JP2005223721A - 縦3重モードsawフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 基本波対称縦モードS0及び基本波斜対称縦モードA0に1次対称縦モードS1を追加してフィルタを合成して、より広い通過帯域幅を実現する。
【解決手段】 圧電基板10上に、送信側の第1IDT11と受信側の第2IDT12と第1及び第2IDT間に制御用の第3のIDT13と第1乃至第3IDTの両側に1対の反射器14、15とをSAW伝搬方向に沿って設け、第1〜第3IDT全体の反射係数Гを10>Γ>0.8にし、反射器とそれに隣接する第1及び第2IDTとの間隔をnPt+L(但し、Pt:交差指電極の周期長、L:隣接する交差指電極間の間隔、n:整数)に設定し、かつ第1乃至第3IDT及び反射器の周波数ポテンシャル値ω1、ω2、ω3、ωR をω3>ω1,ω2>ωR に設定して、S1モードの共振強度を高める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性表面波(SAW)を利用した共振子型の縦3重モードSAWフィルタに関する。
従来から、2個のSAW共振器をSAWの伝搬方向に沿って縦型に近接配置し、IDT(すだれ状トランスデューサ)電極内に閉じ込められた対称モード及び反対称モードの振動を利用し、2つのIDT電極の対数を操作することにより通過帯域を制御可能とした縦型2重モードSAWフィルタが知られている。このようなSAWフィルタでは、SAW共振器のQ値向上に必要なIDT電極の対数が800〜1000になるので、フィルタサイズが長大化しかつ通過帯域が極めて狭いことから、IDTの電極指総対数、SAWの波長に関するIDT電極指交差幅及び電極膜厚を適切に選択することによって、Q値を低下させることなく、IDTの対数を減少させかつフィルタの通過帯域を自由に制御可能にした縦型2重モードSAWフィルタが提案されている(特許文献1を参照)。更にこのSAWフィルタは、接地したシールド電極を両IDTの間にその直達波を阻止するために設けることができる。
また、かかる従来のSAWフィルタは、圧電基板上に電極指の対数・交差幅・周期が同じ2つのIDTとその両側に反射器とを配置し、更に必要に応じて両IDTの間にシールド電極を配置する。対称モードと反対称モードの周波数差は最大でも中心周波数の3/1000程度で限界があり、通過帯域幅の拡大が不可能であったことから、圧電基板上にSAWの伝搬方向に沿って2つのIDTと、それらの間にシールド電極と、それらの両側に反射器とを配置し、両IDTの間隔を(m+1/4)λ/2〜(m+1)λ/2(但し、m:シールド電極の電極指本数、λ:SAWの波長)とし、各IDTと隣接する反射器との間隔をnλ/2とし、更に、IDTの電極指周期をシールド電極のそれより僅かに大きく、かつ反射器の電極指周期をIDTのそれより僅かに大きくした縦結合2重モードSAWフィルタが提案されている(特許文献2を参照)。
このようにIDTの間隔を設定することにより、反対称モードの周波数が低周波側に移動するので、2つのモードの周波数差を拡大することができる。また、反射器及びIDTの電極指周期を上述したように設定することにより、反射器の反射効率の平坦部が低周波側に移動するので、高いQ値を実現できる。更に、上述した電極指周期のシールド電極を設けることにより、対称モードのQ値を高く維持できるので、広帯域で低損失のフィルタ特性が得られる、ということである。
また、圧電基板の表面中央部に配置したIDTを2つ又はそれ以上に分割して入力IDTと出力IDTとにし、その両側に反射器を配置した単一の共振モードを有するエネルギ閉じ込め形の2端子対SAW共振子を複数個従属接続した構成のSAWフィルタが知られている。このSAWフィルタは、IDTの電極対数を多くすると共振子の容量比が小さくなって、通過帯域幅を広くとれるが、IDTを2分割した場合には、非調和高次の縦1次モードが存在し、スプリアスとなるので、通過帯域を広くするのに限界がある。IDTを3分割し、その中央を入力IDT、両側を出力IDTとした場合には、それらを対称に配置することにより縦1次モードを抑圧し、縦0次モードだけを励起するが、IDTの電極対数を多くすると縦2次共振モードが現れてスプリアスとなるので、同様にフィルタの広帯域化に限界がある。
