JP2003187658A - エナメル線焼付け装置 - Google Patents
エナメル線焼付け装置Info
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- JP2003187658A JP2003187658A JP2001385267A JP2001385267A JP2003187658A JP 2003187658 A JP2003187658 A JP 2003187658A JP 2001385267 A JP2001385267 A JP 2001385267A JP 2001385267 A JP2001385267 A JP 2001385267A JP 2003187658 A JP2003187658 A JP 2003187658A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 焼付け装置内の加熱温度と熱風供給量を未調
節で均一にすることができ、安定した製品を得る。 【解決手段】 導体にエナメル塗料を連続塗布する工
程、該塗料を塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う
工程を有し、該焼付け処理工程には焼き付けチャンバと
これに連結する熱風の供給口および排気口を有するエナ
メル線焼付け装置であって、前記熱風の供給口付近と排
気口付近にパンチングメタルを有することを特徴とする
エナメル線焼付け装置により上記課題を解決しうる。
節で均一にすることができ、安定した製品を得る。 【解決手段】 導体にエナメル塗料を連続塗布する工
程、該塗料を塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う
工程を有し、該焼付け処理工程には焼き付けチャンバと
これに連結する熱風の供給口および排気口を有するエナ
メル線焼付け装置であって、前記熱風の供給口付近と排
気口付近にパンチングメタルを有することを特徴とする
エナメル線焼付け装置により上記課題を解決しうる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエナメル線焼付け装
置に関する。さらに詳しくは、エナメル線製造におけ
る、導体にエナメル塗料を連続塗布する工程、該塗料を
塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う工程を有し、
該焼付け処理工程には焼き付けチャンバとこれに連結す
る熱風の供給口および排気口を有するエナメル線焼付け
装置に関するものである。
置に関する。さらに詳しくは、エナメル線製造におけ
る、導体にエナメル塗料を連続塗布する工程、該塗料を
塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う工程を有し、
該焼付け処理工程には焼き付けチャンバとこれに連結す
る熱風の供給口および排気口を有するエナメル線焼付け
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エナメル線は、電気機器、電子応用機
器、通信機器などの主要材料として広範囲に使用されて
いる電線で、機器内部でコイル状に巻いて有効な磁界を
発生させる、いわゆる電気エネルギーを磁気エネルギー
に変換させるのに使用する電線である。エナメル線は一
般の電線と異なり、機器内部にコイル状に巻く。すなわ
ち加工されて初めて機能を発揮するのが特徴である。
器、通信機器などの主要材料として広範囲に使用されて
いる電線で、機器内部でコイル状に巻いて有効な磁界を
発生させる、いわゆる電気エネルギーを磁気エネルギー
に変換させるのに使用する電線である。エナメル線は一
般の電線と異なり、機器内部にコイル状に巻く。すなわ
ち加工されて初めて機能を発揮するのが特徴である。
【0003】一方、エナメル線の製造方法は、通常所定
の導体径に伸線された導体を焼鈍装置で焼鈍したのち、
エナメル塗料の塗装を行いエナメル塗料の溶剤乾燥と塗
料内の樹脂成分の熱架橋硬化を目的とした焼付けを行
い、ついで所定のリールで連続的に巻き取るものであ
る。この際の用いられる焼付け装置としては、大別する
と熱風循環式と電熱式にわかれる。熱風循環式と電熱式
