JP2003187656A - エナメル線焼付け装置 - Google Patents

エナメル線焼付け装置

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JP2003187656A
JP2003187656A JP2001385265A JP2001385265A JP2003187656A JP 2003187656 A JP2003187656 A JP 2003187656A JP 2001385265 A JP2001385265 A JP 2001385265A JP 2001385265 A JP2001385265 A JP 2001385265A JP 2003187656 A JP2003187656 A JP 2003187656A
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baking
enamel
temperature
heater
conductor
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JP2001385265A
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Yuji Motohara
裕二 元原
Takeyoshi Takahashi
武良 高橋
Hiroki Adachi
弘樹 足立
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のエナメル線焼付け処理を行う際におい
て各処理錘の加熱温度を均一にさせ、安定した製品を得
る。 【解決手段】 導体にエナメル塗料を連続塗布する工
程、該塗料を塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う
工程を有し、該焼付け処理工程には、加熱ヒータ、温度
センサ、調節計からなる温度制御ユニットを備える焼付
けチャンバを有するエナメル線焼付け装置であって、前
記加熱ヒータが、前記エナメル塗料を塗布した導体の走
行方向と平行に設置されていることを特徴とするエナメ
ル線焼付け装置によって上記課題を解決しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエナメル線焼付け装
置に関する。さらに詳しくは、導体にエナメル塗料を連
続塗布する工程、該塗料を塗布した導体を走行させ焼付
け処理を行う工程を有し、焼付け処理工程に、加熱ヒー
タ、温度センサ、調節計からなる温度制御ユニットを備
える焼付けチャンバを有するエナメル線焼付け装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】エナメル線は、電気機器、電子応用機
器、通信機器などの主要材料として広範囲に使用されて
いる電線で、機器内部でコイル状に巻いて有効な磁界を
発生させる、いわゆる電気エネルギーを磁気エネルギー
に変換させるのに使用する電線である。エナメル線は一
般の電線と異なり、機器内部にコイル状に巻く。すなわ
ち加工されて初めて機能を発揮するのが特徴である。
【0003】一方、エナメル線の製造方法は、通常所定
の導体径に伸線された導体を焼鈍装置で焼鈍したのち、
エナメル塗料の塗装を行いエナメル塗料の溶剤乾燥と塗
料内の樹脂成分の熱架橋硬化を目的とした焼付けを行
い、ついで所定のリールで連続的に巻き取るものであ
る。この際、塗料の塗装は焼き付け時の発泡による外観
不良を防ぐため、または均一で偏芯の少ない仕上がり寸
法を得るために薄膜塗装を複数回繰り返し行うため、一
つの導体は焼付け装置を出たのち、ふたたび焼付け装置
供給位置に導かれ焼鈍装置からの該処理導体供給位置と
並列に配列設置され繰り返し塗装、焼付けが行われる。
また、焼付け装置で焼付けを行う導体の本数は、通常複
数本であることから、一つの焼付け装置では複数本の導
体を複数回薄膜塗装、焼付けを行うのが一般的である。
このため、焼付け装置の幅方向寸法は焼付けを行う導体
の本数,薄膜塗装の回数により比例的に決定され、該処
理導体の本数が多いほど、薄膜塗装の回数が多いほど装
置の幅方向の寸法を大きくする必要が生じる。この工程
での焼付け装置の一例を図2に示す。エナメル塗料が塗
布されたエナメル線2はヒータ3により加熱された焼付
け炉1内を通過し、焼付け処理が行われる。ヒータ3は
