フィルムが変形したり、剥離し
たりする場合があるため好ましくない。 【0010】ポリエステルAを構成する多価カルボン酸
成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカ
ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げ
られる。またポリエステルBおよびDは、例えば、多価
カルボン酸と多価アルコールの縮重合で得られるポリエ
ステル、あるいは多価カルボン酸と多価アルコールから
縮重合により得られたポリエステルの混合物等のポリエ
ステル樹脂組成物より構成される。多価カルボン酸成分
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカジカ
ルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げら
れ、多価アルコール成分としては、エチレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デ
カンジオール、2−エチル−2−ブチル−1−プロパン
ジオールなどが挙げられる。これらのうち、3種類以上
の多価カルボン酸や多価アルコールの共重合体や、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール等のモノマーやポリマーとの共重合体で
あっても構わない。 【0011】ポリエステルBおよびDの融点は、200
〜280℃であり、好ましくは210〜255℃であ
る。融点が200℃未満であると、レトルト処理後に、
補修フィルム表面にしわや傷が発生したり、フィルムが
白化したりする場合があるため好ましくない。なお、用
いるポリエステルBとDは同一であっても、異なってい
てもよい。 【0012】本発明のフィルムB層には、ブチレンテレ
フタレート系樹脂Cを含有することが必要である。ここ
でブチレンテレフタレート系樹脂Cとは、ブチレンテレ
フタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステ
ルである。共重合ポリエステルの場合に使用される成分
は多価カルボン酸であっても、多価アルコール成分であ
ってもよい。上記の多価カルボン酸成分としては、イソ
フタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸などが挙げられ、多価アルコール成分として
は、エチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。 【0013】ブチレンテレフタレート系樹脂Cは、フィ
ルムを缶へ熱ラミネートした後に製缶工程にて加わる種
々加熱において、フィルムが鋼板上で縮むことを抑制す
る効果がある。具体的には、製缶工程にて加えられる1
90〜220℃程度の加熱処理にて、フィルムB層が熱
収縮してしまうことを抑制することに効果がある。ブチ
レンテレフタレート系樹脂Cの配合量は10〜60重量
部であり、好ましくは20〜40重量部である。10重
量部未満であると、縮み抑制効果が少なく、60重量部
を超えて配合すると、製膜困難な場合があるので好まし
くない。ポリブチレンテレフタレート系樹脂Cにおける
ブチレンテレフタレート単位の割合は、通常80モル%
以上、好ましくは90モル%以上である。ポリブチレン
テレフタレート系樹脂Cの融点は、通常200〜225
℃、好ましくは205℃〜222℃である。 【0014】また、ポリエステルA、Bの固有粘度は、
通常0.50〜1.20dl/gの範囲である。IVが
1.20dl/gを超えると、密着性、段差追従性が低
下する場合がある。IVが0.50dl/g未満である
と、耐衝撃性、耐熱性が低下する場合がある。ポリブチ
レンテレフタレート系樹脂Cの固有粘度は、通常0.7
0〜1.60dl/g、好ましくは0.80〜1.40
dl/gである。固有粘度が0.70dl/g未満の場
合は、缶ラミネート後の耐衝撃性が不十分となる傾向が
あり、1.60dl/gを超える場合は、樹脂およびフ
ィルムとも生産性が著しく低下するので好ましくない。
また、ポリエステルA、ポリエステルBにより構成され
る層(A層)の厚みtAと、ポリエステルDおよびブチ
レンテレフタレート系樹脂Cにより構成される層(B
層)の厚みtBとの比(tA/tB)は、通常1〜50
の範囲であり、好ましくは2〜20の範囲である。厚み
比が1未満であると、熱ラミネート処理により金属缶溶
接跡の段差形状に十分追従して密着できず、結果として
耐衝撃性、防錆性、耐熱性に劣る場合がある。一方、厚
み比が50を超えると、熱ラミネート後の防錆性、耐熱
性に劣る場合がある。 【0015】さらに積層構成としては、層(A)/層
(B)が好ましいが、例えば、金属接着面が層(A)
で、他方の最外面が層(B)であれば、特性を損なわな
い限りにおいて層(A)/層(C)/層(B)等の3層
以上の積層であっても構わない。本発明のフィルムの全
厚みは、通常150μmであり、好ましくは15〜10
0μmである。全厚みが5μm未満であると耐衝撃性、
耐錆性が不十分となる傾向があり、150μmを超える
と、缶溶接部に存在する段差に追従して密着しない場合
があるので好ましくない。 【0016】本発明のフィルムは、滑剤粒子を含有して
フィルムに滑り性が付与されることが好ましい。ポリエ
ステルフィルムが含有する粒子径に特に制限はないが、
一般的に平均粒子径が0.01〜5.0μmの範囲のも
のであり、さらには0.02〜2.5μmの範囲である
ことが好ましい。また、滑剤粒子の配合量は、通常0.
