JP2003183506A - 熱可塑性ゲル状組成物およびそれを含む熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性ゲル状組成物およびそれを含む熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
化剤及びオイルブリードがなく、非常に軟らかい弾性体
である熱可塑性樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (a)非芳香族炭化水素ゴム用軟化剤1
00重量部、(b)水添共役ジエン系共重合体3〜50
重量部、及び(c)非晶質性ポリオレフィン3〜50重
量部を含む混合物を熱処理してなることを特徴とする熱
可塑性ゲル状組成物及び該熱可塑性ゲル状組成物を用い
た熱可塑性樹脂組成物。
Description
成物およびそれを含む熱可塑性樹脂組成物に関し、特
に、オイルブリードがなく、かつ優れた機械強度および
耐摩耗性を有する熱可塑性ゲル状組成物およびそれを含
む熱可塑性樹脂組成物に関する。
レン−プロピレン系樹脂組成物に軟化剤としてオイル、
樹脂成分としてオレフィン系樹脂等を添加することによ
り所定の硬度を有する熱可塑性エラストマー樹脂組成物
が得られており、オイルとしてパラフィンオイルがよく
用いられている。しかし、オイル添加により、低硬度化
は可能となるが、他の樹脂成分に比べて分子量の低いも
のが使用されるため、耐熱性、耐候性、機械強度、耐摩
耗性等の低下が発生する。
を得る場合には、従来の未架橋のオイルを使用すると、
成形品表面にオイルブリードが発生するという問題があ
り、満足のいく熱可塑性樹脂組成物を得ることができな
い。すなわち、一般に、熱可塑性樹脂組成物が吸収でき
るオイル量は、オイル量/熱可塑性樹脂組成物量=3倍
強という上限があり、それ以上のオイルを添加した場
合、オイルのブリードが発生する。さらに、熱可塑性樹
脂組成物にオイルを配合する場合は、オイル以外の成分
が固体であるのに対して、オイルは液状であるため、取
り扱いが面倒となり、オイルを配合するためにポンプ等
の専用設備が必要であるという問題があった。
に鑑み、取り扱いが容易な熱可塑性樹脂への配合用軟化
剤及びオイルブリードがなく、非常に軟らかい弾性体で
ある熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
解決すべく鋭意検討した結果、特定量の非芳香族系ゴム
用軟化剤に特定量のスチレン系水添ブロック共重合体及
び非晶質性ポリオレフィンを配合し加熱処理することに
より単独でもゼリー状の軟化剤となり、取扱いが非常に
容易になることを見出し、さらに、該ゼリー状の軟化剤
を少量の熱可塑性樹脂とブレンドすることにより、オイ
ルブリードの無い、非常に軟らかい弾性体である熱可塑
性樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
非芳香族炭化水素系ゴム用軟化剤100重量部、(b)
水添共役ジエン系共重合体3〜50重量部、及び(c)
非晶質性ポリオレフィン3〜50重量部を含む混合物を
熱処理してなることを特徴とする熱可塑性ゲル状組成物
である。
(d)軟化点が80〜170℃、および溶融粘度が10
ポイズになる温度が120〜250℃である石油系炭化
水素樹脂3〜50重量部を含むことを特徴とする第1の
発明に記載の熱可塑性ゲル状組成物である。
(e)DSC測定による融点が70〜140℃、かつ1
40℃の溶融粘度が400〜100000cpsの熱可
塑性樹脂3〜50重量部を含むことを特徴とする第1又
は2の発明に記載の熱可塑性ゲル状組成物である。
(f)有機パーオキサイド0.01〜3重量部を含むこ
とを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の熱可
塑性ゲル状組成物である。
(g)エステル系架橋助剤0.01〜10重量部を含む
ことを特徴とする第1〜4のいずれかの発明に記載の熱
可塑性ゲル状組成物である。
が、炭素数4〜155の直鎖状飽和炭化水素及び/又は
分岐状飽和炭化水素の混合物であることを特徴とする第
1〜5のいずれかの発明に記載の熱可塑性ゲル状組成物
である。
が、室温で液状であることを特徴とする第1〜6の何れ
かの発明に記載の熱可塑性ゲル状組成物である。
媒での抽出残査が10重量%以上であることを特徴とす
る第1〜7のいずれかの発明に記載の熱可塑性ゲル状組
成物である。
いずれかの発明に記載の熱可塑性ゲル状組成物100重
量部、及び(h)熱可塑性樹脂0.1〜1500重量部
を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物であ
る。
(h)の量が100〜1500重量部であることを特徴
とする第9の発明に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
(h)が、共役ジエン系共重合体、水添共役ジエン系共
重合体、オレフィン系樹脂、及びオレフィン系共重合体
ゴムからなる群から選択される少なくとも1種類の熱可
塑性樹脂であることを特徴とする第9又は10の発明に
記載の熱可塑性樹脂組成物である。
オキサイドの存在下で熱処理して得られることを特徴と
する第9〜11のいずれかの発明に記載の熱可塑性樹脂
組成物である。
オキサイド及び架橋助剤の存在下で熱処理して得られる
ことを特徴とする第9〜11のいずれかの発明に記載の
熱可塑性樹脂組成物である。
オキサイドと架橋助剤の重量比(有機パーオキサイド/
架橋助剤)が1以下であることを特徴とする第13の発
明に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
成分 (1)非芳香族炭化水素系ゴム用軟化剤成分(a) 本発明の熱可塑性ゲル状組成物に用いる非芳香族炭化水
素系ゴム用軟化剤成分(a)は、非芳香族系の鉱物油又
は液状、若しくは、低分子量の合成軟化剤が挙げられ
る。一般にゴム用鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン
環及びパラフィン鎖を組み合わせた混合物であって、飽
和炭化水素鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるも
のをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%を
占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以上を
占めるものを芳香族系と呼び区別されている。本発明で
用いられるゴム用鉱物油軟化剤は、上記のパラフィン系
及びナフテン系が好ましい。芳香族系の軟化剤は、分散
性が悪く好ましくない。非芳香族炭化水素系ゴム用軟化
剤として、パラフィン系の鉱物油軟化剤が特に好まし
く、パラフィン系のなかでも芳香族環成分の少ないもの
が特に適している。
としては、例えば、炭素数4〜155のパラフィン系化
合物、好ましくは炭素数4〜50のパラフィン系化合物
が挙げられ、具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデ
カン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイ
コサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テト
ラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサ
ン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘン
トリアコンタン、ドトリアコンタン、ペンタトリアコン
タン、ヘキサコンタン、ヘプタコンタン等のn−パラフ
ィン(直鎖状飽和炭化水素)、イソブタン、イソペンタ
ン、ネオペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、ネオ
ヘキサン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサ
ン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2
−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,
4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、
