JP2003187822A - プロトン伝導体、膜電極接合体、燃料電池、燃料電池装置、並びに電圧変換装置 - Google Patents

プロトン伝導体、膜電極接合体、燃料電池、燃料電池装置、並びに電圧変換装置

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JP2003187822A
JP2003187822A JP2001387328A JP2001387328A JP2003187822A JP 2003187822 A JP2003187822 A JP 2003187822A JP 2001387328 A JP2001387328 A JP 2001387328A JP 2001387328 A JP2001387328 A JP 2001387328A JP 2003187822 A JP2003187822 A JP 2003187822A
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JP
Japan
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electrode
voltage
gas diffusion
fuel cell
control
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Application number
JP2001387328A
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English (en)
Inventor
Shigeaki Wachi
滋明 和智
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池から所望とする電圧値で効率よく電
力を取り出す。 【解決手段】 負極集電電極2と正極集電電極3とによ
り挟持されたプロトン伝導体12中に制御電極11を配
設し、この制御電極11に対して、取り出す電力に応じ
た電圧を印加する。これにより、制御電極11に印加電
圧に応じた電界が生じる。このとき、プロトンが正の電
荷を有していることから、制御電極11に正の電圧を印
加すれば、この制御電極11とプロトンとの間に生じる
クーロン力による影響により、プロトンの移動を制御す
ることができる。したがって、制御電極11に対する印
加電圧を制御することにより、燃料電池1からの出力を
制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、燃料電池に搭載して用
いるに好適なプロトン伝導体、膜電極接合体に関する。
また、本発明は、このようなプロトン伝導体又は膜電極
接合体が搭載されて、電力を生成して出力する燃料電池
及び燃料電池装置、並びに、このような燃料電池或いは
燃料電池装置からの出力電圧を所定の電圧値に変換して
出力する電圧変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、例えば、各種車両等の動力
を担う電力源として、或いは、電気通信の分野に従来か
ら広く用いられており、近年では家庭用電気製品にも搭
載することも検討されつつある。燃料電池は、このよう
に広い分野で様々な用途に用いられているが、各用途に
おいては必要とされる電力や電圧或いは出力特性などが
異なり、それぞれの場合で最適な出力電圧や出力特性が
要求されている。
【0003】一般に、燃料電池は、正の電極と負の電極
に対してそれぞれ正極活性物質と負極活性物質とが供給
される単セル(1セル)を基本構造として有している。
ところが、単セルから取り出せる電圧値は、0.6V程
度と比較的低く、単セル構造とされた燃料電池では適用
可能な用途が限定される。
【0004】そこで、燃料電池から高い出力電圧を得る
ために、次のような手法が利用されている。すなわち、
単セルを積層して電気的に直列接続し、いわばスタック
構造とすることにより、これら単セルの整数倍の出力電
圧を得る手法や、単セルから得られた出力電圧をDC−
DCコンバータを用いて所望とする電圧値に変換する手
法などが利用されている。
【0005】ここで、単セル構造とされた従来の燃料電
池について、図11を参照しながら説明する。
【0006】従来の燃料電池100は、図11に示すよ
うに、プロトン伝導体101の一方主面に接して負極ガ
ス拡散電極102が配設され、他方主面に接して正極ガ
ス拡散電極103が配設されている。また、負極ガス拡
散電極102と正極ガス拡散電極103には、プロトン
伝導体101が接する側とは反対側の主面に、それぞれ
負極集電電極104と正極集電電極105とが配設され
ている。
【0007】プロトン伝導体101は、水素イオンの伝
導率が高い物質、すなわち例えば、フッ素を含む高分子
材料やナフィオン(デュポン社登録商標)などにより形
成されている。負極ガス拡散電極102及び正極ガス拡
散電極103は、例えば、触媒層が担持された多孔性炭
素基板である。これら負極ガス拡散電極102及び正極
ガス拡散電極103に担持される触媒としては、例えば
白金やルテニウム等が用いられる。ここで、負極ガス拡
散電極102及び正極ガス拡散電極103にプロトン伝
導体101が挟持され、一体化された部位は、一般に膜
電極接合体(MEA)106と称されており、燃料電池
100における主要な構成物のひとつとされている。
【0008】一方、負極集電電極104及び正極集電電
極105は、導電性材料により形成されている。そして
燃料電池100においては、これら負極集電電極104
及び正極集電電極105により膜電極接合体106が挟
持される構成とされている。また、負極集電電極104
と正極集電電極105とには、それぞれ負極ガス拡散電
極102と正極ガス拡散電極103とに接する側の主面
に、溝状に形成された流路107,108を有してい
る。燃料電池100において、負極集電電極104と正
極集電電極105とは、これら流路107,108によ
り負極活性物質と正極活性物質とがそれぞれ負極ガス拡
散電極102と正極ガス拡散電極103とに供給され
る。
【0009】以上のように構成された燃料電池100
は、負極集電電極104と正極集電電極105とに形成
された流路107,108に対して、それぞれ負極活性
物質と正極活性物質とを供給することにより発電動作を
開始する。
【0010】燃料電池100においては、負極活性物質
として、メタノールに代表される各種のアルコールや水
素ガスなどのように、分子構造に水素原子を含む各種の
物質が用いられ、正極活性物質として、酸素又は空気等
の酸化作用を有する物質が用いられる。なお、最も一般
的には、負極活性物質及び正極活性物質として、例え
ば、水素及び酸素、或いは、水素及び空気の組が用いら
れている。
【0011】燃料電池100においては、上述したよう
な負極活性物質と正極活性物質とを反応させることによ
って電気エネルギーを得ることができる。燃料電池10
0は、電気エネルギーを得る過程で、水(HO)と熱
以外に余分な有害物質等が生成されることがないため、
環境に対する負荷が極めて低いという大きな利点を有し
ている。
【0012】ところで、燃料電池100において、例え
ば水素と酸素を活性物質として用いた場合に単セルから
得られる発電電圧は、理論的には1.23Vであるが、
電極から取り出す電流に応じて電圧降下が生じ、実用電
