JP2003182839A - 割線錠の表裏分別装置 - Google Patents

割線錠の表裏分別装置

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JP2003182839A
JP2003182839A JP2001384523A JP2001384523A JP2003182839A JP 2003182839 A JP2003182839 A JP 2003182839A JP 2001384523 A JP2001384523 A JP 2001384523A JP 2001384523 A JP2001384523 A JP 2001384523A JP 2003182839 A JP2003182839 A JP 2003182839A
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Yuji Maeda
裕司 前田
Kiyomitsu Ishikawa
清光 石川
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ISHIKAWA TEKKOSHO KK
Mitsubishi Pharma Corp
Original Assignee
ISHIKAWA TEKKOSHO KK
Mitsubishi Pharma Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表向きと裏向きとがランダムに入り混ざった
割線錠を、少なくとも表向きと裏向きとに分別すること
ができる表裏分別装置を提供すること。 【解決手段】 割線錠mが滑りながら移動するための主
面1上に、割線錠の進路を横切るように稜線状突起2を
設ける。該稜線状突起は、割線が嵌まり得る断面形状を
有する。主面を下り斜面とし、かつ、稜線状突起を下り
傾斜として、主面および稜線状突起に送り振動を作用さ
せ、稜線状突起を乗り越えさせながら割線錠を進行させ
る構成とする。これによって、裏向き割線錠m2の割線
が稜線状突起2に嵌まり、該突起上を移動して、裏向き
出口部5から排出され、表向きの割線錠m1はそのまま
進行して出口部4から排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造工程中を流れ
る割線錠を、表向き・裏向きの別に分け、さらには全て
同じ表裏方向を向けて揃えるための装置に関する。本発
明でいう「割線錠」という語句は、医薬品、食品の分野
において用いられる文字通りの割線錠だけでなく、例え
ば機械部品(割線を持ったナット等)等、割線錠に類似
の形状を有するあらゆる物品を意味する語句である。
【0002】
【従来の技術】医薬品、食品の分野における割線錠は、
錠剤の分割を目的として、割線と呼ばれるV溝が設けら
れた錠剤である。割線錠のなかでも「Snap錠」と呼ばれ
るものは、より割り易いように割線の形態を工夫したも
のであり、例えば、図10(a)に示すように、割線を
より深く設けたもの、図10(b)に示すように、錠剤
の片面全体に幅広く割線を設けたものなどが知られてい
る。これらの割線錠は、図10(c)に示すように、硬
質面上に置いて指で押すだけで容易に割ることができ
る。
【0003】本明細書では、割線錠の表裏の面を区別す
るために、割線が設けられた面を「おもて面」と呼び、
割線の無い平滑な面を「裏面」と呼んでいる。また、平
面上に割線錠が位置している場合、該割線錠の姿勢(表
裏面の方向)を区別するために、おもて面が上側を向い
ている状態を「表向き」、その逆を「裏向き」と呼んで
説明する。
【0004】割線錠を分割するに際して、錠剤に直接手
で触れて押圧することは、衛生上、好ましくない。ま
た、手先の不自由な患者にとっては、小さい錠剤を指先
で取扱うことは困難である。従って、割線錠の分割は、
図11に示すように、PTP(Press Through Packag
e)に包装された状態のままで押圧して行うことが好ま
しい。
【0005】PTPは、プラスチックシートに設けられ
た凹状の収容部屋に錠剤を一つ一つ収容し、アルミ箔で
