JP2003179461A - 縦多重モード型sawフィルタ - Google Patents

縦多重モード型sawフィルタ

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JP2003179461A
JP2003179461A JP2002282998A JP2002282998A JP2003179461A JP 2003179461 A JP2003179461 A JP 2003179461A JP 2002282998 A JP2002282998 A JP 2002282998A JP 2002282998 A JP2002282998 A JP 2002282998A JP 2003179461 A JP2003179461 A JP 2003179461A
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Michiaki Takagi
道明 高木
Satoshi Hayashi
智 林
Katsuro Yonetani
克朗 米谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は通過帯域特性が平坦な、縦多重モー
ド型SAWフィルタを提供する。 【解決手段】 縦2重モードフィルタにおいて、周波数
上昇型圧電体基板でエネルギー閉じ込め型のSAW共振
子を構成した上で、IDTを3個に分割し第1のIDT
1を送信側に、第2のIDT2受信側にし、第1と第2
の中間に第3のIDT3を新たに設けて、フィルタを適
切に合成するために、IDT領域の縦固有モードを利用
した2つの対称と斜対称なモードΨsとΨaの振動変位の
振幅を制御できるようし、IDT1,IDT2,IDT
3の電極周期長を変えて周波数ポテンシャルを適正化す
ることにより、前記ΨsとΨaモードの共振振幅強度を等
価にして、通過帯域の伝送特性を平坦化し、さらに前記
縦2重モードフィルタを複数個並列接続することによ
り、水晶基板のような電気機械結合係数の小さな基板を
使って、2000から4000ppmの比較的広い帯域
幅を実現したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性表面波を利用し
て得られる共振子型の縦多重モード型SAWフィルタに
おいて、振動モードの変位状態を制御するために、電極
指幅重み付けをほどこした入力端子となる第1のすだれ
状電極および、出力端子となる第2のすだれ状電極と、
第3のすだれ状電極を設けたSAWフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の共振子型の縦多重モード型SAW
フィルタの構成法に関しては、2個のすだれ状電極(以
下略してIDT(Interdigital Transducer)と称
す。)を有するものについては、特許文献1に開示され
ており、また3個のIDTを有するものについては特許
文献2に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−285814号公報
【特許文献2】特開平1−231417号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来技
術においては、利用する複数の縦共振モード{呼称s
n、an等(n=0,1,2,3・・・)}を独立にコ
ントロールして、2個以上の共振モードの共振振幅を等
しくし、かつ通過帯域幅を目的の幅に設定する事が困難
であるという第1の課題があった。
【0005】さらにまた、前記素子の動作周波数が40
0MHzから800MHz以上になるに従って、前記縦
多重モード型SAWフィルタの挿入損失が増大するとい
う第2の課題があった。
【0006】さらにまた、前記素子の電極指1本当りの
反射係数γが増すと、IDTの対数Mの数が大きく設定
できず、結果として挿入損失が増大するという第3の課
題があった。
【0007】そこで本発明はこのような問題点を解決す
るもので、その目的とするところは、通過帯域幅の設定
が比較的容易でかつ数1000ppm以上の広帯域幅化
が電気機械結合係数の小さな基板においても可能であ
り、さらに前記SAWフィルタのIDTの対数Mを大き
くできた結果、挿入損失が小さく、通過帯の振幅特性が
平坦で、かつ各モードの共振子Q値が高く、高品質な共
振子型の縦多重モード型SAWフィルタを実現すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の縦多重モ
ードSAWフィルタは、圧電体平板上に、弾性表面波を
励振する第1のすだれ状電極と、前記第一のすだれ状電
極で励振された弾性表面波を受信する第2のすだれ状電
極と、前記第1と第2のすだれ状電極の中間に、励起さ
れた弾性表面波の振幅を制御する目的で配置した第3の
すだれ状電極と、さらに前記第1と第2と第3のすだれ
状電極の両側に1対の反射器を前記弾性表面波の伝搬方
向(縦方向X)に配置して共振子型の縦2重モードSA
Wフィルタを構成し、前記反射器と前記第1、第2及び
第3のすだれ状電極は、前記圧電体平板上に金属の平行
導体を周期的に配置して構成し、前記反射器と前記第1
および前記第2のすだれ状電極間の最も近接した平行導
体間の距離は、すだれ状電極の1周期長が有するライン
とスペースのうちスペースあるいは(1周期長+スペー
ス)からなり、前記第1、第2および第3のすだれ状電
極の電極指の対数M1、M2、M3のト−タル和M=M
1+M2+M3が120から300の範囲であり、前記
第1のすだれ状電極と第2のすだれ状電極の対数M1=
M2を、M1=M/DIVにより設定した場合に、前記
DIV=2.1〜2.4の範囲であり、前記第1、第2
及び第3のすだれ状電極の全体Mが有するトータル反射
係数Гを10>Γ>0.8とした周波数上昇エネルギー
閉込型であり、前記第1のすだれ状電極と第3のすだれ
状電極間および、前記第2のすだれ状電極と第3のすだ
れ状電極間に、接地電位側に接続した交差導体1及び交
差導体2を配置し、該交差導体幅とその両側のスペース
幅の合計長D1、D2が、弾性表面波の波長をλとし、
n=0,1,2,・・・の整数として、n(λ/2)+
(1/4)λ、あるいはn(λ/2)+(3/4)λ
(ただしn=0,1,2,・・・)となるように構成し
た上で、前記D1、D2を決定するnが1から10の範
囲であり、前記第一のすだれ状電極および前記第2のす
だれ電極の平行導体の配列周期長PT1、PT2=PT
1、前記第3のすだれ状電極の配列周期長PT3、反射
器の配列周期長PRの寸法を、PT1、PT2=<P
R,PT1、PT2=<PT3の関係に設定し、前記第
1と第2の各々のすだれ状電極領域において、高次固有
モード振動変位のほぼ全体を存在させて、かつ前記振動
の固有モードに対応する変位関数ψn(x)に比例した
電極指交差幅重み付けを形成して、利用する前記弾性表
面波の伝搬方向Xに定在する単一あるいは複数の固有モ
ード対を選択して、縦2重モードフィルタ群の総和であ
る特性を形成したことを特徴とする。
【0009】(2)(1)において、前記振動の固有モ
ードが、前記第1および第2のすだれ状電極領域におい
て弾性表面波の伝搬方向Xに定在する固有モードが基本
波斜対称縦モードa0であり、各々前記第1と第2のす
だれ状電極のほぼ中央位置に対して斜対称な変位振幅関
数ψ1(x)を有してψ1(x)とψ1{−(x−x0)}
の組合わせおよび、ψ1(x)と−ψ1{−(x−
0)}の組合わせから合成される縦2重モードフィル
タを構成したことを特徴とする。
【0010】(3)(1)において、前記振動の固有モ
ードが、前記第1および第2のすだれ状電極領域におい
て弾性表面波の伝搬方向Xに定在する固有モードが1次
対称縦モードs1であり、各々前記第1と第2のすだれ
状電極のほぼ中央位置に対して対称な変位振幅関数ψ2
(x)を有してψ2(x)とψ2{−(x−x0)}の組
合わせおよび、ψ2(x)と−ψ2{−(x−x0)}の
組合わせから合成される縦2重モードフィルタを構成し
たことを特徴とする。
【0011】(4)(1)において、前記振動の固有モ
ードが、前記第1および第2のすだれ状電極領域におい
て弾性表面波の伝搬方向Xに定在する固有モードが1次
斜対称縦モードa1であり、各々前記第1と第2のすだ
れ状電極のほぼ中央位置に対して斜対称な変位振幅関数
ψ3(x)を有してψ3(x)とψ3{−(x−x0)}の
組合わせおよび、ψ3(x)と−ψ3{−(x−x0)}
の組合わせから合成される縦2重モードフィルタを構成
したことを特徴とする。
【0012】(5)(1)において、前記振動の固有モ
ードが、前記第1および第2のすだれ状電極領域におい
て弾性表面波の伝搬方向Xに定在する固有モードが2次
対称縦モードs2であり、各々前記第1と第2のすだれ
状電極のほぼ中央位置に対して対称な変位振幅関数ψ4
(x)を有してψ4(x)とψ4{−(x−x0)}の組
合わせおよび、ψ4(x)と−ψ4{−(x−x0)}の
組合わせから合成される縦2重モードフィルタを構成し
たことを特徴とする。
【0013】(6)(1)において、前記振動の固有モ
ードが、前記第1および第2のすだれ状電極領域におい
て弾性表面波の伝搬方向Xに定在する固有モードが2次
斜対称縦モードa2であり、各々前記第1と第2のすだ
れ状電極のほぼ中央位置に対して斜対称な変位振幅関数
ψ5(x)を有してψ5(x)とψ5{−(x−x0)}の
組合わせおよび、ψ5(x)と−ψ5{−(x−x0)}
の組合わせから合成される縦2重モードフィルタを構成
したことを特徴とする。
【0014】(7)(1)において、前記振動の固有モ
ードが、前記第1および第2のすだれ状電極領域におい
て弾性表面波の伝搬方向Xに定在する固有モードが3次
対称縦モードs3であり、各々前記第1と第2のすだれ
状電極のほぼ中央位置に対して対称な変位振幅関数ψ6
(x)を有してψ6(x)とψ6{−(x−x0)}の組
合わせおよび、ψ6(x)と−ψ6{−(x−x0)}の
組合わせから合成される縦2重モードフィルタを構成し
たことを特徴とする。
