JP2003190126A - X線画像処理装置 - Google Patents

X線画像処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のモードのうちの何れかのモードにおい
て取得したオフセット情報から他のモードのオフセット
情報を求めることができ、より最新のオフセット情報に
よって正確なオフセット補正を行うことができるように
する。 【解決手段】 オフセット情報算出手段13は、透視モ
ード、撮影モード等の各モードにおいて、X線を照射し
ない期間にX線平面検出器4から得られたデータに基づ
いて各モードにおけるオフセット情報を算出し、これら
のオフセット情報をオフセット情報記憶手段7に記憶さ
せる通常のオフセット情報算出機能の他に、いずれかの
モードにおいて新たにオフセット情報を算出すると、新
たに算出したオフセット情報の変動率又は変動量に基づ
いてオフセット情報記憶手段7に記憶されている他のモ
ードにおけるオフセット情報を更新させる機能が追加さ
れている。オフセット補正手段6は、モードに応じてX
線平面検出器4から出力されるX線画像データから対応
するオフセット情報を減算し、オフセット補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線画像処理装置に
係り、特にX線平面検出器から出力されるX線画像デー
タをオフセット補正するためのオフセット情報の取得方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、X線画像処理装置は、被検体にX
線照射を行うことにより、X線平面検出器から出力され
るX線画像をTVモニタ等に表示する構成となってい
る。
【0003】X線平面検出器は、被検体を透過したX線
を光に変換するシンチレータ(例えば、ヨウ化セシウム
(CsI ))と、このシンチレータから出力される光を電
荷に変換するフォトダイオード(例えば、アモルファス
シリコン(a-Si))とから構成されている。X線平面検
出器は、変換された電荷を、例えば薄膜トランジスタ
(TFT )などのスイッチング素子を経由して読み込むこ
とによりX線画像を得ている。
【0004】シンチレータにて光に変換されてa-Si(フ
ォトダイオード)にて電気信号に変換され電荷を読み出
して画像信号とする。
【0005】1画素あたり1個のフォトダイオードが存
在するため、1000×1000画素とすると100万
画素のデータを読み出す必要があり、高速化する為に複
数の読み出し回路を設けて同時に読み出し動作を行って
いる。また、読み出し回路は画像を複数の画素群に分割
して、複数の読み出し回路に分担させている。そして画
像表示する際にはそれぞれの読み出し回路から読み出し
ている。
【0006】前記X線平面検出器の各読み出しチャンネ
ル毎のオフセットは互いに異なるため、予め読み出しチ
ャンネル毎にオフセット情報を求めておき、撮像の際に
そのオフセット情報を用いて、各読み出しチャンネル毎
にX線画像を個別に補正する必要がある。
【0007】また、X線画像処理装置は、X線平面検出
器の全ての素子(フォトダイオード)から電荷を個別に
読み出して解像度の高い(画素数の多い)撮影画像を得
る撮影モードに加え、例えば、30画像/秒の画像レー
トで解像度の低い(画素数の少ない)透視画像を得る透
視モードを有している。この透視モードでは、被検体に
X線が連続的に照射されるため、X線量が低く抑えられ
ているが、複数の素子(例えば、2×2素子)毎に一括
(加算)して読み出し、S/Nの改善を図っている。
【0008】前記オフセット情報は、撮影モード及び透
視モード毎に準備されており、モードに応じてオフセッ
ト補正に使用するオフセット情報が切り替えられる。
【0009】また、オフセット情報は、読み出し回路の
温度特性により変動するため、定期的に更新する必要が
ある。
【0010】従来、上記オフセット情報を更新する場合
には、X線平面検出器にX線を照射しない期間を設け、
モードに応じてX線平面検出器から得られる複数フレー
ムの出力画像を、各読み出しチャンネル毎に加算平均し
て新たなオフセット情報を算出し、このオフセット情報
に更新していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、透視と撮影
とを交互に繰り返して行う検査においては、オフセット
情報を定期的に得るために、X線を照射しない期間を設
