JP2003175821A - 鉄道車両客室の調和空気供給装置 - Google Patents

鉄道車両客室の調和空気供給装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 客室の快適性の改良をもたらすように客室の
空気を安定的かつ均一に入れ替えることを保証しつつ従
来技術の欠点を矯正する、調和空気を客室に供給する装
置を提供すること。 【解決手段】 客室の側壁１２の底部に沿って伸張する
ダクト１を備え、ダクト１の上部には実質的に平行な２
つの壁３、８によって側方向に画定された空間に開口す
る複数の開口部２が設けてあり、前記空間が空間上部を
通って客室に開口し、客室の内側に隣接する空間の壁の
ダクト１の近くには客室内にある空気を吸引する溝９が
設けてある、調和空気を鉄道車両の客室に供給する装置
であって、開口部２を設けてある空気出口区間１４が開
口部２を設けていない障壁区間１５と交互に配置される
ように前記開口部２がダクト１の全長にわたって配置さ
れ、平行な壁３、８の間に伸張する仕切り７が空気出口
区間１４と障壁区間１５の接触個所に配置されることを
特徴とする装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、客室の側壁の底部
に沿って伸張するダクトを備え、側壁の上部と底部に向
けて空気を分配する分配手段が設けてあり、該分配手段
は中間区間に開口部を備え、車両内にある空気が前記開
口部を通し分配手段内に吸引される、調和空気（ｃｏｎ
ｄｉｔｉｏｎｅｄ ａｉｒ）を鉄道車両の客室に供給す
る装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】仏国特許出願第２６３２５９３号は調和
空気を鉄道車両の客室に供給するような装置を開示して
いる。その装置においては、客室の側壁に隣接する２つ
の平行な壁によって画定され、客室の全長にわたって伸
張する空間に、ダクトがダクト上部を経由して開口して
いる。その空間は空間上部を経由し実質的に車両の窓の
高さに位置する格子を通って車両内部に開口している。
通常は、車両中央通路の両側に配置された座席の種々の
列に調和空気を供給するように客室のそれぞれの側にこ
のような調和空気供給装置が１基ずつ設置されている。
【０００３】このような場合、空気の循環を快適なもの
にするためには、この格子から出て行く空気が、客室の
側壁に沿って連続的に流れ、天井または荷物棚によって
偏向させられ、ほぼ水平に流れて通路の中央面で客室の
他の側から来る流れとぶつかり、その後前記中央面上に
とどまりながら床に向かって下へ流れなければならな
い。
【０００４】しかしながら、本出願人はこのような設備
は、客室の両側に配置された各供給装置の供給ダクト間
に存在する流量の違いによる影響、および車両の一方の
側の空気循環を不均衡にし、これによって乗客にとって
不快な通風を引き起こしやすいなんらかの熱的ないしは
物理的撹乱の影響を受けやすいという欠点があることに
着目した。
【０００５】
【特許文献１】仏国特許出願第２６３２５９３号
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、客室の快適性の改良をもたらすように客室の空
気を安定的かつ均一に入れ替えることを保証しつつこれ
らの欠点を矯正する、調和空気を客室に供給する装置を
提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この目的のために、本発
明は、客室の側壁の底部に沿って伸張するダクトを備
え、客室の内部に隣接するこのダクトの客室側の面に
は、ダクト全長にわたって配置され、車両の床を横断し
て空気流を放出するように設計された空気出口手段が設
けてあり、ダクトの上部には車両の側壁に隣接する実質
的に平行な２つの壁によって側方向に画定された空間に
開口する複数の開口部が設けてあり、この空間が空間の
上の部分を通って客室に開口し、客室の内側に隣接する
空間の壁のダクトの近くには客室内にある空気を吸引す
る１つまたは複数の溝が設けてある、調和空気を鉄道車
両の客室に供給する装置であって、開口部を設けてある
空気出口区間が開口部を設けていない障壁区間と交互に
配置されるようにこの開口部がダクトの全長にわたって
配置され、平行な壁の間に伸張する仕切りが空気出口区
間と障壁区間の接触個所に配置されることを特徴とする
装置を提供するものである。
【０００８】特定の実施形態においては、本発明の調和
空気供給装置は以下の特徴、すなわち、客室の内部方向
に向き、かつ開口部が開口している空間を側方向に画定
するのに寄与する壁がダクトの全長にわたって伸張する
