JP2003174889A - 新規rfrp−3およびそのdna - Google Patents

新規rfrp−3およびそのdna

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JP2003174889A
JP2003174889A JP2002241930A JP2002241930A JP2003174889A JP 2003174889 A JP2003174889 A JP 2003174889A JP 2002241930 A JP2002241930 A JP 2002241930A JP 2002241930 A JP2002241930 A JP 2002241930A JP 2003174889 A JP2003174889 A JP 2003174889A
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Kuniji Hinuma
州司 日沼
Hiromi Yoshida
博美 吉田
Yuugo Habatake
祐吾 羽畑
Masaki Hosoya
昌樹 細谷
Chieko Kitada
千恵子 北田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プロラクチン分泌の促進作用を有する新規ペプ
チドの提供。 【解決手段】本発明のペプチドはプロラクチン分泌促進
剤として、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、更年期障害
または甲状腺機能低下などのプロラクチン分泌に関係す
る各種疾患の予防・治療薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロラクチン分泌
調節作用を有する新規ポリペプチド(以下、RFRP−
3と略記する場合がある)、それをコードするポリヌク
レオチド、RFRP−3の製造法およびRFRP−3も
しくはそのDNAの用途などに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質は細胞膜
に存在する特異的なレセプターを通じて生体の機能を調
節している。これらのレセプターの多くは共役している
グアニンヌクレオチド結合性蛋白質(guanine nucleoti
de-binding protein、以下、G蛋白質と略称する場合が
ある)の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行う。
また、これらのレセプターは、7個の細胞膜貫通領域を
有する共通した構造をもっていることから、G蛋白質共
役型レセプターあるいは7回膜貫通型レセプター(7T
MR)と総称される。このようなホルモンや神経伝達物
質とG蛋白質共役型レセプターによる生体の機能を調節
する経路の一つとして視床下部−下垂体系がある。これ
は、視床下部ホルモン(向下垂体性ホルモン)によって
下垂体からの下垂体ホルモンの分泌が調節され、血中に
放出された下垂体ホルモンを介して標的細胞・器官の機
能調節が行われるものである。この経路によって、ホメ
オスタシスの維持や生殖系、個体の発達、代謝、成長の
調節などの生体にとって重要な機能調節が行われてい
る。下垂体ホルモンは視床下部ホルモンと標的内分泌腺
より分泌される末梢ホルモンによるポジティブフィード
バック機構またはネガティブフィードバック機構によっ
て分泌調節されている。また、これらのホルモン、因子
およびそのレセプターは、視床下部−下垂体系だけに限
局して存在するのではなく、一般に脳内に広く分布する
ことが知られている。このことから、視床下部ホルモン
と呼ばれている物質が、中枢神経系においては神経伝達
物質あるいは神経調節物質として機能していると考えら
れている。また、末梢組織においても同様に分布し、そ
れぞれ重要な機能を担っていると考えられている。以上
のことから、G蛋白質共役型レセプターとそのリガンド
による生体の機能の調節、とくに視床下部ホルモンの分
泌調節により下垂体からの下垂体ホルモンの分泌を調節
する薬剤の開発が望まれていた。ネイチャー・セル・バ
イオロジー(Nature Cell Biology), VoL.2, October2
000, p703-708には、プロラクチンの放出を調節する作
用を有するペプチドが記載されている。WO00/29
441号には、RFRP−1、RFRP−2およびRF
RP−3と呼ばれる分泌ペプチドおよび該分泌ペプチド
が結合するG蛋白質共役型レセプター蛋白質OT7T0
22が記載されている。WO01/66134号には、
該分泌ペプチドがプロラクチン分泌調節作用を有するこ
とが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れたプロ
ラクチンの放出を調節する作用を有する新規ポリペプチ
ドを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、RF amide
様構造を有することを特徴とするウシRFRP−3の単
離・精製に成功し、さらに検討を重ねた結果、本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、〔1〕(1)配列番
号:1の第104番目(Ala)ないし第131番目(Ph
e)のアミノ酸配列からなるペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩、(2)配列番
号:1の第101番目(Ser)ないし第131番目(Ph
e)のアミノ酸配列からなるペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩または(3)配列
番号:14の第104番目(Ala)ないし第131番目
(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはその塩、〔2〕
(1)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第12
5番目(Pro)ないし第131番目(Phe)のアミノ酸配
列からなるペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエ
ステルまたはその塩、(2)配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列の第126番目(Asn)ないし第131番
目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩または
(3)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第12
7番目(Leu)ないし第131番目(Phe)のアミノ酸配
列からなるペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエ
ステルまたはその塩、〔3〕上記〔1〕または〔2〕記
載のペプチドのアミドまたはその塩、〔4〕C末端のカ
ルボキシル基がアミド化されている上記〔1〕または
〔2〕記載のペプチドまたはその塩、〔5〕上記〔1〕
記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有す
るポリヌクレオチド、〔6〕上記〔2〕記載のペプチド
をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオ
チド、〔7〕DNAである上記〔5〕または〔6〕記載
のポリヌクレオチド、〔8〕(1)配列番号:2の第3
10番目ないし第393番目の塩基配列、(2)配列番
号:2の第301番目ないし第393番目の塩基配列、
または(3)配列番号:15の第310番目ないし第3
93番目の塩基配列からなる上記〔5〕記載のポリヌク
レオチド、
〔9〕(1)配列番号:2の第373番目な
いし第393番目の塩基配列、(2)配列番号:2の第
376番目ないし第393番目の塩基配列、または
(3)配列番号:2の第379番目ないし第393番目
の塩基配列からなる上記〔6〕記載のポリヌクレオチ
ド、〔10〕上記〔5〕または〔6〕記載のポリヌクレ
オチドを含有する組換えベクター、〔11〕上記〔1
0〕記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換
体、〔12〕上記〔11〕記載の形質転換体を培養し、
上記〔1〕または〔2〕記載のペプチドを生成せしめる
ことを特徴とする上記〔1〕または〔2〕記載のペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩の製造法、〔13〕上記〔1〕または〔2〕記載のペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩を含有してなる医薬、〔14〕上記〔5〕または
〔6〕記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
〔15〕プロラクチン分泌調節剤である上記〔13〕ま
たは〔14〕記載の医薬、〔16〕プロラクチン分泌促
進剤である上記〔13〕または〔14〕記載の医薬、
〔17〕プロラクチン分泌抑制剤である上記〔13〕ま
たは〔14〕記載の医薬、〔18〕卵巣機能低下症、精
嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲
状腺機能低下または腎不全の予防・治療薬である上記
〔16〕記載の医薬、〔19〕高プロラクチン血症、下
垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫
疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月
経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Ch
iari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ
(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブラ
イト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫、シー
ハン症候群または精子形成異常の予防・治療剤である上
記〔17〕記載の医薬、〔20〕哺乳動物の乳汁の分泌
促進剤である上記〔13〕または〔14〕記載の医薬、
〔21〕プロラクチン分泌機能の検査薬である上記〔1
3〕または〔14〕記載の医薬、〔22〕上記〔1〕ま
たは〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩に対する抗体、〔23〕上記
〔22〕記載の抗体を含有してなる医薬、〔24〕高プ
ロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、
ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、
インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キア
リ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ
-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フ
ォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、
乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常
の予防・治療剤である上記〔23〕記載の医薬、〔2
5〕上記〔22〕記載の抗体を含有してなる診断剤、
〔26〕卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更
年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下または腎不
全、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月
経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、
不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大
症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、ア
ルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症
候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)
症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子
形成異常の診断剤である上記〔25〕記載の診断剤、
〔27〕上記〔5〕または〔6〕記載のポリヌクレオチ
ドを含有してなる診断剤、〔28〕卵巣機能低下症、精
嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲
状腺機能低下または腎不全、高プロラクチン血症、下垂
体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾
患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経
症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chia
ri-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(A
rgonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライ
ト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシ
ーハン症候群または精子形成異常の診断剤である上記
〔27〕記載の診断剤、〔29〕上記〔1〕または
〔2〕記載のペプチドをコードするDNAに相補的また
は実質的に相補的な塩基配列またはその一部を有し、該
DNAの発現を抑制し得る作用を有するアンチセンスD
NA、〔30〕上記〔29〕記載のアンチセンスDNA
を含有してなる医薬、〔31〕高プロラクチン血症、下
垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫
疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月
経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Ch
iari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ
(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブラ
イト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫または
シーハン症候群または精子形成異常の予防・治療剤であ
る上記〔30〕記載の医薬、〔32〕上記〔1〕または
〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記
〔1〕または〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進または
阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
〔33〕さらに配列番号:37で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
蛋白質またはその塩、またはその部分ペプチドもしくは
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いる
ことを特徴とする上記〔32〕記載のスクリーニング方
法、〔34〕さらに配列番号:37または配列番号:5
4で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質またはその
塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする
上記〔32〕記載のスクリーニング方法、〔35〕上記
〔1〕または〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる上記
〔1〕または〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進または
阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
ト、〔36〕上記〔32〕記載のスクリーニング方法ま
たは上記〔35〕記載のスクリーニング用キットを用い
て得られうる、上記〔1〕または〔2〕記載のペプチド
もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩
の活性を促進または阻害する化合物またはその塩、〔3
7〕上記〔1〕または〔2〕記載のペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促
進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医
薬、〔38〕上記〔1〕または〔2〕記載のペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の
活性を促進する化合物またはその塩を含有してなるプロ
ラクチン分泌促進剤、〔39〕上記〔1〕記載のペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩の活性を促進する化合物またはその塩を含有してなる
卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障
害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下または腎不全の予防
・治療剤、〔40〕上記〔1〕または〔2〕記載のペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩の活性を促進する化合物またはその塩を含有してな
る哺乳動物の乳汁の分泌促進剤、〔41〕上記〔1〕ま
たは〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物また
はその塩を含有してなるプロラクチン分泌抑制剤、〔4
2〕上記〔1〕または〔2〕記載のペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻
害する化合物またはその塩を含有してなる高プロラクチ
ン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレ
ス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポ
テンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フ
ロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル
・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベ
ス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リ
ンパ腫、シーハン症候群または精子形成異常の予防・治
療剤、〔43〕哺乳動物に対して、上記〔1〕または
〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩、上記〔5〕または〔6〕記載