けて操作を実施する必要があった。また、フォトダイオ
ードを用いたシステムでは、X線照射の終了後に残像が
ある場合があり、残像が低減するまでオフセット情報を
収集できず、そのため、X線を照射できない期間が長く
なることがあった。
【0012】また、透視モードにおいてカテーテル操作
等を行っている場合は、カテーテルの変更や造影剤の準
備などでX線を照射しない時間があるため、X線を照射
しない期間に透視モードのオフセット情報を収集するこ
とも可能であるが、透視モードから撮影モードへは通常
1〜2秒以内で移行して撮影を行い、撮影終了後は撮影
モードから透視モードへ直ぐに移行してカテーテルの状
況を確認するため、X線を照射しない期間を確保するこ
とができず、撮影モードのオフセット情報を得ることは
難しいという問題がある。
【0013】更に、撮影モードでは入射線量が大きいた
め、オフセットが変動することにより画像に与える影響
は透視画像に比べて少ないが、長時間オフセット情報が
得られなかった場合は、画像にアーチファクトが発生す
る場合があった。また、視野を限定して画素を加算せず
に、解像力を保ったまま撮影モードの画素を用いて透視
画像を得る方法を採用する場合は、オフセットの変動が
画質に大きく影響することがあった。
【0014】更にまた、オフセット情報は、X線平面検
出器の各読み出しチャンネル毎に収集する他に、各画素
毎に収集する場合があるが、この場合には、オフセット
情報の収集に時間がかかり、特に撮影モードでは撮影画
像の画素数が多いため、透視モードに比べてオフセット
情報の収集に時間がかかるという問題がある。
【0015】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、複数のモードのうちの何れかのモードにおいて
取得したオフセット情報から他のモードのオフセット情
報を求めることができ、より最新のオフセット情報によ
って正確なオフセット補正を行うことができるX線画像
処理装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係るX線画像処理装置は、被検体の透過
X線をX線画像データとして出力するX線平面検出器で
あって、複数種類のX線画像データを得る複数のモード
を有し、前記複数のモードのうちの選択されたモードに
対応した種類のX線画像データを出力するX線平面検出
器と、X線を照射しない期間に各モードに応じて前記X
線平面検出器から出力されるデータに基づいて前記X線
画像データをオフセット補正するためのオフセット情報
を算出するオフセット情報算出手段と、前記オフセット
情報算出手段によって各モード毎に算出されたオフセッ
ト情報をそれぞれ記憶するオフセット情報記憶手段と、
前記複数のモードのうちの選択されたモードに応じて前
記X線平面検出器から出力されるX線画像データから前
記オフセット情報記憶手段に記憶されている前記選択さ
れたモードに対応するオフセット情報を減算し、前記X
線画像データをオフセット補正するオフセット補正手段
と、を備え、前記オフセット情報算出手段は、前記複数
のモードのうちの何れかのモードにおいて新たにオフセ
ット情報を算出すると、この算出したオフセット情報に
基づいて前記オフセット情報記憶手段に記憶されている
他のモードのオフセット情報を更新させることを特徴と
している。
【0017】請求項2に係るX線画像処理装置は、前記
オフセット情報算出手段は、X線を照射しない期間に各
モードに応じて前記X線平面検出器から出力される複数
画像分のデータを、各画素毎に又は各モードにおける前
記X線平面検出器の各読み出しチャンネル毎に加算平均
することにより前記オフセット情報を算出することを特
徴としている。
【0018】請求項3に係るX線画像処理装置は、オフ
セット情報算出手段は、前記複数のモードのうちの何れ
かのモードにおいて新たにオフセット情報を算出する
と、新たに算出したオフセット情報の変動率又は変動量
に基づいて、前記オフセット情報記憶手段に記憶されて
いる他のモードのオフセット情報を更新することを特徴
としている。
【0019】本発明によれば、複数のX線画像データを
得るためのモードのうちの何れかのモードにおいて新た
にオフセット情報を算出すると、このオフセット情報に
基づいてオフセット情報記憶手段に記憶されている他の
モードのオフセット情報を更新するようにする。
【0020】例えば、透視モードにおいて得られたオフ