壁であることと、客室内にある空気が吸引される溝が空
気出口区間と位置が一致する個所にだけ配置されること
と、車両には窓を隔てる直立部分の両側に配置された側
面窓が設けてあり、また窓を隔てる直立部分と位置が一
致する個所に障壁区間が配置されかつ窓と位置が一致す
る個所に空気出口区間が配置されることと、空気出口区
間と位置が一致する空間が、実質的に車両の窓の高さに
配置された格子を経由して客室に開口しており、障壁区
間と位置が一致する個所では前記格子として閉め切り格
子が伸張していることと、障壁区間がダクトの全長の１
０％から２５％の範囲に相当すること、との１つまたは
複数を、個々にあるいは技術的に可能な組み合わせで取
り入れて有することができる。
【０００９】本発明の目的、特徴および利益は、範囲を
限定するものではない実施例をあげ、添付図を参照す
る、本発明の特定の実施形態の以下の説明を読めばさら
によく理解されよう。
【００１０】図を明確にするため、発明を理解するのに
必要な構成要素だけを示してある。各図において同一の
構成要素には同一の参照数字を与えた。
【００１１】
【発明の実施の形態】図１は、中央通路によって隔てら
れた複数列の座席（図示してない）に旅客が座るように
設計した客室を有する鉄道旅客車を示す。この客室はそ
れぞれに窓１１を設けた２つの側壁１２を有し、各側壁
１２の底部にはそれぞれ調和空気供給装置が収納されて
いる。
【００１２】以下の説明においては、両側壁１２底部の
各調和空気供給装置は類似のものであり、お互いに対称
に配置されているので、一方の調和空気供給装置だけに
ついて説明する。
【００１３】図１から図４に示すように、この供給装置
は、客室の全長にわたって、側壁１２に沿って伸張する
ダクト１を備え、暖かい空気または冷たい空気をダクト
の一端に図１の破線矢印で示される方向で供給する空調
ユニット（図示してない）によって空気を供給される。
【００１４】ダクト１は客室の内部側の側面上に、ダク
ト１の全長にわたって均一に分散配置され、床に向けて
空気の流れを放出する円形孔形状の複数のオリフィス６
が設けてあり、空気の流れはダクト１の壁の底部で偏向
される。
【００１５】客室の側壁１２に隣接する上部において、
ダクト１には垂直かつダクト１の全長にわたって伸張す
る幅の狭い経路４が設けてある。この幅の狭い経路の上
端は、客室の側壁１２とほぼ平行に伸張する２つの壁
３、８によって水平方向に画定された空間に開口する円
形孔形状の開口部２を局所的に設けた壁５によって閉じ
られている。客室の内部方向に向いた壁８はダクト１の
全長にわたって伸張し、他の壁３は少なくとも空気出口
区間１４と位置が一致する個所で伸張している。
【００１６】本発明では、多数の開口部２が設けられた
空気出口区間１４を開口部２が設けられていない障壁区
間１５と交互に形成するように、開口部２は壁５全体で
不均一に分散配置されている。図１に示す実施例では、
空気出口区間１４は窓１１と位置が一致する個所に配置
され、障壁区間１５は窓の間の窓を隔てる直立部分と位
置が一致する個所に配置される。
【００１７】壁３と壁８の間に垂直に伸張する仕切り７
が空気出口区間１４と障壁区間１５の接触個所に配置さ
れ、その結果、壁３と８の間の空間が仕切り区画を形成
して空気出口区間１４の位置に合わせて注入された空気
が障壁区間１５を横断するのを防いでいる。壁３と壁８
の上端には空気出口区間１４の位置に合わせて貫通した
格子１０が収容されており、また障壁区間１５の位置に
合わせて任意選択で閉め切ることができる格子１３が収
容されており、閉め切っていない格子は空気供給装置に
対して見た目に美しい連続状態を獲得する利益を提供し
てくれる。空気出口区間１４の両側に配置される壁３と
８および仕切り７は、したがって格子１０を通る垂直な
空気の流れを供給するコンベクタ１６を規定する。さら
に、壁８の下端には少なくとも各空気出口区間１４の全
長にわたって、あるいは壁８の全長にわたって伸張し、
また開口部２を通過する空気の垂直な流れによって発生
した吸引力によって客室からコンベクタ１６にいくらか
の空気を吸入することができる溝９が設けてある。
【００１８】得られた調和空気供給装置によって、客室
内の空気が確実に十分混合し、その結果、客室内の大量
の空気についてさらに均一な温度を得るという利益がも
たらされる。コンベクタから放出された空気は、空気の
流れがコンベクタの両側で遮られているため天井に向か
って垂直に伝播しまた一部が旅客車の長手方向にも伝搬
し、これによって自然に安定したまた客室の各側壁の底
部に配置された２つの空気供給装置の間のわずかな流量
差による影響を受けない循環が保証される。