そこで、エネルギ閉じ込め形の2端子対SAWフィルタにおいて、スプリアスを発生させる縦2次モードを利用して通過帯域幅を広くするために、反射器の相互間隔を広げて、その間に入るIDTの対数を多くし、該IDTを3分割してその中央を入力IDT及びその両側をそれぞれ出力IDTとし、かつ反射器の相互間隔をSAWの伝搬方向に縦2次共振モードを励起する電極対数以上を収容し得るように設定することにより、縦0次共振モードと縦2次共振モードとを有するように構成することが知られている(特許文献3を参照)。この場合、圧電基板の材質、種類に対応するIDT対数と電極膜厚を設定することにより、縦0次モードの共振周波数と縦2次モードの反共振周波数との周波数差を小さくして、通過帯域を広くすることができる。
他方、特許文献1又は特許文献3に記載される従来のSAWフィルタは、利用する複数の縦共振モードを独立に制御して、両振動モードの共振振幅を等しくし、通過帯域幅を目的地に設定することが困難であり、動作周波数が300〜800MHz以上の高い周波数範囲になるに従って、対称モードS0の共振振幅が減少してフィルタの通過帯域の振幅特性が傾斜する傾向が顕著になるという問題がある。
本願出願人は、通過帯域の設定が比較的容易で、上側端及び下側端近傍での挿入損失が等しくかつ平坦で、各振動モードでの共振子のQ値が高いSAWフィルタを実現するために、SAWを利用した共振子型の縦2重モードSAWフィルタを提案している(特許文献4を参照)。このSAWフィルタは、入力側(SAWを励振する)の第1IDTと出力側(SAWを受信する)の第2IDTとの間に、フィルタを合成する2つのモード、基本波対称縦モードS0及び基本波斜対称縦モードA0の振動変位の振幅を制御できるようにするための第3IDTを設け、かつ、IDTの電極周期長を変えて周波数ポテンシャルを適正化することにより、S0及びA0モードの共振振幅強度を等価にして通過帯域の伝送特性を平坦化し、挿入損失及び帯域外減衰量に優れた特性を発揮する。
また、一般に1ポート型SAW共振子においてIDTの電極対数をM、IDT全体での反射係数をΓ=4MbH/λ(但し、b:IDT電極1本当たりのSAW反射係数、H:電極膜厚、λ:SAW波長。)としたとき、10>Γ>0.8とすると、振動エネルギが共振子の中央に集中したエネルギ閉込型SAW共振子を実現することができる。また、SAW共振子の縦モードの変位と共振周波数を解析するために、SAW共振子の該当する領域の素子角周波数ωは、周波数ポテンシャル関数ω(X)=2πVs/2Pt(但し、X:共振子の縦方向の座標、Vs:SAW速度、Pt:該当領域の電極指周期長)として表わすことができる。ここで、反射器の角周波数(ωR)<IDTの角周波数(ωT)と設定することにより、縦方向Xにエネルギ閉じ込め現象が発生する。
特許文献4に記載の縦2重モードSAWフィルタは、この現象を利用したもので、送信側の第1IDT(入力側)、受信側の第2IDT(出力側)、制御用の第3IDT及び反射器の周波数ポテンシャル値をそれぞれω1、ω2、ω3、ωR として、ω1=ω2>ωR >ω3の関係に設定している。この関係は、送信側の第1IDT(入力側)、受信側の第2IDT(出力側)、制御用の第3IDT及び反射器の電極指周期長をそれぞれPt1、Pt2、Pt3、Prとしたとき、Pt3>Pr>Pt1=Pt2に相当し、これにより高い周波数範囲においても理想状態に近い基本波縦対称モードS0の振幅特性が得られる。
更に従来のSAWフィルタは、電極指1本当たりのSAW反射係数が増すとIDTの対数を大きくできず、挿入損失が増大するという問題があることから、本願出願人は、特許文献4に記載の縦2重モードSAWフィルタを改良した縦多重モード型SAWフィルタを提案している(特許文献5を参照)。