封をした公知のパッケージである。使用の際には、図1
1に示すように、個々の収容部屋を凸状の側から強く押
し潰すことによって、錠剤がアルミ箔を破って外部に出
る。
【0006】しかし、Snap錠のように分割性の向上した
割線錠であっても、指先での押圧を表裏のどちらの側か
ら行うかによって、割れ易さが異なる場合が多い。一般
的には、図10(c)に示すように、割線錠を表向きに
して割線を押圧する方が、裏面を押圧するよりも容易に
割れる場合が多い。また、1つの割線錠が均等に2分割
されるかどうかという点でも、押圧の方向によってバラ
ツキには差がある。
【0007】従って、割線錠をPTPに包装するに際し
ては、図11に示すような表裏ランダムな向きではな
く、各割線錠の表裏面を全て同じ向きに揃えて包装し、
全ての割線錠を同じ面側(例えば、おもて面側)から押
圧できるようにすることが好ましい態様となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、割線錠
を表裏の方向を揃えてPTPに包装するためには、割線
錠が流れる製造工程の最終段階において、表裏面のどち
らが上に向いているかを判別し、同じ面を向いたものだ
けを包装工程に流出させる必要がある。そのためには、
例えば、表向きのものだけを包装工程に流出させるなら
ば、表裏を正確に判別した上で、さらに裏向きのものを
除去してしまうか、または表向きへと反転させねばなら
ない。しかも、これらの操作は、錠剤を傷つけないよう
にし、かつ好ましくは生産性の障害にならないよう高速
で行わねばならない。
【0009】割線錠の検査工程には、通常、外観検査用
の画像処理装置等が設けられるが、これに表裏の判別機
能、除去機能・反転機能を加えると、大掛かりで複雑な
装置となる。また、他の表裏判別方法として、コンベア
ラインを流れる錠を吸引チューブにて吸引する方法が挙
げられる。この方法は、裏向きに流れてきた錠は吸い付
くが、表向きに流れてきた錠は割線部が隙間となって吸
い付かないという性質を利用するものであり、表裏を判
別する方法としては有効ではあるが、除去機能、反転機
能を加えると、やはり複雑な装置となる。
【0010】上記のような問題は、医薬品や食品分野に
おける割線錠の包装工程のみならず、機械分野などにお
ける割線錠(例えば、割線を有するナットなど)の整列
供給の場合にも、同様に生じる問題である。
【0011】本発明の課題は、上記問題を解決し、表向
きと裏向きとがランダムに入り混ざった割線錠を、新た
なる機構によって、少なくとも表向きと裏向きとに分別
することができる表裏分別装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の特徴を有
するものである。 (1)割線錠が滑りながら移動するための主面と、該主
面上に、割線錠の進路を横切るように設けられた稜線状
突起とを有し、前記主面は、割線錠を移動させかつ割線
錠に稜線状突起を乗り越えさせ得る推進手段を有し、前
記稜線状突起は、割線と嵌まり合う断面形状を有し、か
つ該稜線状突起に割線が嵌まった裏向き割線錠をその稜
線に沿って移動させ得る推進手段を有していることを特
徴とする、割線錠の表裏分別装置。
【0013】(2)主面の推進手段が、該主面が下り斜
面であること、および/または、該主面に外部から与え
られる送り振動である、上記(1)記載の表裏分別装
置。
【0014】(3)稜線状突起の推進手段が、該稜線状
突起が下り傾斜であること、および/または、該稜線状
突起に外部から与えられる送り振動である、上記(1)
または(2)記載の表裏分別装置。
【0015】(4)主面および稜線状突起の推進手段と
して、主面が下り斜面とされ、稜線状突起が下り傾斜と
され、かつ、主面および稜線状突起に共通の送り振動が
外部から与えられている、上記(1)記載の表裏分別装
置。
【0016】(5)主面上に、さらに、割線錠の平面回
転を促進する障害物が設置されている、上記(1)の表
裏分別装置。
【0017】(6)主面の出口部および稜線状突起の出
口部のどちらか一方に、さらに、割線錠の表裏を反転さ
せ得る反転構造が設けられ、該反転構造によって表裏反