【0015】(8)(1)において、前記振動の固有モ
ードが、前記第1および第2のすだれ状電極領域におい
て弾性表面波の伝搬方向Xに定在する固有モードが3次
斜対称縦モードa3であり、各々前記第1と第2のすだ
れ状電極のほぼ中央位置に対して斜対称な変位振幅関数
ψ7(x)を有してψ7(x)とψ7{−(x−x0)}の
組合わせおよび、ψ7(x)と−ψ7{−(x−x0)}
の組合わせから合成される縦2重モードフィルタを構成
したことを特徴とする。
【0016】(9)(1)において、前記振動の固有モ
ードが、前記第1および第2のすだれ状電極領域におい
て弾性表面波の伝搬方向Xに定在する固有モードがj=
1以上として、j次の対称縦モードsjあるいはj次の
斜対称縦モードajであり、各々前記第1と第2のすだ
れ状電極のほぼ中央位置に対して対称あるいは斜対称な
変位振幅関数ψ2j(x)あるいはψ2j+1(x)を有し
て、{ψ2j(x),ψ2j(x){−(x−x0)}}と
{ψ2j(x),−ψ2j{−(x−x0)}}の組合わせ
および、{ψ2j+1(x),ψ2j+1{−(x−x0)}}
と{ψ2j+1(x),−ψ2 j+1{−(x−x0)}}の組
合わせを1個の縦2重モードフィルタ素子Ejとして形
成し、さらにこれら複数の素子Ejを相互に並列接続し
て、個々の素子が形成する通過帯域の和程度の通過帯域
幅を有したことを特徴とする。
【0017】(10)(1)から(9)において、前記
第1、第2および第3のすだれ状電極の配列周期長PT
1、PT2、PT3の設定において、前記反射器が有す
る反射中心周波数fR0と、前記3個のすだれ状電極を一
体とした際に有する放射コンダクタンスGが最大値を示
す周波数fT0との偏差ε=(fR0−fT0)/fR0を単位
1として、(PR−PT1)/PR=1ε〜1.7εか
つ、(PR−PT3)/PR=1ε〜0εとしたことを
特徴とする。
【0018】(11)(1)から(9)において、前記
第1、第2および第3のすだれ状電極の配列周期長PT
1、PT2、PT3の設定において、前記反射器が有す
る反射中心周波数fR0と、前記3個のすだれ状電極を一
体とした際に有する放射コンダクタンスGが最大値を示
す周波数fT0との偏差ε=(fR0−fT0)/fR0を単位
1として、(PR−PT1)/PR=1ε〜1.7εか
つ、(PR−PT3)/PR=−1ε〜−2εとしたこ
とを特徴とする。
【0019】(12)(1)において、前記電極指交差
幅重み付けが、x=0を入力側のIDT1の中央x座標
とし、x=x0を出力側IDT2の中央x座標として、
COS(knx)とCOS{−kn(x−x0)}あるい
はSIN(kmx)とSIN{−km(x−x0)}の組
み合わせであり、前記の固有モードの波数knとkmは、
ωを角周波数、ωmはIDT1およびIDT2領域の素
子角周波数、axは縦方向の分散定数(無次元)として
次式、 k2={(ω/ωm2−1}/ax により与えられることを特徴とする。
【0020】(13)(12)において、前記固有モー
ドの組み合わせが、snとan(n=0,1,2)であ
り、前記電極指交差幅重み付けが、x=0を入力側のI
DT1の中央x座標とし、x=x0を出力側IDT2の
中央x座標として、各々COS(k2nx)とCOS{−
2n(x−x0)}あるいはSIN(k2n+1x)とSI
N{−k2n+1(x−x0)}の組み合わせであり、前記
の固有モードの波数k2nとk2n+1は、ωを角周波数、ω
mはIDT1およびIDT2領域の素子角周波数、ax
縦方向の分散定数(無次元)として次式、 k2={(ω/ωm2 −1}/ax により与えられることを特徴とする。
【0021】(14)(12)において、前記固有モー
ドの組み合わせが、anとsn+1(n=0,1,2)であ
り、前記電極指交差幅重み付けが、x=0を入力側のI
DT1の中央x座標とし、x=x0を出力側IDT2の
中央x座標として、各々SIN(k2n+1x)とSIN
{−k2n+1(x−x0)}あるいはCOS(k2n+2x)
とCOS{−k2n+2(x−x0)}の組み合わせであ
り、前記の固有モードの波数k2n+1とk2n+2は、ωを角
周波数、ωmはIDT1およびIDT2領域の素子角周
波数、axは縦方向の分散定数(無次元)として次式、 k2={(ω/ωm2 −1}/ax により与えられることをあることを特徴とする。
【0022】(15)(10)において、水晶Yカット
平板を電気軸回りに反時計方向に35度から42度回転
した平板のZ‘軸方向に伝播するSTWカットであり、
アルミニウム電極の膜厚H対弾性表面波の波長λの比H
/λは2から5%であり、前記のすだれ上電極のトータ
ル和Mが240対から300対であり、前記(PR−P
T1)/PR=1ε〜1.7εかつ、(PR−PT3)
/PR=1ε〜0.8εとなし、かつ利用する振動の固
有モードとしてa1とし、前記電極指交差幅重み付け
を、x=0を入力側のIDT1の中央x座標とし、x=
0を出力側IDT2の中央x座標として、SIN(k3
x)とSIN{−k3(x−x0)}の組み合わせであ
り、前記の固有モードの波数k3は、ω/ωm=0.99
55から0.99590の範囲に設定したことを特徴と
する。
【0023】(16)(10)において、前記圧電体平
板が、水晶Yカット平板を電気軸回りに反時計方向に3
5度から42度回転した平板のZ‘軸方向に伝播するS
TWカットであり、アルミニウム電極の膜厚H対弾性表
面波の波長λの比H/λは2%から5%であり、前記の
すだれ上電極のトータル和Mが240対から300対で
あり、前記(PR−PT1)/PR=1ε〜1.7εか
つ、(PR−PT3)/PR=1ε〜0.8εとなし、
かつ利用する振動の固有モードとしてs1とa1とし、
前記電極指交差幅重み付けを、x=0を入力側のIDT
1の中央x座標とし、x=x0を出力側IDT2の中央
x座標として、COS(k2x)とCOS{−k2(x−
0)}の組み合わせと、SIN(k3x)とSIN{−
3(x−x 0)}の組み合わせの2素子を並列に接続し
1チップ中に一体にした構成であり、前記の固有モード
の波数k2とk2は、固有モードs1に対応して、k2
ω/ωm=0.9974から0.9984、固有モード
a1に対応して、k3がω/ω m=0.99575から
0.99585の範囲に設定したことを特徴とする。
【0024】(17)(1)において、前記第1と第2
のすだれ状電極の電極指1本当りの弾性表面波の反射係
数γが2%以上であることを特徴とする。
【0025】(18)(11)において、前記圧電体平
板が、水晶Yカットを電気軸回りに反時計方向におよそ
θ=35度から42度まで回転してできる水晶STWカ
ットであることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施例を説明す
る前に、本発明が依って来る原理を解説する。先ず本発
明に係わる基本的な事項に付き説明する。
【0027】水晶、タンタル酸リチウム(LiTa
3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、PZT、四
ほう酸リチウム(LBO)、KNO3結晶等の圧電体材
料から平板を切り出して、その表面を鏡面研磨した後、
レイリー型、ラム型、リーキー型、等の弾性表面波の位
相伝搬方向に対して直交して、アルミニウム、銅等の金
属からなる多数の電極指を周期的に平行配置してIDT
を形成し、さらにその両側に一対の反射器を、前記と同
様に多数のストリップ導体を平行かつ周期的に配置すれ
ば、1ポート型SAW共振子を得ることができる。
【0028】前記の1ポート型SAW共振子において、
前記IDTを構成する際の要点として、正電極と負電極
を1対としてM対からなるIDTを構成した場合に、I
DTの電極全体でのトータル反射係数Гを次式(1)の
通り定義した上で、10>Г>0.8とすれば、振動エ
ネルギーが共振子の中央に集中した、いわゆるエネルギ
ー閉込型SAW共振子(参考文献:エネルギー閉じ込め
弾性表面波共振子,信学技法US87−36,pp9−
16(1987.9.))を実現できることが知られて
いる。
【0029】
【数1】 但し、ここでMは前記IDTの対数、bは係数であつて
電極1本当たりの弾性表面波の反射係数γは、γ=bH
/λで与えられる。Hは前記導体の膜厚、λは弾性表面
波の波長である。
【0030】例えば、STカット水晶板でAl導体で形
成されたIDTであれば、b=0.255、H/λ=
0.03としてM=80対とすれば、図1の1ポートS
AW共振子を構成できる。このときΓ=2.448程度
となる。
【0031】こうして得られるエネルーギ閉じ込め型S
AW共振子において、弾性表面波の伝搬方向に直交し
て、前記SAW共振子の幅方向に横インハーモニックモ
ードと呼ばれる定在波が立つことが知られている。
【0032】前記横インハーモニックモードを支配する
方程式(下記の(2)式)とその固有モードが有する変
位の解析は、筆者等の文献:”常温に動的及び静的零温
度係数をもつKカット水晶SAW共振子”(第25回E
Mシンポジウム,P.79からP.80)に「3.3
横モードの共振周波数」として説明されている。
【0033】
【数2】 但し、ここでV(Y),YYは変位関数V(Y)の二階微
分の簡略記述であり、ωは角周波数、ω0は該当する領
域の素子角周波数、aは横方向の実効的せん断剛性定数
(無次元)、V(Y)は幅方向の表面波変位の振幅、Y
(=y/λ)は表面波の波長λで規格化したy座標であ
る。
【0034】筆者等は、さらに前記(2)式の方程式
が、従来は「モード結合理論」とか、「音響伝搬路の電
気的等価回路解析」で計算されてきた、縦インハーモニ
ックモードについても、定数aを変更すれば適用可能あ
ることを見いだした。
【0035】具体例でその内容を説明すると前記STカ
ットにおいては、横インハーモニックモード群は周波数
降下型のエネルギー閉じ込め型であり(a=0.033
の正値)、従って前記横インハーモニックモード群の共
振周波数は全て主共振周波数より高い側に存在するとい
う事実に対応する。
【0036】一方前記縦インハーモニックモード群は横
