JP2003177330A - 顕微鏡ステージ - Google Patents

顕微鏡ステージ

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JP2003177330A
JP2003177330A JP2001374425A JP2001374425A JP2003177330A JP 2003177330 A JP2003177330 A JP 2003177330A JP 2001374425 A JP2001374425 A JP 2001374425A JP 2001374425 A JP2001374425 A JP 2001374425A JP 2003177330 A JP2003177330 A JP 2003177330A
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stage
wafer stage
microscope
grip
wafer
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JP2001374425A
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Kenji Karaki
賢司 唐木
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/24Base structure
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微少な移動がスムーズにでき、その操作性を
長期に渡って持続できる機構を、安価にして得られる顕
微鏡ステージを提供する。 【解決手段】 シタステージ2と、このシタステージ2
の所定の平面に対して摺動自在に接触するウエステージ
3とを備えた顕微鏡ステージにおいて、ウエステージ3
の一部に摩擦係数の大きい表面を持ったグリップ8を配
置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に生物や生きた
細胞を観察する顕微鏡で用いられ、これらの標本を積
載、移動して所望の部分を顕微鏡観察するための顕微鏡
ステージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、生体細胞の機能解析が盛んに行わ
れるようになっているが、これら機能解析の中で、生き
たままの細胞や生物を顕微鏡観察しながら、微細な針で
細胞内に遺伝子や蛍光色素などを注入して挙動を解析す
る、いわゆるインジェクションという手法が生理学研究
の分野で行われている。
【0003】この方法の場合、細胞(以下、標本と称す
る)を通常の前後左右に移動するとともに、針を刺す方
向を決めるため水平に回転方向の移動を行う必要があ
る。
【0004】このような標本の移動はすべてステージに
よって行われるが、通常の顕微鏡用ステージは、前後左
右方向への移動を各軸を独立して動かすことで実現する
ものがほとんどで、回転ができても回転中心が一定のも
のがほとんどであった。このため、このようなステージ
を使用すると、上述したような一連の動作がスムーズに
できない。つまり、標本を思った場所まで移動するに
は、前後と左右の移動を個別に行わなければならず、ま
た、位置が決まって回転させるときにも、現在見ている
視野の中心を回転中心にして回転できなければ、回転し
たとたんに視野から標本は見えなくなってしまう。
【0005】そこで、このような不具合を改善するもの
として、図8で示すようなグライディングステージが考
えられている。
【0006】図8は、グライディングステージを適用し
た倒立型顕微鏡の一例を示すもので、顕微鏡本体101
には、グライディングステージ102が設けられてい
る。このグライディングステージ102は、円板状のウ
エステージ102aとシタステージ102bで構成され
ている。ウエステージ102aには複数の操作ツマミ1
03が取り付けられている。また、シタステージ102
b上面には、円周方向に沿って突起部104が設けら
れ、この突起部104上端にウエステージ102aの底
面が接するように載置されている。この場合、ウエステ
ージ102aの底面にはグリスが均一に塗布されてい
る。これにより、シタステージ102bの突起部104
上端に載せられているだけのウエステージ102aは、
ユーザーが操作ツマミ103を持って自在に動かすこと
ができるようになっている。このときウエステージ10
2aとシタステージ102bの接している面の摺動抵抗
により、ウエステージ102aは、水平方向に必要以上
に移動できないように保持され、ユーザーが操作ツマミ
103を持って操作することで任意の位置を中心にして
水平方向に回転できるようになっている。
【0007】このようなグライディングステージ102
の下方には、レボルバー105に取り付けられた対物レ
ンズ106が配置されるとともに、上方には、支柱10
