JP2003182905A - シートを移動させるための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送方向に対して横向きにシートを移動させ
るための装置であって、スピンドルを駆動するためのベ
ルト伝動装置が設けられており、スピンドルに、シート
に係合するための搬送ローラが対応配設されている形式
のものを改良して、経済的でエラーなく確実にシート移
動を行うようなものを提供する。 【解決手段】 ベルト伝動装置において、少なくとも２
つの歯車１，２を備えたロック装置が設けられており、
これらの歯車１，２が、ロックエレメントを備えてお
り、これらのロックエレメントが、２つの歯車１，２の
所定の伝達比に基づいて、歯車１，２が所定の回転数を
回転すると互いに当接し、かつ歯車１，２の運動をロッ
クするようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、搬送方向に対して
横向きにシートを移動させるための装置であって、スピ
ンドルを駆動するためのベルト伝動装置が設けられてお
り、スピンドルに、シートに係合するための搬送ローラ
が対応配設されている形式のものに関する。また本発明
は、ロック装置であって、少なくとも２つの歯車が設け
られている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】印刷機では、搬送ベルト上を搬送される
被印刷材料の正確な方向調整は、被印刷材料に印刷像を
所望の位置に正しく印刷するために重要である。印刷材
料のシートは、搬送ベルト上を、印刷機を通って搬送さ
れ、この場合搬送方向に対して横向きのシートの方向誤
差は、シートに係合する搬送ローラによる構成手段で修
正される。さらにシートは、印刷過程のあとでスタック
に排紙されるまえに所望の形式で移動され、これによっ
てパイル上でシートをずらして整列することができる。
次いで印刷機の作業員は、シートをソーティングするこ
となく断続的にずらして取り出すことができる。搬送ロ
ーラは、軸に取り付けられていて、被印刷材料に接触し
て転動し、かつ軸に設けられたスピンドルによって搬送
方向に対して横向きに、求められたシートの横方向のず
れに応じて移動される。シートに対する搬送ローラの摩
擦力によって、シートは、搬送ローラの横方向移動に応
じて横方向で移動される。シートの搬送方向に対して横
向きに運動するスピンドルは、ベルト伝動装置を介して
ステップモータによって駆動することができる。ステッ
プモータは、印刷機の制御装置から適当な制御信号を受
ける。この制御信号は、求められて修正されるべき方向
誤差の程度、または搬送ベルト上のシートの所望のずら
し程度に適合されている。ステップモータは、ベルト式
伝動装置と結合されており、このベルト式伝動装置はス
テップモータの回転運動をスピンドルの運動に変換す
る。搬送ローラの取り付けられた軸に設けられたスピン
ドルが特定の運動範囲を超えないように、注意する必要
がある。スピンドルひいては軸が特定の運動範囲を超え
ると、印刷機の持続的な運転において、スピンドル、軸
および軸ケーシングの破損がもたらされ、かつシートを
横方向で移動させるための装置の故障がもたらされ得
る。このような問題の１解決手段は、ステップモータの
制御を、スピンドルの最大許容運動範囲に適合させるこ
とであり、つまりステップモータが一方向で所定のステ
ップ数を実施すると、ステップモータが停止される。し
かしながらこのような解決手段は、持続的にステップモ
ータの制御が高い信頼性をもって実施可能である場合に
しか適していない。ステップモータの制御は、印刷機の
制御装置におけるソフトウェアによって行われる。通常
起こり得るソフトウェアのエラーが発生した場合、エラ
ーのない制御および最大許容運動範囲に対するスピンド
ル運動の制限は保証されない。前述の問題の別の解決手
段は、ライトバリアを用いることであり、このライトバ
リアは、スピンドルの運動範囲の終端位置を検出し、制
御装置に通報する。しかしながらライトバリアの故障に
よって、ステップモータ制御と同様に、許容運動範囲の
超過に対する安全性が欠如することとなり、したがって
適当な解決手段を成すものではない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の課
題は、冒頭で述べたような形式の、搬送方向に対して横
向きにシートを移動させるための装置を改良して、経済
的でエラーなく確実にシート移動を行うようなものを提
供することである。さらに本発明の課題は、歯車の運動
をロックするためのロック装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
の本発明のシート移動装置によれば、ベルト伝動装置に
おいて、少なくとも２つの歯車を備えたロック装置が設
けられており、これらの歯車が、ロックエレメントを備
えており、これらのロックエレメントが、２つの歯車の
所定の伝達比に基づいて、歯車が所定の回転数を回転す
ると互いに当接し、かつ歯車の運動をロックするように
なっている。