セット情報を用いて、撮影モードにおけるオフセット情
報の変動分を算出して撮影モードのオフセット情報を更
新する、あるいは撮影モードにおいて得られたオフセッ
ト情報を用いて、透視モードにおけるオフセット情報の
変動分を算出して透視モードのオフセット情報を更新す
る、あるいは画素を加算するモードと画素を加算しない
モードとの間で上述のオフセット情報の更新を行うこと
により、透視モードと撮影モードとを、又は画素を加算
するモードと画素を加算しないモードとを繰り返し使用
して検査を行う場合において、撮影画像あるいは透視画
像からアーチファクトを除去することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るX線画像処理装置の好ましい実施の形態について詳説
する。
【0022】図1は、本発明に係るX線画像処理装置の
概略構成を示すブロック図である。
【0023】図1に示すように、本発明に係るX線画像
処理装置は、主として、X線発生器1に制御されて被検
体2にX線を照射するX線源3と、このX線源3と対向
配置され、被検体2の透過X線をX線画像データとして
出力するX線平面検出器4と、このX線平面検出器4よ
り出力されたX線画像データをディジタルデータとして
記憶する画像記憶手段5と、この画像記憶手段5に記憶
されているX線画像データにオフセット補正を施すとと
もに、オフセット補正後のX線画像データを再び画像記
憶手段5に記憶させるオフセット補正手段6と、このオ
フセット補正手段6にてX線画像データのオフセット補
正を行うためのオフセット情報を記憶するオフセット情
報記憶手段7と、前記画像記憶手段5に記憶されている
X線画像データを画像表示する表示手段8と、操作卓9
からの操作者の命令に従ってオフセット情報の取得を制
御するオフセット情報取得制御手段10と、オフセット
情報取得制御手段10からの指示によりX線源3よりX
線を照射させないようX線発生器1を制御するX線制御
手段11と、オフセット情報取得制御手段10の指示に
よりX線平面検出器4からのX線画像データの読み出し
を制御する読み出し制御手段12と、この読み出し制御
手段12より読み出されたX線画像データからX線平面
検出器4の各読み出しチャンネルのオフセット情報を算
出し、前記オフセット情報記憶手段7に記憶させるオフ
セット情報算出手段13とから構成される。
【0024】前記オフセット補正手段6は、予めオフセ
ット情報記憶手段7に記憶させたオフセット情報を入力
画像データからサブトラクションすることでオフセット
の影響を低減する。また、オフセット情報記憶手段7に
記憶されるオフセット情報は、X線未入力時の画像デー
タを複数読み出してオフセット情報算出手段13にて加
算平均処理などを行うことによりノイズの影響が低減さ
れたオフセット情報として取得される。
【0025】次に、本発明の実施の形態におけるオフセ
ット情報を更新する動作について説明する。尚、上記オ
フセット情報は、X線平面検出器4の読み出しチャンネ
ル毎のオフセット情報であるが、X線平面検出器4から
読み出される各画素毎のオフセット情報でもよく、以
下、各画素毎のオフセット情報を取得・更新する場合に
ついて説明する。
【0026】オフセット情報を更新する場合には、ま
ず、操作卓9のスイッチ等にてオフセット情報の更新指
示を入力することにより、X線発生器1からのX線照射
をインターロックして、X線平面検出器4にX線が入射
しない状態にする。この状態で、オフセット情報取得制
御手段10から読み出し制御手段12にオフセット情報
更新用の画像データを取得するための指令を出力し、画
像記憶手段5にオフセット情報更新用の画像データを取
得させる。オフセット情報算出手段13は、前記画像記
憶手段5を介してオフセット情報更新用の複数画素分の
画像データを取り込み、これらの画像データを各画素毎
に加算平均処理することにより、オフセット情報を算出
する。このようにして算出されたオフセット情報は、オ
フセット情報記憶手段7に記憶される。
【0027】このようなオフセット情報は、画像を取得
するモードによって異なるため、モード毎に同様の処理
が行われ、オフセット情報記憶手段7にはモード毎のオ
フセット情報が複数記憶される。オフセット補正手段6
は、オフセット情報記憶手段5に記憶されている複数の
オフセット情報からモードに応じて対応するオフセット
情報を選択してオフセット補正を行う。
