JP2003181851A - プラスチックレンズ製造方法及び該製造方法に使用されるモールド成形型 - Google Patents

プラスチックレンズ製造方法及び該製造方法に使用されるモールド成形型

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JP2003181851A
JP2003181851A JP2001382557A JP2001382557A JP2003181851A JP 2003181851 A JP2003181851 A JP 2003181851A JP 2001382557 A JP2001382557 A JP 2001382557A JP 2001382557 A JP2001382557 A JP 2001382557A JP 2003181851 A JP2003181851 A JP 2003181851A
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plastic lens
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coat layer
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Sanji Sugiura
三二 杉浦
Shinya Kato
進也 加藤
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Nidek Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハードコート付のプラスチックレンズを離型
性良くインモールド工法にて提供すること、また、離型
性の良いモールド型を提供する。 【解決手段】 鋳型を用いて原料を注入し重合させるこ
とによりプラスチックレンズを製造する方法において、
モールド成形型の内壁の最表面に離型性を向上させるた
めの離型層を設け、該離型層が設けられたモールド成形
型を使用してプラスチックレンズ製造のための鋳型を形
成し、該形成された鋳型内にプラスチックレンズの原料
を注入し重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモールド成形型を使
用するプラスチックレンズの製造方法及び該製造方法に
使用されるモールド成形型に関する。
【0002】
【従来技術】従来、鋳型(モールド成形型)の内壁に予
めハードコート層を形成しておき、その後熱硬化型モノ
マー等の原料を注入硬化させることによりハードコート
層が形成されたプラスチックレンズを製造する方法(イ
ンモールド工法)が知られている。この方法は従来プラ
スチックレンズを形成した後、レンズをハードコート液
中に所定時間漬けてハードコート層をレンズ面に形成す
る方法に比べ、洗浄や検査等の工程を少なくすることが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インモ
ールド工法にてハードコート層が形成されたプラスチッ
クレンズを製造する場合、モールド型の内壁面にハード
コート層が密着してしまいプラスチックレンズがモール
ド型から離れ難いといった問題が生じている。このよう
な場合にモールド型から無理にプラスチックレンズを引
き離そうとするとハードコート層がモールド型に残って
しまい、離型不良となってしまう。
【0004】本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、ハ
ードコート付のプラスチックレンズを離型性良くインモ
ールド工法にて提供すること、また、離型性の良いモー
ルド型を提供することを技術課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。 (1) 鋳型を用いて原料を注入し重合させることによ
りプラスチックレンズを製造する方法において、モール
ド成形型の内壁の最表面に離型性を向上させるための離
型層を設け、該離型層が設けられたモールド成形型を使
用してプラスチックレンズ製造のための鋳型を形成し、
該形成された鋳型内にプラスチックレンズの原料を注入
し重合させることを特徴とする。 (2) (1)のプラスチックレンズの製造方法におい
て、前記モールド成形型の離型層上に耐擦傷性を有する
第1ハードコート層を形成し、さらに該第1ハードコー
ト層の上に耐衝撃性を有する第2ハードコート層を形成
したあと、前記鋳型内に前記原料を注入し重合させるこ
とを特徴とする。 (3) (1)のプラスチックレンズの製造方法におい
て、前記離型層はDLC層からなることを特徴とする。 (4) (1)のプラスチックレンズの製造方法におい
て、前記モールド成形型の内壁面と前記DLC層との間
にはDLC層の密着性及び耐薬品性を向上させるための
密着層が設けられていることを特徴とする。 (5) プラスチックレンズを製造するために使用され
