JP2003266587A - ハードコート層 - Google Patents

ハードコート層

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JP2003266587A
JP2003266587A JP2002077985A JP2002077985A JP2003266587A JP 2003266587 A JP2003266587 A JP 2003266587A JP 2002077985 A JP2002077985 A JP 2002077985A JP 2002077985 A JP2002077985 A JP 2002077985A JP 2003266587 A JP2003266587 A JP 2003266587A
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JP2002077985A
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Tatsuji Nakajima
達司 中嶋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 硬度、基材やその他の層との密着性、さらに
は生産性に優れたハードコート層を提供する。 【解決手段】 ハードコート層42をプラズマCVD法
を用い、有機ケイ素化合物で形成することにより、単な
る酸化ケイ素により形成されたハードコート層に比べ、
生産性、柔軟性等を向上せしめることができる。又その
塑性変形硬さを100〜1000mgf/μm2とし、
ヤング率を104〜105mgf/μm2とするので基板
等を保護するのに十分な柔軟性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ケイ素化合物
からなるハードコート層に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ、プラズマディスプレ
イ、CRTなどのコンピュータ、ワープロ、テレビ、表
示板等に使用される各種ディスプレイや、計器等の表示
体、バックミラー、ゴーグル、窓ガラスなどには、ガラ
スやプラスチックなどの透明な基板が使用されている
が、それらの透明な基板を通して、文字や図形その他の
情報を読み取る場合には、透明な基板の表面で光が反射
するとそれらの情報が読み取り難くなるという欠点があ
る。
【0003】現在では、上記欠点を解決するために、基
材フィルム上に互いに屈折率の異なる層を積層した反射
防止積層体を設けて反射防止フィルムを形成し、当該反
射防止フィルムを前記透明な基板表面に貼ることにより
光の反射を防止することが行われている。そして、この
ような反射防止フィルムにあっては、当該フィルムの強
度を高めるとともに、透明基板表面を保護するために、
前記基材フィルムや、反射防止積層体に加え、ハードコ
ート層が形成されている場合が多い。また、当該ハード
コート層は、前記反射防止フィルム以外でも、何らかの
機能、性質を有する薄層を積層する際には、その積層体
の強度を高めるために、または、その薄層を保護するた
めに用いられている。
【0004】このような場合において、従来は、アクリ
ルやメラミン等の有機物を用いて、これらをウェットコ
ートし、熱や紫外線等により硬化させることによって当
該ハードコート層を形成していた。この方法は、生産性
が高いという点においては好ましい方法であるが、ハー
ドコート層の原料が有機物であるため、硬度が低く、透
明基板等を十分に保護することができないという問題が
あった。
【0005】また、シリカ等を原料として真空蒸着法に
よりハードコート層を形成する方法もあるが、この方法
により形成したハードコート層においては、基材との密
着性が弱く、またシリカ等で形成した層をハードコート
層として用いるためには、当該層を厚く形成する必要が
あるため、層を形成するのに多くの時間を要するという
問題が生じることとなるばかりでなく、当該層を厚く形
成した場合には、柔軟性に欠けることとなり、内部応力
により基板が変形してしまうといった問題を生じる場合
もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みなされたものであり、硬度、基材やその他の層との
