JP2003184319A - 建築物の改築方法 - Google Patents

建築物の改築方法

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JP2003184319A JP2001381621A JP2001381621A JP2003184319A JP 2003184319 A JP2003184319 A JP 2003184319A JP 2001381621 A JP2001381621 A JP 2001381621A JP 2001381621 A JP2001381621 A JP 2001381621A JP 2003184319 A JP2003184319 A JP 2003184319A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の建築物の階高を調整する際に、既存の
床構造等を解体する労力をなくして工期の短縮を図ると
ともに、大量の廃棄物を出さないようにする。 【解決手段】 建築物1は、複数の階を有し、その床構
造13Bを下降させて階高を変更する。このとき、柱部
材16,16…に支持されている床構造13Bを柱部材
16,16…から切断する。切断された床構造を、吊持
装置30で吊るしながら下降させる。下降させた後の床
構造13Bは、床構造13Aに設けた支持装置により支
持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存の建築物を改
築する方法および改築された建築物に係り、特に、既存
の建築物の用途を変更する際、階高の調整を容易に行う
ことができるようにした既存建築物の改築方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高層ビルなどの建築物は、たとえば10
0年などの長期間にわたって使用される場合がある。こ
のように長期間使用される建築物は、その間の所有者や
使用者が変わることが少なくない。たとえば、住宅とし
て使用されていた建築物の一部がホテルとして用いられ
ることがある。このような場合、その用途等に応じて、
建築物内の階高を変更して調整することが要求される。
【0003】このような要求に対して、従来において
は、たとえば、階高の変更が求められる階の大梁・小梁
・スラブからなり、建物の構造躯体に固定された床構造
をすべて小片に解体し、建築物の外部に搬出するととも
に、別途新しく床構造を構築する改築方法を用いてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の改
築方法では、既存の床構造を小片に解体するので、その
解体のために多大な労力を要し、この解体作業が工期短
縮の妨げとなることがあった。また、既存建築物に存在
していた床構造を小片に解体して建築物の外部に搬出し
て廃棄していたため、改築を行う際に大量の廃棄物が発
生するものであった。さらには、新しい床構造を構築す
る必要があるので、その分の材料が必要となるものであ
った。
【0005】そこで、本発明の課題は、既存の建築物
を、たとえば用途の変更を行うためにその階高を調整す
る際に、既存の床構造等を解体する労力をなくして工期
の短縮を図るとともに、大量の廃棄物を出さないように
し、さらには、新たに床構造を構築するための材料が少
なくて済むようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、複数階を有する建築物における構造躯体に支持さ
れた床構造を構造躯体から切断し、切断された床構造を
高さ方向に移動させ、前記構造躯体に固定する既存建築
物の改築方法である。
【0007】このように、既存建築物を改築する際、構
造躯体から切断された床構造を廃棄することなく、その
まま高さ方向に移動、すなわち上昇または下降させて、
他の用途、たとえば改築後における建築物の新たな部材
として再利用する。こうすることにより、構造躯体から
切断された床構造を廃棄することなく、再利用すること
ができるので、床構造を小片に解体する必要がなくな
り、その結果として工期短縮に寄与し、さらに廃棄物の
発生を抑制することができる。また、新しい床構造を構
築するための新たな材料が不要となる。
【0008】また、本発明では、移動した床構造を、支
持装置によって支持するのが好適である。
【0009】移動した床構造を支持装置によって支持す
ることにより、移動後の床構造を安定した状態で支持す
ることができる。
【0010】さらに、本発明は、床構造を高さ方向に移
動させるにあたり、移動対象となる床構造を、その直上
に位置する床構造に設けられた吊持装置によって吊持し
ながら移動させるのが好適である。
【0011】吊持装置によって床構造を吊持しながら移
動させることにより、安定した状態で床構造を移動させ
ることができる。
【0012】また、移動対象となる床構造を、柱部材に
取り付けられた吊持装置で吊持しながら移動させてもよ
いし、その直下に位置する床構造に設けられた下方支持
部材で支持しながら移動させてもよい。
【0013】さらに、下方支持部材は、高さ方向に分割
された仮受け支柱と、前記移動対象となる床構造を下方
から支持するジャッキと、を備える態様とするのが好適
である。
【0014】また、移動した床構造を、改築後における