【0028】以上の処理を行った場合でも、X線平面検
出器4の温度上昇などによりオフセットが変動すること
があるため、上記処理を全てのモードに対して定期的に
行う必要がある。
【0029】X線平面検出器4には、撮影目的に応じて
複数のモードを有していることが多く、例えば、X線平
面検出器4の全ての素子(フォトダイオード)から電荷
を個別に読み出して高解像度の撮影画像を得る撮影モー
ドと、30画像/秒の画像レートで低解像度の透視画像
を得る透視モードとがある。
【0030】図2(A)は撮影モードにおける4画素1
4A、14B、14C、14Dを示し、図2(B)は透
視(低線量)モードにおける1画素15を示している。
【0031】この透視モードにおける1画素15は、撮
影モードにおける4画素14A、14B、14C、14
D(即ち、X線平面検出器4の4素子(2×2))の総
和に相当する。従って、4画素14A、14B、14
C、14Dを加算して透視モードにおける1画素15を
算出すると、加算しない場合に比べて感度が4倍にな
り、入射線量が少ない画像からS/Nのよい透視画像を
作成することができる。
【0032】いま、撮影モードにおける画素14A、1
4B、14C、14Dの各画素毎のオフセット情報を
a,b,c,dとすると、画素15Eのオフセット情報
eは、[数1]のようにオフセット情報a〜dを加算す
ることによって近似的に求めることもできる。
【0033】
【数1】e=a+b+c+d 従って、撮影モード(加算しないモード)のオフセット
情報が得られれば透視モード(加算モード)のオフセッ
ト情報を算出することができる。
【0034】ところで、実際の検査においては、透視に
て、カテーテルやガイドワイヤを挿入したり、撮影位置
を決定した後、直ぐに撮影を行い、撮影後はカテーテル
やガイドワイヤの状態を確認したり、除去するために、
直ぐに透視モードへ移行する。従って、通常は透視モー
ドで検査を行い、撮影開始時に撮影モードへ移行して、
撮影終了直後に透視モードへ移行する。
【0035】透視モード時に、カテーテルの交換等によ
り一時的にX線を照射しない期間があるため、その期間
に、オフセット情報更新用の画像データを入手すること
が可能である。透視モードは、画素加算により読み出し
データ数を低減できるので、データの読み出しを高速化
して30画像/秒の画像レートを確保できることが多
い。実際には、ノイズによる影響を抑えるために、例え
ば64画像〜128画像を取得して加算平均することに
よりS/Nを改善したオフセット情報を算出する。従っ
て、128画像の場合、30画像/秒の画像レートであ
れば約4秒で全画像を取得することが可能であり、上記
期間に十分処理することができる。しかしながら、撮影
モードでは透視モードの4倍の画素数となり、通常、画
像レートは透視モードの1/4に減るため、7.5画像
/秒となる。この画像レートで128画像を取得するた
めには、約16秒必要となり、上記期間内に画像を取得
することができない可能性がある。
【0036】また、4画素を加算することによって画像
の分解能が劣化するため、視野サイズを縮小することに
より分解能を落とさず高速取り込みを実現するモードも
使われる。
【0037】図3は、4画素を加算した上記透視モード
の例で、X線平面検出器4の有効視野を示す画素16を
4画素加算して出力画像17を得る。この場合は、全て
の視野を画像化することが可能であるが、分解能は劣化
する。図4は、画素を加算せずに高速で読み出す方法を
示し、画像化できる有効視野を示す画素18に対して1
/4のエリア19のみ画素を加算せずに読み出して出力
画像17を得る。有効視野を示す画素18の1/4のエ
リア19以外の領域は通常コリメータ等によって被検者
2にX線が照射されないように工夫されており、透視線
量にて画像を収集する場合は読み出しアンプのゲインを
4倍にする等して必要な輝度を確保する。この場合は、
透視モードの変更においても出力画素を算出する構成が
異なり、例えば4画素を加算する透視モードで透視を続
けた後に、画素を加算しない透視モード(以下、「中央
部透視モード」という)へ切り替えたときにオフセット
情報が更新されていないとアーチファクトが発生する可
能性がある。
【0038】次に、上記撮影モード、透視モード、中央
部透視モードのうちのいずれかのモードにおいて新たに
算出したオフセット情報に基づいて他のモードのオフセ
ット情報を更新する場合について説明する。 [撮影モードにおいて新たにオフセット情報が算出され