圧としては0.6V程度である。したがって、燃料電池
100は、0.6V程度の電圧で正常に動作する機器に
対する電力源として用いる場合には、この出力電圧をそ
のまま機器に供給することができる。しかしながら、よ
り高い電圧で動作する機器の電力源として用いる場合な
どにおいて、燃料電池100から十分な電圧を得るため
には、例えばスタック構造として構成される。
【0013】燃料電池100は、単セル構造ではなくス
タック構造とされる場合には、図11に示す構造体が複
数積層された構造とされ、各構造体における負極集電電
極104と正極集電電極105とが電気的に直列に接続
されてなる。また、この場合には、負極集電電極104
及び正極集電電極105によって負極活性物質と正極活
性物質とが分離されることから、これら負極集電電極1
04及び正極集電電極105が「セパレータ」と別称さ
れる。
【0014】つぎに、単セル構造の燃料電池100から
より高い出力電圧を得る場合の具体例として、DC−D
Cコンバータを用いた場合の一例について、図12を参
照しながら説明する。
【0015】この場合に、燃料電池100は、図12に
示すように、電極端子100aがトランジスタ等のスイ
ッチ素子111を介してトランス112の1次側巻線1
13に接続される。また、トランス112の2次側巻線
114には、ダイオード115、インダクタンス11
6、及びコンデンサ117を介して負荷機器118が接
続されている。図12に示す回路においては、燃料電池
100から出力された電圧をトランス112の巻線比に
応じて昇圧又は降圧することができることから、トラン
ス112の巻線比を適宜選択することにより、所望とす
る電圧値を負荷機器118に対して印加することができ
る。
【0016】また、スイッチ素子111の動作を制御回
路部119により制御することもできる。このとき、例
えば、トランス112のコアが飽和しない範囲におい
て、スイッチ素子111がオンとなる時間を長くすれ
ば、トランス112の2次側に発生する平均電力も増大
する。したがって、制御回路部119によって、負荷機
器118に印加される負荷電圧を検知し、負荷電圧が所
定の電圧値よりも低い場合にはスイッチ素子111がオ
ンとなる時間を長くするとともに、負荷電圧が所定の電
圧値よりも高い場合にはスイッチ素子111がオンとな
る時間を短くする制御を行うことにより、負荷機器11
8に印加する電圧値を所定の範囲に保つことができる。
【0017】すなわち、図12においては、燃料電池1
00に接続された回路が全体として、直流電圧を変換す
るDC−DCコンバータとしての機能を果たしている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに燃料電池をスタック構造として構成した場合には、
任意の出力電圧を得ることができるものの、全体として
の構造が複雑化・大型化してしまうといった問題があっ
た。このため、例えば、携帯型の電子機器に搭載して電
力源として用いる場合などには適さない。
【0019】そこで、単セル構造によって所望とする出
力電圧を得ることが可能な燃料電池を実現することが望
まれている。
【0020】ところで、図12に示すような回路は、単
セル構造の燃料電池100からの出力電圧を任意の出力
電圧に変換するという目的において有用性が高いもので
ある。しかしながら、このような回路においてスイッチ
素子111に用いられるトランジスタなどの半導体電力
素子は、電流値に依存して0.4V〜1V程度の順方向
電圧降下を有しており、決して理想的なスイッチング特
性を備えているものではない。
【0021】したがって、このような半導体電力素子が
燃料電池100と負荷機器118との間に介在すると、
その個数に応じて電圧降下と電力損失とが発生してしま
うといった問題があった。具体的には、例えば図12に
示す例において、燃料電池100からの出力電圧が0.
6Vであるときに、スイッチ素子111に0.4Vの順
方向電圧降下が存在すると、負荷機器118に印加され
る電圧は0.2Vになってしまい、電力の利用効率は3
3%以下になってしまう。
【0022】このため、図12に示すような回路によっ
ては、燃料電池から得られる出力を効率よく電圧変換す
ることができないといった問題があった。
【0023】そこで、本発明は、上述した従来の実情に
鑑みてなされたものであり、単セル構造の燃料電池から
任意の電圧値で効率よく電力を取り出すことを実現可能
なプロトン伝導体、膜電極接合体、燃料電池、燃料電池
装置、並びに電圧変換装置を提供することを目的とす
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プロトン伝導体は、プロトンを伝導するプロトン伝導体
において、印加される電圧に応じて生じる電界により上
記プロトンの移動を制御する制御電極を備える。
【0025】また、本発明の請求項5に係る膜電極接合
体は、負極ガス拡散電極と正極ガス拡散電極とによっ
て、プロトンを伝導するプロトン伝導体が挟持されてな
る膜電極接合体において、上記プロトン伝導体は、印加
される電圧に応じて生じる電界により上記プロトンの移
動を制御する制御電極を備える。
【0026】さらに、本発明の請求項10に係る燃料電
池は、負極ガス拡散電極と、正極ガス拡散電極と、上記
負極ガス拡散電極と上記正極ガス拡散電極とにより挟持
され、プロトンを伝導するプロトン伝導体と、上記負極
ガス拡散電極に負極活性物質を供給する負極活性物質供
給手段と、上記正極ガス拡散電極に正極活性物質を供給
する正極活性物質供給手段と、上記プロトン伝導体中に
配設され、印加される電圧に応じて生じる電界により上
記プロトンの移動を制御する制御電極とを備える。
【0027】さらにまた、本発明の請求項15記載の燃
料電池装置は、負極ガス拡散電極と、正極ガス拡散電極
と、上記負極ガス拡散電極と上記正極ガス拡散電極とに
より挟持され、プロトンを伝導するプロトン伝導体と、
上記負極ガス拡散電極に負極活性物質を供給する負極活
性物質供給手段と、上記正極ガス拡散電極に正極活性物
質を供給する正極活性物質供給手段と、上記プロトン伝
導体中に配設され、印加される電圧に応じて生じる電界
により上記プロトンの移動を制御する制御電極と、上記
制御電極に対して所定の電圧を印加する電圧印加手段と
を備える。
【0028】さらにまた、本発明の請求項20に係る電
圧変換装置は、負極ガス拡散電極と、正極ガス拡散電極
と、上記負極ガス拡散電極と上記正極ガス拡散電極とに
より挟持され、プロトンを伝導するプロトン伝導体と、
上記負極ガス拡散電極に負極活性物質を供給する負極活
性物質供給手段と、上記正極ガス拡散電極に正極活性物
質を供給する正極活性物質供給手段と、上記プロトン伝
導体中に配設され、印加される電圧に応じて生じる電界
により上記プロトンの移動を制御する制御電極と、上記
制御電極に対して所定の電圧を印加する電圧印加手段
と、上記負極ガス拡散電極と上記正極ガス拡散電極との
間で生じた電圧を変圧する変圧器とを備える。
【0029】以上のように構成された本発明では、プロ
トン伝導体が制御電極を備え、この制御電極に印加され
る電圧に応じて生じる電界により、プロトンの移動を制
御することができる。このため、このようなプロトン伝
導体を備える燃料電池においては、制御電極に印加する
電圧を制御することによって、所定の出力電圧を得るこ
とができる。また、大きな電圧降下や電力損失を有する
