JP2003176362A - 粉体ポリカーボネートおよびポリカーボネート粉体組成物 - Google Patents

粉体ポリカーボネートおよびポリカーボネート粉体組成物

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JP2003176362A
JP2003176362A JP2001378479A JP2001378479A JP2003176362A JP 2003176362 A JP2003176362 A JP 2003176362A JP 2001378479 A JP2001378479 A JP 2001378479A JP 2001378479 A JP2001378479 A JP 2001378479A JP 2003176362 A JP2003176362 A JP 2003176362A
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Wataru Funakoshi
渉 船越
Takanori Miyoshi
孝則 三好
Yuichi Kageyama
裕一 影山
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エステル交換法により製造されたポリカーボ
ネートへの添加する際の、分散性良好で、計量性良好な
ポリカーボネートのマスターバッチに好適な粉体組成物
を提供する。 【解決手段】 平均粒径 0.2〜0.9mmの粉体で
あり、細孔径10μm以下の細孔容積(ε)が0.01
〜2.0(ml/g)、比表面積(SSA)が0.02
〜5m2/gであるマスターパウダー製造に好適な粉体
ポリカーボネート、これとA)燐酸誘導体、および/ま
たはB)高級脂肪族カルボン酸誘導体とからなるポリカ
ーボネート粉体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマスターパウダー製
造に好適な粉体ポリカーボネート、および該粉体ポリカ
ーボネートと燐酸誘導体や高級脂肪族カルボン酸誘導体
等からなる、添加剤が均一に分散され、計量の定量性が
良好なポリカーボネート粉体組成物に関する。さらには
該ポリカーボネート粉体組成物をマスターパウダーとし
て熱可塑性樹脂、なかでもエステル交換法により製造さ
れたポリカーボネートに添加する樹脂組成物、および該
樹脂組成物の製造法に関する。ならびに得られたポリカ
ーボネート樹脂組成物からの光ディスク基板に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃
性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチック
スとして知られており、多くの分野において幅広く用い
られている。ポリカーボネートは、単独で使用されるこ
とは少なく、所望の目的に基づき、熱安定剤、酸化防止
剤、耐候(光)性安定剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、
可塑剤、顔料、染料、充填剤、強化剤、難燃剤等が使用
されている。これらのうち、亜燐酸、燐酸誘導体系安定
剤(以後燐酸誘導体と略称する事がある)、立体障害フ
ェノール化合物(以後、立体障害化合物と略称する事が
ある。)等の熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸に代表さ
れる離型剤は使用されることが多い。
【0003】かかる添加剤(以後単に剤と略称すること
がある)は、ポリカーボネート本来の優れた物性を損な
わない様に、例えば熱安定剤は通常、ポリカーボネート
100重量部に対して1×10-4〜1,000×10-4
重量部と少ない量で使用されることが多い。また固体、
あるいは液体とその状態を異にしている剤を併用する場
合も多いため、剤供給手段の選択、剤の定量的な供給、
均一溶融混合を困難にしている場合が少なくない。
【0004】更に剤が同一種類であっても、目的毎に、
多様な濃度で添加しなければならない技術的な課題もし
ばしばみられる問題である。
【0005】かかる問題を解決するため、剤を濃縮含有
するマスターバッチ法が考察されている。即ち剤を高濃
度に含有するポリカーボネートペレット、あるいはパウ
ダー組成物、即ちマスターバッチを前もって作成してお
き、かかる組成物を2軸押出し機にて原料ポリカーボネ
ートと溶融混練することにより、剤小量添加時の定量供
給性の問題、均一分散性及び銘柄ごとの剤濃度変更の問
題に対し解決を図る試みが考案されている。
【0006】ペレット化されたマスターバッチを熱可塑
性樹脂(2)とともに押出し加工する方法を以後本発明
においては「マスターペレット法」、ペレット化された
組成物を「マスターペレット」、粉体形態のマスターバ
ッチを押出し加工する方法を以後「マスターパウダー
法」、粉体組成物を「マスターパウダー」と略称するこ
とにする。
【0007】マスターペレット法においては剤と原料樹
脂とを前もって一度、溶融混練、ペレット化しておく必
要がある。このため、剤が前もって、ポリカーボネート
の溶融成形温度である280〜340℃あるいはそれ以
上の温度を経験することになり、剤の一部が熱劣化、変
性する可能性が無視できない。
【0008】他方、各種剤を原料樹脂パウダーと適切な
混練装置を使用して混合し、各種剤を高濃度で含有する
パウダー組成物を作成し、使用するマスターパウダー法
はこのような欠点を含まない好ましい方法と考えられて
いる。
【0009】しかしながら剤を高濃度で含有するマスタ
ーパウダーは、流動性が悪化、ひどいときはマスターパ
ウダーが剤のため凝縮し、剤の均一分散が実現できない
事態が発生することが在る。
【0010】この問題に対し例えば特開2000−27
3185号公報にはポリカーボネート粉体の粒径分布を
規定したパウダーを使用する提案が成され、ある程度の
解決が見られているがいまだ十分な解決には到達してい
ない。
【0011】たといマスターパウダー内部において剤が
均一に分散していても2軸押出し機を使用して、マスタ
ーパウダーを熱可塑性樹脂に添加したとき、マスターパ
ウダー及び熱可塑性樹脂の物性の関係から熱可塑性樹脂
内部において剤の均一分散に問題がある場合があること
を本発明者らは見出している。
【0012】更に加えて、マスターパウダー法にはマス
ターパウダー組成物を2軸ルーダーに定量的に供給する
計量性が低下する問題がしばしば発生ことが報告されて
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決し、添加剤が組成物内で場所によらず均一に分散
され、かつ組成物を特に2軸ルーダーで混練する時の定
量性が良好であるマスターパウダーに好適な粉体組成物
(以後単に組成物と略称することがある)、およびマス
ターパウダー製造に好適な粉体ポリカーボネートを提供
するものである。ならびに粉体組成物と熱可塑性樹脂、
なかでもエステル交換法により製造されたポリカーボネ
ートとの組成物、およびそれからの光ディスク基板に関
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は芳香族ジヒドロ
キシ化合物とカーボネート結合形成性前駆体とを重縮合
させて得られ、下記式(1)
【0015】
【化2】
【0016】(式中のR1〜R4はそれぞれ独立に、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭
素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のシクロア
ルコキシ基、または炭素数6〜20のアリールオキシ基
であり、Wは単結合、酸素原子、カルボニル基、炭素数
1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリデ
ン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、炭素数6
〜20のシクロアルキリデン基、炭素数6〜20のアリ
ーレン基、または炭素数6〜20のアルキレンアリーレ
ンアルキレン基である)で表される繰り返し単位から実
質的になり、かつ下記の(a)、(b)、および(c) (a)平均粒径0.10〜0.60mm、(b)細孔径
10μm以下の細孔容積(ε)が0.01〜2.0(m
l/g)、(c)比表面積(SSA)が0.02〜5
(m2/g)を満足するマスターパウダー製造に好適な
粉体ポリカーボネートである。
【0017】さらには該粉体ポリカーボネート(以下ポ
リカーボネート(1))と、 A)燐酸誘導体、ポリカーボネート100重量部あたり
1,000×10-4〜20,000×10-4重量部およ
び B)高級脂肪族カルボン酸誘導体、ポリカーボネート1
00重量部あたり5,000×10-4〜100,000
×10-4重量部からなる群より選択される少なくとも1
種、とからなるマスターパウダーとして好適なポリカー
ボネート粉体組成物である。
【0018】さらには該ポリカーボネート粉体組成物と
熱可塑性樹脂(2)からなる、添加剤が組成物内で場所
によらず均一に分散された樹脂組成物である。ならびに
該ポリカーボネート粉体組成物を熱可塑性樹脂(2)に
添加することによりバラツキなく定量性良く添加剤を供
給し、添加剤が組成物内で場所によらず均一に分散され
た樹脂組成物の製造法である。
【0019】本発明のポリカーボネート(1)は操作性
の観点より平均粒径0.10〜0.60mm粉体が選択
される。該粉体よりの組成物を2軸ルーダーで熱可塑性
樹脂(2)と溶融混練するとき、平均粒径が0.10m
mより小さいと2軸ルーダースクリューですべり現象を
起こし、噛みこみ性が悪くなり押出し効率が低下し、又
これより大きいと組成物内での剤均一分散が劣ることが
ある。更に好ましくは、0.20〜0.50mmの範囲
が選択される。
【0020】ポリカーボネート(1)における直径10
μm以下の細孔の容積は単位重量あたりのポリカーボネ
ート(1)に液体が浸透できる空隙容積に関係し、通常
BET法に従い測定した値である。剤をポリカーボネー
ト(1)中に均一に分散させるためには、該細孔容積が
特定の範囲にあることが好ましい。即ち細孔容積が0.
01ml/gより小さいとポリカーボネート(1)の粒
子が剤を捕捉する能力が小さく、局所的に剤が偏在する
ことが起こり、ポリカーボネート(1)が剤のため変性
し粘着性が高くなり、均一分散性に問題が発生すること
が多くなる。
【0021】細孔容積が2.0ml/gより大きいとポ
リカーボネート(1)が隙間を多く保有し、嵩高くなり
取り扱い性に問題発生しやすくなる。0.02〜1.5
cm 3/gの範囲の値が好ましいが更に好ましくは0.