2,2,3−トリメチルブタン、3−メチルヘプタン、
2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサ
ン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキ
サン、3,4−ジメチルヘキサン、2,2,3−トリメ
チルペンタン、イソオクタン、2,3,4−トリメチル
ペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,
4−トリメチルペンタン、イソノナン、2−メチルノナ
ン、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン、イソ
トリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イ
ソオクタデカン、イソナノデカン、イソエイコサン、4
−エチル−5−メチルオクタン等のイソパラフィン(分
岐状飽和炭化水素)及び、これらの飽和炭化水素の誘導
体等を挙げることができる。これらのパラフィンは、混
合物で用いられ、室温で液状であるものが好ましい。
販品としては、出光興産社製のPW−90(n−パラフ
ィン系プロセスオイル)、出光石油化学社製のIP−ソ
ルベント2835(合成イソパラフィン系炭化水素、9
9.8wt%以上のイソパラフィン)、三光化学工業社
製のネオチオゾール(n−パラフィン系プロセスオイ
ル)等が挙げられる。
量の不飽和炭化水素及びこれらの誘導体が共存していて
も良い。不飽和炭化水素としては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペン
テン、2−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、3−メ
チル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキ
セン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のエチレン系
炭化水素、アセチレン、メチルアセチレン、1−ブチ
ン、2−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシン、1−オ
クチン、1−ノニン、1−デシン等のアセチレン系炭化
水素を挙げることができる。
(b) 本発明の熱可塑性ゲル状組成物に用いる水添共役ジエン
系共重合体成分(b)は、共役ジエン系共重合体中の共
役ジエン系部分を水素添加または一部水素添加して得ら
れる共重合体であって、以下の(b−1)〜(b−3)
成分が挙げられる。
ン化合物ランダム共重合体の水素添加物 本発明で用いる芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物
ランダム共重合体の水素添加物成分(b−1)として
は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダ
ム共重合体であって、数平均分子量が好ましくは5,0
00〜1,000,000であり、より好ましくは1
0,000〜350,000であり、多分散度(Mw/
Mn)の値が10以下であり、且つ、その共役ジエン部
の1,2結合あるいは3,4結合などのビニル結合含有
量が5%以上であり、好ましくは20〜90%である。
5%未満では得られる成形品の感触が硬くなり、本発明
の目的に添わない。ここで、成分(b−1)を構成する
芳香族ビニル化合物の含有量は、50重量%以下、好ま
しくは、5〜35重量%である。50重量%を超えると
得られる成形品の感触が硬くなり、本発明の目的に添わ
ない。
物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチ
ル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−
第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上
が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジ
エン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ば
れ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合
せが好ましい。
は、ランダムに結合しており、コルソフ[I.M.Ko
lthoff,J.Polymer Sci.,Vol
1p.429 (1946)]の方法によりブロック
状の芳香族ビニル化合物含量が全結合芳香族ビニル化合
物中10重量%以下、好ましくは5重量%以下であるの
が好ましい。また、該共重合体は、共役ジエン化合物に
基づく脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加さ
れたものが好ましい。
加スチレン・ブタジエンランダム共重合体(HSBR)
を挙げることができる。本発明においては、該芳香族ビ
ニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体の水素
添加物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用
いてもよい。
ン化合物ブロック共重合体の水素添加物 芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合
体の水素添加物成分(b−2)は、芳香族ビニル化合物
を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なく
とも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得
られる重合体である。例えば、A−B−A、B−A−B
−A、A−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニ
ル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素
添加して得られるものである。
ビニル化合物を5〜60重量%、好ましくは、20〜5
0重量%含む。
ロックAは、芳香族ビニル化合物のみからなる重合体
か、芳香族ビニル化合物と50重量%未満の共役ジエン
化合物との共重合体であってもよい。また、共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックBは、共役ジエン化
合物のみからなる重合体か、共役ジエン化合物と50重
量%未満の芳香族ビニル化合物の共重合体であってもよ
い。
合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのう
ちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレン
が好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種
または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレ
ンおよびこれらの組合せが好ましい。
ックBにおけるミクロ構造は、任意に選ぶことができ
る。ブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構
造が下限は1%以上、好ましくは5%以上、更に好まし
くは10%以上、上限は95%以下、好ましくは80%
以下、更に好ましくは75%以下である。
ける水添率は、任意に選択することができ、未水添ブロ
ック共重合体の特性を維持しながら耐熱劣化性等を向上
させる場合には、共役ジエンに基づく脂肪族二重結合を
下限は3%以上、好ましくは5%以上、更に好ましくは
7以上、より更に好ましくは9%以上、上限は85%未
満、好ましくは80%未満、更に好ましくは75%未
満、より更に好ましくは60%未満水添することが好ま
しい。また、水添後の1,2−ビニル結合が0.5〜1
2%が好ましく、より好ましくは10%未満、更に好ま
しくは5%以下、より更に好ましくは3%以下である。
また、耐熱劣化性及び耐候性を向上させる場合には80
%以上、好ましくは90%以上水添することが推奨され
る。
は、該イソプレン化合物の70〜100重量%が1,4