半導体電力素子を用いることなく出力電圧を制御するこ
とができることから、単セル構造の燃料電池に適用した
場合であっても、十分に高い出力電圧値を確保すること
ができる。さらに、制御電極に印加する電圧の制御によ
り燃料電池からの出力を制御できることから、例えば活
性物質の供給量を制御することによって出力を制御する
場合と比較して、装置の簡略化・小型化・低コスト化を
図ることが可能である。
【0030】なお、本発明においては、上記制御電極
が、導電性材料によって形成された電極本体の表面に絶
縁性材料が被覆されていてもよい。通常、燃料電池にお
いては、プロトン伝導体におけるプロトンの移動に水が
関与するため、このプロトン伝導体に対する加湿が行わ
れている。したがって、制御電極を絶縁性材料で被覆す
ることにより、この制御電極からプロトン伝導体へと電
流が流出することを防止することができ、高入力インピ
ーダンスにてプロトンの移動を制御することができる。
【0031】ここで、本発明においては、電圧を印加し
ないときにプロトンを通過させるとともに、電圧が印加
されることにより生じた電界を利用して効果的にプロト
ンの移動を制御するために、制御電極に微小な孔部を無
数に設けることが望ましい。このとき、プロトンの移動
を制御するに適した十分に小さな径の孔部を制御電極に
形成することが困難な場合であっても、このような制御
電極を複数用意し、各々に形成された孔部の位置をずら
してプロトン導電体中に配設することによって、制御電
極同士の間に孔部の径よりも小さな間隙を構成すること
が容易となる。これにより、電界を効果的にプロトンに
付与し、十分にプロトンの移動を制御することができ
る。したがって、本発明においては、プロトン伝導体中
に複数の制御電極が配設するとしてもよい。
【0032】また、本発明においては、複数の制御電極
のそれぞれに対して、それぞれ独立して所定の電圧を印
加することが可能とされていることが望ましい。これに
より、各制御電極に対して印加する電圧値を選定し、プ
ロトン伝導体中にプロトンを安定して保持することがで
きる。
【0033】また、本発明においては、負極ガス拡散電
極及び正極ガス拡散電極のうちの少なくとも一方に、電
極反応を促進する触媒が担持されていることが望まし
く、また、負極ガス拡散電極と正極ガス拡散電極との双
方に触媒が担持されていることがさらに望ましい。これ
により、燃料電池における電極反応が促進され、燃料電
池から効率よく出力電圧を取り出すことが可能となる。
【0034】また、本発明に係る構成された燃料電池に
加えて、上記負極ガス拡散電極と上記正極ガス拡散電極
との間で生じた電圧を変圧する変圧器とを備えることに
より、請求項20に係る構成とすることによって、この
燃料電池を電圧変換装置の一部として用いることが可能
となる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、ま
ず、図1に示すような燃料電池1について説明する。な
お、図1は、燃料電池1の基本構造としての単セルにつ
いて要部を拡大して示す概略断面図である。
【0036】燃料電池1は、図1に示すように、導電性
材料によって形成された負極集電電極2及び正極集電電
極3によって、膜電極接合体(MEA)10が挟持され
た構造とされている。膜電極接合体10は、内部に制御
電極11を備えるプロトン伝導体12と、このプロトン
伝導体12の両主面にそれぞれ接して配設された負極ガ
ス拡散電極13及び正極ガス拡散電極14とにより構成
されている。
【0037】プロトン伝導体12は、水素イオン(プロ
トン)の伝導率が高い材料により形成されており、例え
ば高分子固体電解質材料によって形成されている。この
ような高分子固体電解質材料としては、高分子材料の結
合鎖中にスルホン酸基やカルボン酸基等の電解質基を有
する材料が広く用いられており、具体的には例えば、ナ
フィオン(デュポン社商品名)として知られているパー
フルオロスルホン酸系ポリマー材料を代表として挙げら
れる他、C60(OH)(フラレノール)、C
60(OSOH)(OH)、C60(CHCH
SOH)、或いはC60(CHCHCH
SOH)等を原料とした炭素クラスター誘導体
材料を用いることができる。
【0038】負極ガス拡散電極13及び正極ガス拡散電
極14は、例えば、繊維状のカーボンファイバーシート
や多孔質炭素系基板等により形成されており、負極活性
物質及び正極活性物質が自由に透過することが可能な構
造とされている。また、負極ガス拡散電極13と正極ガ
ス拡散電極14とのそれぞれにおけるプロトン伝導体1
2側の主面には、電極反応を促進する負極触媒15と正
極触媒16とが配されている。
【0039】これら負極触媒15及び正極触媒16は、
例えば、白金、酸化ルテニウム、或いは酸化イリジウム
等の微粒子や、銀などの材料によって形成されている。
燃料電池1は、これら負極触媒15及び正極触媒16を
備えていることによって、電極反応が促進され、効率よ
く出力電圧を取り出すことが可能となる。
【0040】また、負極集電電極2及び正極集電電極3
は、例えば、炭素系材料、ステンレス鋼、或いはチタン
合金などのような耐腐食性が高い導電性材料によって形
成されており、負極ガス拡散電極13と正極ガス拡散電
極14との間で生じた電圧を外部に取り出す機能を有し
ている。
【0041】また、負極集電電極2と正極集電電極3と
には、それぞれ膜電極接合体10に接する側の主面に、
溝状に形成された流路2a,3aが形成されている。燃
料電池1においては、これら流路2a,3aを介して、
それぞれ負極活性物質と正極活性物質とが負極ガス拡散
電極12と正極ガス拡散電極13とに供給される。すな
わち、これら流路2a,3aは、負極ガス拡散電極12
と正極ガス拡散電極13とに対してそれぞれ負極活性物
質と正極活性物質とを供給する活性物質供給手段として
の機能を有している。
【0042】ここで、負極活性物質としては、水素、又
はメタノールに代表される各種のアルコール等のように
分子構造に水素原子を含む物質を用いることができる。
また、正極活性物質としては、酸素又は空気等のような
酸化作用を有する物質を用いることができる。なお、本
例においては、負極活性物質として水素ガスが用いら
れ、正極活性物質として空気が用いられるものとする。
【0043】一方、プロトン伝導体12中に配される制
御電極11は、例えばFe、Cu、Au等の導電性材料
によって形成されている。制御電極11は、外部端子
(図1においては図示せず。)に接続されており、この
外部端子を介して所定の電圧を印加することが可能とさ
れている。制御電極11は、電圧を印加されたことによ
り生じた電界に応じて、プロトン伝導体12中における
プロトンの移動を制御する機能を有している。
【0044】制御電極11の形状や配設形態としては、
印加される電圧に応じてプロトンの移動を制御するもの
であれば、特に限定されるものではないが、図1に示す
ように、複数の孔部11aが形成された平板形状とさ
れ、プロトンの移動方向に対して垂直な方向、すなわち
負極ガス拡散電極12及び正極ガス拡散電極13に対し
て平行な方向に配設されることが望ましい。これによ
り、電圧を印加されることにより生じた電界を利用し
て、効果的にプロトンの移動を制御することができる。
【0045】ここで、制御電極11の具体的な形状とし
ては、例えば図2(a)に示すように、帯状に穿設され
た複数の孔部11aが互いに並行に並ぶ形状であっても
