JP2003185288A - 吸着ヒートポンプ - Google Patents

吸着ヒートポンプ

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JP2003185288A
JP2003185288A JP2001391218A JP2001391218A JP2003185288A JP 2003185288 A JP2003185288 A JP 2003185288A JP 2001391218 A JP2001391218 A JP 2001391218A JP 2001391218 A JP2001391218 A JP 2001391218A JP 2003185288 A JP2003185288 A JP 2003185288A
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heat pump
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Tadashi Shimizu
正 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能指標が良好で、特に吸着/脱着サイクル
時間が短い吸着剤を用いた吸着ヒートポンプの提供。 【解決手段】 一次粒子が非晶質でかつ孔の直径が均一
な細孔を持つ無機質粒子からなり、動的光散乱法によっ
て測定される粒子の平均粒子径DL が10〜400nm
であり、DL から求めた換算比表面積SL とBET法に
よる粒子の窒素吸着比表面積SB との差SB −SL が2
50m2 /g以上である多孔性物質である吸着剤を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低温の熱源で駆動可
能であり、かつ小型でも高性能な吸着ヒートポンプに関
し、さらに詳しくは、特に吸着/脱着サイクル時間が短
い吸着剤を用いた吸着ヒートポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】固体吸着剤を用いる吸着ヒートポンプ
は、コンプレッサーなどの動力源を用いる必要がなく、
駆動エネルギーとして比較的低温度の熱エネルギーが利
用できる利点がある。例えば、自動車のエアコンとして
ヒートポンプを用いた場合、エンジンに負荷をかけるこ
となくエアコンの使用が可能であり、燃費や動力性能の
向上が期待される。また、電気自動車では、大きな負荷
の掛るコンプレッサーの駆動が困難なため、吸着ヒート
ポンプ式のエアコンの搭載が期待されている。さらに、
吸着ヒートポンプでは、作動媒体としてフロンの替わり
に水などの使用が可能であり、環境に優しい熱システム
と考えられている。従来の吸着ヒートポンプは、作動液
体と吸着剤を適宜選択し、蒸発部、凝縮部および吸着剤
を有する吸着部を備えたものが知られている。ここで使
用される吸着剤は、粉末または粒状が多用されている。
また、吸着剤の充填密度も、吸着ヒートポンプ装置の大
きさを規定する重要な指標となる。吸着式ヒートポンプ
の高性能化の重要な技術として、高性能な吸着剤の開発
がある。このヒートポンプ用吸着剤の性能の指示とし
て、汲み上げ熱量、汲み上げ温度差、再生に必要な温度
差などがあるが、これらは吸着等温線の平衡関係から推
測できることが知られている。(渡辺藤雄、杉浦敏史、
架谷昌信、丸茂千郷化学工学論文集第15巻第1号pp38
-43(1989) )。また、吸着/脱着サイクル時間の短縮も
高性能化のさらに重要な技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、吸着式ヒートポ
ンプ用の吸着剤としては、シリカゲル、活性アルミナ、
ゼオライト、活性炭、メソポーラスシリカなどが検討さ
れてきた。これらの吸着剤は、各種の作動媒体との組み
合わせでヒートポンプ用吸着剤として適合性が評価され
る。例えば、ゼオライト−水系では、汲み上げ温度差は
大きく取れるが再生、脱着がしにくく、再生温度差を大
きく取らなければならないという問題があった。活性ア
ルミナもゼオライトと類似した問題がある。また、シリ
カゲル- 水系や活性炭- 水系では、100℃以下の比較
的低い熱源により再生可能であるが、吸脱着量差が小さ
く多量の吸着剤が必要になり、装置が大きくなり、自動
