JP2003184978A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラニオン6の耐久性が低下する事を防止す
る。 【解決手段】 支持孔34の両端開口縁部のうちの、上
記トラニオン6の内側面側の開口縁部の断面形状を、非
円形とする。この為に、上記支持孔34の開口縁部のう
ちの、上記トラニオン6の幅方向両側部分に、それぞれ
逃げ面35、35を形成する。この結果、上記支持孔3
4に、ラジアルニードル軸受の外輪等を締まり嵌めで内
嵌する場合でも、この支持孔34の開口縁に損傷を生じ
にくくでき、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機は、例えば自動車用の自動変速機の変速ユニ
ットとして、或は各種産業機械用の変速機として、それ
ぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図7〜8に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が、一部
で行なわれている。このトロイダル型無段変速機は、例
えば実開昭62−71465号公報に開示されている様
に、入力軸1と同心に第一のディスクに相当する入力側
ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置された
出力軸3の端部に、第二のディスクに相当する出力側デ
ィスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納
めたケーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸
3に対し捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動
するトラニオン6、6が設けられている。
【0003】これら各トラニオン6、6の中間部に形成
した、支持孔に相当する円孔7(後述する図10参照)
には、変位軸8の基半部を支持している。そして、上記
各枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺
動させる事により、これら各トラニオン6、6の中間部
に支持した変位軸8の傾斜角度の調節を自在としてい
る。又、これら各トラニオン6、6にそれぞれの基半部
を支持された変位軸8のうちで、これら各トラニオン
6、6の内側面から突出した先半部の周囲に、それぞれ
パワーローラ9を回転自在に支持している。そして、各
パワーローラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク
2、4同士の間に挟持している。
【0004】これら入力側、出力側両ディスク2、4の
互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、
上記枢軸5を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近
い曲線を回転させて得られる凹面をなしている。そし
て、球状凸面に形成された各パワーローラ9、9の周面
9a、9aを、上記各内側面2a、4aに当接させてい
る。
【0005】前記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置10を設け、この押
圧装置10によって、上記入力側ディスク2を出力側デ
ィスク4に向け、弾性的に押圧している。上記押圧装置
10は、前記入力軸1と共に回転するカム板11と、保
持器12により保持された複数個(例えば4個)のロー
ラ13、13とから構成している。又、上記カム板11
の片側面(図7〜8の左側面)には、円周方向に関して
凹凸面であるカム面14を形成し、前記入力側ディスク
2の外側面(図7〜8の右側面)にも、同様のカム面1
5を形成している。そして、上記複数個のローラ13、
13を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中
心とする回転自在に支持している。
【0006】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、上記入力軸1の回転に伴ってカム板11が
回転すると、カム面14によって複数個のローラ13、
13が、入力側ディスク2の外側面に設けたカム面15
に押圧される。この結果、前記入力側ディスク2が、前
記複数のパワーローラ9、9に押圧されると同時に、上
記1対のカム面14、15と複数個のローラ13、13
の転動面との押し付け合いに基づいて、上記入力側ディ
スク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回
転が、上記各パワーローラ9、9を介して前記出力側デ
ィスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出
力軸3が回転する。
【0007】入力軸1と出力軸3との回転速度を変える
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6
を揺動させ、各パワーローラ9、9の周面9a、9aが