インハーモニックモード群に対して周波数上昇型のエネ
ルギー閉じ込め型(STカットではa=−4.4の負
値、水晶STWカットではa=−1.0程度)であると
いう相違があるため、前記縦インハーモニックモード群
の共振周波数は主共振周波数より小さい側に順に存在す
るという事実に対応する。
【0037】前述の相違は前記定数aの正負に対応して
いる。前記のa値は、1ポート型SAW共振子について
の実測した平均値である。前式(2)を縦モードに適用
するためには、ax=−4.4(STWカットでは、ax
=−1.0程度)かつ座標YをXとすればよいから、X
軸方向に関する方程式は、次式(3)となる。通例前記
X軸方向を縦方向と呼ぶことがある。
【0038】
【数3】 但し、ここでU(X),XXは変位関数U(X)の二階微
分の簡略記述であり、ωは角周波数、ω0は該当する領
域の素子角周波数、axは縦方向の実効的せん断剛性定
数または波数分散定数に該当する(無次元)、U(X)
は縦方向の表面波変位の振幅、X(=x/λ)は表面波
の波長λで規格化したx座標である。またさらに、前記
式(3)を用いると、IDT領域の固有振動モードの変
位振幅U(x)=ψ(x)は、前記固有モードの波数を
kとして、ωを角周波数、ωmはIDT領域の素子角周
波数、axは縦方向の分散定数(無次元)として次式、
【0039】
【数4】 により与えられることが導ける。さらに式(3)を用い
て縦方向Xに関するエネルギー閉じ込め状態の検討を行
なうことができる。一例として、図15の場合について
説明する。図15においては、前記1ポート型SAW共
振子のIDT領域は、空間角周波数ωT=2πVS/(2
PT)で表される前記素子角周波数ω0を有する。ただ
し、VSは弾性表面波速度、PTはIDTの有する電極
指周期長である。また前記反射器は素子角周波数ω0
ωR=2πVS/(2PR)である。ただし、PRは反射
器の有するストリップ導体の周期長である。前記ω
0は、みてのとおり座標Xの関数ω0(X)と書けるた
め、周波数ポテンシャル関数と呼ぶことができる(図1
5上部位の縦軸)。この場合ωR<ωTとしてある。ωT
と2水準の設定値1501と1503について、前式
(3)を用いて振動変位解U(X)を求めると、図15
の下部位にある変位図が得られる。1501のωTに対
して、1505のU(X)が、1503のωTに対して
1504のU(X)が得られる。1505のU(X)曲
線の方が1504より中央位置に集中する変位分布を有
していることがわかる。この事実はωR<ωTの設定によ
り、いわゆる縦方向Xに関して、エネルギー閉じ込め現
象が発生することを表している。
【0040】今後素子設計条件を分かり易く記述するた
めに、前記ωR及びωTを規格化して表示することにする
と素子周波数が変わっても一般的に適用できる。図6に
その方法を示す。図中横軸は周波数f(Hz)であり、
縦軸は前記反射器の反射係数Г(f)とIDTが有する
放射コンダクタンス特性G(f)を相対スケールで示
す。該G(f)(601)はIDTの持つアドミタンス
特性Y(f)の実部であり、弾性表面波の放射量を表
す。一方反射係数Г(f)(602)は前記反射器に入
射する弾性表面波振幅Aと反射器において反射された反
射波振幅Bの比B/Aである。前記G(f)は周波数f
T0において最大値Gmaxをとり、また前記Г(f)は
周波数fR0において最大値Гmaxをとる。同図の配置
は、アルミニウム電極を用いて、水晶のSTカットX伝
搬のようなエネルギー上昇型閉じ込めの基板属性をもつ
場合において見られるものである。そこで前記の周波数
R0,fT0から物性値ε=(fR0−fT0)/fR0を定義
して、本発明の設計パラメータの基準値(単位)として
使用することにする。ここまでが、本発明の基礎原理を
形つくる第1段階の説明である。
【0041】つぎに、前述の式(3),(4)で表記さ
れる縦振動モード群は前記IDTのX軸方向中央位置
(x=0と定義)にて、対称な変位振幅ψn(x)=ψ
n(−x)を有するsn(n=0、2、4、6、・・・
の偶数)モードと、前記IDTのX軸方向中央位置に
て、斜対称な変位振幅ψn(x)=−ψn(−x)を有
するan(n=1、3、5、7、・・・の奇数)モード
が存在し、それらは相互に直交することが式(3)を用
いて証明できる。ここで、相互に直交するとは、iとj
が整数として次式の積分式を満足することである。
【0042】
【数5】 さらに、また振動モードψi(x)が存在している状態
において、前記IDTの電極指交差幅を関数W(x)に
よって幅重み付け形成した場合には、IDTによって集
積される総電荷量qは、
【0043】
【数6】 ことに、Wj(x)=Cψj(x)(Cは比例定数)と
して、式(6)に代入すれば、
【0044】
【数7】 となって、i=jの場合のみ振動モードを選択的に励振
することが可能となる。
【0045】本発明は、このようにして選択励振される
振動モードの変位ψj(x)を第1の入力側IDT1領
域(中心x=0)に配置しするようにモード制御し、第
2の出力側IDT2の領域(中心x=x0)には、+ψ
j{−(x−x0)}あるいは−ψj{−(x−x0)}
を励起して、2つの変位状態の組み合わせ{ψj
(x),+ψj{−(x−x0)}あるいは{ψj
(x),−ψj{−(x−x0)}}によって縦2重モ
ードSAWフィルタを構成するものである(詳細は後述
する図2と図3、図4を参照のこと)。
【0046】ここまでが、本発明の基礎原理を形つくる
第2段階の説明である。さらにすすめて、前述の2つの
変位状態の組み合わせ{ψj(x),+ψj{−(x−
0)}あるいは{ψj(x),−ψj{−(x−
0)}}から縦2重モードフィルタ素子Ejを構成し
た上で、さらに異なる複数のEjについての和と差を重
ねあわせることにより、複数の振動モードからなる縦多
重モード型SAWフィルタを形成できることがわかる。
すなわち、数式にて表記すると、前記縦多重モード型S
AWフィルタの変位状態Ψは、
【0047】
【数8】 となる。整数jはいくつ選択してもよく、選択によって
SAWフィルタの通過帯域幅の大小が決定される(具体
例として、図13と図14を参照のこと)。
【0048】ここまでが、本発明の基礎原理を形つくる
最終の第3段階の説明である。
【0049】(実施例1)以下、本発明についてまず、
縦多重モード型SAWフィルタのひとつである縦2重モ
ードSAWフィルタについて、振動モードがn次対称縦
モードsnあるいは、n次斜対称縦モードanから合成
される縦2重モードSAWフィルタにつき、一実施形態
を図1により、またその特徴と特性を図2から図16を
用いて説明する。
【0050】図1は本発明の縦多重モード型SAWフィ
ルタの構成要素の一実施例である縦2重モードフィルタ
の構成である。図1中各部位の名称は、100は圧電体
平板、破線にて囲まれた全体101と107は反射器、
102、104と106はすだれ状電極(IDT1,I
DT3,IDT2)、112と113等は反射器1およ
び反射器2のストリップ導体、114と115等は各
々、前記IDT1(102)の負極(接地側)と正極側
電極指、軸直線116は前記ストリップ導体及び電極指
に直交する弾性表面波伝搬方向であるX軸であり、前記
軸116に直交して、前述の周波数ポテンシャルを表す
ω軸を表示した。階段状の直線で表された117は、本
発明の縦2重モードSAWフィルタが有する、X軸方向
の状態で表わす周波数ポテンシャル関数である。さら
に、103と105は各IDT間の電極指間を弾性表面
波の伝搬路を交差して接続する交差導体1と交差導体2
と呼ぶものである。ただし、105の片端部は切れた状
態になっている。108は102の送信側IDT1の正
極の電極指群に接続する信号源、110は受信側のID
T2の正極側電極指群に接続する負荷抵抗、109と1
11の記号は本発明の縦2重モードSAWフィルタを外
部接地端子(外付けの容器アース等)に接続した状態を
表わす。反射器1(101)、反射器2(107)の周
期的に配列されたストリップ導体の周期長をPRで表
し、IDT1(102)、IDT2(106)、IDT
3(104)の電極指の周期長を各々PT1、PT2,
PT3で表している。
【0051】前記圧電体平板100は例えば、水晶単結
晶より切出され、鏡面研磨が施された水晶板(STカッ
トとかKカットあるいはSTWカット等)あるいはSi
基板上にダイヤモンド薄膜を成長させ、さらにまたその
上に圧電性を有するZnO等を薄膜形成したような圧電
基板よりなる。さらにまた、タンタル酸リチウム(Li
TaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、PZ
T、四ほう酸リチウム(LBO)、KNO3結晶等の圧
電体材料から平板を切り出して、その表面を鏡面研磨し
た後、レイリー型、ラム型、リーキー型等の弾性表面波
を利用する。
【0052】又前記IDT 102、104と106及
び反射器101と107を形成する導体パターンは、圧
電体平板上に、Al等の導体金属膜を蒸着あるいはスパ
ッタ等の薄膜形成手段により形成した上で、フォトリソ
グラフィ技術によりパターン形成して得られる。前記3
個のIDT及び1対の反射器全体で2端子対の縦2重モ
ードSAWフィルタを構成している。
【0053】前記縦2重モードSAWフィルタを構成す
る際の要点は、まず第一に、電極指114(負電極)と
115(正電極)を1対と数えて、前記3個のIDT
1,IDT2,IDT3全体が有する総対数をM対とし
たときに、IDTの電極全体でのトータル反射係数Гを
前述の(1)式の通り定義した上で、10>Г>0.8
としたいわゆるエネルギー閉込型SAW共振子を構成す
ることである。
【0054】例えば、水晶のSTカットにおいて、Al
導体で形成されたIDTであれば、b=0.255、H
/λ=0.03としてM=80対とすれば、十分に図1
の1ポートSAW共振子を構成できる。このときΓ=
2.448程度となることはすでに述べた通りである。
この場合における電極1本当りの弾性表面波の反射係数
γは、γ=b(H/λ)=0.255×0.03=0.