転された割線錠が、他方の出口部から出た割線錠と合流
するように流路が構成されている、上記(1)〜(5)
のいずれかに記載の表裏分別装置。
【0018】(7)上記反転構造が、主面の出口部また
は稜線状突起の出口部のどちらかの端部に、該端部との
間で反転用通路を形成するように湾曲板が設けられたも
のであり、該端部から落下する割線錠が、湾曲板の内面
に沿って滑りながら表裏反転するように構成されてい
る、上記(6)記載の表裏分別装置。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、医薬品としての割線錠を
対象とした表裏分別装置の一実施例を挙げながら本発明
による表裏分別装置を説明するが、表裏分別の対象とな
る物品は医薬品に限定されない。また、当該装置の各部
の配置や外観などは該実施例に限定されるものではな
い。図1(a)は、当該装置の主要部分の上面図を示す
模式図である。同図に示すように、当該装置は主面1を
有しており、該主面1は、その面上を割線錠mが滑りな
がら移動するための面である。割線錠mを移動させるた
めの推進力、推進手段については後述する。該主面1上
には、割線錠の進路を横切って、稜線状突起2が1列以
上設けられている。よって、割線錠が主面上を移動して
出口部4まで達するには、稜線状突起をその本数だけ乗
り越えて行かねばならない。割線錠が稜線状突起を容易
にかつ確実に乗り越えることができるように、推進力
と、稜線状突起の断面形状とが適正化されている。
【0020】図1(b)に側面図を部分的に拡大して示
すように、稜線状突起2は、凹溝である割線と好適に嵌
まり合うことができる断面形状を有する。よって、表向
き割線錠m1は、稜線状突起2を乗り越えて出口部4ま
で前進できるが、裏向き割線錠m2は、稜線状突起2を
乗り越える際に、割線が稜線状突起に嵌まってそれ以上
前進できない構成となっている。ただし、稜線状突起と
嵌まり合えるのは、割線の方向が稜線状突起の稜線方向
に略一致するもの(稜線状突起に誘われて方向を変え、
嵌まり得る範囲内のもの)だけであって、割線方向と稜
線方向とが大きく異なるものは稜線状突起を乗り越えて
しまう。裏向き割線錠を、より高い確率で稜線状突起に
嵌まり込ませるための好ましい構成については後述す
る。
【0021】図2に、本発明における表裏分別の原理に
関する部分を拡大して示すように、稜線状突起2に嵌ま
った裏向き割線錠m2は、その状態のまま、裏向き用出
口部5へと移動し、主面から除去される。裏向き割線錠
を、稜線状突起上で移動させるための推進力、推進手段
については後述する。
【0022】上記構成とすることによって、図1(a)
に示すように、表向きと裏向きとがランダムに入り混ざ
った多数の割線錠mの流れが入口部3から主面1へ導入
されると、各割線錠mが稜線状突起2を乗り越えながら
出口部4に向かって移動するが、裏向き割線錠m2だけ
が稜線状突起2に捕獲され、稜線状突起上を移動して裏
向き用出口部5から排出される。この時点で、裏向き用
出口部に着目すると、該出口部5からは、常に裏向き割
線錠だけが選択的に排出されており、理論上100%裏
向きだけの分離抽出が達成されている。一方、主面の出
口部4から排出される錠剤については、表向き割線錠が
圧倒的多数(好ましい態様によれば、ほぼ全数)を占め
ており、こちらも表裏分別された流れとなっている。こ
れら分別された流れを利用することによって、割線錠の
面を同じ向きに揃えてPTP包装することが可能にな
る。
【0023】当該装置は、出口部4と、裏向き用出口部
5とを有するが、どちらの出口部を当該装置のメイン出
口部と見なすかは限定されず、目的に応じて一方または
両方を選択し、PTP包装工程へと流れを接続すればよ
い。後述するように、表裏の分別性を充分に高めた後、
一方の出口部から出た割線錠を表裏反転させて、他方の
出口部から出た流れと合流させて利用するのが、1つの
好ましい態様である。
【0024】割線錠に主面上を進行させるための推進手
段としては、主面を斜面とすること、即ち重力の下り斜
面方向分力の利用や、公知のパーツフィーダで用いられ