03〜1.0ml/gの範囲である。
【0022】比表面積は通常のBET法により測定され
た値であり、ポリカーボネート(1)粒子の大きさに関
すパラメターであるとともにポリカーボネート(1)粒
子表面の剤吸着能力を示すパラメターでもある。該値が
特定範囲にあると、マスターパウダーの計量性が好適な
値となる。この比表面積が0.02m2/gより小であ
ると、剤吸着能力が小さくなり、又5.0m2/gをこ
えるとポリカーボネート(1)粉体が嵩高くなり、取り
扱い時不便になる欠点が顕著と成る。比表面積は0.0
2〜3.0m2/gの範囲が好ましく、更に好ましくは
0.03〜1.5m2/gの範囲が挙げられる。
【0023】ポリカーボネート(1)の細孔容積、比表
面積の制御方法にはとくに制限はなく、従来公知の方法
に従って行うことができる。例えばポリカーボネート
(1)の塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素溶液を
脱溶媒、粉粒体化するとき、ハロゲン化炭化水素より高
沸点のヘプタン等の貧溶媒をポリカーボネート1重量部
あたり、0.2〜1重量部あたり添加することにより、
高細孔容積、高比表面化する事も可能である。ヘプタン
使用量を適宜変更することにより所望の細孔容積、比表
面積のポリカーボネート(1)を得ることができる。
【0024】上記特定量のA)燐酸誘導体、およびB)
高級脂肪族カルボン酸誘導体種類からなる群より選択さ
れる少なくとも1種の添加剤と、かかる物性のポリカー
ボネート(1)とより成るポリカーボネート粉体組成物
は、剤がポリカーボネート(1)中に均一に分散する。
該粉体組成物を熱可塑性樹脂(2)に添加するとき定量
性よく添加できるとともに、熱可塑性樹脂(2)中に剤
が均一に分散できる特性を有する。
【0025】さらに本発明ポリカーボネート粉体組成物
には、所望の目的をもちC)立体障害化合物より選択さ
れる少なくとも1種を上記ポリカーボネート(1)10
0重量部あたり1,000×10-4〜100,000×
10-4重量部添加することができる。C)を含有する粉
体組成物もまた、熱可塑性樹脂(2)中に添加するとき
良好な定量性を示し、剤が均一に分散した樹脂組成物を
得るのに好適である。
【0026】さらに好ましい態様としてポリカーボネー
ト(1)100重量部あたりA)、B)、C)の含有量
を、それぞれAw)、Bw)、およびCw)重量部とす
るとき、Aw)、Bw)、およびCw)が下記式(D)
【0027】
【数2】 0.001≦(Aw+Bw+Cw)/[100×(ε)+(104×SSA)1/3 ]≦0.5 (D) (εは細孔径10μm以下の細孔容積、SSAは比表面
積である)を満たすことが挙げられる。
【0028】前述した細孔容積及び比表面積を有するポ
リカーボネート(1)に対し、上記式(D)を満たすよ
うに剤を配合することにより、組成物中で剤がより一層
均一に分散し、しかも該組成物が元のポリカーボネート
(1)の良好な流動性をそのまま維持する様にすること
が可能になる。したがって該組成物をサイドフィード法
で熱可塑性樹脂(2)中、添加するとき、計量性良く添
加することができる。(2)式は剤がポリカーボネート
(1)の空隙に入りこんだり、パウダー表面をぬらす程
度を適正に範囲に保つための剤添加量を規定している。
かかる観点より、マスターパウダー中剤の均一分散性、
及びマスターパウダー組成物の計量定量性を制御する検
討は、従来見られなかった新規技術に属するものであ
る。(Aw+Bw+Cw)/[100×(ε)+(10
4×SSA)1/3]の値は好ましくは0.002〜0.5
の範囲であり、さらに好ましくは0.002〜0.4の
範囲である。
【0029】本発明のポリカーボネート(1)として、
結晶化度10〜30%であり、かつ融解熱10〜35J
/gを有するものを使用することによりポリカーボネー
ト(1)と剤混合組成物の流動性を好適に維持すること
が出来ると同時に、剤が均一に分散されたマスターパウ
ダーに好適な粉体組成物を好適に得ることができる。
【0030】ポリカーボネート(1)の結晶性、あるい
は融解熱が上記範囲より小であると、上記マスターパウ
ダー製造時ポリカーボネート(1)が剤により変性、粘
着性を増加し、不均一分散マスターパウダーが製造され
ることがある。
【0031】また結晶性、あるいは融解熱が上記範囲よ
り大であると該マスターパウダーを例えばサイドフィー
ド法により熱可塑性樹脂(2)と熔融混合するとき、得
られた組成物の着色が顕著になることがある。かかる観
点よりポリカーボネート(1)の結晶化度は15〜28
%の範囲が好ましく、さらに好ましくは17〜25%の
範囲が例示される。
【0032】ここでポリカーボネート(1)の結晶化度
は ”ポリカーボネートハンドブック:第6章 3節
171ページ”記載文献に習いX線回折パターンより測
定される結晶化度のことである。
【0033】ポリカーボネート(1)の融解熱は10〜
35J/gであることが好ましく、さらに好ましくは1
2〜30J/gの範囲である。
【0034】結晶化度、並びに融解熱の制御は、固相重
合用ポリカーボネートオリゴマーの結晶化に対し開発さ
れた各種方法を前記細孔容積、表面積の制御されたポリ
カーボネートに対し適用することにより容易に達成可能
である。
【0035】A)、B)、およびC)からなる群より選
択される少なくとも2種類の添加剤を、ポリカーボネー
ト(1)に添加する時、それぞれの成分を独立に添加し
てもよいが、これらの成分のいくつかを前もって、均一
に溶解混合した均一剤にして組成物を製造に使用するほ
うが均一分散性の向上の観点より好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明ポリカーボネート(1)は
芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート結合形成性前
駆体とを重縮合させて得られる式(1)
【0037】
【化3】
【0038】(式中のR1〜R4はそれぞれ独立に、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭
素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のシクロア
ルコキシ基、または炭素数6〜20のアリールオキシ基
であり、Wは単結合、酸素原子、カルボニル基、炭素数
1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリデ
ン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、炭素数6
〜20のシクロアルキリデン基、炭素数6〜20のアリ
ーレン基、または炭素数6〜20のアルキレンアリーレ
ンアルキレン基である)で表される繰り返し単位から実
質的になるポリカーボネートである。
【0039】本発明で使用される芳香族ジヒドロキシ化
合物としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通
称ビスフェノールA)、2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフ
ェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベン
ゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,
7−ジメチルアダマンタン、2,2,2’,2’−テト
ラヒドロー3,3,3’,3’−テトラメチルー1,
1’−スピロビス[1H−インデン]―6,6’−ジオ
ール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル等があげられ、これらは単独また
は2種以上を混合して使用できる。さらに式(1)より
は、はずれるが1,4−ジヒドロキシベンゼン、2−t
−ブチル−1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジ
ヒドロキシベンゼンなども使用可能である。
【0040】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよび
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイ
ソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも
1種のビスフェノールを用いて得られる単独重合体また
は共重合体が好ましく、特にビスフェノールAの単独重
合体およびビスフェノールAを主とする共重合体が好ま
しく使用される。
【0041】そのほか従来公知に手法により、上記以外
の各種モノマーを本発明の目的に反しない範囲で、所望
の目的を持ちポリカーボネート主鎖中に組み込むことも
可能である。
【0042】例えば、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジーオール、ポリエチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジ
メチルー2−ヒドロキシエチル)−2、4,8,10−
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリシクロ
デカンジメタノール、等の脂肪族、脂環式のジオール、
ポリオール類があげられる。
【0043】1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチ
ルー4−ヒドロキシフェニル)エタン等の芳香族ポリヒ
ドロキシ化合物類、乳酸、パラヒドロキシ安息香酸、6
−ヒドロキシー2−ナフトエ酸等の脂肪族、芳香族のオ
キシカルボン酸類、アジピン酸、ドデカン二酸、テレフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ピロメリッ
ト酸、トリメリット酸等のジカルボン酸類、ポリカルボ
ン酸類等が例示される。
【0044】カーボネート結合形成性前駆体としては従
来公知のものが例示される。例えば界面重合法において
はホスゲン等ハロゲン化カルボニル類が、また、溶融重
合法においては、炭酸ジエステルがカーボネート結合形
成性前駆体として好適に使用される。炭酸ジエステルと
しては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカ
ーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチ
ルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられ、
なかでもコスト面からジフェニルカーボネートが好まし
いものとして例示される。
【0045】かかる芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボ
