JP2003182006A - 離型シート - Google Patents

離型シート

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JP2003182006A JP2001384960A JP2001384960A JP2003182006A JP 2003182006 A JP2003182006 A JP 2003182006A JP 2001384960 A JP2001384960 A JP 2001384960A JP 2001384960 A JP2001384960 A JP 2001384960A JP 2003182006 A JP2003182006 A JP 2003182006A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種合成皮革製品や壁紙等の製造に使用される
離型シートであって、高温(200℃付近)で繰り返し
て使用しても、同一のエンボス柄やツヤ等を有する合成
皮革製品等を製造できる離型シート及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】基材シートと、該基材シート上に架橋型ポ
リオレフィン樹脂を含有する樹脂組成物から形成されて
なる離型層を有する離型シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン合成
皮、セミ合成皮、ポリ塩化ビニル製レザー等の各種合成
皮革製品、化粧板等の製造に使用される離型シート及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリウレタン樹脂や塩化ビニ
ル樹脂製の合成皮、セミ合成皮等の合成皮革製品、化粧
板等の製造に使用される離型シートとして、耐熱性の剥
離紙上に、耐熱性のポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン等のポリオレフィン樹脂をラミネートし、さらにエン
ボス加工を施した離型紙(「工程紙」ともいう。)が上
市され、販売されている。そして、この離型紙上に、ポ
リウレタン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂等を押出し加工
し、離型紙表面のエンボス柄を転写させた後、剥離紙を
剥離することによって、各種合成皮革製品や化粧板等が
製造されている。
【0003】しかしながら、この離型シートをくり返し
使用して合成皮革製品を製造する場合には、高温(20
0℃付近)で成形を行なうため、離型紙のポリオレフィ
ン樹脂層の表面のエンボス柄やツヤに変化が生じ、同一
のエンボス柄あるいはツヤを有する合成皮革製品を大量
生産できない場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
に鑑みてなされたものであり、各種合成皮革製品や化粧
板等の製造に使用される離型シートであって、200℃
付近の高温で繰り返して使用しても、同一のエンボス柄
やツヤ等を有する合成皮革製品等を製造できる離型シー
トを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
の解決を図るべく鋭意検討した結果、基材シート上に、
架橋型ポリオレフィン樹脂を含有する樹脂組成物を用い
て離型層を形成した離型シートを案出した。そして、こ
の離型シートを使用すると、高温で繰り返して使用して
も離型層の表面のエンボス柄やツヤに変化が生じること
がなく、同一のエンボス柄やツヤ等を有する合成皮革製
品等を再現性よく製造できることを見出し、本発明を完
成するに到った。
【0006】かくして本発明によれば、基材シートと、
該基材シート上に架橋型ポリオレフィン樹脂を含有する
樹脂組成物から形成されてなる離型層を有する離型シー
トが提供される。
【0007】本発明の離型シートにおいては、前記離型
層が、硬化前のメルトフローレイト値が5〜40g/1
0分である樹脂組成物から形成されてなるのが好まし
く、前記樹脂組成物の硬化物からなり、該硬化物のゲル
分率が40%以上であるのがより好ましい。また、本発
明の離型シートにおいては、前記離型層が表面に凹凸模
様を有するのがより好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の離型シートを詳細
に説明する。本発明の離型シートは、基材シートと、そ
の基材シート上に架橋型ポリオレフィン樹脂を含有する
樹脂組成物から形成されてなる離型層を有することを特
徴とする。
【0009】用いられる基材シートとしては、離型層を
担持できるシート又はフィルム状の基材であれば特に制
限はない。基材シートの具体例としては、薄葉紙、クラ
フト紙、リンター紙、中質紙、上質紙、コート紙、アー