図7に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心
寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部
分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸8、8を傾斜さ
せる。
【0008】反対に、増速を行なう場合には、上記各ト
ラニオン6、6を揺動させ、上記各パワーローラ9、9
の周面9a、9aが図8に示す様に、入力側ディスク2
の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側
面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各
変位軸8、8を傾斜させる。各変位軸8、8の傾斜角度
を図7と図8との中間にすれば、入力軸1と出力軸3と
の間で、中間の変速比を得られる。
【0009】更に、図9〜10は、実願昭63−692
93号(実開平1−173552号)のマイクロフィル
ムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段変
速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク
4とは円管状の入力軸16の周囲に、それぞれニードル
軸受17、17を介して、回転及び軸方向の変位自在に
支持している。又、ローディングカム式の押圧装置10
を構成する為のカム板11は上記入力軸16の端部(図
9の左端部)外周面にスプライン係合し、鍔部18によ
って上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻
止されている。又、上記出力側ディスク4には出力歯車
19を、キー20、20により結合し、これら出力側デ
ィスク4と出力歯車19とが同期して回転する様にして
いる。
【0010】又、1対のトラニオン6、6の両端部は、
それぞれ1対のヨーク21、21に、揺動並びに軸方向
(図9の表裏方向、図10の左右方向)の変位自在に支
持している。そして、上記各トラニオン6、6の中間部
に形成した円孔7部分に、変位軸8の基半部8aを、ラ
ジアルニードル軸受30により、回転自在に支持してい
る。又、上記各トラニオン6、6の内側面から突出し
た、上記各変位軸8の先半部8bの周囲にパワーローラ
9を、ラジアルニードル軸受31により、回転自在に支
持している。尚、上記基半部8aと上記先半部8bと
は、互いに平行で且つ偏心している。
【0011】又、上記1対のトラニオン6、6毎に1本
ずつ設けた、1対の変位軸8、8は、上記入力軸16に
関し、180度反対側位置に設けている。又、これら各
変位軸8、8の先半部8bが基半部8aに対し偏心して
いる方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回
転方向に関して同方向(図10で左右逆方向)としてい
る。又、偏心方向は、上記入力軸16の配設方向に対し
てほぼ直交する方向としている。従って前記各パワーロ
ーラ9、9は、上記入力軸16の配設方向に若干の変位
自在に支持される。この結果、前記押圧装置10が発生
するスラスト荷重に基づく構成各部材の弾性変形等に起
因して、上記各パワーローラ9、9が上記入力軸16の
軸方向に変位する傾向となった場合でも、構成各部材に
無理な力を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0012】又、上記各パワーローラ9、9の外側面と
上記各トラニオン6、6の内側面との間には、上記パワ
ーローラ9の外側面の側から順に、スラスト玉軸受22
とスラストニードル軸受23とを設けている。このうち
のスラスト玉軸受22は、上記各パワーローラ9に加わ
るスラスト方向の荷重及び若干のラジアル方向の荷重を
支承しつつ、これら各パワーローラ9の回転を許容する
役目を有する。この様なスラスト玉軸受22はそれぞ
れ、複数個ずつの玉24、24と、これら各玉24、2
4を転動自在に保持する円環状の保持器25と、円環状
の外輪26とから構成している。又、上記各スラスト玉
軸受22の内輪軌道は上記各パワーローラ9の外側面
に、外輪軌道は上記各外輪26の内側面に、それぞれ形
成している。
【0013】又、上記スラストニードル軸受23は、上
記各トラニオン6、6の内側面と上記外輪26の外側面
との間に挟持している。この様なスラストニードル軸受
23は、上記各パワーローラ9から上記各外輪26に加
わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ
9及び外輪26が、前記各変位軸8の基半部8aを中心
として揺動変位する事を許容する。
【0014】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図10の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド27を結合
し、各駆動ロッド27の中間部外周面に駆動ピストン2
8を固設している。そして、これら各駆動ピストン28