1aに取り付けられたコンデンサ107およびランプハ
ウス108が配置され、ランプハウス108からの照明
光がコンデンサ107を通ってグライディングステージ
102上の標本109に照射され、対物レンズ106を
通り、最終的には接眼レンズ110で観察される。そし
て、接眼レンズ110で見える観察像に対してグライデ
ィングステージ102のウエステージ102aを操作ツ
マミ103を持って動かすことで、標本109を最適な
位置まで移動させ、針111を標本109に刺してイン
ジェクションを行うようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、グライディ
ングステージ102を操作する場合、重要になるのは、
人間の手によるウエステージ102aの操作性である。
特に、高倍率で検鏡する場合は、ほんの微少なステージ
移動でも、視野内では非常に大きな動きとなり、思った
位置に標本109を素早く移動させることが困難になっ
てくる。
【0009】ところが、上述したグライディングステー
ジ102の場合、ウエステージ102a上の操作ツマミ
103を持っての操作は、操作ツマミ103を介しての
ウエステージ102aの移動となるため、微少な操作が
スムーズにできないという問題が生じる。このため、操
作ツマミ103を使わずに、直接ウエステージ102a
上面に指を当て、別の指をシタステージ102bに添え
て操作することで、比較的微少移動がやり易くなるが、
一般にウエステージ102aは、金属製で、上面が滑り
易くなっているため、指先を当てての操作が難しく、滑
った分がロスとなりスムーズに操作できないという問題
があった。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、微少な移動がスムーズにでき、その操作性を長期に
渡って持続できる機構を、安価にして得られる顕微鏡ス
テージを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
固定ステージと、この固定ステージの所定の平面に対し
て摺動自在に接触する移動ステージとを備えた顕微鏡ス
テージにおいて、前記移動ステージの一部に摩擦係数の
大きい表面を持った操作部材を配置したことを特徴とし
ている。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記ステージにおいて、移動するステージ
に設けられた摩擦係数の大きい表面を持った部材が、ス
テージに対して着脱自在に設けたことを特徴としてい
る。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記ステージにおいて、移動するステージ
の外周付近に円周状に壁を設け、その壁に嵌合するよう
に摩擦係数の大きい表面を持った部材を着脱自在に設け
たことを特徴としている。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記ステージにおいて、移動するステージ
に設ける部材をシリコンゴムの成形部品として、自由な
凹凸を設けたことを特徴としている。
【0015】請求項5記載の発明は、固定ステージと、
この固定ステージの所定の平面に対して摺動自在に接触
する移動ステージとを備えた顕微鏡ステージにおいて、
前記移動ステージの一部に摩擦係数の大きい表面を持っ
た操作部を形成したことを特徴としている。
【0016】この結果、本発明によれば、高倍率で検鏡
している標本を微少に移動させる場合でも、低倍率で検
鏡している標本を早く大きく移動させる場合でも、スム
ーズにかつレスポンス良くステージを移動することが可
能で、その効果を長期間持続させることができる。
【0017】また、本発明によれば、摩擦抵抗の大きい
部材を着脱自在に設けることにより、操作部材が汚れた
り劣化した場合のメンテナンス性も向上する。
【0018】さらに、本発明によれば、操作部材の表面
形状をより人間の手指にフィットする形状にすること
で、さらに標本の微少な移動がスムーズに行えるように
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従い説明する。
【0020】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第1
の実施の形態が適用される顕微鏡ステージの上面図、図
2は、図1を側面から見た断面図である。
【0021】なお、このような顕微鏡ステージについて
も、図8に示した倒立型顕微鏡のステージに適用される
が、ここでの倒立型顕微鏡についての説明は、図8を援
用するものとする。
【0022】図において、1はグライディングステージ
で、このグライディングステージ1は、固定ステージと
しての矩形状のアルミニウムなどの板状部材からなるシ
タステージ2と、このシタステージ2上に載置される移
動ステージとしての金属製の円板部材からなるウエステ