ト紙、硫酸紙、グラシン紙等の紙基材;ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂のシート又はフ
ィルム;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂のシ
ート又はフィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等
のポリエステル樹脂のシート又はフィルム;ポリスチレ
ン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、三酢酸セルロース、セロハン、ポリカーボネート等
のその他の合成樹脂のシート又はフィルム等が挙げられ
る。尚、紙基材の場合、上記の紙の中でも中性抄紙を行
なった中性紙が耐熱性に優れるため好ましい。
【0010】基材シートの厚みや大きさ等には特に制限
はなく、離型シートの用途、基材シートの種類等に応じ
て、所定の厚み、大きさのものを使用することができ
る。例えば、基材シートが紙基材の場合には、その米坪
量は通常50〜300g/m、好ましくは100〜2
00g/mであり、基材シートが合成樹脂のシート又
はフィルムの場合には、その厚みは通常10〜500μ
m、好ましくは50〜250μmである。また、帯状に
連続したものやロール状に巻き取られたシート又フィル
ムを基材シートとして用いることもできる。
【0011】また基材シートとして紙基材を使用する場
合には、その裏面側(離型層が形成される面とは反対側
の面側)にカール防止加工が施された紙基材を使用する
のが好ましい。カール防止加工を施すことにより、基材
シートが熱によりカールして離型シートが変形するのを
防止できる。カール防止加工の方法としては、例えば、
基材の裏面側に、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、
スチレン−ブタジエン共重合体等の合成樹脂を塗布した
り、ポリオレフィン樹脂等のフィルムをラミネートする
方法が挙げられる。
【0012】本発明の離型シートの離型層は、少なくと
も架橋型ポリオレフィン樹脂を含有する樹脂組成物から
形成されてなる。樹脂組成物に架橋型ポリオレフィン樹
脂を含有させることにより、長期にわたり優れた耐熱性
及び機械強度を有する離型層を有する離型シートを得る
ことができる。
【0013】架橋型ポリオレフィン樹脂は、例えば、ポ
リオレフィン系重合体を常法により架橋させて得ること
ができる。用いられるポリオレフィン系重合体として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−
1−ブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、2,2−ジメチル−1−ブテン、2
−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、3−メチル
−1−ヘキセン、2,2−ジメチル−1−ペンテン、
3,3−ジメチル−1−ペンテン、2,3−ジメチル−
1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、2,2,3
−トリメチル−1−ブテン、1−オクテン、2,2,4
−トリメチル−1−オクテン等のα−オレフィンの単独
重合体や、これらα−オレフィンと他の重合性単量体の
共重合体が挙げられる。
【0014】他の重合性単量体としては、例えば、酢酸
ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、ビニルケトン等のビニル化合物;アクリル酸、メ
タクリル酸等の不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プ
ロピル等の不飽和カルボン酸エステル;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド等が
挙げられる。これらの重合性単量体は単独で、あるいは
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】ポリオレフィン系重合体を架橋させる方法
としては、例えば、(i)ポリオレフィン系重合体をラ
ジカル発生剤を用いて化学架橋させる方法、(ii)電子線
等を用いて照射架橋させる方法、(iii)分子中に不飽和
結合又はアルコキシシラン基等を有する架橋型オレフィ
ン重合体を触媒作用により熱又は水で架橋させる方法等
が挙げられる。これらの中でも、使用可能なポリオレフ
ィン系重合体に実質的な制限がないこと、及び特殊で高
価な架橋設備を必要としないこと等の観点から、(iii)
の方法が好ましい。
【0016】上記(iii)の方法で用いられる架橋型オレ
フィン重合体は、分子中に重合性二重結合及び/又はア
ルコキシシラン基を含有し、該重合性二重結合及び/又
はアルコキシシラン基によりポリマー同士が架橋された
