JP2003176127A - コージエライトセラミックス用α−アルミナ、該α−アルミナの製造方法及び該α−アルミナを用いた構造物 - Google Patents

コージエライトセラミックス用α−アルミナ、該α−アルミナの製造方法及び該α−アルミナを用いた構造物

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JP2003176127A
JP2003176127A JP2002228701A JP2002228701A JP2003176127A JP 2003176127 A JP2003176127 A JP 2003176127A JP 2002228701 A JP2002228701 A JP 2002228701A JP 2002228701 A JP2002228701 A JP 2002228701A JP 2003176127 A JP2003176127 A JP 2003176127A
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alumina
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cordierite ceramics
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Susumu Shibusawa
奨 渋沢
Hirokazu Miyazawa
宏和 宮澤
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性に優れ、かつ
特性にバラツキが生じないコージエライトセラミックス
を製造することができるα−アルミナ、該α−アルミナ
の製造方法及び該α−アルミナを用いた構造体を提供す
ること。 【解決手段】コージエライトセラミックス用α−アルミ
ナとして、2次粒子径が40μm〜70μmの範囲内、
1次粒子径が1.5μm〜3.0μmの範囲内、BET
比表面積が0.5m2/g〜1.5m2/gの範囲内のα
−アルミナを、ジェットミルを用いて軽粉砕することに
より得られたものであって、粉砕後のα−アルミナは、
粒子径3μm以下の粒子が30質量%以下、粒子径15
μm以下の粒子が75質量%以上の粒度分布を有し、平
均粒子径が4μm〜10μmの範囲内で、+90μm篩
残さが50質量ppm以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジン等
の内燃機関の排気ガス浄化システムに使用される触媒担
持担体、排気ガス浄化用多孔質フィルター等に用いられ
るコージエライトセラミックス用α−アルミナに関し、
さらに詳しくは該コージエライトセラミックスの熱膨張
係数を低減できるα−アルミナ原料、その製造方法、該
α−アルミナから製造されたコージエライトセラミック
ス、該セラミックスによる排ガス浄化装置用触媒担体、
脱臭用触媒担体及び排気ガス浄化用フィルター等の構造
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コージエライトセラミックスは、結晶の
C軸方向がマイナスの熱膨張係数を持つことから、耐熱
衝撃特性の要求される産業分野で幅広く利用されてい
る。特に、そのハニカム構造体は、自動車エンジン等の
内燃機関の排気ガス浄化用触媒担持担体、脱臭用触媒担
体、排気ガス浄化用多孔質フィルター、熱交換用構造体
等に好適に用いられている。
【0003】コージエライトセラミックスの製造方法に
おいては、一般にコージエライト(組成式:2MgO・
2Al23・5SiO2)の生成原料として、タルク、
カオリン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等が
用いられている。タルク等のマグネシア原料に関して
は、特開昭53−82822号公報に記載があり、カオ
リン原料に関しては特開昭50−75611号公報に記
載されている。また、アルミナ原料については特開昭6
1−256965号公報に記載されている。
【0004】これらの原料を使用して、押出成形法によ
り熱膨張係数の小さいハニカム構造体を得ることが特開
昭50−75611号公報に開示されている。
【0005】2000年代になると地球環境問題に対す
る排ガス規制の強化が一段と厳しさを増し、高度な排出
物低減技術が自動車産業に求められている。特に、排気
ガス浄化用触媒が浄化能力を発揮するためには、活性温
度を確保する必要があり、コールドスタート時に素早く
触媒を活性温度まで昇温させることが必要である。
【0006】コールドスタート時の排ガス浄化は、排出
物の低減に大きな役割を果たすことから、自動車の触媒
コンバーターの設置場所は現在の床下型から更に温度の