密着性に優れ、さらには生産性に優れたハードコート層
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1において、有機ケイ素化合物か
らなるハードコート層であって、塑性変形硬さが100
〜1000mgf/μm2であり、ヤング率が104〜1
5mgf/μm2であることを特徴とするハードコート
層を提供する。
【0008】ハードコート層を有機ケイ素化合物により
形成することにより、単なる酸化ケイ素(SiO2)に
より形成されたハードコート層に比べ、生産性、柔軟性
等を向上せしめることができる。また、塑性変形硬さが
100〜1000mgf/μm2であり、ヤング率が1
4〜105mgf/μm2であるハードコート層は、基
板等を保護するのに十分な柔軟性を有しているからであ
る。
【0009】さらに本発明は、上記目的を達成するため
に、請求項2において、有機ケイ素化合物からなるハー
ドコート層であって、その組成がSiOxy:H(x=
1.0〜1.9、y=0.1〜2.0)であることを特
徴とするハードコート層を提供する。
【0010】ハードコート層をSiOxy:H(x=
1.0〜1.9、y=0.1〜2.0)たる組成を有す
る有機ケイ素化合物から構成することにより、当該ハー
ドコート層は、ケイ素原子(Si)と酸素原子(O)に
加え、メチル基(−CH3)等の有機物との結合も有す
る構造となるため、単なるシリカ層(ケイ素原子(S
i)と酸素原子(O))により形成されたハードコート
層に比べて、適度な柔軟性がありながら、かつ基材を保
護するのに十分な硬度を有する層とすることができる。
また、当該構成を有するハードコート層は、比較的透明
に近いので、ディスプレイ等に用いられる反射防止フィ
ルムのハードコート層に好適に用いることができる。
【0011】前記請求項1または請求項2に記載の発明
においては、請求項3に記載するように、プラズマCV
D法により形成されていることが好ましい。
【0012】プラズマCVD法を用いることにより、従
来からの方法、例えばウェットコートによりハードコー
ト層を形成する場合に比べ、効率よく形成することが可
能だからである。また、本発明のハードコート層を反射
防止フィルムに用いる場合においては、当該反射防止フ
ィルムを構成する反射防止積層体はプラズマCVD法で
形成される場合が多いため、本発明のようにハードコー
ト層をもプラズマCVD法で形成することにより、ハー
ドコート層を形成するのと同時に前記反射防止積層体を
も形成することが可能となり、反射防止フィルムの生産
性も向上せしめることができる。
【0013】前記請求項1乃至請求項3のいずれかの請
求項に記載の発明においては、請求項4に記載するよう
に、原料が有機シリコーンであることが好ましい。
【0014】プラズマCVD法を用いて本発明のハード
コート層を形成する際などにおいて、当該原料を用いる
ことにより、生産性を向上せしめることができるからで
ある。また、上記と同様に、本発明のハードコート層を
反射防止フィルムに用いる場合においては、当該反射防
止フィルムを構成する反射防止積層体は、シリカ層で形
成されている場合が多いため、本発明のようにハードコ
ート層をも有機ケイ素化合物で形成することにより、反
射防止フィルムを形成する各層全てをいわゆるシリカ層
(ケイ素を含有する層)で形成することができ、各層間
の密着性を向上せしめることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のハードコート層
について具体的に説明する。
【0016】本発明のハードコート層は、以下に列記す
る特徴を有するものである。 (1)有機ケイ素化合物で形成されている。 (2)塑性変形硬さが100〜1000mgf/μm2
である。 (3)ヤング率が104〜105mgf/μm2である。 (4)組成がSixy:H(x=1.0〜1.9、y=
0.1〜2.0)である。
【0017】以上(1)〜(4)の特徴について具体的
に説明する。
【0018】上記(1)の特徴について 本発明のハードコート層は、有機ケイ素化合物で形成さ
れていることに特徴を有しているものである。
【0019】本発明のハードコート層は、当該ハードコ
