JP2003187195A - 非接触通信システムおよび方法、並びに非接触通信カード - Google Patents

非接触通信システムおよび方法、並びに非接触通信カード

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JP2003187195A
JP2003187195A JP2001379797A JP2001379797A JP2003187195A JP 2003187195 A JP2003187195 A JP 2003187195A JP 2001379797 A JP2001379797 A JP 2001379797A JP 2001379797 A JP2001379797 A JP 2001379797A JP 2003187195 A JP2003187195 A JP 2003187195A
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Masayasu Kaneko
雅保 金子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1枚の非接触通信カードで複数のサービスを
ユーザに提供することができるようにする。 【解決手段】 非接触通信システム1は、通信搬送周波
数に共振するカードアンテナ23と、通信周波数に共振
するMセルアンテナ32を有するMセル32とを備えるIC
カード12、および通信搬送周波数に共振するR/Wアン
テナ22を備えるR/W装置11とからなり、R/Wアンテナ
22とカードアンテナ23とが電磁結合するとともに、
カードアンテナ23またはMセルアンテナ32の導線に
流れる線電流が導線の周辺に生成した循環磁界により、
カードアンテナ23またはMセルアンテナ32とが電磁
結合し、R/W装置11とICカード12に搭載されたMセル
24は、電磁結合されたR/Wアンテナ22、カードアン
テナ23、およびMセルアンテナ32を介して相互に非
接触通信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非接触通信システ
ムおよび方法、並びに非接触通信カードに関し、特に、
1枚の非接触通信カードで複数のサービスをユーザに提
供することができるようにした非接触通信システムおよ
び方法、並びに非接触通信カードに関する。
【0002】
【従来の技術】非接触通信技術が応用されたIC(Integr
ated Circuit)カードシステムは、携帯可能なICカー
ド、および、そのICカードに記憶されている情報を非接
触で読み出すとともに、所定の情報をそのICカードに非
接触で記憶させることが可能ないわゆるリーダライタ装
置(以下、R/W装置と記述する)から構成されてい
る。
【0003】即ち、ICカードシステムは、非接触で情報
の読み書きが可能な利便性の高いシステムであり、例え
ば、近年、定期券や認証カードに代表される従来の磁気
式カードシステムの代替システムとして使用されてい
る。
【0004】従って、ICカードは、磁気式カードと同様
な形態を取り、その形状及びサイズ等が規格化されてい
る。例えば、その運用周波数(通信搬送周波数)は、主
に国際的なISM(Information System Management)バン
ドが割り当てられ、特に、一般的なICカードには、13.5
6Mhzが割り当てられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな非接触通信用のICカードが複数枚重ねられた場合、
それぞれのアンテナコイルは相互に強く電磁結合し、こ
れらのICカードはその機能(非接触通信機能)を実現す
ることができなくなる。
【0006】従って、ユーザは、複数枚のICカードをカ
ードフォルダ等に所持する場合、カードフォルダごとR/
W装置にかざすことができず、対象となる1枚のICカー
ドのみをいちいちカードフォルダより取り出して、R/W
装置にかざすという煩雑な作業を行う必要があるという
第1の問題点があった。
【0007】また、複数枚のICカードでは量的にかさば
るという第2の問題点があった。
【0008】その結果、ユーザの中には、複数のICカー
ドを所有せず、1つの団体または企業等が発行している
1枚のカードを限定所持するほうが都合良いと考えるユ
ーザもおり、これら第1および第2の問題点は、非接触
通信用のICカードの普及を妨げる要因にもなっていた。
【0009】そこで、複数の団体または企業等が提供す
るサービスが、1枚のICカードで共用可能となることが
望まれている。
【0010】しかしながら、これらの団体または企業等
の多くは、自身独自の通信プロトコル、またはセキュリ
ティ等が適用されたICカードが使用されることを望んで
おり、複数の団体または企業が提供するサービスを1枚
のICカードのみで使用できるような非接触通信システム
の実現化は困難であるという第3の問題点があった。
【0011】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、1枚の非接触通信カードで複数のサービ
スをユーザに提供することができるようにするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の非接触通信シス
テムは、通信搬送周波数に共振する第1のアンテナを有
する第1の非接触通信装置、および通信搬送周波数に共
振する第2のアンテナを備える非接触通信カードと、通
信搬送周波数に共振する第3のアンテナを備える第2の
非接触通信装置とからなり、第2および第3のアンテナ
が電磁結合するとともに、第1または第2のアンテナの
導線に流れる線電流が導線の周辺に生成した循環磁界に
より、第1および第2のアンテナが電磁結合し、第1お
よび第2の非接触通信装置は、電磁結合した第2および
第3のアンテナ、並びに前記第1および前記第2のアン
テナを介して相互に非接触通信することを特徴とする。
【0013】第2および第3のアンテナが電磁結合する
場合における幾何学的結合係数の第1の値が、第1およ
び第3のアンテナが電磁結合する場合における幾何学的
結合係数の第2の値より大きい値であり、かつ、第1お
よび第2のアンテナが電磁結合する場合における幾何学
的結合係数の第3の値が1よりも小さな値であるように
することができる。
【0014】非接触通信カードは、複数の第1の非接触
通信装置をさらに設けるようにすることができる。
【0015】第2のアンテナは、ループアンテナであ
り、複数の第1の非接触通信装置のそれぞれは、第2の
アンテナのループ内に包含される大きさで形成されてい
るようにすることができる。
【0016】第2のアンテナは、通信搬送周波数に共振
する共振回路を構成するキャパシタ、およびインダクタ
ンスとして作用するアンテナコイルを有するようにする
ことができる。
【0017】アンテナコイルおよびキャパシタは、非接
触通信カードの面上にパターンで形成されるようにする
ことができる。
【0018】複数の第1の非接触通信装置は、第2のア
ンテナのループ内、または第2のアンテナ近傍の所定の
配置位置にそれぞれ配置されるようにすることができ
る。
【0019】所定の配置位置は、第1および第2のアン
テナが電磁結合する場合における幾何学的結合係数の第
3の値が最大値をとる位置であるようにすることができ
る。
【0020】所定の配置位置に配置された複数の第1の
非接触通信装置は、それぞれ独立して取り外し可能であ
り、取り外された第1の非接触通信装置は、単体で第2
の非接触通信装置と非接触通信することが可能であるよ
うにすることができる。
【0021】複数の第1の非接触通信装置のそれぞれ
は、第2の非接触通信装置と非接触通信する機能を有す
るICをさらに設けるようにすることができる。
【0022】複数の第1の非接触通信装置のそれぞれ
は、平方ミリ単位のセル面積を有するカードで形成され
るようにすることができる。
【0023】複数の第1の非接触通信装置のそれぞれ
は、自身独自のセキュリティまたはプロトコルをさらに
