JP2003175685A - 平版印刷版用給湿液組成物および平版印刷方法 - Google Patents

平版印刷版用給湿液組成物および平版印刷方法

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JP2003175685A
JP2003175685A JP2002279902A JP2002279902A JP2003175685A JP 2003175685 A JP2003175685 A JP 2003175685A JP 2002279902 A JP2002279902 A JP 2002279902A JP 2002279902 A JP2002279902 A JP 2002279902A JP 2003175685 A JP2003175685 A JP 2003175685A
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printing plate
ink
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dampening liquid
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JP2002279902A
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English (en)
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Hiroyuki Kurokawa
博幸 黒川
Toshiro Kondo
敏郎 近藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作業環境上安全な平版印刷版用給湿液組成物を
提供することであり、更には、大豆油を含有したインキ
を用いて良好な印刷物をえることができるような印刷方
法を提供すること。 【解決手段】(1)(ポリ)プロピレングリコールアル
キルエーテルとアセチレングリコールのエチレンオキサ
イド付加物を含有することを特徴とする平版印刷版用給
湿液組成物、(2)水溶性糖類とアセチレングリコール
のエチレンオキサイド付加物を含有することを特徴とす
る平版印刷版用給湿液組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷に於ける
給湿液組成物に関し、更には大豆油インキと上記給湿液
組成物を用いた平版印刷方法に関し、更に、感光性ハロ
ゲン化銀を利用した平版印刷版を用いた印刷方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は、水と油が本質的に混じり合
わない性質を巧みに利用した印刷方式であり、平版印刷
版は、親油性のインキを受理する画線部分と親水性で水
を受理する非画線部分とから構成される。通常の平版印
刷は給湿液とインキの両方を版面に供給し、画線部分は
着色性のインキを、非画線部分は給湿液を選択的に受け
入れ、画線部分に着肉したインキを例えば紙などに転写
させることによってなされる。このような平版印刷にお
いて、インキと給湿液とが適度なバランスをとって版面
に供給されることが大切である。版面に供給される給湿
液が少なすぎると非画線部分にインキ汚れが生じたり、
逆に、給湿液が多すぎるとインキの乳化が過度に促進さ
れて画線部分の濃度がつかなくなるという不都合が生じ
る。従来から知られている給湿液には、リン酸又はその
塩、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース(CM
C)等の親水化剤等を添加したものがある。しかしなが
ら、これらの化合物を含む給湿液は、印刷版の非画線部
分に均一に濡れにくい欠点があり、近年、高速印刷が進
む中では給湿液の性能としては不十分であった。
【0003】これらの欠点を改良するために、イソプロ
ピルアルコール(IPA)を給湿液中へ約10〜25%
添加して用いられていた。IPAは給湿液の表面張力を
さげるので非画線部分への濡れ性がよくなり、給湿液の
量が少なくてすむので、インキの乳化が少なくなり、イ
ンキと給湿液の供給量のバランスの調整が簡単である等
作業面での利点が多くあり広く用いられていた。
【0004】近年、産業公害や環境問題に対する関心が
高まり、IPAのような有機溶剤の使用が安全衛生面か
ら規制される傾向にある。この為、IPAに代えて種々
の界面活性剤を用いることが、例えば、特公昭55−2
5075号公報、同55−19757号公報に提案され
ている。しかしながら、これらの給湿液は、表面張力は
低下させるが、IPAを用いた給湿液に比べると、イン
キと水の供給量のバランスが取りにくく、非画線部分へ
の濡れ性が十分ではなかった。
【0005】一方、IPAに替わる化合物として、特開
平4−363297号、特開平4−220398号、特
開平2−310092号、特公平7−85947号公報
には、表面張力を下げるための様々な有機溶剤、例えば
アルコール類(エチルアルコール、ブチルアルコール
等)、グリコールエーテル類(エチレングリコール、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテル等)、ポリオ
ール類(グリセリン等)が開示されている(特許文献1
〜4)。更に、特開昭57−199693号には、2−
