JP2001076111A

JP2001076111A - 共振回路

Info

Publication number: JP2001076111A
Application number: JP2000211120A
Authority: JP
Inventors: Manabu Nakamura; 学中村; Keisuke Igarashi; 啓介五十嵐; Mitsuhiro Okada; 充弘岡田; Takahiro Watanabe; 高洋渡辺; Shinichi Miyashita; 信一宮下
Original assignee: Hitachi Kokusai Electric Inc
Current assignee: Hitachi Kokusai Electric Inc
Priority date: 2000-07-12
Filing date: 2000-07-12
Publication date: 2001-03-23

Abstract

(57)【要約】【課題】１つのアンテナを電力伝送用と情報通信用と
に共用することにより、２つのアンテナを用いることに
より生ずるアンテナ間の干渉を回避して効率的な電力伝
送及び高品質な情報通信を実現する。【解決手段】本発明に係るリーダライタ装置の共振回
路では、アンテナ１４のインダクタンスＬ1を要素とし
て構成した、情報通信周波数Ｆｄに共振する第１の共振
部（Ｉ）（ＩＩ）と、電力伝送周波数Ｆｐに共振する第
２の共振回路（ＩＩＩ）とを設けることにより、１つの
アンテナ１４を電力伝送用と情報通信用とに共用してＩ
Ｃカードへ電力を送電するとともに当該ＩＣカードとの
間で情報の通信を行う。また、ＩＣカードの共振回路に
おいても同様に、情報通信周波数Ｆｄに共振する第１の
共振部と、電力伝送周波数Ｆｐに共振する第２の共振部
とを設け、このアンテナ１４を電力伝送用と情報通信用
とに共用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、リーダ・ライタ装
置からＩＣカードに対して１つのアンテナを用いて非接
触方式で情報の通信及び電力の送電を行うＩＣカードシ
ステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】クレジットカード等と同様な大きさのカ
ード基板にマイクロコンピュータチップとメモリチップ
とを埋設して構成したＩＣカードは、金融、流通、交
通、医療等の種々な分野において実用化が図られてい
る。このようなＩＣカードを用いたＩＣカードシステム
では、リーダ・ライタ装置からＩＣカードに対して電力
を伝送供給し、リーダ・ライタ装置とＩＣカードとの間
で制御コードやデータ等といった情報を通信させてい
る。

【０００３】リーダ・ライタ装置とＩＣカードとの間の
電力伝送や情報通信では、端子同士を接触させて行う接
触方式の他に、電磁波を用いて行う非接触方式も採用さ
れている。非接触方式においても種々な態様が検討され
ているが、ＩＣカードの表面積を利用して薄型小型化や
電磁波伝送の効率化を容易に実現できる態様として、図
８に示すように、電力の伝送に用いる電力伝送用ループ
アンテナ１と情報の通信に用いる情報通信用ループアン
テナ２とを同一平面内に配置する態様が検討されてい
る。すなわち、ＩＣカードとリーダ・ライタ装置とにそ
れぞれ電力伝送用ループアンテナ１と情報通信用ループ
アンテナ２とを同一平面内に配置して設け、リーダ・ラ
イタ装置とＩＣカードとの間の電力伝送は電力伝送用ル
ープアンテナ１間の電磁波伝送で行い、リーダ・ライタ
装置とＩＣカードとの間の情報通信は情報通信用ループ
アンテナ２間の電磁波伝送で行う。なお、形状について
はＩＣカード用ループコイルとリーダ・ライタ用のルー
プコイルの大きさは、リーダ・ライタ用コイルの方が一
般的に大きい。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図８に
示したように電力伝送用ループアンテナ１と情報通信用
ループアンテナ２とを同一平面内に単純に配置した場合
には、これら両者のループアンテナが相互に干渉して、
電力伝送の効率低下や情報通信の妨害が生じてしまうと
いう問題があった。

【０００５】すなわち、リーダ・ライタ装置において
は、電力伝送用ループアンテナ１に高周波電流ｉを流す
ことによって生ずる磁束φが情報通信用ループアンテナ
２に干渉し、電力伝送用ループアンテナ１から放出する
電磁波により送電する電力が情報通信用ループアンテナ
２によって消費されてしまうばかりか、情報通信用ルー
プアンテナ２での通信に誘導障害を生じさせてしまう。
また、ＩＣカードにおいては、リーダ・ライタ装置への
通信を行うため情報通信用ループアンテナ２でその高周
波エネルギーを送出するが、その際、電力伝送用のルー
プアンテナ１（この場合電力受電用に使われる）によっ
て送出エネルギーが消費されてしまう。