通常、電気ヒータを用いるがその電流出力値は温度セン
サ4の出力を入力値とし調節計5により所望の温度とな
るよう決定される。
【0004】一方、近年の産業動向として低コスト、高
品質の製品を高い生産性で作ることが要求されているこ
とはいうまでもなく、エナメル線の焼付け装置において
もより多くの導体を一つの焼付け装置で生産する研究が
盛んに行われている。この結果、焼付け装置の装置幅が
大きくなることにより様々な不具合が生じることとな
る。その大きな不具合の一つとして焼付け装置内の温度
分布がある。この温度分布の原因は焼付け装置の装置幅
が大きくなることにより装置外部からの温度の低い雰囲
気空気の吸い込み量が、装置の中央付近と両端付近で差
が生じるためである。エナメル線は高温状態の焼付け装
置内を通過することにより受熱され、エナメル塗料内の
溶剤の乾燥、樹脂成分の熱架橋硬化を行うのであるが装
置幅方向の温度分布が生じた場合、この溶剤乾燥、熱架
橋硬化に差が生じるため、一つの焼付け装置で安定した
製品を生産することが困難となる。このため焼付け装置
内の温度分布を低減させる方法として特開平1−637
82号公報に複数の温度センサの出力値を入力とする平
均温度演算回路の出力により焼付け温度を安定化させる
方法が提案されているが、特に多くの導体を一つの焼付
け装置で焼付けする場合、焼付け温度の分布が不十分で
あり得られる製品の品質バラツキの大きいものであっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
を鑑み、導体にエナメル塗料を連続塗布する工程、該塗
料を塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う工程を有
し、焼付け処理工程には、加熱ヒータ、温度センサ、調
節計からなる温度制御ユニットを備える焼付けチャンバ
を有するエナメル線焼付け装置であって、特に、複数の
エナメル線焼付け処理を行う際においても各処理錘の加
熱温度を均一にすることができ、安定した製品が提供で
きるエナメル線焼付け装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意研究の結果、焼付けされる導体の本数毎に
加熱ヒータ、温度センサ、調節計からなる温度制御ユニ
ットを有し、各処理導体通過部の雰囲気温度を個々に制
御することにより所期の目的が達成されることを見出し
本発明を完成した。すなわち、 1) 導体にエナメル塗料を連続塗布する工程、該塗料
を塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う工程を有
し、該焼付け処理工程には、加熱ヒータ、温度センサ、
調節計からなる温度制御ユニットを備える焼付けチャン
バを有するエナメル線焼付け装置であって、前記加熱ヒ
ータが、前記エナメル塗料を塗布した導体の走行方向と
平行に設置されていることを特徴とするエナメル線焼付
け装置。 2) 前記焼付け処理工程が、複数の導体が走行する焼
付けチャンバを有し、前記温度制御ユニットが、前記焼
付けチャンバ内を走行するすべての導体に対応して設置
されていることを特徴とする1)記載のエナメル線焼付
け装置。 3) 前記温度制御ユニットが前記焼付けチャンバ内を
走行する導体の走行方向に2ヶ所以上有することを特徴
とする1)または2)記載のエナメル線焼付け装置。 4) 前記温度制御ユニットが2つの加熱ヒータを有
し、前記焼付けチャンバ内を走行するエナメル塗料を塗
布した導体の上下に設置することを特徴とする1)〜
3)のいずれか一項に記載の焼付け装置。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を示す添
付図面に基づいて、本発明のエナメル線焼付け装置につ
いて詳細に説明する。
【0008】図1は、本発明を実施するために用いられ
る装置の一実施例を示す説明図である。図1において、
エナメル塗料が塗布された導体(用語統一しました)2
1はヒータ311、ヒータ312により加熱された焼付
け炉1内を通過し、焼付け処理が行われる。温度制御ユ
ニットSは、ヒータ311、ヒータ312と温度センサ
411、412および調節計511,512を電気的に
接続し構成される。この温度制御ユニットSにおけるヒ
ータ311,312は、エナメル塗料が塗布された導体