た場合]撮影モードにおいて新たにオフセット情報が算
出されると、透視モードにおけるオフセット情報は、
[数1]に示したように2×2のオフセット情報を加算
することにより、近似的に求めることができる。中央部
透視モードにおけるオフセット情報は、撮影モードにお
いて新たに算出したオフセット情報のうちの中央部のオ
フセット情報をそのまま採用することができる。 [透視モードにおいて新たにオフセット情報が算出され
た場合]透視モードにおいて新たにオフセット情報が算
出されると、撮影モードにおけるオフセット情報は、以
下のようにして算出することができる。
【0039】いま、撮影モードにおける画素14A、1
4B、14C、14Dの更新前のオフセット情報をa1
、b1 、c1 、d1 とし、透視モードにおける画素1
5の更新前のオフセット情報をe1 とする。
【0040】ここで、透視モードにおいて新たに算出さ
れたオフセット情報をe2 とすると、撮影モードにおけ
る新たなオフセット情報a2 、b2 、c2 、d2 を、
[数2]又は[数3]により算出する。
【0041】
【数2】a2 =a1 ×e2 /e1 、b2 =b1 ×e2 /
e1 、c2 =c1 ×e2 /e1 、d2 =d1 ×e2 /e
1 もしくは
【0042】
【数3】 a2 =a1 +((e2 −e1 )/4) b2 =b1 +((e2 −e1 )/4) c2 =c1 +((e2 −e1 )/4) d2 =d1 +((e2 −e1 )/4) 上記方法により、透視モードにおいて4画素を加算して
得られたオフセット情報から、撮影モードのオフセット
情報が近似的に得られるので、検査において撮影モード
のオフセット情報を通常の方法で更新する前に、近似デ
ータでオフセット情報を更新することが可能となる。こ
れにより、撮影画像のアーチファクトの除去、もしくは
大幅な低減が可能となる。視野サイズの小さい中央部透
視モードにおけるオフセット情報も上記と同様にして更
新することができる。[中央部透視モードにおいて新た
にオフセット情報が算出された場合]図5(A)〜
(C)はそれぞれ透視モード、中央部透視モード、撮影
モードにおけるX線平面検出器の有効領域及び画素サイ
ズ等を示している。
【0043】図5上で、20はX線平面検出器の全領域
21のうちの中央部透視モードにおける有効領域を示
し、この領域20のX線平面検出器の1素子(1×1)
は、中央部透視画像の1画素に対応している。
【0044】22は透視モードにおける有効領域を示
し、この領域22のX線平面検出器の4素子(2×2)
は、透視画像の1画素に対応している。23は、中央部
透視モードにおける有効領域20に対応する領域を示し
ている。
【0045】24は撮影モードにおける有効領域を示
し、この領域24のX線平面検出器の1素子(1×1)
は、撮影画像の1画素に対応している。25は、中央部
透視モードにおける有効領域20に対応する領域を示し
ている。
【0046】いま、中央部透視モードにおいて、領域2
0の新たにオフセット情報が算出されると、透視モー
ド、撮影モードにおけるオフセット情報は、以下のよう
にして算出することができる。 (透視モードにおけるオフセット情報) (1) 領域20(即ち、領域23)の新たに算出されたオ
フセット情報の平均変動率で、領域22の全画素のオフ
セット情報を更新する。
【0047】(2) 領域20の新たに算出されたオフセッ
ト情報を用いて、この領域20に対応する領域23のオ
フセット情報を[数1]により算出し、それ以外の領域
のオフセット情報は、領域20のオフセット情報の平均
変動率を用いて算出する。(2) の方法は、(1) の方法に
比べて領域23のオフセット情報の精度がよい。 (撮影モードにおけるオフセット情報) (3) 領域20(即ち、領域26)の新たに算出されたオ
フセット情報の平均変動率で、領域24の全画素のオフ
セット情報を更新する。
【0048】(4) 領域26のオフセット情報は、新たに
算出された領域20のオフセット情報をそのまま採用
し、それ以外の領域25のオフセット情報は、領域26
のオフセット情報の平均変動率を用いて算出する。(4)
の方法は、(3) の方法に比べて領域26のオフセット情
報の精度がよく、特に領域26は、X線平面検出器の中
央にあり、診断上重要な部分が描写されることが多いた
め、有効である。
【0049】尚、この実施の形態では、各モードにおけ
