JP2007124440A - 弾性表面波素子片および弾性表面波デバイス - Google Patents

弾性表面波素子片および弾性表面波デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】減衰量とを改善する。
【解決手段】弾性表面波素子片は、圧電基板の弾性表面波の伝播方向に沿って配置した第1IDT14、第2IDT16、第3IDT18と、これらのIDT14、16、18を挟んで設けた一対の反射器とを備えている。各IDT14、16、18のそれぞれは、弾性表面波を励振可能、かつ反射する電極セルAと、弾性表面波を励振可能であって反射しない電極セルBと、弾性表面波を励振できずに反射のみする電極セルCと、弾性表面波を励振せず、反射もしない電極セルDとを混在させて形成してある。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電基板の表面に弾性波を発生させる弾性表面波素子片に係り、特に3つのIDTとこれらを挟んで設けた一対の反射器とを備えた弾性表面波素子片および弾性表面波デバイスに関する。
弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)デバイスである弾性表面波フィルタは、高周波に対応可能であるとともに、小型で量産性に優れており、携帯電話機をはじめとして各種電子機器に採用されている。弾性表面波フィルタには、IDT(Interdigital Transducer)を挟んで格子状の反射器を有する共振子型と、反射器を備えていないトランスバーサル型とがある。図11は、共振子型フィルタの1種である通常の3IDT型の二重モードフィルタ(DMSフィルタ)を構成する弾性表面波素子片の平面図である。
図11において、弾性表面波素子片10は、圧電基板12の中央部に、第1IDT14、第2IDT16、第3IDT18が設けてある。圧電基板12は、例えば水晶やタンタル酸リチウム(リチウムタンタレート)、ニオブ酸リチウムなどの圧電体からなり、平面視矩形状に形成してある。そして、3つのIDT14、16、18は、圧電基板12の弾性表面波の伝播方向に沿って配置してある。第1IDT14は、一対の櫛型電極20(20a、20b)からなっていて、櫛型電極20の櫛歯に相当する電極指22が噛み合うように配置されてすだれ状をなしている。また、第2IDT16、第3IDT18は、それぞれが一対の櫛型電極24(24a、24b)、26(26a、26b)からなっていて、第1IDT14と同様に電極指22が相互に噛み合うように配置してある。これらのIDT14、16、18の外側には、IDT14、16、18を挟むように一対の反射器28(28a、28b)が設けてある。各反射器28は、電極指22と平行に形成した複数の導体ストリップ30を有し、格子状をなしている。
第1IDT14と第3IDTとは、対応する櫛型電極20aと櫛型電極26a、櫛型電極20bと櫛型電極26bとが相互に接続されている。そして、第1IDT14と第3IDT18とは、入力側となっていて、櫛型電極20a、26aと、櫛型電極20b、26bの間に信号電圧が印加され、圧電基板12の表面部に所定周波数の弾性波(弾性表面波)を励振する。他方の第2IDT16は、出力側となっていて、圧電基板12を伝播してきた弾性表面波の振幅に比例した電圧を得ることができる。このようになっている弾性表面波素子片10は、RFフィルタ、デュープレクサ、IFフィルタ等に利用されている。
RFフィルタ、デュープレクサにおいては、低損失化、広帯域化が課題となっており、多くの技術が開発されている。これに対して、IFフィルタは、一般に遷移帯域において急速に減衰する急峻性、高い減衰特性が要求され、またデジタル通信機器用においては群遅延の平坦性も重要な要素となっている。そして、フィルタは、さまざまな用途に用いられるが、概してRFフィルタ、デュープレクサ以外の用途においては、IFフィルタと同様の性能が要求されている。これらのフィルタには、従来、急峻で大きな減衰量のフィルタ特性を容易に実現することができるトランスバーサル型フィルタが多く利用されてきた。
ところが、トランスバーサル型フィルタは、一般にフィルタの挿入損失が大きく、パッケージサイズが大きくなる欠点がある。そこで、トランスバーサル型弾性表面波素子片に一方向性電極を形成して挿入損失の低減を図っている。また、IDTの内部共振を利用したRSPUDT手法の開発により、パッケージサイズも小型化されてきている。しかしながら、トランスバーサル型弾性表面波素子片は、弾性表面波の伝播方向の端部に吸音材(アブソーバ)を設ける必要があるため、その分だけ小型化できない欠点が残る。
この点、DMSフィルタ用の素子片は、IDTを挟んで設けた反射器によって振動エネルギーを電極部に閉じ込めることができ、吸音材が不要で容易に小型化をすることができる。しかし、3つのIDTと一対の反射器とからなる1セクションの3IDT型DMS素子片は、急峻性、減衰量がトランスバーサル型弾性表面波素子片よりはるかに劣っている。そこで、2セクションとしたり、減衰トラップとして共振子を並列または直列に接続して急峻性、減衰量の改善を図ることが行なわれるが、その分弾性表面波素子片のサイズが大きくなって小型化できない。したがって、3IDT型DMS素子片は、IFフィルタなどを形成するために、1セクションでもって急峻性の改善、高減衰化が強く求められている。そして、特許文献1には、弾性表面波の1波長の中に一対に電極指をもつシングル電極と、1波長の中に二対の電極指をもつダブル電極とをIDT中に混在させ、フィルタ特性の通過帯域外減衰量の劣化を改善する共振器型フィルタが開示してある。また、特許文献2には、3IDT型のDMSフィルタにおいて、IDTを構成する電極指を間引きしてその位置に短絡グレーティングを配置し、入出力インピーダンスの互いに異なる3IDT型DMSフィルタの通過帯域内の平坦性と挿入損失とを改善することを開示している。