ネート結合形成性前駆体より従来公知の方法に従って製
造することができる。
【0046】例えば界面重合法においては塩化メチレン
などの溶媒中、高値の酸捕捉剤や分子量調節剤の存在
下、前述した1種あるいは2種以上の芳香族ジヒドロキ
シ化合物とホスゲンとの反応によりあるいは溶融重合法
により1種あるいは2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合
物と炭酸ジエステルとエステル交換反応を行うことによ
り容易に製造することができる。
【0047】本発明ポリカーボネート(1)の分子量は
一般に、粘度平均分子量が10,000〜100,00
0の範囲であり、好ましくは11,000〜60,00
0の範囲であり、特に好ましくは12,000〜30,
000の範囲にある。粘度平均分子量が低すぎると細孔
容積、表面積の確保が困難であり好ましくない。また分
子量が高すぎると、配合される熱可塑性樹脂(2)との
均一分散性に問題が発生することがあり好ましくない。
【0048】また配合される熱可塑性樹脂(2)がポリ
カーボネートであるとき、本発明ポリカーボネート
(1)の分子量は、ポリカーボネートの分子量が前もっ
てわかっている場合、この分子量との差が20,000
以内、さらに10,000以内、特に好ましくは5,0
00以内であることが好ましい。
【0049】かかる粘度平均分子量範囲のポリカーボネ
ート(1)を選択することにより、剤をポリカーボネー
ト中により均一に分散させるのに好適である。
【0050】本発明芳香族ポリカーボネート(1)は、
主たる末端基構造が、アリールオキシ基とフェノール性
水酸基とよりなり、かつフェノール性水酸基濃度ができ
るだけ低いことがマスターパウダー組成物の安定性、即
ち長期保管した場合の安定性及びマスターパウダーを計
量性良く熱可塑性樹脂(2)に添加するのに好ましい。
【0051】即ちフェノール性水酸基濃度が、2〜40
モル%であることが好ましい。更に好ましくは、3〜3
5モル%、さらに好ましくは、5〜30モル%含有され
る。特段に好ましくは5〜20モル%含有することを特
徴とする。
【0052】フェノール性水酸基濃度を2モル%より減
少させても更なる計量性、および安定性の向上は少な
い。またフェノール性水酸基濃度を40%超導入した時
は、該ポリカーボネートよりえられるマスターパウダー
の計量性、および安定性が低下し好ましくない。
【0053】アリールオキシ基としては炭素数1〜20
の炭化水素基が置換、あるいは無置換のフェニールオキ
シ基が好ましく選択される。樹脂の熱安定性の点から該
置換基としては、第3級アルキル基、第3級アラルキル
基、アリール基あるいは単に水素原子のものが好まし
い。
【0054】マスターパウダー製造の観点より、好まし
いアリールオキシ基の具体例としては4−t−ブチルフ
ェニルオキシ基、4−t−アミルフェニルオキシ基、4
−クミルフェニルオキシ基等である。置換基の位置は、
上記した4−位のみでなく少量、2−位に置換基を有す
るものとの混合物である場合が、組成物の流動性の点で
好ましいことがある。
【0055】末端フェノール性末端基濃度は従来公知の
手法により容易に達成される。例えば、米国特許第56
96222号公報記載の方法は末端のフェノール性水酸
基のコントロールに有効な方法のひとつである。
【0056】本発明のA)燐酸誘導体とはリン系安定剤
に分類されるものであり、リン酸類、リン酸エステル
類、亜リン酸エステル類、ホスフィン酸エステル類、ホ
スホン酸エステル類が挙げられる。
【0057】リン酸類としては、リン酸、亜リン酸、次
亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタ燐酸、ホスフ
ィン酸類、ホスホン酸等が挙げられる。リン酸エステル
類、亜リン酸エステル類としては、トリエステル、ジエ
ステル、モノエステルが挙げられる。
【0058】これらの具体例としては燐酸、亜燐酸、次
亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタ燐酸、ホスフ
ィン酸類、ホスホン酸ビス(2,4−ジ−クミルフェニ
ル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,4
−ジ−t−アミルフェニル)ペンタエリスリチルジホス
ファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリチルジホスファイト、2,2−メチレンビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、
ビス(2,4−ジ−t−アミルフェニル)オクチルフォ
スファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
デシルフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ジフェニル−4,4’−ジフォスフォ
ナイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ペンタエリスリチルジフホスフェート、ビス(2,4−
ジ−t−ブチル−3−メチルフェニル)ペンタエリスリ
チルジホスフェート、2,2−メチレンビス(4,6−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(2,
4−ジ−t−アミルフェニル)ホスフェート、トリス
(2,4−ジ−クミルフェニル)ホスフェート、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、テ
トラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ジフェニ
ル−4,4’―ジホスホナイト、燐酸トリメチル、燐酸
モノメチル、燐酸ジメチル、燐酸トリフェニル、燐酸ト
リブチル、燐酸トリオクチル、燐酸ジオクチル、燐酸ト
リブトキシエチル、燐酸トリクレジル、燐酸クレジルフ
ェニル、燐酸ジイソプロペニルフェニル等があげられ
る。
【0059】これらの中では燐酸、亜燐酸、ピロ燐酸、
ポリ燐酸、メタ燐酸、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、燐酸トリメチル、テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ジフェニル−4,
4’−ジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ペンタエリスリチルジホスファイトなどが好
ましいものとして例示される。
【0060】これらA)燐酸誘導体は単独で用いてもよ
いし組み合わせて用いてもよい。燐酸誘導体A)の使用
量は、マスターパウダー内部での剤均一分散大きな影響
を有するため、ポリカーボネート(1)100重量部に
対して1,000×10-4〜20,000×10-4重量
部の範囲で用いられる。さらに好ましくは1,300×
10-4〜15,000×10-4重量部、特に好ましくは
1,500×10-4〜15,000×10-4重量部の範
囲が選択される。
【0061】B)の高級脂肪族カルボンエステルは、離
型剤として使用されるものであり具体的には、炭素数1
0〜25の高級脂肪族カルボン酸と炭素数2〜10の脂
肪族多価アルコールのエステルが好ましい。
【0062】かかる高級脂肪族カルボン酸としては、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソ
ミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、
イソアラキン酸、イソヘキサコ酸、オレイン酸、リノー
ル酸、5,8,11,14−エイコサテトラエン酸、
4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸
などが例示される。
【0063】また、かかる脂肪族多価アルコールとして
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリ
セロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、1,4−ブテンジオー
ル、ソルビトール、ソルビタン、ショ糖などが例示され
る。
【0064】これら高級脂肪族カルボン酸と脂肪族多価
アルコールの高級脂肪族カルボン酸エステルの具体例と
しては、上記高級脂肪族カルボン酸の少なくとも一種
と、脂肪族多価アルコールの少なくとも一種とのエステ
ルが示される。中でもHLB値が3〜7で有りかつ融点
が25〜100℃のエステルが、さらにHLB値が3〜
6で有りかつ融点が40〜90℃のものが取り扱い性の
容易であること、離型性が良好であるとともに、成形金
型の汚染が少なく好ましい。
【0065】HLB値とは、たとえば[界面活性剤;
(講談社)著;北原文男ほか3名;p24]に記載され
るよう、Hydrophile−Lipophile
Balanceの略であり、親水、疎水バランスをあら
わすパラメーターである。
【0066】かかるバランスを満足するエステルとして
は、具体的には、エチレングリコールモノイソパルミテ
ート、プロピレングリコールジオレート、1,4−ブテ
ンジオールジイソステアレート、1,4−ブテンジオー
ルモノステアレート、グリセロールモノラウレート、グ
リセロールモノミリステート、グリセロールモノステア
レート、グリセロールモノベヘネート、グリセロールモ
ノイソミリステート、グリセロールモノイソステアレー
ト、グリセロールモノオレート、グリセロールモノリノ
レート、グリセロールジパルミテート、グリセロールジ
ステアレート、グリセロールジイソステアレート、グリ
セロールジオレート、グリセロールステアレートイソパ
ルミテート、グリセロールトリミリステート、グリセロ
ールトリステアレート、グリセロールトリベヘネート、
グリセロールトリイソステアレート、トリメチロールプ
ロパンモノステアレート、トリメチロールプロパンモノ
ベヘネート、トリメチロールプロパンモノオレート、ト
リメチロールプロパンジパルミテート、トリメチロール
プロパンジイソステアレート、トリメチロールプロパン
トリステアレート、トリメチロールプロパントリオレー
ト、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエ
リスリトールジイソパルミテート、ペンタエリスリトー
ルトリオレート、ペンタエリスリトールテトラステアレ
ート、ペンタエリスリトールテトライソパルミテート、
ペンタエリスリトールジオレートジステアレート、その
他ソルビタンモノステアレート、ショ糖ジイソステアレ
ート等が例示される。
【0067】これらB)高級脂肪族カルボン酸誘導体は
単独で用いてもよいし組み合わせて用いてもよい。
【0068】B)高級脂肪族カルボン酸誘導体の使用量
は、マスターパウダー内部での剤均一分散大きな影響を