【０００６】本発明は、上記従来の事情に鑑みなされた
もので、１つのアンテナを電力伝送用と情報通信用とに
共用することにより、上記のような両アンテナ間の干渉
を回避して効率的な電力伝送及び高品質な情報通信を実
現するＩＣカードの共振回路を提供することを目的とす
る。また、本発明は、１つのアンテナを電力伝送用と情
報通信用とに共用することにより、上記のような両アン
テナ間の干渉を回避して効率的な電力伝送及び高品質な
情報通信を実現するリーダライタ装置の共振回路を提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るＩＣカードの共振回路では、１つのア
ンテナを電力伝送用と情報通信用とに共用してリーダ・
ライタ装置から電力を受電するとともに当該リーダ・ラ
イタ装置との間で情報の通信を行うＩＣカードの共振回
路であって、アンテナのインダクタンスと第１のコンデ
ンサとで構成した第１の周波数（下記の実施例では、情
報通信周波数）に共振する第１の共振部と、アンテナの
インダクタンスと第２のコンデンサとで構成した第２の
周波数（下記の実施例では、電力伝送周波数）に共振す
る第２の共振部と、を備え、アンテナを共用して第１の
共振部と第２の共振部とにより異なる２つの周波数に共
振することにより、リーダ・ライタ装置から電力を受電
するとともに当該リーダ・ライタ装置との間で情報の通
信を行う。

【０００８】また、本発明に係るリーダ・ライタ装置の
共振回路では、１つのアンテナを電力伝送用と情報通信
用とに共用してＩＣカードへ電力を送電するとともに当
該ＩＣカードとの間で情報の通信を行うリーダ・ライタ
装置の共振回路であって、アンテナのインダクタンスと
第１のコンデンサとで構成した第１の周波数（下記の実
施例では、情報通信周波数）に共振する第１の共振部
と、アンテナのインダクタンスと第２のコンデンサとで
構成した第２の周波数（下記の実施例では、電力伝送周
波数）に共振する第２の共振部と、を備え、アンテナ
を共用して第１の共振部と第２の共振部とにより異なる
２つの周波数に共振することにより、ＩＣカードへ電力
を送電するとともに当該ＩＣカードとの間で情報の通信
を行う。すなわち、本発明では、電力伝送に用いる周波
数と情報通信に用いる周波数との２周波数に１つのアン
テナを同調させることにより、電力伝送と情報通信との
間に干渉が生じないようにしている。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面を参照
して説明する。図１に示すように、本実施形態のＩＣカ
ードシステムは、金融、流通、医療等のデータ処理を行
う情報端末装置１０に接続されたリーダ・ライタ装置１
１と、リーダ・ライタ装置１１との間で非接触方式によ
って情報の通信及び電力の伝送を行うＩＣカード２１
と、を備えている。このシステムでは、後述するように
リーダ・ライタ装置１１のループアンテナが配設されて
いる部位の上方（例えば、２０ｃｍ以内）にＩＣカード
２１をかざすことにより、リーダ・ライタ装置１１とＩ
Ｃカード２１との間でループアンテナを用いた電力伝送
及び情報通信を行う。すなわち、ＩＣカード２１はリー
ダ・ライタ装置１１から無線によって電送供給された電
力で動作し、ＩＣカード１１への制御コマンドや書き込
みデータ等といった情報がリーダ・ライタ装置１１から
ＩＣカード２１へ無線によって通信されるとともに、Ｉ
Ｃカードからの読み出しデータ等といった情報がＩＣカ
ード２１からリーダ・ライタ装置１１へ無線によって通
信される。

【００１０】図２に示すように、リーダ・ライタ装置１
１は、情報端末装置１０との間で情報の通信を行うイン
タフェース１２と、図外の外部電源から電力を受電する
電源回路１３と、ＩＣカード２１への電力の送電及びＩ
Ｃカード２１との間で情報の通信を行うループアンテナ
１４と、この電力伝送に用いる周波数Ｆｐと情報通信に
用いる周波数Ｆｄとの２周波数にループアンテナ１４を
同調させる同調部１５と、これら各手段１２〜１５の送
受信及び制御を行う制御送受信部１６と、を備えてい
る。