を、それぞれ駆動シリンダ29内に油密に嵌装してい
る。
【0015】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の場合、入力軸16の回転は、押圧装置10を介して
入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、1対のパワーローラ9、9を介して
出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク
4の回転が、出力歯車19より取り出される。
【0016】入力軸16と出力歯車19との間の回転速
度比を変える場合には、上記1対の駆動ピストン28、
28を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピスト
ン28、28の変位に伴って前記1対のトラニオン6、
6が、互いに逆方向に変位し、例えば図10の下側のパ
ワーローラ9が同図の右側に、同図の上側のパワーロー
ラ9が同図の左側に、それぞれ変位する。この結果、こ
れら各パワーローラ9、9の周面9a、9aと前記入力
側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4a
との当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化す
る。そして、この力の向きの変化に伴って前記各トラニ
オン6、6が、前記ヨーク21、21に枢支された枢軸
5、5を中心として、互いに逆方向に揺動する。
【0017】この結果、前述の図7〜8に示した様に、
上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記各内
側面2a、4aとの当接位置が変化し、前記入力軸16
と出力歯車19との間の回転速度比が変化する。又、こ
れら入力軸16と出力歯車19との間で伝達するトルク
が変動し、構成各部材の弾性変形量が変化すると、上記
各パワーローラ9、9及びこれら各パワーローラ9に付
属の外輪26が、前記各変位軸8の基半部8aを中心と
して僅かに回動する。これら各外輪26の外側面と上記
各トラニオン6の内側面との間には前記各スラストニー
ドル軸受23が、又、上記各変位軸8の基半部8aの外
周面と円孔7の内周面との間には前記ラジアルニードル
軸受30がそれぞれ存在する為、上記回動は円滑に行な
われる。従って、上述の様に各変位軸8、8の傾斜角度
を変化させる為の力が小さくて済む。
【0018】ところで、上記各変位軸8、8の基半部8
aを支持するラジアルニードル軸受30として、図11
に示す様に、各トラニオン6に設けた円孔7に外輪32
を内嵌すると共に、この外輪32の内周面と上記基半部
8aの外周面との間に複数本のニードル33、33を設
けた構造が、従来から知られている。この様な構造の場
合には、上記外輪32を上記円孔7に、締まり嵌め、若
しくは、極めて小さな隙間で内嵌させる事が好ましい。
この理由は、上記外輪32の外周面と上記円孔7の内周
面との隙間が大きいと、ラジアルニードル軸受30aに
支持した各変位軸8が傾斜し、これら各変位軸8の先半
部8bに支持されたパワーローラ9の位置がずれ易くな
る為である。この様にパワーローラ9の位置がずれる
と、これら各パワーローラ9の周面9aと上記各ディス
ク2、4の内側面2a、4a(図7〜9参照)との接触
点が所定位置からずれて、変速動作が不安定になる可能
性がある。この様な理由から、上述の様にラジアルニー
ドル軸受30aの外輪32を、上記円孔7に締まり嵌め
で内嵌する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
ラジアルニードル軸受30aを構成する外輪32を、ト
ラニオン6に設けた円孔7に締まり嵌めで内嵌する場
合、この円孔7に損傷が生じる可能性がある。即ち、上
記外輪32を上記円孔7に内嵌する際、この円孔7の開
口縁や内周面等がこの外輪32の外周面にこじられて
(抉られて)、この円孔7の開口縁や内周面に欠け等の
損傷が生じる可能性がある。この様な損傷は、上記外輪
32が上記円孔7に対し傾斜した状態で圧入される場合
等に生じ易い。そして、この様な損傷が、上記円孔7の
開口縁及び内周面のうちの、上記トラニオン6の幅方向
に関する両端部分に生じた場合に、このトラニオン6の
耐久性が低下する可能性がある。この点について、以下
に詳述する。
【0020】即ち、トロイダル型無段変速機の運転時
に、上記各トラニオン6の内側面側に支持されたパワー
ローラ9には、入力側、出力側両ディスク2、4の内側
面2a、4a(図7〜9参照)から、大きなスラスト荷
重が加わる。そしてこのスラスト荷重は、スラスト玉軸
受22及びスラストニードル軸受23を介して上記各ト
ラニオン6の内側面に伝達される。従って、トロイダル
型無段変速機の運転時に上記各トラニオン6は、図12
に誇張して示す様に、内側面側が凹面となる方向に、僅
かとは言え弾性変形する。そして、この様にトラニオン
6が弾性変形すると、このトラニオン6に設けた円孔7
の断面形状が、図13に鎖線で誇張して示す様に、楕円
形に変形する。この様に円孔7の断面形状が楕円形に変
形すると、この図13に矢印の長さで応力の大きさを示