【０００５】この課題を解決するための本発明のロック
装置によれば、複数のロックエレメントが設けられてお
り、これらのロックエレメントが、歯車の所定の伝達比
に基づいて、歯車が所定の回転数を回転すると互いに当
接し、かつ歯車の運動をロックするようになっている。

【０００６】本発明の別の実施形態は、従属請求項に記
載されている。

【０００７】

【発明の効果】有利には、第１のロックエレメントがス
トッパを備えており、第２のロックエレメントが突出部
を備えている。このような実施形態によれば、歯車の運
動のロックが確実で安価な形式で行われる。本発明の別
の実施形態によれば、歯車がロックされるまでの歯車の
回転数が、ロックエレメントの構成によって影響されて
いる。ロックエレメントが大きく構成されていればいる
ほどより早い時点でロックエレメントが互いに当接し、
その結果ロックされるまでの歯車の回転数がより小さく
なる。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図示の
実施例を用いて詳しく説明する。

【０００９】図１には、第１の歯車１とその傍に設けら
れた第２の歯車２とが側面図で示されており、これらの
歯車は、概略的に示された歯環を介して互いに作用結合
されている。歯車１，２は、１とは異なる特定の伝達比
を有している。第１の歯車１はストッパ３を備えてお
り、このストッパ３は、第１の歯車１の側面に堅固に取
り付けられていて、この実施例ではねじ固定されてい
る。第２の歯車２はリング７を備えており、このリング
７は、第２の歯車２の側面に堅固に取り付けられいて、
かつ突出部４を備えており、この突出部４はリング７と
一体的に形成されている。ストッパ３および突出部４は
一平面上に位置しており、ここではこれらのストッパ３
と突出部４とは、互いに向かい合うと互いに当接し合う
ように形成されている。ストッパ３と突出部４とが互い
に当接すると、歯車１，２の運動は停止され、したがっ
て図１の実施例はロック装置として作用する。図１で
は、ストッパ３および突出部４は同じ角度方向に向けら
れており、これはロック装置の出発位置である。

【００１０】ある回転方向で歯車１，２を運転すると、
ストッパ３と突出部４との方向角度が変化する。なぜな
らばこれらは第１の歯車１もしくは第２の歯車２と堅固
に結合されているからである。ストッパ３の方向角度
は、出発位置から歯車１，２が運動したあとでは、突出
部４の方向角度とは異なっている。なぜならば歯車１，
２の伝達比が１でないからである。ここでは第１の歯車
１の回転数は第２の歯車２の回転数とは異なっており、
歯車１，２がある回転数を回転すると、ストッパ３は、
ストッパ３に対して逆方向に回転する突出部４に係合
し、歯車１，２の駆動は停止される。伝達比は、任意の
有理数をとることができる。

【００１１】図２には、図１に基づくストッパ３および
突出部４であるロックエレメントをそれぞれ備えた２つ
の歯車１，２が斜視図で示されている。ロック装置はス
テップモータ５と結合されており、このステップモータ
５は、軸６を介して第２の歯車２を駆動し、かつ接続線
路１６を介して印刷機の制御装置によって制御される。
ステップモータ５は、双方向で駆動可能であるので、軸
６および歯車２は２つの回転方向を有している。第２の
歯車２の歯環は、第１の歯車１の歯環に係合する。した
がって第１の歯車１は、第２の歯車２に対して逆方向で
運動する。第２の歯車２に対する第１の歯車１の伝達比
に基づいて調節可能である特定の回転数を軸６が一方向
で回転すると、突出部４はストッパ３に当接し、ステッ
プモータ５は、突出部４とストッパ３との間の互いに対
抗して作用する力によるロックに基づいてロックされ
る。このロックは、制御装置がステップモータ５を制御
し、かつステップモータ５の電流回路を開放維持してい
るにもかかわらず行われる。歯車１，２は、一方向で特
定の回転数で回転し、この場合ロックが生じるまでの回
転数は任意の有理数である。もちろんストッパ３と突出
部４とが同じ方向角度を有している図示の出発位置から
出発してロックされるまでの歯車１，２の回転数は、双
方向で同じである。