るモールド成形型において、該モールド成形型はガラス
にて形成されているとともに前記モールド成形型の内壁
の最表面には離型性を向上させるための離型層が形成さ
れていることを特徴とする。 (6) (5)のモールド成形型において、前記モール
ド成形型の内壁面と前記離型層との間には前記離型層の
密着性及び耐薬品性を向上させるための密着層が設けら
れていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施の形態を図
を用いて説明する。図1はプラスチックレンズの製造工
程を示したフローチャート、図2はモールド成形型の部
分断面図、図3はモールド成形型を使用したプラスチッ
クレンズの成形(製造)の様子を示した模式図である。
【0007】本実施の形態では、2枚のモールド成形型
1を使用し、その内壁面(使用面)に耐擦傷性の効果を
有する第1のハードコート層2を形成し乾燥させた後、
第1のハードコート層の表面を改質、エッチング(荒ら
す)等の表面処理を行うことにより、その上に耐衝撃性
の効果を有する第2のハードコート層3(プライマー
層)を形成した際にハードコート層2とハードコート層
3との接着性を高めておく。その後、2枚のモールド型
1と環状のガスケット5にて形成される所定の空間にプ
ラスチックレンズの材料となる原料4(モノマー)を注
入し、重合させた後、鋳型から外しプラスチックレンズ
を形成させるものである。
【0008】使用するモールド成形型1はガラス製、金
属製のものを使用することができるが、度付きのプラス
チックレンズは多種に渡るため、個々のレンズカーブを
簡単に成形することが可能なガラス製のモールド成形型
が好適に用いられる。また、ガスケット5はポリ塩化ビ
ニル等のポリマー系やシリコーンゴム系等が好適に用い
られる。
【0009】また、図2に示すようにモールド成形型1
の内壁(使用面)には、予めハードコート層が形成され
たプラスチックレンズとモールド成形型1との離型性を
良くするために離型層10が形成されている。離型層1
0は離型性を向上させるための第1層10aと、密着性
や第1層10aの耐薬品性向上のために設けられる第2
層とからなる。
【0010】第1層10aはモールド成形型1の内壁最
表面に形成される。第1層10aは、例えばDLC(タ゛
イヤモント゛ ライク カーホ゛ン)層を挙げることができ、さらにはC
r、TiN、Cr2N等、摩擦抵抗を減少させ離型性を
向上することができる材料にて形成された層を挙げるこ
とができる。第1層10aの膜厚は、プラスチックレン
ズ成形時にクラックが入らない程度の膜厚であることが
必要であり、好ましくは0より上で3μm以下である。
さらに好ましくは0.5μm以上で1μm以下である。
第1層10aはスパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等の公知のコーティング方法により形成させること
ができる。
【0011】第2層10bはモールド成形型1と第1層
10aとの間に形成される。第2層10bに用いられる
材料は、例えばSiやSiC等、の基板(モールド成形
型)と最表面層との密着性を上げることができる材料を
挙げることができる。また、第2層10bもスパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の公知
のコーティング方法により形成することができる。
【0012】本実施の形態では、モールド成形型1の内
壁に離型層10として離型性向上のための第1層10a
と、密着性向上のための第2層10bとを形成すること
としたが、これに限るものではなく、第2層10bを形
成させずモールド成形型1上に直接離型性向上のための
第1層10aを形成することもできる。この場合には2
層を形成したものと比べ、密着性、耐薬品性は若干劣る
が、モールド成形型1とハードコート層付のプラスチッ
クレンズとの離型性は、2層を形成したものと同性能を
維持することができる。
【0013】本発明では2枚のモールド成形型1を使用
してプラスチックレンズを成形するため、各々のモール
ド成形型1の内壁(使用面)にこのような離型層10を
設けておく。上述した離型層10が形成されたモールド
成形型1を使用して、インモールド工法によりプラスチ
ックレンズの成形を行う。初めにモールド成形型1の洗
浄を行う。洗浄は超音波洗浄等の一般的な公知技術によ
って行う。モールド成形型1の洗浄後、モールド成形型
1の内壁面(使用面)に耐擦傷性の効果を持つハードコ
ート層2を形成する。耐擦傷性の効果を持つハードコー
トに使用する塗料は紫外線硬化性を有するものや熱硬化
性を有する公知のハードコート用モノマーを含んだもの
使用することができる。
【0014】耐擦傷性の効果を持つハードコート用のモ
ノマーとしては例えば、単官能や多官能(メタ)アクリ
レート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、