高いエキゾーストマニホールド近傍に変わりつつあり、
コージエライトセラミックスの更なる耐熱衝撃性の向上
が必要となっている。この耐熱衝撃性は、急熱急冷耐久
温度差で表され、その耐久温度差はハニカムの特性のう
ち熱膨張係数に逆比例することが判明しており、熱膨張
係数が小さいほど、その耐久温度差が大きい。
【0007】従来の技術においては、熱膨張係数がある
程度小さい、外径4.66インチ(1インチは2.54
cm。)、長さ4インチのハニカム構造体が開示されて
おり、800〜900℃程度の耐熱衝撃性は得られてい
るが、その特性にはバラツキがあり、更に高い耐熱衝撃
性、即ち更に低い熱膨張係数を備えたコージエライトセ
ラミックスが求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、従
来品と比較して更に低い熱膨張係数を有し、かつ更に高
い耐熱衝撃性を達成できると共に、特性のバラツキの小
さいコージエライトセラミックスを製造可能とするα−
アルミナ、その製造法、該α−アルミナを使用してなる
コージエライトセラミックス及び上記セラミックスによ
る触媒担体、フィルター等の構造物を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、以下の
手段により達成される。 (1)コージエライトセラミックス用α−アルミナの製
造方法において、2次粒子径が40μm〜70μmの範
囲内、1次粒子径が1.5μm〜3μmの範囲内、BE
T比表面積が0.5m2/g〜1.5m2/gの範囲にあ
るα−アルミナをジェットミルで粉砕し、粉砕後の該ア
ルミナの粒度分布を、3μm以下が30質量%以下、1
5μm以下が75質量%以上、平均粒子径が4μm〜1
0μmの範囲内、+90μm篩残さが50質量ppm以
下とすることを特徴とするコージエライトセラミックス
用α−アルミナの製造方法。
【0010】(2)ジェットミルによる粉砕時のノズル
噴出空気圧力が、ゲージ圧で3×10 6Pa以下である
(1)に記載のコージエライトセラミックス用α−アル
ミナの製造方法。
【0011】(3)粉砕後のα−アルミナが、粒子径3
μm以下の粒子が5質量%〜20質量%の範囲内である
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載のコージエラ
イトセラミック用α−アルミナの製造方法。
【0012】(4)粉砕後のα−アルミナが、粒子径1
5μm以下の粒子が80質量%〜90質量%の範囲内で
あることを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1項に
記載のコージエライトセラミック用α−アルミナの製造
方法。
【0013】(5)粉砕後のα−アルミナが、平均粒子
径が4μm〜8μmの範囲内であることを特徴とする
(1)乃至(4)の何れか1項に記載のコージエライト
セラミック用α−アルミナの製造方法。
【0014】(6)粉砕後のα−アルミナが、+90μ
m篩残さが25質量ppm以下であることを特徴とする
(1)乃至(5)の何れか1項に記載のコージエライト
セラミック用α−アルミナの製造方法。
【0015】(7)(1)乃至(6)の何れか1項に記
載のコージエライトセラミック用α−アルミナの製造方
法によって製造されたコージエライトセラミック用α−
アルミナ。
【0016】(8)コージエライトセラミックス用α−
アルミナにおいて、該アルミナの粒度分布が、粒子径3
μm以下の粒子が30質量%以下、粒子径15μm以下
の粒子が75質量%以上であり、平均粒子径が4μm〜
10μmの範囲であり、+90μm篩残さが50質量p
pm以下であることを特徴とするコージエライトセラミ
ックス用α−アルミナ。
【0017】(9)請求項7又は8に記載のコージエラ
イトセラミックス用α−アルミナを用いて押出成形法に
より成形体を製造し、該成形体を焼成することを特徴と
するコージエライトセラミックスの製造方法。
【0018】(10)コージエライトセラミックスが、
セラミックスハニカム構造体であることを特徴とする
(9)に記載のコージエライトセラミックスの製造方
法。
【0019】(11)(7)又は(8)に記載のコージ
エライトセラミックス用α−アルミナを成形し、成形体
を焼成して製造した排ガス浄化装置用セラミックス。
【0020】(12)(7)又は(8)に記載のコージ
エライトセラミックス用α−アルミナを成形し、成形体
を焼成して製造した脱臭用触媒担体。
【0021】(13)(7)又は(8)に記載のコージ
エライトセラミックス用α−アルミナを成形し、成形体
を焼成して製造した排気ガス浄化用フィルター。
【0022】上述の如く、本発明においては、コージエ
ライトセラミックス用α−アルミナの粉砕前のアルミナ
