JP2003191092A - 銅メッキなしアーク溶接用ソリッドワイヤ - Google Patents

銅メッキなしアーク溶接用ソリッドワイヤ

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JP2003191092A JP2001392350A JP2001392350A JP2003191092A JP 2003191092 A JP2003191092 A JP 2003191092A JP 2001392350 A JP2001392350 A JP 2001392350A JP 2001392350 A JP2001392350 A JP 2001392350A JP 2003191092 A JP2003191092 A JP 2003191092A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なワイヤ送給性と、ワイヤ−チップ間の
通電安定性を維持することができ、優れたアーク安定性
と低スパッタ量で良好な溶接作業性を有する銅メッキな
しアーク溶接用ソリッドワイヤを提供する。 【解決手段】 ワイヤ表面に開口し、開口部よりも内部
が広いボトルネック状及び/又は内部に延びるケイブ状
の凹部が形成されている。この凹部内に、酸化物、K化
合物、Na化合物、Cs化合物、硫化物、リン化合物、
ホウ素化合物、亜鉛化合物、黒鉛、又はPTFEが保持
されている。前記凹部はワイヤ周方向に1周長あたり総
数で20箇所以上存在する。また、前記凹部の有効長さ
率は0.5%以上50%未満である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨、橋梁、造
船、又は自動車等の溶接に広く使用される銅メッキなし
アーク溶接用ワイヤに関し、更に詳述すれば、コンジッ
トライナ内部及び給電チップ内部での送給抵抗が小さ
く、アークが安定し、スパッタ発生量が少ない銅メッキ
なしアーク溶接用ソリッドワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】アーク溶接用ワイヤの送給性を向上させ
る方法としては、ワイヤ表面に滑り性を有する潤滑剤を
塗布することが一般的である。従来、ワイヤ表面に塗布
された潤滑剤を効果的に保持するためには、特開平8-19
7278号公報、特開2000-107881号公報、特開2000-117483
号公報及び特開2000-271780号公報に記載されているよ
うに、ある一定の表面平均粗さ及び表面粗度を有するワ
イヤ表面に、送給潤滑剤を塗布する方法が挙げられる。
【0003】送給潤滑剤の種類としては、特開平6-2856
78号公報及び特開平9-70684号公報に記載されているよ
うに、MoS、WS、PTFE、C、フッ化黒鉛又
は金属石鹸が挙げられる。これらは全てワイヤの送給性
を向上させ、安定化させる目的で塗布されている。
【0004】また、特開2001-239393号公報には、スパ
ッタ発生量を低減するために、黒鉛をワイヤ表面上及び
/又は表面直下に存在させる方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の塗布剤を単純な凹凸を有するワイヤ表面に塗布しただ
けでは、コンジットライナ内部等で、ワイヤに変形が加
わったときに離脱してしまい、塗布剤の送給性向上効果
及びスパッタの低減効果が減少してしまうという問題が
あった。このため、必要以上にこれらの塗布剤を予めワ
イヤ表面に保持させてしまい、このため、離脱した塗布
剤がコンジットライナ内部等に堆積し、安定なワイヤ送
給を妨げるといった問題が生じていた。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、機能性を有する塗布剤を、ワイヤ表面に開
口する凹部内に保持することにより、ワイヤ表面から離
脱しないように、ワイヤ表面に存在させることにより、
良好なワイヤ送給性と、ワイヤ−チップ間の通電安定性
を維持することができ、優れたアーク安定性と低スパッ
タ量で良好な溶接作業性を有する銅メッキなしアーク溶
接用ソリッドワイヤを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る銅メッキな
しアーク溶接用ソリッドワイヤは、ワイヤ表面に開口
し、開口部よりも内部が広いボトルネック状及び/又は
内部に延びるケイブ状の凹部を有し、この凹部内に、酸
化物、K化合物、Na化合物、Cs化合物、硫化物、リ
ン化合物、ホウ素化合物、亜鉛化合物、黒鉛、及びPT
FEからなる群から選択された1種以上が存在すること
を特徴とする。
【0008】この銅メッキなしアーク溶接用ソリッドワ
イヤにおいて、前記凹部がワイヤ周方向に、1周長あた
り、総数で20箇所以上存在することが好ましい。ま
た、前記凹部の有効長さ率が0.5%以上50%未満で
あることが好ましい。更に、前記凹部内及びワイヤ表面
のいずれかに存在するK、Na、及びCsの総量が0.