01〜1.0重量%であり、0.1〜0.8重量%がさ
らに好ましい。粒子は無機系、有機系の如何を問わない
が、コストの観点から無機系が好ましい。本発明のフィ
ルムは、保護塗料を金属板の両面あるいは片面に塗布し
たり、樹脂フィルムを接着剤や熱融着によりラミネート
したり、溶融した熱可塑性樹脂を金属板の両面あるいは
片面にキャスト処理した後、金属板を所望のサイズに切
断し、溶接により製缶されたもの、例えば、飲料缶に代
表される食品缶詰缶等、ペール缶、ブリキ板製18L
缶、鋼製ドラム等の補修フィルムとして好適である。 【0017】また、缶材の素材種類には特に制限はな
く、一般的に製缶に供される金属材料であれば構わず、
例えば、ブリキ、TFS(チンフリースチール)、アル
ミニウム等が挙げられる。また、金属缶の溶接方法に特
に制限はなく、従来用いられている方法で構わず、また
ここで言う溶接缶とは、溶接後に缶材の露出があり、補
修を必要とするものなら構わない。また、缶胴貼り合わ
せを接着剤により行う金属缶であっても、缶材の露出が
ある場合は本発明の補修フィルムが好適に使用される。
本発明のフィルムは、本発明の要旨を越えない限り、そ
の製造法については特に限定されない。一般的には、ま
ず原料ポリエステルを押出機にて溶融し(積層構造とす
る場合は、この段階で共押出することが好ましい)、T
ダイより押し出した後、冷却ロールにて急冷し非晶性シ
ートとし、次いで原料ポリエステルのガラス転移温度以
上に加熱した後、縦延伸、横延伸と逐次延伸あるいは同
時延伸する成形方法が生産性の観点から適している。 【0018】 【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
の例に何ら限定されない。なお、本発明のフィルムの評
価方法および原料の製造方法は以下のとおりである。 【0019】(1)樹脂フィルム貼り合わせ型スチール
板溶接サンプルの作製 ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点254℃)を、
290℃で押出し、40℃の冷却ドラムで急冷して未延
伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを80
℃で縦方向に3.5倍延伸し、120℃で横方向に3.