は焼付け処理を行うエナメル線への伝熱方法の形態に違
いがあり、熱風循環式はおもに対流熱による伝熱、電熱
式は輻射熱による伝熱によりエナメル塗料の溶剤乾燥と
塗料内の樹脂成分の熱架橋硬化を行う。またその構造
は、熱風循環式は、焼付けチャンバーが熱風循環路の一
部で構成されており、大量の熱風を焼付け装置内で循環
する。一方、電熱式は焼付けチャンバー内に電気ヒータ
を設け装置内を加熱するものである。また、その特徴と
しては、熱風循環炉は循環系による廃熱リサイクルから
省エネルギー性に優れ、電熱式は各所における温度コン
トロールが可能なことから運転操作性に優れている。ま
た、近年では、各々の特徴を利用し、焼付けチャンバー
内に電気ヒータを設けかつ、焼付けチャンバーの一端か
ら微量の熱風を吹き込み別端から排気する微量熱風吹き
込み電熱式焼付け装置が開発されている。
の導体径に伸線された導体を焼鈍装置で焼鈍したのち、
エナメル塗料の塗装を行いエナメル塗料の溶剤乾燥と塗
料内の樹脂成分の熱架橋硬化を目的とした焼付けを行
い、ついで所定のリールで連続的に巻き取るものであ
る。この際の用いられる焼付け装置としては、大別する
と熱風循環式と電熱式にわかれる。熱風循環式と電熱式
は焼付け処理を行うエナメル線への伝熱方法の形態に違
いがあり、熱風循環式はおもに対流熱による伝熱、電熱
式は輻射熱による伝熱によりエナメル塗料の溶剤乾燥と
塗料内の樹脂成分の熱架橋硬化を行う。またその構造
は、熱風循環式は、焼付けチャンバーが熱風循環路の一
部で構成されており、大量の熱風を焼付け装置内で循環
する。一方、電熱式は焼付けチャンバー内に電気ヒータ
を設け装置内を加熱するものである。また、その特徴と
しては、熱風循環炉は循環系による廃熱リサイクルから
省エネルギー性に優れ、電熱式は各所における温度コン
トロールが可能なことから運転操作性に優れている。ま
た、近年では、各々の特徴を利用し、焼付けチャンバー
内に電気ヒータを設けかつ、焼付けチャンバーの一端か
ら微量の熱風を吹き込み別端から排気する微量熱風吹き
込み電熱式焼付け装置が開発されている。
【0004】この工程での焼付け装置の一例を図3に示
す。エナメル塗料が塗布されたエナメル線2は焼付けチ
ャンバー3を通過し、焼付け処理が行われる。循環チャ
ンバー4には空気加熱用のヒータ7、蒸発溶剤を燃焼さ
せる触媒8、熱風を循環させるファン9などが設置され
ており、熱風は循環チャンバーにて加熱、溶剤燃焼され
ながら焼付けチャンバーに至り熱風を循環する。また焼
付けチャンバー3に熱風を供給する部分には一般的に風
量調整用としてダンパ10が設けられておりダンパの開
度を調整することにより焼付けチャンバーの幅方向の風
量の均一化を行っている。このダンパによる風量の調整
は非常に熟練度を要し、時間の掛る作業である。これら
の焼付け装置において最も重要となるのは、焼付け装置
内の対流熱量を均一化することである。たとえ焼付け装
置内の温度が均一であったとしても熱風の風量に依存す
る対流熱量が均一でなければ焼付け装置内でのエナメル
塗料の溶剤乾燥と塗料内の樹脂成分の熱架橋硬化にむら
が生じ、安定した製品を得ることができない。
す。エナメル塗料が塗布されたエナメル線2は焼付けチ
ャンバー3を通過し、焼付け処理が行われる。循環チャ
ンバー4には空気加熱用のヒータ7、蒸発溶剤を燃焼さ
せる触媒8、熱風を循環させるファン9などが設置され
ており、熱風は循環チャンバーにて加熱、溶剤燃焼され
ながら焼付けチャンバーに至り熱風を循環する。また焼
付けチャンバー3に熱風を供給する部分には一般的に風
量調整用としてダンパ10が設けられておりダンパの開
度を調整することにより焼付けチャンバーの幅方向の風
量の均一化を行っている。このダンパによる風量の調整
は非常に熟練度を要し、時間の掛る作業である。これら
の焼付け装置において最も重要となるのは、焼付け装置
内の対流熱量を均一化することである。たとえ焼付け装
置内の温度が均一であったとしても熱風の風量に依存す
る対流熱量が均一でなければ焼付け装置内でのエナメル
塗料の溶剤乾燥と塗料内の樹脂成分の熱架橋硬化にむら
が生じ、安定した製品を得ることができない。
【0005】このため焼付け装置内の温度分布を低減さ
せる方法として特開平9−35556号公報に熱風供給
口に、風量調節用のダンパと熱風補助加熱用の補助ヒー