3乃至10ppmであることが好ましい。更にまた、植
物油、動物油、鉱物油及び合成油からなる群から選択さ
れた1種又は2種以上の油が、前記凹部内及びワイヤ表
面のいずれかに、ワイヤ10kgあたり0.1乃至2g
存在することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。ソリッドワイヤに良好な送給性と溶接作業性
を付加するためには、送給性向上、通電性安定及びスパ
ッタ低減という機能性を有する塗布剤を、ワイヤ表面と
コンジットライナ及び給電チップとの間に存在させるこ
とが必要である。一方、これらの機能性を有する塗布剤
をワイヤ表面から離脱させることなく、且つ所望の機能
を得るために必要最小限の量をワイヤ表面に保持するた
めには、これらの塗布剤を、コンジットライナ及び給電
チップの内面に接触しないように保持する必要がある。
何故なら、これらの機能性物質は、決して電気的に通電
性の良い物質とはいえず、ある一定量以上存在すると通
電の妨げになるばかりか、塗布剤が多すぎるとワイヤ表
面がコンジットライナ及び給電チップの内面に接触し、
摺動したときに、塗布剤がワイヤ表面から離脱しやす
く、この離脱した塗布剤がコンジットライナ内部に堆積
してワイヤ送給を阻害してしまう。
【0010】そこで、本願発明者等は鋭意実験研究を重
ねた結果、次のような機能性表面を持つワイヤを製造す
ることにより、前記課題が解決されることを見出した。
即ち、図1に示すように、ワイヤ表面に開口し、開口部
よりも内部の方が広いボトルネック状の凹部及び/又は
内部に延びるケイブ状の凹部を形成する。そして、この
ような形状の間口部が狭い凹部(ボトルネック状)又は
間口が狭くそのまま内部に深く通じている凹部(ケイブ
状)の内部にのみ機能性物質(塗布剤)を存在させ、ワ
イヤの最表面は見かけ上平滑として、良好な通電性を維
持する。
【0011】図2の上図は、後述するように、ワイヤの
中心軸を含む断面において、走査型顕微鏡を使用して、
その表面状態を調べたときに撮影した写真であり、下図
はそれを画像処理した図である。図2の下図において、
黒く塗りつぶした部分が塗布剤である。このように、ボ
トルネック状又はケイブ状の凹部内に塗布剤が存在して
いるので、ワイヤ表面がコンジットライナ及び給電チッ
プの内面に接触し、摺動しても、塗布剤がワイヤ表面か
ら容易に離脱してしまうことはない。
【0012】そして、狭いくぼみ内部の機能性物質は、
ワイヤに変形が加わった場合にも、アンカー効果で容易
には離脱することなく、図1又は図2に示す状態で、ワ
イヤ先端のアークの直上位置まで保持され、その機能性
効果を十分に発揮することができる。更に、前記凹部に
存在する塗布剤が前記凹部以外に微量しみ出し、ワイヤ
表面の凸部及び/又は平坦部に存在していても、通電性
が阻害されることはなく、塗布剤はその機能性を発揮す
ることも判明した。また、しみ出した塗布剤は、送給性
を阻害するほどの量で、ワイヤ表面から離脱し、コンジ
ットライナ及び給電チップ内面に堆積してしまうことは
ない。
【0013】次に、図1又は図2に示すボトルネック状
又はケイブ状の凹部をワイヤ表面に形成する方法の一例
について説明する。なお、このようなボトルネック状及
びケイブ状の凹部は、伸線前の線にあらかじめ形成され
ていなくても、伸線の中間段階で形成してもよいし、最
終段階で形成してもよい。工業的には、以下の3つのス
テップによる方法が製造コストが低い有効な製造方法で
ある。
【0014】素線の加工工程で凹凸を形成する工程 溶接ワイヤの素線であるところの「原線」は、製鉄所に
おいて一貫した連続鋳造及び熱間圧延工程によって製造
される。但し、バッチ式の炉で鋳造され、その後圧延さ
れて、製造されることもある。このときの圧延条件、即
ち、圧延温度、及び減面率を調整することにより、ワイ
ヤ長手方向に「皺状くぼみ」を生成させることができ
る。この「皺状くぼみ」は、通常、酸化鉄(所謂スケー
ル)が埋めているが、その酸化物を機械的又は化学的に
除去することによって、後述の工程を経て「ボトルネッ