ージ3から構成されている。
【0023】ウエステージ3の中央には、円形の孔3a
が設けられ、この孔3aには、中央に光を通すための孔
4aを有する薄い円板状の中座4がはめ込まれている。
この中座4の中央には、標本5が載せられ、クリップ6
で動かないように固定されている。
【0024】クリップ6は、板バネ状部材からなるもの
で、基端部側に図示しない軸を持っており、その軸をウ
エステージ3側に設けられた嵌合穴3gに差し込むこと
で、その軸を中心に回転可能となり、位置を変えなが
ら、先端部により標本5をクランプできるようになって
いる。
【0025】シタステージ2は、図3に示すように周縁
部にザグリ穴2aが設けられていて、スペーサ7を介し
て図示しない顕微鏡本体に固定されている。
【0026】また、シタステージ2上面の中央部には、
円周方向に沿って平面2b1を有する膨出部2bが一体
に形成され、この膨出部2bの平面2b1上にウエステ
ージ3が載置されている。
【0027】この場合、膨出部2b上の平面2b1とウ
エステージ3の底面は、高い面精度で加工されており、
ウエステージ3を移動させても平面2b1との接触面が
必ず全てウエステージ3の底面に密着するようにしてい
る。また、ウエステージ3の底面とシタステージ2側の
膨出部2bの平面2b1との接触面には、比較的粘度の
高いグリスが薄く均一に塗布されている。
【0028】ウエステージ3上面には、外周縁部に沿っ
て段部3bを介して肉薄部3cが形成されるとともに、
この肉薄部3cの周縁に沿って突起3d、ここでは周壁
状の突起3dが形成されている。
【0029】このウエステージ3上面には、ウエステー
ジ3の肉薄部3c上に沿って操作部材としての中空円板
状をしたグリップ8が設けられている。この場合、グリ
ップ8は、肉厚寸法を有するシリコンゴムのような弾性
部材からなるもので、内周面をウエステージ3側の段部
3bに嵌合されるとともに、外周縁部に沿って形成され
た凹部8aが突起3dに嵌合され、ウエステージ3上面
に着脱自在に設けられている。また、グリップ8は、こ
のままでも十分指先を滑りにくくする程度の摩擦抵抗を
得ることができるが、さらにウエステージ3上面側の表
面に指先を滑りににくするための摩擦係数が大きくなる
ような加工、例えば微細な凹凸加工などが施されてい
る。
【0030】この場合、グリップ8表面は、ウエステー
ジ3中央部の中座4がはめ込まれている標本5の載置面
より低い位置にある。言い換えれば、ウエステージ3中
央部の標本5の載置面は、グリップ8面より高い位置に
あり、図示しない標本5(スライドガラス)をスライドさ
せてもグリップ8に衝突しないようになっている。従っ
て、標本5をウエステージ3上でスライドさせ、ウエス
テージ3とグリップ8との段差を利用することで、ウエ
ステージ3上の標本5の交換を簡単にすることができ
る。
【0031】ウエステージ3は、外周縁部にシタステー
ジ2との接触面より下方に延びる周壁3eを有してお
り、この周壁3eがウエステージ3の移動ストロークの
ストッパーとなっている。つまり、ウエステージ3を移
動させていくと、周壁3eがシタステージ2に干渉して
ストップされる。また、周壁3eは、シタステージ2の
上面に近い位置まで突出されており、ウエステージ3の
横方向から侵入するほこりやゴミなどを防止する役割を
持ち、ウエステージ3とシタステージ2の接触面にほこ
りやゴミなどが入って操作性の低下を防止するようにし
ている。
【0032】シタステージ2は、ウエステージ3より外
側に張り出した張り出し部2cの基端部、つまりウエス
テージ3を載置する膨出部2bの周囲に沿って段差2d
を介して溝部2eが形成されている。段差2dは、ウエ
ステージ3の周壁3eに対するストッパーの役目も果た
している。また、溝部2eは、ウエステージ3上で薬品
や生理食塩水などの液体をこぼしてしまったときに、こ
れを受け止めて、最悪でもウエステージ3とシタステー
ジ2の摺動面に液体によるダメージを与えないようにす
るためのものである。
【0033】このような構成において、上述したように
ユーザーが、顕微鏡で標本5を観察している状態から、
標本5の観察に最適な位置まで移動させようとした場
合、グリップ8の上面に指先を軽く載せ、若干下に押さ
えつけるような感じで移動したい方向に直接ウエステー
ジ3を移動させる。
【0034】この場合、ウエステージ3とシタステージ
2の接触面の摺動抵抗により、ウエステージ3は急激に
移動することもなく、グリスの潤滑作用によってゆっく
りとスムーズに移動できる。
【0035】そして、所望する位置まで移動したところ
で、グリップ8上から指を離せばウエステージ3は、即
座にその位置で停止する。この時、指先とグリップ8の
間の摩擦抵抗も、グリップ8としてシリコンゴムのよう
な弾性部材が用いられ、大きく得られるので、指先でウ
エステージ3をずらすような操作をしても、指先とグリ
ップ8が滑ってしまうようなことがない。つまり高倍率