の走行方向と平行に設置されている。
【0009】本発明のエナメル線焼付け装置は、図1の
ようにヒータが従来のものと異なり、平行に設置される
ので、焼付けチャンバ内の幅方向における温度分布が生
じないように設置することが可能である。特に、温度制
御ユニットは、焼付けチャンバ内を走行する導体に対応
して設置すれば、導体ごとに厳密に温度制御することが
でき好ましい。すなわち、図1の場合エナメル線の本数
は21から26まで6本であるため、走行する各導体に
対応して温度制御ユニットを設置すると、焼付け装置幅
方向の温度制御ユニットの数は6ユニットである。
【0010】また温度制御ユニットは焼付けされるエナ
メル線の走行線方向に2ヶ所以上有することが好まし
い。これは焼付け処理を行うエナメル塗料の焼き付け条
件により任意に選定できるものであり、エナメル線製品
の良好な品質が確保できる温度上昇パターンにより温度
制御ユニットの設置数が決定される。通常、2から4ヶ
所の設置が最も好ましい。1ヶ所の場合、炉内の温度勾
配を作ることが難しく良好な品質を得ることができない
場合がある。また5ヶ所以上の場合、設置に有するコス
トが大きくなり経済的に設備投資が過剰となる。
【0011】また、一つの温度制御ユニットには、2つ
のヒータを設け調節計の出力を同時に2つのヒータに入
力し、該処理エナメル線をはさみ上下面に設置するのが
好ましい。ヒータの設置が上面あるいは下面のみの場
合、走行線の上下における温度分布が生じ、検出温度と
実際のエナメル線処理温度に差が生じる不具合が発生す
る。
【0012】本発明において用いられる温度センサは、
焼付け装置ないの空間部を連続的に測定できる温度計で
あり、たとえば熱電温度計、抵抗温度計、サーミスタ温
度計、放射温度計、赤外線温度計などが用いられ、特に
装置の使用温度、経済性の観点から熱電温度計が好まし
い。また調節計とはプロセスコンロトローラ、ディスト
リビュートコントローラシステム、ワンループコントロ
ーラ、シーケンサ、パーソナルコントローラなどが用い
られる。
【0013】また、本発明における加熱ヒータは、焼付
け装置ないの空間部温度を昇温、維持できるものであ
り、たとえば直接抵抗加熱式ヒータ、間接接抵抗加熱式
ヒータ、赤外線加熱式ヒータ、誘電加熱式ヒータ、誘導
加熱式ヒータが用いられるが、安全性、経済性の観点か
ら間接抵抗加熱式ヒータであるシーズヒータが好まし
い。
【0014】
【実施例】以下に本発明のエナメル線焼付け装置を実施
例および比較例にもとづき説明するが、これらは本発明
を何ら制約するものではない。
【0015】実施例および比較例における焼付け装置の
温度分布の評価は、焼付け装置内の入り口付近、中央付
近、出口付近のそれぞれ両壁際付近、センター付近の計
9ヶ所に温度計を設置し、各々の温度計読みとり値によ
り焼付け装置の入り口付近、中央付近、出口付近のそれ
ぞれの幅方向最高温度から最低温度を減じた温度差を用
い評価を行った。
【0016】実施例および比較例における製品の特性は
熱架橋の度合いを示すタンデルタ値の測定を行った。タ
ンデルタ値の測定はタンデルタ計測器(東特塗料株式会
社製TD−10M−AT)を用い、焼付けで得られたエ
ナメル樹脂成分のガラス転移温度の測定を行った。比較
の方法として焼付け処理を行った全エナメル線のタンデ
ルタ値の測定を行い最も高い値と、最も低い値を用い一
つの焼付け装置で焼き付けされる製品の安定性を評価し
た。
【0017】(実施例1)まず、公知の方法に従って銅
線を目的の寸法まで伸線し、焼鈍炉で焼き鈍しを行い、
φ0.20mmの軟銅線を4本得た。この4本の軟銅線
と熱硬化性ポリエステルイミド系の樹脂成分と溶剤であ
るクレゾールを主体とする樹脂成分濃度30重量%のエ
ナメル塗料を用い焼付け処理を行ったのち、所定のリー
ルに巻き取りエナメル線を得た。この際に用いた焼付け
装置は図1に示す焼付け装置とし装置幅400mmのも
のを用いた。
【0018】(実施例2)焼鈍炉で焼き鈍しを行い、焼
付け処理に用いる軟銅線の本数を15本とし、装置幅を
1300mmのものを用いた以外は実施例1と同様にし
て実施例2のエナメル線を得た。
【0019】(比較例1)エナメル線を焼付する装置と
して図2に示す従来公知の焼付け装置を用いた以外は実
施例1と同様にして比較例1のエナメル線を得た。
【0020】(比較例2)焼鈍炉で焼き鈍しを行い、焼
付け処理に用いる軟銅線の本数を15本とし、装置幅を