高分子である。本発明においては、ビニルシラン化合物
をポリオレフィン系重合体にグラフト共重合させて得ら
れる高分子や、ビニルシラン化合物とオレフィンをラン
ダム共重合させて得られる高分子等のビニルシラン変性
オレフィン重合体を使用するのが好ましい。
【0017】ビニルシラン変性オレフィン重合体の例と
しては、特公昭48−1711号、特開昭59−361
15号、特開昭55−9611号、特開平11−181
187号公報等に記載された重合体が挙げられる。より
具体的には、例えば、リンクロンの商品名(三菱化学
(株)製)で市販されている各種ビニルシラン変性オレ
フィン重合体を使用することができる。
【0018】また前記樹脂組成物には、所望により添加
剤をさらに添加することができる。添加剤としては、例
えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重金属不
活性化剤、金属石鹸、エポキシ系化合物、顔料、染料、
難燃剤、帯電防止剤、滑剤、加工助剤、造核剤、可塑
剤、充填剤、発泡剤等が挙げられる。
【0019】前記樹脂組成物の硬化前のメルトフローレ
イト値(MFR値)は、5〜40g/10分の範囲であ
るのが好ましい。この範囲のMFR値を有する樹脂組成
物を用いることにより、容易かつ均一な厚みの離型層を
形成することができる。ここで、MFR値(g/10
分)とは、一定温度で溶融した熱可塑性樹脂を規定の長
さと径の円形ダイから一定荷重で押出すとき、10分間
の流量をグラム数で表した価であり、メルトインデック
スとも称されるものである。MFR値は、JISK69
22−2に準拠(温度190℃、荷重2.16kgの条
件)して測定することができる。
【0020】基材シート上に樹脂組成物の層を形成した
後、硬化させることにより離型層を形成することができ
る。樹脂組成物の層を基材シート上に形成する方法は特
に制限されず、公知の塗工・成形法を採用することがで
きる。塗工・成形法としては、例えば押出し成形法が挙
げられる。押出成形法としては、例えば、ブロー成形
法、射出ブロー成形法、パイプ成形法、フィルム成形
法、シート成形法等が挙げられる。より具体的には、基
材シート上に、樹脂組成物の溶融物を公知の成形機を用
いて、押出成形(溶融押出成形)する方法が好ましい。
押出成形する際の成形温度は、成形する樹脂の溶融温度
にもよるが、通常100〜300℃、好ましくは140
〜240℃の範囲である。
【0021】なお、本発明の離型シートでは、ポリオレ
フィン系重合体の少なくとも1種及びビニルシラン化合
物の少なくとも1種を混合して得られる混合物を基材シ
ート上に押出成形し、硬化させることにより離型層を形
成することもできる。この方法によれば、ポリオレフィ
ン系重合体を架橋型ポリオレフィン系樹脂の形成及びこ
の架橋型ポリオレフィン系樹脂の架橋を同時に行なうこ
とができる。
【0022】本発明の製造方法においては、前記樹脂組
成物の層を形成する工程の後、前記樹脂組成物の層を硬
化させる前に、樹脂組成物の層の表面に凹凸模様を施す
のが好ましい。凹凸模様を施したのち、硬化させること
により、表面に凹凸模様を有する離型層を形成すること
ができる。そして、得られた離型シートを合成皮革製品
等の製造に用いることにより、合成皮革製品等の表面に
該凹凸模様を転写することができる。凹凸模様は特に制
限なく、例えば、砂目模様、石目模様、皮絞模様、木目
模様等が挙げられる。
【0023】凹凸模様を施す方法としては、例えば、基
材シート上に押出成形法により樹脂組成物の層を形成し
た後、平板プレス機、ロールエンボス機等の公知の各種
プレス機、エンボス機を用いて、対象となる材料に熱又
は圧力によりエンボス板(エンボスロール)の凹凸形状
を賦形することによりエンボス模様を施す方法や、押出
成形する際にクーリングロール面に柄についたロールを
使用する方法等が挙げられる。また、凹凸模様を施す作
業は、時間の経過とともに樹脂組成物の硬化が進行する
ので、少なくとも樹脂組成物の層を形成後、硬化する前
の少なくとも2〜3日以内に行なうのが好ましい。
【0024】樹脂組成物を硬化(「架橋」ともいう。)
させる方法としては特に制限なく、例えば、室温で放
置する方法、所定温度に加熱する方法、所定温度の
乾燥気体を樹脂組成物の層の表面に送り込む方法、シ
ラノール縮合触媒の存在下に架橋させる方法等が挙げら
れる。これらの方法の中でも、ビニルシラン変性オレフ
ィン重合体を用いる場合には、シラノール縮合触媒を使
用する方法が好ましい。シラノール縮合触媒を使用する
ことにより、水或いは大気中の湿気で容易に架橋反応を
進行せしめることができ、所望のゲル分率の離型層を形
成することができる。
【0025】用いられるシラノール縮合触媒としては、
例えば、錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルト等の金属カルボン
