JP2003266441A - 成形型 - Google Patents

成形型

Info

Publication number
JP2003266441A
JP2003266441A JP2002068697A JP2002068697A JP2003266441A JP 2003266441 A JP2003266441 A JP 2003266441A JP 2002068697 A JP2002068697 A JP 2002068697A JP 2002068697 A JP2002068697 A JP 2002068697A JP 2003266441 A JP2003266441 A JP 2003266441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
fragment ions
molding die
detection
detection intensity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002068697A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Sakai
昭彦 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2002068697A priority Critical patent/JP2003266441A/ja
Publication of JP2003266441A publication Critical patent/JP2003266441A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 離型性に優れた成形型を提供すること。 【解決手段】 成形型の表面をTOF−SIMS(飛行
時間型二次イオン質量分析計)で正イオン分析を行った
結果が次の(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴と
する成形型。 (1)全正イオンの検出強度の合計を1と(正規化)し
たときに、CF3+フラグメントイオンの検出強度が
0.05以上であること (2)CF3 +フラグメントイオンの検出強度を1と(正
規化)したときに、C25 +フラグメントイオンおよび
37 +フラグメントイオンの少なくとも一方の検出強
度が0.1以上であること (3)CF3 +フラグメントイオンの検出強度を1と(正
規化)したときに、CFO+フラグメントイオンの検出
強度が0.1以上であること