車への搭載が困難という問題があった。本発明は上記の
事情に鑑みてなされたもので、性能指標が良好で、特に
吸着/脱着サイクル時間が短い吸着剤を用いた吸着ヒー
トポンプを提供することを目的とする。。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の吸着ヒートポン
プは、作動液体と、この作動液体の蒸気を吸着/脱着す
る吸着剤が配備された吸/脱着部と、吸/脱着部に連結
された、作動液体の蒸発/凝縮をおこなう蒸発/凝縮部
とを備えた吸着ヒートポンプにおいて、該吸着剤の一次
粒子が非晶質でかつ孔の直径が均一な細孔を持つ無機質
粒子からなり、動的光散乱法によって測定される粒子の
平均粒子径DL が10〜400nmであり、DL から求
めた換算比表面積SL とBET法による粒子の窒素吸着
比表面積SB との差SB −SL が250m2 /g以上で
ある多孔性物質であることを特徴とする。
【0005】以下に本発明の吸着ヒートポンプについて
説明する。本発明では、ヒートポンプの装置としては、
公知の各種の吸着ヒートポンプ装置を利用し、その装置
の吸/脱着部に本発明の特徴である吸着剤を使用するこ
とができる。吸着ヒートポンプ装置の吸/脱着部に本発
明の特徴である吸着剤を使用するにあたっては、その吸
/脱着部での充填形態も、公知の各種の方式を利用する
ことができる。そのうち、特に好ましい充填形態のの例
を挙げるとすれば、吸着剤をバインダーを用いて吸/脱
着部に固定する方式、吸着剤を吸/脱着部に封入状態で
充填する方式、などが考えられる。本発明の吸着ヒート
ポンプは、多孔性物質の細孔の平均直径が1〜10nm
の範囲であることが好ましい。また、無機質が酸化ケイ
素であることが好ましい。本発明の吸着剤はその細孔に
より吸着/脱着する相対蒸気圧が変化する。細孔直径は
作動液体が水の場合、細孔直径が1〜10nmの範囲で
あるのが好ましい。
【0006】本発明の吸着剤の細孔径分布曲線における
最大のピークを示す細孔直径が1〜10nmの範囲にあ
る場合、水蒸気の吸着等温線の相対蒸気圧(P/P0
が0.12〜0.81の範囲で急激に吸着を起こすこと
がケルビン式から求められる。ここでケルビン式とは、
細孔半径(r)と吸着質が毛管凝縮を起こす相対蒸気圧
(P/P0 )の関係を示す式であり、数式1で表せる。
【数式1】ln(P/P0 )=(2VL γcosθ)/
(rRT) ここで、VL とは吸着質液体のモル体積、γは吸着質液
体の表面張力、θは接触角、Rは気体定数、Tは絶対温
度である。ここで吸着質を水蒸気とすると、VL=1
8.05×10-6 3 /mol、γ=72.59×1
-3 N/mとなり、さらにR=8.3143J/de
g・mol、θ=0をあてはめると、数式1は次の数式
2となる。
【数式2】ln(P/P0 )=−1.058/r ここで、rの単位はnmである。数式2より、細孔直径
が1から10nmの範囲で変化したときの吸着等温線に
おける急激な吸着を起こす部分を計算で求めると、P/
0 =0.12から0.81の範囲にあることが分か
る。これらの吸着等温線の横軸(P/P0 )をPが20
℃での水蒸気の飽和蒸気圧として、吸着剤の温度(t)
に変換したグラフにより、細孔直径が1から10nmの
場合、20から70℃の比較的低温度の熱源の利用が可
能であることが分かる。
【0007】以下に本発明の吸着剤について説明する。
本発明の吸着剤は、一次粒子が非晶質でかつ孔の直径
(直径を単に径ということがある。)が均一な細孔を持
つ無機質粒子からなり、動的光散乱法によって測定され
る粒子の平均粒子径DL が10〜400nmであり、D
L から求めた換算比表面積SL とBET法による粒子の
窒素吸着比表面積SB との差SB −SL が250m2
g以上である多孔性物質であることを特徴とする。本発
明における非晶質とは、該多孔性物質の原子構造や細孔
構造などが長い範囲に及ぶ規則性を持たず(すなわち、
長距離秩序を持たず)、粉末X線回折で明確なピークを
持たないことを意味する。たとえば、原子の配列の場合
では数nmの範囲の規則性しか持たない。細孔の配列の
場合では多くても10個以下の範囲での規則性しか持た
ない。
【0008】本発明における多孔性とは、窒素吸着法に
より細孔が測定されることを意味し、その細孔容積が、
好ましくは0.1mL/g以上、より好ましくは0.5