00765 となっている。
【0055】しかしながら本発明においては、前記の電
極指1本当りの反射係数γが同一の膜厚比H/λにおい
て、数倍大きなSTWカットとか、ダイヤモンド薄膜基
板においても、前記Mを80の数倍(仮にm倍とする)
の300までに十二分に多くして使用し、フィルタのイ
ンピーダンスを50Ωに整合した上で、挿入損失SBを
低減することが目的である。前記Mとしては、下側は水
晶STカットの従来品の水準である120程度から、上
側は基板の反射係数によるが、フィルタ作成上は共振子
の共振先鋭度(Q値)の低下を考慮して300対の範囲
が経験上妥当であった。このようにすることにより、I
DT1とIDT2の電極指交差幅Wcを1/mと著しく
小さくして、電極指の幅長Wcに比例して存在する導体
抵抗を1/m低減させて、挿入損失を大幅に改善できる
ことによる。
【0056】本発明の場合には、前記Mを3つのIDT
1と、IDT2、IDT3に分割して、第1のIDT1
をフィルタの送信側にし、IDT2を受信側に配置、I
DT3は制御用としたものである。さらに本発明にあっ
ては、前記Mを大きく設定できるように、あらたに前記
入力側IDT1および出力側IDT2に、所定の手順に
よって決定される重み関数W(x)により電極指幅重み
付けを行っていることが重要である。
【0057】また、前記反射器と前記第1および前記第
2のIDT間の最近接した平行導体間の距離は、IDT
の1周期長が有するライン(金属導体で被服された部
位)とスペース(金属導体が無い部位)のうちスペース
とする、あるいは(1周期長+スペース)としてもよ
く、さらにnを整数として(n周期長+スペース)とし
ても特性は変わらない。
【0058】つぎに構成上の第2の要点は、図1中の階
段状の線117で示された周波数ポテンシャル値を前記
IDT1,IDT2,IDT3がもつことである。ID
T1は周波数ポテンシャル値ω1を、IDT2は周波数
ポテンシャル値ω2(=ω1)を、IDT3は周波数ポテ
ンシャル値ω3を有する。 これらの周波数ポテンシャ
ルと周期長との関係式はすでに述べたような関係とな
る。即ち、ω1=2πVS/(2PT1)、ω2=2πVS
/(2PT2)、ω3=2πVS/(2PT3)、ωR
2πVS/(2PR)の関係にある。本発明において
は、ω1,ω2>=ω3かつ、ω1,ω2>=ωRの関係に設
定する。さらにこの関係式に前記周期長の関係式を代入
すると、PT1、PT2=<PT3かつ、PT1、PT
2=<PRが得られる。ここで、さらにPRで規格化し
た値を用いると都合がよい。即ち、ITi=(PR−P
Ti)/PR/ε(i=1〜3)と定義する。前記IT
iを各々のIDTの周波数上昇率と呼ぶことにする。ま
た、図1中の、103のD1、105のD1と105の
D2の交差導体幅は不要な共振モードを抑圧する目的で
設けられているが、これら値の詳細値は後述する。
【0059】つぎに、以上の構成によって本発明の縦2
重モードSAWフィルタにおいて利用される各種の固有
モードの変位状態とその構成法を図2と図3を用いて説
明する。
【0060】まず図2中において、本発明に利用する2
つの固有な振動モードの変位振幅の状態(変位振幅の包
絡線形状ψj(x))と素子構成要素との相対位置を示
す。図中の破線で囲まれた枠内201は縦2重モードS
AWフィルタ、202と206は反射器1と反射器2、
203と204および205は各々IDT1,IDT
3,IDT2である。2点鎖線207はIDT1のx軸
方向の中央位置でx=0、208はIDT2のx軸方向
の中央位置x=x0を示し、209は弾性表面波の伝搬
方向を示すX軸、210は前記変位U(X)の大きさ
(相対値)を示す軸である。つぎに本発明の構成法に付
き説明する。
【0061】図2中の211は、s0モードを利用する
場合であり、IDT1領域のs0モードの変位関数をU
(x)=ψ0(x)として、IDT1とIDT2にまた
がる対称な変位モードΨsを、IDT1領域のψ
0(x)とIDT2の領域のψ0{−(x−x0)}(2
11a)の和とする。またもうひとつの斜対称な変位モ
ードΨaとして、IDT1領域のψ0(x)とIDT2
の領域の−ψ0{−(x−x0)}(211b)の和とす
る。本発明の縦2重モードSAWフィルタの伝送特性
は、前記ΨsとΨaの合成から得られるものである。同
様にして、212にa0モード、213にs1モード、
さらに213にs1、214にa1モードを利用する場
合について示した。
【0062】さらにこの手順を拡張すると図3に示すよ
うに、300は、s2モードを利用する場合であり、I
DT1領域のs2モードの変位関数をU(x)=ψ
4(x)として、IDT1とIDT2にまたがる対称な
変位モードΨsを、IDT1領域のψ4(x)とIDT
2の領域のψ4{−(x−x0)}(300a)の和とす
る。またもうひとつの斜対称な変位モードΨaとして、
IDT1領域のψ4(x)とIDT2の領域の−ψ4{−
(x−x0)}(300b)の和とする。本発明の縦2
重モードSAWフィルタの伝送特性は、前記ΨsとΨa
の合成から得られるものである。同様にして、301に
a2モード、302にs3モード、さらに303にa3
モードを利用する場合について示した。前記の固有な振
動モードはいずれも弾性表面波の伝播方向x軸方向にそ
って定在する縦モード群からなる。
【0063】さらに拡張して一般化すれば、前記振動の
固有モードが、前記第1(IDT1)および第2のすだ
れ状電極(IDT2)領域において弾性表面波の伝搬方
向Xに定在する固有モードがj>3として、j次の対称
縦モードsjあるいは斜対称縦モードajであり、各々前
記第1と第2のすだれ状電極のほぼ中央位置に対して、
jに1対1で対応する対称な変位振幅関数ψ2j(x)
あるいは、ajに1対1で対応する斜対称な1対1で対
応する変位振幅関数ψ2j+1(x)を有して、{ψ
2j(x),ψ2j{−(x−x0)}}と{ψ2j(x),
−ψ2j{−(x−x0)}}の組合わせおよび、{ψ2j
+1(x),ψ2j+1{−(x−x0)}}と{ψ
2 j+1(x),−ψ2j+1{−(x−x0)}}の組合わせ
から合成される2重モードフィルタを構成することがで
きるといえる。ただし、前記の説明において、変位振幅
関数ψ2j(x),ψ2j+1(x)の番号2j,2j+1
は、固有モードs0,a0,s1,a1・・・に対し
て、順位に0、1、2、3、・・・と番号付けされるこ
とにより発生することを付け加える。
【0064】つぎに図4において、本発明の1実施例で
ある図1の特性を実現するに不可欠なIDT1およびI
DT2の電極指交差幅重み付け手段につき説明する。図
4中の400と401はIDT1の正負の給電導体、4
06と407は同様にIDT2の正負の給電導体であ
る。また図中に図示されたIDT1において、404と
405は各々sin(k3x)と−sin(k3x)の関
数であり、これらと電極指群402,403の交差する
位置の導体をスペースでもって分割(412)して、正
負電極指402と403の交差する幅寸法関数W3
(x)を形成している。W3(x)はIDTの幅重み付
け関数であり、正負極性を含めて、W3(x)=Csi
n(k3x)(Cは比例定数)である。同様にIDT2
において、409と411は各々sin{−k3(x−
0)}と−sin{−k3(x−x0)})の関数であ
り、これらと電極指群408,409の交差する位置の
導体を分割(413)して、正負電極指402と403
の交差する幅寸法関数W3(x−x 0)を形成してい
る。W3(x−x0)はIDTの幅重み付け関数であ
り、正負極性を含めて、W3(x−x0)=Csin
{−k3(x−x0)}(Cは比例定数)である。
【0065】図4は1例として、a1モードの場合につ
いて例を示したものである。他の固有モードを利用する
場合には、対称モードsn(n=0、1、2・・・)モ
ードの場合には、前記電極指交差幅重み付けが、x=0
を入力側のIDT1の中央x座標とし、x=x0を出力
側IDT2の中央x座標として、cos(k2nx)とc
os{−k2n(x−x0)}による重み付けとし、ある
いは斜対称モードanの場合には、sin(k2n+1x)
とsin{−k2n+1(x−x0)}の組み合わせによる
ものとして、前記の固有モードの波数knあるいはk
2n+1は、ωを角周波数、ωmはIDT1およびIDT2
領域の素子角周波数、axは縦方向の波数分散定数(無
次元)として固有モードの波数を決定する前述の式
(4)により与えられるとする。STWカットを用いた
従来の技術にあっては、前記電極指交差幅はIDT1お
よびIDT2にわたって一様な等幅(W(x)=一定)
であり、前述のような、固有振動モードの波数knを使
用する例は無かった。
【0066】以上に本発明の縦多重モード型SAWフィ
ルタの基本構成をなす、縦2重モード型SAWフィルタ
の実施例を示したが、前記縦2重モードSAWフィルタ
を複数個並列に接続して、従来になく広帯域な通過幅を
有する縦多重モード型SAWフィルタが得られることが
わかった。この基本原理については、すでに述べた式
(8)に従うものであり、IDT1とIDT2の電極指
交差幅重み付け法は、すでに詳述した通りである。詳細
な実施例は図13と図14に示すことにする。
【0067】図5において、本発明になる縦多重モード
型SAWフィルタをわかりやすく図解して示した。図中