タを設けると共に、焼付けチャンバー内の温度検出器を
用いコントロールする方法があるが、これらの方法は焼
付けチャンバー内の温度を一定とすることができるが、
焼付け装置外からの冷風の吸い込みにより熱風の風量に
依存する対流熱量が一定とならず、得られる製品の品質
バラツキの大きいものであった。
せる方法として特開平9−35556号公報に熱風供給
口に、風量調節用のダンパと熱風補助加熱用の補助ヒー
タを設けると共に、焼付けチャンバー内の温度検出器を
用いコントロールする方法があるが、これらの方法は焼
付けチャンバー内の温度を一定とすることができるが、
焼付け装置外からの冷風の吸い込みにより熱風の風量に
依存する対流熱量が一定とならず、得られる製品の品質
バラツキの大きいものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
を鑑み、導体にエナメル塗料を連続塗布する工程装置、
該塗料を塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う工程
装置において、焼付け処理を行う工程装置内の加熱温度
だけでなく対流熱量も、複雑な調節をしなくても均一に
することができ、安定した製品が提供できるエナメル線
焼付け装置を提供することを目的とする。
を鑑み、導体にエナメル塗料を連続塗布する工程装置、
該塗料を塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う工程
装置において、焼付け処理を行う工程装置内の加熱温度
だけでなく対流熱量も、複雑な調節をしなくても均一に
することができ、安定した製品が提供できるエナメル線
焼付け装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意研究の結果、焼付けチャンバ内の熱風風量
を均一にすることにより所期の目的が達成されることを
見出し本発明を完成した。すなわち、 1)導体にエナメル塗料を連続塗布する工程、該塗料を
塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う工程を有し、
該焼付け処理工程には焼き付けチャンバとこれに連結す
る熱風の供給口および排気口を有するエナメル線焼付け
装置であって、前記熱風の供給口付近と排気口付近にパ
ンチングメタルを有することを特徴とするエナメル線焼
付け装置。 2)前記パンチングメタルの開口比が10%〜30%で
あることを特徴とする1)記載のエナメル線焼付け装
置。 3) 前記パンチングメタルの相当直径が5mm以上で
あることを特徴とする1)または2)記載のエナメル線
焼付け装置。 4)前記パンチングメタルの下流部に風向ベーンを有す
ることを特徴とする1)載のエナメル線焼付け装置。
決すべく鋭意研究の結果、焼付けチャンバ内の熱風風量
を均一にすることにより所期の目的が達成されることを
見出し本発明を完成した。すなわち、 1)導体にエナメル塗料を連続塗布する工程、該塗料を
塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う工程を有し、
該焼付け処理工程には焼き付けチャンバとこれに連結す
る熱風の供給口および排気口を有するエナメル線焼付け
装置であって、前記熱風の供給口付近と排気口付近にパ
ンチングメタルを有することを特徴とするエナメル線焼
付け装置。 2)前記パンチングメタルの開口比が10%〜30%で
あることを特徴とする1)記載のエナメル線焼付け装
置。 3) 前記パンチングメタルの相当直径が5mm以上で
あることを特徴とする1)または2)記載のエナメル線
焼付け装置。 4)前記パンチングメタルの下流部に風向ベーンを有す
ることを特徴とする1)載のエナメル線焼付け装置。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を示す添
付図面に基づいて、本発明のエナメル線焼付け装置につ
いて詳細に説明する。
付図面に基づいて、本発明のエナメル線焼付け装置につ
いて詳細に説明する。
【0009】図1ないし図2は本発明を実施するために
用いられる装置の一実施例を示す説明図である。図にお
いてエナメル塗料が塗布されたエナメル線2は焼付けチ
ャンバー3を通過し、焼付け処理が行われる。循環チャ