硬化温度の低下や硬化時間の短縮を図るため、重合開始
剤をハードコート液に加えてもよい。重合開始剤として
は例えば過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベ
ンゾインエーテル等が挙げられる。
【0015】また、モールド型1の内壁面にハードコー
ト層を形成する方法は特に制限されず、既知の形成方法
を用いることができる。例えばディッピング法、スプレ
ーコーティング法、スピンコーティング法、刷毛塗り等
を用いることができる。
【0016】ハードコート層2の物理膜厚は、好ましく
は0.5μm〜10μm、さらに好ましくは1.0μm
〜5μmである。膜厚が0.5μmを下回るとハードコ
ートとしての効果が得られ難い。また、10μmを上回
る膜厚を形成する場合、溶媒等がコート層に残留し易く
なり膜厚に応じた効果が得られ難くなる。
【0017】モールド型1の内壁面(使用面)にハード
コート層2が所定の膜厚だけ形成したあと、加熱により
溶媒を除去した後、紫外線や熱を与えハードコート層2
の硬化作業を行う。硬化時間は使用するモノマーや光源
の出力等によって適宜決定すればよい。
【0018】ハードコート層2の形成、乾燥後、ハード
コート層2とハードコート層3との密着性を高めるため
にハードコート層2の表面に所定の処理を行ってもよ
い。表面処理は例えばプラズマ処理、コロナ放電処理、
酸処理、アルカリ処理、紫外線照射処理等が挙げられ
る。これらの処理によってハードコート層2の表面2a
が改質、エッチングを起こすため、その後に形成される
ハードコート層3との接着性(密着性)が高くなる。
【0019】モールド成形型1の内壁面にハードコート
層2を形成した後、次にハードコート層2の上に耐衝撃
性の効果を持つハードコート層3の形成を行う。ハード
コート層3で使用されるハードコート用塗料は、公知の
耐衝撃性の効果を持つ材料(モノマー)が用いられる。
例えばウレタン(メタ)アクリレート等のウレタン系材
料、ポリエチレン,ポリプロピレン等のオレフィン系材
料、ポリエステル(メタ)アクリレート等のポリエステ
ル系材料やポリアミドイミドが好適に用いられる。
【0020】コーティング方法は前述した方法にて行う
ことができる。また、ハードコート層3の物理膜厚はハ
ードコート層2と同様に好ましくは0.5μm〜10.
0μm、更に好ましくは1.0μm〜5μmである。
【0021】ハードコート層3の形成後、プラスチック
レンズを成形(製造)するためにハードコート層2,3
が形成されている2枚のモールド型1とガスケット5と
を用いて鋳型の組立てを行う。環状のガスケット5の内
部に設けられた凸部5aの両端にモールド型1をハード
コート層が向き合うように当接させ、固定保持してお
く。
【0022】次に、2枚のモールド型1とガスケット5
によって形成された空間内にプラスチックレンズの原料
(モノマー等)を注入し、重合させる。重合は所定温
度、所定時間をもって行われる。使用する原料は公知の
ものが使用できる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン
系樹脂(イソシアネート化合物)、ポリカーボネート等
が挙げられる。
【0023】原料を重合した後、鋳型(モールド成形
型、ガスケット)からレンズを離型し、丸め(コバ部分
の研削等)、洗浄を行った後、オーブン内に入れ所定温
度にて加熱し、アニール処理を行なってレンズの完成と
する。なお、モールド成形型1には離型層10が形成さ
れているため、簡単にモールド成形型1からハードコー
ト層が形成されたプラスチックレンズを離型させること
ができる。
【0024】プラスチックレンズをモールド成形型1か
ら離型させた後、モールド成形型1に残った汚れ(ハー
ドコート組成物等)を取り除くため、アルカリ洗浄を行
う。アルカリ洗浄は公知の洗浄方法により行われる。
【0025】以上のように本実施の形態では、耐擦傷性
のハードコートと耐衝撃性のハードコートを予めモール
ド型に施しておくため、できあがったレンズは耐擦傷性
と耐衝撃性の効果を有することとなる。このためレンズ
の製造後、洗浄、検査等を行い耐衝撃性用のハードコー
トを施した後、再び洗浄、検査等を行い耐擦傷性のハー
ドコートを施していた方法に比べ、生産性が上がること
となる。
【0026】さらに、各ハードコート層の形成に使用す
るハードコート液に金属酸化物(例えば、SiO2、T
iO2、ZrO2等)を添加することにより、各ハードコ
ートのインデックスを調整することができる。これによ
りレンズ基材のインデックスと同等のインデックスとな
るように各ハードコート液を調整することで、ハードコ
ートが形成されたレンズにおいても各層の境界面にて生
じる反射を抑制することができる。
【0027】また、以上の実施形態では、耐擦傷性のハ
ードコート層2と耐衝撃性のハードコート層3の2層を
用いたがこれに限るものではない。例えばモールド型1