建築物の床構造として用いるのが好適である。
【0015】移動前において床構造として用いられてい
た部材を、そのまま改築後の床構造として用いることに
より、資材を有効利用することができる。しかも、床構
造は、改築前においては、床構造として好適な状態で製
造されているものであるため、改築後においても、その
まま利用することができる。
【0016】ここで、床構造を移動させ、他の階におけ
る床構造との間で狭まったスペースを、床下スペースま
たは天井スペースとするのが好ましい。
【0017】たとえば、床構造を移動させて階高を広げ
ると、移動させた床構造と既存の床構造との間の幅が非
常に狭くなり、たとえば居住空間としては利用できなく
なる場合がある。このような場合には、狭くなった床構
造同士の間は、床下スペースまたは天井スペースとし
て、配管類や配線の引き回し空間として利用することが
できる。よって、無駄な空間を生じさせないようにする
ことができる。また、この空間は遮音空間としても利用
することができる。
【0018】ここで、支持装置が耐震構造を備えるのが
好適である。
【0019】支持装置が耐震構造を備えることにより、
たとえば改築にあたって床構造を切断した際にも、耐震
強度を高い状態に保っておくことができる。
【0020】この耐震構造としては、振動吸収装置を有
し、移動した床構造をマスダンパのマスとして用いるこ
とができる。
【0021】床構造は、比較的大きな重量を有するの
で、この重量を利用することにより、マスダンパのマス
として機能させることができる。
【0022】他方、切断された前記床構造を固定するま
での間、仮補強装置を設けておくのが好適である。
【0023】床構造を切断したとき、建築物全体として
の強度が低下し、たとえば建築物の一部を改築する際
に、改築を行わない階も利用できなくなることが考えら
れる。これに対して、床構造が切断されて強度が低下し
ている間は、別途仮補強装置を設けておくことにより、
改築を行わない階を利用したままで建築物の改築を安全
に行うことができる。また、その仮補強装置は、改良し
て、改築後の建築物にそのまま利用することもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一要
素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略
する。
【0025】図1は、本発明の一実施形態に係る建築物
を示す図であり、(a)は改築前、(b)は改築後の状
態を示す正面図である。
【0026】図1(a)に示す改築前における建築物1
は、たとえば高層ビルであり、もっぱら住宅として利用
されるものである。その1階部分には住宅の出入口ロビ
ー11が設けられており、その上層階には、住宅フロア
12A、12B…、12Zが設けられている。建築物1
では、出入口ロビー11の部分の階高が、他の階の住宅
フロア12A、12B…よりやや高めに設定されてお
り、他の階は一様に同じ高さに設定されている。
【0027】この建築物1を改築し、改築後は図1
(b)に示すように、住宅とホテルの兼用の建築物2と
する。改築後の建築物2は、改築前に住宅用の出入口ロ
ビー11として利用されていた部分を分割し、一方を住
宅用出入口11Aとし、他方をホテル用出入口21とし
て利用する。また、N階にある住宅フロア12N以下の
低層階層は、改築前と同様に住宅用として利用し、(N
+1)階以上の住宅フロア12N+1、…12Zをホテ
ル用に改築する。
【0028】改築された後は、ホテルとされる階層のう
ちの最下階に、2フロアにわたってホテル用のパブリッ
ク部22A,22Bを設け、その上方の階に客室フロア
23A,23B,…23Kを設ける。パブリック部22
A,22Bの階高は、他の客室フロアの階高よりも若干
高く設定され、他の階の客室フロア23A,23B,…
23Kの階高は、一様に同じであり、その高さは改築前
における建築物1の住宅フロア12A〜12Zと同じ高
さに設定されている。本実施形態においては、改築前に
は住宅として利用されていた12(N+1)〜12(N
+3)階の住宅フロア12N+1〜12N+3を、改築
によりパブリック部22A,22Bとして利用するため
に、その階高を高くする。以下、その改築方法の手順に
ついて説明する。
【0029】図2は、改築前および改築後における建築
物の改築部分の拡大正面断面図である。
【0030】図2(a)に示すように、各フロア12N
+1〜12N+3には、それぞれ床構造13A〜13C
が設けられており、床構造13A〜13Cは、それぞれ
梁14A〜14C、およびスラブ15A〜15Cを備え
ている。床構造13Cの上方には、同様の床構造13D
が設けられている。また、図3に示すように、建築物1
は、水平方向に離間して設けられた構造躯体の一部であ
る複数の柱部材16,16…を備えており、いわゆるラ
ーメン構造をなしている。本実施形態では、柱部材1
6,16…は、縦方向および横方向に一定の間隔で設置
されている。さらに、床構造13は、柱部材16,16
に対して同様に取り付けられており、複数の梁14,1
4…は、破線で示すように、柱部材16,16…に対し
て支持される形で取り付けられている。梁14,14…
の上方には、梁14,14…に支持される形でスラブ1
5が設けられている。スラブ15は、柱部材16,16