の500は1個の圧電体チップであり、このチップ上に
s0(501),a0(502),s1(503),a
1(504),s2(505),a2(506),・・
・の各固有モードによって構成される縦2重モードSA
Wフィルタ素子Ejが複数個、一体に形成されてかつ各
素子は相互に並列接続されている。また、図中の507
は信号源、508は整合抵抗、509はチップ500上
に形成されたパッド等の入力端子、510はパッド等の
出力端子、511は終端抵抗ZLである。
【0068】以上によって本発明の基本構成の説明を終
了するが、さらに振動の固有モードを最適に制御して、
目的のフィルタ特性を効果的に得る手段の詳細を図7と
図8、図9を用いて説明する。
【0069】まず図7は、s0モードを利用した場合に
ついて、前記各IDTの対数を設定する条件について示
したものである(直線700)。IDTの分割数DIV
により、各IDT1の対数M1とIDT2の対数M2の
対数値はM1=M2=M/DIV、さらにIDT3の対
数M3は、M3=M−2M1にて決定される。IDTの
分割数DIVが2.1から2.4の範囲であれば100
0ppm程度の通過帯域幅のものが得られる。他の固有
モードの場合、あるいは他の基板の場合においても、同
様な傾向の通過帯域幅特性の制御が可能である。
【0070】次に図8は前述の図1の寸法D1、D2の
交差導体幅を決定する条件について述べている。まず基
本的条件としては、単一の共振モード(snとanの
み、ただしnは整数)を保証するために、前記IDT1
とIDT3間および、前記IDT2とIDT3間に、接
地電位側に接続したクロスバスバー導体を配置し、該ク
ロスバスバー導体幅とその両側のスペース幅の合計長D
1、D2が、利用する弾性表面波の波長をλ=2(PT
1)あるいは2(PT2)として、n(λ/2)+(1
/4)λ、あるいはn(λ/2)+(3/4)λ(ただ
しn=0,1,2,・・・)となるように構成すること
が必要である。この条件からはずれた場合には、s0モ
ードのさらに高周波数側10000ppm付近に不要な
非エネルギー閉じ込め型基本波モードが発生する。これ
は基板の属性のひとつである上側伝搬帯の放射波が原因
である。図8はSTカットで300MHzで動作するs
0モードを利用する場合である。図8において、D1、
D2が20から100μmの範囲であれば、1000か
ら1500ppmの通過帯域幅Δf(直線800)が確
保できることがわかる。この場合の弾性表面波の波長λ
=10.5μmであるから、D/λによって、これは前
記の整数nに換算してn=1から10の範囲に該当す
る。ただし前記周波数上昇率はIT1=1.0、IT3
=0から1とした。他の固有モードの場合、あるいは他
の基板の場合においても、前記の不要モード共振の抑圧
と、同様な傾向の通過帯域幅特性の制御が可能である。
【0071】つぎに図9にs0モードを利用した場合
の、縦2重モードSAWフィルタの動作伝送特性900
を負荷抵抗50Ω(図1の110)とした50Ω系にて
測定したものである。図9中において、周波数f(Ψ
s)において、挿入損失Sb(Ψs)(dB)値を、周
波数f(Ψa)において、挿入損失Sb(Ψa)(d
B)値をとっている。これらはそれぞれ、前記対称な変
位モードΨsの共振振幅と斜対称な変位モードΨaの共
振振幅の大きさを代表している。前記の振幅が大きい程
Sb(Ψs)、Sb(Ψa)の値は小さくなる。従来例
においては、挿入損失Sb(Ψa)はSb(Ψs)より
大きく、フィルタの通過帯域の平坦性を損なう結果とな
っていた。本発明にあっては、このようなフィルタの通
過帯域の平坦性を改善できる。その手法は、図1の10
4に示すIDT3を設けた上で、適切な周波数ポテンシ
ャル設定を行うことによって、前記ΨsとΨaの振動モ
ード振幅を制御することにより達成している。他の固有
モードの場合、あるいは他の基板の場合においても、同
様な傾向の通過帯域における振幅の制御が可能である。
【0072】前記の手法とは、前記IDT1,IDT2
(図1の102と106)とIDT3(図1の104)
の配列周期長PT1、PT2、PT3の設定において、
前記反射器が有する反射中心周波数fR0と、前記3個の
すだれ状電極を一体とした際に有する放射コンダクタン
スGが最大値を示す周波数fT0との偏差ε=(fR0−f
T0)/fR0を単位1として、(PR−PT1)/PR=
1ε〜1.7εかつ、(PR−PT3)/PR=1ε〜
0εとすることにより得られる。これは、前述のIT1
=IT2=1〜1.7、IT3=1から0に相当する。
これはPT1、PT2=<PT3<PRの関係に相当す
る。
【0073】通過帯域が平坦化する理由を説明すると、
IDT3の周波数上昇率IT3を1以下の0.7の範囲
とし、IDT1を1以上に上昇することにより、斜対称
変位Ψaのエネルギー閉じ込め現象がより増大し共振子
のQ値(共振先鋭度)が大きくなり、振幅が増加するた
めと解釈できる(図15におけるエネルギー閉じ込め現
象説明参照のこと)。Sb(Ψa)はSb(Ψs)に近
ずき、結果としてフィルタの平坦性が向上する。以上が
本発明の共通の構成要素についての説明である。
【0074】つぎに具体的基板として水晶STWカット
について、本発明の縦多重モード型SAWフィルタを製
作した際の特性につき図10から図16を用いて説明す
る。
【0075】まず図16において、水晶STWカットに
ついて説明する。図中の1602の電気軸Xと1603
の機械軸Yと1604の光軸Zは相互に直交して水晶結
晶の基本軸をなしている。この基本軸において、160
3の機械軸に垂直して、電気軸と光軸を2辺とする平板
1601は通称Yカットと呼ばれている。前記Yカット
を電気軸回りに反時計方向におよそθ=35度から42
度まで回転してできる平板1600が本発明の対象とな
るSTWカットである。さらにSTWカットにおいて、
利用する弾性表面波として、変位が表面集中型のSH波
の位相伝播方向は、図中の1605のZ‘軸方向であ
る。1606は本発明の縦多重モード型SAWフィルタ
のチップ(圧電体平板)であって、本発明の図1のx軸
(116)は前記1605のZ’に一致させて使用す
る。この場合において、角度ψは90±0.1度程度で
ある。
【0076】前記のSTWカットにおいては、前記電極
膜厚比H/λが2%から5%に対して、IDT1および
IDT2を形成する電極指1本当りの弾性表面波の反射
係数γが1%から10%に達することが実験で求められ
た。2%以上の反射係数γとなれば、図15に図示した
ようなエネルギ閉じ込め現象が顕著にあらわれて、ID
T1およびIDT2の電極領域下に振動変位が閉じ込め
られ、IDT1からIDT2への振動の伝播が生じなく
なってフィルタの挿入損失特性を著しく劣化させる。図
15はs0モードについてのものであるが、1500と
1502が反射器1と反射器2の領域、1501がID
T領域の周波数ポテンシャルである。IDT領域の周波
数ポテンシャル値を1501のs02からs01に変化さ
せることによって、振動変位の振幅関数ψ0(x)は1
504から1505に変化する(エネルギ閉じ込めの増
加)。この状態において、IDTの対数Mを増加させた
場合には、さらに前述の固有モードa0、s1、a1・
・・の順に各モードが存在しうることになる。本発明
は、IDTの対数Mに対応してこれら固有モードを選択
して利用している。
【0077】つぎに、図10は動作周波数800MHz
において、a0モード利用した例である。図中の100
0が伝送特性(振幅)であり、1001のf(s0)は
s0モードの周波数配置であり、1002のf(a0)
は、a0モードの周波数配置である。最大平坦部の3d
B通過帯域幅は約1000ppmであった。
【0078】また図11は動作周波数800MHzにお
いて、s1モード利用した例である。図中の1100が
伝送特性(振幅)であり、1101はs0モードの周波
数配置であり、1102はa0モードの周波数配置、1
103はs1モードの周波数配置である。最大平坦部の
3dB通過帯域幅は約1500ppmとa0モードを利
用する場合より広くなっている。
【0079】さらに図12は、動作周波数800MHz
において、a1モード利用した例である。図中の120
が伝送特性(振幅)であり、121はs0モードの周波
数配置であり、122はa0モードの周波数配置、12
3はs1モードの周波数配置、124はa1モードの周
波数配置である。最大平坦部の3dB通過帯域幅は約2
000ppmとs1の場合より広くなっている。フィル
タの挿入損失はいずれの場合においても2から3dB程
度で良好である。またフィルタのインピーダンスは50
Ωとした。
【0080】前記a0,s1,a1モード利用したの構
成条件は、アルミニウム電極の膜厚H対弾性表面波の波
長λの比H/λは2から5%であり、前記IDT1,I
DT2,IDT3のトータル和Mが240対から300
対であり、前記(PR−PT1)/PR=1ε〜1.7
εかつ、(PR−PT3)/PR=1ε〜0.8εとな
し、前記電極指交差幅重み付けを、x=0を入力側のI
DT1の中央x座標とし、x=x0を出力側IDT2の
中央x座標として、SIN(k3x)とSIN{−k
3(x−x0)}の組み合わせであり、前記式(4)によ
る固有モードの波数k3は、ω/ωm=0.9955から
0.99590の範囲に対応させて設定した。また電極
指1本当りの弾性表面波の反射係数γが2%以上であ