一方、特許文献3には、3IDT型DMSフィルタにおいて、第1番目のIDTと第2番目のIDTとの間隔と、第2番目のIDTと第3番目のIDTとの間隔とを相互に異ならせるとともに、少なくとも1つのIDTに間引き重み付けをして、高域側のスプリアスを改善している。
特開昭58−156211号公報 特開2002−353777号公報 特開平10−190394号公報
そこで、発明者は、上記特許文献1、2に記載のIDTを用いて3IDT型DMSフィルタを形成した場合に、減衰量がどの程度改善されるかを調べた。図12、図13は、その調べた結果を示す図である。なお、図12、図13は、いずれも横軸が周波数(MHz)、縦軸が挿入損失(dB)であって、中心周波数fが100MHzである。
図12は、特許文献1に記載されているシングル電極とダブル電極(スプリット電極)とを混在させたIDTからなる3IDT型DMSフィルタと、IDTがシングル電極のみからなる従来の通常の3IDT型DMSフィルタとの伝達応答を比較した図である。図12の実線は、IDTをシングル電極とダブル電極とを混在させて形成したフィルタの伝達応答であり、破線がIDTをシングル電極のみによって形成したフィルタの伝達応答である。ただし、IDTに混在させたシングル電極とダブル電極との配置は、減衰量が最も大きくなるように、遺伝的アルゴリズムの手法を用いて最適化して得ている。なお、図12(2)は、同図(1)の中心周波数f付近の拡大図である。
通常のIDTがシングル電極のみからなるフィルタの場合、破線に示したように、fの高周波数側にαで示した大きな盛り上がり部を有する。この部分では、減衰量が14dBしか得ることができない。そして、10dB阻止域幅と3dB通過帯域幅の比をフィルタの急峻性を表すシェイプアップファクタ(SF)とすると、シングル電極のみからなるフィルタは、SF=1.58であった。これに対してシングル電極とダブル電極とを混在させたIDTのフィルタは、破線のαに示した部分の減衰量が改善されている。しかし、βとして示した10dBのスプリアスが部分的に残ってしまう。しかも、シングル電極とダブル電極とを混在させてフィルタは、SF=1.74となっていて、急峻性も劣化している。
図13は、特許文献2に示されているシングル電極と短絡グレーティングとを混在させてIDTを形成した3IDT型DMSフィルタの伝達応答を上記のシングル電極のみからなるフィルタと比較したものである。IDTに混在させたシングル電極と短絡グレーティングの配置は、上記と同様に、減衰量が最大となるように遺伝的アルゴリズムの手法により最適化してある。
実線に示したシングル電極と短絡グレーティングとを混在させたIDTからなるフィルタは、破線の盛り上がり部分αの減衰量を14.5dBから18dBまで改善することができる。また、シングル電極と短絡グレーティングとを混在させた3IDT型DMSフィルタは、SF=1.49と急峻化している。しかし、破線のα部分の減衰量は、約18dBであり、十分な減衰量とはいえない。
本発明は、減衰量とを改善することを目的としている。
また、本発明は、急峻性を改善することを目的としている。
さらに、本発明は、弾性表面波デバイスの小型化を図れるようにすることを目的としている。
特許文献1に記載のように、IDTをシングル電極とダブル電極とを混在させて形成することは、IDTにおける弾性表面波の反射について、反射あり、反射なしの間引きに重み付けをしているといえる。また、特許文献2に記載のように、IDTのシングル電極の一部を短絡グレーティングに置き換えることは、弾性表面波の励振について、励振あり、励振なしの間引き重み付けをしているといえる。そこで、発明者は、反射と励振との両方について間引きの重み付けを行なえば、急峻性と減衰量との両方を改善できるのではないかと推測し、解析を行なった。
本発明は、上記の考察に基づいてなされたもので、本発明に係る弾性表面波素子片は、圧電基板の弾性表面波の伝播方向に沿って配置した一対のIDTと、これらのIDTを挟んで設けた一対の反射器とを備えた弾性表面波素子片であって、前記一対のIDTのそれぞれは、前記弾性表面波を励振可能、かつ反射する電極セルAと、前記弾性表面波を励振可能であって反射しない電極セルBと、前記弾性表面波を励振できずに反射のみする電極セルCとが混在していることを特徴としている。
このようになっている本発明は、反射に対する反射なし、反射ありの間引き重み付けと、励振に対する励振なし、励振ありの間引き重み付けとを適宜に組み合わせることにより、急峻性と減衰量との改善を行なうことができる。したがって、IFフィルタなどの要求に応えることができる。そして、素子片の端部に吸音材(アブソーバ)を設ける必要がないため、トランスバーサル型より小型のIFフィルタなどを形成することができ、弾性表面波デバイスの小型化を図ることができる。
前記各IDTは、前記弾性表面波を励振も反射もしない中性領域が混在していてもよい。弾性表面波を励振も反射も生じない中性領域を積極的に混在させることによって、IDTの内部に弾性表面波の多様な状態を作り出すことができ、急峻性、減衰特性を改善することができる。中性領域は、電極を配置しないことによって実現できるし、弾性表面波を励振も反射もしない電極セルDを配置しても実現することができる。