…を除いた位置において、梁14,14…における上方
空間の全体を覆うようにして設けられている。パブリッ
ク部22A,22Bを設けるために、図2(b)に示す
ように、各フロアのうち、内側のフロア12N+1,1
2N+2の床構造13B,13Cをそれぞれ下降させ
る。こうして、パブリック部22A,22Bを形成す
る。
【0031】次に、床構造13B,13Cを下降させる
手順について、下側の床構造13Bを例にして説明す
る。床構造13Bを下降させる際には、図4に示すよう
に、まず、床構造13Bを吊持装置としての吊り治具3
0で吊るす。ここで、吊り治具30について説明する
と、吊り治具30は、移動対象となる床構造13Bの直
上に位置する床構造13Cに載置される吊り材31を備
えている。吊り材31は、ベース31A、支持台31
B、およびブラケット31C,31Cを備えている。ベ
ース31Aは、支持台31B上に載置されており、その
側部が若干突出するようにして支持されている。このベ
ース31Aにおける突出した両側の位置の下側に、それ
ぞれブラケット31C,31Cが設けられている。ブラ
ケット31C,31Cには、フック部材32,32を介
して吊りワイヤ33,33が吊るされており、吊りワイ
ヤ33,33には、電動チェーンブロック34,34が
吊持されている。電動チェーンブロック34には、フッ
ク部材が取り付けられており、このフック部材が吊りワ
イヤ33に掛けられることによって吊持されている。電
動チェーンブロック34内には、図示しないチェーン巻
き上げ装置およびモータが設けられており、本体下方位
置における両側からはそれぞれチェーン35が吊るされ
ている。そして、モータを駆動することにより、電動チ
ェーンブロック34,34から巻き出されるチェーン3
5,35の巻き出し、および巻き上げを行い、巻き出し
量の調整を行うことができるようになっている。チェー
ン35,35の下方には、それぞれフック部材36,3
6が取り付けられており、フック部材36,36には、
吊りワイヤ37の両端部が吊るされている。
【0032】一方、下降対象となる床構造13Bにおけ
る梁14Bには、固定部材38が取り付けられている。
固定部材38は、上方が開口した断面コ字形状を有して
おり、固定用ケミカルアンカーが打ち込まれることによ
り、梁14Bに対して固定されている。固定部材38の
下方両端部には、それぞれブラケットを介して回転ロー
ラ39,39が回転可能に枢支されている。
【0033】この回転ローラ39,39に対して、フッ
ク部材36,36に両端部をそれぞれ吊るされている吊
りワイヤ37の中央部が巻き掛けられている。また、電
動チェーンブロック34,34には、それぞれ配線L,
L…を介して集中コントロールボックスCBに接続され
ている。そして、集中コントロールボックスCBからの
操作信号により、電動チェーンブロック34,34を作
動させ、チェーン35,35の巻き出し量を調整するこ
とができるようになっている。
【0034】床構造13Bの下降作業を始める際には、
上側の床構造13Cのスラブ15Cにおける梁14C,
14C…を跨ぐ位置に、貫通孔H,H…をそれぞれ形成
する。それとともに、移動される床構造13Bにおける
梁14B,14Bの両側にも、貫通孔H,Hを形成す
る。次に、梁14B,14Bを跨ぐ位置に、それぞれ吊
り治具30における吊り材31を載置する。続いて、ブ
ラケット31C,31Cに吊るされた吊りワイヤ33,
33をそれぞれ貫通孔H,Hに通し、その吊りワイヤ3
3,33の下端部にそれぞれ電動チェーンブロック3
4,34を吊るす。さらに、電動チェーンブロック3
4,34から巻き出されるチェーン35,35の下端部
に、フック部材36,36を吊りワイヤ37を吊るす。
この吊りワイヤ37は、移動される床構造13Bに形成
された貫通孔H,Hに通しておく。そして、この吊りワ
イヤ37の下端部中央位置を固定部材38における回転
ローラ39,39に巻き掛ける。こうして、床構造13
Bは、吊り治具30で吊持可能な状態とされる。
【0035】ここまでの準備が済んだら、床構造13B
を柱部材16,16…から切断する。床構造13Bは、
図3に示すように、すべての柱部材16,16…の周囲
の切断位置C,C…で切断される。床構造13Bが柱部
材16,16…から切断されることにより、床構造13
Bの重量は、図4に示す吊り治具30,30…に掛か
る。吊り治具30では、床構造13Bの重量を支えなが
ら、床構造13Bを所定の距離下降させる。
【0036】床構造13Bを下降させる際には、集中コ
ントロールボックスCBを操作することにより、すべて
の吊り治具30,30…における電動チェーンブロック
34,34…からチェーン35,35…を同じ長さで巻
き出していく。すると、チェーン35,35…が巻き出
される長さの半分の長さ分、床構造13Bが徐々に下降
する。こうして、図4に仮想線(二点鎖線)で示すよう
に、所定の高さ位置まで床構造13を下降させた時点
で、各電動チェーンブロック34,34…からのチェー
ン35,35…の巻き出しを終了させる。このようにし
て、床構造13Bの下降が終了する。
【0037】床構造13Bを下降させたら、下降した床
構造13Bを、パブリック部22Aの床構造として利用
するために、支持装置によって支持する。この支持装置
について説明する。図5は、下降した床構造13Bを支