る。さらに限定して、H/λ=2〜5%に対応して、反
射係数γが2〜10%の範囲が望ましい。
【0081】つぎに、図13は、動作周波数800MH
zにおいて、a0モードとs1モードを個々に1体に製
作し並列接続して利用した例である。図中の130が伝
送特性(振幅)であり、131はa0モードの周波数配
置であり、132はs1モードの周波数配置である。最
大平坦部の3dB通過帯域幅は約3000ppmとなっ
ている。前述の実施例は、anモードとsn+1モード
(nは整数)の利用例に一般化できる。
【0082】また図14は、動作周波数800MHzに
おいて、s1モードとa1モードを個々に1体に製作し
並列接続して利用した例である。図中の140が伝送特
性(振幅)であり、141はs0モードの周波数配置で
あり、142はa0モードの周波数配置、143はs1
モードの周波数配置、144はa1モードの周波数配置
である。最大平坦部の3dB通過帯域幅は約4000p
pmとなっている。
【0083】この場合の構成条件は、アルミニウム電極
の膜厚H対弾性表面波の波長λの比H/λは2から5%
であり、前記IDT1,IDT2,IDT3,のすだれ
上電極のトータル和Mが240対から300対であり、
前記(PR−PT1)/PR=1ε〜1.7εかつ、
(PR−PT3)/PR=1ε〜0.8εとなし、前記
電極指交差幅重み付けを、x=0を入力側のIDT1の
中央x座標とし、x=x0を出力側IDT2の中央x座
標として、COS(k2x)とCOS{−k2(x−
0)}の組み合わせと、SIN(k3x)とSIN{−
3(x−x0)}の組み合わせの2素子(縦2重モード
SAWフィルタ)を並列に接続し1チップ中に一体にし
た構成であり、前記の固有モードの波数k2,k3は、式
(4)において固有モードs1に対応して、k2がω/
ωm=0.9974から0.9984、固有モードa1
に対応して、k3がω/ωm=0.99575から0.9
9585の範囲に対応して設定した。また電極指1本当
りの弾性表面波の反射係数γが2%以上である。さらに
限定して、H/λ=2〜5%に対応して、反射係数γが
2〜10%の範囲が望ましい。前述の実施例は、snモ
ードとan+1モード(nは整数)の利用例に一般化で
きる。
【0084】つぎに他の構成例として、前記IDT1,
IDT2(図1の102,106)とIDT3(図1の
104)の配列周期長PT1、PT2、PT3の設定に
おいて、前記反射器が有する反射中心周波数fR0と、前
記3個のすだれ状電極を一体とした際に有する放射コン
ダクタンスGが最大値を示す周波数fT0との偏差ε=
(fR0−fT0)/fR0を単位1として、PT1=PT
2、(PR−PT1)/PR=1ε〜1.7εかつ、
(PR−PT3)/PR=−1ε〜−2εとすることに
より得られる本発明の特性に付き説明する。これは、前
述の周波上昇率IT1=IT2=1〜1.7、IT3=
−1から−2の範囲に相当する。これはまた周期長PT
1、PT2=<PRかつPT1、PT2=<PT3 お
よびPT3<PRの関係に相当する。
【0085】図17は従来のいわゆる基本波対称モード
s0(1700)と基本波斜対称モードa0(170
1)の固有周波数が、前記IT3によって変化する様子
を図示したものである。この場合の素子条件は、圧電体
平板が36度Yカット水晶基板における、電気軸から9
0度面内回転したSTWカットであり、周波数は400
MHz、IDTの総対数Mが140対、分割数DIV=
2.1として、IDT1とIDT2が66対、制御用I
DT3は8対、反射器の本数は84本、アルミニウムか
らなる電極の膜厚みHは5000A(H/λ=4.2
%)で、IDTの電極指交差幅は140波長である。図
17において、IT3の負値が大きくなるに従い、フィ
ルタの2つのピークを形作るs0とa0モード間の周波
数差は減少する。これはs0とa0モードの結合が弱ま
った結果である。殊にIT3が−1から−2の範囲にお
いては、両モードが無理なく結合して、ほぼ各モードが
等しい共振ピークを得ることができることが試行錯誤の
末にわかった(後述の図18〜20参照)。なお本発明
におけるモードの定義に従えば、前記s0はs0の変位
関数をψ0(x)として、{ψ0(x),ψ0{−(x−
0)}}であり、a0は{ψ0(x),−ψ0{−(x−
0)}}に対応し、これら2個の最大振幅がほぼ等し
いことを意味する。これによってフィルタは理想的な平
坦な通過特性が得られることになる。
【0086】つぎに以上の条件にもとずき設計した例に
ついて、図18,図19,図20にそれらの特性を示し
た。
【0087】図18は、本発明の定義によるa0モード
とa1モードの場合のIDT1とIDT2の電極指交差
幅の幅重み付け関数の形状を示したものである。横軸は
電極指の位置を(本)で表し、縦軸は最大幅を±1に規
格化している。図18(a)の1800はa0モードの
場合であり、(b)の1801はa1モードの場合であ
り、(a)は前記電極指交差幅重み付けを、x=0を入
力側のIDT1の中央x座標とし、x=x0を出力側I
DT2の中央x座標として、SIN(k1x)とSIN
{−k1(x−x0)}の組み合わせとし、(b)はSI
N(k3x)とSIN{−k3(x−x0)}の組み合わ
せにより単一の縦2重モードSAWフィルタをした構成
例である。前記の幅重み付け関数は振動の変位関数に対
応すると考えて良く、各IDT1、IDT2領域内に7
割以上が存在すると考えられる。前記の固有モードの波
数k1,k3は、固有モードa0に対応して、k1がω/
ωm=0.99685、固有モードa1に対応して、k3
がω/ωm=0.98750に設定して式(4)を用い
て得た。図19は前述の(a)、(b)に対応する、5
0Ω終端時の、本発明の縦多重モード型SAWフィルタ
の伝送特性である。
【0088】さらに図20において、対称なs1モード
を使用した場合の伝送特性(a)とIDT1、IDT2
の幅重み付け関数(b)の例を示した。ちなみに、a0
モードの場合には、挿入損失2.74dB、通過帯域幅
は250ppmであり、s1モードの場合には、挿入損
失2.8dB、通過帯域幅は510ppmであり、a1
モードの場合には、挿入損失3.1dB、通過帯域幅は
1150ppmであった。他にs2、a2、s3、a3
モードも同様な傾向にある。これら特性からわかるとお
り、高次のモードを使うほど同一の設計条件であって
も、通過帯域幅を広げることができる。この事実は、特
に電極膜厚が数百Aと薄くなるGHz帯の素子製作にお
いて効果が現れる。何故ならば、GHz帯において製膜
上容易な1000A(H/λ=4.9%)程度とした場
合、従来のs0モード利用した場合には、通過帯域幅
は、100ppm程度と極めて小さくなってしまう。そ
こで、本発明のs1、a1モード等による構成とすれ
ば、少なくとも2倍から4倍の通過帯域幅が実現でき、
周波数可変幅が600ppmと広い電圧制御発振器(V
CSO)が製作可能となる。
【0089】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、例え
ば周波数上昇型でエネルギー閉じ込め型のSAW共振子
を構成した上でIDTを3個に分割し、第1のIDT1
を入力端子対に、第2のIDT2を出力端子対にし、第
1と第2の中間に第3のIDT3を新たに設けて、フィ
ルタを合成する2つのモードΨsとΨaの振動変位の振
幅を制御できるようし、前記2つのモードΨsとΨa
は、IDT1領域に存在できる固有振動モード群s0、
a0、s1、a1・・・等を電極指幅重み付けIDTを
構成することにより選択して合成し、さらにIDT1,
IDT2,IDT3の電極周期長を変えて周波数ポテン
シャルを適正化することにより、前記ΨsとΨa0モー
ドの共振振幅強度を等価にして、縦2重モードSAWフ
ィルタの通過帯域の伝送特性を平坦化できる。
【0090】さらにまた、電極指1本当りの反射係数が
大きな基板においても、固有モードを選択する幅重み付
けIDT1、IDT2を形成することによって、トータ
ルなIDT対数Mを大きくすることにより、逆にフィル
タのインピーダンスを50Ωに整合する結果、交差幅を
小さくでき、IDTのもつ導体抵抗を大幅に削減して、
低挿入損失で駆動効率が良くかつ高品質な共振子型の縦
2重モードフィルタが実現できる。これによって、各種
基板(水晶STW,LBO、ダイアモンド、タンタル酸
リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiN
bO3)、KNO 3等)において、2%以上の反射係数を
有する状態においても面積利用効率の良い素子の実現が
可能となる。
【0091】特に本発明は、電極膜厚みが2000A以
下となって膜の比抵抗値が上昇する、500MHzの高
周波数帯においても低損失なものが実現できて極めて有
効である。
【0092】またs0モードより高次なa0、s1、a
1等のモードを利用するため、最大平坦部の3dB通過
帯域幅は従来の1000から2000ppmとなって、
比較的広い帯域幅が水晶基板のような電気機械結合係数
の小さな基板を使って実現できる。
【0093】さらにまた、IDT1領域に存在できる固
有振動モード群s0、a0、s1、a1・・・等を利用
した前記縦2重モードSAWフィルタを複数並列接続し
て、1チップ上に一体形成することによって、4000
ppm程度の3dB通過帯域幅を有する極めて広帯域幅