mL/g以上であることを意味する。均一な細孔径を持
つとは、窒素吸着等温線より求めた細孔径および全細孔
容積(窒素吸着法で測定可能な細孔径が50nm以下の
細孔量)において平均細孔径の±50%の範囲に全細孔
容量の50%以上が含まれる多孔性物質を指す。また、
TEM観察によっても細孔が均一であることを確認でき
る。本発明の多孔性物質の動的光散乱法によって測定さ
れる平均粒子直径(直径を単に径ということがある。)
は、好ましくは10〜400nmで、より好ましくは1
0〜300nmで、さらに好ましくは10〜200nm
である。動的光散乱法によって測定される平均粒子径D
L (nm)から計算される換算比表面積SL (m2 /g)
は、多孔性物質の粒子が球状であると仮定し、SL =6
×103 /(密度(g /cm3 )×DL )により求めら
れる。この値と、BET法による窒素吸着比表面積SB
との差SB −SL が250m2 /g以上であるというこ
とは、多孔性物質の粒子がきわめて多孔性であることを
示している。この値が小さいと作動液体を内部に吸収す
る能力が小さくなる。SB −SL は、1500m2 /g
以下であることが好ましい。
【0009】以下に本発明の吸着剤の一次粒子である多
孔性物質の製造方法について説明する。本発明の多孔性
物質の製造方法としては特に限定されないが、以下の製
造方法が好ましい方法としてあげられる。すなわち、金
属酸化物および/またはその前駆体からなる金属源とテ
ンプレートと水を混合し金属酸化物/テンプレート複合
体のゾルを製造する工程と、該複合体からテンプレート
を除去する工程とからなる製造方法である。本発明で用
いられる金属源は金属酸化物および/またはその前駆体
であり、金属種としては、ケイ素、2族のマグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、3 族のア
ルミニウム、ガリウム、希土類等、4 族のチタン、ジル
コニウム等、5 族のリン、バナジウム、7 族のマンガ
ン、テルル等、8 族の鉄、コバルト等が挙げられる。前
駆体としては、これら金属の硝酸塩、塩酸塩等の無機
塩、酢酸塩、ナフテン酸塩等の有機酸塩、アルキルアル
ミニウム等の有機金属塩、アルコキシド、水酸化物が挙
げられるが、後述する合成方法によって合成できるもの
であればこれに限定されるものではない。もちろん、こ
れらを単独あるいは併用して用いても良い。
【0010】金属としてケイ素を選んだ場合、前駆体と
しては縮合や重合を繰り返して最終的にシリカになるも
のを用いることができ、好ましくはテトラエトキシシラ
ンやメチルトリエトキシシラン、ジメチルトリエトキシ
シラン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン等
のアルコキシドや活性シリカを単独または併用して用い
ることができる。活性シリカは安価で安全性が高いた
め、特に好ましい。本発明で用いる活性シリカは、水ガ
ラスから有機溶剤で抽出したり、水ガラスをイオン交換
したりするなどして調製することができる。たとえば水
ガラスをH+ 型カチオン交換体と接触させて調製する場
合、Naが少なく安価であるため3号水ガラスを用いる
のが工業的に好ましい。カチオン交換体としては、たと
えばスルホン化ポリスチレンジビニルベンゼン系の強酸
性交換樹脂(例えばローム&ハース社製、アンバーライ
トIR−120B)等が好ましいが、特にこれに限定さ
れるものではない。
【0011】本発明で用いるテンプレートとしては、四
級アンモニウム系などのカチオン性、アニオン性、非イ
オン性、両性界面活性剤やドデシルアミン、テトラデシ
ルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等
のアミンやアミンオキサイドなどの中性テンプレート等
何でもよいが、好ましくは旭電化製のアデカプルロニッ
クL・P・F・Rシリーズのようなトリブロック系や旭
電化製のアデカPEGシリーズのようなポリエチレング
リコール、アデカプロニックTRシリーズのようなエチ
レンジアミンベース型などのような非イオン性界面活性
剤を用いることができる。非イオン性界面活性剤として
は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドからな
るトリブロック系の非イオン性界面活性剤を使用可能で