ているような送り振動を外部振動源から付与することな
どが挙げられるが、これらに限定されず、斜面とエアー
流との組合せなど、割線錠を好適に進行させ得るもので
あればよい。これらの推進手段のなかでも、パーツフィ
ーダで用いられている送り振動は、主面が水平面や登り
斜面であっても進行させ得る強い推進力を与え、割線錠
に稜線状突起を確実に乗り越えさせることができるので
好ましい。さらに、主面を緩やかな下り斜面とし、かつ
該斜面に送り振動を与える組合せによって、比較的弱い
振動でもよりスムーズな進行が得られ、錠剤への衝撃・
ダメージが少なくなり、また、稜線状突起をより確実に
乗り越えさせることが可能になるので好ましい。
【0025】また、パーツフィーダの送り振動は、図2
に示すように、単に割線錠を進行方向に送るだけでな
く、割線錠を自転(平面回転)させるという重要な作用
を示す。この自転によって割線の方向(稜線状突起との
なす角度)が常に変化するため、裏向き割線錠が、最初
の稜線状突起を通過したとしても、次の稜線状突起に乗
り上げる際には割線の方向が変わっているので、稜線状
突起に嵌まる確率が高くなる。従って、稜線状突起の数
を充分に多くすることによって、裏向き割線錠はいずれ
かの稜線状突起で確実に捕獲されることが期待でき、略
完全に近い分別も可能となる。
【0026】割線錠の平面回転は、送り振動による作用
だけでなく、図7に示すように、主面上に邪魔板やピン
などの障害物Pを立てることによって該回転を促進し制
御することが可能である。図7の例では、障害物として
邪魔板を設けている。また、割線を隠れ線(破線)で示
している。同図に示すように、障害物に当たった割線錠
m11が邪魔板Pに沿って移動コースを変える際に、該
割線錠には平面回転が発生し、例えば、図中の割線錠m
12の状態にまで回転が促進される。障害物として効果
的に平面回転を生じさせるように、邪魔板などの形状、
角度、配置パターンなどを選択することによって、1つ
の稜線状突起を裏向き割線錠が乗り越えたとしても、次
の稜線状突起には嵌まるように、割線の方向を積極的に
コントロールすることが可能になる。
【0027】送り振動の発生源やその波形、主面に送り
振動を伝達するための構造や技術等については限定され
ないが、公知のパーツフィーダ技術を参照してよい。好
ましい送り振動数としては、50Hz〜500Hz程度
である。また、図1(a)の例では、割線錠の進行は直
進的であるが、これに限定されず、稜線状突起を乗り越
えながら円周状のコースを移動する構成としてもよい。
【0028】稜線状突起の断面形状(稜線方向に垂直な
断面の形状)は、割線の断面形状に対応して決定すれば
よく、凹溝としての割線が、稜線状突起(凸リッジ)に
覆いかぶさったときに嵌まり合い、裏向き割線錠を捕獲
し得るような断面形状であればよい。また、稜線状突起
の断面形状は、割線の断面形状に対して、必ずしも完全
な相互補完的な関係にある必要はなく、いったん捕獲し
た裏向き割線錠を後逸することなく好適に裏向き出口へ
移動させ、かつ、表向き割線錠が引っ掛かることなる容
易に乗り越えて行けるような形状であればよい。
【0029】図3は、稜線状突起の断面形状の一例を示
す図であって、図3(a)は、裏向き割線錠が稜線状突
起に嵌まったときに、主面から浮き上がるような断面形
状の例である。逆に、図3(b)の例では、稜線状突起
の断面形状は、割線の断面形状に比べて小さく、割線の
一方の面だけで両者は接触している。
【0030】稜線状突起の断面形状の細部については、
割線錠の通過と捕獲、割線錠の品質への影響などを考慮
し、種々の部分的変更を施してよい。例えば、割線錠を
傷つけないように、またスムーズに乗り越えさせるため
に、頂上部分に適度な面取りやアール加工を施してもよ
い。また、入口部側の斜面の角度を緩やかにすること
や、入口部側の斜面と主面との境界部分を曲面で連続的
に接続して、割線錠が稜線状突起に乗り上げ易いように
してもよい。
【0031】裏向き割線錠に稜線状突起上を移動させる
ための推進手段としては、主面の場合と同様、稜線を下
り傾斜とすること(重力の分力)、送り振動を付与する
ことなどが挙げられる。送り振動は、重力に依存しない