エチルー1,3−ヘキサンジオールと完全水溶性のプロ
ピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ヘキシレングリコール等の少なくとも1種
を含有する給湿液が開示されている。更には、特開平5
−221179号、特開平8−132753号には、安
全衛生上および消防安全上問題がなく、アルミニウム版
を粗面化し陽極酸化した支持体を用いた印刷版の印刷性
を向上させるとして3価以上の多価アルコールにプロピ
レンオキサイド付加体、あるいは、プロピレンオキサイ
ドとエチレンオキサイド付加体の化合物を含有する給湿
液組成物が開示されている。これらの給湿液組成物はI
PAを含有しないため、安全衛生面では有利になるが、
高速印刷時において、非画線部分の濡れ性が十分ではな
く、その結果、地汚れや網がらみ(網点がつぶれる)が
発生するという問題が生じる。
【0006】上記した問題、特に地汚れについては、ど
のような平版印刷版を使用した場合にも発生するが、特
に、感光性ハロゲン化銀を利用した平版印刷版を使用し
た場合に大きな問題になる。このような問題を改良する
ために、給湿液組成物に、平均粒径0.1μm以下の無
機微粒子を含有させることが、特公昭51−29441
号公報に記載されている(特許文献5)。
【0007】一方、近年では作業環境や地球環境の面か
ら、従来使用していた石油系の溶剤の代わりに、芳香族
成分を含まないアロマフリー溶剤を用いたアロマフリー
の平版印刷インキ(AFインキ)が開発され上市されて
いる。アメリカでは、1970年代に起きたオイルショ
ック時にアメリカ新聞協会(NAA)が石油系溶剤の代
わりに植物油に注目して新聞用インキ溶剤として大豆油
が使用され始めた。その後1980年代後半から199
0年代前半にアメリカ政府や、アメリカ大豆協会(AS
A)が、環境保護(大気汚染防止)や農業振興のため
に、積極的に大豆油(植物油)インキの使用を進めてき
た。
【0008】日本国内においても大量消費、大量廃棄の
社会から循環型社会への取り組み等環境問題に対する意
識が高くなり、大豆油インキの使用が促進されてきた。
枚葉インキ、オフ輪ヒートセットインキ、フォームイン
キ、新聞インキ等で大豆油インキが開発され上市されて
いる。特開平11−293169号には、アロマフリー
溶剤として大豆油を使用した印刷インキが開示されてい
る。更に、特開2000−143785号、同2000
−159868号にも大豆油を使用した印刷インキが開
示されている(特許文献6〜8)。
【0009】しかし、大豆油インキも様々な問題点を抱
えている。枚葉インキにおいては、乾燥遅延が大きな問
題となっている。従来のオフセット枚葉及びオフ輪イン
キには乾性油(植物油)としてアマニ油や桐油が一般的
に使用されている。インキは紙等に印刷されると乾燥し
て「皮膜」を形成しなければならず、インキ中の樹脂や
乾性油が空気中の酸素と反応(酸化重合)して硬化す
る。同じ植物油でもアマニ油や桐油に比べ大豆油は、
「半乾性油」と言われ、構成する脂肪酸の飽和度が高く
(ヨウ素化が低く)なっている。そのため大豆油をイン
キに使用した場合に酸化重合性が劣り乾燥性が悪くな
る。又、カラー印刷に用いる色インキは、比較的親水性
の顔料を用いているものが多く、この顔料は乳化を促進
させ、乾燥性をより遅くする。乾燥性が遅くなると、イ
ンキの紙上でのセット性が悪くなる。枚葉印刷機では、
印刷された紙は次々に積み重なっていくので、紙上での
セット性が悪いとインキが次の紙の裏面に写る、いわゆ
る裏写りを生じるという問題が発生する。これは、アー
ト紙やコート紙を使用した場合に顕著にあらわれ重大な
問題となる。
【0010】このような乳化しやすい大豆油インキを用
いた印刷に於いて、IPAの替わりに、界面活性剤や有
機溶剤を用いた給湿液で印刷すると、インキと給湿液の
供給のバランスが取りにくいため、より乳化を促進させ
ることになり、その結果、乾燥性がさらに遅くなるとい
う問題、及び、画線部分へのインキの着肉性が悪くなり
印刷物の濃度が低下するという問題が生じた。
【0011】また、大豆油インキを用いた平版印刷にお
いて、印刷条件の変化(例えば、印刷版や給湿液の種
類、あるいは、給水機構の種類の変化)によって様々な
問題が増加した。例えば保水性がPS版に比べて低い銀
塩印刷版(感光性ハロゲン化銀を利用した平版印刷版)
を連続給水タイプの給水機構を持つ印刷機で印刷する
と、従来のインキでも地汚れが生じやすかったが、大豆
油インキでは、地汚れの度合いが増加する傾向にあっ
た。従って、大豆油インキを用いた平版印刷において、
印刷版や給湿液あるいは給水機構等の印刷条件に左右さ
れずに、適正な印刷ができる給湿液組成物や印刷方法が
望まれている。
【0012】一方、水溶性糖類を含有する平版印刷版用
湿し水組成物が記載されている(例えば、特許文献
9)。水溶性糖類を含有する湿し水組成物で水棒への絡
みを改善し、ローラーはげの悪化を抑えることが記載さ
れている。しかし、水溶性糖類単独での使用では、前記
問題は解決されるものの、印刷条件の変化(例えば、印
刷版や給湿液の種類、あるいは、給水機構の種類の変
化)や、上記した、近年増えつつある大豆油インキを用
いた場合では十分な印刷性を得ることが難しくなってき
た。
【0013】一方、アルミニウム板を支持体とする平版
印刷版においては、アルミニウム表面の親水性を向上さ
せるために、通常その表面を粗面化し、さらに陽極酸化