−ミクロ構造を有し、かつ該イソプレン化合物に基づく
脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加されたも
のが好ましい。
の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜1,50
0,000であり、より好ましくは10,000〜55
0,000、さらに好ましく50,000〜400,0
00の範囲である。分子量分布(重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn))は、
好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より好ま
しくは2以下である。水添ブロック共重合体の分子構造
は、直鎖上、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組
合せのいずれであってもよい。
り、分子量が既知であるポリスチレンを基準として求め
た値である。従って、該値は相対的な値であり、絶対値
ではなく、さらに、基準サンプル、装置、データ処理方
法等GPCの各条件により±30%程度のばらつきが有
り得る。
例としては、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレ
ン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピ
レン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチ
レン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SE
EPS)、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共
重合体(SBBS)等を挙げることができる。本発明に
おいては、該芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブ
ロック共重合体の水素添加物は、単独で用いてもよく、
2種以上を混合して用いてもよい。
としては、数多くの方法が提案されているが、代表的な
方法としては、例えば特公昭40−23798号公報等
に記載された方法により、リチウム触媒又はチーグラー
型触媒を用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ら
れたブロック共重合体を公知の方法により水素添加触媒
の存在下に水添して得られる。
合体の水素添加物 成分(b−3)共役ジエン化合物ブロック共重合体の水
素添加物としては、例えば、ブタジエンのブロック共重
合体を水素添加して得られる結晶性エチレンブロックと
非晶性エチレン−ブテンブロックを有するブロック共重
合体(CEBC)等が挙げられる。本発明においては、
該共役ジエンブロック共重合体の水素添加物は、単独で
用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
重量部に対して、3〜50重量部であり、好ましくは5
〜30重量部である。配合量が3重量部未満では、得ら
れる熱可塑性ゲル状組成物のオイルブリードが顕著にな
り、流動しすぎてゲル特性が悪化する。配合量が50重
量部を超えると、得られる熱可塑性ゲル状組成物の硬さ
が硬くなりすぎゲル特性が悪化する。
フィン成分(c)は、得られる熱可塑性ゲル状組成物の
粘性を改良すると共に、硬度の調整に効果を有するもの
である。(c)成分は、190℃における溶融粘度が2
50〜50,000mPa・s、好ましくは10,00
0〜25,000mPa・sのプロピレンを主成分とす
る非晶質共重合体からなり、X線回析により測定した結
晶化度が50%以下、好ましくは20%以下である比較
的低分子量の重合体である。また、該非晶質ポリオレフ
ィンのガラス転移温度は−33〜−23℃が好ましく、
軟化点は120〜135℃が好ましい。
非晶質単独重合体のアタクチックポリプロピレン、プロ
ピレンを主体とする他のオレフィン(例えば、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等)と
の非晶質共重合体等を挙げることができる。これらの非
晶質ポリオレフィンのうち、アタクチックポリプロピレ
ン、プロピレン/エチレン非晶質共重合体、プロピレン
/1−ブテン非晶質共重合体が好ましい。前記非晶質ポ
リオレフィンは、ランダム共重合体でもブロック共重合
体でもよいが、ブロック共重合体の場合、プロピレン単
位の結合様式はアタクチック構造である必要がある。ま
た、非晶質共重合体がプロピレンとエチレンとの共重合
体である場合、該プロピレン単位の含有量は、50モル
%以上が好ましく、特に60〜100モル%が好まし
い。
重量部に対して、3〜50重量部であり、好ましくは5
〜30重量部である。配合量が3重量部未満では、得ら
れる熱可塑性ゲル状組成物の粘性が発現せず、ちぎれ易
くなる。配合量が50重量部を超えると、得られる熱可
塑性ゲル状組成物の製造性が悪化する。また、得られる
熱可塑性ゲル状組成物の硬さが硬くなりすぎゲル特性が
悪化する。
て、石油系炭化水素樹脂成分(d)を配合することがで
きる。成分(d)は、得られる熱可塑性ゲル状組成物の
ゴム分散を良好にし、かつ成形品の外観を良好にすると
共に、硬度及び収縮率の調整に効果を有するものであ
る。石油系炭化水素樹脂は、石油類のスチームクラッキ
ングで副生するC5留分を主に原料とする脂肪族系石油
樹脂、C9留分を主に原料とする芳香族系石油樹脂、両
者を共重合するC5C9共重合樹脂等があるが、下記に
述べる範囲の軟化点及び溶融粘度を有する石油系炭化水
素樹脂であれば、特に限定されないが、芳香族類を含有
する共重合体系樹脂であることが好ましい。
あり、好ましくは110〜160℃の範囲のものであ
る。軟化点が上記の範囲外では、得られる熱可塑性ゲル
状組成物の柔軟性とゲル特性のバランスが悪化する。
になる温度は、120〜250℃であり、好ましくは1
50〜240℃である。溶融粘度が10ポイズになる温
度が120℃未満では、得られる熱可塑性ゲル状組成物
のゴム弾性が悪化し、250℃を超えると、得られる熱
可塑性ゲル状組成物の成形性が低下する。
は、芳香族系樹脂が挙げられ、特に芳香族モノマーとの
共重合体であるEndex155(Eastman C
hemical社製)やα−メチルスチレンとスチレン
の共重合体であるKriatalex5140(Eas
tman Chemical社製)が挙げられる。
成分(a)100重量部に対して、3〜50重量部が好
ましく、より好ましくは5〜30重量部である。配合量
が3重量部未満では、得られる熱可塑性ゲル状組成物の
粘性が発現せず、ちぎれ易くなる。50重量部を超える
と、得られるエラストマー組成物の製造性が悪化する。
また、得られるエラストマー組成物の硬さが硬くなりす
ぎゲル特性が悪化する。
て、熱可塑性樹脂成分(e)を配合することができる。
成分(e)は、得られる熱可塑性ゲル状組成物の耐熱性
を低下させずに塑性変形を改良する効果を有する。
m)は、70〜140℃であり、好ましくは100〜1
20℃である。Tmが上記の範囲外では、得られる熱可
塑性ゲル状組成物の柔軟性と圧縮永久歪みと成形加工性
のバランスが悪化する。かつ、成分(e)の140℃の
溶融粘度は、400〜100000cpsであり、好ま
しくは500〜10000cpsである。140℃の溶
融粘度が400cps未満では、得られる熱可塑性ゲル
状組成物のゴム弾性が悪化し、100000cpsを超
えると、得られる熱可塑性ゲル状組成物の成形性が低下
する。
樹脂及び/又は極性基を有する樹脂が挙げられる。無極
性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィンの低分子量および低融点樹脂が
挙げられ、具体的にはポリエチレンワックス等を挙げる
ことができる。また、極性基を有する樹脂としては、例
えば、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、鹸化エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリアミド系熱可塑
性エラストマー、生分解性ポリエステル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、