ある。特に、構造式HO( C2 4 O) a −( C3 6
O) b −( C2 4 O) c H(但し、a 、cは10〜1
10を、bは30〜70をしめす)で示されるもの、あ
るいは構造式R( OCH2 CH2)n OH(但し、Rは炭
素数12〜20のアルキル基を、nは2〜30を示す)
で示されるものが好ましい。具体的には、旭電化製プル
ロニックP103(HO( C2 4 O)17 −( C3 6
O)60 −( C2 4 O)17 H)、P123(HO( C2
4 O)20 −( C3 6 O)70 −( C2 4 O)
20 H)、P85等やポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル等を挙げることができる。
【0012】細孔径を変化させるために、有機助剤とし
て、炭素数6〜20の芳香族炭化水素、炭素数5〜20
の脂環式炭化水素、炭素数3〜16の脂肪族炭化水素お
よびこれらのアミンならびにハロゲン置換体、たとえ
ば、トルエン、トリメチルベンゼン、トリイソプロピル
ベンゼン等を加えることができる。金属源とテンプレー
トの反応は、たとえば、金属源を溶媒に溶解あるいは分
散したものと、テンプレートを溶媒に溶解あるいは分散
したものを撹拌混合したのち行なわせることができる
が、これに限定されるものではない。溶媒としては、水
あるいは水と有機溶剤の混合溶媒のいずれを用いてもよ
いが、有機溶剤としては、アルコール類が好ましい。ア
ルコール類としては、エタノールやメタノール等の低級
アルコールが好ましい。
【0013】これらの反応に用いられる組成は、テンプ
レートと金属源、溶媒により異なるが、凝集や沈殿等が
生じ、粒子径が大きくならない範囲を選ぶことが必要で
ある。また、粒子の凝集や沈殿を防ぐためにNaOH等
のアルカリや低分子PVA等の安定化剤を加えてもよ
い。例えば、金属源として活性シリカを、テンプレート
としてプルロニックP103(旭電化製)を、溶媒とし
て水を用いる場合は、次のような組成を用いることがで
きる。P103/SiO2 の重量比として、好ましくは
0.01〜30、より好ましくは0.1〜5の範囲が用
いられる。有機助剤/P103の重量比は、好ましくは
0.02〜100、より好ましくは0.05〜35であ
る。反応時の水/P103の重量比としては、好ましく
は10〜1000、より好ましくは20〜500の範囲
が用いられる。安定化剤として、NaOHをNaOH/
SiO 2 の重量比として1×10-4 〜0.15の範囲
で加えてもよい。プルロニックP123を用いる場合
も、同様の組成を用いることができる。金属源やテンプ
レート、溶媒の混合は、好ましくは0〜80℃、より好
ましくは0〜40℃で撹拌しながらおこなう。
【0014】反応は常温でも容易に進行するが、必要に
応じて100℃までの加温下で行なうこともできる。し
かし、100℃以上の水熱反応のような条件は不要であ
る。反応時間としては0.5〜100時間、好ましくは
3〜50時間の範囲が用いられる。反応時のpHは好ま
しくは3〜12で、より好ましくは4〜12で、さらに
好ましくは4〜10の範囲でpHの制御のためにNaO
H、アンモニアなどのアルカリや塩酸、酢酸、硫酸など
の酸を加えてもよい。多孔性物質のゾルを製造する際、
アルミン酸アルカリを添加することもできるが、その時
期は、複合体の形成前後、テンプレートを除去した後の
いずれでも構わない。複合体がケイ素を含む場合、アル
ミン酸アルカリを添加することで、酸性にしたりカチオ
ン性物質を添加したりしても安定で、長期間の保存にも
耐えるゾルを製造することができる。用いるアルミン酸
アルカリとしては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸
カリウム、アルミン酸リチウム、アルミン酸第一アンモ
ニウム、アルミン酸グアニジンなどを用いることができ
るが、アルミン酸ナトリウムが好ましい。アルミン酸ナ
トリウム中のNa/Al元素比は1.0〜3.0が好ま
しい。
【0015】以下に、テンプレート除去後にアルミン酸
アルカリ溶液を添加する場合を例に説明する。アルミン
酸アルカリ溶液の添加は、0〜80℃、好ましくは5〜
40℃で撹拌しながらおこなう。添加するアルミン酸ア
ルカリの濃度は特に限定されないが、0.5〜40重量