持する支持装置40の側断面図である。図5に示すよう
に、支持装置40は、耐震構造を備えており、床構造1
3Aの側方において、床構造13Bと柱部材16の間に
介設される振動吸収装置41を有している。この振動吸
収装置41は、たとえばゴムまたはバネなどの振動調整
部材を備えており、主に床構造13Bの振動を吸収す
る。また、床構造13Bの側部における床構造13Bと
その下側に配設された床構造13Aの間に、振動吸収装
置42が介設されている。この振動吸収装置42も、た
とえはゴムまたはバネなどの振動調整部材を備えてお
り、床構造13Bの振動を吸収する。したがって、振動
吸収装置41,42支持される床構造13Bがマスダン
パのマスとなってマスダンパと同様に機能するものとな
る。さらに、振動吸収装置42は、レベル43を介して
下側の床構造13Cに載置されている。レベル43は、
板厚の薄い複数の板材からなり、この板材の枚数を適宜
変更調整することにより、その高さを設定することがで
きる。したがって、このレベル43における板材の数を
調整することにより、移動した床構造13Aとその下側
における床構造13Cとの間の離間距離を調整すること
ができる。
【0038】また、床構造13Aにおける幅方向のほぼ
中央位置には、オイルダンパ44が設けられている。オ
イルダンパ44は、移動した床構造13Aにおける下方
に突設されたブラケット45にその一端を固定支持さ
れ、下側の床構造13Cの上方に突設されたブラケット
46にその他端を固定支持されている。さらに、移動し
た床構造13Aにおける上方位置には、耐震壁47が設
けられている。なお、この耐震壁に代えて、ブレースを
用いることもできる。このように、支持装置40が耐震
構造を備えていることにより、床構造切断に伴う耐震性
能の低下を補い、かつ、工期短縮、コスト低減などに寄
与することができる。
【0039】このようにして、下側の床構造13Bを下
降し支持する作業が済んだら、上側の床構造13Cの下
降作業を行う。上側の床構造13Cの下降作業を行う際
には、その上側の床構造13Dに吊り治具30を取り付
け、床構造13Bを下降させたときに行った作業をと同
じ作業を行う。このようにすることにより、上側の床構
造13Cの下降作業を行うことができる。
【0040】下降した床構造13Cは、床構造13Bと
同様、支持装置によって支持されるが、ここでは、図5
に示す耐震構造を備える支持装置50が用いられる。支
持装置50は、柱部材16に取り付けられたブラケット
51を有する。このブラケット51上には、レベル52
が載置され、レベル52の上には、振動吸収装置53が
載置されている。また、床構造13Cと柱部材16の間
にも振動吸収装置54が設けられている。レベル52
は、上記のレベル43と同様に、板厚の薄い複数の板材
からなり、この板材の枚数を適宜変更調整することによ
り、その高さを設定することができる。また、振動吸収
装置53,54は、それぞれ上記の振動吸収装置42,
41と同様にゴムまたはバネなどの振動調整部材を備え
ており、床構造13Cの振動を吸収するものである。こ
のように、支持装置50が耐震構造を備えることによ
り、床構造切断に伴う耐震性能の低下を補い、かつ、工
期短縮、コスト低減などに寄与することができる。
【0041】こうして、床構造13B,13Cを移動さ
せることにより、床構造13Bをパブリック部22A,
22Bのそれぞれの床構造として利用することができる
とともに、改築前は住宅フロアとして利用されていた階
の階高を高くして、ホテルパブリックとして好適な高さ
にすることができる。
【0042】ところで、床構造13Bを下降させた結
果、図2に示すように、床構造13A,13Bの間のス
ペースSは、非常に狭くなってしまい、住宅やホテル客
室、あるいはホテルパブリック等としては利用すること
ができないものとなってしまう。このスペースを有効活
用するために、床構造13A,13B間は、たとえばパ
ブリック部22Aの床下スペースまたは住宅フロア12
Nの天井スペースとして利用することができる。スペー
スSを床下スペース等として利用する際には、たとえば
設備配管や設備ダクトをスペースSに設けることができ
る。また、厨房排水口を設けたり、グリーストラップを
設けたりすることもできる。さらには、スペースSを音
の緩衝空間として利用してもよい。特に、パブリック部
22Aは利用者が多く、防音設備が要求されるものとな
る可能性が高いので、音の緩衝空間として用いられるの
が好適である。
【0043】このように、本実施形態においては、床構
造を柱部材から切断した後、下降させて建築物の改築を
行い、改築後の床構造として再利用するので、新たな床
構造を形成するための材料の削減および廃棄物の発生の
防止をすることができる。
【0044】ところで、上記実施形態では、床構造13
B,13Cを切断してから、これらを支持装置40,5
0で支持する前は、耐震機能について特に考慮されてい
ないが、床構造を切断している間の耐震機能を向上させ
ることもできる。床構造を切断している間の耐震機能を
向上させた改築方法の例について、図6および図7を用
いて説明する。ここでは、床構造を1つだけ下降させる
例で説明する。
【0045】図6(a)に示すように、建築物1におけ
る床構造13Bを切断して下降させる際、その上の床構
造13Cと床構造13Bの間にブレース61,61を設