ポリウレタン系樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラスト
マーなどの低分子量および低融点樹脂を挙げることがで
きる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いても2種類
以上を混合して用いてもよい。
樹脂のポリエチレンワックスや極性基含有樹脂の生分解
性ポリエステル系樹脂が挙げられる。
単独重合体ポリエチレンが挙げられる。前記ポリエチレ
ンワックスは、融点が101〜115℃、密度が0.9
1〜0.93g/cm3、ブルックフィールドLVDV
II+粘度計、スピンドル番号SC4−18、60rp
mにより140℃で測定した粘度は、ほぼ6000cp
sであり、このようなポリエチレンワックスは、米国ニ
ュージャージー州モリスタウンのアライド・シグナル
(Allied Signal)社から入手が可能なA
−C735ポリエチレンワックスである。
は、生分解性脂肪族ポリエステル等を挙げることがで
き、工業的には、脂肪族ジカルボン酸と過剰のジオール
を出発原料として、脱水重縮合反応および脱ジオール反
応によって合成されるもの、さらに芳香族化合物を導入
したもの、ラクチドの開環重合、乳酸の縮重合、高分子
量化したポリカプロラクトン、一酸化炭素とホルマリン
から合成されたポリグリコール酸等が挙げられる。生分
解性脂肪族ポリエステルの中で脂肪族−芳香族ランダム
コポリエステルは、ジオール、脂肪酸、芳香族酸の共重
合ポリエステル系樹脂であって、繰返し単位が、[−
{(O−R1−O)a−(CO−R2−CO)b}−
{(O−R3−O)c−(CO−Ar−CO)d}−]
からなるポリエステル樹脂であり、更に任意成分として
分岐剤(BA)xを含む[−{(O−R1−O)a−
(CO−R 2−CO)b}−{(O−R3−O)c−
(CO−Ar−CO)d}−](BA)xの様な構造で
あっても良い。
基:−CO−R2−CO−は、炭素原子3〜40、好ま
しくは3〜12の脂肪酸の残基であって、脂肪酸として
は、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル
酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3
−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸及び2,
5−ノルボルナンジカルボン酸からなる群から選ばれ、
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸、
ヒドロキシピバリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、グ
リコール酸、乳酸、及びそれらのエステル形成性誘導体
のようなヒドロキシ酸もまた、これらのコポリエステル
を製造するための脂肪酸成分として使用できる。
−は、炭素原子8〜40、好ましくは8〜14の芳香族
酸の残基であって、芳香族酸としては、例えば、1,4
−テレフタル酸、1,3−テレフタル酸、2,6−ナフ
トエ酸、1,5−ナフトエ酸、それらのエステル形成性
誘導体及びそれらの組合せからなる群から選ばれる。
及び−O−R3−O−は、炭素原子2〜20のジオール
の残基であって、ジオールとしては、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,3
−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,
3−シクロブタンジオール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール及びそれらの組合せからなる
群から選ばれる。ジオール成分は同じでも異なっていて
もよい。
A)x(ただし、xは分岐剤の重量%を表し0.01〜
10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1.0
重量%である。)は、その重量平均分子量が、好ましく
は約50〜5000、より好ましくは92〜3000の
であって、3〜6のヒドロキシ基を有するポリオール、
3若しくは4個のカルボキシル基を有するポリカルボン
酸又は水酸基とカルボキシル基とを合計で3〜6個有す
るヒドロキシ酸が挙げられる。例えば、低分子量ポリオ
ールの例としては、グリセロール、トリメチロールプロ
パン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリ
トール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトー
ル、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレート及びジペンタエリスリトールが挙げられ
る。高分子量ポリオール(Mw:400〜3000)の
例としては、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド
のような炭素数2〜3のアルキレンオキシドをポリオー
ル開始剤で縮合することにより誘導されたトリオールが
挙げられる。ポリカルボン酸としては、ヘミメリット
酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、
ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸、
1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−ペン
タントリカルボン酸、及び1,2,3,4,−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸が挙げられるが、このように酸
は使用してもよいが、好ましくは、それらの低級アルキ
ルエステル又は環状無水物が形成しうる場合にはそれら
の環状無水物の形態で用いられる。ヒドロキシ酸として
は、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、3−ヒドロキシグル
タル酸、ムチン酸(又は粘液酸)、トリヒドロキシグル
タル酸及び4−(β−ヒドロキシエチル)フタル酸が挙
げられるが、このようなヒドロキシ酸は、ヒドロキシル
基とカルボキシル基とを3つまたはそれ以上組み合わせ
て含む。これらの中で、特に好ましい分岐剤には、トリ
メリット酸、トリメシン酸、ペンタエリスリトール、ト
リメチロールプロパン及び1,2,4−ブタントリオー
ルが挙げられる。
系ポリエステルとしては、ポリブチレンサクシネート
(コハク酸と1,4−ブタンジオールの2元系縮合
物)、ポリブチレンサクシネートアジペート(コハク酸
およびアジピン酸、ならびに1,4−ブタンジオールの
3元系縮合物)、ポリブチレンサクシネートテレフタレ
ート(コハク酸およびテレフタル酸、ならびに1,4−
ブタンジオールの3元系縮合物)などが挙げられる。
リエステルには、生分解性の機能を損わない範囲で、機
能性の改質を目的とし、イソシアネート基、ウレタン基
といった反応基を構造中に導入することも可能である。
さらに、ポリ乳酸などを共重合したコポリエステルのよ
うな種々の共重合体を用いることもできる。
テルとしては、生分解性樹脂として一般的に市販されて
いるものを用いることができる。例えば、商品名とし
て、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)、Easter
Bio(EastomanChemicals製)、
バイオポール(日本モンサント製)、Biomax(D
uPont製)、Ecoflex(BASF製)などが
挙げられるが、用途や特性に応じた樹脂を任意に選定す
ることができる。
成分(a)100重量部に対して、3〜50重量部が好
ましく、より好ましくは5〜30重量部である。配合量
が3重量部未満では、添加効果がなく、50重量部を超
えると、得られる熱可塑性ゲル状組成物の製造性が悪化
する。また、得られる熱可塑性ゲル状組成物の硬さが硬
くなりすぎゲル特性が悪化する。
て、有機パーオキサイド成分(f)を配合することがで
きる。成分(f)は、得られる熱可塑性ゲル状組成物中
の成分(a)と成分(b)を架橋することにより、常温
では塑性変形しにくくなり、高温でのオイルブリードを
改善する効果を有する。
ーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3