よいし、例えば図2(b)に示すように、複数の孔部1
1aが制御電極11の主面の全面に渡って所定の間隔で
形成された形状であってもよい。
【0046】なお、図2(a)及び図2(b)は、全体
を板状に形成された制御電極11の主面を示す平面図で
あり、制御電極11の端部に、外部から電圧を印加する
ための外部端子17が接続された状態を示す。また、図
2(a)及び図2(b)は、孔部11aの具体的な穿設
パターンを模式的に図示するものであり、制御電極11
全体の大きさに比して孔部11aが比較的大きく図示さ
れているが、実際に制御電極11に形成する孔部11a
の大きさ及び数は、制御電極11に印加される電圧に応
じて十分にプロトンの移動を制御できる程度の大きさ及
び数とすればよい。
【0047】なお、制御電極11と負極触媒15との間
の離間距離、及び制御電極11と正極触媒16との間の
離間距離は、例えば、それぞれ5μm〜200μm程度
とすることが望ましい。この離間距離が小さすぎる場合
には、制御電極11及びプロトン伝導体12からなる構
造体における機械的強度が不十分となってしまい、応力
が加わることによって制御電極11がプロトン伝導体1
2から剥離してしまう虞などが生じてしまう。また、離
間距離が大きすぎる場合には、制御電極11に印加する
電圧に対してプロトンの制御特性が悪化してしまう虞が
生じる。ただし、燃料電池1においては、離間距離が上
述した範囲を超えた場合にプロトンの制御が不能になっ
てしまうものではなく、燃料電池1全体のサイズや要求
される強度に応じて、制御電極11と負極触媒15及び
正極触媒16との離間距離を適宜選択すればよい。
【0048】また、制御電極11に形成する孔部11a
の具体的な寸法としては、制御電極11と負極触媒15
及び正極触媒16との離間距離に対して、短辺が1/1
0以下程度とすることが望ましい。すなわち、例えば、
離間距離が50μmである場合には、孔部11aの短辺
寸法を5μm以下程度とすることが望ましい。
【0049】制御電極11と負極触媒15及び正極触媒
16との離間距離に対して、孔部11aの短辺寸法が1
/10を超える場合には、この孔部11aからプロトン
に印加される電界の一様性が大きく損なわれ、プロトン
の制御を均一に行うことができなくなる虞が生じる。こ
の場合には、孔部11aの中心部からプロトンが漏れて
しまうことを防ぐために、例えば、制御電極11に対し
て余分に大きな電圧を印加することが必要となるため、
望ましくない。
【0050】また、制御電極11の全表面積に対する孔
部11aにおける開口面積の合計の割合(開口比率)が
小さくなるに従って、プロトン伝導体12中におけるプ
ロトンの伝導の割合(プロトン伝導効率)が低下してし
まうというといった問題が生じる。したがって、十分な
プロトン伝導効率を得るためには、開口比率を30%以
上程度とすることが望ましい。
【0051】また、制御電極11は、例えば図3に示す
ように、表面に絶縁性材料によって形成された被覆膜1
8を備える構成としてもよい。通常、燃料電池1におい
ては、プロトン伝導体12におけるプロトンの移動に水
が関与するため、図示を省略する加湿機構によって、こ
のプロトン伝導体12に対して加湿が行われる。したが
って、制御電極11が被覆膜18を備えていることによ
り、この制御電極11からプロトン伝導体12へと電流
が流出することを防止することができ、高入力インピー
ダンスにてプロトンの移動を制御することができる。
【0052】なお、被覆膜18を構成する絶縁性材料と
しては、例えば、酸化シリコン、窒化チタン、ポリエチ
レン、或いはポリプロピレン等のような従来から絶縁性
材料として用いられている各種の材料を用いることがで
きる。
【0053】つぎに、以上のように構成された燃料電池
1において、制御電極11に電圧を印加することにより
プロトンの移動が制御可能であることについて図4を参
照しながら説明する。なお、図4においては、負極集電
電極2及び正極集電電極3にそれぞれ負極電極端子19
a及び正極電極端子19bが接続され、これら負極電極
端子19a及び正極電極端子19bにより燃料電池1で
発生した電力が外部に取り出される場合について図示す
る。
【0054】燃料電池1の制御電極11に電圧が印加さ
れていない状態においては、図4(a)に示すように、
制御電極11に形成された孔部11aを通してプロトン
が自由に移動できることから、従来の燃料電池と同様に
発電動作する。
【0055】一方、負極集電電極2に対して正となる電
圧を制御電極11に印加した場合には、電圧が印加され
ることにより電界が生じた制御電極11と、正の電荷を
有するプロトンとの間に生じるクーロン力によって、プ
ロトン伝導体12中でのプロトンの移動が妨げられる。
このため、図4(b)に示すように、プロトン伝導膜1
2中のプロトンが負極ガス拡散電極13から正極ガス拡
散電極14へと移動することが抑制される。この結果、
負極触媒15付近でのプロトンの濃度が上昇する。
【0056】ここで、負極触媒15においてプロトンが
電離する量は、負極触媒15の表面近傍でのプロトン濃
度によって支配されていることから、負極触媒15付近
でプロトン濃度が上昇すると、この負極触媒15におけ
るプロトンと電子との電離作用が抑制され、電子の発生
が抑制される。同時に、正極触媒16に達するプロトン
の量も減少するため、正極触媒16におけるプロトンの
再結合も抑制される。
【0057】したがって、制御電極11に正電圧を印加
することによって、燃料電池1における出力電圧が低下
する。そして、十分な正電圧を制御電極11に印加した
場合には、プロトンが負極ガス拡散電極13に到達する
ことができなくなり、正極触媒16におけるプロトンの
再結合が全く行われなくなると同時に、負極触媒15に
おいても電子の発生が全く行われなくなるため、出力電
圧は0(ゼロ)となる。
【0058】上述のように、燃料電池1は、プロトン伝
導体12が制御電極11を備え、この制御電極11に印
加される電圧に応じて生じる電界によって、プロトンの
移動を制御することができる。このため、制御電極11
に印加する電圧を制御することによって、所定の出力電
圧を得ることができる。また、大きな電圧降下や電力損
失を有する半導体電力素子を用いることなく出力電圧を
制御することができることから、単セル構造である場合
でおいても十分に高い出力電圧値を確保することができ
る。さらに、例えば制御電極11に印加する電圧を制御
する電気的な制御回路を備えることによって出力電圧を
自在に制御できることから、例えば活性物質の供給量を
制御する機械的な機構によって出力を制御する場合と比
較して、装置の簡略化・小型化・低コスト化を図ること
が可能である。
【0059】ところで、燃料電池1においては、上述し
たように、制御電極11に形成された孔部11aのサイ
ズを、制御電極11と負極触媒15及び正極触媒16と
の離間距離に対して十分に小さくすることが望ましい。
(なお、「孔部11aのサイズ」とは、孔部11aが方
形の孔である場合には、孔部11aの短辺寸法のことと
し、孔部11aが円形の孔である場合には、孔部11a
の径のこととする。また、孔部11aの形状については
特に限定されるものではない。)
【0060】具体的には、例えば制御電極11と負極触
媒15及び正極触媒16との離間距離が5μm〜200
μmである場合には、この離間距離に対応して孔部11