半強制的な移送力を示すので、必ずしも下り傾斜である
必要はないが、主面の場合と同様に、比較的弱い振動で
もよりスムーズな進行が得られる点からは、該送り振動
と下り傾斜とを組合せる態様が最も好ましい。以下、そ
の態様について説明する。
【0032】稜線状突起の推進手段として送り振動を採
用する場合、主面とは別個の振動源を用いてもよいが、
その場合には2つの振動の干渉などを考慮する必要があ
るので、当該装置全体をより単純で効果的な構成とする
点からは、稜線状突起を主面に固定または主面と一体物
とし、1つの送り振動を両者で共有する構成が好まし
い。
【0033】図1の例では、主面1を下り斜面とし、稜
線状突起2の稜線方向を、主面上を斜めに下る方向とし
ている。送り振動の方向は限定されないが、例えば、主
面の下り方向と一致させて割線錠の進路を定め、稜線状
突起には前記送り振動のうちの稜線方向の分力を作用さ
せる態様や、逆に、送り振動を稜線方向(例えば、主面
の下り方向と垂直をなす方向)と一致させ、主面の下り
方向への推進力は主面の傾斜に依存する態様などが例と
して挙げられる。図4に示すように、主面1の下り傾斜
角度θ1と、稜線状突起2の下り傾斜角度θ2は、それ
ぞれの出口部へ割線錠を円滑に送るために重要なパラメ
ータである。
【0034】図4における主面の傾斜角度θ1は、割線
錠が制動不能の勢いで斜面を転がり落ちないような範囲
とすべきであって、0°≦θ1≦15°程度、特に5°
≦θ1≦10°程度が好ましい範囲である。より好まし
い範囲は、実際の割線錠の形状、主面との摩擦の程度、
稜線状突起の乗り越え動作などを考慮して、最適な値を
決定すればよい。
【0035】稜線状突起の傾斜角度θ2は、表向き割線
錠が、裏向き出口部5の方向に誘われることなく、乗り
越え易いような範囲とすべきであって、0°≦θ2≦1
0°程度、特に2°≦θ2≦4°程度が好ましい範囲で
ある。θ1の場合と同様、より好ましいθ2の範囲は、
実際の割線錠の形状、主面との摩擦の程度、稜線状突起
の乗り越え動作などを考慮して、最適な値を決定すれば
よい。
【0036】稜線状突起の本数は、当該装置の表裏分別
能に強く関係しており、図1の出口部4における裏向き
の混入率は、稜線状突起の本数の増加に従って0%に近
づく。この裏向き割線錠の混入率を0%とすることは理
想的であり好ましいが、1台の装置としての混入率を必
ずしも0%にする必要はない。必要に応じて、当該装置
を複数台用い直列に接続してもよいし、当該装置を1台
用い、必要回数だけフィードバックさせてもよいからで
ある。また、極めて少ない混入率が達成されれば、他の
検査装置の除去能力の有用性が顕著になるので、それら
と組み合わせてもよい。稜線状突起の本数は、割線の断
面形状によって判別性が異なるために限定はされない
が、概して5〜500程度であればよく、混入率、装置
の大きさ、稜線状突起が割線錠に与えるダメージなどを
考慮すれば、実使用上、20〜150程度が好ましい。
【0037】また、稜線状突起同士の間隔は、対象とす
る割線錠の外径によって異なり、上限は無いが、隣り合
った稜線状突起同士が干渉せず、無駄なスペースを排除
する点からは、該割線錠の外径の0.4倍〜1.5倍程
度が好ましい。
【0038】主面や稜線状突起などの主要部分に用いら
れる材料は限定されず、金属、樹脂、セラミック、複合
材料などを任意に用いてよいが、耐食性、毒性、送り振
動に対する伝達性・耐振動性、機械的強度、加工性など
を考慮すると、鉄(鋼やステンレスなどの合金を含む)
などの金属が好ましい。なかでも、ステンレスは前記条
件を満たす好ましい材料であり、医薬品の製造工程に用
いる装置には好ましい材料である。割線錠が、機械部品
などのように服用しない一般的な物品である場合には、
メッキなどの表面加工は適宜施せばよい。
【0039】当該装置の好ましい態様として、割線錠の
表裏を反転させ得る構造(以下、「表裏反転構造」とい
う)を一方の出口部に設け、他方の出口部から出た流れ
と合流させる態様が挙げられる。このような構成によっ
て、当該装置は、表裏整列(統一)装置として機能す
る。図5は、表裏反転構造の一例を示している。同図の