の内壁面に反射防止膜を形成した後、反射防止膜の表面
処理を行い、その上に耐擦傷性のハードコート層、耐衝
撃性のハードコート層を形成するものとしてもよい。ま
た、ハードコート層を1層のみとしても良いし、ハード
コート層なしのプラスチックレンズの成形を行うことも
できる。また、インモールド工法にてプラスチックレン
ズを成形する場合、レンズ基材やハードコート組成液中
に離型性を向上させるための離型剤を添加する必要があ
ったが、離型剤の添加により膜同士の密着性が得られ難
くなる。本発明においては離型剤を添加する必要がない
ため、膜同士の密着性を維持したまま離型性を向上させ
ることができる。
【0028】また、本実施の形態では、2枚のモールド
型とガスケットを使用して光学部材成形用の鋳型を作製
しているが、これに限るものではなく、2枚のモールド
型を所定距離だけ離した状態で粘着テープ等にて固定保
持させることにより、鋳型を作製することもできる。
【0029】以下に本発明の具体的な例として実施例を
挙げる。 <実施例1>モールド成形型1は、内壁(使用面)にイ
オンプレーティング法によりSiC層を形成した後、さ
らにSiC層の上にスパッタリング法によりDLC層を
形成したものを使用した。
【0030】表1に耐衝撃性用のハードコート液
(1)、耐擦傷性用のハードコート液(2)の処方を示
す。図中%は重量%である。
【0031】
【表1】
【0032】また、レンズ製造用の原料には三井化学社
製のMR−7を使用した。実施の形態で示した離型層1
0(第1層10a及び第2層10b)が形成されたガラ
ス製のモールド成形型1を超音波洗浄にて洗浄後、表1
に示す処方の耐擦傷性のハードコート液(2)を使用し
て内壁にスピンコーティング法により物理膜厚2μmに
て塗布した。
【0033】塗布後、高圧水銀ランプ(40mW/cm
2)にて4秒間照射してハードコート層2の硬化膜を得
た。次に、耐擦傷性のハードコート層2が形成されたモ
ールド成形型1をプラズマ処理装置(サムコインターナショナル研究
所製 PX−1000)内に置き、350Wの出力で3
50秒間(酸素流量1000cm3/min)にてプラ
ズマを発生させ表面処理を行った。
【0034】このようにして表面処理を行った耐擦傷性
のハードコート層2の上に表1に示す処方の耐衝撃性の
ハードコート液(1)を使用して、スピンコーティング
法により物理膜厚2μmにて塗布した。塗布後、100
℃で1時間保持させ耐衝撃性のハードコート層3の硬化
膜を得る。
【0035】2枚のモールド成形型1に2層のハードコ
ート層2,3を形成後、シリコン性のガスケット5と2
枚のモールド成形型1からなる鋳型に原料(三井化学社
製MR−7)を注入し、30℃から120℃まで22時
間かけて昇温し、120℃で2時間保持させ重合を完了
させた。室温まで徐冷したあと、鋳型からレンズを取り
外し、丸め、洗浄を行った後、100℃にて2時間保持
し、その後4時間をかけて室温まで戻しアニール処理を
完了させた。
【0036】得られたハードコート付きのレンズの評価
試験及び、モールド成形型1の耐薬品性の評価を行っ
た。レンズの評価は離型性、外観、耐衝撃性、密着性の
4項目を行った。離型性評価は鋳型から簡単にレンズが
取り外せるか否かのチェックを行った。簡単に取り外す
ことができれば○、できなければ×とした。
【0037】外観評価は目視にてハードコートのハゲが
あるか否かのチェックを行った。ハードコートの膜ハゲ
がなければ○、あれば×とした。耐衝撃性評価はFDA
規格の耐衝撃性規格に基づき、127cmの高さから1
6.2gの鋼鉄製ボールを落下させ、割れるか否かを評
価した。密着性評価はクロスカットテープ試験によって
行った。クロスカットテープ試験はレンズ面に1mm間
隔で切れ目を入れて1mm2のマス目を100個形成
し、粘着テープをレンズ面に押し当てたあと、勢いよく
剥がし、マス目がレンズ面に何個残っているかを調べる
ことにより密着性の評価を行うものである。
【0038】また、耐薬品性の評価はプラスチックレン
ズを離型した後のモールド成形型1を60℃のNaOH
水溶液中に所定時間(2時間、4時間、8時間、12時
間)浸漬させ、目視にて外観の評価を行った。問題が無
ければ○、表面がざらついているように見えれば(膜が
侵されていれば)×とした。
【0039】以上の評価方法における実施例1の結果を
表2に示す。
【0040】<実施例2>実施例1のモールド成形型1
に代え、内壁(使用面)にイオンプレーティング法によ
りSiC層を形成した後、さらにSiC層の上にスパッ
タリング法によりTiN層を形成したものを使用し、実
施例1で示した手順にてハードコート層が形成されたプ
ラスチックレンズを成形した。プラスチックレンズの成
形手順、ハードコート液は実施例1と同様とした。
【0041】得られたプラスチックレンズ及びモールド
成形型1について実施例1と同様の評価を行った。実施
例2における評価結果を表2に示す。
【0042】<実施例3>実施例3ではモールド成形型