【００１９】また、床の高さの空気の流れを客室の全長
にわたり均一に分布したものに維持することによって、
特に外部の温度が下がった場合に床面を急速に望ましい
温度にし、また大気温に非常に近い温度をこの床面の温
度水準に維持し、これによって足元の良好な快適性を提
供することができる。
【００２０】当然のことながら、本発明は、説明し例示
した単に例としてあげただけの実施形態になんら限定さ
れるものではない。特に種々の部品の構成、または同等
の代替手法の使用に関連して本発明の保護範囲を超える
ことなく複数の変更形態が依然可能である。したがっ
て、異なる実施形態においては、コンベクタ内に空気を
供給するためにあるいは床に向けて空気流を送るために
横に並べて配置した一連の円形開口部は、一連の開口部
の範囲と同等な長さにわたって伸張する単一の開口部で
置き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】その内壁の一部を切り欠いて示した、鉄道車両
内部に調和空気を供給するための本発明の特定の実施形
態における空気供給装置を示す概略斜視図である。
【図２】図１の鉄道車両の軸断面図である。
【図３】図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った空気供給装置
の断面図である。
【図４】図２の線ＩＶ−ＩＶに沿った空気供給装置の断
面図である。
【符号の説明】
１ ダクト ２ 開口部 ３、８ 平行な壁 ６ 空気出口手段 ９ 溝 １０ 格子 １２ 側壁 １３ 閉め切り格子 １４ 空気出口区間 １５ 障壁区間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 客室の側壁（１２）の底部に沿って伸張
    するダクト（１）を備え、客室の内部に隣接する前記ダ
    クト（１）のその側面には、ダクト全長にわたって配置
    され、車両の床を横断して空気流を放出するように設計
    された空気出口手段（６）が設けてあり、ダクト（１）
    の上部には車両の側壁（１２）に隣接する実質的に平行
    な２つの壁（３、８）によって側方向に画定された空間
    に開口する複数の開口部（２）が設けてあり、前記空間
    が空間上部を通って客室に開口し、客室の内側に隣接す
    る空間の壁のダクト（１）の近くには客室内にある空気
    を吸引する１つまたは複数の溝（９）が設けてある、調
    和空気を鉄道車両の客室に供給する装置であって、開口
    部（２）を設けてある空気出口区間（１４）が開口部
    （２）を設けていない障壁区間（１５）と交互に配置さ
    れるように、前記開口部（２）がダクト（１）の全長に
    わたって配置され、平行な壁（３、８）の間に伸張する
    仕切り（７）が空気出口区間（１４）と障壁区間（１
    ５）の接触個所に配置されることを特徴とする装置。
  2. 【請求項２】 客室の内部方向に向き、かつ開口部
    （２）が開口している空間を側方向に画定するのに寄与
    している壁（８）が、ダクト（１）の全長にわたって伸
    張する壁であることを特徴とする請求項１に記載の調和
    空気を客室に供給する装置。
  3. 【請求項３】 客室内にある空気が吸引される溝（９）
    が空気出口区間（１４）と位置が一致する個所にだけ配
    置されることを特徴とする請求項２に記載の調和空気を
    客室に供給する装置。
  4. 【請求項４】 前記車両には窓を隔てる直立部分の両側
    に配置された側面窓（１１）が設けてあり、窓を隔てる
    直立部分と位置が一致する個所に障壁区間（１５）が配
    置されかつ窓（１２）と位置が一致する個所に空気出口
    区間（１４）が配置されることを特徴とする請求項１か
    ら３のいずれか一項に記載の調和空気を客室に供給する
    装置。
  5. 【請求項５】 空気出口区間（１４）と位置が一致する
    空間が、実質的に車両の窓（１１）の高さに配置された
    格子（１０）を経由して客室に開口しており、障壁区間
    （１５）と位置が一致する個所では前記格子（１０）と
    して閉め切り格子（１３）が伸張していることを特徴と
    する請求項２から４のいずれか一項に記載の調和空気を
    客室に供給する装置。
  6. 【請求項６】 障壁区間（１５）がダクト（１）の全長
    の１０％から２５％の範囲に相当することを特徴とする
    請求項１から５のいずれか一項に記載の調和空気を客室
    に供給する装置。
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