このSAWフィルタは、圧電体基板上に入力側の第1IDTと出力側の第2IDTとの間にSAWの振幅を制御する第3IDTを設けて、フィルタを合成する2つの共振モードの振動変位の振幅を制御できるようにし、IDT電極指の重み付けによりIDT領域に存在し得る固有振動モード群、例えばn次対称縦モード又はn次斜対称縦モードを選択して合成し、かつ第1〜第3IDTの電極指周期長を変えてそれらの周波数ポテンシャル値を適正化することにより、選択した振動モードの共振振幅強度を等価にして通過帯域の伝送特性を平坦化した。これにより通過帯域幅の設定が容易で、電気機械結合係数の小さい水晶基板でも広帯域幅化が可能であり、IDTの電極指対数を大きくできるので挿入損失が小さく、通過帯域の振幅特性が平坦で、各共振モードにおける共振子のQ値が高くなる。
特開昭61−285814号公報 特公平5−3169号公報 特開平1−231417号公報 特開2002−271166号公報 特開2003−179461号公報
本発明は、上述した従来の縦2重モードSAWフィルタの改良に関するものであり、その目的は、基本波対称縦モードS0及び基本波斜対称縦モードA0に1次対称縦モードS1を追加してフィルタを合成することによって、より広い通過帯域幅を実現することができる縦3重モードSAWフィルタを提供することにある。
本発明によれば、上記目的を達成するために、圧電基板上に、弾性表面波(SAW)を励振するための第1IDTと、励振されたSAWを受信するための第2IDTと、第1及び第2IDTの間に配置されてSAWの振幅を制御するための第3のIDTと、第1乃至第3IDTの両側に配置された1対の反射器とがSAWの伝搬方向に沿って設けられ、第1、第2及び第3IDTが全体として有する反射係数Гが10>Γ>0.8に設定され、反射器とそれに隣接する第1及び第2IDTとの間隔が、IDTを構成する交差指電極の周期長をPtとし、隣接する交差指電極間の間隔をLとして、nPt+L(但し、n:整数)に設定され、かつ、第1乃至第3IDT及び反射器の周波数ポテンシャル値ω1、ω2、ω3、ωR がω3>ω1,ω2>ωR の関係に設定され、それにより基本波対称縦モードS0と基本波斜対称縦モードA0と1次対称縦モードS1とから合成される縦3重モードの共振振幅強度を有する縦3重モードSAWフィルタが提供される。
このように、IDT全体の反射係数Гを上記所定範囲に設定することにより、振動エネルギが共振子の中央に集中したエネルギ閉込型SAW共振子を利用したSAWフィルタを構成することに加え、送信側の第1IDTと受信側の第2IDTとの間に設けた制御用の第3IDTを設け、かつ各IDT及び反射器の周波数ポテンシャル値を上述した関係に設定することによって、1次対称縦モードS1の共振強度を高めることができる。それにより、従来の縦2重モードSAWフィルタよりも広い通過帯域を実現でき、特に低周波数域側で減衰特性を乱す虞を解消することができる。
或る実施例では、第1乃至第3IDTの交差指電極の周期長をPt1、Pt2、Pt3とし、かつ反射器を構成する反射体ストリップの周期長をPrとして、Pr>Pt1,Pt2>Pt3の関係に設定する。一般に周波数ポテンシャル値は、ω(X)=2πVs/2Pt(但し、X:共振子のSAW伝搬方向の座標、Vs:SAW速度、Pt:該当領域の交差指電極周期長)で表わされることから、交差指電極の線幅を小さくし、交差指電極周期長を狭くし、又は交差指電極の膜厚を薄くして電極膜の質量を小さくすることによりSAW速度を上げ、周波数ポテンシャル値を高くすることができる。従って、IDT及び反射器の電極周期長を適当に設定することにより、1次対称縦モードS1の共振強度を高めて広い通過帯域を得ることができる。
また、或る実施例では、反射器が有する反射中心周波数fR0と、第1乃至第3IDTを一体とした場合に有する放射コンダクタンスGが最大値を示す周波数fT0との偏差ε=(fR0−fT0)/fR0を単位1として、Iti=(Pr−Pti)/Pr/ε(但し、i=1〜3)で定義される第1乃至第3IDTの周波数上昇率において、(Pr−Pt1)/Pr=1ε〜1.7ε、かつ(Pr−Pt3)/Pr=0〜−4εに設定し、より好ましくは、(Pr−Pt1)/Pr=(1〜1.7)ε、かつ(Pr−Pt3)/Pr=(−2〜−4)εに設定することにより、平坦な通過帯域の振幅特性を得ることができる。