ク状及び/又はケイブ状のくぼみ」に変えることができ
る「素線の凹部」となり得る。従って、予め十分な深さ
の「素線の凹部」を得るべく、圧延温度や減面率を調整
する。
【0015】また更に別の方法として、焼鈍によって素
線の凹凸を制御することも可能であった。例えば、先
ず、素線を酸化性雰囲気又は水蒸気雰囲気で焼鈍するこ
とにより、金属結晶粒界を優先的に酸化する。焼鈍後、
化学的又は電気化学的に酸化膜を除去することにより、
粒界腐食部が選択的に除去され、「素線の凹部」が生成
される。
【0016】上記の化学的な酸化皮膜除去の工程におい
ては、酸洗条件を調整することによっても、「素線の凹
部」の度合いを制御することができる。素線を塩酸酸洗
する場合、塩酸浴中に酸素及び/又は硝酸及び/又は過
酸化水素水等を添加することで酸化力を向上させ、「素
線の凹部」の度合いを制御させることも可能である。塩
酸以外の酸を用いても「素線の凹部」を調整することが
できる。例えば、硝酸を用いて原線表面を不動態化処理
し、その後塩素イオン等を用いて電解局部腐食させるこ
とにより、原線表面にくぼみを生成することができる。
また、インヒビターを使用し、酸洗することにより素線
表面の酸化鉄(スケール)のみを選択的に溶解させ、組
成が本来持っている鋭利なくぼみをなますことなく、保
存することにより、鋭利なくぼみが多い素線を得ること
もできる。このこの鋭利なくぼみは後述する方法によ
り、「ボトルネック及びケイブ状の凹部」となりやす
い。即ち、通常の酸洗であると、凹部はその開口周縁が
なだらかに拡がるが、インヒビターを使用すると、凹部
の開口周縁が鋭角のままで、凹部の内部よりも開口周縁
の方が狭くなっている。なお、インヒビターとは、鉄地
腐食阻害物質の薬品のことである。
【0017】更に、別の方法として、素線加工工程にお
いて、ローラの表面粗度を調整した圧延ローラを使用
し、そのローラ表面の凹凸をワイヤ表面に転写すること
により、「素線の凹部」を生成できる。ローラ転写によ
り「素線の凹部」を生成することは、酸化膜の有無、伸
線温度、及び線径に拘わらず可能である。
【0018】その凹部を何らかの充填物で埋めてか
ら、凹部の存在を保持しつつ、開口部(間口)を狭める
工程 開口部が大きく開いた状態の素線表面に、最終製品ワイ
ヤ径で必要となる機能性塗布剤を塗布し、その後、ワイ
ヤを伸線加工することにより、開口部が狭まり、凹部内
の塗布剤の上に鋼皮が薄くかぶさり、所望の「ボトルネ
ック状及びケイブ状の凹部の内部に塗布剤が存在するワ
イヤ」を得ることができる。このときの伸線加工は、穴
ダイス、マイクロミル又はローラダイスを使用して行う
ことができる。
【0019】穴ダイスを用いて伸線加工する場合は、
「素線の凹部」の形状をそのまま保存することは困難で
あるが、塗布剤中のバインダー成分を調整することによ
り、「ボトルネック状又はケイブ状の凹部」を生成する
ことができる。具体的には、ボラックス、ボンデ処理等
のワイヤ表面に化学的に結合する無機バインダー及び/
又は有機バインダーを用いることにより、凹部を保持す
ることができる。
【0020】また、マイクロミル及び/又はローラダイ
スを用いると、「素線の凹部」は比較的保存されやす
く、最終ワイヤ径において、「ボトルネック状又はケイ
ブ状の凹部」を生成することができる。
【0021】伸線加工工程においては、穴ダイス、マイ
クロミル又はローラダイスの単独による伸線加工に加え
て、これらの方法を組合せて伸線加工しても良い。
【0022】更に、種々の酸化物、K化合物、Na化合
物、Cs化合物、硫化物、リン化合物、ホウ素化合物、
亜鉛化合物、黒鉛、PTFEを、有機系及び/又は無機
系のバインダーで混合したものをワイヤ表面に塗布し、
上記のような伸線工程を経ることによって、「素線の凹
部」形状を保持しつつ、ワイヤ表面の開口部(間口)を
狭めていき、内部に機能性塗布剤を保持しうる「ボトル
ネック状又はケイブ状の凹部」を高効率で形成すること
ができる。
【0023】見かけ上平滑なワイヤ表面を持つように