例では、主面を構成する基板Sの裏向き出口部の端部
に、該端部との間で反転用通路を形成するように湾曲板
6が設けられている。このような構成とすることによっ
て、出口部に到達した裏向き割線錠(同図中の状態)
は、基板Sの端部から落下する際に(同図中の状
態)、湾曲板6の内面に沿って誘導され表向きとなって
基板の下側に入り込み(同図中の状態)、簡単にかつ
確実に表裏反転が達成される。割線錠の誘導をより円滑
にするため、基板Sの端部を湾曲板6の内面に沿って同
心円状に曲げるなど、必要に応じて種々の加工を施して
もよい。湾曲板の曲率、曲線のデザイン、板面の仕上げ
などは、割線錠に応じて適宜決定すればよい。
【0040】図6は、図5の表裏反転構造を裏向き出口
部に付与した場合の当該装置全体の構成例を示してい
る。同図の例では、湾曲板6は、裏向き割線錠m2を表
裏反転させた後、主面1の下側まで潜り込んだ第2斜面
7へと導く。第2斜面7に乗った表向き割線錠m3は、
該斜面を滑り降り、主面の出口部4から来た表向き割線
錠m1と流路8で合流し、最終の出口部9から全数表向
きに揃えられた状態となって後工程へ出ていく。
【0041】当該装置の各斜面の側端部には、必要に応
じて、割線錠の脱落防止や進路誘導のための側壁を自由
に設けてよい。
【0042】当該装置が取扱いの対象とする割線錠は、
医薬品や食品に分類されるものだけでなく、形態上、こ
れに類するもの、例えば、機械部品(割線付きの特殊な
ナット、リング、円板状物など)や、装飾品など、片面
に割線が通過した構造をもつ錠を含む。割線は、医薬品
の場合のように2つに分断することを目的としたもので
も、特定の機能や、装飾を目的としたものでもよい。割
線錠の外径等は限定されないが、チュアブル錠などを含
めて、外径5mm〜12mm程度のものが、本発明の対
象としては好ましい。
【0043】
【実施例】本実施例では、図1に模式的に示す表裏分別
装置を製作した。分別対象とする割線錠は、図8に主要
部の寸法を示す医薬品であって、図8(a)に示すよう
に、割線錠の外径は7mm、割線の断面形状は、図8
(b)に示すように100°に開いたV字状の溝であっ
て、溝深さは1.16mmである。
【0044】主面上における、主面の下り方向と、稜線
状突起の稜線方向とがなす角度を45°とし、主面の傾
斜角度を8.5°、稜線状突起の傾斜角度を4°とし
た。
【0045】稜線状突起の断面形状およびその各部の寸
法は、図9に示すとおり、主面に対し60°の斜面を有
する台形の断面形状であって、上面の幅は0.5mm、
基部の幅は1.0774である。また、稜線状突起のピ
ッチは、3.5mmであり、トータルの本数は54本と
した。
【0046】上記のように、主面と稜線状突起との関
係、割線断面と稜線状突起断面との関係とし、稜線状突
起に沿った方向に割線錠を搬送し得るよう送り振動を1
18Hz〜380Hzの間で調整し、入口部から表裏方
向の混在した割線錠を主面へ導入したところ、毎分22
42錠の処理速度が確認された。また、表裏分別能につ
いては、主面への割線錠の導入総数2018個(54秒
間)での試験においては、装置の出口部(おもて向き用
出口)に混入した裏向き錠は無かった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による表裏
分別装置は、主面と稜線状突起とを組み合せた簡単な構
成でありながら、表向きと裏向きとがランダムに入り混
ざって流れて来る割線錠を、表裏別に分別することが可
能になっている。またさらに、一方の出口部から出た割
線錠を表裏反転させて、他方の出口部から出た流れと合
流させる構造を付与することによって、当該表裏分別装
置は、表裏整列装置として機能するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表裏分別装置を示す模式図であって、
図1(a)は、上方から主面を見たときの図である。割
線は1本の太線で表現している。図1(b)は、稜線状
突起が設けられた領域を側方から見た図であって、部分
的に拡大して示している。ハッチングは領域を区分する