な縦多重モード型SAWフィルタが実現でき、今後多大
なメリットが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の縦2重モードSAWフィ
ルタを示す平面図。
【図2】 本発明の一実施である縦2重モードSAWフ
ィルタの振動変位の状態を示す概念図。
【図3】 本発明の一実施である縦2重モードSAWフ
ィルタの振動変位の状態を示す他の概念図。
【図4】 本発明の一実施である縦2重モードSAWフ
ィルタが有するIDT1およびIDT2の幅重み付け
図。
【図5】 本発明の縦多重モード型SAWフィルタの並
列接続を示す構成図。
【図6】 基板の物性特性を示す概念図。
【図7】 図1の縦2重モードSAWフィルタのIDT
分割数DIV対振動モード周波数差を示す特性図。
【図8】 図1の縦2重モードSAWフィルタのIDT
間隔D1、D2対振動モード周波数差を示す特性図。
【図9】 従来の縦2重モードSAWフィルタの50Ω
系での伝送特性を示す特性図。
【図10】 本発明のa0モードを利用した縦2重モー
ドSAWフィルタの50Ω系での伝送特性を示す特性
図。
【図11】 本発明のs1モードを利用した縦2重モー
ドSAWフィルタの50Ω系での伝送特性を示す特性
図。
【図12】 本発明のa1モードを利用した縦2重モー
ドSAWフィルタの50Ω系での伝送特性を示す特性
図。
【図13】 本発明のa0とs1モードを利用した縦多
重モード型SAWフィルタの50Ω系での伝送特性を示
す特性図。
【図14】 本発明のs1とa1モードを利用した縦多
重モード型SAWフィルタの50Ω系での伝送特性を示
す特性図。
【図15】 SAW共振子のエネルギー閉じ込め現象を
説明する概念図。
【図16】 水晶STWカットの方位を示す図。
【図17】 周波数上昇率IT3と固有モード周波数の
関係を示す特性図。
【図18】 本発明の他の斜対称a0とa1モードを利
用した縦2重モードSAWフィルタの幅重み付け関数を
示す図。
【図19】 本発明の他の斜対称a0とa1モードを利
用した縦2重モードSAWフィルタの50Ω系での伝送
特性を示す特性図。
【図20】 本発明の他の対称s1モードを利用した縦
2重モードSAWフィルタの50Ω系での伝送特性を示
す特性図。
【符号の説明】 100 圧電体平板 101 反射器1 102 IDT1 103 交差導体1 104 IDT3 105 交差導体2 106 IDT2 107 反射器2 117 周波数ポテンシャル関数 108 信号源 110 負荷抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/18 101A (72)発明者 米谷 克朗 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA01 AA19 BB03 BB14 CC04 CC09 DD04 FF02 GG03 KK01 KK04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体平板上に、弾性表面波を励振する
    第1のすだれ状電極と、前記第1のすだれ状電極で励振
    された弾性表面波を受信する第2のすだれ状電極と、前
    記第1と第2のすだれ状電極の中間に、励起された弾性
    表面波の振幅を制御する目的で配置した第3のすだれ状
    電極と、さらに前記第1と第2と第3のすだれ状電極の
    両側に1対の反射器を前記弾性表面波の伝搬方向(縦方
    向X)に配置して共振子型の縦2重モードSAWフィル
    タを構成し、 前記反射器と前記第1、第2及び第3のすだれ状電極
    は、前記圧電体平板上に金属の平行導体を周期的に配置
    して構成し、 前記反射器と前記第1および前記第2のすだれ状電極間
    の最も近接した平行導体間の距離は、すだれ状電極の1
    周期長が有するラインとスペースのうちスペースあるい
    は(1周期長+スペース)からなり、 前記第1、第2および第3のすだれ状電極の電極指の対
    数M1、M2、M3のト−タル和M=M1+M2+M3
    が120から300の範囲であり、前記第1のすだれ状
    電極と第2のすだれ状電極の対数M1=M2を、M1=
    M/DIVにより設定した場合に、前記DIV=2.1
    〜2.4の範囲であり、 前記第1、第2及び第3のすだれ状電極の全体Mが有す
    るトータル反射係数Гを10>Γ>0.8とした周波数
    上昇エネルギー閉込型であり、 前記第1のすだれ状電極と第3のすだれ状電極間およ
    び、前記第2のすだれ状電極と第3のすだれ状電極間
    に、接地電位側に接続した交差導体1及び交差導体2を
    配置し、該交差導体幅とその両側のスペース幅の合計長
    D1、D2が、弾性表面波の波長をλとし、n=0,
    1,2,・・・の整数として、n(λ/2)+(1/
    4)λ、あるいはn(λ/2)+(3/4)λとなるよ
    うに構成した上で、前記D1、D2を決定するnが1か
    ら10の範囲であり、 前記第1のすだれ状電極および前記第2のすだれ電極の
    平行導体の配列周期長PT1、PT2=PT1、前記第
    3のすだれ状電極の配列周期長PT3、反射器の配列周
    期長PRの寸法を、PT1、PT2=<PR,PT1、
    PT2=<PT3の関係に設定し、 前記第1と第2の各々のすだれ状電極領域において、高
    次固有モード振動変位のほぼ全体を存在させて、かつ前
    記振動の固有モードに対応する変位関数ψn(x)に比
    例した電極指交差幅重み付けを形成して、利用する前記
    弾性表面波の伝搬方向Xに定在する単一あるいは複数の
    固有モード対を選択して、縦2重モードフィルタ群の総
    和である特性を形成したことを特徴とする縦多重モード
    型SAWフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記振動の固有モードが、前記第1およ
    び第2のすだれ状電極領域において弾性表面波の伝搬方
    向Xに定在する固有モードが基本波斜対称縦モードa0
    であり、各々前記第1と第2のすだれ状電極のほぼ中央
    位置に対して斜対称な変位振幅関数ψ1(x)を有して
    ψ1(x)とψ1{−(x−x0)}の組合わせおよび、
    ψ1(x)と−ψ1{−(x−x0)}の組合わせから合
    成される縦2重モードフィルタを構成したことを特徴と
    する請求項1記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記振動の固有モードが、前記第1およ
    び第2のすだれ状電極領域において弾性表面波の伝搬方
    向Xに定在する固有モードが1次対称縦モードs1であ
    り、各々前記第1と第2のすだれ状電極のほぼ中央位置
    に対して対称な変位振幅関数ψ2(x)を有してψ
    2(x)とψ2{−(x−x0)}の組合わせおよび、ψ2
    (x)と−ψ2{−(x−x0)}の組合わせから合成さ
    れる縦2重モードフィルタを構成したことを特徴とする
    請求項1記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記振動の固有モードが、前記第1およ
    び第2のすだれ状電極領域において弾性表面波の伝搬方
    向Xに定在する固有モードが1次斜対称縦モードa1で
    あり、各々前記第1と第2のすだれ状電極のほぼ中央位
    置に対して斜対称な変位振幅関数ψ3(x)を有してψ3
    (x)とψ3{−(x−x0)}の組合わせおよび、ψ3
    (x)と−ψ3{−(x−x0)}の組合わせから合成さ
    れる縦2重モードフィルタを構成したことを特徴とする
    請求項1記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記振動の固有モードが、前記第1およ
    び第2のすだれ状電極領域において弾性表面波の伝搬方
    向Xに定在する固有モードが2次対称縦モードs2であ
    り、各々前記第1と第2のすだれ状電極のほぼ中央位置
    に対して対称な変位振幅関数ψ4(x)を有してψ
    4(x)とψ4{−(x−x0)}の組合わせおよび、ψ4
    (x)と−ψ4{−(x−x0)}の組合わせから合成さ
    れる縦2重モードフィルタを構成したことを特徴とする
    請求項1記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記振動の固有モードが、前記第1およ
    び第2のすだれ状電極領域において弾性表面波の伝搬方
    向Xに定在する固有モードが2次斜対称縦モードa2で
    あり、各々前記第1と第2のすだれ状電極のほぼ中央位
    置に対して斜対称な変位振幅関数ψ5(x)を有してψ5
    (x)とψ5{−(x−x0)}の組合わせおよび、ψ5
    (x)と−ψ5{−(x−x0)}の組合わせから合成さ
    れる縦2重モードフィルタを構成したことを特徴とする
    請求項1記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  7. 【請求項7】 前記振動の固有モードが、前記第1およ