前記電極セルAは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる2本の電極指を有し、前記各電極指はそれぞれ電位の異なるバスバーに接続してあり、前記電極セルBは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる4本の電極指を有し、セル内の隣り合う2本ずつの前記電極指がそれぞれ電位の異なる前記バスバーに接続してある、構造にすることができる。これにより、電極セルAは、弾性表面波の励振が可能であり、弾性表面波を反射する。また、電極セルBは、4本の電極指のそれぞれを弾性表面波に対して位相を90°ずらせて配置することにより、弾性表面波の各電極指からの反射波が相互に打ち消しあって、実質的に反射を生じない。
前記電極セルCは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる2本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーのいずれか一方の同じバスバーに接続してあってよい。また、前記電極セルCは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる2本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーから離間しており、かつ相互に接続することができる。このような電極セルCは、各電極指が同電位となるため、弾性表面波を励振せずに、反射のみを生ずる。さらに、前記電極セルCは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる2本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーから離間しており、かつ相互に分離してあってもよい。
前記電極セルDは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる4本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーのいずれか一方の同じバスバーに接続することができる。また、前記電極セルDは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる4本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーから離間しており、かつ相互に接続してよい。そして、前記電極セルDは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる4本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーから離間しており、かつ相互に分離することができる。これらの電極セルDは、上記した理由により弾性表面波を励振せず、反射も生じない。
前記電極セルAと前記電極セルCとの前記弾性表面波の伝播方向におけるセルの長さをL2、前記電極セルBと前記電極セルDとの前記弾性表面波の伝播方向におけるセルの長さをL4としたときに、L2とL4とを異ならせるとよい。弾性表面波の1波長内に電極指が2本ある場合と、電極指が4本ある場合とで弾性表面波の位相の伝播速度が異なってくる。したがって、2本電極指の電極セルA、Cと、4本電極指の電極セルB、Dとで弾性表面波の伝播方向における長さを調整して弾性表面波の共振周波数が同じになるように調整する。
この場合、L2は、L4より大きくする。4本電極指の電極セルは、2本電極指の電極セルより弾性表面波の伝播速度が遅くなる。したがって、4本電極指の電極セルB、Dの弾性表面波の伝播方向における長さL4を、2本電極指の電極セルA、Cの長さL2より短く(小さく)して共振周波数が同じになるように調整する。そして、0.95L2≦L4<L2にするとよい。弾性表面波の位相速度は、圧電基板の材質、圧電基板のカット角、弾性表面波の伝播方向、電極の製造条件(電極材料、電極膜厚、電極指幅)などによって異なるが、ほとんどの条件において、4本電極指の位相速度は、2本電極指の位相速度を1とした場合、0.95以上、1.00未満である。したがって、0.95L2≦L4<L2にすることが望ましい。
前記電極セルC、Dの各電極指がバスバーに接続されておらず、電気的に浮いた状態であって、相互に分離されている場合、前記電極セルA、前記電極セルB、前記電極セルC、前記電極セルDの前記弾性表面波の伝播方向におけるセルの長さを相互に異ならせる。電極セル内の個々の電極指を電気的に浮いたオープンの状態にすると、弾性表面波の位相速度が相互に接続したショートの状態と異なってくる。したがって、電極セルC、Dの各電極指をそれぞれ分離して形成した場合、4種類の電極セルA〜Dは、弾性表面波の伝播方向における長さを相互に変えて形成するとよい。各電極セルの最適な長さは、前記した圧電基板の材料、圧電基板のカット角、電極の製造条件などを考慮して、シミュレーションなどによって求めることができる。
前記第1IDTと前記第2IDTとの間隔と、前記第2IDTと前記第3IDTとの間隔とを異ならせることができる。各IDT間の間隔を異ならせると、通過帯域の高域側のスプリアスの減衰効果をより大きくすることができる。そして、前記弾性表面波の共振周波数の波長をλとしたときに、隣接した一対の前記IDTの対向した端部のそれぞれに位置する前記電極セルの、前記弾性表面波の伝播方向における中心から他方の前記IDT側にλ/2離れた点間をIDT間間隔とした場合に、前記第1IDTと前記第2IDTとの間隔と、前記第2IDTと前記第3IDTとの間隔とは、いずれか一方が(n−1)λ/2であり、いずれか他方が(2n−1)λ/4である(ただし、n=1、2、3、………)、ようにしてよい。このようにすると、高域側の減衰量をさらに大きくすることができる。