特性と粉砕後のアルミナ特性とアルミナ粉砕方法の特性
を特定することにより、より低い熱膨張係数を有し、且
つ高い耐熱衝撃性を有し、特性のバラツキの少ないコー
ジエライトセラミックスの製造が可能となり、高品質の
排ガス浄化装置用触媒担体、脱臭用触媒担体、排気ガス
浄化用フィルター等の構造物が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のコージエライトセラミッ
クス用α−アルミナは、2次粒子径が40μm〜70μ
mの範囲内、1次粒子径が1.5μm〜3μmの範囲
内、粉体のBET比表面積が0.5m2/g〜1.5m2
/gの範囲にあるα−アルミナを、ジェットミルで粉砕
し、粉砕後の該アルミナの粒度分布を、3μm以下が3
0質量%以下、15μm以下が75質量%以上、平均粒
子径が4μm〜10μmの範囲内、+90μm篩残さが
50質量ppm以下とすることを特徴とするα−アルミ
ナの製造方法から得ることができる。
【0024】特に、本発明においては、ジェットミルの
ノズル噴出空気圧力を、ゲージ圧(相対圧)で、3×1
6Pa(パスカル)以下とすることにより、効率良く本
発明のαーアルミナを製造することができる。
【0025】通常、ジェットミルによるα−アルミナの
粉砕では、ノズル噴出空気圧力として、6×106Pa〜
7×106Pa程度の圧力が用いられるが、本発明では、
ノズル噴出空気圧力を下げて、α−アルミナを軽粉砕す
ることにより、本発明のα−アルミナを効率良く製造す
ることが可能となる。
【0026】本発明において、粉砕後のα−アルミナの
粒度分布は、粒子径3μm以下が30質量%以下であ
り、好ましくは粒子径3μm以下が5質量%〜20質量
%の範囲内である。粒子径3μm以下の微粒子が30質
量%より多く存在すると、マグネシア原料であるタルク
との反応が約1300℃以下の比較的低い温度で進行す
るので、熱膨張係数の小さいコージエライトを生成する
タルクとカオリンとの主反応が阻害され、熱膨張係数が
大きくなる。更に加えて、コージエライト結晶の配向性
が劣化し、耐熱衝撃性にバラツキが生ずる。ここで、
「粒子径3μm以下の粒子が30質量%以下」とは、粒
子径3μm以下の粒子の合計質量が、粒子の総質量中、
30質量%以下であることを意味する。
【0027】また、本発明の製造方法において、粉砕後
のアルミナは、粒子径15μm以下の粒子が75質量%
以上存在することが必要であり、好ましくは80質量%
〜90質量%の範囲内で存在することがよい。粒子径1
5μm以下の粒子が75質量%未満ではコージエライト
生成反応温度が高くなり、しかもα−アルミナの一部が
未反応粒子として残存するため熱膨張係数が大きくな
り、結果として耐熱衝撃性が劣化する。また、熱膨張係
数(CTE)は、種々の物体の相対的耐熱応力性を比較
するのに便利なパラメータである。
【0028】本発明の製造方法において、粉砕後のα−
アルミナは、平均粒子径が4μm〜10μmの範囲内で
あることが必要であり、4μm〜8μmの範囲内である
ことが好ましい。平均粒子径が4μm未満の場合には結
果的に微粒子が多くなり、耐熱衝撃性が劣化する。平均
粒子径が10μmを越えるとコージエライト生成反応の
温度が高くなり、しかもα−アルミナの一部が未反応粒
子として残存するため熱膨張係数が大きくなり、耐熱衝
撃性が劣化する。
【0029】本発明において、粉砕処理後のα−アルミ
ナは、+90μm篩残さが50質量ppm以下とし、好
ましくは25質量ppm以下とすることがよい。+90
μm篩残さが50質量ppmを越えると、ハニカム構造
体の押し出し成形の際、スリットに詰まりを生じて好ま
しくない。
【0030】本発明の製造方法において、粉砕処理前の
α−アルミナは、2次粒子径が40μm〜70μmの範
囲内であることが必要である。α−アルミナの2次粒子
径が70μmより大きいと、上述したような粉砕後の粒
子の粒度分布を満たすためには粉砕を強める必要があ
り、粒子径1μm以下の極微粒子が発生してしまう。粒
子径1μm以下の極微粒子は反応活性が高いので、タル
ク及びカオリンと反応が進行してしまい、低熱膨張係数
を有するコージエライトを生成するタルクとカオリンの
主反応が阻害され、かつコージエライト結晶の配向性を
劣化させ耐熱衝撃性にバラツキを与える。
【0031】本発明の製造方法において、粉砕処理前の
α−アルミナは、1次粒子径が1.5μm〜3.0μm
の範囲内であることが必要であり、かつBET比表面積
が0.5m2/g〜1.5m2/gの範囲内であることが
必要である。1次粒子径とBET比表面積を規定する理
由は、コージエライト化の反応性を良好にするためであ
り、1次粒子径が1.5μm未満かあるいはBET比表
面積が1.5m2/gより大きいと、上述したようにコ