処理を行う。この粗面化され陽極酸化されたアルミニウ
ム表面は高い親水性を示す反面、化学的に不安定で、特
に高温高湿下ではその親水性を容易に失い、非画像部の
インキ汚れの原因となる。一方印刷現場では、紙の積み
替え、紙詰まり、あるいは作業者の休憩等で印刷を中断
する事が日常の作業として行われている。このような場
合、印刷機に掛けられたままの印刷版は高温高湿下に置
かれるため、アルミニウム表面が腐食されてインキ汚れ
が発生するという問題、及びアルミニウム表面が長時
間、空気にさらされると、酸化汚れと呼ばれる斑点状の
インキ汚れを発生するという、アルミニウムを支持体と
する平版印刷版の特有の問題があった。
【0014】
【特許文献1】特開平4−363297号公報(第4〜
5頁)
【特許文献2】特開平4−220398号公報(第3〜
4頁)
【特許文献3】特開平2−310092号公報(第1
頁)
【特許文献4】特公平7−85947号公報(第1頁)
【特許文献5】特公昭51−29441号公報(第1
頁)
【特許文献6】特開平11−293169号公報(第4
項)
【特許文献7】特開2000−143785号公報(第
7項)
【特許文献8】特開2000−159868号公報(第
8項)
【特許文献9】特開平6−32082号公報(第1項)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、作業
環境上安全で、かつ、どのような印刷条件でも地汚れや
網ガラミがなく、又、長時間印刷しても印刷物の濃度を
低下させることなく良好な印刷物を得ることができる平
版印刷版用給湿液組成物を提供することである。本発明
の他の目的は、大豆油を含有したインキを用いた印刷に
おいて、乳化を過度に促進させないで、印刷物の濃度を
低下させることない印刷方法を提供することである。本
発明の他の目的は、感光性ハロゲン化銀を利用した平版
印刷版を用いた印刷に好適な給湿液組成物及び印刷方法
を提供することにある。本発明の更に他の目的は、アル
ミニウム板を支持体とする平版印刷版の特有の問題であ
る酸化汚れを防止することのできる給湿液組成物を提供
することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
以下の発明によって基本的に達成された。 (1)(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテル
とアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を
含有することを特徴とする平版印刷版用給湿液組成物。 (2)水溶性糖類とアセチレングリコールのエチレンオ
キサイド付加物を含有することを特徴とする平版印刷版
用給湿液組成物。 (3)前記平版印刷版用給湿液組成物と大豆油を含有し
たインキとを用いることを特徴とする平版印刷方法。 (4)前記平版印刷版用給湿液組成物と感光性ハロゲン
化銀を利用した平版印刷版とを用いることを特徴とする
平版刷方法。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の給湿液組成物の態様(1)は、(ポリ)
プロピレングリコールアルキルエーテルとアセチレング
リコールのエチレンオキサイド付加物を含有する給湿液
組成物である。本発明の給湿液組成物の態様(2)は、
水溶性糖類とアセチレングリコールのエチレンオキサイ
ド付加物を含有する給湿液組成物である。
【0018】前記態様(1)について詳細に説明する。
本発明に用いられる(ポリ)プロピレングリコールアル
キルエーテルとは、プロピレングリコールアルキルエー
テル及びポリプロピレングリコールアルキルエーテルを
含むことを意味しており、好ましくはプロピレンオキシ
基の繰り返し単位が1〜5のものであり、より好ましく
は1〜3である。アルキル基は炭素数1〜5であり、好
ましくは炭素数3、4である。より好ましい化合物は、
(ポリ)プロピレングリコールのモノアルキルエーテル
である。本発明に用いられる(ポリ)プロピレングリコ
ールアルキルエーテルは化1で表される。
【0019】
【化1】
【0020】R1、R2は水素原子、アルキル基を表す
が、R1、R2のどちらか一方は、アルキル基を表す。好
ましくは、R1は炭素数1〜5のアルキル基、より好ま
しくは炭素数3、4のアルキル基であり、R2は水素原
子である。nは好ましくは1〜5の整数であり、より好
ましくは1〜3の整数である。
【0021】R1で表されるアルキル基としては、n−
プロピル基やイソプロピル基のようなプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基やtert−ブチル基のようなブチ
ル基が好ましい。
【0022】本発明に用いられる(ポリ)プロピレング
リコールアルキルエーテルの好ましいものは、プロピレ
ングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリ
コールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコール
モノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
イソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイ
ソブチルエーテル、プロピレングリコールモノtert-ブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノtert-ブチ
ルエーテル、トリプロピレングリコールモノtert-ブチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエー
テル、トリプロピレングリコールモノn−プロピルエー
テル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル等である。これらの化合物は単独でも2種以上併用し
てもよい。
【0023】通常、給湿液は濃縮液として供給され、使
用するときに約30〜約200倍に希釈される。この希
釈液は、一般的に給湿液供給者によって予め設定されて
いる。本発明では、この希釈された液を使用液という。
以下、各成分の添加量は、使用液中の濃度である。上記
した(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテルの
含有量は給湿液組成物(使用液)中に0.015〜3重
量%、好ましくは0.015〜2重量%である。
【0024】本発明に用いられるアセチレングリコール
のエチレンオキサイド付加物は化2で表される。
【0025】
【化2】
【0026】R1、R2、R3、R4はアルキル基を表し、
好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、特に
1 、R3はメチル基が好ましい。n+m=Nはエチレ
ンオキサイドの付加モル数を表わす。前記エチレンオキ
サイドの付加モル数は、2以上が好ましく、3以上がよ
り好ましい。上限は30程度であり、10以下が好まし
い。以下により好ましい一般式を示す。
【0027】
【化3】 式中、n+m=Nはエチレンオキサイドの付加モル数を
表す。好ましい付加モル数は上記した通りである。
【0028】上記化合物の添加量は、給湿液組成物(使
用液)中に0.005〜3重量%、好ましくは0.01
〜1重量%で、より好ましくは0.05〜1重量%であ
る。アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
は、例えば米国エアー・プロダクツ・アンド・ケミカル
ズ社により製造され、日信化学工業(株)によってサー
フィノール(Surfynol)、オルフィンなる商品名で販売
されている。例えば、サーフィノール440(エチレン
オキサイド付加モル数は3.5)、サーフィノール46
5(同10)、サーフィノール485(同30)等があ
る。
【0029】態様(1)の給湿液組成物には、上記した
(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテルと組み
合わせてプロピレングリコールを用いるのが好ましい。
特に、(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテル
のアルキル基がプロピル基またはブチル基の場合、給湿
液中における溶解性や安定性を助けるためにプロピレン
グリコールを併用するのが好ましい。プロピレングリコ
ールの添加量は、(ポリ)プロピレングリコールアルキ
ルエーテルの添加量に対して、1〜6重量倍が好まし
く、特に2〜6重量倍が好ましい。
【0030】態様(1)の給湿液組成物には、更に平均
粒径0.1μm以下の無機微粒子を含有するのが好まし
い。該無機微粒子としては、例えばコロイダルシリカ、
コロイダルアルミナが挙げられる。該無機微粒子の給湿
液(使用液)中の添加量は、0.03〜0.3重量%、
好ましくは0.05〜0.2重量%である。該無機微粒
子を給湿液に添加することによって、地汚れや網がらみ
(網点がつぶれる現象)が改良される。
【0031】次に、本発明の態様(2)の給湿液組成物
について詳細に説明する。該給湿液組成物は、水溶性糖
類とアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物
を含有する。ここで、アセチレングリコールのエチレン
オキサイド付加物とは、前記態様(1)で用いられるも
のと同じものである。
【0032】本発明に用いられる水溶性糖類とは、グル
コース(ブドウ糖)、キシロース、ガラクトース、アラ
ビノース、マンノース等のアルドース類、フルクトース
(果糖)、ソルボース、リブロース等のケトース類、ス
クロース(蔗糖)、マルトース(麦芽糖)、ラクトース
(乳糖)、メリビオース、ラフィノース等の少糖類、ソ
ルビトール、マンニトール、還元麦芽糖等の糖アルコー
ル(還元等)等を挙げることができ、これらは単独また
は二種以上を混合して使用することが出来る。上記水溶
性糖類の中でも特にマルトース及び還元麦芽糖が好まし
い。
【0033】上記した水溶性糖類の含有量は給湿液組成
物中に0.005〜3重量%、好ましくは0.015〜
2重量%で、より好ましくは0.05〜2重量%であ
る。水溶性糖類は、例えば(株)林原商事より販売され
ている。例えば、サンマルト(精製マルトース)、ファ
イントース(無水結晶マルトース)、マビット(還元麦
芽糖水飴)等がある。
【0034】態様(2)の給湿液組成物には、上記した
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物と組
み合わせてプロピレングリコールを用いるのが好まし
い。特に、アセチレングリコールのエチレンオキサイド
付加物のエチレンオキサイド付加モル数が5以下の場合