本発明に係る弾性表面波デバイスは、上記したいずれかの弾性表面波素子片を備えていることを特徴としている。これにより、上記の作用効果を有する小型の弾性表面波デバイスを得ることができる。
本発明に係る弾性表面波素子片および弾性表面波デバイスの好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。なお、背景技術において説明した部分に相当する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図1、本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子片の概略を示す平面図である。この実施形態に係る弾性表面波素子片40は、3IDT型DMS素子片であって、圧電基板12の中央部に第1IDT14、第2IDT16、第3IDT18の3つのIDTが設けてある。各IDT14、16、18は、圧電基板12の弾性表面波の伝播方向に沿って配置してあり、実施形態の場合、それぞれが詳細を後述するように、4種類の電極セルを混在させて形成してある。また、弾性表面波素子片40は、圧電基板12の弾性表面波の伝播方向に沿ったIDT14、18の外側に、IDT14、16、18を挟んで一対の反射器28(28a、28b)が設けてある。弾性表面波素子片40は、両端の第1IDT14と第3IDT18とが入力側となり、中央の第2IDT16が出力側となっている。入力側となる第1IDT14と第3IDT18とは、対応する櫛型電極が相互に接続してある。
すなわち、第1IDT14を構成している一方の櫛型電極20aのバスバー42aと、第3IDT18を構成している一方の櫛型電極26aのバスバー44aとは、導電パターン46aを介して相互に接続してある。また、第1IDT14を構成している他方の櫛型電極20bのバスバー42bと、第3IDTを構成している他方の櫛型電極26bのバスバー44bとは、導電パターン46bを介して相互に接続してある。
各IDT14、16、18を構成している4種類の電極セルは、実施形態の場合、図2(1)〜(4)に示したようになっている。なお、図2においては、各電極セルが第1IDT14を構成する場合を例にして説明する。
図2(1)に示した電極セルAは、いわゆるシングル電極(ソリッド電極)として形成してあり、弾性表面波の1波長内に2本の電極指48(48a、48b)を含み、弾性表面波の伝播方向におけるセルの長さ(セル長)がLaとなっている。電極セルAは、電極指48a、48bの中心間距離がLa/2となっていて、各電極指48の一端が対応するバスバー42(42a、42b)に接続してある。また、電極セルAは、セルの端となるバスバー42の端と、この端に近い電極指48の中心との距離がLa/4となっている。そして、バスバー42a、42bは、信号電圧が印加されたときに相互に電位が異なる。電極指48a、48bは、バスバー42a、42bを介して両者間に印加される信号電圧により、圧電基板12に弾性表面波を励振できるとともに、電極指48の幅方向端部において弾性表面波を反射する。
図2(2)に示した電極セルBは、いわゆるダブル電極(スプリット電極)であって、弾性表面波の1波長内に4本の電極指50(50a〜50d)を備えている。電極セルBは、隣接する2本の電極指50a、50bの一端がバスバー42aに接続してあり、他の隣接する2本の電極指50c、50dの一端がバスバー42bに接続してある。電極セルBは、セル長がLbとなっていて、各電極指50の中心間距離がLb/4にしてある。そして、電極セルBは、セルの端となるバスバー42の端と、この端に近い電極指50の中心との距離がLb/8となっている。この電極セルBは、弾性表面波の励振が可能であって、実質的に弾性表面波の反射を生じない。すなわち、電極セルBの各電極指50は、弾性表面波に対して位相を90°ずつずらせて配置してあり、各電極指50の幅方向端部において反射された弾性表面波の位相が180°ずれ、相互に打ち消し合って実質的に反射を生じない。
図2(3)に示した電極セルCは、弾性表面波の1波長の内に2本の電極指52(52a、52b)を備えている。しかし、これらの電極指52は、バスバー42a、42bのいずれにも接続されておらず、電気的に浮いた状態に形成される。ただし、一対の電極指52は、一端がショートバー54によって相互に接続したショート状態となっており、電極指52aと電極指52bとは、同電位に保持される。電極セルCは、セル長がLcであって、一対の電極指52の中心間距離がLc/2となっており、セルの端となるバスバー42の端と、この端に近い電極指52の中心との距離がLc/4にしてある。電極セルCは、電極指52がいずれのバスバー42にも接続していないため、弾性表面波を励振しない。しかし、電極セルCの一対の電極指52は、弾性表面波に対して位相を180°ずらせて配置してあるため、電極指52の幅方向の両端部において弾性表面波を反射する。
図2(4)に示した電極セルDは、セル長がLdとなっていて、弾性表面波の1波長内に4本の電極指56(56a〜56d)を有している。これらの電極指56は、バスバー42a、42bのいずれにも接続されておらず、一端がショートバー58によって相互に接続してあり、ショート状態となっていて同電位に保持されている。そして、電極セルDは、各電極指56の中心間距離がLd/4となっていて、セルの端となるバスバー42の端と、この端に近い電極指56の中心との距離がLd/8にしてある。また、各電極指56は、弾性表面波に対して位相が相互に90°ずれている。このため、電極セルDは、弾性表面波を励振せず、反射も生じない中性領域を形成する。なお、電極セルC、Dは、各電極指を相互に接続する場合、図2の下側端部または電極指の長手方向中央部など、任意の位置で相互に接続してもよいし、各電極指の長手方向両端部を相互に接続してもよい。
