JP3859080B2 - ゴルフボールの処理システム及びゴルフボールの処理方法 - Google Patents
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Description
(ロ)前記のように、多量のゴルフボールを焼却炉内に一挙に投入すると急激な温度上昇が生じる。そこで、多量のゴルフボールを一挙に投入するのではなく、ゴルフボール群を一旦ホッパーに貯蔵し、当該ホッパーから順次投入する構成とした。これにより、急激な温度上昇を抑えることができる。
(ハ)焼却炉下部には燃焼領域が形成されるが、この燃焼領域はガスの体積が大きく、投入されるゴルフボールの移動を妨げるものが少ない。そこで、ゴルフボール群は、炉頂から投入するのではなく、最初から焼却炉下部の燃焼領域に投入することにより、燃焼を促進することができる。なお、燃焼領域は温度が最も高くなる領域であり、一般には900〜1100℃の温度を有する。
(ニ)前記のように、処理するゴルフボール群の中には1〜5%の半割れボールが混在する。そこで、前記ゴルフボール選別装置を取り付けてゴルフボールの詰まりを解消し、ゴルフボールの連続投入が可能な構成とした。
そこで、本発明のゴルフボールの処理システムが備えるゴルフボール選別装置は、ゴルフボールの投入口と、ゴルフボールの選別手段を備えた斜面と、ゴルフボールの排出口とを有する樋状体によって構成されている。
このようなゴルフボール選別装置により、ホッパーへ投入する以前に半割れボールを選別し、取り除いておくことができ、半割れボールに起因するゴルフボールの連続投入の障害を解消することができる。
すなわち、前記樋状態の斜面に、正規直径よりも幅狭な複数の隙間を形成するように複数の棒体を隙間を開けて配置したり、正規直径よりも小径な複数の孔を穿設したりすることができる。要は割れたり、欠けたりして正規直径よりも小径となった半割れボールを前記排出口へ到達するまでに斜面から落下させることができる構成となっていればよい。このような構成により、半割れボールを選別、取り除くことができる。
なお、本明細書において、前記「正規直径」とは、多少の磨耗等があっても、欠けや割れ等が発生していない、ほぼ製造時の直径を指す。ゴルフのルールによれば、ゴルフボールの直径は42.67mm程度であるから、正規直径は、この42.67mm程度を指すことになる。
そこで、本発明は、高温で粉塵が多い環境下でも確実に作動する前記のような構成として、ホッパー内のゴルフボールが焼却炉内に一気に流れ込むことを防止しつつ、ゴルフボールの連続投入を可能とし、大量無人運転もできるようにした。
また、前記ターンテーブルの回動手段を、必要により、正転・逆転させ、ホッパー内でゴルフボールが絶えず振動、揺動するようにしてもよい。回動手段の逆転は過負荷のときのみに行うようにしてもよい。
本発明者らが炉況を目視及び光高温計で観察したところ、投入されたゴルフボールが未燃焼物の上に滞留し、ゴルフボールの直径の3倍程度の高温域が暫く発生していた。さらに、ここにゴルフボールを集中的に投入すると、炉温度が著しく上昇することを見出した。
そこで、2個以上のゴルフボールを同時に投入するときは上記の領域を避けるように散開して投入することが好ましい。一方、1個ずつ投入する場合は上記の領域内の実質的同一箇所に前後して継続的に投入してもよい。
なお、図1は、各構成要素の配置を説明するものであり、各構成要素の縮尺率は実際のものとは異なる。
樋状体の寸法は、傾斜方向がおよそ2000mmで幅方向が500mm程度である。樋状体の斜面は水平面からの角度θ=30°を有している。その斜面は、図に示すように上流側に直径9mmの棒体16を37mmの等間隔で12本配列し、下流側に鉄板17を取り付けて構成した。
ここで、棒体16を取り付ける間隔37mmというのは、ゴルフボールの直径が42.67mm程度であり、投入時に詰まりの原因となる半割れボールの割れ方、欠け方等を考慮して決定した。
なお、図4の例では、底板18の開口18aは、一箇所であるが、図5に示すように三箇所設けるようにすることもできるし、それ以外の数とすることもできる。
廃液(廃酸+廃アルカリ) 3300リットル/h
廃油 200リットル/h
廃プラスチック 80kg/h
汚泥 370kg/h