ける。このブレース61,61の下方位置の両側と柱部
材16,16の間に、オイルダンパ62,62を介在さ
せておく。平面視した状態では、図6(b)に示すよう
に、4つのブレース61,61…をコ字形状に配置し、
それらのブレース61,61…と柱部材16,16…の
間にオイルダンパ62,62…を介在させて、仮補強装
置としての仮耐震構造63を構成する。このような仮耐
震構造63,63を対称位置に2つ設けておく。こうし
て、床構造13Bが切断されたときに対する耐震補強を
行っておく。この耐震補強を行ったら、上記の実施形態
で示した吊り治具を用いて床構造13Bを吊持した後、
床構造13Bを切断位置C,C…で切断し、吊り治具で
床構造13Bを下降させる。
【0046】床構造13Bを所定の高さ位置まで下降さ
せたら、図5の支持装置40の振動吸収装置41,42
およびレベル43にて、床構造13Bを床構造13Aで
支持する。また、図7(a)に示すように、床構造13
Bと床構造13Aの間に新たにオイルダンパ64,64
を設ける。オイルダンパ64の取り付けが終わったら、
ブレース61,61の下方位置に、新たにブレース6
5,65を取り付けて、床構造13Bの補強を行う。オ
イルダンパ64は、図7(b)に示すように、ブレース
61,61…が設けられている位置の下方に設けられ
る。オイルダンパ64およびブレース65,65を取り
付けたら、最初に取り付けたオイルダンパ62を除去す
る。こうして、改築が行われるとともに、改築後の耐震
構造66が構成される。
【0047】このように、移動する床構造が切断された
ときに対する仮耐震構造を設けておくことにより、建築
物を改築する際にも、十分な耐震強度を得ることができ
る。したがって、改築が不要な部分、上記の例では、改
築が行われない階層の住宅の居住者は、そのまま住宅を
利用しながら、改築工事を行うことができる。しかも、
仮耐震構造を設けておくことにより、工事により生じる
振動や騒音を軽減することもできる。
【0048】さらに、本発明に係る改築方法は、上記の
いわゆるラーメン構造を有する建築物のみならず、たと
えば図8および図9に示すような建築物25にも用いる
ことができる。この建築物25は、平面視した中央位置
に、建築物25の高さ方向のほぼ全体にわたって平断面
がH型であり、建物の構造躯体の一部をなすコア壁部2
6が設けられており、コア壁部26の上方には大型梁2
7が設けられている。また、建築物25の外周部には、
高さ方向のほぼ全体にわたって外周柱28,28…が設
けられている。これらの間に、小梁とスラブを備え、ま
たはスラブのみを備える床構造29,29…が、高さ方
向に所定の間隔をおいて形成されているものである。こ
のような建築物25において、床構造29の高さ位置を
調整して、階高を変更する場合であっても、本発明に係
る改築方法を有効に活用することができる。
【0049】この建築物25における床構造29の高さ
位置を調整する場合には、床構造29をコア壁部26お
よびすべて外周柱28,28…の周囲に設定された切断
位置C,C…で切断してから高さ方向に移動させる。ま
た、この建築物のコア壁部26は、平断面がH型のもの
に限られず、たとえばT型、L型等、適宜の形状とする
ことができる。
【0050】また、上記の実施形態では、吊持装置とし
て、上方の床構造に載置して使用するものについて説明
したが、たとえば柱部材に取り付けられた使用するもの
を用いることができる。この吊持装置について図10を
参照して説明すると、吊持装置としての吊り治具70
は、ブラケット71を備えており、ブラケット71に
は、柱部材16に取り付けられる際に水平方向を向く3
つの孔部72,72…が形成されている。この孔部7
2,72…に対して、通しボルト73,73,73がそ
れぞれ挿入されている。通しボルト73,73,73
は、いずれも柱部材16を貫通して取り付けられてお
り、この通しボルト73,73,73によりブラケット
71が柱部材16に対して固定されている。また、ブラ
ケット71の下方位置には、吊持用孔部74,74が形
成されており、吊持用孔部74,74にはそれぞれリン
グ75,75を介して電動チェーンブロック34,34
のフックが吊持されている。電動チェーンブロック34
より下方位置の構造は、図4で説明した吊り治具30と
同一の構造をなしている。このような吊り治具70を用
いて、床構造13の下降作業を行うこともできる。
【0051】さらに他の吊持装置として、梁に固定する
ものを用いることもできる。この吊持装置について図1
1を参照して説明すると、吊持装置としての吊り治具8
0は、ブラケット81を備えており、ブラケット81に
は、梁14に取り付けられる際に水平方向を向く孔部8
2,82が形成されている。この孔部82,82に対し
て、通しボルト83挿入されている。通しボルト83
は、いずれも移動される床構造の直上に位置する床構造
13における梁14を貫通して取り付けられており、こ
の通しボルト83によりブラケット81が梁14に対し
て固定されている。また、ブラケット81の下方位置に
は、吊持用孔部84,84が形成されており、吊持用孔
部84,84にはそれぞれリング85,85および吊持
用ロープ86,86を介して電動チェーンブロック3
4,34のフックが吊持されている。電動チェーンブロ