ところで、電極セルA〜Dは、2本の電極指を有する電極セルA、Cと、4本の電極指を有する電極セルB、Dとで弾性表面波の位相速度が異なる。このため、各電極セルA〜Dにおける弾性表面波の共振周波数を一致させるようにセル長La〜Ldを補正する必要がある。弾性表面波の位相速度は、圧電基板の材質、圧電基板のカット角、弾性表面波の伝播方向、IDTを形成する電極の形成条件(電極材料、膜厚、電極指の幅)などによって異なってくる。しかし、ほとんどの条件において、4本電極指の位相速度は、2本電極指の位相速度より低下し、2本電極指の位相速度を1とした場合、0.95以上、1.00未満となる。
例えば、圧電基板が36°回転YカットX伝播LT(リチウムタンタレート)基板であって、アルミ(またはアルミ合金)電極、電極膜厚が弾性表面波の波長の2%、IDTのメタライズ比が0.35の場合、4本電極指の位相速度は、2本電極指の位相速度の約0.99倍となる。したがって、4本電極指を有する電極セルB、Dのセル長Lb、Ldは、上記の各条件に応じて、2本電極指を有する電極セルA、Cのセル長La、Lcの0.95以上、1.00未満に補正する必要がある。すなわち、La=lc=L2とし、Lb=Ld=L4とした場合、0.95L2≦L4<L2にして各電極セルにおける弾性表面波の共振周波数を同じになるようにする。
このように形成した4種類の電極セルA〜Dを用いたIDTの構成例を図3に示す。このIDT14、16、18における電極セルA〜Dの配置は、例えば遺伝的アルゴリズムの手法を用いて、3IDT型DMS素子片の急峻性および減衰量が最適となるように求める。なお、図3は、IDT14、16、18を同じ電極セルの配置パターンとして示しているが、実際のIDT14とIDT16とIDT18との電極セルの配置パターンは、相互に異なっており、一般に3者間において線対称、点対称などの対称関係も存在しない。そして、電極セルA〜Dの配置パターンは、要求される中心周波数、通過帯域幅、急峻性、減衰量などの特性によって異なってくる。なお、弾性表面波素子片40の反射器28は、実施形態の場合、導体ストリップ30の幅が電極セルAの電極指48の幅と同じにしてある。また、導体ストリップ30の形成ピッチPrは、電極セルAの電極指48の形成ピッチLa/2よりやや大きくしてあって、例えば(La/2)/Pr=0.99程度にしてある。
このようになっている実施形態の弾性表面波素子片40は、弾性表面波を励振可能および反射する電極セルA、弾性表面波を励振可能であるが反射しない電極セルB、弾性表面波を励振せずに反射だけする電極セルC、弾性表面波を励振の反射もしない電極セルDの4種類の電極セルを組合せ、最適な配置をとることにより、急峻性、減衰量を大きく改善することができる。すなわち、4種類の電極セルA〜Dを混在させてIDT14、16、18を形成することにより、弾性表面波の励振と反射との両方について間引きの重み付けを施すことができ、急峻性、減衰量の改善を図ることができる。図4は、実施の形態に係る弾性表面波素子片40と、シングル電極のみによってIDTを形成した従来の弾性表面波素子片とを用いた3IDT型DMSフィルタの伝達応答を比較した図である。
図4(1)、(2)は、ともに横軸がMHzで表した周波数、縦軸がdBで表した挿入損失である。また、図4(2)は、同図(1)のP部分の拡大図である。そして、図4においては、実線が実施形態に係る弾性表面波素子片40を用いた3IDT型DMSフィルタの伝達応答であり、破線が従来のシングル電極のみからなるIDTを有する3IDT型DMSフィルタの伝達応答であって、いずれも中心周波数fが100MHzとなっている。
なお、図4の実線に示した伝達応答の実施形態に係る弾性表面波素子片40は、IDT14、16、18を構成している4種類の電極セルA〜Dの配置を、最良の急峻性、減衰量が得られるように、最適化の1手法である遺伝的アルゴリズムを用いて求めた。また、電極セルA〜Dは、実施形態の場合、メタライズ比が同じにしてある。
図4(1)に示されているように、実施形態の3IDT型DMSフィルタは、IDTがシングル電極のみからなる従来の3IDT型DMSフィルタにおいて、中心周波数fの高域側に現れる盛り上がり部αの14.5dBが20dB以上にまで改善される。また、実施形態のフィルタは、急峻性もSF=1.46と急峻化している。このように、弾性表面波の励振と反射とに間引き重み付けをした実施形態の弾性表面波素子片40を用いた3IDT型DMSフィルタは、高域側に生じていた盛り上がり部αの減衰量を5dB以上改善することができ、急峻性も高めることができる。そして、実施形態に係る弾性表面波素子片40は、トランスバーサル型のように素子片の端部に吸音材(アブソーバ)を設ける必要がないため、IFフィルタなどの弾性表面波デバイスを形成した場合に、弾性表面波デバイスの小型化を図ることができる。
前記背景技術において述べたように、特許文献3には、3IDT型DMSフィルタにおいて、第1、第2IDT間の間隔と、第2、第3IDT間の間隔を変えるとともに、IDTの間引き重み付けをして高域側の減衰量の改善を図っている。そこで、発明者は、第1IDTと第2IDTとの間の間隔と、第2IDTと第3IDTとの間の間隔とを変えた3IDT型DMSフィル(以下、非対称ギャップフィルタという)において、IDTをシングル電極とダブル電極とを混在させて形成した場合の急峻性、減衰量に与える影響を調べた。