再生重油 180kg/h
ゴルフボール 75kg/h
本発明においては、大きさや比重が異なるゴルフボールと廃プラスチックは別々に投入して、装入材の降下を安定させる。多量のゴルフボールを一挙に投入するのではなく、逐次投入することにより、急激な温度上昇を抑えるとともに、一方では、ゴルフボールを焼却炉下部の燃焼領域に投入することにより、直ちに燃焼させる。このように、焼却炉内の廃棄物の下降を安定させ、かつ燃焼を促進する手段と抑制する手段を併用する。
また、この際、半割れボールを予め取り除いておくことにより、半割れボールの詰まりを回避し、処理能力の向上を果たしている。
(イ)ゴルフボール投入装置を使用し、少量づつ一定量のボール投入を可能とし、同時に無人投入を可能とした。
(ロ)焼却炉底部の耐火物を急激なゴルフボールの燃焼により損傷防止することができる。
(ハ)ゴルフボールを熱リサイクルすることにより焼却炉の燃料費を節減することができる。
(ホ)半割れボールの除去により、安定した連続操業が可能となる。
2 ゴルフボール選別装置
3 ホッパー
4 投入管
5 廃棄物焼却炉
7 ゴルフボール
18 底板
19 ターンテーブル
Claims (10)
- 上部の廃プラスチック等の投入口と下部のゴルフボール投入口を備えた廃棄物焼却炉と、
ホッパーと、
当該ホッパーから前記ゴルフボール投入口にゴルフボールを順次投入する少なくとも1本以上の投入管と、
当該ホッパーに選別済みゴルフボールを供給するゴルフボール選別装置と、
を含むことを特徴とするゴルフボールの処理システム。 - 前記ゴルフボール選別装置は、
ゴルフボールの投入口と、
ゴルフボールの選別手段を備えた斜面と、
ゴルフボールの排出口とを有する樋状体であることを特徴とする請求項1記載のゴルフボールの処理システム。 - 前記ゴルフボール選別装置は、
ゴルフボールの投入口と、
ゴルフボールの選別手段を備えた斜面と、
ゴルフボールの排出口とを有する樋状体であり、
前記選別手段は、ゴルフボールの正規直径よりも幅狭な隙間又はゴルフボールの正規直径よりも小径な孔であることを特徴とする請求項1記載のゴルフボールの処理システム。 - 前記ホッパーと前記投入管との間にゴルフボールの送出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のゴルフボールの処理システム。
- 前記ホッパーと前記投入管との間にゴルフボールの送出手段を備え、
当該送出手段は、
前記投入管と連通する開口を有する底板と、
前記ホッパーの下側に位置すると共に前記底板上で回転する回転体であって、前記ホッパーから落下するゴルフボールを一個ずつ収容する区画を少なくとも1つ備えたターンテーブルと、
当該ターンテーブルの回動手段
とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のゴルフボールの処理システム。 - 前記ホッパー内に突出し、当該ホッパー内のゴルフボール群に攪拌作用を付与する目詰まり防止手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のゴルフボールの処理システム。
- 廃プラスチック類を竪型廃棄物焼却炉の炉頂から投入する工程と、
ゴルフボール群の中から割れゴルフボールを取り除く工程と、
当該割れゴルフボールを取り除いたゴルフボール群を、前記廃プラスチック類とは別に、焼却炉下部の燃焼領域に逐次投入する工程
とを含むことを特徴とするゴルフボールの処理方法。 - 前記ゴルフボール群を、前記竪型廃棄物燃焼炉の側壁を貫通し、かつゴルフボールの直径大の内径を有する1本以上の投入管により投入することを特徴とする請求項7記載のゴルフボールの処理方法。
- 前記焼却炉下部の燃焼領域に廃油又は再生重油の1種又は2種を噴射することを特徴とする請求項7又は8記載のゴルフボールの処理方法。
- 割れゴルフボールを取り除いた後の前記ゴルフボール群を一旦ホッパーに投入し、その後、前記投入管を経由して2個以上同時に散開させて投入するか、又は、1個ずつ実質的に同じ箇所に投入することを特徴とする請求項8記載のゴルフボールの処理方法。
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