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形物の成形型か
らの離型性が良好な成形型に関するにするものである。
詳しくは、眼鏡レンズ、光学用レンズ、表示用基板、タ
ッチパネル基板、拡散板、導光板、PDP用シールド板
等の光学用部材、CD、DVD、ハードディスク基材等
の情報材料基材の成形に用いられる成形型である。
【0002】
【従来の技術】インジェクション、注型成形、プレス等
の成形型を用いて樹脂成形体を得る方法において、通
常、樹脂成形体は、成形型内で所定の形状に成形された
後、成形型を開いて取り出されている。しかし、樹脂成
形体は成形型に付着しやすく、成形型から樹脂成形体を
取り出す際に、樹脂成形体が破損しやすいという問題が
ある。特に樹脂成形体の厚みが薄いほど、また、樹脂成
形体が大型になるほど破損は起こりやすくなる。
【0003】さらに、樹脂成形体が硬化性樹脂からなる
場合は、熱可塑性樹脂からなる場合よりも、成形型内に
おける、固化収縮、硬化収縮が大きいため、成形型から
樹脂成形体を取り出す際の破損が起こりやすい傾向にあ
る。成形体の破損を回避するために、例えば、成形型に
シリコンの液状オイルを塗布して成形性の向上させる方
法や、特定の離系剤を塗布した成形型を用いる方法(特
開平10−100164号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
でも離型性はまだ不十分であり、また、成形型を繰り返
して使用すると、離型性が低下するという問題もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、本発明
者が鋭意検討した結果、成形型の表面をTOF−SIM
S(飛行時間型二次イオン質量分析計)で正イオン分析
を行った場合、特定の正イオンが特定の割合で存在する
成形型を用いると、離型性が優れ、また、離型性が持続
することを見出し、本願発明に到達した。すなわち、本
発明の要旨は、成形型の表面をTOF−SIMS(飛行
時間型二次イオン質量分析計)で正イオン分析を行った
結果が次の(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴と
する成形型。 (1)全正イオンの検出強度の合計を1と(正規化)し
たときに、CF3 +フラグメントイオンの検出強度が0.
05以上であること (2)CF3 +フラグメントイオンの検出強度を1と(正
規化)したときに、C25 +フラグメントイオンおよび
37 +フラグメントイオンの少なくとも一方の検出強
度が0.1以上であること (3)CF3 +フラグメントイオンの検出強度を1と(正
規化)したときに、CFO+フラグメントイオンの検出
強度が0.1以上であること
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明の成形型は、樹脂などの被成形材料の
成形に用いられる成形型であれば特に制限はない。成形
型は、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック樹脂
等いかなる材料から構成されていてもよく、被成形材料
の種類および硬化条件(温度、活性エネルギー線照射)
等を勘案し適宜選定される。得られる成形体の表面平滑
性、成形型の取り扱い性、活性エネルギー線を透過する
点からガラスでできた成形型が好ましく用いられる。ガ
ラスとしては、アルカリガラス、石英ガラス、パイレッ
クス(R)ガラス、フロートガラス、テンパレックスガ
ラスなどが挙げられる。
【0007】成形体を構成するガラスは、その表面が強
化処理されたガラスが、成形型の強度の点から好まし
い。強化処理されたガラスとしては、熱強化ガラス;硝
酸カリウム、硝酸リチウム等で表面イオン置換処理を施
したケミカル強化ガラス;ITO、Sn23、SI
2、TiO2等の処理を施したガラス等が挙げられ、特
にケミカル強化ガラスが好ましく用いられる。また、得
られる成形体の表面平滑性が求められる場合には、研磨
を行ったガラスが好ましく用いられる。研磨ガラスとし
ては、表面平滑度(Ra)が500〜10nmのものが
挙げられる。
【0008】成形型の表面の正イオン分析は、飛行時間
型二次質量イオン分析計(TOF−SIMS)により行
い、好ましくは、ION−TOF社製ToF−SIMS
−IV装置が用いられる。測定条件は、一次イオンとし
てGa+を用い、一次イオン加速エネルギー25ke
V、一次イオン電流0.5pA、パルス幅〜0.7ns
ec、300μm角走査二次イオン正イオン測定、積算
240secで行う。
【0009】本発明は、成形体の表面に特定のフッ素含
有化合物が存在することを特徴とする。具体的には、成
形型の表面、好ましくは成形型の被成形材料と接する表
面を、上記分析装置により正イオン分析を行った結果、
次の(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする。
【0010】(1)全正イオンの検出強度の合計を1と
(正規化)したときに、CF3 +フラグメントイオンの検
出強度が0.05以上、好ましくは0.1以上である。
このフラグメントイオンの検出強度は大きいほうが好ま
しい。このフラグメントイオンの検出強度が小さすぎる
と、初期の離型性が劣る。
【0011】(2)CF3 +フラグメントイオンの検出強
度を1と(正規化)したときに、C 25 +フラグメント
イオンおよびC37 +フラグメントイオンの少なくとも
一方の検出強度が0.1以上、好ましくは0.4以上、
特に好ましくは1以上である。好ましくは、C25 +
ラグメントイオンおよびC37 +フラグメントイオンの
両方の検出強度が0.1以上、好ましくは0.4以上、
特に好ましくは1以上である。これらのフラグメントイ
オンの検出強度は大きいほうが好ましい。C25 +フラ
グメントイオンおよびC37 +フラグメントイオンは、
成形体と成形型の離型性に関与し、これらのフラグメン
トイオンの検出強度が小さすぎると、成形体の成形型と
の離型性が劣る。
【0012】(3)CF3 +フラグメントイオンの検出強
度を1と(正規化)したときに、CFO+フラグメント
イオンの検出強度が0.1以上、好ましくは0.2以
上、特に好ましくは0.4以上である。このフラグメン
トイオンの検出強度も大きい方が好ましい。CFO+
ラグメントイオンは、繰り返し離型性に関与し、このフ
ラグメントイオンの検出強度が小さすぎると、繰り返し
離型性が低下する。
【0013】本発明の成形型は、上記の(1)〜(3)
に加え、次の条件(4)を満足するものであることが好
ましい。 (4)CF3 +フラグメントイオンの検出強度を1と(正
規化)したときに、C 23+フラグメントイオン、C3
5+フラグメントイオンおよびC47+フラグメン
トイオンの合計の検出強度が、通常0.05以上、好ま