仕上げる工程 最終的には、その凹部に送給潤滑剤、通電安定剤、又は
スパッタ防止剤等の機能性物質が充填されると共に、通
電性及び耐詰まり性が良好であるように、見かけ上平滑
なワイヤ表面を持つように仕上げることが必要である。
【0024】最終ワイヤ径においては、「素線の凹部」
の形成段階で機能性物質を充填させた場合は、仕上げ穴
ダイス又はローラダイス等でスキンパス加工(低減面率
で加工)することにより、凹部の開口部にワイヤ鋼皮が
薄くかぶさって間口が小さくなり、本発明のワイヤを製
造することができる。
【0025】更に別の方法として、「素線の凹部」に予
め別の物質を充填して伸線加工したものを、最終伸線上
がり工程において、酸化物、K化合物、Na化合物、C
s化合物、硫化物、リン化合物、ホウ素化合物、亜鉛化
合物、黒鉛、PTFEからなる群から選択された1種以
上のものを、水、アルコール、油、又はエマルジョン等
に分散させて、ワイヤ表面にすり込むことによっても、
「ボトルネック状又はケイブ状の凹部」の内部が、これ
らの物質により置換され、凹部内に残留する。
【0026】なお、本発明は銅メッキを施していないソ
リッドワイヤである。これは、銅メッキが施されたワイ
ヤにおいては、前述の「ボトルネック状又はケイブ状の
凹部」を生成しても、銅メッキが剥離しやすくなるた
め、実用に供することができないからである。
【0027】次に、「ボトルネック状又はケイブ状の凹
部」について更に詳細に説明する。本発明の目的は、機
能性を有する塗布剤をワイヤ表面に離脱することなく保
持し、良好なワイヤ送給性とアーク安定性とを併せ持つ
と共に、スパッタが少ない良好な溶接作業性を有するア
ーク溶接用ソリッドワイヤを得ることにある。この目的
を達成するために、本発明においては、「ボトルネック
状又はケイブ状の凹部」として、図1に示すように、仮
想光源からワイヤ表面に対して垂直に光を投射した場合
に、影になる部分(表面から見えない部分、図1に黒で
塗りつぶした部分)が存在するような凹部と定義する。
【0028】このような「ボトルネック状又はケイブ状
の凹部」をもつワイヤの特性を評価した結果、以下の事
実が明らかになった。
【0029】「ボトルネック状又はケイブ状の凹部」の
数は、ワイヤ周方向に、1周長あたり、総数で20箇所
以上存在することが好ましい。これにより、十分に塗布
剤の効果を発揮するだけの機能性物質を保持することが
できる。この凹部の数は、ワイヤの長手方向の数箇所に
てその横断面を採取し、ワイヤの周方向に凹部の数(1
周あたりの)を求めた結果の平均値として把握される。
【0030】このような形状の凹部の数が1周あたり2
0個以上あると、送給性、アーク安定性及びスパッタ発
生量低減に、十分効果を発揮するだけの塗布剤を保持す
ることができると共に、ワイヤの周方向の一部だけに塗
布剤が偏って存在するということを防止することができ
る。凹部の数が20個未満の場合は、その位置がワイヤ
の周方向の一部に偏ってしまうことがあり、このとき塗
布剤がワイヤ周面の一部分にしか作用しなくなり、均一
で安定なアーク現象を得ることが困難になる。
【0031】更に、有効くぼみの長さ率が0.5%以上
50%未満であると、塗布剤の保持効果が更に一層大き
くなり、塗布剤の効果が十分発揮される。なお、有効く
ぼみの長さ率は、図1に示すように、ワイヤ表面に垂直
に仮想投影したときに、影となる部分の長さの総和l1+l
2+・・・+lnのワイヤ基準円弧長lに対する比率であると定
義する。これを数式で表現すると、下記数式1のように
なる。
【0032】
【数1】
【0033】また、有効くぼみの長さ率が0.5%以上
50%未満であるとき、塗布剤を保持する効果が十分に
発揮される。有効くぼみの長さ率が0.5%未満では十
分な量の塗布剤を保持することができない。逆に、有効
くぼみの長さ率が50%以上になると、表面粗さが大き
くなり、表面の摩擦抵抗が大きくなるため、ワイヤの送
給性が劣化してしまう。
【0034】一般的に、ワイヤ等の表面凹凸の大小は、