−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル
−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレ
ート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイ
ルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオ
キサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、
tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、tert−ブチルクミルパーオキサイドなどを挙
げることができる。
安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter
t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシ
ン−3が最も好ましい。
成分(a)100重量部に対して、上限値は3重量部が
好ましく、より好ましくは1重量部であり、下限値は
0.01重量部が好ましい。上限値を超えると有機パー
オキサイドによる分解反応が優先され、臭気も激しくな
り、得られる熱可塑性ゲル状組成物が取り扱いに優れた
良いゲル状にならない。
て、エステル系架橋助剤成分(g)を配合することがで
きる。成分(g)は、上記の有機パーオキサイド成分
(f)による架橋処理に際して、均一かつ効率的な架橋
反応を行わせる効果を有する。成分(g)としては、例
えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、エチレングリコールの繰り返し単位数が9
〜14のポリエチレングリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタ
クリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ
メタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレ
ートのような多官能性メタクリレート化合物、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、プロピレングリコールジアクリレートのような
多官能性アクリレート化合物、ビニルブチラート、ビニ
ルステアレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌ
レートのような多官能性ビニル化合物を挙げることがで
きる。これらは、単独あるいは2種類以上を組み合わせ
て用いても良い。このような化合物により、均一かつ効
率的な架橋反応が期待できる。
レート化合物および多官能性アクリレート化合物が好ま
しく、トリエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレート、2−メチル−
1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−
ノナンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレートが特に好ましい。
成分(a)100重量部に対して、上限値は、10重量
部、好ましくは、4重量部であり、下限値は、0.01
重量部である。下限未満では添加の効果が認められず、
上限を超えては組成物の架橋が進みすぎて架橋助剤が部
分的に分散せず、製造出来るものの外観が悪く、ゲル特
性も悪くなる。
の成分の他に、さらに必要に応じて、各種のブロッキン
グ防止剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、光
安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を含
有することも可能である。ここで、酸化防止剤として
は、例えば、2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−
クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノー
ル、4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト
系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられ
る。このうちフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系
酸化防止剤が特に好ましい。酸化防止剤は、上記の成分
(a)〜(g)の合計100重量部に対して、0〜3.
0重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜1.0重
量部である。
(c)、必要に応じて(d)〜(g)を配合し、オート
クレーブなどの加温が可能な反応容器内に投入し、反応
温度120〜200℃、好ましくは140〜170℃で
10分間以上反応させることにより得られる。反応温度
が120℃未満では、熱可塑性樹脂の溶融不良が発生
し、必要に応じて添加する有機パーオキサイドの分解反
応が起こらず、架橋反応が生じない。また、200℃を
超えては、熱可塑性樹脂の劣化や有機パーオキサイドの
急激な分解反応が起きるため、均一な溶融混練または架
橋反応を行うことができない。
であり、室温でアセトン溶媒に48時間浸漬後の抽出残
査が10重量%以上であるものが好ましい。抽出残査が
10重量%未満であると液状状態になり、固体としての
取り扱いが困難になる。
であるため、他の熱可塑性樹脂とブレンドして熱可塑性
樹脂組成物を得る際、固形物に準じる取り扱いが可能で
ある。また、本発明の熱可塑性ゲル状組成物は、ゼリー
状であるため、単独で、衝撃吸収性材、制振材、消音材
等への応用が可能である。
性ゲル状組成物に熱可塑性樹脂成分(h)を配合した組
成物である。
塑性樹脂としては、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポ
リスチレン(HIPS)、スチレン−共役ジエンランダ
ム共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、
ブタジエンブロック共重合体等の共役ジエン系共重合
体、水添スチレン−共役ジエンランダム共重合体、水添
スチレン−共役ジエンブロック共重合体、部分水添スチ
レン−共役ジエンブロック共重合体(SBBS等)、水
添ブタジエンブロック共重合体(CEBC)等の水添共
役ジエン系共重合体、オレフィン系樹脂、及びオレフィ
ン系共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R))、ブタジエンゴム(BR)、ポリブタジエン(シ
ンジオタックチク1,2−ポリブタジエン)、イソプレ
ンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム
(IIR)、アクリルゴム(ACM)、オレフィン系樹
脂、オレフィン系共重合体ゴム、熱可塑性ポリエステル
系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エラストマ
ー、熱可塑性アミド系エラストマー等が挙げられ、単独
で、又は、任意の2種類以上を組み合わせて使用するこ
とができる。これらの中では、共役ジエン系共重合体、
水添共役ジエン系共重合体、オレフィン系樹脂、オレフ
ィン系共重合体ゴムが好ましく、以下に詳細に説明す
る。
のできるスチレン系−共役ジエン系ブロック共重合体、
水添スチレン系−共役ジエン系ブロック共重合体成分
(以下、両者を(水添)ブロック共重合体という。)
は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA
の少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共
重合体又はこれを水素添加して得られるもの、あるいは
これらの混合物であり、例えば、A−B、A−B−A、
B−A−B−A、A−B−A−B−Aなどの構造を有す
る芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重
合体、及び/又は、これらの水素添加されたもの等を挙