ック34より下方位置の構造は、図4で説明した吊り治
具30と同一の構造をなしている。このような吊り治具
80を用いて、床構造13の下降作業を行うこともでき
る。
【0052】他方、床構造を移動させるにあたり、吊持
装置を用いることなく、たとえば下方から床構造を支持
しながら下降させる方法もある。かかる方法について説
明する。この方法では、図12に示すように、移動対象
となる床構造13Bの直下に位置する床構造13Aに設
けられた下方支持装置90を用いる。下方支持装置90
は、図13にも示すように、仮受け支柱91を有してい
る。仮受け支柱91は、複数の支柱ブロック92,92
…が高さ方向に積み上げられて構成されている。仮受け
支柱91の側方には、ジャッキ受け支柱93が設けられ
ている。ジャッキ受け支柱93は、仮受け支柱91にお
ける支柱ブロック92と同一の高さであり、径が支柱ブ
ロック92よりも大きい太径支柱ブロック94,94が
高さ方向に積み上げられて構成されている。このジャッ
キ受け支柱93の上方に、油圧ジャッキ95が載置され
ている。油圧ジャッキ95は、ジャッキ本体96を備え
ており、ジャッキ本体の上方には、ロッド97が上下方
向に移動するように、ジャッキ本体96の内部に摺動可
能に挿入されている。また、ロッド97の移動長さは、
仮受け支柱91における支柱ブロック92の高さよりも
大きくなるように設定されている。ロッド97の上端部
には、支持板98が固定されており、床構造13Bを支
えている。ジャッキ本体96の下方位置には、配線Lが
接続されており、床構造13B上に載置された集中油圧
コントロールボックスOCに接続されている。このよう
な構成を有する下方支持装置90が床構造13A上に複
数併設されて、移動対象となる床構造13Bを支持して
いる。
【0053】かかる下方支持装置90を用いて、床構造
13Bを下降させる手順について説明する。下降を開始
する前に、床構造13Bを柱部材から切断するのは、上
記の実施形態と同様である。また、床構造13Bを切断
する際には、下方支持装置90により、床構造13Bを
支持しておく。
【0054】図12に示すように、作業開始前には、仮
受け支柱91における最も上の支柱ブロック92と油圧
ジャッキ95における支持板98で床構造13Bを支持
している。床構造13Bの下降作業を開始する際には、
まず、仮受け支柱91における最も上の支柱ブロック9
2を取り除く。支柱ブロック92を取り除く作業を行っ
ている間は、油圧ジャッキ95の支持板98で床構造1
3Bを支持しておく。支柱ブロック92を取り除いた
ら、油圧ジャッキ95を作動させて、ロッド97および
支持板98を下降させ、床構造13Bを下降させる。こ
のときのロッド97の移動ストロークは、支柱ブロック
92の高さと同一としておき、ロッド97および支持板
98が加工することにより、床構造13Bが仮受け支柱
91の次の支柱ブロック92上に載置されるようにす
る。床構造13Bが仮受け支柱91に載置され、仮受け
支柱91によって床構造13Bが支持される状態となっ
たら、ジャッキ受け支柱93における最も上の太径支柱
ブロック94を取り除く。この間、床構造13は、仮受
け支柱91によって支持している。こうして、太径支柱
ブロック94を取り除いたら、ふたたび油圧ジャッキ9
5におけるロッド97および支持板98を上昇させて、
仮受け支柱91および油圧ジャッキ95で床構造13を
支持する状態にする。以後、この作業を繰り返し、いわ
ばだるま落としの要領で、床構造13Bを下降させてい
くことができる。
【0055】また、下方支持装置としては、図14に示
すものを用いることもできる。この下方支持装置100
は、移動対象となる床構造13Bの直下に位置する床構
造13A上に設けられており、エアを送入することによ
り、上方に膨らむエアリフト101,101…を備えて
いる。エアリフト101,101には、エア輸送管10
2,102…を介して、床構造13B上に載置された圧
縮空気集中コントローラ103に接続されている。この
下方支持装置100を用いて床構造13Bを下降させる
手順について説明すると、床構造13Bを切断する前
に、エアリフト101,101…を膨らませておき、エ
アリフト101,101で床構造13Bを支持してお
く。この状態で、床構造13Bを柱部材から切断する。
床構造13Bを切断したら、床構造13Bを下降させる
ために、圧縮空気集中コントローラ103を作動させ
て、エアリフト101,101…内の圧縮空気を徐々に
排出させていく。こうして、エアリフト101,101
…が順次低くなっていくことにより、床構造13Bを下
降させることができる。
【0056】さらには、下降対象となる床構造13Bを
下降させるためには、図15に示すラチェット式の自動
昇降装置110を用いることもできる。この自動昇降装
置110は、上部および下部にそれぞれ設けられた左右
一対のラチェット爪111,112を有しており、左右
一対のラチェット爪111,112の間には、それぞれ
のラチェット爪を付勢する図示しないバネが設けられて
いる。上部のラチェット爪111と下部のラチェット爪
112は、左右両側においてそれぞれ油圧シリンダ11
3,114によって連結されており、油圧シリンダ11
3,114を作動させることにより、ラチェット爪11
1,112が開閉動作を行うものである。開閉動作を行