は、給湿液中における溶解性や安定性を助けるためにプ
ロピレングリコールを併用するのが好ましい。プロピレ
ングリコールの添加量は、アセチレングリコールのオキ
シエチレン付加物の添加量に対して、1〜6重量倍が好
ましく、特に2〜6重量倍が好ましい。
【0035】態様(2)の給湿液組成物には、更に(ポ
リ)プロピレングリコールアルキルエーテルを含有する
ことが好ましい。ここで用いられる(ポリ)プロピレン
グリコールアルキルエーテルとは、前記態様(1)で用
いられるものと同じものである。
【0036】以下、前記態様(1)及び(2)の給湿液
組成物に、共通して用いることができるものについて説
明する。本発明の給湿液組成物には、更にpH4〜7の
pH緩衝剤を給湿液(使用液)1リットル当たり0.0
1mol以上含有するのが好ましい。より好ましくは、
0.015〜0.04molの範囲である。これによっ
て、インキの適度な乳化を保持することが可能となる。
インキの乳化が適度に保たれず、乳化が過度になるとイ
ンキ濃度が低下し、逆の場合は非画像部の汚れの原因と
なる。
【0037】本発明に用いられるpH緩衝剤は、水溶性
の有機酸、無機酸又は、それらの塩である。有機酸とし
ては、クエン酸、コハク酸、グルタミン酸、アスコルビ
ン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、マロン酸、安息
香酸等が挙げられる。無機酸としては、リン酸、硝酸、
硫酸等が挙げられる。更にこれらの有機酸、無機酸のア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアンモニウ
ム塩も用いられ、これらの有機酸、無機酸、またはこれ
らの塩は単独でも2種以上併用してもよい。好ましく
は、有機酸である。
【0038】本発明の給湿液組成物には、更に有機ホス
ホン酸化合物の少なくとも一種とリン酸を含有すること
が好ましい。有機ホスホン酸化合物とリン酸を含有する
ことでアルミニウム平版印刷版特有の問題である酸化汚
れと呼ばれる斑点状のインキ汚れを防止することができ
る。
【0039】本発明に用いられる有機ホスホン酸化合物
は、例えば、アミノトリメチレンホスホン酸塩、1−ヒ
ドロキシエチリデン−1−ジホスホン酸塩、エチレンジ
アミンテトラメチレンホスホン酸塩、ジエチレントリア
ミンペンタメチレンホスホン酸塩、ヘキサメチレンジア
ミンテトラメチレンホスホン酸塩、N−カルボキシメチ
ルN,N−ジメチレンホスホン酸塩、N,N−ジカルボ
キシメチル−N−メチレンホスホン酸塩、2−ホスホノ
ブタン−1,2,4−トリカルボン酸塩、等が挙げられ
るがこれらに限定はされない。また、これらの化合物は
既に各メーカーにより市販されており、例えばソルーシ
アジャパン株式会社の登録商標の「ディクエスト類」、
堺化学工業株式会社の登録商標の「ドンサム類」として
容易に入手することができる。
【0040】これらの有機ホスホン酸化合物は、単独も
しくは2種以上を組み合わせることもでき、添加量は、
給湿液(使用液)1リットル当たり0.01から1.0
molで、好ましくは0.05〜0.3molである。
【0041】本発明に用いられるリン酸の添加量は、給
湿液(使用液)に対して0.05〜1重量%で、好まし
くは0.05〜0.5重量%である。
【0042】本発明の給湿液組成物には、前記の化合物
の他にpH緩衝剤、水溶性高分子、界面活性剤、可溶化
剤、防腐剤、防錆剤、キレート化合物、泡消剤、着色
剤、腐食防止剤等の成分を必要に応じて添加することが
できる。pH緩衝剤としてはクエン酸、酢酸、酒石酸、
硝酸、リン酸等とこれらの金属塩等であり、水溶性高分
子としては、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロー
ス、デキストリン、アルギン酸ナトリウム等、界面活性
剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両
性界面活性剤、フッ素系活性剤等、可溶化剤としては、
エチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリ
ン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリ
コールイソブチルエーテル等、防腐剤としては、ホルマ
リン、ベンズトリアゾール誘導体、4−イソチアゾリン
−3−オン化合物等である。
【0043】防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、チ
オサリチル酸等、キレート化剤としては、エチレンジア
ミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、1−
ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸とそのカリウ
ム塩、ナトリウム塩等、泡消剤としては、シリコン系泡
消剤等、腐食防止剤としては、硝酸マグネシウム、硝酸
カルシウム等である。
【0044】本発明の給湿液組成物は、大豆油分を含有
したインキに対して、特に良好な印刷性能を有する。前
記したように、大豆油分を含有したインキは作業環境や
地球環境の面から石油系溶剤やアマニ油を含有するイン
キに代わって用いられるようになった。しかしながら、
大豆油のもつ特性のために、印刷物のインキの乾燥性が