設けるようにすることができる。
【0024】非接触通信カードは、第2のアンテナのル
ープ内の所定の領域においては、第2のアンテナにより
発生される磁束を打ち消す磁束阻止装置をさらに設け、
複数の第1の非接触通信装置を所定の領域内にそれぞれ
配置することで、それぞれの第1のアンテナと、第2の
アンテナとが電磁結合する場合におけるそれぞれの幾何
学的結合係数の第3の値を可変するようにすることがで
きる。
【0025】磁束阻止装置は、ループ導体または導体面
域で形成され、ループ導体のループ内、または導体面域
の全面が、所定の領域となるようにすることができる。
【0026】磁束阻止装置は、取り外し可能であるとと
もに、所定の領域を移動させることが可能であるように
することができる。
【0027】第2の非接触通信装置は、通信搬送周波数
の搬送信号を生成する生成手段と、生成手段により生成
された搬送信号に第1の情報を重畳して送信する搬送信
号送信手段とをさらに設けるようにすることができる。
【0028】第1の非接触通信装置は、第2の非接触通
信装置の搬送信号送信手段により送信された搬送信号
を、第1乃至第3のアンテナを介して受信する受信手段
と、受信手段により受信された搬送信号から電力を取得
する電力取得手段と、受信手段により受信された搬送信
号に重畳されている第1の情報を取得する第1の情報取
得手段と、第1の情報取得手段により取得された第1の
情報を記憶する記憶手段と、第2の情報を出力する情報
出力手段と、情報出力手段により出力された第2の情報
に基づいて、第1のアンテナの受端インピーダンスを変
化させる変調手段とをさらに設けるようにすることがで
きる。
【0029】第2の非接触通信装置は、変調手段により
変化された第1のアンテナの受端インピーダンスの変化
量を、第1乃至第3のアンテナを介して検出し、検出し
た第1のアンテナの受端インピーダンスの変化量に基づ
いて、第1の非接触通信装置の情報出力手段により出力
された第2の情報を取得する第2の情報取得手段とをさ
らに設けるようにすることができる。
【0030】第2の非接触通信装置は、リーダライタ装
置であるようにすることができる。
【0031】本発明の非接触通信方法は、非接触通信カ
ードが備えている通信搬送周波数に共振する第2のアン
テナと第2の非接触通信装置が備えている通信搬送周波
数に共振する第3のアンテナとを電磁結合させるととも
に、非接触通信カードが備えている第1の非接触通信装
置の通信周波数に共振する第1のアンテナ、または第2
のアンテナの導線に流れる線電流が導線の周辺に生成し
た循環磁界により、第1および第2のアンテナを電磁結
合させ、第1および第2の非接触通信装置に、電磁結合
した第2および第3のアンテナ、並びに第1および第2
のアンテナを介して相互に非接触通信させることを特徴
とする。
【0032】本発明の非接触通信システムおよび方法に
おいては、非接触通信カードが備えている通信搬送周波
数に共振する第2のアンテナと第2の非接触通信装置が
備えている通信搬送周波数に共振する第3のアンテナと
が電磁結合されるとともに、非接触通信カードが備えて
いる第1の非接触通信装置の通信周波数に共振する第1
のアンテナ、または第2のアンテナの導線に流れる線電
流が導線の周辺に生成した循環磁界により、第1および
第2のアンテナが電磁結合され、電磁結合された第2お
よび第3のアンテナ、並びに第1および第2のアンテナ
を介して、第1および第2の非接触通信装置間で相互に
非接触通信される。
【0033】本発明の非接触通信カードは、通信搬送周
波数に共振する第1のアンテナを有する第1の非接触通
信装置と、通信搬送周波数に共振する第2のアンテナと
を備え、通信搬送周波数に共振する第3のアンテナを有
する外部のリーダライタ装置と非接触通信する場合、第
2および第3のアンテナが電磁結合するとともに、第1
または第2のアンテナの導線に流れる線電流が導線の周
辺に生成した循環磁界により、第1および第2のアンテ
ナが電磁結合し、第1の非接触通信装置は、電磁結合し
た第1および第2のアンテナ、並びに第2および第3の
アンテナを介して、リーダライタ装置と非接触通信する
ことを特徴とする。
【0034】本発明の非接触通信カードにおいては、通
信搬送周波数に共振する第2のアンテナと、外部のリー
ダライタ装置の通信搬送周波数に共振する第3のアンテ
ナとが電磁結合されるとともに、第1の非接触通信装置
の通信搬送周波数に共振する第1のアンテナ、または第
2のアンテナの導線に流れる線電流が導線の周辺に生成
した循環磁界により、第1および第2のアンテナが電磁
結合され、電磁結合された第1および第2のアンテナ、
並びに第2および第3のアンテナを介して、第1の非接
触通信装置およびリーダライタ装置の間で相互に非接触
通信される。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用される非接
触通信システム1の構成例を表している。
【0036】図1に示されるように、非接触通信システ
ム1は、主装置21とR/W(リーダライタ)アンテナ2
2とから構成されるR/W装置11と、カードアンテナ2
3とMセル24とから構成されるICカード12とが、相
互に非接触通信するシステムである。
【0037】図2は、R/W装置11の詳細な構成例を表
している。
【0038】R/Wアンテナ22は、コイルLaおよびキャ
パシタCaから構成される閉回路を有している。即ち、
R/Wアンテナ22は、そのコイルLaの部分がループアン
テナとして動作するとともに、かつ所定の通信搬送周波
数に共振するLC共振回路としても動作する。
【0039】主装置21において、マイコン41は、ロ
ジック制御部42を介して、非接触通信の動作を制御す
る。
【0040】ロジック制御部42は、マイコン41より
供給さてくる送信データ(以下、第1の情報と称する)
を符号化し、例えば、マンチェスター符号とし、変調部
44に供給するとともに、復調部43より供給されてく
る受信データ(以下、第2の情報と称する)を復号し、
マイコン41に供給する。また、ロジック制御部42
は、その他CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検
査)符号化処理、およびCRC等のロジック信号処理を主
に行う。
【0041】搬送信号発生部45は、所定の通信搬送周
波数の搬送信号を生成し、搬送生成部46に供給すると
ともに、これをクロック信号としてロジック制御部42
に供給する。
【0042】搬送波生成部46は、供給された搬送信号
を差動信号に変換させて、電力増幅部47に供給する。
【0043】変調部44は、ロジック制御部42より供
給された符号化された第1の情報によって、電力増幅部
47に供給された差動信号を、例えばASK(Amplitude S
hiftKeying)変調信号に変調する処理を行う。
【0044】電力増幅部47は、このASK変調信号のレ
ベルを増幅して、R/Wアンテナ22に供給する。
【0045】即ち、第1の情報は、ロジック制御部42
により符号化され、変調部44を経て電力増幅部47よ
りASK変調信号としてR/Wアンテナ22に供給される。さ
らに、このASK変調信号は、後述するように、R/Wアンテ
ナ22と電磁結合したカードアンテナ23、およびカー
ドアンテナ23と電磁結合したMセルアンテナ24を介
して、Mセル24のIC31に供給され、IC31により復
調および復号されて、元の第1の情報となる。
【0046】なお、第1の情報がメモリに記憶されるデ
ータであった場合、第1の情報はIC31内のメモリ67
に記憶され、一方、第1の情報が情報読み出し指示デー
タであった場合、第1の情報に基づいて、メモリ67よ
り所定の情報が読み出される。
【0047】換言すると、第1の情報は、搬送信号に重
畳されて、R/W装置11からICカード12に非接触通信
される。
【0048】この第1の情報に対するレスポンスデー
タ、またはIC31内のメモリ67から読み出されたデー
タ(第2の情報)は、後述するように、R/Wアンテナ2