算術平均粗さRa、最大高さRy、十点平均粗さRz、
負荷長さ率tp、凹凸の平均間隔Sm、局部山頂の平均
間隔S及び比表面積等を使用して表現する。しかしなが
ら、これらの値によって表現される単純な凹凸だけで
は、塗布剤を効果的に保持することができるとはいえな
い。即ち、従来検討されているような単純な凹凸だけで
は、ワイヤに変形が加わると凹部の形状も変化するた
め、塗布剤が離脱しやすくなる。塗布剤を効果的に保持
するためには、アンカー効果を有する「ボトルネック状
又はケイブ状の凹部」に塗布剤を保持することがよい。
これにより、ワイヤの変形等が生じ、凹部の形状が多少
変化しても、塗布剤は凹部から容易に離脱することはな
くなる。
【0035】くぼみの形状は、以下に示す方法で確認す
ることができる。先ず、ワイヤ表面に、Pt、Ni又は
Cuなどの金属薄膜をスパッタリングにより蒸着した
後、ワイヤを熱硬化性樹脂に埋め込む。その後、断面を
研磨し、この断面を走査型電子顕微鏡で観察し、ワイヤ
表面形状と塗布剤の有無を確認する。ボトルネック状及
びケイブ状の凹部のくぼみ長さ率は1000倍から2000倍の
倍率でワイヤ断面の表面を観察することにより求めるこ
とが好ましい。より具体的には、1000倍から2000倍で印
画紙に焼き付け、又はデジタルデータとして画像をとり
こむ。印画紙の場合は、デバイダを用いて仮想光源に対
する影の長さの総和を求め、その値をワイヤの基準円弧
長で徐することによって有効くぼみ長さ率を求めること
ができる。また、デジタルデータは画像処理を施し、形
状を明確にした後、仮想光源に対する影の長さの総和を
求め、その値をワイヤの基準円弧長で徐することによっ
て、有効くぼみ長さ率を求めることができる。
【0036】この有効くぼみ長さ率は、従来実施されて
いるワイヤ表面の接触式粗さ測定及び電子線又はレーザ
等を用いた非接触式形状測定では検出することができな
い。
【0037】有効くぼみ長さ率を所定の範囲に制御する
ために、以下の方法がある。即ち、原線又は伸線途中に
おいて、高減面率の熱間圧延を実施することにより、従
来には無い特異な表面皺、特に深い凹部を有するワイヤ
表面を得ることができる。従来、素線加工工程でワイヤ
表面に過度の凹部が生成すると、その後の伸線加工工程
で、肌荒れ及びクラック等の発生原因となるため、故意
に凹部を生成することはなかった。本発明はこのような
従来の常識を覆すものである。
【0038】ワイヤ表面のボトルネック状及びケイブ状
の凹部に保持され、スプリングライナ及び給電チップに
おける滑り性を向上させる効果を有する機能性物質とし
ては、酸化物、K化合物、Na化合物、Cs化合物、硫
化物、リン化合物、ホウ素化合物、亜鉛化合物、黒鉛及
びPTFEからなる群から選択された1種類以上があ
る。
【0039】このボトルネック状及び/又はケイブ状の
凹部に、K、Na及びCsからなる群から選択された1
種又は2種以上が存在していると、アークが安定する。
また、K、Na及びCsの合計量が0.3乃至10pp
mであるときに、アークが最も安定し、スパッタ発生量
を低減できる。
【0040】これらの塗布剤は、伸線前の原線に塗布し
たり、伸線の中間段階で塗布したり、最終製品径直前の
スキンパスで塗布したりすることができ、そのいくつか
を組合せて塗布してもよい。
【0041】塗布形態としては、粉体塗布、水分散液の
塗布、及び油分散液の塗布があり、そのいくつかを組合
せて塗布してもよい。必要に応じて、ワイヤ表面に固着
させるのり剤を塗布剤と共に塗布してもよい。これらの
いずれの方法を使用して塗布しても、送給性を向上する
効果、アークを安定化する効果、及びスパッタを低減す
る効果には差がなかった。
【0042】植物油、動物油、鉱物油及び合成油からな
る群から選択された1種又は2種以上の油が、前記凹部
内及びワイヤ表面のいずれかに、ワイヤ10kgあたり
0.1乃至2g存在することが好ましい。本願発明者等
が送給性及びスパッタ発生量とワイヤの油量との関係を
調査した結果、油をワイヤ10kgあたり0.1乃至2