る画像の画素ごとにオフセット情報を設定・更新する場
合について説明したが、これに限らず、本発明は、各モ
ードにおけるX線平面検出器の各読み出しチャンネル毎
にオフセット情報を設定・更新する場合にも適用でき
る。また、複数のモードは、この実施の形態のものに限
定されない。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るX線画
像処理装置によれば、画素数や1画素を構成する素子数
が異なる複数のモードのうちのいずれかのモードにおい
て取得したオフセット情報を用いて、他のモードにおけ
るオフセット情報を算出するようにしたため、1回のオ
フセット情報の取得により、全てのモードにおけるオフ
セット情報を更新することができる。これにより、より
最近のオフセット情報によって正確なオフセット補正を
行うことができ画像からアーチファクトを除去し、診断
に最適な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線画像処理装置の実施の形態の
概略構成を示すブロック図
【図2】撮影モードの画素と透視モードの画素を説明す
るために用いた図
【図3】画素加算して画素数の少ない透視モードにおけ
る透視画像を得る様子を示す図
【図4】視野サイズを縮小することにより画素数の少な
い中央部透視モードにおける透視画像を得る様子を示す
【図5】中央部透視モードにおいて取得したオフセット
情報から透視モード及び撮影モードにおけるオフセット
情報を算出する方法を説明するために用いた図
【符号の説明】
1…X線発生器、2…被検体、3…X線源、4…X線平
面検出器、5…画像記憶手段、6…オフセット補正手
段、7…オフセット情報記憶手段、8…表示手段、9…
操作卓、10…オフセット情報取得制御手段、11…X
線制御手段、12…読み出し制御手段、13…オフセッ
ト情報算出手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の透過X線をX線画像データとし
    て出力するX線平面検出器であって、複数種類のX線画
    像データを得る複数のモードを有し、前記複数のモード
    のうちの選択されたモードに対応した種類のX線画像デ
    ータを出力するX線平面検出器と、 X線を照射しない期間に各モードに応じて前記X線平面
    検出器から出力されるデータに基づいて前記X線画像デ
    ータをオフセット補正するためのオフセット情報を算出
    するオフセット情報算出手段と、 前記オフセット情報算出手段によって各モード毎に算出
    されたオフセット情報をそれぞれ記憶するオフセット情
    報記憶手段と、 前記複数のモードのうちの選択されたモードに応じて前
    記X線平面検出器から出力されるX線画像データから前
    記オフセット情報記憶手段に記憶されている前記選択さ
    れたモードに対応するオフセット情報を減算し、前記X
    線画像データをオフセット補正するオフセット補正手段
    と、を備え、 前記オフセット情報算出手段は、前記複数のモードのう
    ちの何れかのモードにおいて新たにオフセット情報を算
    出すると、この算出したオフセット情報に基づいて前記
    オフセット情報記憶手段に記憶されている他のモードの
    オフセット情報を更新させることを特徴とするX線画像
    処理装置。
  2. 【請求項2】 前記オフセット情報算出手段は、X線を
    照射しない期間に各モードに応じて前記X線平面検出器
    から出力される複数画像分のデータを、各画素毎に又は
    各モードにおける前記X線平面検出器の各読み出しチャ
    ンネル毎に加算平均することにより前記オフセット情報
    を算出することを特徴とする請求項1のX線画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記オフセット情報算出手段は、前記複
    数のモードのうちの何れかのモードにおいて新たにオフ
    セット情報を算出すると、新たに算出したオフセット情
    報の変動率又は変動量に基づいて前記オフセット情報記
    憶手段に記憶されている他のモードのオフセット情報を
    更新させることを特徴とする請求項1又は2のX線画像
    処理装置。
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