図5は、本発明における隣接した2つのIDT間の間隔(ギャップ)を説明する図である。図5において、第1IDT14と第2IDT16との間隔G1は、本発明の場合、第1IDT14と第2IDT16との対向する端部のそれぞれに位置する電極ユニット14Eb、16Eaの、弾性表面波の伝播方向における中心から他方のIDT側にλ/2離れた点間の距離と定義している。第2IDT16と第3IDT18との間隔G2は、L1と同様に、第2IDT16と第3IDT18との対向する端部のそれぞれに位置する電極ユニット16Eb、18Eaの、弾性表面波の伝播方向における中心から他方のIDT側にλ/2離れた点間の距離と定義している。
図6は、IDTが従来のシングル電極のみからなる非対称ギャップフィルタと、IDTをシングル電極とダブル電極とを混在させて形成した非対称ギャップフィルタとの伝達応答を示したものである。両フィルタは、中心周波数fが100MHzである。また、両者ともに、図5に示したG1=0であり、G2=0.25λ(=λ/4)にしてある。さらに、シングル電極とダブル電極とを混在させたフィルタは、減衰量が最大となるように、遺伝的アルゴリズムの手法を用いてシングル電極とダブル電極との配置を最適化している。そして、図6は、横軸が周波数(MHz)、縦軸が挿入損失(dB)であり、同図(2)は、同図(1)の中心周波数f近傍の伝達応答の拡大図である。
図6の破線に示したIDTがシングル電極のみからなるフィルタは、SF=1.34と急峻となっている。ただし、通過帯域の高域側にγで示した部分のスプリアスが8dBと大きい。一方、図6の実線で示したように、シングル電極とダブル電極とを混在させたIDTからなるフィルタは、通過帯域の高域側のスプリアスが8.5dBと改善しているが、SF=1.39と劣化しており、ほとんど改善の効果が見られない。
図7は、IDTが従来のシングル電極のみからなる非対称ギャップフィルタと、IDTをシングル電極と励振間引き電極(短絡グレーティング)とを混在させて形成した非対称ギャップフィルタとの伝達応答を示したものである。両フィルタは、中心周波数fが100MHzである。また、両者ともに、図5に示したG1=0であり、G2=0.25λである。さらに、シングル電極と励振間引き電極とを混在させたフィルタは、減衰量が最大となるように、遺伝的アルゴリズムの手法を用いてシングル電極と励振間引き電極との配置を最適化している。そして、図7は、横軸が周波数(MHz)、縦軸が挿入損失(dB)であり、同図(2)は、同図(1)の中心周波数f近傍の伝達応答の拡大図である。
図7の実線で示したように、シングル電極と励振間引き電極とを混在させたフィルタは、破線のγで示した部分のスプリアスが、17dB程度まで抑圧され、減衰効果が極めて大きい。しかし、通過帯域が単峰化する。このため、シングル電極と励振間引き電極とを混在させたフィルタは、SF=2.85と急峻性が大きく劣化する。
このように、非対称ギャップフィルタにおいては、シングル電極とダブル電極とを混在させてIDTを形成した場合、通過帯域の近傍高域側に生ずるスプリアスの抑制が弱い。また、シングル電極と励振間引き電極(短絡グレーティング)とを混在させてIDTを形成した場合、通過帯域の近傍高域側に生ずるスプリアスを抑制することができるが、狭帯域化にして急峻性の劣化が生ずる。
上記したように、シングル電極とダブル電極とを混在させてIDTを形成することは、弾性表面波の反射に関していうと、反射あり、反射なしの間引き重み付けをしているといえる。また、IDTのシングル電極を部分的に短絡グレーティングに置き換えることは、弾性表面波の励振に関していうと、励振あり、励振なしの間引き重み付けをしているといえる。そこで、発明者は、非対称ギャップフィルタに対して、反射と励振との両方に間引き重み付けを行なえば、急峻性と減衰量との両方が改善できるのではないかと推測した。そして、発明者は、反射と励振との両方について間引き重み付けをした非対称ギャップフィルタを作製し、その伝達応答を調べた。すなわち、図2に示した4種類の電極セルA〜Dを混在させた図3に示したようなIDTからなる非対称ギャップフィルタを作製し、IDTがシングル電極のみからなる非対称ギャップフィルタと伝達応答を比較した。図8は、その比較結果を示す図である。
図8において、破線で示した曲線は、IDTをシングル電極のみで形成した従来の非対称ギャップフィルタの伝達応答であり、実線で示した曲線が実施の形態に係る図2に示した4種類の電極セルA〜Dを混在させて形成したIDTからなる非対称ギャップフィルタの伝達応答である。実施形態のIDTは、減衰量、急峻性が最良となるように、遺伝的アルゴリズムを用いてIDTを構成している4種類の電極セルA〜Dの配置を最適化している。また、これらのフィルタは、中心周波数fが100MHzである。さらに、これらの非対称ギャップフィルタは、図5に示したG1=0、G2=0.25λにしてある。そして、図8の横軸が周波数(MHz)、縦軸が挿入損失(dB)である。
図の実線に示されているように、実施形態の非対称ギャップフィルタは、破線で示したIDTがシングル電極のみからなる非対称ギャップフィルタの中心周波数fの高域側に生じていた盛り上がり部γが8dBから28dBへと大幅に改善される。ただし、実施形態のフィルタは、急峻性がSF=1.86とやや劣化した。この結果から、4種類の電極セルA〜Dを混在させてIDTを形成した実施形態のフィルタは、急峻性の劣化を最小限に抑えながら、通過帯域近傍の減衰量を大きくしたい場合に非常に有効である。また、実施形態のフィルタは、トランスバーサル型フィルタよりはるかに少ないIDTの対数で、吸音材を設けずに、トランスバーサル型フィルタと同等の周波数対称性が得られる。したがって、実施形態は、トランスバーサル型より小型のフィルタなどの弾性表面波デバイスを形成することができる。