悪くなったり、インキと給湿液の供給のバランスが取り
にくく過乳化が起こりやすかった。従って、本発明の目
的の一つは、大豆油分を含有するインキと本発明の給湿
液組成物を用いた印刷方法を提供する。
【0045】このような大豆油分を含有したインキを本
発明の給湿液組成物を用いて印刷するとインキの乳化が
過度に促進されず、その結果、画線部分へのインキの着
肉性が低下しないので、良好な印刷物を得ることができ
る。
【0046】次に本発明の大豆油分を含有したインキ
(以下、大豆油インキと言う)を用いた印刷方法につい
て記載する。該印刷方法は、大豆油インキと、本発明の
給湿液組成物を用いる。
【0047】本発明に係わる大豆油インキは、通常、有
機・無機顔料、バインダー樹脂、大豆油、高沸点石油系
溶剤を混合したものであり、その他に補助剤として可塑
剤、安定剤、乾燥剤、増粘剤、分散剤、充填剤などを含
んでいても良い。
【0048】本発明に係わる大豆油インキに使用する大
豆油の添加量は、インキの種類によって異なるが、枚葉
インキ、フォームインキで20重量%以上、オフ輪ヒー
トセットインキで7重量%以上、新聞インキでは、墨イ
ンキ40重量%以上、色インキで30重量%以上を含有
していることである。この含有量は、前記ASAが規定
する大豆油含有インキであり、ソイロゴシールを貼るこ
とが出来き、これらを総称して大豆油インキと呼ぶ。
【0049】有機・無機顔料としては、ジスアゾイエロ
ー、ブリリアントカーミン6B、フタロシアニンブル
ー、レーキレッドC、カーボンブラック、酸化チタン、
炭酸カルシウム等を使用することが出来る。
【0050】バインダー樹脂としては、ロジン、コーパ
ル、ダンマル、セラック、硬化ロジン、ロジンエステル
等の天然または加工樹脂、フェノール樹脂、ロジン変性
フェノール樹脂、100%フェノール樹脂、マレイン酸
樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂、ビニル樹脂、アクリル
樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキド
樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノプラスト樹脂などが好
ましい。
【0051】高沸点石油系溶剤としては、市販されてい
る石油系炭化水素溶剤でノルマルパラフィンまたはイソ
パラフィン単独組成物、パラフィン及びナフテンの化合
物、パラフィン及びナフテン及びアロマの化合物等が挙
げられる。市販品としては、例えば、日本石油化学社製
の「アイソランS」「アイソランR」「5号ソルベン
ト」「6号ソルベント」「7号ソルベント」「AFソル
ベント5」「AFソルベント6」「AFソルベント7」
等が挙げられる。
【0052】これらの成分については、平版印刷インキ
において、大豆油7〜40重量%、バインダー樹脂5〜
30重量%、有機・無機顔料5〜30重量%、高沸点石
油系溶剤1〜60重量%の範囲で混合される。本発明に
係わる大豆油インキは、各インキメーカーより販売され
ており容易に入手することができる。
【0053】本発明に係わる大豆油分を含有した平版印
刷インキは、給湿液を使用してオフセット印刷する平版
印刷版であればそれら種類に関係なく適用することがで
きる。
【0054】本発明の給湿液組成物は、感光性ハロゲン
化銀を利用した平版印刷版で印刷する方法に好適であ
る。上記平版印刷版の代表的なものとして、銀錯塩拡散
転写法を利用した平版印刷版が挙げられる。この平版印
刷版は、支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層
を少なくとも有する平版印刷版であり、2つのタイプが
ある。その1つのタイプは、ポリエチレンテレフタレー
トやポリエチレンナフタレートのようなプラスチック樹
脂フィルムあるいはポリエチレン樹脂被覆紙からなる支
持体上に、ハレーション防止層を兼ねた下塗り層、ハロ
ゲン化銀乳剤層及び物理現像核層をこの順に有する平版
印刷版である。例えば、米国特許第3,728,114
号、同第4,134,769号、同第4,160,67
0号、同第4,336,321号、同第4,501,8
11号、同第4,510,228号、同第4,621,
041号、特公昭62−296143号、特公昭63−
226658号、同63−249852号、特公平1−
261643号、特開平5−100430号公報等に記
載されている。上記平版印刷版としては、三菱製紙
(株)社製のシルバーディジプレートSDPシリーズ
や、アグファゲバルト社製のセットプリントプラス等が
市販されている。
【0055】もう1つのタイプは、粗面化され陽極酸化
されたアルミニウム支持体上に物理現像核層を有し、そ
の上にハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する平版印刷
版である。例えば、米国特許第4,567,131号、同
第5,427,889号、同第6,174,643号、同第
6,187,503号、特開平5−265216号、特開
平5−313206号、特開平7−56345号、同7
−56347号、特開平9−6005号、特開2000
−275855公報等に記載されている。上記平版印刷
版としては、三菱製紙(株)社製のシルバーディジプレ
ートSDP−αシリーズや、アグファゲバルト社製のリ
ソスター等が市販されている。
