JP2003190793A - ディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒 - Google Patents

ディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒

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JP2003190793A JP2001390262A JP2001390262A JP2003190793A JP 2003190793 A JP2003190793 A JP 2003190793A JP 2001390262 A JP2001390262 A JP 2001390262A JP 2001390262 A JP2001390262 A JP 2001390262A JP 2003190793 A JP2003190793 A JP 2003190793A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パティキュレート酸化速度を向上させたディー
ゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒を得る。 【解決手段】このディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触
媒は、セラミックハニカム構造体であって、ガス流入孔
と、ガス流出孔と、フィルタ隔壁とを持つフィルタ本体
と、フィルタ隔壁の少なくともガス流入孔を区画する面
に、NOX吸着剤と、NOX吸着剤に担持された酸化触媒
材と、少なくともCe元素を含んでなる多孔質酸化物
と、を含む排ガス浄化層とを有する。排ガス浄化層を構
成するNO X吸着剤が低温でNOXを吸着し、高温でNO
Xを脱離し、脱離されたNOXがパティキュレートを酸化
すると共に酸化触媒材およびCe元素を含んでなる多孔
質酸化物もパティキュレートを酸化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンからの排ガス中に含まれるパティキュレート(粒子状
物質)を補集するとともに、排ガス中の有害成分を浄化
するディーゼル排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンについては、排ガスの
厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩とにより、排
ガス中の有害成分は確実に減少されてきている。しか
し、ディーゼルエンジンについては、有害成分がパティ
キュレート(粒子状物質:炭素微粒子、サルフェート等
の硫黄系微粒子、高分子量炭化水素微粒子)として排出
されるという特異な事情から、規制も技術の進歩もガソ
リンエンジンに比べて遅れている。
【0003】現在までに開発されているディーゼルエン
ジン用排ガス浄化装置としては、大きく分けてトラップ
型の排ガス浄化装置(ウォールフロー)と、オープン型
の排ガス浄化装置(ストレートフロー)とが知られてい
る。このうちトラップ型の排ガス浄化装置としては、セ
ラミック製の目封じタイプのハニカム体(ディーゼルパ
ティキュレートフィルタ(以下DPFとする))が知ら
れてる。このDPFは、セラミックハニカム構造体のセ
ル下流端の開口部を目詰めしたガス流入側セルと、セル
上流端の開口部を目詰めしたガス流出側セルと、ガス流
入側セルとガス流出側セルを区画し、ガス流通の際のフ
ィルタとなるセル隔壁を持つものであり、セル隔壁の細
孔で排ガスを濾過してセル隔壁にパティキュレートを捕
集することで排出を抑制するものである。
【0004】さらに近年では、DPFのセル隔壁にアル
ミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金
(Pt)などの酸化触媒を担持した連続再生式DPFが
開発されている。この連続再生式DPFによれば、捕集
されたパティキュレートが酸化触媒によって比較的低温
で酸化・燃焼されるため、パティキュレートを捕集と同
時にあるいは捕集と連続して燃焼させることでDPFを
再生することができる。この連続再生式DPFは、触媒
反応が比較的低温で生じること、およびパティキュレー
ト捕集量が少ないうちに燃焼できることから、DPFに
作用する熱応力が小さく、熱による破損が防止されると
いう利点がある。
【0005】この様な連続再生式DPFとしては、様々