有するため、ポリカーボネート(1)100重量部に対
して5,000×10-4〜100,000×10-4重量
部の範囲で用いられる。さらに好ましくは7,000×
10-4〜90,000×10-4重量部、特に好ましくは
10,000×10-4〜80,000×10-4重量部の
範囲が選択される。
【0069】C)立体障害フェノール化合物は酸化防止
剤として使用されるものである。斯かる立体障害フェノ
ール化合物としてはフェノール性水酸基の、オルソ位の
少なくとも一方が第3級炭素原子で置換されたものが好
ましい。
【0070】これらの立体障害フェノール化合物として
は、たとえばn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネ
ート、テトラキス{メチレン−3−(3’,5’−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}メタン、トリエチレングリコール−ビス{3−(3
−t−ブチル−5−メチルー4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート}、1,6−ヘキサンジオール−ビス
{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート}、2,4−ビス(n−オクチル
チオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルアニリノ)−1,3,5−トリアジンペンタエリスリ
チル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チ
オジエチレンビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チ
オビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネー
トジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレートイソオ
クチルー3−(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、2,5,7,8−テトラ
メチル−2−(4’,8’,12’−トリメチルトリデ
シル)クロマン−6−オール、N,N’−ビス{3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルヒドラジン}等が挙げられる。
【0071】これらC)は単独で用いてもよいし組み合
わせて用いてもよい。C)の使用量は、マスターパウダ
ー組成物中の剤均一分散に大きな影響を有するため、ポ
リカーボネート(1)100重量部に対して1,000
×10-4〜100,000×10-4重量部の範囲で用い
られる。さらに好ましくは2,000×10-4〜90,
000×10-4重量部、特に好ましくは5,000×1
-4〜80,000×10-4重量部の範囲が選択され
る。
【0072】本発明のポリカーボネート(1)には、本
発明の目的に反しない範囲に置いて、A)、B)、C)
のほか、従来公知の各種添加剤が添加されていても良
い。これらは例えば、安定剤、酸化防止剤、耐候(光)
性安定剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料、
染料、充填剤、強化剤、難燃剤等が挙げられる。
【0073】好ましい離型剤の例としては、前述した
B)高級脂肪族カルボン酸エステルのほか、炭化水素系
離型剤、脂肪酸系離型剤、脂肪酸アミド系離型剤、アル
コール系離型剤等が挙げられる。
【0074】炭化水素系離型剤として、天然、合成パラ
フィンワックス類、ポリエチレンワックス、フルオロカ
ーボン類等が;脂肪酸系離型剤としてはステアリン酸等
の高級脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸等のオキシ脂肪
酸等が;脂肪酸アミド系離型剤としてはエチレンビスス
テアリルアミドなどの脂肪酸アミド、エルカ酸アミド等
のアルキレン脂肪酸アミド類が;アルコール系離型剤と
してはステアリルアルコール、セチルアルコールなどの
脂肪族アルコール、多価アルコールとしてポリグリコー
ル、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン類など
をあげることができる。その他ポリシロキサン類も使用
可能である。これらは単独で用いても良いし、2種以上
を混合して使用しても良い。
【0075】立体障害フェノール系安定剤以外の安定剤
として、チオエーテル系安定剤として;たとえば;ジラ
ウリルチオプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−
チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラ
キス−(β−ラウリルチオプロピオネート)などを挙げ
ることができる。
【0076】上記安定剤とともに、エポキシ化合物を添
加する事も好ましく実施し得る。このようなエポキシ化
合物としては分子中にエポキシ基を一個以上保有する化
合物を使用しても良い。
【0077】具体的にはたとえば;エポキシ化大豆油、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’、4’−
エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、シクロヘキ
シルメチル−3、4−エポキシシクロヘキシルカルボキ
シレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等を
あげる事ができる。
【0078】これらのうち脂環式エポキシ化合物が好ま
しく使用できる。特に3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3’、4’−エポキシシクロヘキシルカルボキ
シレートが好ましく使用できる。
【0079】その他耐候(光)性安定剤として2−(3
−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−{2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−
テトラヒドロフタルイミドメチル)フェニル}ベンゾト
リアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒド
ロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾ
フェノン系化合物、2,4−ジ−t−ブチルフェニル
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
等のベンゾエート系化合物、2−シアノ−3,3−ジフ
ェニルアクリレート等のシアノアクリレートト系化合
物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジニル)セバカート、4−ヒドロキシ−2,2,6,6
−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの琥珀酸ポ
リマー等のヒンダードアミン化合物等が例示される。
【0080】重金属イオンクエンチャーとしては例え
ば;ニッケルジブチルジチオカーバメート等のニッケル
系クエンチャー金属不活性化剤としては例えば;N,
N’−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル}ヒドラジン等の化合物、金
属石鹸としては例えば;ステアリン酸カルシウム、等の
化合物、又造核剤としては例えば;メチレンビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル1水素ホスフェートナトリ
ウム塩等のソルビトール系、リン酸塩系化合物が挙げら
れる。帯電防止剤としては例えば;(β−ラウラミドプ
ロピオニル)トリメチルアンモニウムスルフェート、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の第4級アンモ
ニウム塩系、スルホン酸塩系化合物、アルキルホスフェ
ート系化合物等が挙げられる。
【0081】また本発明の樹脂においては所望により有
機、あるいは無機の、染料、顔料等の着色剤を使用でき
る。
【0082】無機系着色剤としては;具体的には、二酸
化チタンなどの酸化物、アルミナホワイトなどの水酸化
物、硫化亜鉛などの硫化物、紺青などのフェロシアン化
物、ジンククロメートなどのクロム酸塩、硫酸バリウム
などの硫酸塩、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、群青など
の珪酸塩、マンガンバイオレットなどのリン酸塩、カー
ボンブラックなどの炭素、ブロンズ粉やアルミニウム粉
などの金属着色剤などがあげられる。
【0083】有機系着色剤としては、ナフトールグリー
ンBなどのニトロソ系、ナフトールイエローSなどのニ
トロ系、ナフトールレッド、クロモフタルイエローどの
アゾ系、フタロシアニンブルーやファストスカイブルー
などのフタロシアニン系、インダントロンブルー等の縮
合多環系着色剤などがあげられる。
【0084】更に芳香族ポリカーボネート(1)に本発
明の目的を損なわない範囲で、剛性などを改良する為に
無機および有機充填材を配合することが可能である。か
かる無機充填材のとしてはタルク、マイカ、ガラスフレ
ーク、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の
板状または粒状の無機充填材やガラス繊維、ガラスミル
ドファイバー、ワラストナイト、カーボン繊維、アラミ
ド繊維、金属系導電性繊維等の繊維状充填材、架橋アク
リル粒子、架橋シリコーン粒子等の有機粒子を挙げるこ
とができる。また、本発明で使用可能な無機充填材はシ
ランカップリング剤等で表面処理されていてもよい。こ
の表面処理により、芳香族ポリカーボネートの分解が抑
制されるなど良好な結果が得られる。
【0085】芳香族ポリカーボネート(1)には、各種
染料、とりわけ成形品の官能好感度を向上させるため、
有機系青み着色剤が使用されることがある。該青み着色
剤は加熱溶融成形加工時、変色傾向が大であるが、エス
テル交換触媒としてルビジウムウ、あるいはセシウム金
属化合物を含有する触媒が使用された時、安定効果が大
である。
【0086】かかる青み着色剤の具体例としては;一般
名、Solvent Violet 13 [CA.N
O(カラーインデックスNo)60725;商標名 バ
イエル社製「マクロレックスバイオレットB」 有本化学製 「プラストバイオレット8840」一般名; Solv
ent Violet31[CA.NO 68210;
商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンバイオレット
D」] 一般名; Solvent Blue 97 [商標名
バイエル社「マクロレックスブルーRR」] その他チバスペシャリティー.ケミカルズ社のマクロレ
ックスバイオレットやトリアゾールブルーRLSなどが
あげられる。これらの内で、マクロレックスバイオレッ
トやトリアゾールブルーRLSが好ましい。
【0087】本発明のポリカーボネート(1)には所望
により従来公知の難燃剤を併用してもかまわない。例え
ばリン酸エステル系化合物としては燐酸トリメチル、燐
酸トリエチル、燐酸トリブチル、燐酸トリオクチル、燐
酸トリブトキシエチル、燐酸トリフェニル、燐酸トリク
レジル、燐酸クレジルフェニル、燐酸オクチルジフェニ
ル、燐酸ジイソプロペニルフェニル、トリス(クロロエ
チル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホス
フェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3
−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジ
ブロモプロピル)ホスフェートまた本発明においては所
望により、ドリップ防止剤として、ポリテトラフルオロ
エチレン(テフロン(登録商標))などを配合しても良
い。
【0088】これらの添加剤はマスターパウダーが熱可
塑性樹脂(2)に添加される割合、及びマスターパウダ
ーと熱可塑性樹脂(2)の組成物中必要なこれらの剤濃
度を勘案して本発明の目的に反しない範囲でマスターパ
ウダー中添加することができる。
【0089】本発明のA)燐酸誘導体、B)高級脂肪族
カルボン酸およびC)立体障害化合物は前述した如く、
それぞれ単独にポリカーボネート(1)と混合してもよ
いが、幾つかの成分を溶融均一化した均一混合物を添加
するほうが熱可塑性樹脂(2)中の均一分散性の観点よ
り好ましい。
【0090】これらの剤とポリカーボネート(1)と混
合する方法は各種公知の混練機、例えばタンブラー、V
型ブレンダー、ナウタミキサー、バンバリーミキサー、
ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ターンブルミ
キサー、リボンブレンダーなどを使用し、均一に混合す
ることができる。
【0091】混練はバッチ方式によりあるいは連続方式
によって効果的に実施することができる。この混練時ポ
リカーボネート(1)の温度は10℃〜100℃の範囲
に制御しておくことが好ましい。さらに好ましくは20
℃〜70℃、さらに好ましくは20℃〜50℃の範囲に
制御することが剤のマスターパウダー内での均一分散に
好ましい。温度が上昇しすぎるとマスターパウダーが凝
集、不均一化する問題が発生しやすい。さらに混合翼と
器壁との摩擦熱が発生し、剤が変性する危険性も指摘さ
れる。したがって、マスターパウダーの温度はできるだ
け低いほうが好ましく発熱の危険性のある場合は適宜水
冷など冷却手段を採用し温度のアップを抑制する必要が
ある。
【0092】かかるマスターパウダー混合時間、攪拌速
度は剤の分散性が良好領域に達したかどうか適宜サンプ
リング、分散性を評価しつつ行うのが好ましい。通常5
分〜60分程度混合することにより均一分散可能であ
る。
【0093】かかる混練を行う雰囲気は、剤が吸湿性の
高いものを含有している場合、相対湿度を低く抑えてお
くことが好ましい。即ち相対湿度を0〜60%、さらに
好ましくは0〜45%、さらに好ましくは0〜30%、
特段に好ましくは0〜20%の範囲が選定される。さら
に湿度がバッチ製造中、あるいはバッチ間で変動しない
ことも重用な条件である。
【0094】また剤が酸化されやすい物を使用するとき
は、雰囲気が外界と遮断され、チッソなどの不活性ガス
雰囲気下行うことも好ましい。
【0095】かかるマスターパウダーは熱可塑性樹脂
(2)と混合され、光学樹脂用途に使用されることも多
く、異物の混入をできるだけ抑える必要がある。混練装
置内に供給される雰囲気ガス、混練操作を行う雰囲気が
クリーンをクリーンな状態に保持しておくことは必要条
件である。
【0096】かかる雰囲気ガス、雰囲気空気はフィルタ
ーにより異物を濾過されており、クラス10万以下、好
ましくはクラス1万以下更に好ましくはクラス1000
以下のクリーン度を有することが好ましい。
【0097】本発明の熱可塑性樹脂(2)としては、例
えば、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル
イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル樹脂、非晶性ポリアリレ
ート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/スチ
レン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジ
エン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリ
レート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、および粉
体ポリカーボネート(1)とは異なるか、あるいは同じ
であっても良いポリカーボネート等の樹脂が挙げられ
る。
【0098】中でも本発明のポリカーボネート(1)か
らなるマスターパウダーは、ポリカーボネートへの配
合、なかでもエステル交換反応により重合された熱履歴
を多く受けているエステル交換法ポリカーボネート
(2’)への配合に対し、好適に使用される。
【0099】ポリカーボネートのエステル交換重合法は
従来よく知られているが、ポリカーボネート(2’)の
エステル交換重合法としては常圧および/または減圧窒
素雰囲気下、溶融状態で、前述した芳香族ジヒドロキシ
化合物と炭酸ジエステルとを加熱しながら撹拌して、生
成するアルコールまたは芳香族モノヒドロキシ化合物を
留出させることで行われる。その反応温度は生成物の沸
点等により異なり、反応による生成物を除去するため通
常120〜300℃の範囲であり、好ましくは良好な色
相や熱安定性が得られる理由で180〜280℃の範囲
である。反応後期には系を減圧にして生成するアルコー
ルまたは芳香族モノヒドロキシ化合物の留出を容易にさ
せる。反応後期の内圧は、好ましくは1333Pa(1
0Torr)以下であり、より好ましくは133.3P
a(1Torr)以下である。
【0100】更に配合されるポリカーボネートとして
は、比較的低分子量のポリカーボネートを固相状態を保
ったまま、ポリカーボネートの溶融温度以下でエステル
交換触媒の存在下、エステル交換反応を行った所謂固相
重合のよるポリカーボネートも好適に使用できる。
【0101】本願発明においては、特定種類の触媒とし
て、含窒素塩基性化合物および/または含リン塩基性化
合物(以下NCBAと略称)およびアルカリ金属化合物
および/またはアルカリ土類金属化合物(以下AMCと
略称)を使用しなければならない。NCBAとしては含
窒素塩基性化合物(NCBA−1と略称する事がある)
と含リン塩基性化合物(NCBA−2と略称する事があ
る)を併用するのがマスターパウダーと均一混練性の良
いポリカーボネート(2’)を得るのに好ましい。
【0102】NCBA−1の具体例としては、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルア
ンモニウムヒドロキシドなどの、アルキル、アリール、
アルキルアリール基などを有するアンモニウムヒドロキ
シド類、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラ
エチルアンモニウムフェノキシド、ビス(テトラブチル
アンモニウム)カーボネート、トリエチルアンモニウム
安息香酸塩などのアルキル、アリール、アルキルアリー
ル基などを有する塩基性アンモニウム塩、トリエチルア
ミン、ジメチルベンジルアミン、などの第三級アミン、
あるいはテトラメチルアンモニウムボロハイドライド、
テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラメ
チルアンモニウムテトラフェニルボレートなどの塩基性
塩などを挙げることができる。
【0103】また、NCBA−2の具体例としては例え
ばテトラブチルホスホニウムヒドロキシド、ベンジルト
リメチルホスホニウムヒドロキシドなどのアルキル、ア
リール、アルキルアリール基などを有するホスホニウム
ヒドロキシド類、あるいはテトラメチルホスホニウムボ
ロハイドライド、テトラブチルホスホニウムボロハイド
ライド、テトラメチルホスホニウムテトラフェニルボレ
ートなどの塩基性塩などを挙げることができる。
【0104】上記NCBAは、塩基性窒素原子あるいは
塩基性リン原子が芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対
し、10〜1000μ化学当量となる割合で用いられ
る。10μ化学当量より少ないと反応が遅くなり好まし
くなく、1000μ化学当量より多いと着色が激しくな
り好ましくない。より好ましい使用範囲は同じ基準に対
し、20〜500μ化学当量となる割合である。特に好
ましい割合は同じ基準に対し50〜500μ化学当量と
なる割合である。
【0105】NCBA−1とNCBA−2を併用する事
により、マスターパウダーと混練する時、マスターパウ
ダーとの混練性が好適なポリカーボネート(2’)を得
るのに好適である。両者の併用割合モル比でNCBA−
1/NCBA−2=99/1〜1/99の範囲でさらに
好ましくは97/3〜20/80、特段に好ましくは9
5/5〜30/70の範囲である。
【0106】さらに本願発明においては、上記NCBA
とともにAMCを併用する。かかるAMCは、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対し、0.05〜5μ化学当
量の範囲で使用される。これはアルカリ金属元素および
/またはアルカリ土類金属元素として0.05〜5μ化
学当量の範囲で使用されることを意味している。かかる
量比の触媒を使用することにより、重縮合反応速度を損
なうことなく重縮合反応中に生成しやすい分岐反応、主
鎖開裂反応や、成形加工時における装置内での異物の生
成、焼けといった好ましくない現象を効果的に抑止でき
る。
【0107】上記範囲を逸脱すると、得られるポリカー
ボネートの諸物性に悪影響を及ぼしたり、またエステル
交換反応が十分に進行せず、高分子量のポリカーボネー
トが得られない等の問題があり得るため、好ましくな
い。
【0108】本願発明に使用されるAMCとしては、例
えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭化
水素化合物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫
酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、カルボン酸塩、水
素化硼素塩、燐酸水素化合物、ビスフェノール、フェノ
ールの塩等が挙げられる。
【0109】具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、炭
酸水素カリウム、水酸化ストロンチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ストロンチウ
ム、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、シアン酸ナ
トリウム、シアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸セシウム、酢
酸セシウム、テレフタル酸ジナトリウム、安息香酸ルビ
ジウム、ステアリン酸ナトリウム、水素化硼素ナトリウ
ム、水素化硼素カリウム、水素化硼素リチウム、ナトリ
ウムテトラフェニルボレート、燐酸水素ジナトリウム、
ビスフェノールAのジナトリウム塩、モノカリウム塩、
ナトリウムカリウム塩、フェノールのリチウム塩、カリ
ウム塩等が挙げられる。
【0110】AMCとしてはアルカリ金属を含有する化
合物が好ましく、特にリチウム化合物、セシウム化合物
といったナトリウム以外のアルカリ金属を少なくとも1
種を含有することが、最終的に得られるポリカーボネー
ト組成物の耐久性、色調、透明性が優れるため好まし
い。
【0111】本願発明の、ポリカーボネート(1)、お
よび(2’)においては、溶融粘度安定化剤としてスル
ホン酸系化合物を適用したものを用いることができる。
スルホン酸系化合物を用いることにより、成形時のポリ
カーボネートの劣化が抑制される。
【0112】かかるスルホン酸系化合物としては、スル
ホン酸、硫酸のホスホニウム塩やアンモニウム塩などの
スルホン酸塩、スルホン酸、スルホン酸低級エステルを
挙げることができる。これらスルホン酸系化合物は組み
合わせて用いることができる。
【0113】上記スルホン酸塩、硫酸塩の具体的な例と
しては、たとえば、オクチルスルホン酸テトラブチルホ
スホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラメチルホスホ
ニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホ
ニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシル
ホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラメチルアン
モニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチル
アンモニウム塩、硫酸ビス(テトラブチルホスホニウ
ム)、硫酸水素テトラエチルホスホニウム塩等を挙げる
ことができる。
【0114】上記スルホン酸、スルホン酸低級エステル
の具体的な例としては、たとえば、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、のごとき芳香族スルホン
酸、ドデシルスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、ノ
ニルスルホン酸、等の脂肪族スルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンス
ルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸メチル、p
−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸
ブチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、ドデシルス
ルホン酸メチル、ヘキサデシルスルホン酸エチル、デシ
ルスルホン酸ブチル等が例示できる。好ましくはスルホ
ン酸低級エステル化合物が使用される。
【0115】かかるスルホン酸系化合物は、AMCのア
ルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素との合計量の1
化学当量あたり、0.7〜100化学当量使用すること
が好ましい。
【0116】本発明ポリカーボネート(2’)の分子量
は特に限定されない。一般に、粘度平均分子量が100
0〜300000の範囲であり、好ましくは5000〜
100000の範囲であり、特に好ましくは12000
〜80000の範囲にある。
【0117】ポリカーボネート(2’)の末端基、主た
る末端基構造が、アリールオキシ基とフェノール性水酸
基とよりなり、かつフェノール性水酸基濃度が5〜60
モル%であることが好ましい。更に好ましくは、フェノ
ール性水酸基濃度が10〜50モル%、さらに好ましく
は、10〜40モル%含有される。特段に好ましくは1
5〜30モル%含有することを特徴とする。かかる量比
でフェノール性水酸基が含有されることによりポリカー
ボネート(2’)とマスターパウダーとの均一混練性が
良好であると同じに、該ポリカーボネートより得られた
組成物を射出成形する時金型の形状をより良好に転写す
る利点を有する。
【0118】かかる量比でフェノール性水酸基が含有さ
れることによりポリカーボネート分子末端の運動性が、
転写性良好にする範囲に制御されるものと判断される。
【0119】フェノール性水酸基濃度を5モル%より減
少させても更なる転写性の向上は少ない。またフェノー
ル性水酸基濃度を60%以上導入した時は、該ポリカー
ボネートより得られる組成物の射出成形時、酸化反応に
起因すると推定される、成型品の焼けが発生し本発明の
目的に好ましくない。
【0120】アリールオキシ基としては炭素数1〜20
の炭化水素基が置換、あるいは無置換のフェニールオキ
シ基が好ましく選択される。樹脂熱安定性の点からアリ
ールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、4−t
−ブチルフェニルオキシ基、4−t−アミルフェニルオ
キシ基、4−フェニルフェニルオキシ基、4−クミルフ
ェニルオキシ基等である。フェニールオキシ基の置換基
の位置は、上記4−位のみでなく少量、2−位に置換基
有するものが存在すると流動性の点で好ましいことがあ
る。
【0121】溶融重合法においては、化学反応論的にフ
ェノール性末端基が60モル%、或いはそれ以上のもの
が製造されやすいため、積極的に末端水酸基を減少させ
る必要がある。
【0122】即ちフェノール性末端基濃度を上記範囲内
にするには、以下記述する従来公知の1)或いは2)の
方法で達成しうる。 1)重合原料仕込みモル比制御法;重合反応仕込み時の
DPC類/BPA類のモル比を高めることにより、たと
えば重合反応装置の特徴を考え1.03から1.10の
間に設定する。 2)末端封止法;重合反応終了時点において例えば、米
国特許第5696222号明細書記載の方法に従い、上
記文献中記載のサリチル酸エステル系化合物により末端
のフェノール性水酸基を封止する。
【0123】サリチル酸エステル系化合物により末端の
フェノール性水酸基を封止する場合の、サリチル酸エス
テル系化合物の使用量は封止反応前の末端のフェノール
性水酸基、1化学当量当たり0.8〜10モル、より好
ましくは0.8〜5モル、特に好ましくは0.9〜2モ
ルの範囲である。かかる量比で添加することにより、末
端のフェノール性水酸基の80%以上を好適に封止する
ことができる。又本封止反応を行う時、上記特許記載の
触媒を使用するのが好ましい。
【0124】方法2)に従う末端フェノール性水酸基濃
度の低減法は、重合触媒を無毒化させるための上記溶融
粘度安定化剤を添加する以前の段階に好ましく実施され
る。
【0125】該サリチル酸エステル系化合物としては、
米国特許第5696222号明細書記載のサリチル酸エ
ステル系化合物が好ましく使用でき、具体的には、2−
メトキシカルボニルフェニル−フェニルカーボネートの
ごとき2−メトキシカルボニルフェニルアリールカーボ
ネート類、2−メトキシカルボニルフェニル−ラウリル
カーボネートのごとき2−メトキシカルボニルフェニル
−アルキルカーボネート類、(2−メトキシカルボニル
フェニル)ベンゾエートのごとき芳香族カルボン酸の
(2’−メトキシカルボニルフェニル)エステル、(2
−メトキシカルボニルフェニル)ステアレート、ビス
(2−メトキシカルボニルフェニル)アジペートのごと
き脂肪族カルボン酸エステルが挙げられる。
【0126】ポリカーボネート(2’)は、粉体組成物
と2軸ルーダーで溶融混練時、剤の均一分散をより容易
にするため、分岐成分として下記式(2)−1〜(2)
−3
【0127】
【化4】
【0128】
【化5】
【0129】
【化6】
【0130】[式中のR1,R2,R3,R4,Wの定義
は、上記式(1)に同じ。]で表される成分を合計とし
てカーボネート結合に対し0.001〜2モル%含有す
るほうが好ましい。更に好ましくは0.002〜1モル
%、さらに好ましくは0.005〜1モル%の範囲であ
る。
【0131】かかる分岐構造が存在する事により、ポリ
カーボネート(2’)の流動状態が剤の均一分散に好ま
しい変化をするものと推定される。
【0132】かかる構造の導入は、例えば2−(2−カ
ルボキシー4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンのような化合物を別途添加、
共重合してもよいがポリカーボネートにおいては、重合
の最終段階に置いて重合温度を300℃以上、特に32
0〜340℃に短時間上昇させる事により、所望の量の
分岐構造を導入する事ができる。
【0133】このようにして得られたポリカーボネート
組成物は添加剤が均一に分散されるため分子量低下、滞
留時の色相安定性、離型性、転写性などの物性が均一な
成形物を得ることが出来る。すなわち本発明によりポリ
カーボネート粉体組成物100重量部とエステル交換法
により製造されたポリカーボネート(2’)1,000
〜100,000重量部とからなる樹脂組成物が好適に
得られ、該樹脂組成物は、光学材料用途、特に光ディス
ク等の光磁気記録媒体の基板用途として好ましいもので
ある。
【0134】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明は、これらの実施例に限定されるものではない。各物
性項目の評価は、以下の方法で測定した。
【0135】1)ポリカーボネートの粘度平均分子量;
ポリカーボネートの塩化メチレン溶液を20℃でウベロ
ーデ粘度管にて測定した固有粘度より、粘度平均分子量
Wは下記式(4)より計算した。 〔η〕=1.23×10-4×MW 0.83 (4)
【0136】2)末端水酸基濃度(モル%);ポリマー
のサンプル0.02gを0.4mlの重クロロフォルム
に溶解し20℃で1H−NMR(日本電子社製EX−2
70)を用いて、全末端数に対する末端水酸基濃度(モ