%で用いるのが好ましく、1〜20重量%で用いるのが
より好ましい。添加する量は、たとえば、多孔性物質の
ゾルがケイ素を含む場合、Al/(Si+Al)の元素
比として好ましくは0.003〜0.1であり、より好
ましくは0.005〜0.05である。添加後、40〜
95℃で加熱するのが好ましく、60〜80℃で加熱す
るのがより好ましい。
【0016】次に、テンプレートの除去方法について説
明する。たとえば、得られた反応溶液にアルコール等の
溶剤を加え複合体からテンプレートを除去する事により
多孔性物質が得られる。この際、限外濾過装置を用いる
と、多孔性物質をゾルのまま取り扱うことができ好まし
い。限外濾過用の膜の材質としては、ポリスルホン、ポ
リアクリロニトリル、セルロースなどを用いることがで
き、その形状は、中空糸型や平膜型、スパイラル型等の
いずれでもかまわない。この際、粒子の凝集を防ぐため
にNaOH等のアルカリや低分子PVA等の安定化剤を
加えてもよい。除去に用いる溶剤は、テンプレートを溶
解するものであればよく、取り扱いが簡単な水や溶解力
の高いアルコール類が好ましい。アルコール類として
は、メタノール、エタノール等の低級アルコールが好ま
しい。除去温度は、用いる溶剤やテンプレートにより異
なるが、好ましくは0〜80℃で、より好ましくは20
〜80℃である。除去されたテンプレートは溶剤を除く
ことで再利用することができる。また、得られた複合体
を、濾過等により濾別し、水洗、乾燥し、ついで含有し
ているテンプレートを超臨界流体やアルコール等の溶剤
との接触、あるいは焼成等の方法で除去することによ
り、多孔性物質を得てもよい。焼成温度は、テンプレー
トが消失する温度以上、概ね500℃以上で行なう。焼
成時間は、温度との関係で適宜設定されるが、30分〜
6時間程度である。他の除去方法としては、溶剤と複合
体を撹拌混合する方法や、複合体をカラム等に詰め溶剤
を流通させる等の方法を取ることもできる。
【0017】ゾルから溶媒を除去し多孔性物質を得る方
法としては、加熱乾燥や真空乾燥、スプレードライ、超
臨界乾燥などの方法を用いることができる。これら酸化
物の多孔体の組成は、純粋なシリカでもよいが、シリカ
にアルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)、マグネシウム(M
g)、ジルコニウム(Zr)、ガリウム(Ga)、ベリリウム(B
e)、イットリウム(Y) 、ランタン(La)、スズ(Sn)、鉛(P
b)、バナジウム(V) 、ホウ素(B) 等が混ざったものでも
よい。本発明の多孔性物質は、用途に応じて様々な改質
をしても良い。たとえば、表面張力を調整する目的でシ
ランカップリング剤等による表面改質をおこなったりし
ても良い。本発明の吸着剤が使用できる吸着ヒートポン
プには、開放式と密閉方式があり、本発明の吸着剤はこ
のいずれの方式の吸着ヒートポンプにも使用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を具
体的に説明する。粉末X線回折図は理学製RINT25
00を用いて測定を行なった。細孔分布、及び比表面積
は、カンタクロム社製オートソーブ−1を用い、窒素に
より測定した。細孔分布は、BJH法により算出した。
平均細孔直径はBJH法より求めた微分細孔分布曲線の
メソポア領域のピークの値より算出した。比表面積はB
ET法により算出した。動的光散乱法による平均粒子径
は、大塚電子製レーザーゼータ電位計ELS−800に
より測定した。
【0019】
【実施例1】〔多孔性物質の製造〕あらかじめH+ 型に
しておいたカチオン交換樹脂(アンバーライト、IR−
120B)100gを水100g に分散したなかに、3
号水ガラス(SiO2 =29重量%、Na2 O=9.5
重量%)33.3gを水66.7gで希釈した溶液を加
える。これを、十分撹拌した後、カチオン交換樹脂を濾
別し活性シリカ水溶液200gを得た。この活性シリカ
水溶液のSiO2 濃度は5.0重量%であった。5gの
旭電化社製プルロニックP103を水1360gに溶解
させ、35℃湯浴中で撹拌しながら、上記の活性シリカ
水溶液60gを添加した。さらに、0.015mol/
LのNaOH水溶液を20mL加える。この混合物のp
Hは7.5であった。このときの、水/P103の重量
比は289.1で、P103/SiO2 の重量比は1.