す様に、この円孔7の開口縁及び内周面のうちの、上記
トラニオン6の幅方向に関する両端部分、即ち楕円の短
径となる部分の近傍に大きな応力が加わる。そして、こ
の様な大きな応力が加わる部分に、上述した様に欠け等
の小さな損傷が存在した場合、この損傷が亀裂等の大き
な損傷に成長して、上記トラニオン6の耐久性が低下す
る可能性がある。本発明のトロイダル型無段変速機は、
この様な事情に鑑みて、トラニオンの耐久性が低下する
事を防止すべく発明したものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のトロイダル型無
段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル
型無段変速機と同様に、内側面同士を対向させた状態
で、互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第
二のディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸
に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数
個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突
出した、これら各トラニオン毎に1本ずつの変位軸と、
これら各変位軸に回転自在に支持された状態で、上記両
ディスクの内側面同士の間に挟持された、上記各トラニ
オン毎に1個ずつのパワーローラとを備える。そして、
上記トラニオンに形成した支持孔に上記変位軸の基半部
を、回転自在に支持している。
【0022】特に、本発明のトロイダル型無段変速機に
於いては、上記支持孔の少なくとも一端側開口縁部の断
面形状を非円形とし、この非円形部分の内径のうちの上
記トラニオンの幅方向に関する内径を、このトラニオン
の長さ方向に関する内径よりも大きくしている。又、必
要に応じて、上記支持孔の一端側開口縁部の断面形状を
楕円形としたり、曲率半径の異なる複数の円弧から成る
複合円形としたりする。
【0023】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機の場合には、前述した従来のトロイダル型無段変
速機と同様の作用により、第一、第二の両ディスク同士
の間で回転力の伝達を行ない、又、これら両ディスクの
回転速度の比を調節する。特に、本発明のトロイダル型
無段変速機の場合には、パワーローラを支持するトラニ
オンの耐久性が低下する事を防止できる。即ち、このト
ラニオンに設けた支持孔の少なくとも一端開口縁部の断
面形状を非円形としている為、この支持孔に、ラジアル
ニードル軸受を構成する外輪を締まり嵌めで内嵌する場
合でも、この支持孔の開口縁や内周面に損傷を生じにく
くできる。より具体的には、この支持孔の非円形部分の
内径のうちの上記トラニオンの幅方向に関する内径を、
このトラニオンの長さ方向に関する内径よりも大きくし
ている為、上記外輪を上記支持孔に挿入する際に、この
支持孔の開口縁や内周面のうちの上記トラニオンの幅方
向に関する両端部分が損傷しにくくなる。この様に大き
な応力が加わる部分が損傷しにくい為、トロイダル型無
段変速機の運転時に上記パワーローラから加わる荷重に
より上記トラニオンが変形しても、このトラニオンの耐
久性が低下する事を防止できる。しかも、上述の様に支
持孔の一端側開口縁部の非円形部分は、上記トラニオン
の幅方向に関する内径のみを大きくすれば良い。従っ
て、この非円形部分を形成する事に伴う上記トラニオン
の強度低下を無視できる程僅少に抑える事ができる他、
上記パワーローラを支持する変位軸が上記トラニオンの
長さ方向にがたつき(傾斜し)易くなる事もない。従っ
て、トロイダル型無段変速機の運転時に、変速動作が不
安定になる事も防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜2は、請求項1に対応す
る、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本
発明の特徴は、トラニオン6に設けた支持孔34にラジ
アルニードル軸受30aを構成する外輪32(図11参
照)を内嵌する際に、この外輪32により上記支持孔3
4の開口縁部に欠け等の損傷が生じるのを防止する為の
構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図
7〜11に示した構造を含め、従来から知られているト
ロイダル型無段変速機の場合と同様である。よって、同
等部分に関する重複する図示並びに説明は、省略若しく
は簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明す
る。
【0025】本発明のトロイダル型無段変速機を構成す
るトラニオン6に設けた支持孔34は、少なくとも一端
側開口縁部の断面形状を非円形とし、この非円形部分の
内径のうちの、上記トラニオン6の幅方向に関する内径
1 を、このトラニオン6の長さ方向に関する内径d2
よりも大きくしている。即ち、本例の場合、上記支持孔
34の軸方向内端側(パワーローラ設置側で、図1の表
裏方向手前側、図2の左右方向左側)開口縁部の断面形