【００１２】ロック装置の使用例を判りやすくするため
に、図３には、図２のロック装置が、搬送方向に対して
横向きにシートを移動させるための装置の斜視図におい
て示されており、ここでは移動装置は印刷機の搬送経路
の一部である。ここではこの移動装置は、２つのフレー
ム１５，１５′を備えており、これらのフレーム１５，
１５′は、互いに実質的に平行に対向して配置されてい
て、かつ印刷機に取り付けられている。フレーム１５，
１５′は、管９によって互いに結合されており、この管
９は、フレーム１５，１５′における開口を通って延び
ている。管９は、回動可能にフレーム１５，１５′に支
承されていて、かつこの実施例では２つの搬送ローラ
８，８′を備えている。これらの搬送ローラ８，８′
は、管９と堅固に結合されていて、かつ搬送ベルト上を
搬送されるシート１７に押圧力を及ぼす。管９にはスピ
ンドルが設けられており、このスピンドルは管９を両矢
印方向で移動させる。スピンドルおよび管９の駆動は、
ステップモータ５によって提供されており、このステッ
プモータ５は、接続線路１６を介して印刷機の制御装置
によって制御される。ステップモータ５は、図２に示さ
れているように、ストッパ３もしくは突出部４を備えた
歯車１，２と軸６とを備えて形成されている。さらにフ
レーム１５の一方の端部において、軸６に第１のベルト
車１０が取り付けられており、軸６はこの第１のベルト
車１０と堅固に結合されている。フレーム１５の他方の
端部には、第２のベルト車１２が設けられている。駆動
ベルト１１は、第１のベルト車１０と第２のベルト車１
２との周りに張設されている。したがってステップモー
タ５の駆動は、軸６を介して第１のベルト車１０を運動
させ、このベルト歯車１０は、駆動ベルト１１を介して
運動を第２のベルト車１２に伝達する。第２のベルト車
１２は、フレーム１５を通って延びている管９に設けら
れたスピンドルと結合されている。したがってスピンド
ル９に固定された管９は、選択されたスピンドルピッチ
に応じて、両矢印で示された方向に移動可能である。し
たがってステップモータ５と軸６との駆動は、スピンド
ルと作用接続されている管９の移動を生じさせる。前述
のロック装置によって、スピンドルに沿った管９の移動
は、ステップモータ５の制御とは無関係に、つまりステ
ップモータ０５が出力を供給するかしないかに関わりな
く、確実に制限可能である。長手方向で管９が移動する
際に、管９が、越えないことが望ましい管９の終端位置
に到達している場合、ロック装置は管９の運動をロック
する。終端位置におけるロックは、スピンドルのピッチ
の認識と、双方向におけるスピンドルの中心位置から終
端位置までの距離の認識と、歯車１，２の間の伝達比
と、ベルト伝動装置１０，１１，１２の伝達比と、ステ
ップモータ０５のステップのステップ幅と、ストッパ３
および突出部４の構成とによって特定される。スピンド
ルピッチと、スピンドルの中心位置から終端位置までの
距離と、ベルト伝動装置１０，１１，１２の伝達比と、
ステップモータ５のステップのステップ幅とが予め所与
されている場合、歯車１，２の伝達比は適合され、かつ
場合によってはストッパ３と突出部４との構成も適合さ
れる。ストッパおよび突出部がより広幅に形成されるほ
ど、ロックされるまでに進行する歯車１，２の回転距離
がより小さくなり、歯車１，２の伝達比が、その他は同
じ条件で調節される場合、より小さくなる。歯車１，２
の回転運動のロックによって、終端位置におけるスピン
ドルまたは支承部１９，１９′の摩耗または損傷が防止
される。終端位置での支承部１９，１９′におけるスピ
ンドルの当接によって、材料疲労または破損がもたらさ
れる。したがって管９において運動する際のスピンドル
の終端位置は不都合である。ステップモータ５の適当な
制御によってスピンドルの運動を制限することでは、確
実な解決手段が提供されない。この場合ステップモータ
５の一方向でのステップ数がカウントされ、かつスピン
ドルの運動に関して制限される。一方向での最大ステッ
プ数の到達時に、ステップモータ５は停止され、このよ
うにして管９とスピンドルとの終端位置が回避される。
同様にスピンドルによって移動される管９においてライ
トバリヤを使用しても信頼性の高い解決手段は提供され
ない。ここに開示されている実施例では、ステップモー
タ５は、終端位置における、ストッパ３と突出部４とに
よるロックのあとで、別の回転方向で運転し、ストッパ
３と突出部４とは互いに離間し、図１のロック装置の出
発位置に移動する。この場合管９は、支承部１９と支承
部１９′との間の中間位置によって規定されている出発
位置に移動される。この場合管９は持ち上げられるの
で、搬送ローラ８，８′は、ロック装置の出発位置に走
行する際に、搬送ベルト上を搬送されるシート１７に影
響を与え、これを不都合に移動させることはない。本実
施例で提案された解決手段は、完全に機械式に構成され
ていて、かつ電子制御装置もしくは制御ソフトウェアの
エラー、または電子構成素子とは無関係であり、信頼性
の高い確実で持続的な、ロック装置と結合されたスピン
ドルおよび管９の運動を制限するための安全性を保証す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】それぞれ１つのロックエレメントを備えた２つ
の歯車を示す側面図である。