9倍延伸した後、225℃にて熱固定処理することによ
って、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを得た。次いで、200mm角に切り出し
た厚み0.2mmのスチール板に得られたフィルムをウ
レタン樹脂系接着剤を使用して貼り合わせた後、熱風オ
ーブン中、150℃にて6時間熱処理した。このスチー
ル板2枚を電気溶接することによって高さ約70〜10
0ミクロンの段差を有し、段差を中心に4.0〜5.0
mmの幅でスチール材が露出したサンプル板を作製し
た。 【0020】(2)補修フィルムのラミネート 幅10mm×長さ200mmのテープ状にフィルムサン
プルをカットした後、前述のラミネ−ター装置にて、上
記(1)で得られたスチール溶接サンプルおよびの
両方に対して溶接加工部を被覆するようにテープ位置を
合わせてラミネートした。テフロン(登録商標)による
表面加工の施された上下2本の金属ロールを有するラミ
ネート装置にて、貼り合わせ速度1m/分、ロール圧力
0.3MPaとしてスチール板に加圧密着した。 【0021】以上のようにして作成したサンプルについ
て、下記評価項目(3)〜(7)および(10)につい
て実施した。 (3)段差密着性 補修フィルムが溶接部段差の形状通りに密着しているか
否かを、得られた試料片の断面を光学顕微鏡で観察し
て、下記基準にて評価した。 ○:段差通りに密着している ×:段差に密着しておらず、浮きがある (4)耐衝撃性 補修フィルム被覆面の反対面からデュポン衝撃試験機に
てデンツ加工を施し、缶外からの衝撃への補修フィルム
の耐性指標とした。撃芯先端Rは3/16インチ、落下
距離は20cmおよび40cmの2種、落錘質量は50
0gの条件で実施した。試験後、被覆フィルム表面の状
態(剥離、クラック等)を電子顕微鏡により観察し、下
記基準で評価した。 ○:いずれの落下距離でも剥離、クラックが認められな
い △:落下距離20cmでは良好だが、40cmでは僅か
なクラックが認められる ×:いずれの落下距離でも剥離、クラックが認められる 【0022】(5)耐熱性 補修フィルム被覆後に、熱風オーブン中で210℃およ
び180℃において5分の熱処理を施した後、外観を目
視にて観察、確認した。 ○:いずれの熱処理温度においてもフィルムに変化は認
められず、寸法変化も無い。 △:180℃では密着性良好だが、200℃ではフィル
ムに寸法変化が認められる。具体的にはB層が1〜2m
m縮んでいるが実用上は問題ないレベルである。 ×:いずれの熱処理温度においてもフィルムが2mmを
超えて縮んでおり、実用上問題有る。 【0023】(6)補修フィルムの融点 ティ・エイ・インスツルメンツ製示差走査熱量計MDS
C2920にて、20℃/分の昇温速度で得られた結晶
融解による吸熱ピーク温度を融点とした。 (7)極限粘度[η] ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50
/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、3
0℃で測定した。 (8)耐腐食性 補修フィルムを被覆したサンプル板を、5%NaCl水
溶液に入れたビーカー中で、30℃で1ヶ月保存した後
に補修フィルム被覆部下のスチール材の腐食状態を観察
した。 (9)フィルム厚み フィルムの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察
し、厚みを測定した。 【0024】(10)レトルト処理 フィルム被覆面に、耐衝撃性評価と同条件でデンツ加工
し、次いで125℃、30分のレトルト処理を施した
後、デンツ凹部のフィルムの密着状態を観察、確認し
た。 ○:デンツ部のフィルムに剥離が認められない ×:デンツ部のフィルムが剥離している 【0025】実施例で使用したポリエステル樹脂は、以
下のとおりである。 【0026】 【表1】 【0027】実施例1 A層配合としてポリエステルA−1 80重量部とポリ
エステルB−1 20重量部を、B層配合としてポリエ
ステルC−1 40重量部とポリエステルD−1 60
重量部をそれぞれドライブレンドした後、別々の押出機
を用いて溶融し、直前に流路を合わせてTダイから29
0℃で共押出し、50℃の冷却ドラムで急冷して未延伸
フィルムを得た。この未延伸フィルムを80℃で縦方向
に3.7倍延伸し、120℃で横方向に3.9倍延伸し
た後、180℃にて熱固定処理することによって、A層
厚み20μm、B層厚み5μm、総厚み25μmのフィ
ルムを得た。得られたフィルムを10mm×200mm
に裁断した後、ポリエステルA層面とスチール板溶接部
を重ね合わせ、上下ロール温度185℃の条件でラミネ