【００１１】制御送受信部１６の一例は、制御プログラ
ムを格納したメモリと当該プログラムを実行するＣＰＵ
とを有したマイクロコンピュータ等により構成されてお
り、電源回路１３から受電した電力を高周波電流に変換
して周波数Ｆｐでループアンテナ１４から送電させ、ま
た、情報端末装置１０からインタフェース１２を介して
受信した情報を無線通信に適した形に変調し周波数Ｆｄ
でループアンテナ１４から送信させ、また、周波数Ｆｄ
でループアンテナ１４から受信した情報を復調してイン
タフェース１２を介して情報端末装置１０へ送信させる
等といった機能を有している。

【００１２】電力伝送用と情報通信用とに共用されるル
ープアンテナ１４は本例では図３に示すように１ターン
又は多重ループで構成されており、リーダ・ライタ装置
１１の表面部位に配設されて、このループアンテナ１４
の上方にＩＣカード２１をかざすことにより、リーダ・
ライタ装置１１とＩＣカード２１との間でＦｄとＦｐと
の２周波数で電力伝送及び情報通信が行われる。なお、
本実施例では、電力伝送周波数Ｆｐは情報通信周波数Ｆ
ｄより大きく設定してあるが、Ｆｐ＞Ｆｄの条件のもと
で、Ｆｐを情報通信周波数に、Ｆｄを電力伝送周波数に
割り当てることも可能である。

【００１３】図４に示すように、同調部１５は、アンテ
ナ１４のインダクタンスＬ1とコンデンサＣ1とで構成し
た情報通信周波数Ｆｄに共振をとる共振回路部（Ｉ）
と、インダクタンスＬ2とコンデンサＣ2とで構成した情
報通信周波数Ｆｄに共振をとる共振回路部（ＩＩ）と、
アンテナ１４のインダクタンスＬ1とコンデンサＣ1とコ
ンデンサＣ3で構成した電力伝送周波数Ｆｐに共振をと
る共振回路部（ＩＩＩ）と、を有している。

【００１４】同調部１５をこのような回路構成とするこ
とにより、アンテナ１４は情報通信周波数Ｆｄと電力伝
送周波数Ｆｐとの２つの周波数において同調がとれるこ
ととなる。すなわち、情報通信周波数Ｆｄにおいては、
共振回路部（Ｉ）と（ＩＩ）はそれぞれ共振がとれてい
ることからインピーダンスは最小となる一方、コンデン
サＣ3のインピーダンス（１／２πＦｄＣ3）は大きくな
るので、アンテナ１４のインダクタンスＬ1を要素とし
て、コンデンサＣ1、インダクタンスＬ2、コンデンサＣ
2から構成される共振回路によって、アンテナ１４は情
報通信周波数Ｆｄに同調する。また、電力伝送周波数Ｆ
ｐにおいては、インダクタンスＬ2のインピーダンス
（２πＦｐＬ2）は大きくなるので、アンテナ１４のイ
ンダクタンスＬ1を要素として、コンデンサＣ1、コンデ
ンサＣ3から構成される共振回路によって、アンテナ１
４は電力伝送周波数Ｆｐに同調する。

【００１５】したがって、同調部１５によってループア
ンテナ１４は情報通信周波数Ｆｄと電力伝送周波数Ｆｐ
との２つの周波数においてのみ同調し、１つのループア
ンテナ１４によって電力伝送と情報通信とが効率的且つ
高品質に行われる。なお、上記のような同調部１５の回
路に電力及び情報信号（入力）の授受を行うためには、
例えば、図５や図６に示すような回路構成とすればよ
い。すなわち、上記の例では、アンテナ１４のインダク
タンスＬ１と、コンデンサＣ１とコンデンサＣ２とから
なる第１の結合コンデンサとを含んで情報通信周波数Ｆ
ｄに共振する第１の共振部が形成されているとともに、
アンテナ１４のインダクタンスＬ１と、コンデンサＣ１
とコンデンサＣ３とからなる第２の結合コンデンサとを
含んで電力伝送周波数Ｆｐに共振する第２の共振部が形
成されている。