aのサイズをその1/10程度、すなわち0.5μm〜
20μm程度とすることが望ましい。しかしながら、こ
のように小さなサイズで孔部11aを形成する場合に
は、制御電極11に微細な加工技術と高い加工精度が要
求され、結果として燃料電池1全体の製品コストが高価
なものとなってしまうといった虞がある。
【0061】そこで、燃料電池1においては、プロトン
伝導体12中に複数の制御電極を配設し、これら複数の
制御電極によりプロトンの移動を制御する構成とするこ
とによって、微細な加工技術や高い加工精度を不要とし
ながら単一の制御電極11を用いた場合と同様な作用効
果を奏する構成とすることもできる。
【0062】この場合には、例えば図5に示すように、
第1の制御電極11bと第2の制御電極11cとをプロ
トンの移動方向に対して垂直な方向、すなわち負極ガス
拡散電極12及び正極ガス拡散電極13に対して平行な
方向に配設する。これら第1の制御電極11b及び第2
の制御電極11cは、上述した制御電極11に相当する
ものであり、制御電極11と同様に、例えば図2(a)
又は図2(b)に示すような平面形状とされている。な
お、図5は、プロトン伝導体12中に配設した第1の制
御電極11b及び第2の制御電極11cを説明するため
の模式図であり、燃料電池1を構成する他の各部の図示
を省略している。また、図5は、プロトンの移動方向に
対して垂直な断面を示す要部拡大断面図である。
【0063】ここで、燃料電池1においては、図5に示
すように、第1の制御電極11b及び第2の制御電極1
1cを、それぞれに形成された孔部11aの位置をずら
して配設することによって、第1の制御電極11b及び
第2の制御電極11cの全体として孔部11aのサイズ
よりも小さな間隙を構成することができる。
【0064】すなわち、第1の制御電極11bと負極触
媒15との離間距離、或いは第2の制御電極11cと正
極触媒16との離間距離が例えば100μm程度である
場合に、第1の制御電極11b及び第2の制御電極11
cに形成された孔部11aのサイズを、この離間距離と
同程度又はそれ以上とした場合であっても、第1の制御
電極11b及び第2の制御電極11cによって全体とし
て、数μm以下の微小な孔部11aを有する単一の制御
電極11と等価な作用をなす制御電極を構成することが
できる。
【0065】したがって、燃料電池1に複数の制御電極
を配設することにより、微細な加工技術や高い加工精度
を不要としながら、プロトンの移動を効果的に制御する
ことができる。これにより、燃料電池1の低コスト化を
実現することができる。
【0066】なお、図5に示す例においては、第1の制
御電極11bと第2の制御電極11cとは、相対向する
面の間隔を数μm程度とすることが望ましい。これによ
り、第1の制御電極11b及び第2の制御電極11c
が、それぞれに形成された孔部11aがオーバーラップ
しない位置に配置された場合であっても、これら第1の
制御電極11b及び第2の制御電極11c同士の相対向
する面の間隙でプロトンを良好に通過させることができ
る。また、この場合においては、第1の制御電極11b
と第2の制御電極11cとを互いに電気的に接続し、双
方に等しい電圧を印加することによって、これら第1の
制御電極11b及び第2の制御電極11cの近傍で全面
に渡って均一な電界が生じることとなる。このようにし
て、確実に且つ高精度にプロトンの移動を制御すること
ができる。
【0067】なお、上述においては、2枚の制御電極を
配設した例について説明したが、燃料電池1に配設する
制御電極は2枚に限定されるものではなく、制御電極の
枚数をさらに増やすことによって、1枚の微細加工され
た制御電極を備える場合と等価な作用・効果を得るとし
てもよい。
【0068】また、燃料電池1においては、上述のよう
に複数の制御電極を備える構成とされた場合において
も、各制御電極の表面に被覆膜18を備える構成とする
ことがより望ましい。これにより、上述したように、高
入力インピーダンスにてプロトンの移動を制御すること
ができる。
【0069】つぎに、燃料電池1を用いた具体的なシス
テム構成について説明する。
【0070】先ず、第1の具体例として、燃料電池1を
用いて発電動作を行うシステムについて説明する。この
場合には、例えば図6に示すように、燃料電池1の制御
電極11に対して電圧を印加する電圧印加部20を燃料
電池1に接続する。
【0071】具体的には、燃料電池1の負極電極端子1
9aと正極電極端子19bとを、この燃料電池1からの
出力を消費する負荷装置の電極端子にそれぞれ接続する
とともに、燃料電池1の負極電極端子19aと制御電極
11の電極端子11aとを、電圧印加部20の電極端子
にそれぞれ接続する。電圧印加部20は、例えば各種電
気・電子素子によって構成され、負極電極端子19aに
対して正となる所定の電圧値を電極端子11aに対して
印加する。
【0072】以上のように構成されたシステムによれ
ば、燃料電池1に対して所定の流量で活性物質が供給さ
れた状態の下で、電圧印加部20によって制御電極11
に印加する電圧値を制御することにより、燃料電池1か
らの出力電圧を自在に制御することが可能となる。
【0073】すなわち、電圧印加部20によって、制御
電極11が電気的に開放された状態とされるた場合に
は、燃料電池1における最大の出力電圧が負荷装置50
に印加される。また、電圧印加部20によって制御電極
11に印加する電圧を高くするに従って燃料電池1から
出力される電圧値が減少し、制御電極11に十分に高い
電圧が印加されると、燃料電池1からの出力電圧がゼロ
となる。
【0074】以上のように構成されたシステムにおいて
は、燃料電池1からの出力と比較して遙かに小さい電力
で十分に燃料電池1からの出力を制御できることから、
燃料電池1からの出力を直接制御する場合に必要となる
大型のスイッチや大規模な電圧変換回路を不要とするこ
とができるという利点を有している。また、制御電極1
1に印加する電圧を制御することによる燃料電池1の出
力応答は、この燃料電池1に供給する活性物質の供給量
を制御することによる出力制御を行う場合と比較して遙
かに迅速であることから、極めて急峻なオン/オフ制御
を行うことができるとともに、負荷装置50における急
激な電圧変動に対しても迅速に対応することが可能であ
る。
【0075】なお、電圧印加部20は、制御電極11に
対して所定の電圧を印加する機能、又は、制御電圧11
に対して印加する電圧を制御する機能を備えていれば、
特にその構成について限定されるものではない。また、
電圧印加部20は、例えば、予め設定された所定の時刻
となった場合や、予め設定された所定の時間が経過した
場合に、制御電極11に対して印加する電圧値を制御す
る構成とされていることによって、負荷装置50に対す
る燃料電池1からの電力供給を自動的に開始又は停止す
ることが可能とされていてもよい。
【0076】また、電圧印加部20から制御電極11に
対して出力する電圧波形は、燃料電池1の発電動作をオ
ン/オフするための波形に限定されるものでない。例え
ば、負荷装置50がスピーカ装置である場合に、このス
ピーカ装置に対して供給すべき電圧変化に対応した電圧
波形を制御電極11に対して印加することによって、燃
料電池1からは所望とする電圧変化を有する音声信号を
スピーカ装置に対して出力することができる。この場合
に、燃料電池1は、スピーカ装置に対する電力供給機能
を果たすと同時に、スピーカ装置に対して出力する信号