酸塩、チタン酸エステル及びキレート化物等の有機金属
化合物、有機塩基、無機酸、有機酸等を用いることがで
きる。より具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブ
チル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、酢酸
第一錫、カプリル酸第一錫、ナフテン酸鉛、カプリル酸
亜鉛、ナフテン酸コバルト、チタン酸テトラブチルエス
テル、チタン酸テトラノニルエステル、エチルアミン、
ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン、硫酸、塩
酸等の無機酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン
酸、マレイン酸等の有機酸等が挙げられる。
【0026】シラノール縮合触媒を使用して樹脂組成物
を硬化させる方法としては、具体的には、(i)シラノー
ル縮合触媒を配合した樹脂組成物を押出成形法によって
基材上に樹脂組成物の層を形成した後、水雰囲気中に曝
す、又は、(ii)シラノール縮合触媒を塗布又は含浸させ
た樹脂組成物の層を水雰囲気中に曝す、等の方法が挙げ
られる。樹脂組成物の層を水雰囲気中に曝す際の条件
は、通常、樹脂組成物の層を常温〜200℃の温度で1
0秒〜1週間の範囲であり、好ましくは、常温〜130
℃の温度で1分〜100時間の範囲である。また、押出
成形法によって樹脂組成物の層を形成した直後に、この
樹脂組成物の層を水槽を通過させて冷却する工程と同時
に行うこともできる。
【0027】前記樹脂組成物の層を硬化させる際に反応
系にシラノール縮合触媒を存在させるには、(a)事前
にシラノール縮合触媒をポリオレフィン系重合体に溶融
混練したマスターバッチとして配合する方法、(b)シ
ラノール縮合触媒を製造時そのまま直接樹脂に配合する
方法等が挙げられる。シラノール縮合触媒の使用量は、
ビニルシラン変性オレフィン重合体100重量部に対し
て、通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01
〜5重量部の範囲である。
【0028】以上のようにして形成される離型層の厚み
には特に制限はないが、通常1〜500μm、好ましく
は5〜300μm、より好ましくは10〜200μmの
範囲である。
【0029】また、離型層のゲル分率(架橋度)は40
%以上が好ましく、45%以上がより好ましい。ゲル分
率が40%以上である架橋型ポリオレフィン樹脂を含有
する離型層は、長期間に亘って優れた強度を発揮し、離
型層表面の凹凸模様やツヤ等の変化を生じさせることが
ない。
【0030】ゲル分率(%)は、次のようにして求める
ことができる。(1)離型層部分を約50mg採取し、
該試料の重量を精密に秤量する。この値をA(mg)と
する。次に、(2)該試料の気泡を潰して試験管に入
れ、キシレン10ml中に浸し、該試験管を120℃の
オイルバス中に24時間放置する。(3)その後、20
0メッシュのステンレス製金網を有する容器でろ過し、
金網上の不溶解部分を取り出し、80℃で4時間真空乾
燥(圧力10mmHg)した後、不溶解部分の乾燥重量
B(mg)を測定する。(4)得られたA及びBを、
式:ゲル分率(%)=(B/A)×100に代入する。
【0031】樹脂組成物の硬化後のゲル分率は、架橋型
ポリオレフィン系樹脂のビニルシラン化合物のグラフト
率、シラノール縮合触媒の種類、量、架橋させる際の条
件(温度、時間)等を変えることにより、調節すること
ができる。
【0032】本発明の離型シートは、ポリウレタン樹脂
又は塩化ビニル樹脂製の合成皮、セミ合皮、レザー等の
各種合成皮革製品や化粧板等の製造時の離型紙として好
適に用いることができる。例えば、本発明の離型シート
上に、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹
脂等を押出成形してこれらの樹脂の層を形成した後に、
離型シートを剥離することにより、同一の凹凸模様及び
ツヤを有する各種合成皮革製品(レザー等)や化粧板等
を大量生産することができる。また、離型シートは、フ
ラットのままで、あるいは所定の形状に型付けした後に
使用することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定される
ことなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、基材、架
橋型ポリオレフィン樹脂の種類、樹脂層の厚み、硬化の
条件等を自由に変更することができる。
【0034】実施例1 厚さ127.9g/mの中性紙に、市販の架橋型ポリ
プロピレン樹脂組成物(商品名:リンクロン XPM−
800HM、三菱化学(株)製、MFR値:16g/1
0分)を、Tダイ押出機を用いて、押出成形の温度約2