ージエライトを生成するタルクとカオリンとの主反応が
阻害されるので好ましくない。
【0032】また、1次粒子径が3μmより大きいかあ
るいはBET比表面積が0.5m2/g未満の場合に
は、コージエライト生成反応温度が高くなり、しかもα
−アルミナの一部が未反応粒子として残存するため熱膨
張係数が大きくなり、結果として耐熱衝撃性が劣化す
る。なお、BET比表面積は、2次粒子を形成している
粉砕前の粒子のBET比表面積をいうものとする。
【0033】本発明においては、上述の如き、特定範囲
の1次粒子径及び2次粒子径とBET比表面積を有する
α−アルミナを粉砕してコージエライトセラミックス用
α−アルミナ(原料粉末)を製造することを特徴とす
る。粉砕方法としては、前述のジェットミルを用いて軽
粉砕を行うのがよい。粉砕方法を特定するのは、たとえ
粉砕前のアルミナ特性と粉砕後のアルミナ特性を上記の
通り特定しても、例えば粉砕の強度が強いと反応活性の
高い粒子径1μm以下の極微粒子が発生してしまう。
【0034】従って、粉砕強度としては反応活性の高い
極微粒子が発生しないレベルであること、すなわちアル
ミナの2次粒子を解砕するのに必要十分なレベルで、で
きるだけ軽い粉砕であることが望ましい。ジェットミル
を使用し、そのノズル噴出空気圧力を3×106Pa以下
に絞ることで、アルミナの2次粒子の粉砕において、極
微粒子を発生させることなく適度に粉砕することができ
る。ジェットミルのノズル噴出空気圧力は2×106Pa
以下であることが特に好ましい。なお、ジェットミルの
風量、ジェットミルへの原料仕込量はジェットミル粉砕
能力に見合った形で設定される。ジェットミルのノズル
噴出空気圧力の下限は1×106Paであり、これより圧
力が下がると、α−アルミナの粉砕が行われなくなる。
【0035】本発明の製造方法により粉砕後のα−アル
ミナは、原料であるα−アルミナが完全に1次粒子まで
に粉砕されたものではなく、1次粒子が数個程度凝集し
たレベルの粉体であるのが好ましい。粉砕後のα−アル
ミナの、粒度分布の測定は、粉体を、分散剤を用いて液
体に分散後、レーザー回折式による粒度分布測定装置に
より行う。例えば、粉体をヘキサメタリン酸ソーダに分
散後、日機装(株)製のレーザー回折粒度分布測定装置
マイクロトラックHRAを用いて測定するのが好まし
い。
【0036】なお、本発明に用いられるアルミナはα−
アルミナであり、γ−アルミナ等のアルミナ中間体が結
晶相として同定されない完全なα−アルミナであること
が好ましい。また、χ,κ,γ,δ,η,θ−アルミナ
等の水酸化アルミニウムとα−アルミナとの間に生成す
るアルミナ中間体は、反応活性に富み、コージエライト
反応過程に悪影響を及ぼすので、これらは混入しないこ
とが好ましい。α−アルミナは一般的にバイヤー法によ
って製造されるが、サンデータイプのものを用いること
がコージエライトセラミックスの製造には適している。
【0037】本発明のコージエライトセラミック用α−
アルミナは、前述の製造方法によって製造されたα−ア
ルミナを使用することができるが、本発明においては製
造方法には制限されない。
【0038】即ち、本発明のコージエライトセラミック
用α−アルミナは、該アルミナの粒度分布として、粒子
径3μm以下の粒子が30質量%以下、粒子径15μm
以下の粒子が75質量%以上の粒度分布を有し、平均粒
子径が4μm〜10μmの範囲内であり、+90μm篩
残さが50質量ppm以下であれば、コージエライトセ
ラミックス用α−アルミナとして使用できる。
【0039】本発明のコージエライトセラミックス用α
−アルミナにタルク、カオリン、仮焼カオリン等を配合
してコージエライトセラミックス用原料を調製すること
ができる。配合割合は目的や用途に応じて適宜選択され
るが、例えば、α−アルミナ15質量%、タルク40質
量%、カオリン25質量%、仮焼カオリン20質量%が
例示される。
【0040】本発明のコージエライトセラミックス用α
−アルミナを用いてコージエライトセラミックスを製造
することができる。すなわち例えば上記したコージエラ
イトセラミックス用原料を押出法により成形し、成形体
を焼成してコージエライトセラミックスを製造すること
ができる。コージエライトセラミックスとして、例えば
セラミックスハニカム構造体を形成することができ、こ
れは自動車用排ガス浄化用装置触媒担体、脱臭用触媒担
体、排気ガス浄化用フィルター、熱交換用構造体等に用
いられる。なお、これらの用途へのα−アルミナの適用
方法は、公知の方法が利用されるものとする。
【0041】次のこの発明の実施例を述べるが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0042】
【実施例】第1表に示す試料No.A〜Kのα−アルミ