げることができる。
ビニル化合物を5〜60重量%、好ましくは、20〜5
0重量%含む。
ロックAは好ましくは、芳香族ビニル化合物のみから成
るか、または芳香族ビニル化合物50重量%以上、好ま
しくは70重量%以上と(水素添加された)共役ジエン
化合物(以下、(水素添加された)共役ジエン化合物と
は、共役ジエン化合物、及び/又は、水素添加された共
役ジエン化合物を意味する)との共重合体ブロックであ
る。
体とする重合体ブロックBは好ましくは、(水素添加さ
れた)共役ジエン化合物のみから成るか、または(水素
添加された)共役ジエン化合物50重量%以上、好まし
くは70重量%以上と芳香族ビニル化合物との共重合体
ブロックである。
重合体ブロックA、(水素添加された)共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBのそれぞれにおいて、
分子鎖中の芳香族ビニル化合物または(水素添加され
た)共役ジエン化合物の分布は、ランダム、テーパード
(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または減少するも
の)、一部ブロック状またはこれらの任意の組合せであ
っていてもよい。
ロックAあるいは(水素添加された)共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックBが2個以上ある場合に
は、それぞれが同一構造であっても異なる構造であって
もよい。
族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンな
どのうちから1種または2種以上が選択され、中でもス
チレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例
えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうち
から1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、
イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
ックBにおけるミクロ結合は任意に選ぶことができる。
ミクロ構造が下限は1%以上、好ましくは5%以上、更
に好ましくは10%以上、上限は95%以下、好ましく
は80%以下、更に好ましくは75%以下である。
ック共重合体における水添率は、任意に選択することが
でき、未水添ブロック共重合体の特性を維持しながら耐
熱劣化性等を向上させる場合には、共役ジエンに基づく
脂肪族二重結合を下限は3%以上、好ましくは5%以
上、更に好ましくは7以上、より更に好ましくは9%以
上、上限は85%未満、好ましくは80%未満、更に好
ましくは75%未満、より更に好ましくは60%未満水
添することが好ましい。また、水添後の1,2−ビニル
結合は0.5〜12%が好ましく、より好ましくは10
%未満、更に好ましくは5%以下、より更に好ましくは
3%以下である。また、耐熱劣化性及び耐候性を向上さ
せる場合には80%以上、好ましくは90%以上水添す
ることが推奨される。
イソプレン化合物の70〜100重量%が1,4−ミク
ロ結合を有し、かつ該イソプレン化合物に基づく脂肪族
二重結合の少なくとも90%が水素添加されたものが好
ましい。
の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜1,50
0,000であり、より好ましくは10,000〜55
0,000、さらに好ましく50,000〜400,0
00の範囲である。分子量分布(重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn))は好
ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より好まし
くは、2以下である。(水添)ブロック共重合体の分子
構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意
の組合せのいずれであってもよい。
ン溶液、77°F、ASTM D−2196)の範囲
は、5〜500cpsが好ましく、より好ましくは20
〜300cpsである。
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号明細書に記載
された方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触
媒を用い、不活性溶媒中にてブロック重合させて得るこ
とができる。上記方法により得られたブロック共重合体
に、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下にて水素添加
することにより水添ブロック共重合体が得られる。
しては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(S
BS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(S
IS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合
体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−ス
チレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エ
チレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEP
S)、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合
体(SBBS)等を挙げることができる。
ることのできるオレフィン系樹脂、オレフィン系共重合
体ゴムとしては、パーオキサイド分解型オレフィン系樹
脂、パーオキサイド分解型オレフィン系共重合体ゴム、
パーオキサイド架橋型オレフィン系樹脂、パーオキサイ
ド架橋型オレフィン系共重合体ゴムが挙げられる。
及、パーオキサイド分解型オレフィン系共重合体ゴム
は、得られる組成物のゴム分散を良好にし、かつ成形品
の外観を良好にすると共に、硬度及び収縮率の調整に効
果を有するものである。該成分は、パーオキサイドの存
在下に加熱処理することによって熱分解して分子量を減
じ、溶融時の流動性が増大するオレフィン系の重合体又
は共重合体であり、例えば、アイソタクチックポリプロ
ピレンやプロピレンと他のα−オレフィン、例えば、エ
チレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテンなどとの共重合体を挙げることができる。
パーオキサイド架橋型オレフィン系共重合体ゴムは、パ
ーオキサイドの存在下で加熱処理することによって主と
して架橋反応を起こし、その流動性が低下するものであ
る。例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン
の如く、ポリマー密度が0.88〜0.94g/cm3
の範囲内にあるポリエチレン、あるいはエチレン・プロ
ピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン・プロピレン
・非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)等の、オレフ
ィンを主成分とする無定ランダム共重合体の弾性体であ
る。このうちポリエチレンあるいはエチレン・プロピレ
ン共重合体ゴムが好ましく、中でも、直鎖状低密度ポリ
エチレンは適度な架橋構造が得られる点で特に好まし
い。
体ゴムの重量平均分子量は50,000〜1,000,
000、さらには70,000〜500,000の範囲
が好ましい。重量平均分子量が50,000未満のパー
オキサイド架橋型オレフィン系樹脂及び/又はパーオキ
サイド架橋型オレフィン系共重合体ゴムを用いた場合に
は、得られる熱可塑性樹脂組成物は、ゴム的特性が劣
る。また、重量平均分子量が1,000,000を超え
るものを用いると、成形加工性が悪くなり特に成形品の
外観が悪化する。また、MFR(230℃、2.16k
g荷重で測定)は、0.05〜200g/10分が好ま
しく、さらに好ましくは0.1〜50g/10分であ
る。
ゲル状組成物100重量部に対して、上限値が1500
重量部であり、下限値が0.1重量部、好ましくは1.