なお、前記実施形態は、本発明の一態様であって、これらに限定されるものではない。例えば、前記IDT14、16、18において、弾性表面波の励振も反射も生じない電極セルDの電極指56を配置した部分は、4本の電極指56を配置した範囲にわたって、一様な1つ(いわゆるベタ)の電極としてもよい。また、電極セルDの電極指56を配置した部分は、何も設けない空白としてもよい。さらに、前記実施形態においては、IDT中に弾性表面波を励振も反射もしない中性領域を設けた場合について説明したが、IDT中に中性領域を設けなくともよい。
また、前記実施形態においては、図5に示した隣接したIDTの間隔G1=0、G2=0.25λにした場合について説明したが、G1とG2との間に差があればよく、G1、G2を任意の値とすることができる。そして、実施形態においては、G2をG1より大きくした場合を示したが、G2をG1より小さくしてもよい。特にG1、G2のいずれか一方を(n−1)λ/2、いずれか他方を(2n−1)λ/4(ただし、λは弾性表面波の共振周波数の波長、n=1、2、3、………)とすると、通過帯域の高域側に大きな減衰ポールが得られる。また、電極セルC、Dは、図9、図10のように形成してもよい。
図9は電極セルCの他の実施形態を示したものであり、図10は電極セルDの他の実施形態を示したものである。図9(1)に示した電極セルCは、一対の電極指50のそれぞれの一端がバスバー42a、42bのいずれか一方の同じバスバー、例えばバスバー42aに接続してある。これにより、電極セルCの電極指50aと50bとは、同電位に保持されるため図2(3)に示した電極セルCと同様に、弾性表面波を励振せずに反射のみを生ずる。
図9(2)に示した電極セルCは、電極指50a、50bがいずれのバスバー42にも接続されておらず、また相互に独立して形成してある。すなわち、一対の電極指50は、電気的に浮いていてオープンとなっており、弾性表面波を励振することがなく、反射のみを生ずる。また、電極指50a、50bは、圧電基板12を伝播する弾性表面波によって相互に異なった電位となる。
図10(1)に示した電極セルDは、4本の電極指56a〜56dの一端をバスバー42a、42bのいずれか一方の同じバスバーに接続し、各電極指42を同じ電位にしている。これにより、電極セルDは、電極セルDと同様に、弾性表面波を励振せず、反射もしない。図10(2)に示した電極セルDは、各電極指56がバスバー42に接続されておらず、電気的に浮いていてるとともに、相互に独立してオープンとなっており、伝播する弾性表面波によって異なる電位となる。したがって、電極セルDは、弾性表面波を励振せず、また反射もしない。
ところで、図9(2)の電極セルC、図10(2)電極セルDのように、各電極指をオープン状態にした場合、各電極指が同電位にされる電極セルC、C、電極セルD、Dと弾性表面波の位相速度が異なってくる。したがって、電極セルC、C、電極セルD、Dに代えて電極セルC、電極セルDを用いてIDT14、16、18を形成する場合、すべての電極セルA、B、C、Dのセル長をそれぞれ異ならせて、各電極セルにおける弾性表面波の共振周波数が同じとなるように調整する必要がある。なお、前記実施形態においては、電極セルの長さを変えて弾性表面波の共振周波数を合わせる場合について説明したが、IDTのメタライズ比(電極指の幅)を変えて共振周波数を合わせるようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子片の概略を説明する平面図である。 実施の形態に係る電極セルの詳細説明図である。 実施の形態に係るIDTの構成例を示す図である。 実施の形態に係る3IDT型DMSフィルタと従来の3IDT型DMSフィルタとの伝達応答を比較する図である。 本発明におけるIDT間の間隔を説明する図である。 IDTがシングル電極のみからなる非対称ギャップフィルタと、IDTをシングル電極とダブル電極とを混在させて形成した非対称ギャップフィルタとの伝達応答を示す図である。 IDTがシングル電極のみからなる非対称ギャップフィルタと、IDTをシングル電極と励振間引き電極とを混在させて形成した非対称ギャップフィルタとの伝達応答を示す図である。 実施形態に係る非対称ギャップフィルタと、IDTがシングル電極のみからなる非対称ギャップフィルタと伝達応答を示す図である。 他の実施形態に係る電極セルCの説明図である。 他の実施形態に係る電極セルDの説明図である。 従来の3IDT型DMS素子片の平面図である。 シングル電極とダブル電極とを混在させたIDTと、シングル電極のみからなるIDTとからなる3IDT型DMSフィルタの伝達応答を比較した図である。 シングル電極と短絡グレーティングとを混在させたIDTと、シングル電極のみからなるIDTとからなる3IDT型DMSフィルタの伝達応答を比較した図である。
符号の説明
12………圧電基板、14、16、18………IDT、14Eb、16Ea、16Eb、18Ea………電極ユニット、28a、28b………反射器、40………弾性表面波素子片、42a、42b、44a、44b………バスバー、A〜D………電極セル、G1、G2………間隙。

Claims (17)

  1. 圧電基板の弾性表面波の伝播方向に沿って配置した第1IDT、第2IDT、第3IDTと、これらのIDTを挟んで設けた一対の反射器とを備えた弾性表面波素子片であって、
    前記3つのIDTのそれぞれは、前記弾性表面波を励振可能、かつ反射する電極セルAと、前記弾性表面波を励振可能で反射しない電極セルBと、前記弾性表面波を励振できずに反射のみする電極セルCとが混在していることを特徴とする弾性表面波素子片。
  2. 請求項1に記載の弾性表面波素子片において、
    前記各IDTは、前記弾性表面波を励振も反射もしない中性領域が混在していることを特徴とする弾性表面波素子片。
  3. 請求項2に記載の弾性表面波素子片において、