目的で適宜施している。
【図2】当該装置による表裏分別原理を説明するための
斜視図であって、1本の稜線状突起の付近を部分的に拡
大して示している。
【図3】稜線状突起の断面形状の一例を示す図である。
【図4】主面の下り傾斜角度θ1と、稜線状突起の下り
傾斜角度θ2を示す図である。
【図5】当該装置に付与される表裏反転構造の一例を示
す図である。
【図6】図5の表裏反転構造を、裏向き出口部に付与し
た場合の当該装置全体の構成例を示す斜視図である。
【図7】主面に、障害物の一例としての邪魔板を設けた
例を示す図である。
【図8】本発明の実施例において表裏分別の対象とした
割線錠の各部の寸法を示す図である。図中、各部の長さ
の単位は、mmである。
【図9】本発明の実施例で製作した表裏分別装置におけ
る、稜線状突起の各部の寸法を示す図である。
【図10】割線錠の一例を模式的に示す図である。
【図11】割線錠が、表裏の向きをランダムにしてPT
Pに包装された状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 主面 2 稜線状突起 3 入口部 4 出口部 5 裏向き用出口部 m 割線錠 m1 表向き割線錠 m2 裏向き割線錠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 清光 福岡県北九州市八幡西区楠木一丁目5番34 号 Fターム(参考) 3F080 AA03 AA26 AA34 BA01 BA03 BB05 BC02 BD01 BD04 BD06 BD09 BE10 BF17 CB03 CB12 CE11 CF04 DA03 DA10 DA11 DA15 DA18 DB03 4C076 AA47 BB01 FF01 GG14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 割線錠が滑りながら移動するための主面
    と、該主面上に、割線錠の進路を横切るように設けられ
    た稜線状突起とを有し、 前記主面は、割線錠を移動させかつ割線錠に稜線状突起
    を乗り越えさせ得る推進手段を有し、 前記稜線状突起は、割線と嵌まり合う断面形状を有し、
    かつ該稜線状突起に割線が嵌まった裏向き割線錠をその
    稜線に沿って移動させ得る推進手段を有していることを
    特徴とする、割線錠の表裏分別装置。
  2. 【請求項2】 主面の推進手段が、該主面が下り斜面で
    あること、および/または、該主面に外部から与えられ
    る送り振動である、請求項1記載の表裏分別装置。
  3. 【請求項3】 稜線状突起の推進手段が、該稜線状突起
    が下り傾斜であること、および/または、該稜線状突起
    に外部から与えられる送り振動である、請求項1または
    2記載の表裏分別装置。
  4. 【請求項4】 主面および稜線状突起の推進手段とし
    て、主面が下り斜面とされ、稜線状突起が下り傾斜とさ
    れ、かつ、主面および稜線状突起に共通の送り振動が外
    部から与えられている、請求項1記載の表裏分別装置。
  5. 【請求項5】 主面上に、さらに、割線錠の平面回転を
    促進する障害物が設置されている、請求項1記載の表裏
    分別装置。
  6. 【請求項6】 主面の出口部および稜線状突起の出口部
    のどちらか一方に、さらに、割線錠の表裏を反転させ得
    る反転構造が設けられ、該反転構造によって表裏反転さ
    れた割線錠が、他方の出口部から出た割線錠と合流する
    ように流路が構成されている、請求項1〜5のいずれか
    に記載の表裏分別装置。
  7. 【請求項7】 上記反転構造が、主面の出口部または稜
    線状突起の出口部のどちらかの端部に、該端部との間で
    反転用通路を形成するように湾曲板が設けられたもので
    あり、該端部から落下する割線錠が、湾曲板の内面に沿
    って滑りながら表裏反転するように構成されている、請
    求項6記載の表裏分別装置。
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