【0056】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、勿
論これだけに限定されるものではない。
【0057】実施例1 表1に示す組成の給湿液組成物を作製した。表中の単位
はグラムである。印刷に際し、これらの給湿液組成物を
水で50倍に希釈して用いた。
【0058】
【表1】 純水を加えて1000mlとした。
【0059】試験方法 平版印刷版として、ポリエチレンテレフタレート樹脂フ
ィルム支持体上に下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、及び
物理現像核層をこの順に有する銀錯塩拡散転写法を利用
した平版印刷版(三菱製紙(株)社製のシルバーディジ
プレートSDP−FR175)を用いた。この平版印刷
版を露光後、自動製版機(SDPEco1630)、現
像液(SLM−EAC)、安定液(SLM−EST)を
用いて製版した(いずれも三菱製紙(株)社製)。 印刷機;RYOBI560(RYOBI社製印刷機、ダ
ールグレン連続給水装置付)、インキ;スパーテックプ
ラス紅Mタイプ(T&K TOKA社製)、及び上記給
湿液を用いて印刷した。
【0060】印刷性の評価;乳化が適正に保たれずに、
印刷物の画像濃度が低下したときの印刷枚数で評価し、
下記のグレードで表した。評価結果を表2に示す。 S;15000枚以上 A;10000枚〜15000枚未満 B;5000枚〜10000枚未満 C;2000枚〜5000枚未満 D;2000枚未満
【0061】
【表2】
【0062】上記結果より、(ポリ)プロピレングリコ
ールアルキルエーテルとアセチレングリコールのエチレ
ンオキサイド付加物を含有する本発明の給湿液は、比較
例に比べて、インキの乳化が適正に保持されており、良
好な印刷物が多く得られる。更に、pH緩衝剤を多く含
有する本発明3及び4は、より印刷性能が向上する。
【0063】実施例2 表3に示す組成の給湿液組成物を作製した。表中の単位
はグラムである。印刷に際し、これらの給湿液組成物を
水で50倍に希釈して用いた。
【0064】
【表3】 純水を加えて1000mlとした。
【0065】試験方法 給湿液を表3の組成のものに代え、実施例1のインキを
ニューチャンピオンFグロス紫Sタイプ(大日本インキ
社製)にかえた以外は実施例1と同様にして印刷を実施
した。印刷性の評価;印刷物に地汚れあるいは網ガラミ
が発生して良好な印刷物が得られなくなるまでの印刷枚
数で評価し、下記のグレード表した。評価結果を表4に
結果を示す。 10000枚以上 A 5000枚〜10000枚未満 B 2000枚〜5000枚未満 C 2000枚未満 D
【0066】
【表4】
【0067】上記結果から、本発明の給湿液組成物にさ
らに平均粒径0.1μm以下の無機微粒子(コロイタ゛ルシリ
カ)を含有することによって、地汚れ及び網がらみの発
生が防止できることがわかる。
【0068】実施例3 表5に示す組成の給湿液組成物を作製した。表中の単位
はグラムである。印刷に際し、これらの給湿液組成物を
水で50倍に希釈して用いた。
【0069】
【表5】 純水を加えて1000mlとした。
【0070】<試験方法>平版印刷版として、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核層
とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する平版印刷版(三
菱製紙(株)社製のシルバーデジプレートSDP−αR
II)を用いた。この平版印刷版に三菱製紙(株)社製の
イメージセッター(SDP−α2400;赤色レーザー
ダイオードを搭載)でデジタル画像を走査露光し、現像
処理して印刷版を作製した。現像処理に用いたプロセッ
サーはSDP−αEcoRF、現像液はSDP−αED
V、水洗液はSDP−αST、仕上げ液はSDP−αG
UMである。これらはいずれも三菱製紙(株)社の製品
である。
【0071】印刷機;RYOBI560(RYOBI社
製印刷機、ダールグレン連続給水装置付)、インキ;ニ
ューチャンピオンFグロス墨Hタイプ(大日本インキ社
製)、及び上記給湿液を用いて印刷した。
【0072】はじめ500枚印刷して、その後、1時間
放置し、再度印刷を実施したときに、酸化汚れと呼ばれ
るスポット状のインキ汚れが発生するかどうかを観察し
た。結果を表6に示す。
【0073】
【表6】
【0074】上記結果より本発明の給湿液組成物にさら
に有機ホスホン酸化合物とリン酸を含有することによっ
て、酸化汚れの発生が防止できることが分かる。
【0075】実施例4 実施例1、2で用いた給湿液組成物を使用して以下の試
験を実施した。 <試験方法>実施例1のインキを、大豆油インキ(大日
本インキ(株)社製のニューチャンピオンナチュラリス
紫Sタイプ)に代える以外は実施例1と同様に行った。
その結果を表7に示す。
【0076】
【表7】
【0077】上記結果より、本発明の給湿液組成物は、
大豆油インキを用いて印刷を実施した場合、特にインキ
の乳化を過度に促進させることなく、画線部分へのイン
キの着肉性を落とさずに良好な印刷物が多数枚得られる
ことがわかる。
【0078】実施例5 表8に示す組成の給湿液組成物を作製した。表中の単位
はグラムである。印刷に際し、これらの給湿液組成物を
水で50倍に希釈して用いた。
【0079】
【表8】 純水を加えて1000mlとした。