    び第2のすだれ状電極領域において弾性表面波の伝搬方
    向Xに定在する固有モードが3次対称縦モードs3であ
    り、各々前記第1と第2のすだれ状電極のほぼ中央位置
    に対して対称な変位振幅関数ψ6(x)を有してψ
    6(x)とψ6{−(x−x0)}の組合わせおよび、ψ6
    (x)と−ψ6{−(x−x0)}の組合わせから合成さ
    れる縦2重モードフィルタを構成したことを特徴とする
    請求項1記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  8. 【請求項8】 前記振動の固有モードが、前記第1およ
    び第2のすだれ状電極領域において弾性表面波の伝搬方
    向Xに定在する固有モードが3次斜対称縦モードa3で
    あり、各々前記第1と第2のすだれ状電極のほぼ中央位
    置に対して斜対称な変位振幅関数ψ7(x)を有してψ7
    (x)とψ7{−(x−x0)}の組合わせおよび、ψ7
    (x)と−ψ7{−(x−x0)}の組合わせから合成さ
    れる縦2重モードフィルタを構成したことを特徴とする
    請求項1記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  9. 【請求項9】 前記振動の固有モードが、前記第1およ
    び第2のすだれ状電極領域において弾性表面波の伝搬方
    向Xに定在する固有モードがj=1以上として、j次の
    対称縦モードsjあるいはj次の斜対称縦モードajであ
    り、各々前記第1と第2のすだれ状電極のほぼ中央位置
    に対して対称あるいは斜対称な変位振幅関数ψ2j(x)
    あるいはψ2j+1(x)を有して、{ψ2j(x),ψ
    2j(x){−(x−x0)}}と{ψ2j(x),−ψ2j
    {−(x−x0)}}の組合わせおよび、{ψ
    2j+1(x),ψ2j+1{−(x−x0)}}と{ψ
    2j+1(x),−ψ2j+ 1{−(x−x0)}}の組合わせ
    を1個の縦2重モードフィルタ素子Ejとして形成し、
    さらにこれら複数の素子Ejを相互に並列接続して、個
    々の素子が形成する通過帯域の和程度の通過帯域幅を有
    したことを特徴とする請求項1記載の縦多重モード型S
    AWフィルタ。
  10. 【請求項10】 前記第1、第2および第3のすだれ状
    電極の配列周期長PT1、PT2、PT3の設定におい
    て、前記反射器が有する反射中心周波数fR0と、前記3
    個のすだれ状電極を一体とした際に有する放射コンダク
    タンスGが最大値を示す周波数fT0との偏差ε=(fR0
    −fT0)/fR0を単位1として、(PR−PT1)/P
    R=1ε〜1.7εかつ、(PR−PT3)/PR=1
    ε〜0εとしたことを特徴とする請求項1から請求項9
    記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  11. 【請求項11】 前記第1、第2および第3のすだれ状
    電極の配列周期長PT1、PT2、PT3の設定におい
    て、前記反射器が有する反射中心周波数fR0と、前記3
    個のすだれ状電極を一体とした際に有する放射コンダク
    タンスGが最大値を示す周波数fT0との偏差ε=(fR0
    −fT0)/fR0を単位1として、(PR−PT1)/P
    R=1ε〜1.7εかつ、(PR−PT3)/PR=−
    1ε〜−2εとしたことを特徴とする請求項1から請求
    項9記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  12. 【請求項12】 前記電極指交差幅重み付けが、x=0
    を入力側のIDT1の中央x座標とし、x=x0を出力
    側IDT2の中央x座標として、COS(knx)とC
    OS{−kn(x−x0)}あるいはSIN(kmx)とS
    IN{−km(x−x0)}の組み合わせであり、前記の固
    有モードの波数knとkmは、ωを角周波数、ωmはID
    T1およびIDT2領域の素子角周波数、axは縦方向
    の分散定数(無次元)として次式、 k2={(ω/ωm)2−1}/ax により与えられることを特徴とする請求項1記載の縦多
    重モード型SAWフィルタ。
  13. 【請求項13】 前記固有モードの組み合わせが、sn
    とan(n=0,1,2)であり、前記電極指交差幅重
    み付けが、x=0を入力側のIDT1の中央x座標と
    し、x=x0を出力側IDT2の中央x座標として、各
    々COS(k2nx)とCOS{−k2n(x−x0)}あ
    るいはSIN(k2n+1x)とSIN{−k2n+1(x−x
    0)}の組み合わせであり、前記の固有モードの波数k
    2nとk2n+ 1は、ωを角周波数、ωmはIDT1およびI
    DT2領域の素子角周波数、axは縦方向の分散定数
    (無次元)として次式、 k2={(ω/ωm)2−1}/ax により与えられることを特徴とする請求項12記載の縦
    多重モード型SAWフィルタ。
  14. 【請求項14】 前記固有モードの組み合わせが、an
    とsn+1(n=0,1,2)であり、前記電極指交差幅
    重み付けが、x=0を入力側のIDT1の中央x座標と
    し、x=x0を出力側IDT2の中央x座標として、各
    々SIN(k2n+ 1x)とSIN{−k2n+1(x−x0)}
    あるいはCOS(k2n+2x)とCOS{−k2n+2(x−
    0)}の組み合わせであり、前記の固有モードの波数k
    2n+1とk2n +2は、ωを角周波数、ωmはIDT1および
    IDT2領域の素子角周波数、axは縦方向の分散定数
    (無次元)として次式、 k2={(ω/ωm)2−1}/ax により与えられることをあることを特徴とする請求項1
    2記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  15. 【請求項15】 前記圧電体平板が、水晶Yカット平板
    を電気軸回りに反時計方向に35度から42度回転した
    平板のZ‘軸方向に伝播するSTWカットであり、アル
    ミニウム電極の膜厚H対弾性表面波の波長λの比H/λ
    は2から5%であり、前記のすだれ上電極のトータル和
    Mが240対から300対であり、前記(PR−PT
    1)/PR=1ε〜1.7εかつ、(PR−PT3)/
    PR=1ε〜0.8εとなし、かつ利用する振動の固有
    モードとしてa1とし、前記電極指交差幅重み付けを、
    x=0を入力側のIDT1の中央x座標とし、x=x0
    を出力側IDT2の中央x座標として、SIN(k
    3x)とSIN{−k3(x−x 0)}の組み合わせであ
    り、前記の固有モードの波数k3は、ω/ωm=0.99
    55から0.99590の範囲に設定したことを特徴と
    する請求項10記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
  16. 【請求項16】 前記圧電体平板が、水晶Yカット平板
    を電気軸回りに反時計方向に35度から42度回転した
    平板のZ‘軸方向に伝播するSTWカットであり、アル
    ミニウム電極の膜厚H対弾性表面波の波長λの比H/λ
    は2%から5%であり、前記のすだれ上電極のトータル
    和Mが240対から300対であり、前記(PR−PT
    1)/PR=1ε〜1.7εかつ、(PR−PT3)/
    PR=1ε〜0.8εとなし、かつ利用する振動の固有
    モードとしてs1とa1とし、前記電極指交差幅重み付
    けを、x=0を入力側のIDT1の中央x座標とし、x
    =x0を出力側IDT2の中央x座標として、COS
    (k2x)とCOS{−k2(x−x0)}の組み合わせ
    と、SIN(k3x)とSIN{−k3(x−x0)}の
    組み合わせの2素子を並列に接続し1チップ中に一体に
    した構成であり、前記の固有モードの波数k2とk2は、
    固有モードs1に対応して、k2がω/ωm=0.997
    4から0.9984、固有モードa1に対応して、k3
    がω/ωm=0.99575から0.99585の範囲
    に設定したことを特徴とする請求項10記載の縦多重モ
    ードSAWフィルタ。
  17. 【請求項17】 前記第1と第2のすだれ状電極の電極
    指1本当りの弾性表面波の反射係数γが2%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の縦多重モード型SAW
    フィルタ。
  18. 【請求項18】 前記圧電体平板が、水晶Yカットを電
    気軸回りに反時計方向におよそθ=35度から42度ま
    で回転してできる水晶STWカットであることを特徴と
    する請求項11記載の縦多重モード型SAWフィルタ。
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