の電力増幅機能をも果たすこととなる。
【0077】また、この場合におけるスピーカ装置に代
えて、各種アクチュエータ装置などを負荷装置50とし
て燃料電池1に接続してもよい。すなわち、所定の電圧
波形を制御電極11に対して印加することによって、各
種アクチュエータ装置などに対して出力する電圧を制御
し、これにより各種アクチュエータ装置に対して所望と
する動作を行わせることもできる。
【0078】次に、燃料電池1を用いたシステムの第2
の具体例として、燃料電池1からの出力を電圧変換して
負荷装置50に印加するシステムについて説明する。
【0079】この場合には、例えば図7に示すように、
燃料電池1の制御電極11に対して電圧を印加する電圧
印加部20を燃料電池1に接続するとともに、燃料電池
1の負極電極端子19a及び正極電極端子19bをトラ
ンス(変圧器)30の1次側巻線30aに接続し、トラ
ンス30の2次側巻線30bを負荷装置50の電極端子
に接続する。また、トランス30と負荷装置50との間
には、ダイオード31及びインダクタンス32を直接に
接続し、コンデンサ33を並列に接続する。
【0080】なお、図7中において、トランス30の1
次側巻線30a及び2次側巻線30bの近傍に示す丸印
は、巻線の巻始めを示している。すなわち、1次側巻線
30aの一端に電流が流れ込む場合に、この一端と同じ
側の2次側巻線30bからは電流が流れ出すこととな
る。
【0081】電圧印加部20は、燃料電池1に対して活
性物質が供給された状態の下で、燃料電池1からの電圧
出力が停止するに十分な電圧を所定の周期で繰り返す矩
形波電圧を制御電極11に対して印加する。このとき、
トランス30における1次側巻線30a及び2次側巻線
30bの極性と、ダイオード31の極性との関係から、
電圧印加部20における「オン」周期、すなわち燃料電
池1からの電圧出力がオンとなる周期で、トランス30
の2次側巻線30b側から断続的に電圧出力が発生す
る。この断続的な電圧出力は、トランス30の2次側巻
線30b側に接続されたインダクタンス32によって定
電圧に変換され、最終的に負荷装置50に印加される。
なお、負荷装置50に対して定電圧を印加せずに、断続
的な電圧を印加する場合には、インダクタンス32を不
要とすることができる。
【0082】ここで、負荷装置50に印加される電圧値
は、電圧印加部20における「オン」周期の長さに応じ
て増大する。すなわち、電圧印加部20により制御電極
11に印加する矩形波電圧の周期を制御することによっ
て、負荷装置50に対する出力を制御することが可能で
ある。
【0083】また、電圧印加部20は、例えば、負荷装
置50に印加される電圧値を検出し、この電圧値に基づ
いて、制御電極11に印加する矩形波電圧の周期を制御
する構成とされていてもよい。これにより、電圧印加部
20を用いて制御ループを構成することができ、負荷電
流に依存しない良好な定電圧特性を得ることが可能とな
る。
【0084】さらに、例えばトランス30における1次
側巻線30aと2次側巻線30bとの巻線比を適宜選択
することにより、燃料電池1からの出力電圧を所望とす
る電圧値まで自在に昇圧又は降圧することができる。
【0085】次に、燃料電池1を用いたシステムの第3
の具体例として、燃料電池1からの直流出力を交流に変
換して負荷装置50に出力するシステムについて説明す
る。
【0086】この場合には、例えば図8に示すように、
第1の燃料電池1aと第2の燃料電池1bとを用意し、
第1の燃料電池1aの負極電極端子19a及び正極電極
端子19bをトランス30の第1の1次側巻線30cに
接続するとともに、第2の燃料電池1bの負極電極端子
19a及び正極電極端子3bをトランス30の第2の1
次側巻線30dに接続する。また、トランスの2次側巻
線30eには、負荷装置50を接続する。なお、トラン
ス30における巻線の極性は、図8において丸印にて示
す側を巻き始めとされているものとする。
【0087】一方、第1の燃料電池1aの制御電極11
と第2の燃料電池1bの制御電極11とは、電圧印加部
20の電極端子に接続され、この電圧印加部20によっ
て印加される電圧がそれぞれ独立して制御される。
【0088】また、電圧印加部20は、負荷装置50に
印加される電圧(以下、負荷電圧と称する。)又は電流
(以下、負荷電流と称する。)の値を検出し、この負荷
電圧又は負荷電流の値を示す信号である負荷信号を生成
する。
【0089】ここで、負荷装置50に交流電圧が印加さ
れている場合には、電圧印加部20により生成される負
荷信号は、例えば図9(a)に示すような正弦波状の波
形となる。電圧印加部20は、例えば各種半導体素子を
組み合わせて構成された演算回路によって、負荷信号の
絶対値を算出することにより、図9(b)に示すような
波形を有する絶対値信号を生成する。
【0090】また一方、電圧印加部20内には、負荷装
置50に印加すべき理想的な電圧波形又は電流波形を示
す基準信号が生成されている。この基準信号は、例えば
図9(c)に示すような波形とされており、負荷装置5
0に対して正弦波状に変動する電圧又は電流を印加する
場合には、この正弦波形の絶対値に相当する波形とされ
る。そして、電圧印加部20は、絶対値信号と基準信号
との差分信号に基づいて、第1の燃料電池1aの制御電
極11に印加する第1の電圧と、第2の燃料電池1bの
制御電極11に印加する第2の電圧とをそれぞれ生成し
て出力する。
【0091】このとき電圧印加部20から出力される第
1の電圧及び第2の電圧は、例えば、図9(d)及び図
9(e)のような波形となる。すなわち、第1の電圧及
び第2の電圧は、それぞれ交互に正の定電圧となる電圧
として出力され、これにより、第1の燃料電池1aと第
2の燃料電池1bとは交互に発電動作を繰り返すことと
なる。
【0092】以上のようにして、第1の燃料電池1aと
第2の燃料電池1bとを交互に発電動作させることによ
り、各燃料電池からの直流出力を交流に変換して負荷装
置に供給することができる。
【0093】ここで、正の定電圧が制御電極11に印加
され、発電動作が停止中の燃料電池には、トランス30
における一対の1次側巻線30c,30d同士の影響に
より、逆極性の電圧が印加されることとなる。このと
き、動作停止中の燃料電池においては、プロトン伝導体
12を誘電体とするコンデンサとして機能することとな
り、発電動作中の燃料電池に対して格別の影響を与える
ことはない。
【0094】なお、本例においては、電圧印加部20が
負荷信号の絶対値を算出するなどの演算処理を行う演算
回路を備えることにより直流―交流変換の制御を行うと
したが、この負荷信号の代わりに負荷電圧又は負荷電流
を直接用い、演算回路の代わりに同等の処理を行う電気
回路を備えて構成されていてもよい。
【0095】ところで、以上の説明においては、燃料電
池1に備えられた単一又は複数の制御電極に対して、負
極集電電極2に対して「正」となる電圧(以下、正電圧
と称する。)を印加する場合を想定して説明した。以下
では、燃料電池1の制御電極に対して、負極集電電極2
に対して「負」となる電圧(以下、負電圧と称する。)
を印加する場合について説明する。なお、以下の説明に
おいては、燃料電池1が単一の制御電極11を備える場
合を想定するが、制御電極が複数配設されている場合も
同様である。
【0096】まず、図4を参照しながら燃料電池1内部
におけるプロトンの動きに注目して説明する。燃料電池