ート層が積層される基材に強度を持たせ、前記基材を保
護することを目的として形成される層であり、積層され
る基材を特に限定するものではなく、いかなる基材に積
層することも可能であるが、本発明のハードコート層
は、ディスプレイ等の表面上に貼ることで当該表面上で
の光の反射を防止することを目的として用いられる反射
防止フィルムに用いられることが特に好ましい。
【0020】前記反射防止フィルムにおいては、光の反
射を効率よく防止するために、主にシリカ層を積層して
なる反射防止積層体が設けられており、このような反射
防止フィルムに本発明のハードコート層を用いた場合に
おいては、前記反射防止積層体を形成するシリカ層と、
本発明のハードコート層とは、いずれもケイ素化合物か
らなるシリカ層であるといえ、したがって当該層同士の
密着性を向上せしめることができるからである。
【0021】本発明のハードコート層を形成する有機ケ
イ素化合物について、本発明は特に限定するものではな
く、以下に示す(2)および(3)の特徴を有する有機
ケイ素化合物であればいかなるものであってもよい。
【0022】上記特徴(2)及び(3)について 本発明のハードコート層は、塑性変形硬さが100〜1
000mgf/μm2であって、ヤング率が104〜10
5mgf/μm2であることに特徴を有している。本発明
において、塑性変形硬さとは、通常の硬さから弾性成分
を取り除いた硬さのことであり、(印加荷重)/(塑性
変形分圧子面積)で表される。また、ヤング率は、(印
加荷重)/(荷重方向のひずみ)で表される。以下にそ
れぞれの測定方法について具体的に説明する。
【0023】図1は、塑性変形硬さとヤング率を測定す
るために用いられるナノインデンテーション装置10の
概略図である。なお、図中の符号11は試料台、12は
圧子、13は静電容量型変位計、14はXYZステー
ジ、15は対物レンズ、16はCCDカメラ、17は板
バネ、18は支点、19aと19bはアーム、20は電
磁コイル、21は永久磁石、22はモータ、をそれぞれ
示す。
【0024】図1に示すナノインデンテーション装置1
0の試料台11に測定サンプルを固定し、試料台11を
上下方向に移動させてサンプルをダイヤモンド製圧子
(バーコビッチ圧子)12に押しつける。圧子12に印
加する加重を徐々に増加させていき、設定加重に達した
ら徐々に除荷する。この一連の操作中、静電容量型変位
計13でサンプルへの圧子の押し込みの深さの変位(以
下、単に変位とする場合がある。)を測定し、荷重−変
位曲線を作成する。
【0025】図2に荷重−変位曲線の一例を示す。除荷
開始から50%までを最小二乗法で近似し、その曲線と
maxとの接線を横軸との交点をh1とする。そして、h
max−h1をh2とする。こうした場合に、塑性変形硬さ
(H)、及びヤング率(E)は、以下の計算式により算
出できる。 H=Pmax/As=0.037926Pmax/h1 2[mg
f/μm2] E=S/(CAr 3/2)=181.029×Pmax/(h
12)[mgf/μm2] ただし、 Pmax:最大荷重 As:変位h1に対するバーコビッチ圧子の表面積 As=(33/2tanαh1 2)/sinα (α=6
5°) Ar:変位h1に対するバーコビッチ圧子の接触投影面
積 Ar=33/2tanαh1 2 S:接触剛性 dp/dp=Pmax/h2 CA:接触定数 2/π1/2 このようにして算出した塑性変形硬さが上記の範囲内で
あるハードコート層は、ハードコート層として用いるの
に、つまり当該ハードコート層が積層されている基材を
保護するのに充分な硬度を有しているといえる。また、
従来のシリカ層(主に二酸化ケイ素)を用いたハードコ
ート層においては、柔軟性が低かったが故に、実用に耐
えることができない場合が多かったが、本発明のハード
コート層においては、ヤング率が上記範囲内であるので
適度な柔軟性を有しているといえ、実用に充分に耐える
ものである。
【0026】上記特徴(4)について 本発明のハードコート層は、組成がSixy:H(x=
1.0〜1.9、y=0.1〜2.0)であることに特
徴を有しているものである。
【0027】本発明のハードコート層は、その組成がS
iOxy:H(x=1.0〜1.9、y=0.1〜2.