0重量部である。50重量部以下の熱可塑性樹脂を配合
すると、極めて軟らかい熱可塑性樹脂組成物(弾性体)
を得ることができる。また、100重量部以上、300
重量部以下の熱可塑性樹脂を配合すると、JIS K7
215に示されるA硬度を有する軟らかい熱可塑性樹脂
組成物がオイルのブリードアウトを生じることなく得ら
れる。300重量部を超えると、JIS K7215に
示されるD硬度を有する熱可塑性樹脂組成物が得られ
る。より硬い熱可塑性樹脂組成物を得たい場合には、熱
可塑性樹脂組成物を400重量部以上加えることが好ま
しい。さらに硬い熱可塑性樹脂組成物を得たい場合に
は、熱可塑性樹脂組成物を600重量部以上加えること
が好ましい。上限値を超えると、樹脂組成物の硬度が高
くなりすぎ、柔軟性が失われてゴム的触感の製品が得ら
れず、成形加工性が悪化する。
熱可塑性ゲル状組成物、熱可塑性樹脂成分の他に、ブロ
ッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、滑材、着色剤、増粘材、老化防止剤、充填
剤等を添加することが出来る。なお、上記添加剤等は、
熱可塑性ゲル状組成物又は熱可塑性樹脂組成物を得る際
に添加することができるが、好ましくは熱可塑性樹脂組
成物を得る際に添加すると均一に分散するので良い。
状組成物と成分(h)とをブレンドした後、混練装置を
用いて混練することにより得られる。例えば、まず、本
発明の熱可塑性ゲル状組成物に成分(h)を配合し、1
60〜230℃の混練温度で、混練装置にて溶融混練
し、目的の熱可塑性樹脂組成物を得る。または、混練機
能を持った押出成形機、射出成形機で成形品を成形する
こともできる。
ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出
機、多軸押出機等を使用することが出来る。好ましく
は、加圧ニーダー、バンバリー等のバッチ式混練装置で
混練する方法が良い。連続的に行う場合には、バッチ式
混練装置と押出機とが組み合わされた、例えば、加圧ニ
ーダーと押出機が組合わさった装置(バッチ供給型連続
押出装置)で混練する方法が良い。
物に比較的少量の成分(h)を配合すると、硬度の調節
が容易にでき、従来の熱可塑性樹脂組成物に比べて非常
に軟らかい熱可塑性樹脂組成物(弾性体)を得ることが
できる。
合には、熱可塑性樹脂組成物に、本発明の熱可塑性ゲル
状組成物において、必要に応じて配合した成分(f)有
機パーオキサイド及び成分(g)架橋助剤をさらに添加
して、加熱溶融混練をすることで、耐油性、耐熱性に優
れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
成分(g)架橋助剤のそれぞれの添加量は、上記熱可塑
性ゲル状組成物の製造の際に用いた(a)非芳香族炭化
水素系ゴム用軟化剤成分100重量部に対して、下限値
が0.1重量部であり、上限値は、10重量部、好まし
くは8.0重量部である。上限値を超えると有機パーオ
キサイドが均一に分散せず、部分的に架橋してしまい、
製造できるものの、外観が悪く、圧縮永久歪みや耐油性
が悪くなる。下限値未満では、添加の効果が認められ
ず、圧縮永久歪みや、耐熱性が改善されない。また、成
分(f)有機パーオキサイドと成分(g)架橋助剤の重
量比(成分(f)/成分(g))が1以下であることが
好ましい。成分(f)/成分(g)の重量比が1を超え
ると未反応過酸化物のブリードが顕著になり、臭気も激
しくなる。
方法の他に、熱可塑性ゲル状組成物の製造の際に、成分
(h)を配合して製造することもできる。すなわち、成
分(a)〜(c)と共に配合し熱処理することにより製
造できる。比較的少量の熱可塑性樹脂、例えば成分
(a)100重量部に対して50重量部までの熱可塑性
樹脂(h)を配合する場合は、上記した熱可塑性ゲル状
組成物の場合と同様に熱処理することにより、従来の熱
可塑性樹脂組成物に比べて非常に軟らかい熱可塑性樹脂
組成物(弾性体)が得られる。また、比較的多量の熱可
塑性樹脂、例えば成分(a)100重量部に対して10
0〜1500重量部の熱可塑性樹脂を配合する場合は、
上記した本発明の軟化剤組成物を含む熱可塑性樹脂組成
物の場合と同様に溶融混練することにより、JIS K
7215に示されるA硬度〜D硬度の硬度を有する熱可
塑性樹脂組成物が、ブリードアウトを生じることなくれ
る。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例における評価方法及び使用した原料を以下
に示す。
ゲル状または固体サンプルを用いて測定を行なった。 (2)熱可塑性ゲル状組成物のオイルブリード:室温
(23℃)で168時間放置後の熱可塑性ゲル状組成物
表面からオイルブリードの有無を目視で観察し、次の基
準で評価した。 ○:目視及び触感でオイルブリードを感じない ×:目視及び触感で僅かでもオイルブリードを感じる (3)熱可塑性ゲル状組成物の状態:室温(23℃)で
の熱可塑性ゲル状組成物の性状を目視で、液体、ゲル状
(固形物に準じる取扱いが可能なもの)、固体を判断し
た。 (4)熱可塑性ゲル状組成物の抽出残査:得られた熱可
塑性ゲル状組成物を室温でアセトン溶媒に48時間浸漬
した後の抽出残査を測定した(重量%)。 (5)熱可塑性樹脂組成物のオイルブリード:プレスに
て1mmのシートを作製後、50℃にて放置し、オイル
のブリードが認められるまでの時間で、次の基準で評価
した。 ○:1週間以上 △:3日以上、1週間未満 ×:3日未満 (6)熱可塑性樹脂組成物の引張強度:JISK625
1に準拠し、JIS3号ダンベルにて評価した。なお、
引張速度は、500mm/分とした。
ール (三光化学工業(株)製)比重:0.761、種
類:正パラフィン系プロセスオイル (2)水添ブロック共重合体成分(b):セプトン40
77(SEPS)(商標;クラレ株式会社製)、スチレ
ン含有量30重量%、数平均分子量260,000、重
量平均分子量320,000、分子量分布1.23、水
素添加率90%以上 (3)非晶質ポリオレフィン成分(c):E−1200
(イーストマンケミカル社製)、溶融粘度(190℃)
=16500mPa・s (4)石油系炭化水素樹脂成分(d):Endex15
5(商標;Eastman chemical社製芳香
族系モノマーの共重合体)、融点;151〜155℃、
比重;1.05、235℃の溶融粘度;10ポイズ (5)熱可塑性樹脂成分(e):A−C735(商標;
アライド・シグナル社製ポリエチレンワックス)、融
点;110℃、比重;0.92、140℃の溶融粘度;
6000cps (6)有機パーオキサイド成分(f):Perhexa
25B(日本油脂(株)製)種類:2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン (7)架橋助剤成分(g):TMPT(Trimeth
ylol Propane Trimethacryl
ate;新中村化学株式会社製)分子量:338 (8)ヒンダードフェノール/フォスファイト/ラクト
ン系複合酸化防止剤成分(i):HP2215(商標;
チバスペチャリティケミカルズ社製) (9)エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR):
EP961SP(JSR(株)製) (10)エチレン−オクテン共重合体(Engag
e):Engage8150(ダウケミカル日本(株)
製) (11)直鎖状低密度ポリエチレン(PE):NUC