観察時のような、標本5を微細に、且つ素早く移動した
いような場合でも、指先の細かい動きに確実にグリップ
8、さらにはウエステージ3を追従させることができる
ため、操作性が格段に向上する。この場合、シタステー
ジ2の膨出部2bの平面2b1とウエステージ3との接
触面の巾は、例えば1ミリ程度であるが、この巾を広く
設定すれば、接触面積が増えるので摺動力量が増加し、
動かすときの重さが増し、逆に狭くすれば軽く動くよう
になる。
【0036】ユーザーが微細に標本5を移動したい場
合、ウエステージ3の外周部をわずかに水平に押して調
整する場合もある。また、低倍率の観察時に、早く大き
く標本5を動かしたい場合でも、グリップ8がウエステ
ージ3の外周縁部にも設けられているため、ウエステー
ジ3の外周縁部を押しても指先が滑ることなく、確実に
標本5の微細な移動が行える。この時、グリップ8の外
周縁部を押すと、ウエステージ3上面の肉薄部3c周縁
に沿って形成された突起3dに対して力が加わり、ウエ
ステージ3を移動することになる。ここで、仮に、突起
3dが存在せずに、グリップ8が平坦な形状であるとす
ると、グリップ8の外周縁部を押したとき、グリップ8
自体が浮き上がるように変形してしまい、レスポンス良
くウエステージ3の移動ができない。これと同じ理由
で、グリップ8は、仮に、グリップ8が薄いシート状の
部材だと、上面に指先を載せてずらしながらウエステー
ジ3を移動させるときにグリップ8がめくれ上がってし
まい、やはりレスポンス良いウエステージ3の移動がで
きないことになるが、グリップ8を肉厚寸法に形成して
いることで、このような不都合も解消される。
【0037】なお、上述したウエステージ3の移動とい
うのは、ウエステージ3を水平方向に回転する場合にも
全く同様のことが言える。
【0038】また、ウエステージ3は、外周縁部にシタ
ステージ2との接触面より下方に延びる周壁3eを有
し、この周壁3eにストロークのストッパーの機能を持
たせるとともに、ウエステージ3の横方向から侵入する
ほこりやゴミなどの進入を防止する機能を持たせること
で、ウエステージ3の移動を所定範囲内で安定して行う
ことができ、同時にウエステージ3とシタステージ2の
接触面にほこり、ゴミなどが入って作動を悪化させるよ
うな不具合を防止できる。
【0039】さらに、シタステージ2は、ウエステージ
3より外側に張り出した張り出し部2cを有し、この張
り出し部2cの基端部、つまりウエステージ3を載置す
る膨出部2bの周囲に沿って段差2dを介して溝部2e
が形成されているので、ウエステージ3上で薬品や生理
食塩水などの液体をこぼしてしまったときに、最悪でも
ウエステージ3とシタステージ2の摺動面に液体による
ダメージを与えないようにできる。
【0040】万一液体や粉末などの固体をウエステージ
3やグリップ8にこぼしてしまうと、グリップ8表面の
摩擦抵抗が著しく低下し、滑りやすくなってしまう。こ
のようなときは、グリップ8をウエステージ3上から取
り外し、水洗い後、乾燥して再びウエステージ3に装着
することで、元通りの摩擦抵抗を復活させることができ
る。何らかの原因でグリップ8が劣化したり、破損した
場合でも、グリップ8のみを交換すれば、同様の性能の
まま使用することができる。
【0041】(第2の実施の形態)図4(a)(b)およ
び図5(a)(b)は、本発明の第2の実施の形態の概
略構成を示すもので、図1と同一部分には、同符号を付
している。
【0042】図4(a)(b)において、21はウエス
テージ3上面に着脱自在に設けられるグリップで、この
グリップ21の上面、つまりウエステージ3でユーザー
が直接手を載せる部分には、円周方向に沿って複数(図
示例では6個)の円形の窪み21aが等間隔に形成され
ている。この場合、グリップ21は、同図(b)示すよう
に肉厚寸法を有し、しかも形状から製法は、型を用いた
成型品からなるので、これらの窪み21aは、成形型に
よって容易に、しかも安価に設けることが可能である。
【0043】このようなグリップ21を用いた場合、ユ
ーザーは両手、もしくは片手の指先をウエステージ3に
載せるとき、窪み21aの中に指先を入れる。そしてウ
エステージ3を移動するときは窪み21aの内面を押す
ような形になるため、平らな面を水平に動かすより、容
易に横の動きができる。ウエステージ3を水平に回転さ
せるときも、例えば右手で右側に位置される窪み21a
の下部、左手で左側に位置される窪み21aの上部に指
先をかけて少し力を加えるだけで、容易にウエステージ
3を回転させることが可能である。
【0044】これら窪み21aの大きさ、数、深さ、形
状は、上記の効果を高めるために、任意に変形すること
ができる。例えば、図5(a)(b)に示すように、ウ
エステージ3上面に着脱自在に設けられるグリップ22
は、複数の指形をした窪み22aが円周方向に沿って等
間隔で複数箇所(図示例では4箇所)形成されている。
【0045】このようなグリップ22によれば、窪み2