1の内壁(使用面)に直接DLC層を施したものを用い
た。プラスチックレンズの成形手順、ハードコート液は
実施例1と同様とした。
【0043】得られたプラスチックレンズ及びモールド
成形型1について実施例1と同様の評価を行った。実施
例3における評価結果を表2に示す。
【0044】<実施例4>実施例4ではモールド成形型
1の内壁(使用面)に直接TiN層を施したものを用い
た。プラスチックレンズの成形手順、ハードコート液は
実施例1と同様とした。
【0045】得られたプラスチックレンズ及びモールド
成形型1について実施例1と同様の評価を行った。実施
例4における評価結果を表2に示す。
【0046】<比較例>実施例1と同様のハードコート
液、レンズ製造用の原料を用いてレンズの作製を行っ
た。但しモールド成形型には離型層を形成しなかった。
【0047】得られたプラスチックレンズ及びモールド
成形型1について実施例1と同様の評価を行った。比較
例における評価結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】<結果>表2に示したように、実施例1〜
4においてはモールド成形型とプラスチックレンズとの
離型は簡単に行うことができたが、比較例では鋳型を9
0℃で温めた後、ハンマーにて軽く衝撃を与えないとプ
ラスチックレンズが離型しなかった。また、離型後のプ
ラスチックレンズは何れの評価においても問題はなかっ
た。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明ではモールド成形
型の内壁面側に離型性を高めるためのコーティング処理
を施すことにより、ハードコート付のプラスチックレン
ズを簡単にモールド成形型から離型させることができ
る。また、モールド成形型の内壁面と離型性を高めるた
めのコート層との間に密着性を高めるコート層を形成さ
せることにより、さらに耐薬品性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施の形態を示したフローチャ
ートである。
【図2】モールド成形型の概略構成を示す部分断面図で
ある。
【図3】インモールド工法にてハードコート付のプラス
チックレンズを製造する構成を示した図である。
【符号の説明】
1 モールド成形型 2 ハードコート層 3 ハードコート層 4 プラスチックレンズ用原料 5 ガスケット 10 離型層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型を用いて原料を注入し重合させるこ
    とによりプラスチックレンズを製造する方法において、
    モールド成形型の内壁の最表面に離型性を向上させるた
    めの離型層を設け、該離型層が設けられたモールド成形
    型を使用してプラスチックレンズ製造のための鋳型を形
    成し、該形成された鋳型内にプラスチックレンズの原料
    を注入し重合させることを特徴とするプラスチックレン
    ズの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のプラスチックレンズの製造方
    法において、前記モールド成形型の離型層上に耐擦傷性
    を有する第1ハードコート層を形成し、さらに該第1ハ
    ードコート層の上に耐衝撃性を有する第2ハードコート
    層を形成したあと、前記鋳型内に前記原料を注入し重合
    させることを特徴とするプラスチックレンズの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1のプラスチックレンズの製造方
    法において、前記離型層はDLC層からなることを特徴
    とするプラスチックレンズの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のプラスチックレンズの製造方
    法において、前記モールド成形型の内壁面と前記DLC
    層との間にはDLC層の密着性及び耐薬品性を向上させ
    るための密着層が設けられていることを特徴とするプラ
    スチックレンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 プラスチックレンズを製造するために使
    用されるモールド成形型において、該モールド成形型は
    ガラスにて形成されているとともに前記モールド成形型
    の内壁の最表面には離型性を向上させるための離型層が
    形成されていることを特徴とするモールド成形型。
  6. 【請求項6】 請求項5のモールド成形型において、前
    記モールド成形型の内壁面と前記離型層との間には前記
    離型層の密着性及び耐薬品性を向上させるための密着層
    が設けられていることを特徴とするモールド成形型。
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