【0080】試験方法 平版印刷版として、ポリエチレンテレフタレート樹脂フ
ィルム支持体上に下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、及び
物理現像核層をこの順に有する銀錯塩拡散転写法を利用
した平版印刷版(三菱製紙(株)社製のシルバーディジ
プレートSDP−FR175)を用いた。この平版印刷
版を露光後、自動製版機(SDPEco1630)、現
像液(SLM−EAC)、安定液(SLM−EST)を
用いて製版した(いずれも三菱製紙(株)社製)。 印刷機;RYOBI560(RYOBI社製印刷機、ダ
ールグレン連続給水装置付)、インキ;スーパーテック
プラス紅Mタイプ(T&KTOKA社製)、及び上記給
湿液を用いて印刷した。
【0081】印刷性の評価;乳化が適正に保たれずに、
印刷物の画像濃度が低下したときの印刷枚数で評価し、
下記のグレードで表した。評価結果を表9に示す。 SS;20000枚以上 S;15000枚〜20000枚未満 A;10000枚〜15000枚未満 B;5000枚〜10000枚未満 C;2000枚〜5000枚未満 D;2000枚未満
【0082】
【表9】
【0083】上記結果より、水溶性糖類とアセチレング
リコールのエチレンオキサイド付加物を含有する本発明
の給湿液は、比較例に比べて、インキの乳化が適正に保
持されており、良好な印刷物が多く得られる。更に、
(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテル及びp
H緩衝剤を多く含有する本発明11、12、13及び1
4は、より印刷性能が向上する。
【0084】実施例6 実施例5で用いた給湿液組成物を使用して以下の試験を
実施した。 <試験方法>実施例5のインキを、大豆油インキ(大日
本インキ(株)社製のニューチャンピオンナチュラリス
紫Sタイプ)に代える以外は実施例5と同様に行った。
その結果を表10に示す。
【0085】
【表10】
【0086】上記結果より、本発明の給湿液組成物本発
明9〜14と、大豆油インキを用いて印刷を実施した場
合、特にインキの乳化を促進させることなく、画線部分
へのインキの着肉性を落とさず濃度低下のない良好な印
刷物が得られることがわかる。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、作業環境上安全でか
つ、印刷条件が変化してもインキの乳化を促進させず良
好な印刷物が得られる平版印刷版用給湿液組成物を提供
することができる。更には、大豆油を含有したインキを
用いて印刷を実施しても乳化を促進させず地汚れを極め
て良好に防止でき、インキ濃度の高い良好な印刷物を得
る印刷方法を提供できる。更には、感光性ハロゲン化銀
を利用した平版印刷版を用いて印刷しても乳化を促進さ
せず地汚れを極めて良好に防止でき、インキ濃度の高い
良好な印刷物を得る印刷方法を提供できる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (ポリ)プロピレングリコールアルキル
    エーテルとアセチレングリコールのエチレンオキサイド
    付加物を含有することを特徴とする平版印刷版用給湿液
    組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性糖類とアセチレングリコールのエ
    チレンオキサイド付加物を含有することを特徴とする平
    版印刷版用給湿液組成物。
  3. 【請求項3】 さらに平均粒径0.1μm以下の無機微
    粒子を含有する請求項1に記載の平版印刷版用給湿液組
    成物。
  4. 【請求項4】 さらに(ポリ)プロピレングリコールア
    ルキルエーテルを含有する請求項2に記載の平版印刷版
    用給湿液組成物。
  5. 【請求項5】 前記水溶性糖類がアルドース類、ケトー
    ス類、少糖類又は糖アルコールである請求項2に記載の
    平版印刷版用給湿液組成物。
  6. 【請求項6】 前記水溶性糖類がマルトース又は還元麦
    芽糖である請求項2に記載の平版印刷版用給湿液組成
    物。
  7. 【請求項7】 さらにpH4〜7のpH緩衝剤を0.0
    1mol/l以上を含有する請求項1または2に記載の
    平版印刷版用給湿液組成物。
  8. 【請求項8】 さらに有機ホスホン酸化合物の少なくと
    も一種とリン酸を含有する請求項1または2に記載の平
    版印刷版用給湿液組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1つに記載の平
    版印刷版用給湿液組成物と大豆油を含有したインキとを
    用いることを特徴とする平版印刷方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1つに記載の
    平版印刷版用給湿液組成物と感光性ハロゲン化銀を利用
    した平版印刷版とを用いることを特徴とする平版印刷方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8のいずれか1つに記載の
    平版印刷版用給湿液組成物、感光性ハロゲン化銀を利用
    した平版印刷版、及び大豆油を含有したインキとを用い
    ることを特徴とする平版印刷方法。
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