状、言い換えれば、この支持孔34の両端開口縁部のう
ちの上記トラニオン6の内側面側の開口縁部の断面形状
を、非円形としている。そして、この様に開口縁部の断
面形状を非円形にすべく、この支持孔34の開口縁部の
うちの、上記トラニオン6の幅方向に関して互いに対向
する部分に、それぞれ逃げ面35、35を形成してい
る。
【0026】これら各逃げ面35、35は、それぞれが
上記支持孔34の軸方向内端側に向かう程内径の大きく
なる方向に傾斜した、部分円すい凹面状であり、上記支
持孔34の開口縁のうちの、上記トラニオン6の長さ方
向に関する両端部分を除いた、このトラニオン6の幅方
向に関する両端部分に形成している。又、これら各逃げ
面35、35の開口縁の曲率半径rを、上記トラニオン
6の長さ方向に関する内径d2 の半分(d2 /2)より
も小さく(r<d2 /2)すると共に、それぞれの曲率
中心O´、O´を、上記支持孔34を構成する円孔部分
の中心Oよりも外径側としている。
【0027】そして、この様な逃げ面35、35を上記
支持孔34の開口縁部に形成する事により、この支持孔
34の開口縁部の内径のうちの、上記トラニオン6の幅
方向に関する内径d1 を、このトラニオン6の長さ方向
に関する内径d2 よりも大きくしている。尚、上記支持
孔34は、上記各逃げ面35、35を形成した内端開口
縁部以外の部分は、内径がd2 の円孔としている。又、
この支持孔34にラジアルニードル軸受30aを構成す
る外輪32(図11参照)を内嵌する際には、この外輪
32を上記支持孔34の軸方向内端側から外端側(図2
の左側から右側)に向けて押し込む。
【0028】上述の様な本例のトロイダル型無段変速機
を構成するトラニオン6の場合には、耐久性が低下する
事を防止できる。即ち、このトラニオン6に設けた支持
孔34の内端開口縁部の断面形状を非円形としている
為、この支持孔34に、ラジアルニードル軸受30aを
構成する外輪32を締まり嵌めで内嵌する場合でも、こ
の支持孔34の開口縁に欠け等の損傷を生じにくくでき
る。より具体的には、この支持孔34の非円形部分の内
径のうちの上記トラニオン6の幅方向に関する内径d1
を、このトラニオン6の長さ方向に関する内径d2 より
も大きくしている為、上記外輪32を上記支持孔34に
締り嵌めで圧入する際に、この支持孔34の開口縁のう
ちの上記トラニオン6の幅方向に関する両端部分が損傷
しにくくなる。この結果、トロイダル型無段変速機の運
転時にパワーローラ9(図7〜11参照)から加わる荷
重により上記トラニオン6が変形しても、大きな応力が
加わる部分である、上記幅方向両端部分に、組立時に生
じた損傷に基づくより大きな損傷が生じにくくなる。こ
の為、上記トラニオン6の耐久性が低下する事を防止で
きる。しかも、上述の様に支持孔34の非円形部分は、
上記トラニオンの幅方向に関する内径d1 のみを大きく
している為、この非円形部分を形成する事に伴う上記ト
ラニオン6の強度低下を、無視できる程僅少に抑えられ
る。更には、上記パワーローラ9を支持する変位軸8
が、上記トラニオン6の長さ方向にがたつき(傾斜し)
易くなる事もない。従って、トロイダル型無段変速機の
運転時に、変速動作が不安定になる事も防止できる。
【0029】次に、図3〜4は、同じく請求項1に対応
する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例
の場合には、支持孔34aの両端開口縁部のうちの、ト
ラニオン6の外側面側(パワーローラを設置するのと反
対側で、図3の表裏方向裏側、図4の左右方向右側)の
開口縁部に逃げ面35、35を設ける事により、この支
持孔34aの外端側開口縁部分の断面形状を非円形とし
ている。又、この非円形部分の内径のうちの、上記トラ
ニオン6の幅方向に関する内径d1 を、このトラニオン
6の長さ方向に関する内径d2 よりも大きくしている。
又、上記支持孔34aは、上記各逃げ面35、35を形
成した開口縁部以外の部分を、内径がd 2 の円孔として
いる。そして、この支持孔34aにラジアルニードル軸
受30aを構成する外輪32(図11参照)を内嵌する
場合には、この外輪32をこの支持孔34の軸方向外端
側から内端側(図4の右側から左側)に向けて押し込
む。その他の構成及び作用は、前述した第1例と同様で
あるから、重複する説明は省略する。
【0030】次に、図5は、請求項1〜2に対応する、
本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合
には、支持孔34bの断面形状を、この支持孔34bの
軸方向全体に亙って非円形としている。即ち、この支持
孔34bの断面形状を、トラニオン6の幅方向に関する
内径d1 を長径とし、このトラニオン6の長さ方向に関
する内径d2 を短径とした、楕円形としている。この様
な本例の場合は、上記支持孔34bの断面を軸方向全体
に亙って楕円形としている為、この支持孔34bにラジ
アルニードル軸受30aを構成する外輪32(図11参
照)を締まり嵌めで内嵌する場合でも、この支持孔34
bの開口縁のうちで上記トラニオン6の幅方向両端部分
に欠け等の損傷を生じにくくできる他、この支持孔34
bの内周面のうちで上記トラニオン6の幅方向両端部分