2の負荷変動として現れる。従って、復調部43は、こ
の負荷変動を、通信搬送信号の振幅変動成分、即ちASK
変調信号として検出し(ASK変調信号として入力し)、
これを復調して、ロジック制御部42に供給する。この
復調された第2の情報(符号データ)は、上述したよう
に、ロジック制御部42により元の第2の情報に復号さ
れ、マイコン41に供給される。
【0049】なお、R/W装置11として、従来のR/W装置
が使用されることができる。従って、R/W装置11の動
作は当業者に容易に理解できるため、R/W装置11単体
の動作の説明は省略する。
【0050】一方、ICカード12は、図3に示されるよ
うに構成される。
【0051】即ち、本発明が適用されるICカード12
は、コイルLdおよびキャパシタCdを有するアンテナ、並
びに非接触通信の処理を行うIC52を備える従来のICカ
ード51が、カードアンテナ23およびMセル24の2
つの装置にそれぞれ分離されたことを特徴としている。
【0052】はじめにカードアンテナ23の構成を説明
する。
【0053】カードアンテナ23は、コイルLbおよびキ
ャパシタCbからなるLC共振回路で形成されたループアン
テナであり、そのループは、Mセル24に対しては比較
的大きな占有面積を有している。
【0054】即ち、カードアンテナ23は、コイルLbの
部分がループアンテナとして動作するとともに、コイル
LbおよびキャパシタCbから構成される閉回路、即ち、所
定の通信搬送周波数に共振するLC共振回路としても動作
する。
【0055】さらに、カードアンテナ23には、そのル
ープ内部に1個から複数個のMセル24が、含有、装着、
または近接配置されることができる。
【0056】具体的には、図4に示されるように、カー
ドアンテナ23は、例えば、名刺大の形態を取るカード
状の基板として構成され、その基板の面上には、コイル
LbとキャパシタCbとがパターンとして形成されている。
さらに、このスパイラル状に形成されたアンテナパター
ン(コイルLb)のループ内の所定の配置位置には、Mセ
ル24が配置されている。
【0057】なお、キャパシタCbは、薄型のものであれ
ばよく、例えば、チップ部品などで構成されてもよい。
【0058】また、カードアンテナ23の形状として
は、上述した名刺大の形態を取るカード型の形状以外
に、例えば、ラベル型、またはシート型等の形態を有す
るプレート状のもの等でもよい。即ち、カードアンテナ
23は、上述した2つの動作(ループアンテナとしての
動作、およびLC共振回路としての動作)が可能であり、
かつMセル24がアンテナループ内に配置可能であれ
ば、その形状は限定されない。
【0059】次に、Mセル24の構成を説明する。
【0060】図3に示されるように、Mセル24は、コ
イルLcとキャパシタCcとを有するMセルアンテナ32
と、IC52と同様の機能、即ち、非接触通信機能を有す
るIC31とから構成される超小型のセルである。
【0061】Mセルアンテナ32は、従来のICカード5
1のアンテナ(コイルLdおよびCdからなる共振回路
部)と同様に、コイルLcの部分がループアンテナとして
動作するとともに、コイルLcおよびキャパシタCcから構
成される閉回路、即ち、所定の通信搬送周波数に共振す
るLC共振回路としても動作する。
【0062】IC31は、図5に示されるように構成され
る。
【0063】即ち、IC31において、RF・DET(Radio F
requency・DETECTOR)回路61は、R/W装置11よりMセ
ルアンテナ32を介して供給されてくるASK変調信号
(第1の情報が重畳された搬送信号)を入力し、エンベ
ロープ検波し、データ振幅変動成分の信号を復調部63
に供給するとともに、直流成分の信号を電源生成部62
に供給する。
【0064】電源生成部62は、この直流成分の信号に
基づいて、IC電源を生成する。
【0065】復調部63は、RF・DET部61より供給さ
れたデータ振幅変動成分の信号(第1の情報に対応する
信号)を復調し、ロジック制御部66に供給する。
【0066】ロジック制御部66は、復調部63より供
給された復調された第1の情報(符号信号)を、復号等
の処理を施して、元の第1の情報にする。第1の情報
が、記録用のデータであった場合、ロジック制御部66
は、メモリ67にその第1の情報(記録用のデータ)を
記憶させ、それに対応するレスポンスデータ(第2の情
報)を生成し、変調部64に供給する。一方、第1の情
報が、読み出し指示のデータであった場合、ロジック制
御部66は、読み出し指示のデータに従って、所定のデ
ータ(第2の情報)をメモリ67より読み出し、変調部
64に供給する。
【0067】変調部64は、第2の情報(これらのレス
ポンスデータ、またはメモリ67より読み出されたデー
タ)に基づいて、Mセルアンテナ32の等価的な負荷を
変動させる。
【0068】この負荷変動は、上述したように、相互誘
導Mで電磁結合しているアンテナ(Mセル24がICカード
12に装着されている場合は、Mセルアンテナ32、カ
ードアンテナ23、およびR/Wアンテナ22)を介し
て、R/Wアンテナ22端の負荷変動として現れ、搬送信
号の振幅変動成分、即ちASK変調信号(第2の情報が重
畳された搬送信号)として主装置21(復調部43)に
供給される。
【0069】CLK(クロック)抽出部65は、Mセルアン
テナ32のRF・DET部61側端とは反対側の端より供給
された搬送信号に基づいて、クロック信号を生成し、ロ
ジック制御部66に供給する。
【0070】このように、Mセル24において、Mセルア
ンテナ32は、従来のICカード51のアンテナと同様に
通信搬送周波数に共振する共振アンテナであり、また、
IC31は、従来のICカード51のIC52と同等の非接触
通信機能を有したICである。
【0071】換言すると、Mセル24は、従来のICカー
ド51を小型にしたものに相当し、Mセル24単独で外
部のR/W装置11と非接触通信することが可能である。
【0072】ただし、Mセル24は超小型のセルである
がゆえに、そのアンテナ、即ちMセルアンテナ32は微
小アンテナであり、その結果、従来のICカード51の通
常の通信距離では、Mセルアンテナ32と他のアンテナ
とは十分に電磁結合せず、Mセル24は非接触通信を行
うことができない。即ち、Mセル24は、その通信距離
が数ミリから10ミリ程度に限定される非接触通信装置
である。
【0073】一方、Mセル24は、小型であるがゆえ、
携帯電話機、小型ビデオカセット若しくはプレーヤ、コ
ンパクトディスク若しくはプレーヤ、またはモバイル端
末等他の機器に容易に着脱実装されることが可能である
とともに、ICカード12(カードアンテナ23)に装着
されて使用されれば、従来のICカード51と同等の通信
距離で、R/W装置11との非接触通信が可能となる。
【0074】具体的には、図4に示されるように、Mセ
ル24は、少なくともカードアンテナ23のアンテナル
ープ(コイルLbのループ)内に包含される大きさで形成
された小型カードである。
【0075】例えば、カードアンテナ23が名刺大の大
きさである場合、Mセル24は、数ミリ角形状の(平方
ミリ単位のセル面積の)超小型カードであり、この超小
型カード上にスパイラル状にコイルLcが展開され、その
中央部にキャパシタCcおよびIC31が配置されて形成さ
れる。
【0076】なお、Mセル24は、この例においては、
超小型カードとして構成されるが、通信搬送周波数に共
振する共振アンテナおよび非接触通信機能を実現する手
段を有し、かつ、カードアンテナ23のアンテナループ
内に包含される大きさ(小型の大きさ)を有するもので
あれば、その構成は限定されない。従って、Mセルアン
テナ32およびIC31のそれぞれも、その機能を有する
ものであれば、その構成は限定されない。
【0077】ところで、Mセル24は、上述したように
(図5に示されるように)、従来のICカード51と同様
に構成されることができる。従って、Mセル24の動作
は当業者に容易に理解できるため、Mセル24単体の動
作の説明は省略する。