1において、制御電極11に対して負電圧を印加した場
合には、プロトンは負極触媒15の表面を離れ、クーロ
ン力により制御電極11側に移動する。この結果、負極
触媒15の表面でのプロトン濃度が減少するため、負極
触媒15の表面でのプロトンと電子との電離作用が促進
される。この現象は、燃料電池1における触媒作用が向
上すると捉えることができる。したがって、負極触媒1
5の表面近傍に多量に発生した電子を外部に取り出すこ
とができれば、燃料電池1の出力効率を向上させること
ができる。
【0097】しかしながら、制御電極11に負電圧を印
加した場合には、正極触媒16の表面近傍に位置するプ
ロトンもクーロン力によって制御電極11側に移動して
しまうため、正極触媒16におけるプロトンと電子との
再結合が促進されないといった問題が生じる。このた
め、プロトン伝導体12内の電子を効果的に外部に取り
出すことができず、燃料電池1における出力効率の向上
を図ることができない。
【0098】そこで、上述した問題を解決する目的で、
プロトン伝導体12内に制御電極を複数配設し、各々の
制御電極に対して独立して電圧を印加する構成とする場
合について以下で説明する。
【0099】この場合には、例えば図10に示すよう
に、プロトン伝導体12内で負極触媒15の近傍位置に
第1の制御電極21を配設し、正極触媒16の近傍位置
に第2の制御電極22を配設する。そして、負極集電電
極2(ひいては負極ガス拡散電極13及び負極触媒1
5)に対して「負」となる電圧を第1の制御電極21に
対して印加するとともに、正極集電電極3(ひいては正
極ガス拡散電極14及び正極触媒16)に対して「正」
となる電圧を第2の制御電極22に対して印加する。こ
れにより、正極触媒16の近傍位置で、第2の制御電極
22で生じる電界によりプロトンがクーロン力によって
正極触媒16の表面に向けて移動される。したがって、
正極触媒16の近傍でプロトンと電子との再結合が促進
され、燃料電池1の出力効率を向上させることができ
る。
【0100】燃料電池1は、上述のようにして、第1の
制御電極21と第2の制御電極22とに対してそれぞれ
独立して電圧を印加する構成とすることにより、少なく
とも一時的には電流容量を増大させることが可能とな
る。
【0101】また、負極集電電極2に対して正となる電
圧を第1の制御電極21及び第2の制御電極22の双方
に印加した状態を保つことにより、これら第1の制御電
極21と第2の制御電極22との間に最も低い電位とな
る部位が生じる。そこで、この部位の付近でプロトンが
安定して留まることを利用して、プロトンを長期間安定
して貯蔵することが可能となる。
【0102】したがって、燃料電池1は、例えば、電力
の取り出しを行わないときに上述のようにしてプロトン
を貯蔵しておき、電力の取り出しが行われるときに貯蔵
したプロトンを活用することによってさらに出力効率を
向上させるといった動作を実現することができる。
【0103】ここで、本例においても、先の例における
説明と同様な理由により、第1の制御電極21に設けら
れた孔部21aのサイズ、及び第2の制御電極22に設
けられた孔部22aのサイズは、それぞれ、第1の制御
電極21と負極触媒15との離間距離、及び第2の制御
電極22と正極触媒16との離間距離に対して、1/1
0以下程度とすることが望ましい。
【0104】また、第1の制御電極21及び第2の制御
電極22に要求される加工精度の許容度を緩和する目的
で、これら第1の制御電極21及び第2の制御電極22
のうちの少なくとも一方を、先の例における説明と同様
にして、複数の制御電極(例えば第1の制御電極11b
及び第2の制御電極11cとの2枚の制御電極)により
構成してもよい。また、先の例における説明と同様に、
第1の制御電極21及び第2の制御電極22のうちの少
なくとも一方に対して、上述した被覆膜18を形成する
ことにより、高入力インピーダンスとなる効果をさらに
向上させることができる。
【0105】また、本例においては、第1の制御電極2
1及び第2の制御電極22に対して、それぞれ独立して
任意の電圧を印加することによって、上述した動作に限
定されず、さらに複雑に組み合わせた動作を行うことが
可能となる。また、第1の制御電極21と第2の制御電
極22との2枚の制御電極を設けることに限定されるも
のではなく、制御電極を3枚以上で構成することによ
り、さらに種々の動作を組み合わせることも可能となる
といった効果を得ることができる。
【0106】
【発明の効果】本発明では、プロトン伝導体が制御電極
を備え、この制御電極に印加される電圧に応じて生じる
電界により、プロトンの移動を制御することができる。
このため、このようなプロトン伝導体を備える燃料電池
においては、制御電極に印加する電圧を制御することに
よって、所望とする所定の出力電圧を得ることができ
る。また、大きな電圧降下や電力損失を有する半導体電
力素子を用いることなく出力電圧を制御することができ
ることから、単セル構造の燃料電池に適用した場合であ
っても、十分に高い出力電圧値を確保することができ
る。さらに、制御電極に印加する電圧の制御により燃料
電池からの出力を制御できることから、例えば活性物質
の供給量を制御することによって出力を制御する場合と
比較して、燃料電池全体の簡略化・小型化・低コスト化
を図ることが可能である。
【0107】したがって、本発明によれば、単セル構造
の燃料電池を用いた場合であっても、所望とする所定の
の出力電圧を効率よく得ることができるとともに、燃料
電池全体の簡略化・小型化・低コスト化を図ることがで
きる。これにより、例えば小型の電子機器等を含めて種
々の機器に搭載することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す燃料電池の要部
拡大断面図である。
【図2】同燃料電池に備えられる制御電極を示す平面図
であり、図2(a)は制御電極に帯状の孔部が形成され
た場合の一例を示し、図2(b)は制御電極の全面に複
数の孔部が形成された場合の一例を示す。
【図3】同燃料電池の制御電極に被覆膜が形成された場
合の例を示す要部拡大断面図である。
【図4】同燃料電池の動作について説明する概略図であ
り、図4(a)は制御電極に電圧が印加されていない場
合を示し、図4(b)は制御電極に電圧が印加された場
合を示す。
【図5】同燃料電池に複数の制御電極が備えられる場合
の一例について説明するための図であり、プロトン伝導
体の一部を拡大して示す要部断面図である。
【図6】同燃料電池を用いて負荷装置を駆動するシステ
ムの一例を示す概略図である。
【図7】同燃料電池を用いて負荷装置に印加する電圧の
制御を行うシステムの一例を示す概略図である。
【図8】同燃料電池を用いて直流―交流変換を行うシス
テムの一例を示す概略図である。
【図9】図8に示すシステムにおいて、電圧印加部で用
いられる各種信号の波形の一例を示す概略図であり、図
9(a)は負荷装置に印加される電圧又は電流の波形を
示す負荷信号の波形を示し、図9(b)は負荷信号の絶
対値を示す絶対値信号の波形を示し、図9(c)は負荷
装置に印加する理想的な電圧波形又は電流波形の絶対値
を示す基準信号を示し、図9(d)及び図9(e)はそ
れぞれ第1の燃料電池及び第2の燃料電池に印加する電
圧の波形を示す。
【図10】本発明の別の実施の形態として示す燃料電池
において、複数の制御電極に対してそれぞれ独立して電