g塗布すると、送給性が更に向上し、アークが安定する
ことにより、スパッタ発生量が低減することを見いだし
た。油の塗布量は0.1g未満では送給性を向上させる
効果がない。一方、2gを超えて塗布しても送給性を向
上させる効果は飽和し、逆に送給ローラでのスリップが
生じ、結果として送給性を低下させてしまう。このた
め、塗布量はワイヤ10kgあたり0.1乃至2gとす
る。
【0043】ソリッドワイヤの組成としては、YGW1
1,12,15,16,17,18に相当するもの等、
種々の組成のソリッドワイヤを使用することができ、い
ずれのソリッドワイヤでも上記効果を奏する。なお、下
記表1にこれらのYGW11,12,15,16,1
7,18の各ワイヤの組成を示す。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例の効果について、本発
明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0045】<ワイヤの製造方法>以下の方法を使用し
てワイヤを作成した。先ず、原線の熱間圧延温度及び減
面率を調整し、表面に皺状のくぼみを生成した。次に、
塩酸酸洗により表面の酸化皮膜を除去し、表面に機能性
を有する塗布剤を塗布した。その後、ローラダイス及び
穴ダイスを使用して伸線加工し、ワイヤ表面に、内部に
塗布剤が存在するボトルネック状及び/又はケイブ状の
凹部を形成した。更に、最終製品径で、酸化物、K化合
物、Na化合物、Cs化合物、硫化物、リン化合物、ホ
ウ素化合物、亜鉛化合物、黒鉛、又はPTFEのいくつ
かを、水、油、又はエマルジョンに分散させてワイヤ表
面に塗布した。このワイヤはJIS Z3312 YG
W11,12,15,16,17,18相当の銅メッキ
を有しないソリッドワイヤである。
【0046】<ワイヤ凹凸状態の確認>ワイヤ表面にP
t膜をスパッタリングにより蒸着した後、ワイヤを熱硬
化性樹脂に埋め込み、断面を研磨した。この断面を走査
型電子顕微鏡で撮影したものが図2の上図である。更
に、画像処理を施し、凹部の形状及び塗布剤の付着状態
を明確にしたものが図2の下図である。
【0047】<送給性の評価>送給性の評価は、図3に
示す1ターンの6mトーチを使用し、1ターン溶接時
に、送給ローラに加わる荷重を送給抵抗として測定する
ことにより、この送給抵抗の大小で行った。
【0048】<スパッタ発生量の測定>スパッタ発生量
は次の方法で測定した。直径が1.2mmのワイヤを使用
し、電流300A、電圧37V、ワイヤ突出し長さ25mm、溶接
速度30cm/minでビードオンプレート溶接を行ない、図4
に示すように、母材の周辺を銅製の捕集板で囲い、溶接
ビードの左右に飛散する全てのスパッタを捕集板により
捕集した。そして、1分間あたりに発生するスパッタ質
量をスパッタ発生量として測定した。
【0049】下記表1は、使用したソリッドワイヤの組
成(JIS Z3312)を示す。なお、表1におい
て、Tr.は微量(トレース)であることを示す。また、
下記表2乃至表5は、本発明の実施例(表面に請求項1
に記載の凹部を形成し、請求項1に記載の物質を前記凹
部内に保持したもの)及び比較例(表面に凹部を形成し
ない従来のワイヤ)の送給抵抗及びスパッタ発生量を示
す。表2及び表3は夫々表1に示すワイヤYGW11を
使用した場合の実施例及び比較例であり、表4及び表5
は夫々表1に示すワイヤYGW18を使用した場合の実
施例及び比較例である。線径はいずれも1.2mmであ
る。なお、凹部が0の比較例において、化合物種の記載
がある比較例は、この化合物はワイヤ表面に存在する。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【表4】
【表5】
【0053】この表2及び表4に示すように、本発明の
実施例1乃至20及び実施例33乃至47のソリッドワ
イヤの場合は、送給抵抗が低くスパッタ発生量も少なか
った。これに対し、表3及び表5に示す比較例21乃至
32及び比較例48乃至59の場合は、送給抵抗が5.