【図２】ステップモータに取り付けられた状態の、図１
に基づくそれぞれ１つのロックエレメントを備えた２つ
の歯車を示す斜視図である。

【図３】搬送方向に対して横向きにシートを移動させる
ための装置を示す斜視図である。

【符号の説明】

１，２ 歯車、 ３ ストッパ、 ４ 突出部、 ５
ステップモータ、 ６軸、 ７ リング、 ８，８´
搬送ローラ、 ９ 管、 １０，１２ ベルト車、 １
１ 駆動ベルト、 １５，１５´ フレーム、 １６
接続線路、１７ シート、 １９，１９´ 支承部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送方向に対して横向きにシート（１
   ７）を移動させるための装置であって、スピンドルを駆
   動するためのベルト伝動装置（１０，１１，１２）が設
   けられており、該スピンドルに、シート（１７）に係合
   するための搬送ローラ（８，８′）が対応配設されてい
   る形式のものにおいて、 ベルト伝動装置（１０，１１，１２）において、少なく
   とも２つの歯車（１，２）を備えたロック装置が設けら
   れており、これらの歯車（１，２）が、ロックエレメン
   トを備えており、これらのロックエレメントが、２つの
   歯車（１，２）の所定の伝達比に基づいて、歯車（１，
   ２）が所定の回転数を回転すると互いに当接し、かつ歯
   車（１，２）の運動をロックするようになっていること
   を特徴とする、シートを移動させるための装置。
2. 【請求項２】 第１の歯車（１）における第１のロック
   エレメントが、ストッパ（３）を備えており、第２の歯
   車（２）における第２のロックエレメントが、突出部
   （４）を備えている、請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 歯車（１，２）がロックされるまでの歯
   車（１，２）の回転数が、ロックエレメントの構成によ
   って影響されている、請求項１または２記載の装置。
4. 【請求項４】 ロック装置であって、少なくとも２つの
   歯車（１，２）が設けられている形式のものにおいて、 複数のロックエレメントが設けられており、これらのロ
   ックエレメントが、歯車（１，２）の所定の伝達比に基
   づいて、歯車（１，２）が所定の回転数を回転すると互
   いに当接し、かつ歯車（１，２）の運動をロックするよ
   うになっていることを特徴とする、少なくとも２つの歯
   車を備えたロック装置。