【0078】次に、図6を参照して、非接触通信システ
ム1の動作を説明する。
【0079】いま、1つのMセル24がICカード12
(カードアンテナ23)に装着されているものとする。
【0080】ICカード12(カードアンテナ23)が、
R/W装置11のR/Wアンテナ22に所定の距離(通信距
離)で対向されて配置されると、カードアンテナ23
(コイルLb)とR/Wアンテナ22(コイルLa)とは、R/W
アンテナ22の法線方向に発生された磁界により、相互
インダクタンスMで電磁結合するとともに、主装置21
より出力された通信搬送信号の通信搬送周波数にそれぞ
れ共振する。同時に、カードアンテナ23(コイルLb)
とMセルアンテナ32(コイルLc)とは、カードアンテ
ナ23の導線(コイルLbの導線)を流れる線電流(コイ
ルLbの法線方向を貫く磁界により発生された誘導電流)
が生成したループ磁界により、相互インダクタンスMで
電磁結合するとともに、主装置21より出力された通信
搬送信号の通信搬送周波数にそれぞれ共振する。
【0081】これにより、R/W装置11(主装置21)
とICカード12(Mセル24のIC31)とは、R/Wアンテ
ナ22、カードアンテナ23、およびMセルアンテナ3
2を介して、相互に非接触通信することができるように
なる。
【0082】ICカード12(IC31内のメモリ67)に
書き込まれるデータ等(第1の情報)は、例えば、主装
置21において、上述したように、符号化されるととも
にASK変調され、通信搬送信号に重畳されて(ASK変調信
号として)、電磁結合しているR/Wアンテナ22および
カードアンテナ23(LaおよびLb)、並びにカードアン
テナ23およびMセルアンテナ32(LbおよびLc)を介
して、IC31に供給される。
【0083】IC31において、上述したように、供給さ
れたASK変調信号(第1の情報が重畳された搬送信号)
は、復調されるとともに復号されて元の第1の情報とな
り、この第1の情報がメモリに記憶されるデータであっ
た場合、第1の情報はIC31内のメモリ67に記憶さ
れ、一方、この第1の情報が情報読み出し指示データで
あった場合、第1の情報に基づいて、IC31内のメモリ
67より所定の情報が読み出される。
【0084】なお、ASK変調信号が復調された際に除去
された直流成分の信号はIC31の電源となる。
【0085】そして、これらのレスポンスデータまたは
IC31内のメモリ67より読み出されたデータ(第2の
情報)は、以下のようにIC31から主装置21に供給さ
れる。
【0086】即ち、IC31において、第2の情報(0ま
たは1のデータ)に応じて、Mセルアンテナ32の等価
的な負荷が変動される。
【0087】この負荷変動は、R/W装置11において
は、Mセルアンテナ32およびカードアンテナ23間の
電磁結合、並びに、カードアンテナ23およびR/Wアン
テナ22間の電磁結合により、R/Wアンテナ22の負荷
変動として現れる。従って、主装置21は、この負荷変
動を、通信搬送信号の振幅変動成分、即ちASK変調信号
(第2の情報が重畳された通信搬送信号)として検出
し、これを復調するとともに復号することで、第2の情
報を取得する。
【0088】次に、非接触通信システム1の動作原理を
説明する。
【0089】上述したように、非接触通信システム1
は、所定の通信搬送周波数に共振するMセルアンテナ3
2、カードアンテナ23、およびR/Wアンテナ22の電
磁結合を利用したシステムである。従って、ここでは、
電磁結合の強さを表す結合係数を使用して、非接触通信
システム1の原理を説明する。
【0090】はじめに、アンテナの電磁結合がいかなる
ときに最大伝達ゲインとなるのかを、簡単に説明する。
【0091】図7Aに示されるように、抵抗r1、コイル
L1、およびキャパシタC1からなるLCR共振回路として形
成される共振アンテナ71と、抵抗r2、コイルL2、およ
びキャパシタC2からなるLCR共振回路として形成される
共振アンテナ72とが、相互インダクタンスMで電磁結
合している場合、この等価回路は、図7Bに示されるよ
うな回路になる。
【0092】図7Bの等価回路において、伝達ゲインG
の逆数Dは、入力がEin、増幅器のサセプタンスがS、お
よび出力がE2とされると、式(1)のように示される。
【0093】
【数1】
【0094】式(1)に、Z1=1/jωC1、Z2=r1+jω
(L1-M)、Z3=jωM、Z4=r2+jω(L2-M)、およびZ5
=1/jωC2、並びに次式(2)乃至式(7)が代入され
ると、Dは、式(8)に示されるようになる。
【数2】
【0095】ただし、ω0は、共振アンテナ71(1次回
路)、および共振アンテナ72(2次回路)がともに共
振している場合の共振角周波数を、kは、結合係数を、Q
1は、共振アンテナ71が共振している場合の損失Q(Qu
ality Factor)を、Q2は、共振アンテナ72が共振して
いる場合のQを、d1は、共振アンテナ71の損失率を、d
2は、共振アンテナ72の損失率を、Xは、離調率を、
また、式(7)は、共振点近傍が取り扱われるものとさ
れた場合、角周波数はほぼ共振各周波数に一致すること
を、それぞれ表している。
【0096】
【数3】
【0097】式(8)の逆増幅利得の周波数特性は、次
式(9)により判断される。
【0098】
【数4】
【0099】周波数特性の変曲点における最大最小点
は、dy/dx=0より、次式(10)および式(11)に
より示される。
【0100】
【数5】
【0101】
【数6】
【0102】また、共振周波数において、最大利得が得
られる最適結合係数k0(以下、臨界結合係数k0と称す
る)は、式(10)をkについて微分すれば得られる。
即ち、次式(12)に示されるようになる。
【0103】
【数7】
【0104】そのときの利得G0は、
【数8】 式(13)に示されるようなる。
【0105】このように、アンテナ間の電磁結合には、
それぞれのアンテナ回路の損失Qにより物理的に決定さ
れる臨界時の結合係数、即ち、臨界結合係数k0が存在
し、その値は、式(12)により求められる。
【0106】換言すると、臨界結合係数k0は、電磁結合
された2つのアンテナの電気的特性を表す係数である。
【0107】また、その最大利得G0は、式(13)によ
り求められ、式(13)に示されるように、2つのアン
テナ(共振アンテナ71および共振アンテナ72)のそ
れぞれのインダクタンス値(L1およびL2)とその損失Q
(Q1およびQ2)に比例する。
【0108】従って、ロータリートランスのように伝送
帯域が広帯域化される場合においては、損失Qの値は1
に近くなり臨界結合係数k0の値も1近くが要求される。
【0109】一方、数百KHz帯域の非接触通信において
は、それぞれのアンテナの損失Qの値は比較的高い値に
なるようにその共振回路が構成されることが多いため、
式(12)に示されるように、アンテナ間の最適結合係
数値、即ち、臨界結合係数k0は、1よりもかなり小さい
値が得られる。
【0110】上述したように、臨界結合係数k0は両アン
テナの物理量、即ち損失Qのみで決定される固有定数で
ある。一方、アンテナ間の結合係数kは形状、相対配
置、および距離等に応じて決定され、アンテナが相互に
近づけば増加し、遠ざかれば減少する空間的な幾何学的
結合係数であり、その値は変動する。そこで、以下、こ
のアンテナ間の結合係数kを、幾何学的結合係数kと称
する。
【0111】図8は、式(9)が図示されたものであ
る。
【0112】即ち、曲線(k<k0)81は、共振アンテ
ナ71と共振アンテナ72との幾何学的結合係数kが、
臨界結合係数k0より小さい場合の共振アンテナ71から
共振アンテナ72への伝送特性の様相を、曲線(k=k
0)82は、幾何学的結合係数kが臨界結合係数k0と一
致する場合の伝送特性の様相を、曲線(k>k0)83
は、幾何学的結合係数kが臨界結合係数k0より大きい場
合の伝送特性の様相を、それぞれ表している。
【0113】図8に示されるように、共振アンテナ71
から共振アンテナ72への伝送特性は、両者のアンテナ