【００１６】また、図７には、情報通信周波数Ｆｄを
３．３９ＭＨｚ、電力伝送周波数Ｆｐを１３．５６ＭＨ
ｚとして、ループアンテナ１４の周波数特性を測定した
結果の一例を示してある。同図に示すように、ループア
ンテナ１４は３．３９ＭＨｚと１３．５６ＭＨｚとの２
つの周波数で顕著に同調しており、これら周波数を用い
れば情報通信と電力伝送を１つのループアンテナで実施
することができることが明らかである。

【００１７】なお、ＩＣカード２１においても、図４に
示したリーダ・ライタ装置１１と同様に、情報通信周波
数Ｆｄと電力伝送周波数Ｆｐとの２つの周波数において
ループアンテナに同調をとる同調部を設けることによ
り、１つのループアンテナによって情報通信と電力受電
とを支障無く実施することができる。また、本発明に係
るＩＣカードシステムでは、ＩＣカードとリーダ・ライ
タ装置とがそれぞれ１つのループアンテナを電力伝送用
と情報通信用とに共用する態様でなくともよく、ＩＣカ
ードとリーダ・ライタ装置とのいずれか一方を異なるル
ープアンテナによって電力伝送と情報通信を行う形態と
することもできる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
ＩＣカード及びリーダ・ライタ装置において、１つのア
ンテナを電力伝送用と情報通信用とに共用することがで
きるため、電力伝送用と情報通信用との２つのアンテナ
を用いる場合に生ずる問題を解消でき、電力伝送におい
ては高効率化、情報通信においては高品質化が実現でき
る。また、リーダ・ライタ装置を２つのアンテナを用い
る場合に比べて、アンテナを配置するためのスペースを
縮小化して小型なものにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るＩＣカードシステ
ムを示す構成図である。

【図２】本発明の一実施形態に係るリーダ・ライタ装
置の構成図である。

【図３】本発明の一実施形態に係るリーダ・ライタ装
置のアンテナ配置を示す図である。

【図４】本発明の一実施形態に係る同調部の回路構成
を示す図である。

【図５】同調部への電力供給回路の一例を示す図であ
る。

【図６】同調部への電力供給回路の他の一例を示す図
である。

【図７】本発明の一実施形態に係るループアンテナの
周波数特性を示すグラフである。

【図８】２つのループアンテナを用いた場合に電磁結
合を説明する図である。

【符号の説明】

１１・・・リーダ・ライタ装置、１４・・・ループア
ンテナ、１５・・・同調部（共振回路）、２１・・・
ＩＣカード、

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者岡田充弘東京都中野区東中野三丁目14番20号国際電気株式会社内 (72)発明者渡辺高洋東京都中野区東中野三丁目14番20号国際電気株式会社内 (72)発明者宮下信一東京都中野区東中野三丁目14番20号国際電気株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】１つのアンテナを電力伝送用と情報通信
用とに共用してリーダ・ライタ装置から電力を受電する
とともに当該リーダ・ライタ装置との間で情報の通信を
行うＩＣカードの共振回路であって、アンテナのインダクタンスと第１のコンデンサとで構成
した第１の周波数に共振する第１の共振部と、アンテナのインダクタンスと第２のコンデンサとで構成
した第２の周波数に共振する第２の共振部と、を備え、アンテナを共用して第１の共振部と第２の共振
部とにより異なる２つの周波数に共振することを特徴と
するＩＣカードの共振回路。
【請求項２】１つのアンテナを電力伝送用と情報通信
用とに共用してＩＣカードへ電力を送電するとともに当
該ＩＣカードとの間で情報の通信を行うリーダ・ライタ
装置の共振回路であって、アンテナのインダクタンスと第１のコンデンサとで構成
した第１の周波数に共振する第１の共振部と、アンテナのインダクタンスと第２のコンデンサとで構成
した第２の周波数に共振する第２の共振部と、を備え、アンテナを共用して第１の共振部と第２の共振
部とにより異なる２つの周波数に共振することを特徴と
するリーダ・ライタ装置の共振回路。
【請求項３】請求項１に記載のＩＣカードの共振回路
において、第１の周波数を情報通信用周波数とし、第２の周波数を
電力伝送用周波数としたことを特徴とするＩＣカードの
共振回路。
【請求項４】請求項２に記載のリーダ・ライタ装置の
共振回路において、第１の周波数を情報通信用周波数とし、第２の周波数を
電力伝送用周波数としたことを特徴とするリーダ・ライ
タ装置の共振回路。