に、擦り傷等の損傷を生じにくくできる。又、上記外輪
32を上記支持孔34b挿入する方向も規制されない
(内側からでも外側からでも良い)為、組み付け作業の
自由度が向上する。その他の構成及び作用は、前述した
第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
【0031】次に、図6は、同じく請求項1〜2に対応
する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例
の場合も、上述した実施の形態の第3例の場合と同様
に、支持孔34cの断面形状を、この支持孔34cの軸
方向全体に亙って非円形としている。但し、本例の場合
は、この支持孔34cの断面形状を、曲率半径の異なる
複数の円弧から成る複合円形としている。即ち、上記支
持孔34cの断面形状を、上記トラニオン6の長さ方向
に関する内径d2 の1/2を曲率半径r2 とする円弧
と、この円弧の曲率中心Oよりも外径側にそれぞれの曲
率中心O´、O´を有し、上記曲率半径r2 よりも小さ
い曲率半径r1 の円弧とから成る、複合円形としてい
る。その他の構成及び作用は、上述した第3例と同様で
あるから、重複する説明は省略する。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、変速動作が安定する構造で、しかも組立時に
生じる損傷を防止して、この様な損傷に基づくトラニオ
ンの耐久性低下を防止できるトロイダル型無段変速機を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を、トラニオンの
みを取り出して内側面から見た状態を示す図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同
様の図
【図4】図3のB−B断面図。
【図5】本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と同
様の図
【図6】同第4例を示す、図1と同様の図
【図7】従来から知られているトロイダル型無段変速機
の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図8】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図9】従来の具体的構造の第1例を示す断面図。
【図10】図9のC−C断面図。
【図11】従来の具体的構造の第2例を示す、図10の
下半部に相当する図。
【図12】運転時に於けるトラニオンの弾性変形状態を
誇張して示す、図11と同方向から見た断面図。
【図13】一部を切断して示す、図11の上から見た
図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 円孔 8 変位軸 8a 基半部 8b 先半部 9 パワーローラ 9a 周面 10 押圧装置 11 カム板 12 保持器 13 ローラ 14 カム面 15 カム面 16 入力軸 17 ニードル軸受 18 鍔部 19 出力歯車 20 キー 21 ヨーク 22 スラスト玉軸受 23 スラストニードル軸受 24 玉 25 保持器 26 外輪 27 駆動ロッド 28 駆動ピストン 29 駆動シリンダ 30、30a ラジアルニードル軸受 31 ラジアルニードル軸受 32 外輪 33 ニードル 34、34a、34b、34c 支持孔 35 逃げ面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側面同士を対向させた状態で、互いに
    同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二のディス
    クと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れ
    の位置にある枢軸を中心として揺動する複数個のトラニ
    オンと、これら各トラニオンの内側面から突出した、こ
    れら各トラニオン毎に1本ずつの変位軸と、これら各変
    位軸に回転自在に支持された状態で、上記両ディスクの
    内側面同士の間に挟持された、上記各トラニオン毎に1
    個ずつのパワーローラとを備え、上記トラニオンに形成
    した支持孔に上記変位軸の基半部を、回転自在に支持し
    たトロイダル型無段変速機に於いて、上記支持孔の少な
    くとも一端側開口縁部の断面形状を非円形とし、この非
    円形部分の内径のうちの上記トラニオンの幅方向に関す
    る内径を、このトラニオンの長さ方向に関する内径より
    も大きくした事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 支持孔の断面形状が楕円形である、請求
    項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 支持孔の断面形状が、曲率半径の異なる
    複数の円弧から成る複合円形である、請求項1に記載し
    たトロイダル型無段変速機。
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