2aに複数の指先を入れてウエステージ3を操作すれ
ば、指に接触する弾性部材の面積が増えるため、よりグ
リップ22と指先の摩擦抵抗が増大して、レスポンス良
いウエステージ3の操作が可能となる。
【0046】この第2の実施の形態では、ウエステージ
3上面に着脱自在に設けられるグリップ21、22の上
面にのみ窪み21a、22aを形成するようにしたが、
ウエステージ3の外周面側にも窪みを形成するようにし
てもよい。こうすれば、ウエステージ3の外周面の窪み
に指先を入れてウエステージ3の移動を操作することが
できる。
【0047】(第3の実施の形態)図6は、本発明の第
3の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部
分には、同符号を付している。
【0048】この場合、グリップ31は、ウエステージ
3上面の円周方向に沿って等間隔に複数個(図示例では
4箇所)装着されている。これらグリップ31は、ウエ
ステージ3の半径方向に沿って上面よりも僅かに突出し
て設けられ、指先の摩擦抵抗が大きく取れるようになっ
ている。
【0049】この場合、グリップ31の突出量は、イン
ジェクションや基本的なステージや標本の操作に支障を
きたすことのない程度とし、この突出されたグリップ3
1に指先をかけて動かしたり、指先で摘むようにして動
かすことを可能にしている。こうしても、ウエステージ
3の操作性を高めることができる。
【0050】この第3の実施の形態では、ウエステージ
3上面にのみグリップ31を設けるようにしたが、ウエ
ステージ3の外周面にもグリップ31を設けるようにし
てもよい。こうすれば、ウエステージ3の外周面のグリ
ップ31に指先を掛けてウエステージ3の移動を操作す
ることができる。
【0051】(第4の実施の形態)図7は、本発明の第
4の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部
分には、同符号を付している。
【0052】この場合、ウエステージ3の上面には図1
で述べたグリップ8を嵌合するための突起3dが設けら
れておらず、平坦な形状をしている。その代わり、図7
に示すようにウエステージ3上面の外周縁部に沿って等
間隔に複数(図示例では4個)の凹部3fが形成され、こ
れら凹部3f内にゴムシートのような弾性部材41が貼
り付けられている。この場合、弾性部材41は、数ミリ
程度の厚さで、表面の摩擦抵抗が大きく、さらに裏面に
粘着剤が塗布されたものが使用される。そして、このよ
うな弾性部材41を凹部3f内に貼り付けることで、弾
性部材41表面とウエステージ3上面は面一になるとと
もに、弾性部材41が貼られたところが摩擦抵抗の非常
に高い部分となり、この部分に指先を当ててウエステー
ジ3の移動操作を行うようになる。ここでは、弾性部材
41は、ウエステージ3上面の外周縁部に沿って等間隔
に4箇所設けるようにしたが、2個所でも、それ以上で
もそれ以下でも、別の形状でも構わない。
【0053】このようにすれば、弾性部材41の裏面と
ウエステージ3は粘着剤で接着されているので、弾性部
材41上で指先で横にずらすような動きをしたとして
も、弾性部材41がめくれ上ることが防げ、レスポンス
の良い操作を妨げることはない。また、弾性部材41を
分割していることで、劣化した弾性部材41をはがして
新品に交換する場合も劣化したものだけの交換が可能
で、コストが安くできる。弾性部材41を作る場合も、
4つが一体になったドーナツ形の物を作るより材料のム
ダがなくて低コストで作ることができる。また、ウエス
テージ3の外周面にもテープ状の薄い弾性部材41を裏
面の粘着剤を用いて貼り付けておけば、ウエステージ3
の外周面に指先を当てがい操作する場合も前述の実施の
形態と同様な効果が得られる。
【0054】この実施の形態では、上述した第1乃至第
3の実施の形態で述べたグリップが着脱自在で、洗浄す
ることで繰り返し使えるのに対し、安価な弾性部材41
をディスポーザブルにつかうことで、同様の効果を得る
というものである。
【0055】なお、上述した第1乃至第4の実施の形態
では、ウエステージ3上面および外周面にグリップや弾
性部材を配置するようにしたが、ウエステージ上面およ
び外周面に直接摩擦係数の大きい表面の操作部を形成す
るようにしてもよい。
【0056】また、第1の実施の形態では、摩擦係数の
高い材料としてシリコンゴムを使用したが、特に、これ
に限るものでなく、樹脂材料を用いてもよい。
【0057】さらに、シタステージ2の上面にも摩擦係
数の大きい表面を形成するようにしてもよい。こうすれ
ば、ウエステージ3を操作するときに、ユーザの手をシ
タステージ2上面の摩擦係数の大きい表面上に置くこと
で、さらにウエステージ3の微細な移動を安定して行う
ことができる。
【0058】さらにまた、上述した倒立型顕微鏡に本発
明を適用した例で説明したが、本発明はこれに限られる
ものでなく、正立型顕微鏡にも適用できる。