ル%)を測定した。
【0137】3)分岐成分の含有量;ポリカーボネート
0.1gを精秤後、テトラヒドロフラン5mlに溶解
し、5N水酸化ナトリウムメタノール溶液1mlを添加
した。これを室温で2時間攪拌し加水分解した。次いで
濃硫酸0.6mlを加え、逆相液体クロマトグラフィー
により定量した。
【0138】4)粉体組成物内での剤 均一分散性 A)燐酸誘導体:粉体組成物約1kg当り試料約1gを
採取した10試料に付き、ICP−MS分析にて、リン
原子含有量を測定、その標準偏差σを求めた。この値を
理論含有量Poで除した σ/Poを計算し均一分散性
を判定、この値が0〜0.1であると分散性良好と判断
した。この値を超えると分散性不良と判断した。 B)高級脂肪酸誘導体:上記と同様に採取した10試料
を重クロロフォルムに溶解し20℃で1H−NMR(日
本電子社製EX−270)を用いて、脂肪メチレンプロ
トンとポリカーボネートプロピリデンプロトンの強度比
を測定、そのその標準偏差σを求めた。この値を理論強
度比Hoで除した σ/Hoを計算し均一分散性を判
定、この値が0〜0.1であると分散性良好と判断し
た。この値を超えると分散性不良と判断した。 C)立体障害フェノール化合物:同上試料に付きチタン
発色法にて立体障害フェノール化合物含有量を測定、そ
のその標準偏差σを求めた。この値を理論含有量Koで
除した σ/Koを計算し均一分散性を判定、この値が
0〜0.1であると分散性良好と判断した。この値を超
えると分散性不良と判断した。
【0139】5)ポリカーボネート組成物(1+添加剤
+2’)内部での剤均一分散性 ポリカーボネート組成物(1+添加剤+2’)内での分
散性は試料の量が少ない程顕著に検出される。以下の
A,Bについてペレット1粒(約0.02g)に付き分
析した。 A)燐酸成分:ポリカーボネート組成物のペレット1K
g当り、ペレット1粒(約0.02g)をサンプリン
グ、合計10サンプルに付き、リン成分含有量をポリカ
ーボネート組成物の加水分解の大きさで判定。
【0140】試料をオートクレーブ中、120℃*11
hr処理後、2)の方法に従い、末端水酸基の増加量を
測定、平均値P1とし、その標準偏差σを求めた。この
値を末端水酸基増加量平均値 P1で除した σ/P1
を計算し均一分散性を判定、この値が0〜1.0である
と分散性良好と判断した。この値を超えると分散性不良
と判断した。 B)高級脂肪酸誘導体:上記と同様に採取した10試料
を重クロロフォルムに溶解し20℃で1H−NMR(日
本電子社製EX−270)を用いて、脂肪酸メチレンプ
ロトンとポリカーボネート芳香族プロトンの強度比を測
定、そのその標準偏差σを求めた。この値を理論強度比
H1で除した σ/H1を計算し均一分散性を判定、こ
の値が0〜1.0であると分散性良好と判断した。この
値を超えると分散性不良と判断した。
【0141】6)BET比表面積測定法 装置;日本ベル(株)製高精度全自動ガス吸着装置「B
ELSORP 36」 吸着ガス;Kr 死容積;He 吸着温度:液体窒素温度(77K) 測定前処理:50℃、減圧脱揮(到達真空度〜1Pa) 測定モード:等温での吸着 測定範囲:相対圧(P/P0)=0.01〜0.4 平衡時間=各平衡相対圧につき180sec 測定法:試料0.2〜0.5gを精秤後試料管に封入測
定、BET理論を適用、同理論が成り立ち、BETプロ
ットが直線となる相対圧(P/P0)範囲0.05〜
0.30の範囲を解析、比表面積を求めた。
【0142】7)細孔容積の測定 装置:マイクロメリテックス社製 ポアサイザー932
0 測定圧力範囲;約0.37kPa〜207Mpa(細孔
直径7nm〜400μm) 測定モード:上記圧力範囲の昇圧過程 セル容積:5cm3 測定n数:1及び2 測定:試料0.2〜1.2gを精秤、セルに入れ、減圧
下水銀を圧入、試料粒子の変形、粒子間隙を考え、半径
100nm〜10μmにつき細孔容積を求めた。
【0143】8)平均粒径の測定 パウダーをASTM篩、7、14、25、35、45、
60、100、140、200番を使用し篩い分けし
た。重量規準で累積粒度分布を求め累積重量が50wt
%に成るところの粒径を平均粒径とした。
【0144】[粉体ポリカーボネート(1)合成例]:P
C1〜6 ホスゲン吹き込み管、温度計及び攪拌機を設けた、容量
50lの反応槽に、精製ビスフェノールA、5028g
(22.1モル)、7.2%水酸化ナトリウム水溶
液、22.1l (水酸化ナトリウム 41.9モル)
及び、ハイドロサルファイトナトリウム、9.8g
(0.056モル)を仕込んで溶解し、攪拌下、塩化メ
チレン 12.7l及び48.5%水酸化ナトリウム水
溶液 807.0g (水酸化ナトリウム、9.8モ
ル)を加えた後、ホスゲン、2508.0g (2.5
3モル)を25℃で180分かけて加え、ホスゲン化反
応を行った。
【0145】ホスゲン化終了後p−tert−ブチルフ
ェノール、175.1g (1.17モル)、及び4
8.5%水酸化ナトリウム水溶液、804.0g
(0.97モル)及び触媒としてトリエチルアミン、1
8.1ml (0.13モル)を加え、33℃に保持
し、2時間攪拌して反応を終了させた。反応混合液よ
り、塩化メチレン層を分離し、水洗を5回繰り返し精製
されたポリカーボネート溶液を得た。この精製ポリカー
ボネート溶液を濾過精度0.2μmのカートリッジフィ
ルターで精密濾過した。
【0146】この濾過溶液に同じく濾過精度0.1μm
のカートリッジフィルターで精密濾過したn−ヘプタン
をポリカーボネート樹脂1重量部あたり1重量部加え、
加熱攪拌下、塩化メチレン、n−ヘプタンを留去しつつ
湿式粉砕機で粉砕,ヘパフィルターで濾過した空気の循
環するクラス100のクリーンルーム中145℃で乾
燥、粘度平均分子量、15300、フェノール性末端水
酸基濃度5モル%、細孔容積は0.7ml/g、比表面
積は13m2/gを得た。得られたポリカーボネートを
アセトン処理し、結晶化度27%、融解エネルギー35
J/gのポリカーボネートを得た。
【0147】n−ヘプタン使用量を変更し表1中記載の
ポリカーボネート(1)PC−1〜6を製造した。PC
−5はPC−4製造時、特許公開公報2000−109
565号公報に準じ、圧縮成形を加えた。結果を表1中
記載する。
【0148】
【表1】
【0149】[配合されるポリカーボネート(2’)合
成例1、2]:PC−01,02 ビスフェノールA228重量部、ジフェニルカーボネー
ト223重量部、及びテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド0.009重量部及びビスフェノールAジナトリ
ウム塩0.00007重量部、水酸化リチウム0.00
001重量部を攪拌装置、減圧装置、蒸留塔などを具備
した反応装置に仕込み、180℃窒素雰囲気下で30分
攪拌し溶解した。次いで同温度で、100mmHgの減
圧下、30分間フェノールを留出しつつ反応させた。さ
らに220℃に昇温しつつ30mmHgに減圧し、同温
同圧で30分間反応させた。更に反応系を更に徐々に昇
温、減圧し、最終的に280℃、0.5mmHgで反応
を継続し、攪拌動力をモニターし粘度平均分子量140
00に成った時点で、加熱温度を310℃に昇温した。
攪拌動力をモニターし粘度平均分子量15500に成っ
た時点で重合を停止した。樹脂100重量部に対して、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩を0.0018重量部添加し20分間混合した。得ら
れた樹脂の粘度平均分子量は15600(PC−01)
であった。フェノール性末端水酸基濃度は23モル%、
分岐成分含有量は0.1モル%であった。
【0150】合成例2においては合成例1と同様にし
て、但し重合を更に継続し最終的に粘度平均分子量23
000のポリカーボネート(PC−02)を得た。フェ
ノール性末端水酸基濃度は20モル%、分岐成分含有量
は0.15モル%であった。
【0151】[配合されるポリカーボネート(2’)合
成例2]:PC−03 合成例1と同様にして但し、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド0.009重量部及びビスフェノールAジ
ナトリウム塩0.00007重量部、水酸化リチウム
0.00001重量部にかえ、セチルトリメチルアミン
0.0298重量部を使用し、最終反応温度を270℃
に保持した。この時点でp−トルエンスルホン酸メチル
0.0186重量部を添加し、20分間攪拌した。
【0152】得られた樹脂の粘度平均分子量は1540
0(PC−03)であった。フェノール性末端水酸基濃
度は22モル%、分岐成分含有量は0.002モル%で
あった。
【0153】[粉体ポリカーボネート組成物製造例]:実
験例1−9 粉体ポリカーボネート(1)合成例で得られたPC1〜
6、100重量部に対し表2中記載の種類、量の添加剤
を加え、露点―60℃以下、クリーン度、クラス100
の乾燥窒素窒素下、ヘンシェルミキサーで攪拌速度 3
00rpm、樹脂温度20〜40℃で30分攪拌し粉体
組成物MS−1〜9を作成した。剤分散性の結果と合せ
表2中に記載する。
【0154】
【表2】
【0155】A)燐酸誘導体, 燐酸類,A11:燐酸、A12:ポリ燐酸、A13:亜
燐酸、 燐酸エステル,A21:燐酸トリメチル、A22:燐酸
ジメチル、A23:燐酸トリフェニル、A24:燐酸ジ
オクチル 亜燐酸エステル,A31:トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト、A32:テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ジホ
スホナイト B)高級脂肪酸エステル,B11:グリセロールモノス
テアレート、B12:ペンタエリスリトールテトラステ
アレート C)立体障害フェノール化合物,C11:n−オクタデ
シル3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブ
チルフェニル)プロピオネート [ポリカーボネート組成物(1+添加剤+2’)の製
造]:実験例10-16 溶融重縮合法で得られたポリカーボネート(2’)(P
C−01〜03)、および帝人化成市販ポリカーボネー
ト(AD5503)100重量部当り、表3記載の種類
粉体組成物を1重量部、図1に示す装置を用いて、添
加、溶融混練ポリカーボネート組成物(1+添加剤+
2’)を製造した。
【0156】すなわちポリカーボネート(2’)合成例
で得られたポリカーボネートのペレット(直径2.5m
m、長さ3mm)を100重量部/hrの供給量で、同
方向回転型2軸押出機2の第一供給口13に供給した。
一方、第二供給口14からは、実験例1〜6で製造した
粉体組成物を1重量部/hrで供給し、溶融押出を実施
し、冷却バス16及びストランドカッター17を経て、
平均直径2.2mm、長さ2.5mmの無色透明のポリ
カーボネート組成物(1+添加剤+2’)のペレットを