なものが知られている。例えば特許3012249号公
報には、排ガスからNOxを生成させる触媒モノリス体
とDPFとを別々に設け、触媒モノリス体をフィルタ上
流に配し、そこで生じたNO xによって下流のDPFで
捕集されたパティキュレートを酸化するパティキュレー
ト除去装置が開示されている。また、特公平7−106
290号公報には、アルカリ土類金属酸化物に白金族金
属を担持した酸化触媒をDPFにコートし、パティキュ
レートと触媒金属との間に起こる固体−固体間の反応を
利用したパティキュレート連続酸化フィルタが開示され
ている。
【0006】しかし、このような連続再生式DPFにお
いてもパティキュレートの酸化速度はまだ十分なもので
はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情を考
慮してなされたもので、パティキュレート酸化速度を向
上させたディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒を得る
ことを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明のディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒は、セラミ
ックハニカム構造体であって、ガス流入孔と、ガス流出
孔と、該ガス流入孔と該ガス流出孔を区画し、ガス流通
の際のフィルタとなるフィルタ隔壁とを持つフィルタ本
体と、該フィルタ隔壁の少なくとも該ガス流入孔を区画
する面に、NOX吸着剤と、該NOX吸着剤に担持された
酸化触媒材と、少なくともCe元素を含んでなる多孔質
酸化物と、を含む排ガス浄化層を有することを特徴とす
る。
【0009】このディーゼル排ガスフィルタ型触媒を構
成する排ガス浄化層は、その排ガス浄化層を構成するN
X吸着剤が低温でNOXを吸着し、高温でNOXを脱離
し、脱離されたNOXがパティキュレートを酸化して除
去すると共にNOXはN2に還元されて浄化される。
【0010】また、上記NOX吸着剤に担持された酸化
触媒材は貴金属であることが好ましく、この貴金属はP
dおよびPtから選ばれる少なくとも1種であることが
より好ましい。そして上記貴金属はコロイド状であるこ
とが好ましく、上記貴金属はPd−Pt複合コロイドで
あることが好ましい。
【0011】さらに、少なくともCe元素を含んでなる
多孔質酸化物は、Ce元素を含む酸化物、複合酸化物お
よびそれらの混合物を用いることができる。そして、酸
化触媒材は貴金属や遷移金属などの酸化触媒能を持つ金
属をいい、排ガス浄化層には酸化触媒材とともに、アル
カリ金属,アルカリ土類金属,希土類元素から選ばれる
少なくとも1種が含まれることが好ましい。
【0012】上記多孔質酸化物に担持された酸化触媒材
は、遷移金属であることがより好ましく、上記NOX
着剤には、La,K,Caから選ばれる少なくとも1種
が添加されていることがさらに好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のディーゼル排ガス浄化用
フィルタ型触媒は、フィルタ本体と排ガス浄化層とを有
する。
【0014】フィルタ本体はセラミックハニカム構造体
であって、ガス流入孔と、ガス流出孔と、これらを区画
し、ガス流通の際のフィルタとなるフィルタ隔壁とを有
する。
【0015】ここでセラミックハニカム構造体は、31
〜62cells/cm2程度のセル径を有する蜂の巣
状のセル複合体からなるものであり、該セル複合体の各
セルはセル孔がフィルタ隔壁によって囲まれて形成され
る。フィルタ隔壁は0.15mm〜0.43mm程度の
壁厚を持つ。
【0016】またガス流入孔とは、排ガスがフィルタ本
体に侵入する際の入口となるセル孔であり、排ガス上流
側に位置するセル上流端が開口し、排ガス下流側に位置
するセル下流端が目詰めされて閉口したセル孔である。
ガス流出孔とは、排ガスがフィルタ本体を流通する際に
排ガスの出口となるセル孔であり、セル上流端が目詰め
されて閉口し、セル下流端が開口したセル孔である。ガ
ス流入孔からフィルタ本体に侵入した排ガスはフィルタ
隔壁を通過し、浄化されてガス流出孔から排出される。
【0017】フィルタ本体は耐熱性セラミックスで形成
されており押出し成形等の従来の方法で作られたものを
使用できる。具体的には市販のハニカム型セラミック製
DPFを使用することもでき、原料としては一般的に使