ートした。段差密着性、耐衝撃性、耐熱性、耐レトルト
性に優れており、1ヶ月後も被覆部に腐食は観察されな
かった。 【0028】実施例2 実施例1において、ポリエステルA−1の配合量を70
重量部とし、ポリエステルB−1に変えて、B−2を使
用した以外は実施例1と同様にし、フィルムを得た。密
着性、耐衝撃性、耐熱性、段差追従性、耐レトルト性に
優れており、1ヶ月後も被覆部に腐食は観察されなかっ
た。 【0029】実施例3 実施例1において、B層の配合比を表2に記載の通りと
した以外は実施例1と同様にし、フィルムを得た。密着
性、耐衝撃性、耐熱性、段差追従性、耐レトルト性に優
れており、1ヶ月後も被覆部に腐食は観察されなかっ
た。 実施例4 実施例1において、A層とB層の厚み比(tA/tB)
を10にした以外は実施例1と同様にし、フィルムを得
た。密着性、耐衝撃性、耐熱性、段差追従性、耐レトル
ト性に優れており、1ヶ月後も被覆部に腐食は観察され
なかった。 実施例5 実施例1において、ポリエステルA−1に変えてポリエ
ステルA−2を使用した以外は実施例1と同様にし、フ
ィルムを得た。密着性、耐衝撃性、耐熱性、段差追従
性、耐レトルト性に優れており、1ヶ月後も被覆部に腐
食は観察されなかった。 【0030】比較例1 実施例1において、B層の配合を下記表3のとおりとし
た以外は実施例1と同様にし、フィルムを得た。耐熱性
が劣っており、加熱後縦横方向ともに4〜6mm程度縮
んでいることが観察された。縮んでしまった部分では1
ヶ月後には被覆部下に黒い点(=腐食)が観察された。 【0031】比較例2 実施例1において、B層の配合を表3のとおりとした以
外は実施例1と同様にし、フィルムを得た。製膜機ロー
ルに粘着し、製膜不可能であった。 比較例3 実施例1において、ポリエステルA−1に変えてポリエ
ステルA−3を使用した以外は実施例1と同様にし、フ
ィルムを得た。段差密着性が劣っていた上、1ヶ月後に
は被覆部下に黒い点(=腐食)が観察された。 【0032】比較例4 実施例1において、ポリエステルB−1に変えて、ポリ
エステルB−3を使用した以外は実施例1と同様にし、
フィルムを得た。耐熱性、耐レトルト性が劣っていた。 比較例5 実施例1において、A層とB層の厚み比を0.5とした
以外は実施例1と同様にし、フィルムを得た。段差密着
性が劣っていたため、耐衝撃性、耐熱性、レチルト性評
価は実施しなかった。1ヶ月後には被覆部下に黒い点
(=腐食)が観察された。 比較例6 実施例1において、ポリエステルB−1を配合しなかっ
た以外は、実施例1と同様にし、フィルムを得た。耐熱
性に劣り、フィルムは縦横方向に5〜9mm程度縮んで
おり、1ヶ月後には被覆部下に黒い点(=腐食)も観察
された。以上、得られた結果をまとめて、下記表2およ
び3に示す。 【0033】 【表2】 【0034】 【表3】【0035】 【発明の効果】本発明によれば、従来の塗布型補修剤で
は達成し得なかった環境特性、防錆性の問題を解決し、
さらに耐衝撃性、密着性、加工特性、高温下での寸法安
定性等にも優れた金属缶溶接部の補修用ポリエステルフ
ィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E062 AA04 AB02 AC03 JA02 JB04 JC02 JD01 JD02 JD03 4F100 AB01 AK41A AK41B AL05A AL05B BA02 BA03 BA25 CB03 EJ38 GB16 JA04A JA04B JK06 JK10 JL01 JL04 YY00A YY00B 4J002 CF01W CF03W CF04W CF05W CF06W CF07W CF07X CF09W CF10W GF00 GH00

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 2層以上の積層フィルムであって、一方
    の露出する面を形成する層(A)が、全多価アルコール
    単位中の1,4−シクロヘキサンジメタノール単位の比
    率が10〜50モル%であるポリエステルAと融点20
    0〜280℃であるポリエステルBとから構成され、も
    う一方の露出する面を形成する層(B)が、融点200
    〜280℃のポリエステルDの90〜40重量部とポリ
    ブチレンテレフタレート系樹脂Cの10〜60重量部と
    から構成され、層(A)と層(B)の厚み比率(tA/
    tB)が1〜50であることを特徴とする金属缶溶接部
    補修フィルム。
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