    前記中性領域は、前記弾性表面波を励振も反射もしない電極セルDからなることを特徴とする弾性表面波素子片。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の弾性表面波素子片において、
    前記電極セルAは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる2本の電極指を有し、前記各電極指はそれぞれ電位の異なるバスバーに接続してあり、
    前記電極セルBは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる4本の電極指を有し、セル内の隣り合う2本ずつの前記電極指がそれぞれ電位の異なる前記バスバーに接続してある、
    ことを特徴とする弾性表面波素子片。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性表面は素子片において、
    前記電極セルCは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる2本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーのいずれか一方の同じバスバーに接続してあることを特徴とする弾性表面波素子片。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性表面波素子片において、
    前記電極セルCは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる2本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーから離間しており、かつ相互に接続してあることを特徴とする弾性表面波素子片。
  7. 請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性表面波素子片において、
    前記電極セルCは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる2本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーから離間しており、かつ相互に分離されていることを特徴とする弾性表面波素子片。
  8. 請求項3ないし7のいずれかに記載の弾性表面波素子片において、
    前記電極セルDは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる4本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーのいずれか一方の同じバスバーに接続してあることを特徴とする弾性表面波素子片。
  9. 請求項3ないし7のいずれかに記載の弾性表面波素子片において、
    前記電極セルDは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる4本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーから離間しており、かつ相互に接続してあることを特徴とする弾性表面波素子片。
  10. 請求項3ないし7のいずれかに記載の弾性表面波素子片において、
    前記電極セルDは、前記弾性表面波の1波長内に含まれる4本の電極指を有し、これらの電極指が前記バスバーから離間しており、かつ相互に分離されていることを特徴とする弾性表面波素子片。
  11. 請求項8または9に記載の弾性表面波素子片において、
    前記電極セルAと前記電極セルCとの前記弾性表面波の伝播方向におけるセルの長さをL2、前記電極セルBと前記電極セルDとの前記弾性表面波の伝播方向におけるセルの長さをL4としたときに、L2とL4とが異なっていることを特徴とする弾性表面波素子片。
  12. 請求項11に記載の弾性表面波素子片において、
    L2は、L4より大きくしてあることを特徴とする弾性表面波素子片。
  13. 請求項12に記載の弾性表面波素子片において、
    0.95L2≦L4<L2であることを特徴とする弾性表面波素子片。
  14. 請求項10に記載の弾性表面波素子片において、
    前記電極セルA、前記電極セルB、前記電極セルC、前記電極セルDの前記弾性表面波の伝播方向におけるセルの長さが相互に異なっていることを特徴とする弾性表面波素子片。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の弾性表面波素子片において、
    前記第1IDTと前記第2IDTとの間隔と、前記第2IDTと前記第3IDTとの間隔とが異なっていることを特徴とする弾性表面波デバイス。
  16. 請求項15に記載の弾性表面波素子片において、
    前記弾性表面波の共振周波数の波長をλとしたときに、
    隣接した一対の前記IDTの対向した端部のそれぞれに位置する前記電極セルの、前記弾性表面波の伝播方向における中心から他方の前記IDT側にλ/2離れた点間をIDT間間隔とした場合に、
    前記第1IDTと前記第2IDTとの間隔と、前記第2IDTと前記第3IDTとの間隔とは、いずれか一方が(n−1)λ/2であり、いずれか他方が(2n−1)λ/4である(ただし、n=1、2、3、………)、
    ことを特徴とする弾性表面波素子片。
  17. 請求項1ないし16のいずれかに記載の弾性表面波素子片を備えたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
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