用される耐熱性セラミックス原料を用いることができ
る。
【0018】本発明の排ガス浄化層は、フィルタ隔壁の
少なくともガス流入孔を区画する面に形成され、多孔質
酸化物と、酸化触媒材と、NOX吸着剤とを含む。
【0019】排ガス浄化層は、多孔質酸化物と酸化触媒
材とNOX吸着剤とを含む1層の触媒層を形成した1層
構造をとることもできるし、多孔質酸化物に酸化触媒材
が担持された酸化触媒層と、NOX吸着剤に酸化触媒材
が担持されたNOX吸着触媒層とが積層された2層以上
の多層構造をとることもできる。
【0020】多孔質酸化物は、少なくともCe元素を含
み、酸化物、複合酸化物およびこれらの混合物を用いる
ことができる。多孔質酸化物は、酸化触媒材を担持して
酸化触媒層を形成することができる。Ceを含んだ多孔
質酸化物は、それ自体がパティキュレートを酸化する。
【0021】多孔質酸化物に担持される酸化触媒材は、
Pt,Pd,Rh等の貴金属や、Fe,Co,Mn,N
i等の遷移金属などの酸化触媒能を持つ金属とすること
ができるが、遷移金属とすることが好ましい。
【0022】また、排ガス浄化層にこのような酸化触媒
材と多孔質酸化物に加えて、NOX吸蔵材として、K,
Na,Li,Cs,Ba,Ca,La,Yなどのアルカ
リ金属、アルカリ土類金属、希土類元素から選ばれる少
なくとも一種を含ませ、NO X吸蔵還元触媒作用を付与
することも好ましい。
【0023】排ガス浄化層は、フィルタ本体1リットル
あたり50〜300gをコートすることが好ましい。こ
れより多くなるとフィルタの圧損が上昇し、これより少
なくなると触媒の活性が低下する。
【0024】NOX吸着剤は、ZrO2,ゼオライト,ス
ピネル,MgAl24等の塩基性を持つものまたは酸性
および塩基性の両性を持つもので、低温域でNOXを吸
着し高温域でNOXを脱離するものが使用できる。例え
ばZrO2は、室温〜300℃の温度域でNOXを吸着
し、300℃〜400℃の温度域でNOXを脱離する特
性を持つ。参考までに、ZrO2のNOX脱離特性を図1
に示す。
【0025】また、NOX吸着剤にLa,K,Caの少
なくとも1種を添加することが好ましい。特にZrO2
に添加することが好ましい。La,K,Caを添加する
ことで、NOX吸着剤の耐久性が向上する。
【0026】NOX吸着剤に担持される酸化触媒材とし
ては、Pt,Pd,Agなどの酸化触媒能を持つ貴金属
を用いることが好ましい。例えばPdは、それ自体にN
X吸着能を持つことから、NOX吸着能をさらに向上さ
せたい場合はPdを用いることが好ましい。さらに該酸
化触媒材は、アンミン系Ptおよび硝酸Pdのどちらか
1種あるいは2種の混合物の状態で用いることが好まし
く、また、コロイドPt、Pt−Pd複合コロイド、も
しくはPtコロイドと硝酸Pdの混合物の状態で用いる
ことがより好ましい。
【0027】コロイド状のPtやPdはメタルに近い状
態で担持される。このため該PtおよびPdは担持され
た後に焼成などによって高温条件下にさらされた場合で
も、酸化されて触媒活性が低下する不具合を回避できる
ため、より高い活性を保持できる。
【0028】図2に本発明の排ガス浄化層における酸化
触媒材とNOX吸着剤とによるパティキュレートの酸化
形態の例を示す。排ガス中のパティキュレートはセル上
流端からガス流入孔1を通ってフィルタ本体に流入し、
フィルタ隔壁2上に捕集される。一方、排ガス中のNO
は、排ガス浄化層3の酸化触媒材の触媒作用によって酸
化反応が促進されNO2となる。ここで生成したNO
2は、低温域ではNOX吸着剤によって吸着され、高温域
では脱離される。脱離したNO2はパティキュレートを
酸化させる気体酸化剤として働き、パティキュレートと
反応してN2やCO2を生成することでパティキュレート
を酸化・燃焼させる。ここで生成したN2やCO2は、ガ
ス流れに沿ってフィルタ隔壁を通過してガス流出孔より
排出される。
【0029】また酸化触媒材は、高温条件下で酸化触媒
能を有する金属と接したパティキュレートとO2からC
2を生成する反応を促進して、パティキュレートを酸
化・燃焼させる。また、Ceを含んだ多孔質酸化物もパ
ティキュレートを酸化する。この時発生する熱により酸
化触媒材の活性はさらに高まり、パティキュレートの酸
化燃焼効率が向上する。
【0030】ここで、排ガス浄化層にNOX吸蔵材が含
まれNOX吸蔵還元触媒作用が付与されている場合、酸
化触媒材は、NOからNOxを生成する酸化反応を促進
し、生成したNOXは空燃比リーン雰囲気下でNOX吸蔵