DFDA1137(日本ユニカー株)製) (12)スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合
体(SEBS):クレイトンG1651(クレイトンポ
リマージャパン(株)製) (13)スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(S
IS):SIS5002(JSR(株)製) (14)オレフィン系熱可塑性エラストマー:Sant
oprene 111−73;硬さ73A、比重0.9
6(AES社製) (15)n−パラフィン系プロセスオイル:PW−90
(出光興産(株)製) (16)イソパラフィン系プロセスオイル:IP−ソル
ベント(出光興産(株)製) (17)架橋助剤:NK ESTER IND:2−メ
チル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、
1,9−ノナンジオールジメタクリレートの混合物(新
中村化学(株)製)
160℃に加熱ししたオートクレーブ(TEM−D15
00M型メタルリアクター:耐圧硝子工業(株)社製)
内で溶融ブレンドまたは架橋させて、本発明の熱可塑性
ゲル状組成物を得た。得られた組成物の評価結果を表1
に示す。
樹脂成分(h)として、水添ブロック共重合体(SEP
S)、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、
エチレン−オクテン共重合体(Engage)、直鎖状
低密度ポリエチレン(PE)、スチレン−エチレン・ブ
テン−スチレン共重合体(SEBS)およびスチレン−
イソプレン−スチレン共重合体(SIS)を表2に示し
た配合量使用し、ブレンドした後、加圧ニーダー(ニー
ダー温度160〜230℃)を用いて混練を行って、軟
らかい熱可塑性樹脂組成物を製造した。比較例5〜7で
は、実施例3で得られた熱可塑性ゲル状組成物の代わり
に、n−パラフィンオイル(PW−90)を使用した。
得られた組成物の評価結果を表2に示す。
性ゲル状組成物に熱可塑性樹脂を少量添加することによ
り、固形状の弾性体を得ることができることが分かる。
従来の未架橋のオイルを使用した比較例では、液状のま
まである。
PR、Engage、PP、PSの1種類以上を使用
し、これを、表3に示した配合量に従って、実施例3で
得た本発明の熱可塑性ゲル状組成物とブレンドした後、
2軸押出機を用いて混練を行って(シリンダー温度20
0℃)、熱可塑性樹脂組成物を製造した。実施例13
は、実施例12で得られた熱可塑性樹脂組成物を有機パ
ーオキサイドの存在下で熱処理したものである。比較例
8および9では、実施例3で得た本発明の熱可塑性ゲル
状組成物の代わりに、従来のn−パラフィンオイル(P
W−90)及びイソパラフィンオイル(IP−ソルベン
ト)を使用した。
A硬度を有する熱可塑性樹脂組成物の製造において本発
明の熱可塑性ゲル状組成物を使用すると、得られる熱可
塑性樹脂組成物は、オイルブリードが抑制され、かつ機
械強度も向上することが分かる。
(f)、(h)、必要に応じて(g)を配合し、加圧ニ
ーダーを用いて混練して(ニーダー温度160〜230
℃)熱可塑性樹脂組成物を得た。その結果、表4に示す
硬度(JISK7215に従って測定)を有する熱可塑
性樹脂組成物が、ブリードアウトを生じることなく得ら
れた。
であり、熱可塑性樹脂組成物の製造における取扱いが非
常に容易である。また、本発明の熱可塑性ゲル状組成物
を使用すると、オイルブリードのない、非常に軟らかな
熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。さらに、
従来の所定の硬度を有する熱可塑性樹脂組成物の製造に
おいても、本発明の熱可塑性ゲル状組成物は、オイルブ
リードの抑制効果を発揮し、かつ樹脂組成物の機械強度
を向上させる。
Claims (14)
- 【請求項1】 (a)非芳香族炭化水素系ゴム用軟化剤
100重量部、(b)水添共役ジエン系共重合体3〜5
0重量部、及び(c)非晶質性ポリオレフィン3〜50
重量部を含む混合物を熱処理してなることを特徴とする
熱可塑性ゲル状組成物。 - 【請求項2】 さらに、(d)軟化点が80〜170
℃、および溶融粘度が10ポイズになる温度が120〜
250℃である石油系炭化水素樹脂3〜50重量部を含
むことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性ゲル状組
成物。 - 【請求項3】 さらに、(e)DSC測定による融点が
70〜140℃、かつ140℃の溶融粘度が400〜1
00000cpsの熱可塑性樹脂3〜50重量部を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性ゲル
状組成物。 - 【請求項4】 さらに、(f)有機パーオキサイド0.
01〜3重量部を含むことを特徴とする請求項1〜3の
いずれか1項に記載の熱可塑性ゲル状組成物。 - 【請求項5】 さらに、(g)エステル系架橋助剤0.
01〜10重量部を含むことを特徴とする請求項1〜4
のいずれか1項に記載の熱可塑性ゲル状組成物。 - 【請求項6】 成分(a)が、炭素数4〜155の直鎖
状飽和炭化水素及び/又は分岐状飽和炭化水素の混合物
であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
記載の熱可塑性ゲル状組成物。 - 【請求項7】 成分(a)が、室温で液状であることを
特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑
性ゲル状組成物。 - 【請求項8】 アセトン溶媒での抽出残査が10重量%
以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
項に記載の熱可塑性ゲル状組成物。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱
可塑性ゲル状組成物100重量部、及び(h)熱可塑性
樹脂0.1〜1500重量部を含有することを特徴とす
る熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項10】 成分(h)の量が100〜1500重
量部であることを特徴とする請求項9に記載の熱可塑性
樹脂組成物。 - 【請求項11】 成分(h)が、共役ジエン系共重合
体、水添共役ジエン系共重合体、オレフィン系樹脂、及
びオレフィン系共重合体ゴムからなる群から選択される
少なくとも1種類の熱可塑性樹脂であることを特徴とす
る請求項9又は10に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項12】 有機パーオキサイドの存在下で熱処理
して得られることを特徴とする請求項9〜11のいずれ
か1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項13】 有機パーオキサイド及び架橋助剤の存
在下で熱処理して得られることを特徴とする請求項9〜
11のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項14】 有機パーオキサイドと架橋助剤の重量
比(有機パーオキサイド/架橋助剤)が1以下であるこ
とを特徴とする請求項13に記載の熱可塑性樹脂組成
物。
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