ンバー4には空気加熱用のヒータ7、蒸発溶剤を燃焼さ
せる触媒8、熱風を循環させるファン9などが設置され
ており、熱風は焼付けチャンバー3、循環チャンバー4
にて加熱、溶剤燃焼されながら循環する。また焼付けチ
ャンバー3に熱風を供給する部分、焼付けチャンバーか
ら熱風を排気する部分にはパンチングメタル5が設けら
れており熱風の通過による圧損により、人手による調整
を行うことなく風量の均一化を行うことができる。
用いられる装置の一実施例を示す説明図である。図にお
いてエナメル塗料が塗布されたエナメル線2は焼付けチ
ャンバー3を通過し、焼付け処理が行われる。循環チャ
ンバー4には空気加熱用のヒータ7、蒸発溶剤を燃焼さ
せる触媒8、熱風を循環させるファン9などが設置され
ており、熱風は焼付けチャンバー3、循環チャンバー4
にて加熱、溶剤燃焼されながら循環する。また焼付けチ
ャンバー3に熱風を供給する部分、焼付けチャンバーか
ら熱風を排気する部分にはパンチングメタル5が設けら
れており熱風の通過による圧損により、人手による調整
を行うことなく風量の均一化を行うことができる。
【0010】またパンチングメタルの下流部には風向を
調整する風向ベーン6が設置されている。またパンチン
グメタルの設置ヶ所は熱風供給口と熱風排気口の2ヶ所
に設置することが好ましい。従来からの供給口部分のみ
の風量調整機構の設置では、排気部分で風量分布が生じ
るため焼付けチャンバー内の熱風下流側ほど風量分布を
生じる場合がある。また、パンチングメタルの口径はエ
ナメル塗料中に含まれる未反応のモノマーや、低分子量
のオリゴマーが焼付けチャンバー内で揮発しパンチング
メタルの開口部に付着生成することから5mm以上の相
当直径とすることが好ましい。
調整する風向ベーン6が設置されている。またパンチン
グメタルの設置ヶ所は熱風供給口と熱風排気口の2ヶ所
に設置することが好ましい。従来からの供給口部分のみ
の風量調整機構の設置では、排気部分で風量分布が生じ
るため焼付けチャンバー内の熱風下流側ほど風量分布を
生じる場合がある。また、パンチングメタルの口径はエ
ナメル塗料中に含まれる未反応のモノマーや、低分子量
のオリゴマーが焼付けチャンバー内で揮発しパンチング
メタルの開口部に付着生成することから5mm以上の相
当直径とすることが好ましい。
【0011】また、パンチングメタルの開口比は熱風の
風量、温度により決定される圧力損失が高いほど、すな
わちパンチングメタルの開口比が小さいほど整流効果を
ますが、パンチングメタルの開口比が小さい場合、パン
チングメタルの口数が少なくなり整流効果が低くなるば
かりでなく、圧力損失が高くなり循環ファンの必要能力
が高いものとなることから過剰な設備費を必要とする。
通常の焼付けで用いられる熱風の風量、温度の範囲で
は、パンチングメタルの開口比は10%〜30%が好ま
しい。またパンチングメタルの口形状は、一般に用いら
れる丸穴、スリット穴、出窓スクリーンなどから任意に
選定することができるが、安価で加工性のよい丸穴を用
いるのが好ましい。
風量、温度により決定される圧力損失が高いほど、すな
わちパンチングメタルの開口比が小さいほど整流効果を
ますが、パンチングメタルの開口比が小さい場合、パン
チングメタルの口数が少なくなり整流効果が低くなるば
かりでなく、圧力損失が高くなり循環ファンの必要能力
が高いものとなることから過剰な設備費を必要とする。
通常の焼付けで用いられる熱風の風量、温度の範囲で
は、パンチングメタルの開口比は10%〜30%が好ま
しい。またパンチングメタルの口形状は、一般に用いら
れる丸穴、スリット穴、出窓スクリーンなどから任意に
選定することができるが、安価で加工性のよい丸穴を用
いるのが好ましい。
【0012】またパンチングメタルの下流部には風向ベ
ーンを設置することが好ましい。通常の装置では、循環
ファンを出た熱風は流れが複雑に乱れ、大きな偏流を生
じている。パンチングメタルのみでは、風量の均一化す
なわり熱風のスカラー値を一定にするとができるが、風
向を一定にする、すなわち熱風のベクトル値を一定にす
ることができず、パンチングメタル通過後も偏流が生じ
る。また風向ベーンをパンチング上流に設置した場合、
パンチングメタルの整流効果が著しく低下する。また風
向ベーンの形状は特に限定されるものではなく、循環チ