しくは0.1以上、特に好ましくは0.2以上である。
これらのフラグメントイオンの検出強度の合計は大きい
方が好ましい。これらのフラグメントイオンは、繰り返
し離型性に関与し、これらのフラグメントイオンの検出
強度の合計が小さすぎると、繰り返し離型性が悪化する
恐れがある。
【0014】このような成形型は、例えば、成形型の表
面に、フッ素含有化合物、シリコン系化合物、アルキル
系化合物およびこれらの混合物を塗布し、フッ素含有化
合物を有する層を形成する方法、真空蒸着、スパッタリ
ング、CVD等による無溶剤処理を行う方法、フッ素含
有化合物を真空蒸着、スパッタリング、CVD等により
成形型の表面に化学反応させる方法などが挙げられる。
このようにして得られる、フッ素含有化合物を有する層
あるいは膜の厚さは、通常0.1μm以下、通常は0.
01μm以下である。
【0015】本発明の成形型においては、単に特定のフ
ッ素含有化合物を成形型の表面に存在させればよいので
はなく、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量
分析計)で分析した時の各フラグメントイオンの検出強
度が特定の範囲であるように、成形体の表面に存在させ
ることにより、優れた脱型性をもち、かつ、脱型性を長
期間維持できることを見出したものである。
【0016】本発明で用いられるフッ素含有化合物とし
ては、旭硝子社製「サイトップCTL−107M」、ダ
イキン工業社製「オプツールDSX」などの化合物、す
なわち、含フッ素ポリマーが挙げられる。成形型表面に
フッ素含有化合物を有する層または膜を形成するに先立
ち、成形型表面は、SiO2、ITOなどのスパッタリ
ングなどにより表面を改質したり、界面活性剤を用いた
洗浄、フッ酸及びアルカリ溶液を用いた洗浄、炭酸カル
シウム、などの無機粒子による研磨などにより、成形体
表面を清浄化することにより、成形型とフッ素含有化合
物との接着性を向上させてもよい。
【0017】フッ素含有化合物を含む組成物の塗布によ
りフッ素含有化合物を含む層を形成する方法が簡便なの
で好ましく用いられ、具体的には、成形型の表面に、フ
ッ素含有化合物を含む組成物を塗布し、乾燥することに
よりフッ素含有化合物を含む層が形成される。塗布方法
としては、公知の塗布方法、例えば、スプレー塗装、ス
ピン塗装、浸漬塗装、ロールコート塗装、グラビアコー
ト塗装、カーテンフロー塗装等を用いることができる。
【0018】フッ素含有化合物の塗布に用いられる組成
物は、フッ素含有化合物の溶液、懸濁液または分散液が
挙げられる。この組成物は、通常、溶剤を含有する。溶
剤としては、フッ素含有化合物を分散、溶解または懸濁
することができれば特に限定されないが、好ましくは、
パーフルオロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチ
ルシクロヘキサン、ジクロロペンタフルオロプロパン
(HCFC−225)等のフッ素系溶媒、エタノール等
のアルコールなどを挙げることができる。
【0019】この組成物には、フッ素含有化合物の他
に、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボ
ン、セメント等の微粉末充填剤、チタン、アルミニウ
ム、ケイ素等のアルコキシド、その他の低分子量ポリテ
トラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂の微粉末
等を、硬度調整剤又は増量剤等として添加してもよい。
また、公知の架橋剤を加えることにより、硬度調整を行
ってもよい。
【0020】本発明の成形型を用いて成形される被成形
材料としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂などの樹脂、
好ましくは硬化性樹脂、特に好ましくは硬化時の収縮率
が5%以上の硬化性樹脂が用いられる。硬化性樹脂とし
ては、各種メタクリレート、アクリレート、エポキシ、
フェノール、ノボラック等が挙げられる。硬化性樹脂
は、必要に応じて、ラジカル発生剤、硬化剤、希釈剤、
添加剤、微粒子、色素等を含有した硬化性樹脂組成物が
用いられる。
【0021】本発明の成形型内に樹脂を注入し、樹脂を
硬化させた後、脱型することにより成形体を製造するこ
とができる。樹脂を硬化させる方法としては、熱、活性
エネルギー線の照射が挙げられる。活性エネルギー線と
しては、紫外線、可視光、赤外線、X線等の電磁波、及
び電子線などが挙げられる。本発明の成形型は、成形物
の離型性が良好なので、硬化収縮の緩和が困難で成形が
難しい活性エネルギー線を用いた成形をする際に使用す
るのが好ましい。
【0022】本発明の成形型を用いて製造された成形体
は、表面平滑性が良好なので、眼鏡レンズ、光学用レン
ズ、表示用基板、タッチパネル基板、拡散板、導光板、
PDP用シールド板等の光学用部材、CD、DVD、ハ
ードディスク基材等の情報材料基材などに好適に用いる
ことができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、離型性に優れた成形型
を提供することができ、大型の成形体や硬化収縮が大き
い樹脂の成形が容易に行える。
【0024】
【実施例】<実施例1>フロートガラス(100×10
0×5mm)2枚を3重量%NaOH水溶液に4時間浸
漬した後、純水で洗浄し、乾燥した。ガラス表面にフッ
素含有化合物(旭硝子社製、商品名「サイトップ CT
L−107M」)のパーフロロヘキサン溶液(1重量
%)を塗布し、100℃で1時間熱処理を行った。得ら
れたガラス板2枚を、フッ素含有化合物の塗布面が内側
になるようにして対向させ、間にシリコーンゴム製の幅
5mm厚み0.5mmのスペーサーを挟みこみキャビテ
ィを作り成形型を形成した。
【0025】P−ビス(β−メタクリロイルオキシエチ
ルチオメチル)ベンゼン100重量部、2,4,6−ト
リメチルベンゼンジフェニルフォスフィンオキシド(B
ASF社製「ルシリンTPO」)0.05重量部、ベン
ゾフェノン0.1重量部を混合し、十分に攪拌した後、
脱泡して、光硬化性組成物を調製した。
【0026】成形型に光硬化性組成物を注入し、成形型
の両面に配置した出力80W/cmのメタルハライドラ
ンプを照射量が30J/cm2 となるように照射して樹
脂を硬化させた。その後、成形型の周囲の接着テープを
取り去って成形型を開放し、樹脂成形体を取出した。同
一の成形型を用い、樹脂成形体の成形、脱型を繰り返
し、1回目、50回目、100回目の脱型性(取出し易
さ)を評価した。結果は表1に示す。
【0027】取出し易さ:成形型から樹脂シートを取出
す際の、型からの樹脂シートの剥がし易さを、次の3段
階で評価した。1回目、50回目で×の評価となった場