ナを調整した。ただし、粉砕処理後の粒子の粒度測定
は、ヘキサメタリン酸ソーダを分散剤として使用して日
機装(株)製のレーザー回折粒度分布測定装置マイクロ
トラックHRAにて実施した。また、粉砕前のアルミナ
粒子の、2次粒子径の測定は、分散剤を使用せずマイク
ロトラックHRAにて実施した。粉砕前のアルミナの一
次粒子径は、SEM写真(走査電子顕微鏡、二次電子像
写真)から求めた。BET比表面積は、窒素吸着法によ
り、なお、粉砕はジェットミルを用い、ノズル噴出空気
圧力を2×10 6Pa、あるいは3×106Pa、又は5×1
6Paにて粉砕処理を行った。ただし、その他の粉砕条
件については、粉砕後のアルミナ粒子が表1に示すよう
な値となるようにジェットミルの風量、原料仕込量、ジ
ェットミルに内蔵された分級機の回転数を適宜調整し
た。
【0043】次に、+90μm篩残さは、湿式篩分析か
ら求めた。調整された、第1表に示す各種のα−アルミ
ナを用いてコージエライトセラミックスを製造する。具
体的には、試料No.Aのα−アルミナ15質量%に、
タルク質量40%、カオリン25質量%及び仮焼カオリ
ン20質量%を配合し、押出成形により、外径4.66
インチ、長さ4インチの円柱状であり、長さ方向に断面
が円および楕円の貫通孔を有する、セル密度6mil/
400CPI2のハニカム構造体を製造した後、該構造
体を、1410℃で4時間焼成してコージエライトハニ
カムを得た。同様にして、試料No.B〜試料No.K
のα−アルミナを用いてコージエライトハニカムを製造
した。
【0044】ここでセル密度6mil/400CPI2
とは、6mil(約150μm)は、貫通孔により形成
されるセルの壁の厚みを表し、400CPI2は、1平方
インチあたり400セル、すなわち、1インチ(2.5
4cm)当たりに20個のセルが形成されていることを
示す。したがって、1インチ当たりの、セルの壁の総厚
は、150μm×20個=3mmで、セルの1つ当たり
の大きさ(平均直径)は、(25.4mm−3mm)/
20個から、約1.1mmとなる。
【0045】得られた各コージエライトハニカムから押
し出し方向に、長さ50mmのピースを切りだし40℃
から800℃までの熱膨張係数(CTE)を測定した。
また、各コージエライトハニカムについて耐熱衝撃性の
評価として、電気炉スポーリング強度を求めた。電気炉
スポーリング強度は40℃〜800℃の温度で、例えば
40℃の温度の電気炉中に20分保持した後、室温に取
出してクラックが発生するか、クラックが発生し打音が
ダグ音となるかを観察し、クラック等が発生するまで電
気炉の温度を徐徐に上げて観察を繰り返し、クラックが
発生するか、クラックが発生し打音がダグ音になった温
度を電気炉スポーリング強度として示した。
【0046】なお、クラック等が発生するまで徐徐に温
度を上げて観察を行う実験は3回繰り返して行い、その
3回の電気炉スポーリング強度の、値の平均値を表2に
示した。また総合評価を行い、その結果を表2に示し
た。総合評価の評価基準はコージエライトハニカムの特
性が良好である場合を記号「〇」、やや不良である場合
を「△」、不良である場合を「×」で表した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表1及び表2から明らかなように、本発明
のコージエライトセラミック用α−アルミナである試料
No.C,D,G,H,Jを原料として用いたコージエ
ライトセラミックスはすべて良好の評価であるのに対
し、本発明外のα−アルミナである試料No.A,B,
E,F.I.K.を原料として用いたコージエライトセ
ラミックスは耐熱衝撃性において不良の結果を示した。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のコ
ージエライトセラミックス用α−アルミナを用いれば、
低い熱膨張係数を有し、かつ高い耐熱衝撃性を達成する
ことができ、また、特性のバラツキの小さいコージエラ
イトセラミックスを製造することができる。また、本発
明のコージエライトセラミックス用α−アルミナを原料
として用いれば、耐熱衝撃性に優れたコージエライトセ
ラミックスハニカム構造体を得ることができる。
【0051】即ち、本発明は、低熱膨張係数及び耐熱衝
撃性が優れ、かつ安定した特性を有するコージエライト
セラミックスを製造可能とするα−アルミナ原料及びそ
の製造法を、粉砕前のアルミナ特性と粉砕方法と粉砕後