ャンバーから焼付けチャンバーへの供給路あるいは排気
路の形状に応じて選定できる。
ーンを設置することが好ましい。通常の装置では、循環
ファンを出た熱風は流れが複雑に乱れ、大きな偏流を生
じている。パンチングメタルのみでは、風量の均一化す
なわり熱風のスカラー値を一定にするとができるが、風
向を一定にする、すなわち熱風のベクトル値を一定にす
ることができず、パンチングメタル通過後も偏流が生じ
る。また風向ベーンをパンチング上流に設置した場合、
パンチングメタルの整流効果が著しく低下する。また風
向ベーンの形状は特に限定されるものではなく、循環チ
ャンバーから焼付けチャンバーへの供給路あるいは排気
路の形状に応じて選定できる。
【0013】
【実施例】以下に本発明のエナメル線焼付け装置を実施
例および比較例にもとづき説明するが、これらは本発明
を何ら制約するものではない。
例および比較例にもとづき説明するが、これらは本発明
を何ら制約するものではない。
【0014】実施例、比較例および参考例における焼付
け装置の温度分布の評価は、焼付けチャンバー内の入り
口付近、中央付近、出口付近のそれぞれ両壁際付近、セ
ンター付近の計9ヶ所に温度計を設置し、各々の温度計
読みとり値により焼付け装置の入り口付近、中央付近、
出口付近のそれぞれの幅方向最高温度から最低温度を減
じた温度差を用い評価を行った。
け装置の温度分布の評価は、焼付けチャンバー内の入り
口付近、中央付近、出口付近のそれぞれ両壁際付近、セ
ンター付近の計9ヶ所に温度計を設置し、各々の温度計
読みとり値により焼付け装置の入り口付近、中央付近、
出口付近のそれぞれの幅方向最高温度から最低温度を減
じた温度差を用い評価を行った。
【0015】実施例、比較例および参考例における製品
の特性は残存溶剤量の測定を行った。残溶剤量の測定は
ガスクロマトグラフ(株式会社島津製作所製GC−14
A)を用い、水素イオン検出法により樹脂組成分に対す
る残溶剤量の測定を行った。比較の方法として焼付け処
理を行った全エナメル線の残溶剤量値の測定を行い最も
高い値と、最も低い値を用い一つの焼付け装置で焼き付
けされる製品の安定性を評価した。
の特性は残存溶剤量の測定を行った。残溶剤量の測定は
ガスクロマトグラフ(株式会社島津製作所製GC−14
A)を用い、水素イオン検出法により樹脂組成分に対す
る残溶剤量の測定を行った。比較の方法として焼付け処
理を行った全エナメル線の残溶剤量値の測定を行い最も
高い値と、最も低い値を用い一つの焼付け装置で焼き付
けされる製品の安定性を評価した。
【0016】実施例および比較例におけるパンチングメ
タルの口閉塞状態は、焼付け処理を連続1ヶ月実施した
のち、パンチングメタル部を取り出し、目視観察による
揮発物の付着状態の観察を行った。
タルの口閉塞状態は、焼付け処理を連続1ヶ月実施した
のち、パンチングメタル部を取り出し、目視観察による
揮発物の付着状態の観察を行った。
【0017】参考例における作業性は、温度調節のため
実施するダンパ開度調整に有した作業時間を計測し作業
性の評価を行った。
実施するダンパ開度調整に有した作業時間を計測し作業
性の評価を行った。
【0018】(実施例1)まず、公知の方法に従って銅
線をφ0.20mmの寸法まで伸線し、焼鈍炉で焼き鈍
しを行ったのち、絶縁皮膜を形成することにより絶縁エ
ナメル線を得た。この絶縁エナメル線と熱可塑性ポリア
ミド系の樹脂成分と溶剤であるクレゾールを主体とする
樹脂成分濃度12重量%のエナメル塗料を用い焼付け処
理を行い、所定のリールに巻き取り自己融着型絶縁エナ
メル線を得た。この際に用いた焼付け装置は図1に示す
焼付け装置とし、口径φ5mm、開口比10%のパンチ
ングメタルを熱風の供給口、排気口に設置し、パンチン
グメタルの下流部には風向ベーンを設置した。焼付け装
置内の温度分布、得られたエナメル線の品質の安定性、
パンチングメタルの口閉塞状態の結果を表1に示した。
温度分布は入り口付近1℃、中央付近1℃、出口付近2
℃であり温度分布は少なく、エナメル線の残溶剤量は
0.2wt%と差がなくパンチングメタルの口閉塞はな
い良好な状態であった。
線をφ0.20mmの寸法まで伸線し、焼鈍炉で焼き鈍
しを行ったのち、絶縁皮膜を形成することにより絶縁エ
ナメル線を得た。この絶縁エナメル線と熱可塑性ポリア