材に吸蔵され、空燃比リッチ雰囲気下で脱離する。この
時脱離されたNOXもまたパティキュレートを酸化させ
る気体酸化剤となる。
【0031】この構成により、排ガス中のNOから生成
したNO2は、パティキュレートの連続酸化が行われ難
い低い温度域においては、NOX吸着剤によってNOX
着層に吸着され、パティキュレート連続酸化が行われ易
い高い温度域で脱離する。脱離したNO2は、気体酸化
剤としてパティキュレートの酸化に関与する。このこと
により、本発明のディーゼル排ガス浄化用フィルタ触媒
は、排ガス中のNOから生成したNO2を効率よく利用
することができる。
【0032】ここでNO2はO2よりも酸化力が大きいた
め、NO2を気体酸化剤として使用することはパティキ
ュレート酸化反応において有効である。
【0033】さらに、気体酸化剤であるNO2とパティ
キュレートの距離は近い方がパティキュレート酸化速度
を向上させる上で有利である。本発明では、NOX吸着
剤より脱離されるNO2は、パティキュレートの非常に
近くに脱離されるため、NO2発生からパティキュレー
ト酸化までの時間が短縮されて、パティキュレートが効
率よく酸化され易い。また本発明では、NOX吸着剤と
酸化触媒材とCeを含む多孔質酸化物とが隣接し、それ
ぞれの間で、温度や発生した気体の伝達が速やかに行わ
れるため、パティキュレート酸化速度が向上する。また
本発明では、パティキュレートを燃焼させる酸化剤とし
て、酸化触媒材からなる固体酸化触媒だけでなくNO2
からなる気体酸化剤を用いたことで、固体−固体間の酸
化触媒反応と、固体−気体間の酸化反応の両方を用いる
ことができる。このことによって、パティキュレート酸
化反応がより高い頻度で行われる。
【0034】(発明の作用)本発明に係る排ガス浄化用
フィルタ型触媒では、排ガス浄化層を構成するNO X
着剤が低温でNOXを吸着し、高温でNOXを脱離し、脱
離されたNOXがパティキュレートを酸化するととも
に、酸化触媒材、さらにはCeを含んだ多孔質酸化物も
パティキュレートを酸化する。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 <実施例>本実施例のディーゼル排ガス浄化用フィルタ
型触媒は、フィルタ本体と、フィルタ本体に形成された
酸化触媒層と、酸化触媒層上に形成されたNOX吸着触
媒層を有する。
【0036】フィルタ本体は、市販のハニカム型コージ
ェライト製DPFを用いた。このフィルタ本体は、断面
30mm×30mm、長さ50mmのものであって、容
積35ml、壁厚304.8μm、気孔率60%、セル
密度47cells/cm2である。
【0037】酸化触媒層は多孔質酸化物として平均粒径
0.1μmのCeO2と、酸化触媒材としてのFeとを
含む。この酸化触媒層は、フィルタ本体のガス流入孔を
区画するフィルタ隔壁に形成され、CeO2をフィルタ
本体の容積1リットルあたり150g保持し、Feをフ
ィルタ本体の容積1リットルあたり5g保持する。
【0038】また、NOX吸着触媒層は、NOX吸着剤と
してのZrO2と、酸化触媒材としてのPt−Pd複合
貴金属とを含む。このNOX吸着触媒層は、酸化触媒層
上に形成され、ZrO2をフィルタ本体の容積1リット
ルあたり120g保持し、PtおよびPdをフィルタ本
体の容積1リットルあたり1gづつ担持する。
【0039】以下に実施例のディーゼル排ガス浄化用フ
ィルタ型触媒の製作方法を示す。
【0040】フィルタ本体として市販のハニカム型コー
ジェライト製DPFを用意した。そして平均粒径0.1
μmのCeO2粉末40重量%を含む溶液を調製し、前
記フィルタ本体のガス流入孔内に注入し、その後にガス
流出孔から真空吸引することによりCeO2をフィルタ
隔壁の内部および表面に保持させた。この後、120℃
で乾燥し、500℃で120分間焼成することでフィル
タ隔壁にCeO2を担持させた。次いで、Fe溶液を調
製した。この溶液を温度90℃に保持した状態でフィル
ターを浸し、Feをフィルタ隔壁のCeO2に担持させ
た。この後、120℃で乾燥させ、500℃で120分
間焼成して酸化触媒層を形成した。
【0041】次いで、ZrO2粉末40重量%を含む溶
液を調製し、前記と同様にフィルタ隔壁の酸化触媒層に
保持させた後、120℃で乾燥し、500℃で120分
間焼成して酸化触媒層上にZrO2を担持させた。さら
に、コロイドPtおよび硝酸PdからなるPt−Pd複
合貴金属溶液を調製し、前記と同様にZrO2に担持さ