0)である有機ケイ素化合物から形成されているため、
つまり、従来のハードコート層を形成する酸化ケイ素
(SiOx)、つまりケイ素原子(Si)と酸素原子
(O)に加え、有機物(炭素(C)と水素(H))が結
合されているため、従来の酸化ケイ素を用いたハードコ
ート層に比べ柔軟性を有しており、柔軟性を有している
が故に、従来の酸化ケイ素を用いたハードコート層より
も厚く積層した場合においても、層が脆くなったり内部
応力が生じたりすることがなく、ハードコート層として
必要な特性(硬度、密着性、生産性)を充分に備えてい
るものとすることができる。
【0028】本発明のハードコート層においては、上述
のように、従来の酸化ケイ素を用いたハードコート層よ
りも厚く積層した場合においても、層が脆くなったり内
部応力が生じたりすることがないことも特徴の一つであ
る。
【0029】ここで、本発明のハードコート層の厚さに
ついては、本発明は特に限定するものではなく、ハード
コート層としての作用を奏する程度の厚さであればいか
なる厚さであってもよい。
【0030】しかしながら、本発明のハードコート層を
反射防止フィルムにおいて用いる場合においては、その
層厚は1〜50μmが好ましく、5〜30μmが最も好
ましい。前記範囲より薄いと、ハードコート層としての
効果を充分に奏し得ない場合があり、また前記範囲より
厚い場合には、層の形成に時間を要し、またコスト的に
も好ましくないからである。
【0031】次に、本発明のハードコート層の製造方法
について、当該ハードコート層を用いた反射防止フィル
ムを形成する場合を例に挙げて説明する。
【0032】本発明においては、上述してきた特徴を有
するハードコート層を形成することが可能であれば、そ
の製造方法について特に限定するものではなく、例え
ば、真空蒸着法やスパッタリング法、熱CVD法、ある
いは、ゾルゲル法等によるウェットコーティングなどの
方法を用いることができる。
【0033】上記製造方法の中でも、本発明のハードコ
ート層を形成する際には、プラズマCVD法を用いるこ
とが好ましい。
【0034】ここで、プラズマCVD法とは、所定のガ
スが導入された反応室内でプラズマ生成することにより
原子または分子ラジカル種が生成されて固体表面に付着
し、多くの場合、表面反応によってさらに揮発性分子を
放出して固体表面に取り込まれる現象を利用した成層方
法である。プラズマCVD法を用いて本発明のハードコ
ート層を形成することにより、効率良くハードコート層
を形成することができ、また、当該ハードコート層を、
反射防止フィルムを形成する複数の層中の一層として用
いる場合においては、前記反射防止フィルムを形成する
他の層(反射防止積層体など)をプラズマCVD法で形
成する際に同時に本発明のハードコート層を形成するこ
とが可能であり、この点においても好ましいといえる。
【0035】また、当該プラズマCVD法には、プラズ
マを発生するために用いる電力の印加方法の違いによ
り、容量結合型プラズマCVD法と、誘導結合型のプラ
ズマCVD法の2種類があるが、本発明においてはどち
らのプラズマCVD法を用いることも可能である。
【0036】ここで、本発明のハードコート層を形成す
る場合、特に上述したように反射防止フィルム中の一層
として本発明のハードコートを用いる場合には、図3に
示すようなプラズマCVD装置30を用いることが特に
好ましい。当該プラズマCVD装置を用いることによ
り、本発明のハードコート層を用いた反射防止フィルム
を連続的に製造でき、かつ基材となる高分子フィルムの
温度制御も正確に行うことができるからである。
【0037】また、上述したプラズマCVD法を用い
て、前記(1)〜(4)の特徴を有するハードコート層
を形成するためには、基材側に適度なイオン衝撃を与え
て表面反応を活性化させる必要がある。表面反応を活性
化させることにより有機ケイ素化合物のネットワークが
強固となり、ハードコートに適する物性を得ることがで
きる。イオン衝撃を付与する方法としては、基材側にプ
ラズマ電源を設置してイオン1つ1つのエネルギーを増
加させる方法や、電源周波数の増加や磁場印加によりイ
オン密度を増加させる方法等がある。
【0038】以下に、当該プラズマCVD装置30によ
り図4に示す反射防止フィルム40を形成する場合を例
に挙げ、具体的に説明する。
【0039】ここで、図4に示す反射防止フィルム40
は、基材41上に、本発明のハードコート層42が積層
されており、当該ハードコート層42の上に、反射防止
積層体43として、高屈折率層44と低屈折率層45と
が順次積層されることにより形成されているものであ
る。
【0040】図3に示すプラズマCVD装置30は、容
量結合型のプラズマCVD装置であり、ウエッブ状の高
分子フィルム41は基材巻き出し部32より巻きだされ
て、真空容器33中の反応室(a,b,c)に導入され
る。そして、当該反応室内の成層用ドラム34上で所定
の層が形成され、基材巻き取り部36により巻き取られ
る。