【0059】その他、本発明は、上記実施の形態に限定
されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しな
い範囲で種々変形することが可能である。
【0060】さらに、上記実施の形態には、種々の段階
の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件
における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出でき
る。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から
幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようと
する課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄
で述べられている効果が得られる場合には、この構成要
件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0061】本発明の実施の形態には、以下の発明も含
まれる。
【0062】(1) 請求項1において、前記移動ステ
ージは、前記操作部材よりも高い位置に標本を載置する
標本載置面を有することを特徴とする。
【0063】(2) 請求項1において、前記固定ステ
ージは前記移動ステージよりも外側に張り出した形状で
あり、且つ前記張り出した部分の基端部に溝を有するこ
とを特徴とする。
【0064】(3) 請求項1において、前記操作部材
は前記移動ステージの表面に接着されている。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、微少
な移動がスムーズにでき、その操作性を長期に渡って持
続できる機構を、安価にして得られる顕微鏡ステージを
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態が適用される顕微鏡
ステージの上面図。
【図2】第1の実施の形態が適用される顕微鏡ステージ
の側面図。
【図3】第1の実施の形態の要部を拡大して示す概略構
成図。
【図4】本発明の第2の実施の形態が適用される顕微鏡
ステージの概略構成を示す図。
【図5】第2の実施の形態が適用される他の顕微鏡ステ
ージの概略構成を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態が適用される顕微鏡
ステージの概略構成を示す図。
【図7】本発明の第4の実施の形態が適用される顕微鏡
ステージの概略構成を示す図。
【図8】従来のグライディングステージを適用した倒立
型顕微鏡の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1…グライディングステージ 2…シタステージ 2a…ザグリ穴 2b…膨出部 2b1…平面 2c…張り出し部 2d…段差 2e…溝部 3…ウエステージ 3a…孔 3b…段部 3c…肉薄部 3d…突起 3e…周壁 3f…凹部 3g…嵌合穴 4…中座 4a…孔 5…標本 6…クリップ 7…スペーサ 8…グリップ 8a…凹部 21、22、31…グリップ 41…弾性部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定ステージと、この固定ステージの所
    定の平面に対して摺動自在に接触する移動ステージとを
    備えた顕微鏡ステージにおいて、前記移動ステージの一
    部に摩擦係数の大きい表面を持った操作部材を配置した
    ことを特徴とする顕微鏡ステージ。
  2. 【請求項2】 上記ステージにおいて、移動するステー
    ジに設けられた摩擦係数の大きい表面を持った部材が、
    ステージに対して着脱自在に設けたことを特徴とする請
    求項1に記載の顕微鏡ステージ。
  3. 【請求項3】 上記ステージにおいて、移動するステー
    ジの外周付近に円周状に壁を設け、その壁に嵌合するよ
    うに摩擦係数の大きい表面を持った部材を着脱自在に設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡ステー
    ジ。
  4. 【請求項4】 上記ステージにおいて、移動するステー
    ジに設ける部材をシリコンゴムの成形部品として、自由
    な凹凸を設けたことを特徴とする請求項1に記載の顕微
    鏡ステージ。
  5. 【請求項5】 固定ステージと、この固定ステージの所
    定の平面に対して摺動自在に接触する移動ステージとを
    備えた顕微鏡ステージにおいて、前記移動ステージの一
    部に摩擦係数の大きい表面を持った操作部を形成したこ
    とを特徴とする顕微鏡ステージ。
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