30℃にて約30μmの厚さに押出し、ラミネートして
樹脂層を形成した。その後、14日間室温で放置するこ
とにより完全に硬化させて離型層として、実施例1の離
型シートを得た。
【0035】実施例2 厚さ127.9g/mの中性紙に、市販の架橋型低密
度ポリエチレン樹脂組成物(商品名:リンクロン CH
−750T、三菱化学(株)製、MFR値:25g/1
0分)を、Tダイ押出機を用いて、押出成形の温度約2
20℃にて約60μmの厚さに押出し加工を行ない(樹
脂層形成)、その直後にエンボス機にてエンボス加工を
行い、樹脂層表面に皮絞模様を施した。その後、14日
間室温で放置することにより完全に硬化させて離型層と
して、実施例2の離型シートを得た。
【0036】実施例3 127.9g/mの中性紙に、市販の架橋型ポリプロ
ピレン樹脂組成物(商品名:リンクロン XPM−80
0HM、三菱化学(株)製、MFR値:16g/10
分)を、Tダイ押出機を用いて、押出成形の温度約22
0℃にて約60μmの厚さに押出し加工を行ない(樹脂
層形成)、その際に、表面に皮絞模様が付されたクーリ
ングロールにて樹脂層表面をプレスして、樹脂層表面に
皮絞模様を施した。その後、14日間室温で放置するこ
とにより完全に硬化させて離型層として、実施例3の離
型シートを得た。
【0037】実施例4 127.9g/mの中性紙に代えて、裏面に厚さ5μ
mのアクリル樹脂からなるカール防止層を有する130
g/mの中性紙を使用(離型層をカール防止層とは反
対側の面に形成)する以外は、実施例1と同様にして実
施例4の離型シートを得た。実施例4の離型シートは、
実施例1〜3の離型シートに比してカールする度合いが
小さく、取扱い性に優れていた。
【0038】比較例1 127.9g/mの中性紙に、市販のメチルペンテン
ポリマー(商品:TPX、三井化学(株)製、MFR
値:100g/10分)を、Tダイ押出機、にて約30
μmの厚さに押出し加工を行ない(樹脂層形成)、その
直後に、エンボス機を用いて、押出成形の温度約220
℃にてエンボス加工を行い、樹脂層表面に皮絞模様を施
した。その後、14日間室温で放置することにより完全
に硬化させて離型層として、比較例1の離型シートを得
た。
【0039】レザーの作製 上記実施例1〜4及び比較例1で得られた離型シートの
離型層表面に、ポリウレタン樹脂(商品名:クリスボン
7367SL、大日本インク(株)製)を塗布し、13
0℃で乾燥して、厚さ30μmのポリウレタン層を得
た。さらに220℃で2分間加熱した後、室温まで冷却
して、ポリウレタン層を剥離することにより、ウレタン
フィルム(レザー)を作製した。上記実施例1〜4、比
較例1の離型シートは良好な剥離性を有していた。
【0040】離型シートのくり返し剥離性試験 実施例1〜4及び比較例1で得られた離型シートを5回
繰り返して用いてレザーを作製した。離型シートを最初
に使用して作製したレザーの柄及びツヤと、3回目に使
用して作製したレザーの柄及びツヤとを目視にて比較観
察した。その結果、変化が全く認められなかった場合を
◎、変化がほとんど認められなかった場合を○、変化が
若干認められた場合を△、及び明らかな変化が認められ
た場合を×として評価した。評価結果を下記第1表に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の離型シー
トの離型層は、長期にわたり優れた耐熱性及び機械強度
を有し、200℃付近の高温で繰り返し処理した場合で
あっても、その表面の凹凸模様やツヤに変化が生じるこ
とがない。したがって、本発明の離型シートをくり返し
使用して、均一な品質の合成皮革製品や化粧板等を製造
することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK03B AK06 AK07 AK62B AK66B AL05B AT00A BA02 DG10 DG10A EH23 EJ05B EJ08B EJ40 HB21B JA06B JJ03 JK01 JL14B YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シートと、該基材シート上に架橋型ポ
    リオレフィン樹脂を含有する樹脂組成物から形成されて
    なる離型層を有する離型シート。
  2. 【請求項2】前記離型層が、硬化前のメルトフローレイ
    ト値が5〜40g/10分である樹脂組成物から形成さ
    れたものである請求項1に記載の離型シート。
  3. 【請求項3】前記離型層が前記樹脂組成物の硬化物から
    なり、該硬化物のゲル分率が40%以上である請求項1
    または2に記載の離型シート。
  4. 【請求項4】前記離型層が、表面に凹凸模様を有する請
    求項1〜6のいずれかに記載の離型シート。
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