圧を印加する場合について説明するための要部拡大断面
図である。
【図11】従来の燃料電池における単セルの構造を示す
概略斜視図である。
【図12】従来の燃料電池において出力を制御するシス
テムの概略を示す模式図である。
【符号の説明】
1 燃料電池、2 負極集電電極、2a 流路、3 正
極集電電極、3a 流路、10 膜電極接合体、11
制御電極、11a 孔部、11b 第1の制御電極、1
1c 第2の制御電極、12 プロトン伝導体、13
負極ガス拡散電極、14 正極ガス拡散電極、15 負
極触媒、16 正極触媒、17 外部端子、18 被覆
膜、19a 負極電極端子、19b 正極電極端子、2
0 電圧印加部、21 第1の制御電極、21a 孔
部、22 第2の制御電極、22a孔部、30 トラン
ス、50 負荷装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/10 H01M 8/10

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロトンを伝導するプロトン伝導体にお
    いて、 印加される電圧に応じて生じる電界により上記プロトン
    の移動を制御する制御電極を備えることを特徴とするプ
    ロトン伝導体。
  2. 【請求項2】 上記制御電極は、導電性材料によって形
    成された電極本体の表面が絶縁性材料によって被覆され
    てなることを特徴とする請求項1記載のプロトン伝導
    体。
  3. 【請求項3】 上記制御電極を複数備えることを特徴と
    する請求項1記載のプロトン伝導体。
  4. 【請求項4】 上記複数の制御電極には、それぞれ独立
    して電圧が印加されることを特徴とする請求項3記載の
    プロトン伝導体。
  5. 【請求項5】 負極ガス拡散電極と正極ガス拡散電極と
    によって、プロトンを伝導するプロトン伝導体が挟持さ
    れてなる膜電極接合体において、 上記プロトン伝導体は、印加される電圧に応じて生じる
    電界により上記プロトンの移動を制御する制御電極を備
    えることを特徴とする膜電極接合体。
  6. 【請求項6】 上記制御電極は、導電性材料によって形
    成された電極本体の表面が絶縁性材料によって被覆され
    てなることを特徴とする請求項5記載の膜電極接合体。
  7. 【請求項7】 上記プロトン伝導体は、上記制御電極を
    複数備えることを特徴とする請求項5記載の膜電極接合
    体。
  8. 【請求項8】 上記複数の制御電極には、それぞれ独立
    して電圧が印加されることを特徴とする請求項7記載の
    膜電極接合体。
  9. 【請求項9】 上記負極ガス拡散電極及び/又は上記正
    極ガス拡散電極は、電極反応を促進する触媒が担持され
    てなることを特徴とする請求項5記載の膜電極接合体。
  10. 【請求項10】 負極ガス拡散電極と、 正極ガス拡散電極と、 上記負極ガス拡散電極と上記正極ガス拡散電極とにより
    挟持され、プロトンを伝導するプロトン伝導体と、 上記負極ガス拡散電極に負極活性物質を供給する負極活
    性物質供給手段と、 上記正極ガス拡散電極に正極活性物質を供給する正極活
    性物質供給手段と、 上記プロトン伝導体中に配設され、印加される電圧に応
    じて生じる電界により上記プロトンの移動を制御する制
    御電極とを備えることを特徴とする燃料電池。
  11. 【請求項11】 上記制御電極は、導電性材料によって
    形成された電極本体の表面が絶縁性材料によって被覆さ
    れてなることを特徴とする請求項10記載の燃料電池。
  12. 【請求項12】 上記制御電極を複数備えることを特徴
    とする請求項10記載の燃料電池。
  13. 【請求項13】 上記複数の制御電極には、それぞれ独
    立して電圧が印加されることを特徴とする請求項12記
    載の燃料電池。
  14. 【請求項14】 上記負極ガス拡散電極及び/又は上記
    正極ガス拡散電極は、電極反応を促進する触媒が担持さ
    れてなることを特徴とする請求項10記載の燃料電池。
  15. 【請求項15】 負極ガス拡散電極と、 正極ガス拡散電極と、 上記負極ガス拡散電極と上記正極ガス拡散電極とにより
    挟持され、プロトンを伝導するプロトン伝導体と、 上記負極ガス拡散電極に負極活性物質を供給する負極活
    性物質供給手段と、 上記正極ガス拡散電極に正極活性物質を供給する正極活
    性物質供給手段と、 上記プロトン伝導体中に配設され、印加される電圧に応
    じて生じる電界により上記プロトンの移動を制御する制
    御電極と、 上記制御電極に対して所定の電圧を印加する電圧印加手
    段とを備えることを特徴とする燃料電池装置。
  16. 【請求項16】 上記制御電極は、導電性材料によって
    形成された電極本体の表面が絶縁性材料によって被覆さ
    れてなることを特徴とする請求項15記載の燃料電池装
    置。
  17. 【請求項17】 上記制御電極を複数備えることを特徴
    とする請求項15記載の燃料電池装置。
  18. 【請求項18】 上記電圧印加手段は、上記複数の制御
    電極に対して、それぞれ独立して所定の電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項17記載の燃料電池装置。
  19. 【請求項19】 上記負極ガス拡散電極及び/又は上記
    正極ガス拡散電極は、電極反応を促進する触媒が担持さ
    れてなることを特徴とする請求項15記載の燃料電池装
    置。
  20. 【請求項20】 負極ガス拡散電極と、 正極ガス拡散電極と、 上記負極ガス拡散電極と上記正極ガス拡散電極とにより
    挟持され、プロトンを伝導するプロトン伝導体と、 上記負極ガス拡散電極に負極活性物質を供給する負極活
    性物質供給手段と、 上記正極ガス拡散電極に正極活性物質を供給する正極活
    性物質供給手段と、 上記プロトン伝導体中に配設され、印加される電圧に応
    じて生じる電界により上記プロトンの移動を制御する制
    御電極と、 上記制御電極に対して所定の電圧を印加する電圧印加手
    段と、 上記負極ガス拡散電極と上記正極ガス拡散電極との間で
    生じた電圧を変圧する変圧器とを備えることを特徴とす
    る電圧変換装置。
  21. 【請求項21】 上記制御電極は、導電性材料によって
    形成された電極本体の表面が絶縁性材料によって被覆さ
    れてなることを特徴とする請求項20記載の電圧変換装
    置。
  22. 【請求項22】 上記制御電極を複数備えることを特徴
    とする請求項20記載の電圧変換装置。
  23. 【請求項23】 上記電圧印加手段は、上記複数の制御
    電極に対して、それぞれ独立して所定の電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項22記載の電圧変換装置。
  24. 【請求項24】 上記負極ガス拡散電極及び/又は上記
    正極ガス拡散電極は、電極反応を促進する触媒が担持さ
    れてなることを特徴とする請求項20記載の電圧変換装
    置。
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