間の幾何学的結合係数kの上昇とともに、単峰特性(曲
線(k<k0)81、および曲線(k=k0)82)から双峰
特性(曲線(k>k0)83)へと共振特性が変化されるこ
とになる。この変化点の結合状態が表された結合係数が
臨界結合係数k0であり、幾何学的結合係数kの値が、臨
界結合係数k0の値となれば共振周波数特性への影響が最
小となる。
【0114】従って、所定の通信搬送周波数における伝
達ゲインは、幾何学的結合係数kの値が臨界結合係数k0
の値と一致した点で最高となる。
【0115】換言すると、2つのアンテナ間の幾何学的
結合係数kの値が臨界結合係数k0の値と一致する距離
(最適通信距離)で、2つのアンテナが配置されれば、
伝達ゲインは最高になり、一方、2つのアンテナ間の距
離がその最適通信距離より近づけられても(過結合状態
にされても)、離されても(疎結合状態にされても)、
伝達ゲインは低下することになる。
【0116】ところで、幾何学的結合係数k≒1は、同
一形状のアンテナが重ねあわせられたときに実現され
る。従って、上述した同一形状の従来のICカード51が
数枚束ねられると、これらの従来のICカード51はいず
れも、非接触通信できなくなる原因は、従来のICカード
51が重ねあわせられると、容易にこれらの従来のICカ
ード51は、相互に過結合状態となり、それぞれのアン
テナ本来の共振特性が、図8の曲線(k>k0)83に示され
るように、大きくずれるためである。
【0117】一方、2つのアンテナの形状比が大きく異
なる場合、例えば、共振アンテナ71のアンテナループ
の径(コイルL1の径)が、共振アンテナ72のアンテナ
ループの径(コイルL2の径)より甚だ大きい場合、共振
アンテナ71と共振アンテナ72とが重ね合わせられた
ときの幾何学的結合係数kの値は、1よりもかなり小さ
い値となる。
【0118】これは、具体的には、図9に示されるよう
なる。即ち、図9Aは、6*7mm角の共振アンテナ(ルー
プ面積の小さな共振アンテナ)72と、コイルのインダ
クタンス値(L値)と損失Q値が、共振アンテナ72のそ
れらの値とそれほど変わらない70*40mm角の共振アンテ
ナ(ループ面積が大きな共振アンテナ)71とが、幾何
学的センター(x,y,およびz軸が交差されている原点)
で組み合わされた様子を表している。
【0119】なお、6*7mm角の共振アンテナ72は、Mセ
ルアンテナ32を、70*40mm角の共振アンテナ71は、
カードアンテナ23、従来のICカード51のアンテナ、
およびR/Wアンテナ22を、それぞれ想定している。
【0120】図9Bにおいて、曲線(6*7mm角と70*40mm
角の組合せ)85は、図9Aの状態で、共振アンテナ7
2がz方向にシフトされた場合、即ち、対向面距離が変
化された場合の共振アンテナ71と共振アンテナ72の
幾何学的結合係数kの様子を表している。
【0121】曲線(6*7mm角)86および曲線(70*40m
m)87は、曲線(6*7mm角と70*40mm角の組合せ)85
との比較のために示された曲線であり、曲線(6*7mm
角)86は、2つの共振アンテナ72が幾何学的センタ
ーでそれぞれ対向されて配置されている場合、対向面距
離が変化されたときの2つの共振アンテナ72間の幾何
学的結合係数kの様子を表しており、また、曲線(70*4
0mm角)87は、2つの共振アンテナ71が幾何学的セ
ンターでそれぞれ対向されて配置されている場合、対向
面距離が変化されたときの2つの共振アンテナ71間の
幾何学的結合係数kの様子を表している。
【0122】いま、2つの共振アンテナ72が使用され
て5mm間の対向面距離で非接触通信が実現できたとされ
ると、点86−1に示されるように、この系は幾何学的
結合係数kの値が0.05ほどで動作していることになる。
【0123】従って、2つの共振アンテナ71が使用さ
れて非接触通信が実現できるための幾何学的結合係数k
の値は0.05となる。
【0124】即ち、87−1点に示されるように、2つ
の共振アンテナ71が使用されると、30mm間の対向面距
離で非接触通信が実現できることになる。
【0125】これは、2つの共振アンテナ71が使用さ
れると、それよりループ面積の小さい2つの共振アンテ
ナ72が使用される場合に比較して、通信距離が約6倍
延長されることを意味している。
【0126】換言すると、図9Bにおいては、2つのM
セル24が相互に非接触通信できる通信距離は5mm程度
であるのに対して、ICカード(従来のICカード51、ま
たはICカード12)とR/W装置11とが相互に非接触通
信できる通信距離はそれより約6倍長い30mm程度とな
る。このように、一般的には、共振アンテナが大きくさ
れると、それに伴い通信距離も延長される。
【0127】しかしながら、図9Aに示されるような状
態、即ち、両者のアンテナの大きさが甚だ異なる場合
(70*40mm角の共振アンテナ71と6*7mm角の共振アンテ
ナ72が組み合わされた場合等)、曲線(6*7mm角と70*
40mm角の組合せ)85に示されるように、例え、2つの
アンテナが重ね合わせられても(対向面距離が0mmとさ
れても)、十分な幾何学的結合係数kの値(k=0.05の
値)は得られず、これらの2つのアンテナのみでは非接
触通信することが困難であることがわかる。
【0128】即ち、アンテナループが非常に小さいMセ
ルアンテナ32を有するMセル24単体が、アンテナル
ープが大きいR/Wアンテナ22を有するR/W装置11に直
接かざされても、Mセル24は、従来のICカード51の
ようにはうまく動作しない(うまく非接触通信できな
い)。
【0129】そこで、上述したように、Mセル24は、
従来のICカード51と同等にR/W装置11と非接触通信
するために、カードアンテナ23と組み合わされて、即
ちICカード12として使用される。
【0130】このICカード12は、上述したように、M
セルアンテナ32とカードアンテナ23との電磁結合を
利用したものである。従って、Mセルアンテナ32とカ
ードアンテナ23との幾何学的結合係数kの値が、ICカ
ード12とR/W装置11との非接触通信が実現される上
で重要な要素となる。
【0131】そこで、本出願人は、Mセルアンテナ32
とカードアンテナ23との幾何学的結合係数kと、Mセ
ルアンテナ32およびカードアンテナ23のそれぞれの
配置位置との関係について解析し、Mセルアンテナ32
の適切な配置位置を解明した。以下、この解析結果、即
ち、Mセルアンテナ32の適切な配置位置について説明
する。
【0132】図10Aは、70*40mm角のカードアンテナ2
3と、7*6mm角のMセル24とのそれぞれの幾何学的セ
ンターが合わせられて配置された位置(Mセル24の中
心が、座標(0,0,0)に配置された位置)が基準と
された場合、Mセル24が、x軸方向にx1だけ、y軸方向
にy1だけ、またはz軸方向にz1だけシフトされて配置さ
れたとき(Mセル24の中心が、座標(x1,0,0)、
(0,y1,0)、または(0,0,z1)に配置されたと
き)におけるカードアンテナ23とMセルアンテナ32
との幾何学的結合係数kの様相を表している。
【0133】図10Aにおいて、曲線(xシフト)91
は、Mセル24がx軸方向にx1だけシフトされて配置され
た場合における幾何学的結合係数k(x1)(x1は、0乃至
40mm)を、曲線(yシフト)92は、Mセル24がy軸
方向にy1だけシフトされて配置された場合における幾何
学的結合係数k(y1)(y1は、0乃至40mm)を、曲線
(zシフト)93は、Mセル24がz軸方向にz1だけシフ
トされて配置された場合における幾何学的結合係数k(z
1)(z1は、0乃至40mm)を、それぞれ表している。
【0134】いま、カードアンテナ23の共振時におけ
る損失Qの値が25、および、Mセルアンテナ32の共振時
における損失Qの値が15とされた場合、式(12)よ
り、物理的な臨界結合係数k0の値は=0.05となる。
【0135】一方、幾何学的結合係数kの値は、91−
1点に示されるように、x軸方向に17mmずれた位置にM
セル24の中心が配置された場合には、最大値0.08を、