うラチェット爪111,112は、柱部材16に設けら
れた昇降レールRの孔Ra,Ra…に噛みこみ、ラチェ
ット爪111,112の開閉を行うことにより、自動昇
降装置110が上昇または下降するものである。この自
動昇降装置110の下方にブラケット115が設けられ
ており、このブラケット115で下降対象となる床構造
13Bを挟み込み、自動昇降装置110を下降させるこ
とにより、自動的に床構造13Bの下降作業を行うこと
ができる。
【0057】他方、建築物1が高層建築物である場合、
建築物1には、通常、エレベータが設けられている。こ
の建築物1を改築して上層階層と下層階層で用途を分離
した建築物2にするにあたり、エレベータも上層階層と
下層階層に分割し、それぞれの階層のみを往来するかご
を設けることが考えられる。このような場合、図16に
示すように、床構造13Bを移動させて幅狭となった床
構造13Aと13Bの間を、エレベータ120における
緩衝空間120Sとすることが好適である。この緩衝空
間120Sは、上方かご121のピットと下方かご12
2の頂部すき間を兼用する兼用空間として機能する。ま
た、この緩衝空間120Sに、上方かご121の落下、
下方かご122の急上昇時の衝撃を緩和するための二方
向緩衝装置123を設けるのが好適である。この二方向
緩衝装置123は、中空のケース124を備えており、
このケース124に対して上方から挿入可能な第1ロッ
ド125と、下方から挿入可能な第2ロッド126がそ
れぞれ設けられている。これらの第1ロッド125、第
2ロッド126は、上方かご121の直下であって、下
方かご122の直上に配置されている。また、ケース1
24の内部には、図示しないスプリングが配設されてお
り、第1ロッド125および第2ロッド126をそれぞ
れ離反する方向に付勢している。そして、ケース124
は、破線で示す支持ロッド127により、側方部に固定
されている。かかる二方向緩衝装置123を用いること
により、上方かご121用、下方かご122用の緩衝装
置を別途設ける必要がなくなるとともに、緩衝空間を有
効に利用することができる。
【0058】また、他の例として、図17に示す二方向
緩衝装置130を用いることもできる。この二方向緩衝
装置130は、上方かご121と下方かご122の間に
配置されたプレート131を備えており、上方かご12
1が落下したときには、上方かご121がプレート13
1に衝突し、下方かご122が急上昇したときには下方
かご122がプレート131に衝突するようになってい
る。プレート131は、左上方から第1上方スプリング
132で支持され、右上方から第2上方スプリング13
3で支持されている。さらに、左下方から第1下方スプ
リング134で支持され、右下方から第2下方スプリン
グ135で支持されている。これらのスプリング132
〜135の付勢力はほぼ同一であり、プレート131
は、それらのほぼ中心位置にバランスよく配置されてい
る。このようにプレート131は、上下左右から、4つ
のスプリング132〜135によって、斜め上下方向に
ほぼ均等の力で付勢されており、いわばトランポリン型
としてスプリング132〜135が配置されているもの
である。かかる二方向緩衝装置130を用いることによ
っても、上方かご121用、下方かご122用の緩衝装
置を別途設ける必要がなくなるとともに、緩衝空間を有
効に利用することができる。
【0059】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものでは
ない。たとえば、上記の実施形態においては、2階分の
床構造を下降させたが、1階分の床構造を下降させる態
様としてもよい。また、上記の実施形態では、床構造を
下降させる態様について説明したが、床構造を上昇させ
ることにより、階高を調整して変更することもできる。
【0060】さらに、上記の実施形態では、改築後の建
築物として、上層階層にホテルを設け、下層階層に住宅
を残す態様としたが、もちろん、下層階層をホテルにし
て上層階層を住宅として残す態様とすることもできる。
また、建築物の用途としては、住宅、ホテルのほか、事
務所や会社、店舗など、あらゆる用途に対応させること
ができる。しかも、これらの用途に応じた形態として利
用することができる。
【0061】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、既存の
建築物を、たとえば用途の変更を行うためにその階高を
調整する際に、既存の床構造等を解体する労力をなくし
て工期の短縮を図るとともに、大量の廃棄物を出さない
ようにすることができる。さらには、新たに床構造を構
築するための材料が少なくて済むようにすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る建築物を示す図であ
り、(a)は改築前、(b)は改築後の状態を示す正面
図である。
【図2】改築前および改築後における建築物の改築部分
の拡大正面断面図である。
【図3】改築される建築物の平断面図である。
【図4】改築の工程を説明するための正断面図である。
【図5】改築後の支持装置を説明するための正断面図で
ある。
【図6】改築時の建築物の補強状態を説明するための図
であり、(a)は正断面図、(b)は平断面図である。
【図7】図6に続く工程を示す図であり、(a)は正断