【0041】当該プラズマCVD装置30は、複数(3
つ)の反応室を有している点に特徴を有し、夫々の反応
室(a,b,c)は隔離壁35で隔離されることで形成
されている。ここで、以下の説明の便宜上、当該3つの
反応室を右側から反応室a、反応室b、反応室cとす
る。そして、各反応室には、夫々電極版a1、b1、c
1及び原料ガス導入口a2、b2、c2が設置されてい
る。各反応室(a,b,c)は、成層用ドラム34の外
周に沿って設置されている。これは、ハードコート層や
反射防止積層体が形成される高分子フィルムは、成層用
ドラム34と同期しながら反応室内に挿入され、かつ成
層用ドラム上において前記の各層を形成するものである
ことから、このように配置することにより連続して各層
を積層することができるからである。また、上述したよ
うなプラズマCVD装置によれば、各反応室へ導入する
原料ガスを変化させることにより、夫々の反応室内で独
立して層を形成することが可能である。
【0042】図3に示すプラズマCVD装置30を用い
て、図4に示す反射防止フィルム40を形成する際にお
いては、まず基材としての高分子フィルム41上に上記
反応室aで本発明のハードコート層42を形成し、その
後反応室bにおいて、反射防止積層体43中の高屈折率
層44として機能するシリカ層を形成し、さらにその
後、反応室cにおいて低屈折率層45として機能するシ
リカ層を形成する。つまり、反応室a、b、cには、そ
れぞれの層の原料となるケイ素を含むガスを導入するこ
とにより、基材としての高分子フィルム21が成層用ド
ラム44を経て基材巻き取り部46へ巻き取られるまで
に、当該高分子フィルム41上にハードコート層42、
高屈折率層44及び低屈折率層45とが一連の工程で形
成され、反射防止フィルム40を形成することが可能と
なる。
【0043】本発明の反射防止フィルム40を上記図3
に示すプラズマCVD装置30で製造する場合におい
て、本発明のハードコート層42を形成するための原料
としては、有機シリコーンが好ましく、具体的には、ヘ
キサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチル
ジシロキサン(TMDSO)、メチルトリメトキシシラ
ン(MTMOS)、メチルシラン、ジメチルシラン、ト
リメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フ
ェニルシラン、テトラメトキシシラン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン、テトラエトキシシラン等である。
【0044】なお、本発明は、上述してきた反射防止フ
ィルム及びその製造方法に限定されるものではない。上
記実施の形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲
に記載された技術的範囲と実質的に同一な構成を有し、
同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであって
も本発明の技術的範囲に包含される。
【0045】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0046】(実施例)本発明の実施例として図4のプ
ラズマCVD装置40を使用して基材上にハードコート
層を形成した。この際、形成した層はハードコート層の
みであるため、反応室はaのみを使用した。以下にハー
ドコート層を形成した際の条件を示す。 原料ガス:(CH33SiOSi(CH33とO2 プラズマ生成手段:13.56MHzのRF波 基材:PETフィルム、Si基板 成膜速度:1.03μm・m/min 膜圧:1.03μm 上記条件により形成した実施例のハードコート層は下記
の特徴を有していた。 塑性変形硬さ:196mgf/μm2 ヤング率:5.2×104mgf/μm2 層組成:Sixy:H(x=1.2、y=0.8) ラミネート強度:430g/cm なお、上記の塑性変形硬さ、及びヤング率の測定には図
1に示したナノインデンテーション装置と同型の装置
(エリオニクス製:ENT1100)を用い、上記計算
式を用いて算出した。組成分析には光電子分光分析装置
を用い、層圧測定には紫外可視分光分析器とエリプソメ
ーターを用いた。
【0047】また、密着性の評価はラミネート強度を測
定することにより行った。ここで、ラミネート強度と
は、以下に示す測定を行うことにより求めた値である
(図5参照)。 2液硬化型ポリウレタン系樹脂の7%溶液からなる
接着剤を使用し、上記実施例で形成したハードコート層
(以下、サンプルとする。)上へ接着剤層(厚み約1μ
m、図示せず)を形成した。 次いで、当該接着剤層上に25μm厚PETフィル
ム(以下、ラミネートフィルムとする)51を貼付け
た。 接着剤が硬化した後、サンプルを100mm×15
mm幅に切り取りラミネートフィルム側を上にして、サ