91−2点に示されるように、Mセル24の中心がアン
テナパターンと一致する位置である20mmずれた位置に配
置された場合には、0を、Mセル24の中心が23mずれた
位置に配置された場合には、最大値とほぼ同じ絶対値で
ある-0.07を、それぞれ示す。
【0136】なお、この−(マイナス)は便宜上のもの
であり、ICカード12内外においてMセルアンテナ32
を貫く磁束が反転するためである。
【0137】同様に、幾何学的結合係数kの値は、92
−1点に示されるように、y軸方向に31.5mmずれた位置
にMセル24の中心が配置された場合には、曲線(yシ
フト)92における最大値0.07を、92−2点に示され
るように、Mセル24の中心がアンテナパターンと一致
する位置である35mmずれた位置に配置された場合には、
0を、Mセル24の中心が38.5mmずれた位置に配置され
た場合には、曲線(yシフト)92における最大値とほ
ぼ同じ絶対値である-0.06を、それぞれ示す。
【0138】ところが、曲線(zシフト)93に示され
るように、Mセル24がz軸方向にシフトされて配置され
た場合、または、曲線(xシフト)91および曲線(y
シフト)92に示されるように、Mセル24がx軸方向ま
たはy軸方向にさほどシフトされずに配置された場合
(Mセル24がアンテナシートの幾何学的センター付近
に配置された場合)、十分な幾何学的結合係数kの値は
得られない。
【0139】この様に形状比が大きく異なるアンテナ間
の幾何学的結合係数kの値は、幾何学的に両アンテナ間
の中心が一致された場合(2つのアンテナの幾何学的セ
ンターが一致された場合)よりも、図10Bに示される
ように、むしろ幾何学的にオフセットされた位置、即
ち、大きなアンテナ(カードアンテナ23)のアンテナ
パターン(コイルLbのループ)周辺で得られる。
【0140】具体的には、幾何学的結合係数kの値は、M
セル24(Mセルアンテナ32)の一辺が、カードアン
テナ23のコイルLbのアンテナパターン(アンテナの導
線)に接しながら、それを回転中心として取り囲む、立
体的、または空間的なループ磁界Ha近傍内で最大値を示
す。
【0141】即ち、カードアンテナ23は、R/Wアンテ
ナ22からの磁界を受け、電圧が誘起され、誘導電流ic
を発生する。この誘導電流icが、カードアンテナ23の
コイルLbの導線の周囲にループ磁界Haを生成する。そこ
で、このループ磁界Haをより多く横切るように、Mセル
アンテナ32(Mセル24)が配置されれば電磁結合が
より強くなり、その結果、幾何学的結合係数kの値が大
きくなる。
【0142】このように、Mセル24とカードアンテナ
23とが最大効率で電磁結合する臨界値はカード面上で
容易に得られ、カードアンテナ23と一体化したMセル
24はあたかも一枚の大型アンテナを擁したカードとし
て、即ちICカード12として振る舞うこととなり通信距
離も飛躍的に延びることになる。
【0143】ところで、上述したように(図6に示され
るように)、非接触通信システム1においては、R/Wア
ンテナ22とカードアンテナ23とが相互インダクタン
スMで電磁結合されるとともに、カードアンテナ23とM
セルアンテナ32とが相互インダクタンスMで電磁結合
される。
【0144】このように、相互インダクタンスMでそれ
ぞれのアンテナを電磁結合させるためには、これらのア
ンテナ全てが、同一の損失Q値、即ち、臨界結合係数k0
を持つものとされると、それぞれの幾何学的結合係数k
(R/Wアンテナ22とカードアンテナ23との幾何学的
結合係数k、およびカードアンテナ23とMセルアンテナ
32との幾何学的結合係数k)を、形状、または距離等
を調整して先の物理的に決定される臨界結合係数k0にマ
ッチング(一致)させればよい。
【0145】この例においては、R/Wアンテナ22およ
びカードアンテナ23間の電磁結合は通信距離で、カー
ドアンテナ23とMセルアンテナ32間の電磁結合はそ
れぞれ異なるアンテナ形状の比、およびその配置で実現
されていることになる。
【0146】このように、それぞれのアンテナが共振さ
れると、最大伝達ゲインとなる臨界結合係数k0の値はか
なり低い値となるため、カードアンテナ23(ICカード
12)の面上に装着されるMセル24のMセルアンテナ3
2の占めるアンテナループ面積は少なくて済み、Mセル
24は、超小型装置で構成されることができる。
【0147】なお、仮にMセル24が共振型のアンテナ
でない場合、同等の電圧を得るためには臨界結合係数k0
として0.7以上の値が要求され、これに幾何学的結合係
数kが一致されるためには、カードアンテナ23と同一
大のアンテナ面積が必要とされ、しかも互いに密着させ
なければならないという使用上の不具合を、Mセル24
は有することになる。
【0148】ところで、上述した例(図4に示される
例)においては、カードアンテナ23(ICカード12)
に搭載されるMセル24は1つのみとされたが、上述し
たように、Mセル24は、超小型カードとして構成され
るため、カードアンテナ23(ICカード12)は、例え
ば、図11Aに示されるように、複数のMセル24を搭載
することができる。
【0149】図11Aにおいては、カードアンテナ23
(ICカード12)には、カードアンテナ23のアンテナ
ループ(コイルLbのループ)内にショートリングコイル
101がさらに設けられている。
【0150】ショートリングコイル101は、そのルー
プ内の領域に、複数のMセル24(図11Aでは、4個の
Mセル24−1乃至24−4)が配置されることができ
るように形成されている。
【0151】このショートリングコイル101の原理を
説明する。
【0152】図11Aにおいては、Mセル24−1乃至2
4−4は、それぞれ自在に取り外し可能であり、かつ、
カードアンテナ23のアンテナループ(コイルLbのルー
プ)内の任意の位置に配置されることが可能であるもの
とする。
【0153】上述したように、ICカード12(カードア
ンテナ23)が、R/W装置11のR/Wアンテナ22に所定
の距離(通信距離)で対向されて配置されると、カード
アンテナ22およびR/Wアンテナ22、並びにカードア
ンテナ22およびMセルアンテナ32(Mセル24−1)
はそれぞれ、電磁結合するとともに通信搬送周波数に共
振する。
【0154】一方、ショートリングコイル101におい
ては、カードアンテナ23が発生する鎖交磁束をそのル
ープ内において打ち消すように、ループ電流が誘導発生
する。従って、このループ内の領域(以下、磁束阻止領
域と称する)に配置されているMセル24−2乃至24
−4のそれぞれと、カードアンテナ23との電磁結合は
疎になる。
【0155】即ち、ユーザは、Mセル24を、ショート
リングコイル101のループ内外(磁束阻止領域内外)
に移動させることで、Mセル24とカードアンテナ23
の電磁結合の強さ、即ち、幾何学的結合係数kの値を可
変することができる。
【0156】従って、ユーザは、通常の場合(ICカード
12を使用しない場合)、Mセル24−1乃至24−4
を磁束阻止領域に配置しておくことで、これらのMセル
24−1乃至24−4の動作を禁止させることができ
る。
【0157】一方、ユーザは、ICカード12を使用する
場合、磁束領域に配置されているMセル24−1乃至2
4−4のうち、所望のMセル(図11AではMセル24−
1)を磁束阻止領域外に移動させれば、磁束阻止領域内
に配置されている他のMセル(図11Aでは、Mセル24
−2乃至24−4)の動作を禁止させたまま、移動させ
たMセル(Mセル24−1)のみを動作させることができ
る。
【0158】なお、図11Aにおいては、この磁束阻止
領域は、ショートリングコイル101により形成された
が、反磁界のループ電流を形成する程の面積を有するも
のから形成されればよく、例えば、導体箔パターン、ま
たは図4に示されるようなキャパシタCbのパターン等に
より形成されることができる。
【0159】また、図11Aでは、Mセル24の動作−動
作禁止の切換は、磁束阻止領域(ショートリングコイル