合は、それ以降の評価は行わないこととする。 ◎:容易に剥がれる ○:少し剥がしにくい ×:剥がしにくく、樹脂シートが割れる
【0028】<実施例2>フッ素含有化合物として、ダ
イキン工業社製、商品名「オプツールDSX」を用いた
他は、実施例1と同様に行って成形型を作成し、脱型性
の評価を行った。結果は表1に示す。
【0029】<比較例1>フッ素含有化合物の溶液とし
て、信越化学社製、商品名「KBM7803」のエチル
アルコール溶液(1重量%)を用いた他は、実施例1と
同様に行って成形型を作成し、脱型性の評価を行った。
結果は表1に示す。
【0030】<比較例2>フッ素含有化合物の溶液とし
て、信越化学社製、商品名「KBM7103」のエチル
アルコール溶液(1重量%)を用い、100℃1時間の
熱処理のかわりに、常温(23℃)で20時間放置した
他は実施例1と同様に行い、成形型を作成し、脱型性の
評価を行った。結果は表1に示す。
【0031】<比較例3>フッ素含有化合物の溶液とし
て、信越化学社製、商品名「KP801M」のヘキサフ
ロロキシレン溶液(1重量%)用いた他は、実施例1と
同様に行って、成形型を作成し、脱型性の評価を行っ
た。結果は表1に示す。
【0032】<比較例4>フッ素含有化合物の溶液の代
わりに、シリコン系化合物である信越化学社製、商品名
「KF96」のキシレン溶液(1重量%)を用いた他
は、実施例1と同様に行って、成形型を作成し、脱型性
の評価を行った。結果は表1に示す。
【0033】<比較例5>フッ素含有化合物として、旭
硝子社製、商品名「サイトップ CTL−107M」)
のパーフロロヘキサン溶液(0.001重量%)を用い
た他は、実施例1と同様に行って、成形型を作成し、脱
型性の評価を行った。結果は表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】※1:全てのフラグメントイオン(正イオ
ン)の強度の合計を1とした場合のCF 3 +の強度 ※2:CF3 +の強度を1とした場合のC2F5 + の強度 ※3:CF3 +の強度を1とした場合のC3F7 +の強度 ※4:CF3 +の強度を1とした場合のCFO+の強度 ※5:CF3 +の強度を1とした場合のC2F3O+、C3F5O+、C4
F7O+の強度の合計
【0036】<実施例3>透明樹脂板(日本ゼオン製、
商品名「ゼオノア」)(100×100×40mm)の
表面に、スパッタリングにより、厚さ200ÅのSiO
2薄膜を形成した。この樹脂板にフッ素含有化合物(ダ
イキン工業社製、商品名「オプツールDSX」)のパー
フロロヘキサン溶液(1重量%)を塗布し、常温で20
時間放置した。ガラス板の代わりに、得られた透明樹脂
板を用いた他は実施例1と同様に行い、成形型を作成
し、脱型性の評価を行った。成形型が熱と応力により変
形したため、70回行った時点で評価を注しした。結果
を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】※1:全てのフラグメントイオン(正イオ
ン)の強度の合計を1とした場合のCF 3 +の強度 ※2:CF3 +の強度を1とした場合のC2F5 + の強度 ※3:CF3 +の強度を1とした場合のC3F7 +の強度 ※4:CF3 +の強度を1とした場合のCFO+の強度 ※5:CF3 +の強度を1とした場合のC2F3O+、C3F5O+、C4
F7O+の強度の合計
【0039】<実施例4>金属板(厚100×100×
20mm)にフッ素含有化合物(ダイキン工業社製、商
品名「オプツールDSX」)のパーフロロヘキサン溶液
(1重量%)を塗布し、常温で20時間放置した。得ら
れた金属板のフッ素含有化合物が被成形樹脂と接触する
ようにプレス装置に取り付けた。金属板の間にポリカー
ボネート片(80mm×80mm×10mm)を配置
し、温度250℃、圧力15MPaでプレスして、厚さ2
mmのポリカーボネートシートを成形し、シートを金属
板から取り出した。同一の金属板を用い、ポリカーボネ
ート板のプレスによる成形、シートの取り出しを繰り返
し、1回目、50回目、100回目の取出し易さ(脱型
性)を評価した。結果は表3に示す。
【0040】<比較例6>フッ素含有化合物の溶液とし
て、信越化学社製、商品名「KBM7803」のキシレ
ン溶液(1重量%)を用いた他は、実施例4と同様に行
い、脱型性を評価した。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】※1:全てのフラグメントイオン(正イオ
ン)の強度の合計を1とした場合のCF 3 +の強度 ※2:CF3 +の強度を1とした場合のC2F5 + の強度 ※3:CF3 +の強度を1とした場合のC3F7 +の強度 ※4:CF3 +の強度を1とした場合のCFO+の強度 ※5:CF3 +の強度を1とした場合のC2F3O+、C3F5O+、C4
F7O+の強度の合計
【0043】<実施例5>研磨されたケミカル強化ガラ
ス(400mm×400mm×3mm、表面平滑度 R
a0.004μmの表面を炭酸カルシウム粉末で軽く研
磨し、ガラス表面の油膜を除いた後、フッ素含有化合物
(ダイキン工業社製、商品名「オプツールDSX」)の
パーフロロヘキサン溶液(1重量%)を塗布し、常温で
20時間放置し、厚さの層を形成した。得られたガラス
板2枚を、フッ素含有化合物の塗布面が内側になるよう
にして対向させ、間にシリコーンゴム製の幅5mm厚み
0.5mmのスペーサーを挟みこみキャビティを作り成
形型を形成した。
【0044】P−ビス(β−メタクリロイルオキシエチ
ルチオメチル)ベンゼン100重量部、2,4,6−ト
リメチルベンゼンジフェニルフォスフィンオキシド(B
ASF社製「ルシリンTPO」)0.05重量部、ベン
ゾフェノン0.1重量部を混合し、十分に攪拌した後、
脱泡して、光硬化性組成物を調製した。
【0045】成形型に光硬化性組成物を注入し、成形型
の両面に配置した出力80W/cmのメタルハライドラ
ンプを照射量が30J/cm2 となるように照射して樹
脂を硬化させた。その後、成形型の周囲の接着テープを
取り去って成形型を開放し、樹脂成形体を取出した。同
一の成形型を用い、樹脂成形体の成形、脱型を繰り返
し、1回目、50回目、100回目の脱型性(取出し易
さ)を評価した。結果は表4に示す。この成形型を用い
て製造された成形体は、1回目から100回目のいずれ
においても、成形体表面に傷、剥離跡がなく、液晶基板
などの表示基板として好適に使用できる。
【0046】
【表4】
【0047】※1:全てのフラグメントイオン(正イオ
ン)の強度の合計を1とした場合のCF 3 +の強度 ※2:CF3 +の強度を1とした場合のC2F5 + の強度 ※3:CF3 +の強度を1とした場合のC3F7 +の強度 ※4:CF3 +の強度を1とした場合のCFO+の強度 ※5:CF3 +の強度を1とした場合のC2F3O+、C3F5O+、C4
F7O+の強度の合計