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1(A)は、本発明による縦3重モードSAWフィルタの実施例を示している。圧電基板10は、例えばリチウムタンタレート、リチウムナイオベート、水晶などの従来公知の圧電材料で形成され、又はSi基板上にダイヤモンド薄膜を成長させかつその上に圧電性を有するZnO等の薄膜を形成して鏡面研磨を施した長方形の平板からなる。圧電基板10の表面には、中央に3つのIDT11〜13がSAWの伝搬方向に沿って配置され、それらを挟むように両側に各1個の反射器14、15が配置されている。
IDT11〜13は、それぞれ圧電基板10上にAl等の導体金属薄膜を蒸着又はスパッタ等の公知方法により形成してパターニングした交差指電極からなる。各IDT11〜13の交差指電極は、それぞれSAWの伝搬方向に沿って所定の間隔で配置されている。第1IDT11はSAWフィルタの送信側IDTを、第2IDT12はSAWフィルタの受信側IDTを、それらの間に配置した第3IDT13は制御用IDTを構成する。送信側の第1IDT11は、その正極側の交差指電極11aに信号源16が接続され、かつ負極側の交差指電極11bが接地されている。受信側の第2IDT12は、その正極側の交差指電極12aに負荷抵抗17が接続され、かつ負極側の交差指電極12bが接地されている。
更に、第1IDT11と第3IDT13との間及び第2IDT12と第3IDT13との間には、それぞれ隣接するIDTの交差指電極の間にSAWの伝搬路と交差する交差導体18、19が設けられている。第1及び第3IDT11、13間の交差導体18は、その両端で第1IDT11の負極側交差指電極11bと、それとは反対側に位置する第3IDT13の一方の交差指電極13aとにそれぞれ接続されている。第2及び第3IDT12、13間の交差導体19は、一方の端部のみが第2IDT12の負極側交差指電極12bに接続されている。
反射器14、15は、同様に圧電基板10上にAl等の導体金属薄膜を蒸着又はスパッタ等の公知方法により形成してパターニングした複数の反射体ストリップ14a、15aをそれぞれ有する。反射体ストリップ14a、15aは、SAWの伝搬方向に沿って一定の間隔で配置されている。本実施例によれば、このようにして3つのIDT及び1対の反射器からなる2端子対の縦3重モードSAWフィルタが構成される。
特許文献4の縦2重モードSAWフィルタと同様に、上述した1ポート型SAW共振子におけるIDT全体の反射係数Γを定義した式、Γ=4MbH/λ(但し、M:IDTの電極対数、b:IDT電極1本当たりのSAW反射係数、H:電極膜厚、λ:SAW波長)を用いて、各IDTの隣接する正極側の交差指電極(例えば11a)と負極側の交差指電極(例えば11b)とを1対とし、第1〜第3IDT11〜13が有する対数の総数をMとして、本実施例の縦3重モードSAWフィルタの全IDTの交差指電極全体でのトータル反射係数Γを設定する。即ち、IDT全体としてその交差指電極のトータル反射係数を10>Γ>0.8に設定して、振動エネルギが共振子の中央に集中したエネルギ閉込型SAW共振子を構成する。
各反射器14、15とそれに隣接する第1及び第2IDT11、12との間隔は、IDTの交差指電極周期長即ちピッチをPtとし、隣接する交差指電極間の間隔をLとして、nPt+L(但し、n:整数)とする。
本発明の特徴は、縦3重モードSAWフィルタの第1〜第3IDT11〜13及び反射器14、15が、それぞれ図1(B)に示す階段状の線20で表される周波数ポテンシャル値ω1、ω2、ω3、ωR を有することである。この線20は、横軸として前記各交差指電極及び反射体ストリップに直交するSAW伝搬方向をX軸とし、かつこれと直交する縦軸を周波数ポテンシャル値を表すω軸とする。本発明によれば、同図に示すように、ω3>ω1,ω2>ωR の関係に設定する。
一般に周波数ポテンシャル値は、特許文献4に記載されているように、ω(X)=2πVs/2Pt(但し、X:共振子のSAW伝搬方向の座標、Vs:SAW速度、Pt:該当領域の交差指電極周期長)で表わされる。従って、交差指電極の線幅を小さくしたり、交差指電極周期長を狭くしたり、又は交差指電極の膜厚を薄くして電極膜の質量を小さくすることによりSAW速度を上げると、周波数ポテンシャル値を高くすることができる。