101)が固定され、Mセル24−1乃至24−4がそ
の磁束阻止領域内外にそれぞれ移動されることで行われ
たが、図11Bに示されるように、Mセル24が所定の配
置位置に固定され(図11Bでは、4個のMセル24−1
乃至24−4が、カードアンテナ23のアンテナループ
近傍にそれぞれ固定され)、磁束阻止領域(図11Bで
は、ショートリングコイル101−1乃至101−4)
が移動されてもよい。
【0160】従って、ユーザは、通常の場合(ICカード
12を使用しない場合)、固定されているMセル24−
1乃至24−4のそれぞれに、対応するショートリング
コイル101−1乃至101−4を被せる(Mセル24
−1乃至24−4を磁束阻止領域に含有させる)こと
で、これらのMセル24−1乃至24−4の動作を禁止
させることができる。
【0161】一方、ユーザは、ICカード12を使用する
場合、Mセル24−1乃至24−4のうち、所望のMセル
(図11BではMセル24−1)を動作させるときは、そ
のMセル24−1に被せられているショートコイル10
1−1を取り外せば、磁束阻止領域内に配置されたまま
の他のMセル(図11Bでは、ショートリングコイル10
1−2乃至101−4のいずれかがが被せられているM
セル24−2乃至24−4)の動作を禁止させたまま、
Mセル24−1のみを動作させることができる。
【0162】このように、図11に示されるようなICカ
ード12は、1枚のカード形態然を取ることができるの
で、量的にかさばることはなく、また、ICカード12の
カード面上(カードアンテナ23の面上)に展開する複
数のMセル24(図11では、4個のMセル24−1乃至
24−4)のうち、ユーザが所望するMセル24が選択
されれば、容易にユーザが所望するサービスに対応する
ICカードに変身できるという特徴を有している。
【0163】従って、ICカード12は、上述した第1お
よび第2の問題点を解決することができる。
【0164】なお、共振中継アンテナを有したカードフ
ォルダ等が知られているが、カードフォルダでは、複数
枚の従来のICカード51が必要であることには変わりな
く、その結果、これら複数枚の従来のICカード51が保
持されたカードフォルダは、形状的にかさばり、上述し
た第2の問題点を解決することができない。
【0165】さらに、このようなカードフォルダが適用
される非接触通信システムは、従来のICカード51の法
線方向に発生される磁界を利用するシステムであり、ア
ンテナの導線(ICカード12におけるカードアンテナ2
3のコイルLbの導線、またはMセル24のMセルアンテナ
32のコイルLcの導線)の周囲のループ磁界を利用する
本発明が適用される非接触通信システム1とは明らかに
異なるシステムである。
【0166】また、ICカード12は、従来のICカード5
1に適用されていたR/W装置とそのまま非接触通信でき
るので、製造者等は、新たなR/W装置を設計および製作
する必要がなく、Mセル24のみ製作すればよい。
【0167】さらに、Mセル24は、従来のICカード5
1を超小型にした構造であり、共通の通信プロトコル、
またはセキュリティが必要とされないため、製造者等
は、自身独自の通信プロトコル、およびセキュリティを
有したMセル24を容易に製作することができる。
【0168】ただし、Mセル24は、そのアンテナ(Mセ
ルアンテナ32)が通信搬送周波数に共振するととも
に、ICカード12の面上(カードアンテナ23の面上)
に配置可能な形状を有する必要がある。
【0169】このように、ICカード12は、従来のR/W
装置と非接触通信することが可能であるとともに、1枚
のみで複数の団体または企業のサービスを提供すること
ができる。即ち、ICカード12は、上述した第3の問題
点を解決することができる。
【0170】また、上述したように、Mセル24自体
は、超小型非接触ICモジュールであるため、単独で携帯
電話など他機器に容易に実装あるいは着脱可能であり、
R/W装置以外を利用して、例えば、通信インフラ等を利
用してリーダライタ処理を行わせることができる。この
様なデータ処理されたMセル24は、ICカード12に装
着されることで1枚のICカードとして振る舞うことがで
きる。
【0171】さらに、ユーザは、定期等利用頻度の高い
Mセル24に対してあらかじめ優先使用する旨の設定を
することで、ICカード12を、設定されたMセル24に
対応するサービスを優先的に提供するICカードとして使
用することができる。
【0172】また、本明細書において、システムとは、
処理手段、および複数の装置により構成される装置全体
を表すものである。
【0173】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の非接触通信シス
テムおよび方法、並びに非接触通信カードによれば、1
枚の非接触通信カードで複数のサービスをユーザに提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される非接触通信システムの構成
例を示す図である。
【図2】図1の非接触通信システムのリーダライタ(R/
W)装置の構成例を示す図である。
【図3】図1の非接触通信システムのICカードの構成例
を示す図である。
【図4】図3のICカードの外観の構成例を示す図であ
る。
【図5】図3のICカードのMセル24の構成例を示す図
である。
【図6】図1の非接触通信システムの回路構成例を説明
した図である。
【図7】2つの共振アンテナ間で非接触通信する場合の
等化回路図である。
【図8】2つの共振アンテナ間で非接触通信する場合の
伝送特性の様相の例を表した図である。
【図9】非接触通信システムにおける2つのアンテナ間
の距離、径、および幾何学的結合係数の関係例を示す図
である。
【図10】図3のICカードのカードアンテナとMセルと
の配置位置、および幾何学的結合係数の関係例を示す図
である。
【図11】図3のICカードに、複数のMセルを実装した
場合の外観の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 非接触通信システム, 11 R/W装置, 12
ICカード, 21主装置, 22 R/Wアンテナ,
23 カードアンテナ, 24, 24−1乃至24
−4 Mセル, 31 IC 32 Mセルアンテナ, 4
1 マイコン, 42 ロジック制御部, 43 復調
部, 44 変調部, 45 搬送信号発生部, 46
搬送波生成部, 47 電力増幅部, 61 RF・DE
T部,62 電源生成部, 63 復調部, 64 変
調部, 65 CLK 抽出部, 66 ロジック制御
部, 67 メモリTAGアンテナ, 101 ショー
トリングコイル,Ra,Rb 抵抗, La,Lb,Lc コイ
ル, Ca,Cb,Cc キャパシタ, Ha ループ磁界, ia
誘導電流

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信搬送周波数に共振する第1のアンテ
    ナを有する第1の非接触通信装置、および前記通信搬送
    周波数に共振する第2のアンテナを備える非接触通信カ
    ードと、 前記通信搬送周波数に共振する第3のアンテナを備える
    第2の非接触通信装置とからなり、 前記第2および前記第3のアンテナが電磁結合するとと
    もに、前記第1または前記第2のアンテナの導線に流れ
    る線電流が前記導線の周辺に生成した循環磁界により、
    前記第1および前記第2のアンテナが電磁結合し、 前記第1および前記第2の非接触通信装置は、電磁結合
    した前記第2および前記第3のアンテナ、並びに前記第
    1および前記第2のアンテナを介して相互に非接触通信
    することを特徴とする非接触通信システム。
  2. 【請求項2】 前記第2および前記第3のアンテナが電
    磁結合する場合における幾何学的結合係数の第1の値
    が、前記第1および前記第3のアンテナが電磁結合する
    場合における幾何学的結合係数の第2の値より大きい値
    であり、かつ、前記第1および前記第2のアンテナが電