得た。得られたポリカーボネート体組成物(1+添加剤
+2’)の分散性を判定した。
【0157】又剤供給の計量の定量性判定は以下の方法
にしたがった。
【0158】第二供給口14の供給装置は粉体組成物の
重量を検出しつつ、容器を振動、下部供給ルーダーに落
下させる機構であるが、粉体組成物計量定量性の良非
は、落下配管途中に粉体組成物が付着する程度で判定し
た。1hr運転後付着量が目視で多いものは不合格とし
た。
【0159】
【表3】
【0160】[実験例17] 組成物((1+添加剤+
2’)の製造 溶融重縮合法でポリカーボネート(2’)PC−01製
造に続いて図2に示す装置を用いて、ポリカーボネート
組成物(1+添加剤+2’)を製造した。溶融重合器に
つながるライン1から表―2記載の粉体組成物MS−4
を供給し、ギヤポンプ2で10kg/cm2の圧力に昇
圧し、60kg/hrの供給量で、同方向回転型2軸押
出機3の第一供給口24に供給した。一方、第二供給口
25からは、実験例10で使用した混合物MS−1を
0.6kg/hrで供給した。溶融押出を実施し、冷却
バス27及びストランドカッター28を経て、無色透明
のポリカーボネート組成物を得た。得られた組成物の計
量安定性は合格であり、燐酸誘導体分散性σ/P1、高
級脂肪酸誘導体分散性σ/H1は各々0.5、0.4で
合格水準であった。
【0161】[実験例18]実験例17で得られたポリカ
ーボネート組成物を光ディスク基板に成型を行った。日
精樹脂工業(株)製射出成形機(型名:MO40D3
H)を使用し、金型とスタンパーには記憶容量2.6G
Bの相変化型光記録媒体基板用(ディスク径120m
m、厚さ0.6mm)のものを用いた。金型温度は可動
部が123℃、固定部が128℃とした。又カッター、
スプルーの温度は60℃とした。樹脂温度はシリンダー
温度380℃とした。射出速度250mm/secで、
実験例17で得られたポリカーボネート組成物を金型キ
ャビティーに充填し光ディスク基板を連続100ショッ
ト成型した。連続成型中のすべてのディスク基板は型離
れが良く離型不良は起こらなかった。また、得られた基
板はいずれも透明でそり等の変形も無く光ディスク基板
として好ましいものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において実験例10−16で用いたポリ
カーボネート組成物を製造する装置の略図である。
【図2】本発明において実験例17で用いたポリカーボ
ネート組成物を製造する装置の略図である。
【符号の説明】
11.フィーダー 12.同方向回転型2軸押出機 13.第一供給口 14.第二供給口 15.サイドフィーダー 16.冷却バス 17.ストランドカッター 21.溶融重縮合法の溶融重合器との接続ライン 22.ギヤポンプ 23.同方向回転型2軸押出機 24.第一供給口 25.第二供給口 26.サイドフィーダー 27.冷却バス 28.ストランドカッター
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 69/00 ZAB C08L 69/00 ZAB 101/00 101/00 G11B 7/24 526 G11B 7/24 526G 7/26 521 7/26 521 (72)発明者 影山 裕一 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 佐々木 勝司 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4F070 AA50 AC20 AC40 AC55 AD01 AE03 AE09 DA42 FA01 FB03 4J002 CG002 CG012 CG022 DH026 DH036 DH056 EH037 EH047 EH057 EJ008 EJ028 EJ038 EQ028 EU198 EV048 EW046 EW066 EW116 EW136 FD036 FD050 FD090 FD167 FD200 FD208 GS02 5D029 KA08 KA19 5D121 DD05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネー
    ト結合形成性前駆体とを重縮合させて得られ、下記式
    (1) 【化1】 (式中のR1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数
    1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ
    基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜2
    0のアリール基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ
    基、または炭素数6〜20のアリールオキシ基であり、
    Wは単結合、酸素原子、カルボニル基、炭素数1〜20
    のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリデン基、炭
    素数6〜20のシクロアルキレン基、炭素数6〜20の
    シクロアルキリデン基、炭素数6〜20のアリーレン
    基、または炭素数6〜20のアルキレンアリーレンアル
    キレン基である。)で表される繰り返し単位から実質的
    になり、かつ下記の(a)、(b)、および(c) (a)平均粒径0.10〜0.60mm、 (b)細孔径10μm以下の細孔容積(ε)が0.01
    〜2.0(ml/g)、 (c)比表面積(SSA)が0.02〜5(m2/g) を満足するマスターパウダー製造に好適な粉体ポリカー
    ボネート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粉体ポリカーボネート
    (以下ポリカーボネート(1)とする)と、 A)燐酸誘導体、ポリカーボネート100重量部あたり
    1,000×10-4〜20,000×10-4重量部およ
    び B)高級脂肪族カルボン酸誘導体、ポリカーボネート1
    00重量部あたり5,000×10-4〜100,000
    ×10-4重量部からなる群より選択される少なくとも1
    種、とからなるポリカーボネート粉体組成物。
  3. 【請求項3】 C)立体障害フェノール化合物をポリカ
    ーボネート(1)100重量部あたり1,000×10
    -4〜100,000×10-4重量部さらに含有する請求
    項2に記載のポリカーボネート粉体組成物。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート(1)100重量部あ
    たりのA)、B)、C)の含有量を、それぞれAw)、
    Bw)、およびCw)重量部とするとき、Aw)、B
    w)、およびCw)が、式(D) 【数1】 0.001≦(Aw+Bw+Cw)/[100×(ε)+(104×SSA)1/3 ]≦0.5 (D) (εは細孔径10μm以下の細孔容積、SSAは比表面
    積である)を満たすことを特徴とする請求項2〜3のい
    ずれかに記載のポリカーボネート粉体組成物。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート(1)の結晶化度が1
    0〜30%でありかつ融解熱が10〜35J/gである
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のポリ
    カーボネート粉体組成物。
  6. 【請求項6】 A)、B)、およびC)からなる群より
    選択される少なくとも2種類の添加剤が、ポリカーボネ
    ート(1)との混合に際し前もって均一に溶解混合され
    た均一剤であることを特徴とする請求項2〜5のいずれ
    かに記載のポリカーボネート粉体組成物。
  7. 【請求項7】 ポリカーボネート(1)とA)、B)、
    およびC)からなる群より選択される添加剤とを、相対
    湿度0〜60%、クリーン度クラス100,000以下
    の雰囲気下で混合することを特徴とする請求項2〜6の
    いずれかに記載の粉体組成物の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項2〜6のいずれかに記載のポリカ
    ーボネート粉体組成物を熱可塑性樹脂(2)に添加する
    ことを特徴とする樹脂組成物の製造法。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂(2)がエステル交換法に
    より製造されたポリカーボネート(2’)であることを
    特徴とする請求項8記載の樹脂組成物の製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の粉体ポリカーボネート
    (ポリカーボネート(1))と、A)燐酸誘導体、ポリ
    カーボネート100重量部あたり1,000×10-4
    20,000×10-4重量部とからポリカーボネート粉
    体組成物を得て、これをエステル交換法により製造され
    たポリカーボネート(2’)に添加することを特徴とす
    るポリカーボネート樹脂組成物の製造法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の粉体ポリカーボネート
    (ポリカーボネート(1))と、B)高級脂肪族カルボ
    ン酸誘導体、ポリカーボネート100重量部あたり5,
    000×10-4〜100,000×10-4重量部とから
    ポリカーボネート粉体組成物を得て、これをエステル交
    換法により製造されたポリカーボネート(2’)に添加
    することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物の製
    造法。
  12. 【請求項12】 請求項2〜6のいずれかに記載のポリ
    カーボネート粉体組成物をマスターパウダーとして熱可
    塑性樹脂(2)への添加に使用すること。
  13. 【請求項13】 請求項2〜6のいずれかに記載のポリ
    カーボネート粉体組成物100重量部とエステル交換法
    により製造されたポリカーボネート(2’)1,000
    〜100,000重量部とからなる熱可塑性樹脂組成
    物。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の組成物からなる光
    ディスク基板。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の組成物を光ディス
    ク基板の素材として使用すること。
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