本実施例において、第1〜第3IDT11〜13の交差指電極周期長をPt1、Pt2、Pt3、反射器14、15の反射体ストリップ周期長をPrとすると、それらの周波数ポテンシャル値は、ω1=2πVs/2(Pt1)、ω2=2πVs/2(Pt2)、ω3=2πVs/2(Pt3)、ωR=2πVs/2(Pr)となる。従って、上述した周波数ポテンシャル値の関係は、Pr>Pt1,Pt2>Pt3で表すことができる。
本実施例では、第1及び第2IDT11、12を対称に構成するから、それらの交差指電極周期長はPt1=Pt2となり、周波数ポテンシャル値はω1=ω2となる。従って、本実施例において、周波数ポテンシャル値はω3>ω1=ω2>ωR の関係に設定され、交差指電極周期長及び反射体ストリップ周期長はPr>Pt1=Pt2>Pt3の関係となる。
更に、これらの関係は、特許文献4に記載されているように、第1〜第3IDTの周波数上昇率Iti(但し、i=1〜3)で表わすことができる。周波数上昇率は、各反射器14、15が有する反射中心周波数fR0と、3つのIDTを一体とした場合に有する放射コンダクタンスGが最大値を示す周波数fT0との偏差ε=(fR0−fT0)/fR0を単位1として、Iti=(Pr−Pti)/Pr/εと定義される。
図2は、本実施例の縦3重モードSAWフィルタの動作状態を示している。同図において、横軸はSAWの伝搬方向を示すX軸、縦軸はSAWの変位U(X)である。曲線21は基本波縦対称モードS0、曲線22は基本波斜対称縦モードA0、曲線23は1次対称縦モードS1の変位振幅をそれぞれ示している。
本発明によれば、周波数ポテンシャル値を上述した関係に設定することによって、S1モードの共振強度を高めることができる。図3は、図1に示す本実施例のSAWフィルタにおいて、圧電基板10をリチウムタンタレートの112°Xカット板で形成し、IDT及び反射器の電極数を全部で520本とし、IDTの交差指電極の総対数を185、残りを反射器とした場合に、第3IDT13の周波数ポテンシャル値ω3の上昇率に関するS1モードの振幅強度をその減衰量(dB)で表したものである。同図から、制御用の第3IDT13の周波数ポテンシャル値を大きくすると、SAWフィルタのS1モードを強くできることが分かる。
図4は、このようにしてS1モードの励振を強くした本実施例の縦3重モードSAWフィルタの振幅強度をその減衰量(dB)で表している。同図において、実線で示す曲線24は、本実施例のS0モード、A0モード及びS1モードを合成した縦3重モードの共振振幅強度を示している。比較例として、破線で示す曲線25、26は、それぞれS0モード及びA0モードを合成した従来の2重モードの共振振幅強度を示している。特に曲線25は、特許文献4に記載される縦2重モードSAWフィルタの共振振幅強度であり、曲線26の場合よりも広い通過帯域を実現している。
これら従来の2重モードは、いずれも1次対称縦モードS1が通過帯域の外側に出現しており、それ以上通過帯域を広くすることができないだけでなく、低周波数域側で減衰特性を乱す虞がある。これに対し、本発明の縦3重モードSAWフィルタは、S1モードを追加することによって、特に低周波数域側で通過帯域をより広くすることができる。
また、本実施例において、周波数ポテンシャル値は、上述したようにω1=ω2>ωR の関係を有するので、従来から知られているように、S0モード及びA0モードの共振強度が等しくなり、通過帯域の振幅特性が平坦になる。更に、800MHz程度以上の高い周波数範囲でも平坦な通過帯域の振幅特性を得るためには、特許文献4に記載されるように、上述した周波数上昇率において、(Pr−Pt1)/Pr=(1〜1.7)ε、かつ(Pr−Pt3)/Pr=(0〜−4)ε、より好ましくは(Pr−Pt3)/Pr=(−2〜−4)εとすればよい。
また、交差導体18、19の幅寸法は、それらとそれぞれ隣接する第1及び第3IDT11、13、並びに第2及び第3IDT12、13との間のスペースを加えた距離D1、D2が、SAWの波長をλ=2(Pt1)または2(Pt2)として、nλ+(1/4)λ、またはnλ+(3/4)λ(但し、n=0,1,2,…)となるように設定する。この設定範囲から外れると、S0モードよりも更に高周波数側の10000ppm付近に非エネルギ閉込型の基本波モードが発生するので、好ましくない。