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型の表面をTOF−SIMS(飛行
    時間型二次イオン質量分析計)で正イオン分析を行った
    結果が次の(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴と
    する成形型。 (1)全正イオンの検出強度の合計を1と(正規化)し
    たときに、CF3 +フラグメントイオンの検出強度が0.
    05以上であること (2)CF3 +フラグメントイオンの検出強度を1と(正
    規化)したときに、C25 +フラグメントイオンおよび
    37 +フラグメントイオンの少なくとも一方の検出強
    度が0.1以上であること (3)CF3 +フラグメントイオンの検出強度を1と(正
    規化)したときに、CFO+フラグメントイオンの検出
    強度が0.1以上であること
  2. 【請求項2】 成形型がさらに次の条件を満たすことを
    特徴とする請求項1に記載の成形型。 (4)CF3 +フラグメントイオンの検出強度を1(正規
    化)したときに、C23+フラグメントイオン、C3
    5+フラグメントイオンおよびC47+フラグメント
    イオンの合計の検出強度が0.05以上であること
  3. 【請求項3】 TOF−SIMSで正イオン分析を行う
    成形型の表面が、被成形材料と接触する面であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の成形型。
  4. 【請求項4】 成形型がガラスを用いたものであること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の成形
    型。
  5. 【請求項5】 ガラスが強化処理をしたものであること
    を特徴とする請求項4に記載の成形型。
  6. 【請求項6】 ガラスが研磨処理をしたものであること
    を特徴とする請求項4または5に記載の成形型。
  7. 【請求項7】 成形型が硬化性樹脂を成形するのに用い
    られることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに
    記載の成形型。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の成
    形型内に、硬化性樹脂を注入し、硬化性樹脂を硬化させ
    た後、成形型を取り外すことを特徴とする成形体の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 硬化性樹脂の効果を活性エネルギー線に
    より行うことを特徴とする請求項8に記載の成形体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9の方法により得られた成形
    体。
  11. 【請求項11】 厚さが0.1〜10mmの板状である
    請求項10に記載の成形体。
  12. 【請求項12】 情報材料用部材である請求項10また
    は11に記載の成形体。
JP2002068697A 2002-03-13 2002-03-13 成形型 Pending JP2003266441A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002068697A JP2003266441A (ja) 2002-03-13 2002-03-13 成形型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002068697A JP2003266441A (ja) 2002-03-13 2002-03-13 成形型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003266441A true JP2003266441A (ja) 2003-09-24