ミド系の樹脂成分と溶剤であるクレゾールを主体とする
樹脂成分濃度12重量%のエナメル塗料を用い焼付け処
理を行い、所定のリールに巻き取り自己融着型絶縁エナ
メル線を得た。この際に用いた焼付け装置は図1に示す
焼付け装置とし、口径φ5mm、開口比10%のパンチ
ングメタルを熱風の供給口、排気口に設置し、パンチン
グメタルの下流部には風向ベーンを設置した。焼付け装
置内の温度分布、得られたエナメル線の品質の安定性、
パンチングメタルの口閉塞状態の結果を表1に示した。
温度分布は入り口付近1℃、中央付近1℃、出口付近2
℃であり温度分布は少なく、エナメル線の残溶剤量は
0.2wt%と差がなくパンチングメタルの口閉塞はな
い良好な状態であった。
【0019】(実施例2)口径φ5mm、開口比30%
のパンチングメタルを熱風の供給口、排気口に設置した
以外は実施例1と同様にして実施例2のエナメル線を得
た。温度分布は入り口付近3℃、中央付近2℃、出口付
近2℃であり温度分布は少なく、エナメル線の残溶剤量
は最高0.3wt%、最低0.2wt%であり差が少な
く、パンチングメタルの口閉塞はない良好な状態であっ
た。
のパンチングメタルを熱風の供給口、排気口に設置した
以外は実施例1と同様にして実施例2のエナメル線を得
た。温度分布は入り口付近3℃、中央付近2℃、出口付
近2℃であり温度分布は少なく、エナメル線の残溶剤量
は最高0.3wt%、最低0.2wt%であり差が少な
く、パンチングメタルの口閉塞はない良好な状態であっ
た。
【0020】(実施例3)口径φ3mm、開口比30%
のパンチングメタルを熱風の供給口、排気口に設置した
以外は実施例1と同様にして比較例2のエナメル線を得
た。温度分布は入り口付近1℃、中央付近1℃、出口付
近2℃であり温度分布は少なく、エナメル線の残溶剤量
は最高0.3wt%、最低0.2wt%であり差が少な
いものであったが、パンチグメタルに少量の付着物が生
成しており、これ以上の連続運転ではパンチングメタル
の閉塞が若干生じた。
のパンチングメタルを熱風の供給口、排気口に設置した
以外は実施例1と同様にして比較例2のエナメル線を得
た。温度分布は入り口付近1℃、中央付近1℃、出口付
近2℃であり温度分布は少なく、エナメル線の残溶剤量
は最高0.3wt%、最低0.2wt%であり差が少な
いものであったが、パンチグメタルに少量の付着物が生
成しており、これ以上の連続運転ではパンチングメタル
の閉塞が若干生じた。
【0021】(実施例4)口径φ5mm、開口比40%
のパンチングメタルを熱風の供給口、排気口に設置した
以外は実施例1と同様にして比較例3のエナメル線を得
た。温度分布は入り口付近10℃、中央付近9℃、出口
付近10℃であり温度分布はやや大きく、エナメル線の
残溶剤量は最高0.6wt%、最低0.2wt%と品質
のバラツキのやや大きいものであった。パンチグメタル
の口閉塞はない良好な状態であった。
のパンチングメタルを熱風の供給口、排気口に設置した
以外は実施例1と同様にして比較例3のエナメル線を得
た。温度分布は入り口付近10℃、中央付近9℃、出口
付近10℃であり温度分布はやや大きく、エナメル線の
残溶剤量は最高0.6wt%、最低0.2wt%と品質
のバラツキのやや大きいものであった。パンチグメタル
の口閉塞はない良好な状態であった。
【0022】(実施例5)パンチングメタルの上流部に
風向ベーンを設置した以外は実施例1と同様にして比較
例4のエナメル線を得た。温度分布は入り口付近9℃、
中央付近7℃、出口付近7℃であり温度分布はやや大き
く、エナメル線の残溶剤量は最高0.5wt%、最低
0.2wt%と品質のバラツキのやや大きいものであっ
た。パンチグメタルの口閉塞はない良好な状態であっ
た。
風向ベーンを設置した以外は実施例1と同様にして比較
例4のエナメル線を得た。温度分布は入り口付近9℃、
中央付近7℃、出口付近7℃であり温度分布はやや大き
く、エナメル線の残溶剤量は最高0.5wt%、最低
0.2wt%と品質のバラツキのやや大きいものであっ
た。パンチグメタルの口閉塞はない良好な状態であっ
た。
【0023】(実施例6)風向ベーンを設置しなかった
以外は実施例1と同様にして比較例4のエナメル線を得
た。温度分布は入り口付近11℃、中央付近9℃、出口
付近10℃であり温度分布はやや大きく、エナメル線の