0N以上と高く、スパッタ発生量も1190mg/分以
上と多量であった。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ワイヤ表面にボトルネック状及び/又はケイブ状の凹部
を形成し、この凹部に機能性を有する塗布剤を内包させ
保持させたので、ワイヤ表面がコンジットライナ内面及
び給電チップ内面に摺動しても、ワイヤ表面に保持され
た塗布剤はワイヤ表面から離脱することがなく、送給性
が損なわれない。また、ワイヤ表面から離脱した塗布剤
がコンジットライナ内部又は給電チップ内面に堆積する
こともなく、従って堆積物によりワイヤ送給が妨げられ
ることもない。
【0055】そして、本発明によれば、ワイヤが送給過
程で変形等しても、機能性塗布剤がワイヤ表面から容易
に離脱してしまうことがないため、機能性を有する塗布
剤がアーク直上まで保持され得る。従って、極少量の機
能性物質を塗布するだけで、スパッタ発生量の低減及び
アークの安定化が可能である。
【0056】また、本発明は、銅メッキを施していない
ソリッドワイヤであるため、ワイヤ表面に凹部を生成し
ても、銅メッキが剥離し易すくなるという問題点は生じ
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るソリッドワイヤの表面形
状を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例に係るソリッドワイヤの表面の
電子顕微鏡観察写真と、その画像処理後の図である。
【図3】ワイヤ送給装置を示す模式図である。
【図4】スパッタ捕集方法を示す斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 弘之 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (72)発明者 輿石 房樹 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (72)発明者 伊藤 崇明 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 Fターム(参考) 4E084 BA22 CA24 CA25 DA33 GA02 GA03 HA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ表面に開口し、開口部よりも内部
    が広いボトルネック状及び/又は内部に延びるケイブ状
    の凹部を有し、この凹部内に、酸化物、K化合物、Na
    化合物、Cs化合物、硫化物、リン化合物、ホウ素化合
    物、亜鉛化合物、黒鉛、及びPTFEからなる群から選
    択された1種以上が存在することを特徴とする銅メッキ
    なしアーク溶接用ソリッドワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記凹部がワイヤ周方向に、1周長あた
    り、総数で20箇所以上存在することを特徴とする請求
    項1に記載の銅メッキなしアーク溶接用ソリッドワイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】 前記凹部の有効長さ率が0.5%以上5
    0%未満であることを特徴とする請求項1に記載の銅メ
    ッキなしアーク溶接用ソリッドワイヤ。
  4. 【請求項4】 前記凹部内及びワイヤ表面のいずれかに
    存在するK、Na、及びCsの総量が0.3乃至10p
    pmであることを特徴とする請求項1に記載の銅メッキ
    なしアーク溶接用ソリッドワイヤ。
  5. 【請求項5】 植物油、動物油、鉱物油及び合成油から
    なる群から選択された1種又は2種以上の油が、前記凹
    部内及びワイヤ表面のいずれかに、ワイヤ10kgあた
    り0.1乃至2g存在することを特徴とする請求項1に
    記載の銅メッキなしアーク溶接用ソリッドワイヤ。
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