のアルミナ特性を規定することで達成するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 35/195 C04B 35/16 A 4G076 F01N 3/02 301 B01D 53/36 C Fターム(参考) 3G090 AA02 4D019 AA01 BA05 BB06 BC07 BC20 BD01 CA01 CB04 CB06 4D048 BA03X BA10X BA41X BB02 4G030 AA07 AA36 AA37 BA24 BA34 CA04 CA10 GA03 GA11 GA21 GA27 HA05 HA08 4G069 AA01 AA08 BA01A BA01B BA13A BA13B CA01 CA02 CA03 CA17 EA19 EB18X EB18Y EC22X EC22Y FB80 4G076 AA02 AB02 BA46 BF10 CA02 DA30 FA02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コージエライトセラミックス用α−アル
    ミナの製造方法において、2次粒子径が40μm〜70
    μmの範囲内、1次粒子径が1.5μm〜3μmの範囲
    内、BET比表面積が0.5m2/g〜1.5m2/gの
    範囲にあるα−アルミナをジェットミルで粉砕し、粉砕
    後の該アルミナの粒度分布を、3μm以下が30質量%
    以下、15μm以下が75質量%以上、平均粒子径が4
    μm〜10μmの範囲内、+90μm篩残さが50質量
    ppm以下とすることを特徴とするコージエライトセラ
    ミックス用α−アルミナの製造方法。
  2. 【請求項2】 ジェットミルによる粉砕時のノズル噴出
    空気圧力が、ゲージ圧で3×106Pa以下である請求
    項1に記載のコージエライトセラミックス用α−アルミ
    ナの製造方法。
  3. 【請求項3】 粉砕後のα−アルミナが、粒子径3μm
    以下の粒子が5質量%〜20質量%の範囲内であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のコージエライトセ
    ラミック用α−アルミナの製造方法。
  4. 【請求項4】 粉砕後のα−アルミナが、粒子径15μ
    m以下の粒子が80質量%〜90質量%の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の
    コージエライトセラミック用α−アルミナの製造方法。
  5. 【請求項5】 粉砕後のα−アルミナが、平均粒子径が
    4μm〜8μmの範囲内であることを特徴とする請求項
    1乃至4の何れか1項に記載のコージエライトセラミッ
    ク用α−アルミナの製造方法。
  6. 【請求項6】 粉砕後のα−アルミナが、+90μm篩
    残さが25質量ppm以下であることを特徴とする請求
    項1乃至5の何れか1項に記載のコージエライトセラミ
    ック用α−アルミナの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか1項に記載のコ
    ージエライトセラミック用α−アルミナの製造方法によ
    って製造されたコージエライトセラミック用α−アルミ
    ナ。
  8. 【請求項8】 コージエライトセラミックス用α−アル
    ミナにおいて、該アルミナの粒度分布が、粒子径3μm
    以下の粒子が30質量%以下、粒子径15μm以下の粒
    子が75質量%以上であり、平均粒子径が4μm〜10
    μmの範囲であり、+90μm篩残さが50質量ppm
    以下であることを特徴とするコージエライトセラミック
    ス用α−アルミナ。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載のコージエライト
    セラミックス用α−アルミナを用いて押出成形法により
    成形体を製造し、該成形体を焼成することを特徴とする
    コージエライトセラミックスの製造方法。
  10. 【請求項10】 コージエライトセラミックスが、セラ
    ミックスハニカム構造体であることを特徴とする請求項
    9に記載のコージエライトセラミックスの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7又は8に記載のコージエライ
    トセラミックス用α−アルミナを成形し、成形体を焼成
    して製造した排ガス浄化装置用セラミックス。
  12. 【請求項12】 請求項7又は8に記載のコージエライ
    トセラミックス用α−アルミナを成形し、成形体を焼成
    して製造した脱臭用触媒担体。
  13. 【請求項13】 請求項7又は8に記載のコージエライ
    トセラミックス用α−アルミナを成形し、成形体を焼成
    して製造した排気ガス浄化用フィルター。
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