ンプル50を水平な固定台52に強く貼付けた。 端部からラミネートフィルムを垂直方向に、かつサ
ンプルの100mm方向(長手方向)に50mm/mi
nの速度で引き剥がした。
【0048】そして、この時の引き剥がす力をその引き
剥がされた界面におけるラミネート強度とした。強度を
測定しようとする界面以外で引き裂かれてしまう場合
は、その界面のラミネート強度は測定値以上であるとし
た。
【0049】(比較例1)次に本発明の比較例として、
電離放射線硬化型樹脂(多官能アクリル系)を塗工し、
加速電圧175kV及び照射線量10Mradの電子線
で硬化させることによって、基板上に層厚約1μmのハ
ードコート層を形成した。なお基板は、上記実施例1と
同様のものを用いた。
【0050】形成した比較例1のハードコート層は、下
記の特徴を有していた。 塑性変形硬さ:78mgf/μm2 ヤング率:4500mgf/μm2 (比較例2)次に本発明との比較例として、公知の真空
蒸着装置を用いてハードコート層を形成した。この際の
条件を以下に示す。 蒸着原料:SiO2(純度99%、粒径5〜10mm) 原料の蒸発手段:電子銃 基材:PETフィルム、Si基板 成膜速度:0.54μm・m/min 膜圧:0.54μm 上記条件により形成した実施例2のハードコート層は、
下記の特徴を有していた。 塑性変形硬さ:90mgf/μm2 ヤング率:8700mgf/μm2 層組成:SiOx(x=1.6) ラミネート強度:45g/cm なお、上記の比較例1、2の塑性変形硬さ及びヤング率
の測定、組成分析、層厚測定については、全て上記実施
例1と同様の装置を用いた。
【0051】上記より、本発明の実施例は、塑性変形硬
さ、ヤング率ともに所望の範囲内であり、ハードコート
層としての使用に充分耐えうるものであることが分かっ
た。またラミネート強度からも分かるように他の層との
密着性にも優れており、成膜速度においても優れている
ことが明らかとなった。
【0052】
【発明の効果】本発明のハードコート層は、硬度や柔軟
性に優れているため、様々な基材とともに用いることに
より、当該基材の強度を向上せしめ、基材表面を保護す
ることができ、厚く積層しても、当該ハードコート層が
脆くなることはない。
【0053】また、本発明のハードコート層は、その原
料が有機ケイ素化合物であるため、特に反射防止積層体
において用いられた場合には、当該反射防止積層体を構
成する他の層(例えば、反射防止積層体)と同質の層構
成であるといえ、各層の密着性をも向上することがで
き、前記反射防止積層体と一括して、プラズマCVD法
により形成することも可能であるため、高生産性をも実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塑性変形硬さとヤング率を測定するために用い
られるナノインデンテーション装置の概略図である
【図2】荷重−変位曲線の一例を示す図である。
【図3】本発明の反射防止フィルムを製造するためのプ
ラズマCVD装置の概略断面図である。
【図4】本発明の反射防止フィルムの一例を示す概略断
面図である。
【図5】ラミネート強度を測定するための方法を示す願
略図である。
【符号の説明】
10…ナノインデンテーション装置 30…プラズマCVD装置 40…反射防止フィルム 41…基材 42…ハードコート層 43…反射防止積層体 44…高屈折率層 45…低屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA02 AA15 CC21 DD04 4F100 AH06B AK42 AR00B AT00A BA02 EH66 JK07 JK12B JL11 4J031 BA17 BB01 BB05 BC07 BD21 BD23 4K030 AA06 AA09 BA29 BA35 CA04 CA07 CA12 FA01 LA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ケイ素化合物からなるハードコート
    層であって、 塑性変形硬さが100〜1000mgf/μm2であ
    り、ヤング率が104〜105mgf/μm2であること
    を特徴とするハードコート層。
  2. 【請求項2】 有機ケイ素化合物からなるハードコート
    層であって、 その組成がSiOxy:H(x=1.0〜1.9、y=
    0.1〜2.0)であることを特徴とするハードコート
    層。
  3. 【請求項3】 プラズマCVD法により形成されたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のハードコ
    ート層。
  4. 【請求項4】 原料が有機シリコーンであることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記載
    のハードコート層。
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