せた後、120℃で乾燥し、500℃で120分間焼成
してNOX吸着触媒層を形成した。
【0042】以上の方法により、実施例のディーゼル排
ガス浄化用フィルタ型触媒を得た。尚、本実施例のディ
ーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒は、後述するパティ
キュレート酸化速度の評価試験に使用するための小型の
ものである。 <比較例>本比較例のディーゼル排ガス浄化用フィルタ
型触媒は、実施例のディーゼル排ガス浄化用フィルタ型
触媒の製作工程のうち、NOX吸着触媒層を形成する工
程を行わなかったもので、残りの他の部分は実施例と同
じである。すなわち本比較例のディーゼル排ガス浄化用
フィルタ型触媒は実施例と同じフィルタ本体と、フィル
タ本体に形成された酸化触媒層とを有する。酸化触媒層
は多孔質酸化物としてのCeO2と、酸化触媒材として
のFeとを含む。
【0043】<試験・評価>前記実施例および比較例で
のディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒についてパテ
ィキュレート発生装置を用いてパティキュレート酸化速
度の評価試験を行った。
【0044】まず、パティキュレート発生装置に実施例
及び比較例の各ディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒
を取付け、20%のO2,3%のH2Oおよび600pp
mのNOを含有し、N2にて100%とした気体を、1
00℃で30分間流通させた。30分が経過した後にN
2中にて温度を350℃に昇温させ、温度が安定した後
に、20%のO2と3%のH2Oを含有し、N2にて10
0%とした気体にパティキュートを添加して、前記各デ
ィーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒に流通させた。
【0045】このとき、実施例及び比較例のディーゼル
排ガス浄化用フィルタ型触媒に、あらかじめフィルタ本
体の容積1リットルあたり約1gのパティキュレートを
捕捉させておき、しかる後にパティキュレートを少量か
ら少しずつ増量して添加することで、パティキュレート
の添加量と燃焼量が等しく圧損が上昇も減少もしない、
圧損がバランスした状態にした。
【0046】この、圧損がバランスした状態の実施例及
び比較例のディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒にお
けるパティキュレート酸化速度を測定した。
【0047】圧損がバランスした状態のディーゼル排ガ
ス浄化用フィルタ型触媒における1時間(h)あたり、
フィルタ本体の容積1Lあたりのパティキュレート酸化
量をパティキュレート酸化速度とした。なお、フィルタ
本体の容積とはフィルタ本体の嵩の量を表している。パ
ティキュレート酸化速度は、 Ma=パティキュレート酸化速度(g/h・L)、 e=パティキュレート捕集効率(%)、 M=圧損がバランスした時のディーゼル排ガス浄化用フ
ィルタ型触媒へのパティ キュレート流入量(g/h・L) と定義した時、Ma=e・Mを満足させる。
【0048】以上の実験によって求められた実施例及び
比較例のディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒のパテ
ィキュレート酸化速度を図3に示す。酸化触媒層上にN
X吸着層を形成させた実施例のディーゼル排ガス浄化
用フィルタ型触媒は、酸化触媒層のみを形成させた比較
例のディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒よりもパテ
ィキュレート酸化速度が約30%向上した。これは、N
X吸着剤のZrO2に吸着されたNO2が、パティキュ
レート連続酸化が行われ易い温度域で脱離されることに
より、生成したNO2がパティキュレート酸化反応にお
いて気体酸化剤として効率よく働き、パティキュレート
酸化速度が向上したものと思われる。
【0049】
【発明の効果】本発明のディーゼル排ガス浄化用フィル
タ型触媒によれば、排ガス中のNOXを効率よく利用し
てパティキュレートを酸化することで、パティキュレー
ト酸化速度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】NOX吸着剤のNOX脱離特性を示すグラフであ
る。
【図2】本発明のディーゼル排ガス浄化用フィルターに