67である。この混合物を35℃で15分撹拌後、80
℃で静置し24時間反応させた。この溶液にエタノール
を所定量添加し限外ろ過装置を用いて非イオン界面活性
剤を除去し、SiO2 濃度約4重量%の透明な多孔性物
質のゾルを得た。この溶液中の試料の動的光散乱法によ
って測定される平均粒子径は60nmで換算比表面積は
45m2 /gであった。ゾルを、105℃で乾燥し多孔
性物質を得た。この試料のX線回折図には、明確なピー
クは見られなかった。この試料の平均細孔直径は8n
m、細孔容積は1.21mL/gであった。BET法に
よる窒素吸着比表面積は720m2 /gであり、換算比
表面積との差は675m2 /gであった。
【0020】〔吸着剤の高密度化〕静水圧プレス(CI
P)を用いて多孔性物質の凝集体を圧粉して、充填密度
の向上を行った結果を説明する。試料は、上記のゾルを
105℃で乾燥した多孔性物質を用いた。この粉末試料
を塩化ビニル製の袋に密閉して、静水圧プレスにより8
000kg/m2 の圧力で1分間プレスした。この試料
を乳鉢中で粉砕して、0.25mmおよび0.5mmの
篩を通すことにより、粒径を0.25〜0.5mmに揃
えた。この試料の体積および重量をメスシリンダーおよ
び重量計で測定することにより、充填密度を求めた。充
填密度は0.6g/mLであった。
【0021】〔水蒸気吸着等温線の測定〕水蒸気吸着等
温線は、水蒸気吸着装置BELSORP18(日本ベル
製)を用いて測定した。試料は上述した吸着剤、および
比較として粒径0.1〜0.15mm、充填密度0.7
g/mLの市販A型シリカゲルを用いた。測定は吸着-
脱着等温線を同じ試料について2回測定した。1回目の
吸・脱着等温線に大きなヒステリシスが見られたが、2
回目は小さくなった、これは、1回目の吸着により、こ
れら吸着剤の表面が水和されたためと思われる。2回目
の吸・脱着等温線を比較データとする。吸着−脱着等温
線を相対蒸気圧0.1〜0.95で測定したところ、上
述した多孔性物質の吸着剤は吸着/脱着サイクル時間が
15時間で比較のA型シリカゲルは24時間であった。
このことから、本発明の多孔性物質は吸着/脱着が早い
ことがわかる。
【0022】
【発明の効果】本発明の多孔性物質は、ヒートポンプ用
吸着剤の性能指標が良好で、特に吸着/脱着サイクル時
間が短い。この点からも吸着ヒートポンプの吸着剤とし
て有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動液体と、この作動液体の蒸気を吸着
    /脱着する吸着剤が配備された吸/脱着部と、吸/脱着
    部に連結された、作動液体の蒸発/凝縮をおこなう蒸発
    /凝縮部とを備えた吸着ヒートポンプにおいて、該吸着
    剤の一次粒子が非晶質でかつ孔の直径が均一な細孔を持
    つ無機質粒子からなり、動的光散乱法によって測定され
    る粒子の平均粒子径DL が10〜400nmであり、D
    L から求めた換算比表面積SL とBET法による粒子の
    窒素吸着比表面積SB との差S B −SL が250m2
    g以上である多孔性物質であることを特徴とする吸着ヒ
    ートポンプ。
  2. 【請求項2】 該多孔性物質の細孔の平均直径が1〜1
    0nmの範囲である請求項1に記載の吸着ヒートポン
    プ。
  3. 【請求項3】 該無機質が酸化ケイ素である請求項1ま
    たは2に記載の吸着ヒートポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006200850A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Japan Exlan Co Ltd 収着式熱交換モジュールおよびその製法

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