以上、本発明の好適実施例について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において上記各実施例に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
(A)図は本発明による縦3重モードSAWフィルタの好適実施例を示す平面図、(B)図はこのSAWフィルタが有する周波数ポテンシャル値をSAW伝搬方向即ちX軸方向に沿って示す線図。 図1のSAWフィルタの動作状態を、SAWの伝搬方向を示すX軸に沿ってSAWの変位U(X)で表わす線図。 第3IDTの周波数ポテンシャル値ω3の上昇率に関するS1モードの振幅強度をその減衰量(dB)で表わす線図。 本実施例の縦3重モードSAWフィルタの共振振幅強度、及び比較例として従来の2重モードSAWフィルタの共振振幅強度を、それらの減衰量(dB)で表わす線図。
符号の説明
10…圧電基板、11…第1IDT,12…第2IDT、13…第2IDT、11a,11b,12a,12b,13a…交差指電極、14,15…反射器、14a、15a…反射体ストリップ、16…信号源、17…負荷抵抗、18,19…交差導体、20…線、21〜26…曲線。

Claims (4)

  1. 圧電基板上に、弾性表面波(SAW)を励振するための第1IDTと、励振された前記SAWを受信するための第2IDTと、前記第1及び第2IDTの間に配置されて前記SAWの振幅を制御するための第3のIDTと、前記第1乃至第3IDTの両側に配置された1対の反射器とが前記SAWの伝搬方向に沿って設けられ、
    前記第1、第2及び第3IDTが全体として有する反射係数Гが10>Γ>0.8に設定され、
    前記反射器とそれに隣接する前記第1及び前記第2IDTとの間隔が、前記IDTを構成する交差指電極の周期長をPtとし、隣接する前記交差指電極間の間隔をLとして、nPt+L(但し、n:整数)に設定され、かつ、
    前記第1乃至第3IDT及び反射器の周波数ポテンシャル値ω1、ω2、ω3、ωR がω3>ω1,ω2>ωR の関係に設定され、それにより基本波対称縦モードS0と基本波斜対称縦モードA0と1次対称縦モードS1とから合成される縦3重モードの共振振幅強度を有することを特徴とする縦3重モードSAWフィルタ。
  2. 前記第1乃至第3IDTの前記交差指電極の周期長をPt1、Pt2、Pt3とし、前記反射器を構成する反射体ストリップの周期長をPrとして、Pr>Pt1,Pt2>Pt3の関係に設定したことを特徴とする請求項1に記載の縦3重モードSAWフィルタ。
  3. 前記反射器が有する反射中心周波数fR0と、前記第1乃至第3IDTを一体とした場合に有する放射コンダクタンスGが最大値を示す周波数fT0との偏差ε=(fR0−fT0)/fR0を単位1として、Iti=(Pr−Pti)/Pr/ε(但し、i=1〜3)で定義される前記第1乃至第3IDTの周波数上昇率において、(Pr−Pt1)/Pr=1ε〜1.7ε、かつ(Pr−Pt3)/Pr=0〜−4εに設定したことを特徴とする請求項2に記載の縦3重モードSAWフィルタ。
  4. 前記第1乃至第3IDTの周波数上昇率において、(Pr−Pt1)/Pr=(1〜1.7)ε、かつ(Pr−Pt3)/Pr=(−2〜−4)εに設定したことを特徴とする請求項3記載の縦3重モードSAWフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9843083B2 (en) 2012-10-09 2017-12-12 Mesaplexx Pty Ltd Multi-mode filter having a dielectric resonator mounted on a carrier and surrounded by a trench
US9325046B2 (en) 2012-10-25 2016-04-26 Mesaplexx Pty Ltd Multi-mode filter
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