おける酸化触媒材とNO X吸着剤によるパティキュレー
トの酸化形態の例を模試的に表す説明図である。
【図3】実施例及び比較例のディーゼル排ガス浄化用フ
ィルタ型触媒のパティキュレート酸化速度を示すグラフ
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 B01D 53/36 104B ZAB Fターム(参考) 3G090 AA03 BA01 3G091 AA18 AB06 AB09 AB13 BA13 BA14 GB05W GB06W GB07W GB09Y GB10Y HA15 4D048 AA06 AA13 AA14 AA18 AB01 AB05 BA02Y BA10X BA14Y BA18Y BA19X BA30X BA31X BA32Y BA33Y BA38 BA41X BB02 BB14 CC47 EA04 4G069 AA03 BA05A BA05B BA13A BA13B BB02A BB02B BB04A BB04B BC01A BC03A BC08A BC09A BC29A BC32A BC38A BC42A BC43A BC43B BC66B BC69A BC72A BC75A BC75B CA02 CA03 CA07 CA08 CA13 CA14 CA15 CA18 EA19 EA27 EB12Y EB14Y EB15Y EB19

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックハニカム構造体であって、ガ
    ス流入孔と、ガス流出孔と、該ガス流入孔と該ガス流出
    孔を区画し、ガス流通の際のフィルタとなるフィルタ隔
    壁とを持つフィルタ本体と、 該フィルタ隔壁の少なくとも該ガス流入孔を区画する面
    に、NOX吸着剤と、該NOX吸着剤に担持された酸化触
    媒材と、少なくともCe元素を含んでなる多孔質酸化物
    と、を含む排ガス浄化層を有することを特徴とするディ
    ーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒。
  2. 【請求項2】 前記NOX吸着剤に担持された酸化触媒
    材は貴金属であることを特徴とする請求項1に記載のデ
    ィーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒。
  3. 【請求項3】 前記貴金属はPdおよびPtから選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記
    載のディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒。
  4. 【請求項4】 前記貴金属はコロイド状であることを特
    徴とする請求項3に記載のディーゼル排ガス浄化用フィ
    ルタ型触媒。
  5. 【請求項5】 前記貴金属はPd−Pt複合コロイドで
    あることを特徴とする請求項4に記載のディーゼル排ガ
    ス浄化用フィルタ型触媒。
  6. 【請求項6】 前記排ガス浄化層は、さらに、前記多孔
    質酸化物に担持された酸化触媒材を含むことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のディーゼル
    排ガス浄化用フィルタ型触媒。
  7. 【請求項7】 前記多孔質酸化物に担持された酸化触媒
    材は、遷移金属であることを特徴とする請求項6に記載
    のディーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒。
  8. 【請求項8】 前記NOX吸着剤には、La,K,Ca
    から選ばれる少なくとも1種が添加されていることを特
    徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のディ
    ーゼル排ガス浄化用フィルタ型触媒。
  9. 【請求項9】 前記排ガス浄化層は、さらに、アルカリ
    金属,アルカリ土類金属,希土類元素から選ばれる少な
    くとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項
    8のいずれかに記載のディーゼル排ガス浄化用フィルタ
    型触媒。
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