    磁結合する場合における幾何学的結合係数の第3の値が
    1よりも小さな値であることを特徴とする請求項1に記
    載の非接触通信システム。
  3. 【請求項3】 前記非接触通信カードは、複数の前記第
    1の非接触通信装置をさらに備えていることを特徴とす
    る請求項2に記載の非接触通信システム。
  4. 【請求項4】 前記第2のアンテナは、ループアンテナ
    であり、 前記複数の第1の非接触通信装置のそれぞれは、前記第
    2のアンテナのループ内に包含される大きさで形成され
    ることを特徴とする請求項3に記載の非接触通信システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記第2のアンテナは、前記通信搬送周
    波数に共振する共振回路を構成するキャパシタ、および
    インダクタンスとして作用するアンテナコイルを有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の非接触通信システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記アンテナコイルおよび前記キャパシ
    タは、前記非接触通信カードの面上にパターンで形成さ
    れることを特徴とする請求項5に記載の非接触通信カー
    ド。
  7. 【請求項7】 前記複数の第1の非接触通信装置は、前
    記第2のアンテナの前記ループ内、または前記第2のア
    ンテナ近傍の所定の配置位置にそれぞれ配置されること
    を特徴とする請求項4に記載の非接触通信システム。
  8. 【請求項8】 前記所定の配置位置は、前記第1および
    前記第2のアンテナが電磁結合する場合における前記幾
    何学的結合係数の前記第3の値が最大値をとる位置であ
    ることを特徴とする請求項7に記載の非接触通信装置。
  9. 【請求項9】 前記所定の配置位置に配置された前記複
    数の第1の非接触通信装置は、それぞれ独立して取り外
    し可能であり、 取り外された前記第1の非接触通信装置は、単体で前記
    第2の非接触通信装置と非接触通信することが可能であ
    ることを特徴とする請求項7に記載の非接触通信システ
    ム。
  10. 【請求項10】 前記複数の第1の非接触通信装置のそ
    れぞれは、前記第2の非接触通信装置と非接触通信する
    機能を有するICをさらに備えることを特徴とする請求項
    9に記載の非接触通信システム。
  11. 【請求項11】 前記複数の第1の非接触通信装置のそ
    れぞれは、平方ミリ単位のセル面積を有するカードで形
    成されることを特徴とする請求項9に記載の非接触通信
    システム。
  12. 【請求項12】 前記複数の第1の非接触通信装置のそ
    れぞれは、 自身独自のセキュリティまたはプロトコルをさらに備え
    ることを特徴とする請求項9に記載の非接触通信システ
    ム。
  13. 【請求項13】 前記非接触通信カードは、 前記第2のアンテナの前記ループ内の所定の領域におい
    ては、前記第2のアンテナにより発生される磁束を打ち
    消す磁束阻止装置をさらに備え、 前記複数の第1の非接触通信装置を前記所定の領域内に
    それぞれ配置することで、それぞれの前記第1のアンテ
    ナと、前記第2のアンテナとが電磁結合する場合におけ
    るそれぞれの幾何学的結合係数の前記第3の値を可変す
    ることを特徴とする請求項7に記載の非接触通信システ
    ム。
  14. 【請求項14】 前記磁束阻止装置は、ループ導体また
    は導体面域で形成され、 前記ループ導体のループ内、または前記導体面域の全面
    が、前記所定の領域となることを特徴とする請求項13
    に記載の非接触通信システム。
  15. 【請求項15】 前記磁束阻止装置は、取り外し可能で
    あるとともに、前記所定の領域を移動させることが可能
    であることを特徴とする請求項13に記載の非接触通信
    システム。
  16. 【請求項16】 前記第2の非接触通信装置は、 前記通信搬送周波数の搬送信号を生成する生成手段と、 前記生成手段により生成された前記搬送信号に第1の情
    報を重畳して送信する搬送信号送信手段とをさらに備え
    ることを特徴とする請求項1に記載の非接触通信システ
    ム。
  17. 【請求項17】 前記第1の非接触通信装置は、 前記第2の非接触通信装置の前記搬送信号送信手段によ
    り送信された前記搬送信号を、前記第1乃至前記第3の
    アンテナを介して受信する受信手段と、前記受信手段に
    より受信された前記搬送信号から電力を取得する電力取
    得手段と、 前記受信手段により受信された前記搬送信号に重畳され
    ている前記第1の情報を取得する第1の情報取得手段
    と、 前記第1の情報取得手段により取得された前記第1の情
    報を記憶する記憶手段と、 第2の情報を出力する情報出力手段と、 前記情報出力手段により出力された前記第2の情報に基
    づいて、前記第1のアンテナの受端インピーダンスを変
    化させる変調手段とをさらに備えることを特徴とする請
    求項16に記載の非接触通信システム。
  18. 【請求項18】 前記第2の非接触通信装置は、 前記変調手段により変化された前記第1のアンテナの前
    記受端インピーダンスの変化量を、前記第1乃至前記第
    3のアンテナを介して検出し、検出した前記第1のアン
    テナの前記受端インピーダンスの変化量に基づいて、前
    記第1の非接触通信装置の前記情報出力手段により出力
    された前記第2の情報を取得する第2の情報取得手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の非
    接触通信システム。
  19. 【請求項19】 前記第2の非接触通信装置は、リーダ
    ライタ装置であることを特徴とする請求項1に記載の非
    接触通信システム。
  20. 【請求項20】 通信搬送周波数に共振する第1のアン
    テナを有する第1の非接触通信装置、および前記通信搬
    送周波数に共振する第2のアンテナを備える非接触通信
    カードと、 前記通信搬送周波数に共振する第3のアンテナを備える
    第2の非接触通信装置と からなる非接触通信システムの非接触通信方法であっ
    て、 前記第2および前記第3のアンテナを電磁結合させると
    ともに、前記第1または前記第2のアンテナの導線に流
    れる線電流が前記導線の周辺に生成した循環磁界によ
    り、前記第1および前記第2のアンテナを電磁結合さ
    せ、 前記第1および前記第2の非接触通信装置に、電磁結合
    した前記第2および前記第3のアンテナ、並びに前記第
    1および前記第2のアンテナを介して相互に非接触通信
    させることを特徴とする非接触通信方法。
  21. 【請求項21】 通信搬送周波数に共振する第1のアン
    テナを有する第1の非接触通信装置と、 前記通信搬送周波数に共振する第2のアンテナとを備
    え、 前記通信搬送周波数に共振する第3のアンテナを有する
    外部のリーダライタ装置と非接触通信する場合、 前記第2および前記第3のアンテナが電磁結合するとと
    もに、前記第1または前記第2のアンテナの導線に流れ
    る線電流が前記導線の周辺に生成した循環磁界により、
    前記第1および前記第2のアンテナが電磁結合し、 前記第1の非接触通信装置は、電磁結合した前記第1お
    よび前記第2のアンテナ、並びに前記第2および前記第
    3のアンテナを介して、前記リーダライタ装置と非接触
    通信することを特徴とする非接触通信カード。
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