1300mmのものを用いた以外は比較例1と同様にし
て比較例2のエナメル線を得た。
【0021】つぎに、かくして得られた実施例1、2お
よび比較例1、2のエナメル線の焼付け装置の温度分布
の評価、製品の特性試験を行った結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1からわかるように比較例1、2にしめ
す、従来公知の焼付け装置において焼付け処理本数が少
ない4本でエナメル線を焼付け生産した場合、焼付け装
置内の温度分布は大きく、得られた1つの焼付け装置で
得られるエナメル線の特性もバラツキの大きいものであ
った。また、従来公知の焼付け装置において焼付け処理
本数が多い15本でエナメル線を焼付け生産した場合、
焼付け装置内の温度分布はさらに大きく広がり、得られ
た1つの焼付け装置で得られるエナメル線の特性もバラ
ツキ幅がさらに大きくなるものであり、満足のいくもの
ではなかった。
【0024】これらに対し、実施例1、2に示す様に焼
付けされる導体の本数毎に加熱ヒータ、温度センサ、調
節計からなる温度制御ユニットを有することを特徴とす
るエナメル線焼付け装置を用い焼付け処理を行った場
合、処理本数に関わらず焼付け装置内の温度分布、エナ
メル線の製品特性もバラツキの少ない満足のいくもので
あった。
【0025】
【発明の効果】叙上の通り、本発明のエナメル線焼付け
装置によれば、複数のエナメル線焼付け処理を行う際に
おいても各処理錘の加熱温度を均一にすることができ、
安定した製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために用いられるエナメル線
焼付け装置の一実施例を示す説明図である。
【図2】従来公知のエナメル線焼付け装置の一実施例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 焼付け装置本体 2、21〜26 エナメル線 3、311〜362 加熱ヒータ 4、411〜462 温度センサ 5、511,512 調節計 S 温度制御ユニット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体にエナメル塗料を連続塗布する工
    程、該塗料を塗布した導体を走行させ焼付け処理を行う
    工程を有し、該焼付け処理工程には、加熱ヒータ、温度
    センサ、調節計からなる温度制御ユニットを備える焼付
    けチャンバを有するエナメル線焼付け装置であって、前
    記加熱ヒータが、前記エナメル塗料を塗布した導体の走
    行方向と平行に設置されていることを特徴とするエナメ
    ル線焼付け装置。
  2. 【請求項2】 前記焼付け処理工程が、複数の導体が走
    行する焼付けチャンバを有し、前記温度制御ユニット
    が、前記焼付けチャンバ内を走行するすべての導体に対
    応して設置されていることを特徴とする請求項1記載の
    エナメル線焼付け装置。
  3. 【請求項3】 前記温度制御ユニットが前記焼付けチャ
    ンバ内を走行する導体の走行方向に2ヶ所以上有するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のエナメル線焼付
    け装置。
  4. 【請求項4】 前記温度制御ユニットが2つの加熱ヒー
    タを有し、前記焼付けチャンバ内を走行するエナメル塗
    料を塗布した導体の上下に設置することを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか一項に記載の焼付け装置。
JP2001385265A 2001-12-18 2001-12-18 エナメル線焼付け装置 Pending JP2003187656A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103354174A (zh) * 2013-06-26 2013-10-16 安徽省科林电子有限公司 一种变压器线圈薄膜绕包烧结设备
JP2014147909A (ja) * 2013-02-04 2014-08-21 Fujifilm Corp 塗膜形成方法及び装置並びに磁気記録媒体製造方法及び装置

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