Family

ID=29199731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002068697A Pending JP2003266441A (ja) 2002-03-13 2002-03-13 成形型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003266441A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006264225A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Toyota Boshoku Corp ウレタン用成形型およびウレタン用成形型の表面処理方法
JP2010257526A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Konica Minolta Opto Inc 磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体及び磁気記録装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006264225A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Toyota Boshoku Corp ウレタン用成形型およびウレタン用成形型の表面処理方法
JP2010257526A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Konica Minolta Opto Inc 磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体及び磁気記録装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5492667B2 (ja) ナノインプリント用レジスト及びナノインプリントの方法
KR100916171B1 (ko) 방현성 하드코트 필름, 이를 포함하는 편광판 및화상표시장치
EP2730955B1 (en) Haze-proof optical article and method for producing same
US20050142362A1 (en) Hard coat film
JP3360898B2 (ja) 反射防止部材の製造方法及び偏光板
JPH09258003A (ja) 防汚性レンズ
JP2009185282A (ja) ハードコートフィルム、ハードコートフィルムの製造方法、光学素子および画像表示装置
JP2012037866A (ja) 感放射線性組成物、保護膜、層間絶縁膜、及びそれらの形成方法
JP2005060657A (ja) ハイブリッドレンズ用樹脂組成物、ハイブリッドレンズ及びレンズ系
CN108369294B (zh) 防反射光学体的形成方法及显示面板
JP2003266441A (ja) 成形型
TWI598227B (zh) 光學薄膜、影像顯示裝置及影像顯示裝置之製造方法
JP4351450B2 (ja) ハードコートフィルムの製造方法
KR102600830B1 (ko) 저마찰 필름 및 그의 제조 방법, 성형체 그리고 손가락 미끄럼성 향상 방법
JP2003266587A (ja) ハードコート層
JP2022189597A (ja) ハードコートフィルム、光学部材、及び画像表示装置
CN111113741A (zh) 菲涅尔模具制备方法
JP6048604B1 (ja) ラインパターン、光制御部材および光学結像部材の製造方法
JP2013218045A (ja) 光透過材
JP7389259B2 (ja) 防汚層付き光学フィルム
JP2022138134A (ja) 積層体
JP2003181851A (ja) プラスチックレンズ製造方法及び該製造方法に使用されるモールド成形型
JP2007190926A (ja) 反射防止フイルム
JP2004085643A (ja) 光学部品及びその製造方法
JP2005060696A (ja) ハイブリッドレンズ用樹脂組成物、ハイブリッドレンズの製造方法、ハイブリッドレンズ及びレンズ系

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060418

A521 Written amendment

Effective date: 20060615

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060905

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02