残溶剤量は最高0.5wt%、最低0.2wt%と品質
のバラツキのやや大きいものであった。パンチグメタル
の口閉塞はない良好な状態であった。
以外は実施例1と同様にして比較例4のエナメル線を得
た。温度分布は入り口付近11℃、中央付近9℃、出口
付近10℃であり温度分布はやや大きく、エナメル線の
残溶剤量は最高0.5wt%、最低0.2wt%と品質
のバラツキのやや大きいものであった。パンチグメタル
の口閉塞はない良好な状態であった。
【0024】(比較例1)パンチングメタルを熱風の供
給口のみに設置した以外は実施例1と同様にして比較例
1のエナメル線を得た。得られたエナメル線の品質の安
定性、パンチングメタルの口閉塞状態の結果を表2に示
した。温度分布は入り口付近20℃、中央付近8℃、出
口付近5℃であり温度分布は焼付けチャンバーの入り口
ほど大きく、エナメル線の残溶剤量は最高0.9wt
%、最低0.2wt%と品質のバラツキの大きいもので
あった。パンチグメタルの口閉塞はない良好な状態であ
った。
給口のみに設置した以外は実施例1と同様にして比較例
1のエナメル線を得た。得られたエナメル線の品質の安
定性、パンチングメタルの口閉塞状態の結果を表2に示
した。温度分布は入り口付近20℃、中央付近8℃、出
口付近5℃であり温度分布は焼付けチャンバーの入り口
ほど大きく、エナメル線の残溶剤量は最高0.9wt
%、最低0.2wt%と品質のバラツキの大きいもので
あった。パンチグメタルの口閉塞はない良好な状態であ
った。
【0025】(比較例2)焼付けに用いた焼付け装置を
図3に示す従来公知の焼付け装置とし、熱風吹き込み部
に最も近い出口付近の幅方向温度分布が最も少なくなる
ようダンパ調整を行い焼付け処理を行った以外は、実施
例1と同様にして参考例1のエナメル線を得た。温度分
布は入り口付近25℃、中央付近10℃、出口付近2℃
であり温度分布は焼付けチャンバーの入り口ほど大きい
ものであり、エナメル線の残溶剤量は最高1.1wt
%、最低0.2wt%であり品質のバラツキの大きいも
のであった。さらに温度調節に有した作業時間が8時間
かかり作業性の悪いものであった。
図3に示す従来公知の焼付け装置とし、熱風吹き込み部
に最も近い出口付近の幅方向温度分布が最も少なくなる
ようダンパ調整を行い焼付け処理を行った以外は、実施
例1と同様にして参考例1のエナメル線を得た。温度分
布は入り口付近25℃、中央付近10℃、出口付近2℃
であり温度分布は焼付けチャンバーの入り口ほど大きい
ものであり、エナメル線の残溶剤量は最高1.1wt
%、最低0.2wt%であり品質のバラツキの大きいも
のであった。さらに温度調節に有した作業時間が8時間
かかり作業性の悪いものであった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】表1、表2からわかるように熱風を整流す
る方法として、供給口と排気口に特定のパンチングメタ
ルを設置し、さらにパンチングメタルの下流部に風向ベ
ーンを設置することにより、焼付け装置内の加熱温度と
熱風供給量を未調節で均一にすることができ、安定した
製品を得ることができる。
る方法として、供給口と排気口に特定のパンチングメタ
ルを設置し、さらにパンチングメタルの下流部に風向ベ
ーンを設置することにより、焼付け装置内の加熱温度と
熱風供給量を未調節で均一にすることができ、安定した
製品を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】叙上の通り、本発明のエナメル線焼付け
装置によれば、エナメル線製造におけるエナメル塗料の
架橋硬化反応、溶剤揮発除去するためのエナメル線焼付
け装置において、焼付け装置内の加熱温度と熱風供給量
を未調節で均一にすることができ、安定した製品を得る
ことができる。
装置によれば、エナメル線製造におけるエナメル塗料の
架橋硬化反応、溶剤揮発除去するためのエナメル線焼付
け装置において、焼付け装置内の加熱温度と熱風供給量
を未調節で均一にすることができ、安定した製品を得る
ことができる。
【図1】本発明を実施するために用いられるエナメル線
焼付け装置の一実施例を示す説明図である。
焼付け装置の一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明を実施するために用いられるパンチング