面図、(b)は平断面図である。
【図8】他の建築物の例を示す正断面図である。
【図9】その平断面図である。
【図10】他の吊持装置を説明するための拡大正断面図
である。
【図11】さらに他の吊持装置を説明するかめの拡大正
断面図である。
【図12】他の支持装置を説明するための正断面図であ
る。
【図13】その要部拡大図である。
【図14】さらに他の支持装置を説明するための正断面
図である。
【図15】本発明に用いる自動昇降装置の正面図であ
る。
【図16】エレベータの緩衝空間に設けた二方向緩衝装
置の正面図である。
【図17】他の二方向緩衝装置の正面図である。
【符号の説明】
1,2…建築物 11…出入口ロビー 12(12A〜12Z)…住宅フロア 13(13A〜13D)…床構造 14(14A〜14C)…梁 15(15A,15C)…スラブ 16…柱部材 21…ホテル用出入口 22A,22B…パブリック部 23A〜23K…客室フロア 30,70,80…吊り治具 40,50…支持装置 41,42,53,54…振動吸収装置 63…仮耐震構造 90,100…下方支持装置 110…自動昇降装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 学 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 山口 秀之 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 伊藤 仁 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 Fターム(参考) 2E176 AA01 AA07 BB27

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数階を有する建築物における構造躯体
    に支持された床構造を前記構造躯体から切断し、 切断された前記床構造を高さ方向に移動させ、 前記構造躯体に固定することを特徴とする建築物の改築
    方法。
  2. 【請求項2】 移動した前記床構造を、支持装置によっ
    て支持して固定する請求項1に記載の建築物の改築方
    法。
  3. 【請求項3】 前記床構造を高さ方向に移動させるにあ
    たり、 移動対象となる前記床構造を、その直上に位置する床構
    造に設けられた吊持装置によって吊持しながら移動させ
    る請求項1または請求項2に記載の建築物の改築方法。
  4. 【請求項4】 前記床構造を高さ方向に移動させるにあ
    たり、 移動対象となる前記床構造を、柱部材に取り付けられた
    吊持装置で吊持しながら移動させる請求項1または請求
    項2に記載の建築物の改築方法。
  5. 【請求項5】 前記床構造を高さ方向に移動させるにあ
    たり、 移動対象となる前記床構造を、その直下に位置する床構
    造に設けられた下方支持部材で支持しながら移動させる
    請求項1または請求項2に記載の建築物の改築方法。
  6. 【請求項6】 前記下方支持部材は、高さ方向に分割さ
    れた仮受け支柱と、移動対象となる前記床構造を下方か
    ら支持するジャッキと、を備える請求項5に記載の建築
    物の改築方法。
  7. 【請求項7】 移動した前記床構造を、改築後における
    建築物の床構造として用いる請求項1から請求項6のう
    ちのいずれか1項に記載の建築物の改築方法。
  8. 【請求項8】 前記床構造を移動させ、他の階における
    床構造との間で狭まったスペースを、床下スペースまた
    は天井スペースとする請求項1から請求項7のうちのい
    ずれか1項に記載の建築物の改築方法。
  9. 【請求項9】 前記支持装置が耐震構造を備える請求項
    2から請求項8のうちのいずれか1項に記載の建築物の
    改築方法。
  10. 【請求項10】 前記耐震構造が振動吸収装置を有し、 移動した前記床構造をマスダンパのマスとして用いる請
    求項9に記載の建築物の改築方法。
  11. 【請求項11】 切断された前記床構造を固定するまで
    の間、仮補強装置を設けておく請求項1〜請求項10の
    うちの1項に記載の建築物の改築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009138378A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Kajima Corp 多層建築物の解体工法
JP2015038291A (ja) * 2013-08-19 2015-02-26 大成建設株式会社 構造物改築方法
JP2015063793A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 大成建設株式会社 床スラブ高さ変更方法および床スラブ支持構造
JP2018119274A (ja) * 2017-01-23 2018-08-02 株式会社竹中工務店 既存建物の床高さ変更方法
JP2020143447A (ja) * 2019-03-04 2020-09-10 清水建設株式会社 免震構造物

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