メタルと風向ベーンの一実施例を示す説明図である。
メタルと風向ベーンの一実施例を示す説明図である。
【図3】従来公知のエナメル線焼付け装置の一実施例を
示す説明図である。
示す説明図である。
1 焼付け装置本体
2 エナメル線
3 焼付けチャンバー
4 循環チャンバー
5 パンチングメタル
6 風向ベーン
7 ヒータ
8 触媒
9 ファン
10 ダンパ
Claims (4)
- 【請求項1】 導体にエナメル塗料を連続塗布する工
程、該塗料を塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う
工程を有し、該焼付け処理工程には焼き付けチャンバと
これに連結する熱風の供給口および排気口を有するエナ
メル線焼付け装置であって、前記熱風の供給口付近と排
気口付近にパンチングメタルを有することを特徴とする
エナメル線焼付け装置。 - 【請求項2】 前記パンチングメタルの開口比が10%
〜30%であることを特徴とする請求項1記載のエナメ
ル線焼付け装置。 - 【請求項3】 前記パンチングメタルの相当直径が5m
m以上であることを特徴とする請求項1または2記載の
エナメル線焼付け装置。 - 【請求項4】 前記パンチングメタルの下流部に風向ベ
ーンを有することを特徴とする請求項1記載のエナメル
線焼付け装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001385267A JP2003187658A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | エナメル線焼付け装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001385267A JP2003187658A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | エナメル線焼付け装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003187658A true JP2003187658A (ja) | 2003-07-04 |
Family
ID=27594770
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001385267A Pending JP2003187658A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | エナメル線焼付け装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003187658A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011108602A (ja) * | 2009-11-20 | 2011-06-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 絶縁電線の製造装置及び絶縁電線の製造方法 |
JP2012240370A (ja) * | 2011-05-23 | 2012-12-10 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 長尺フィルムの連続加熱装置 |
-
2001
- 2001-12-18 JP JP2001385267A patent/JP2003187658A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011108602A (ja) * | 2009-11-20 | 2011-06-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 絶縁電線の製造装置及び絶縁電線の製造方法 |
JP2012240370A (ja) * | 2011-05-23 | 2012-12-10 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 長尺フィルムの連続加熱装置 |
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