のポリヌクレオチドまたは上記〔1〕または〔2〕記
載のペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩の活性を促進する化合物またはその塩の有
効量を投与することを特徴とするプロラクチン分泌促進
方法、〔44〕哺乳動物に対して、上記〔1〕または
〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩、上記〔5〕または〔6〕記載
のポリヌクレオチドまたは上記〔1〕または〔2〕記
載のペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩の活性を促進する化合物またはその塩の有
効量を投与することを特徴とする卵巣機能低下症、精嚢
発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状
腺機能低下または腎不全の予防・治療方法、〔45〕哺
乳動物に対して、上記〔22〕記載の抗体、上記
〔29〕記載のアンチセンスDNAまたは上記〔1〕
または〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物ま
たはその塩の有効量を投与することを特徴とするプロラ
クチン分泌抑制方法、〔46〕哺乳動物に対して、上
記〔22〕記載の抗体、上記〔29〕記載のアンチセ
ンスDNAまたは上記〔1〕または〔2〕記載のペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩の活性を阻害する化合物またはその塩の有効量を投
与することを特徴とする高プロラクチン血症、下垂体腺
腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、
プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、
乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-F
rommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argon
z-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(F
orbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫、シーハン症候
群または精子形成異常の予防・治療方法、〔47〕プロ
ラクチン分泌促進剤を製造するための上記〔1〕また
は〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはそ
のエステルまたはその塩、上記〔5〕または〔6〕記
載のポリヌクレオチドまたは上記〔1〕または〔2〕
記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
ルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩の
使用、〔48〕卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆
症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下または
腎不全の予防・治療剤を製造するための上記〔1〕ま
たは〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩、上記〔5〕または〔6〕
記載のポリヌクレオチドまたは上記〔1〕または
〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはそ
の塩の使用、〔49〕プロラクチン分泌阻害剤を製造す
るための上記〔22〕記載の抗体、上記〔29〕記
載のアンチセンスDNAまたは上記〔1〕または
〔2〕記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはそ
の塩の使用、および〔50〕高プロラクチン血症、下垂
体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾
患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経
症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chia
ri-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(A
rgonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライ
ト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫、シーハ
ン症候群または精子形成異常の予防・治療剤を製造する
ための上記〔22〕記載の抗体、上記〔29〕記載
のアンチセンスDNAまたは上記〔1〕または〔2〕
記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
ルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩の
使用を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するポリペプチド(以下、本発明のポリペプチドと称
する場合がある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモ
ット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細
胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄
細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細
胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細
胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細
胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中
球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟
骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細
胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹
細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在
するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網
膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下
部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵
臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副
腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血
管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾
丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または
血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL,
M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,HL−
60,JOSK−1,K562,ML−1,MOLT−
3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−CE
M,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB−
2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT−
102,H9,U937,THP−1,HEL,JK−
1,CMK,KO−812,MEG−01など)に由来
するポリペプチドであってもよく、合成ポリペプチドで
あってもよい。
【0007】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ま
しくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列など
があげられる。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列の第22〜180番
目のアミノ酸配列を含有するアミノ酸配列などがあげら
れる。配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に
同一のアミノ酸配列としてより具体的には、例えば、配
列番号8、配列番号:14、配列番号:18、配列番
号:33または配列番号:50で表されるアミノ酸配列
などがあげられる。
【0008】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドと
しては、例えば、前記の配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、配列
番号:8、配列番号:14、配列番号:18、配列番
号:33または配列番号:50で表されるアミノ酸配列
など)を含有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を含有するポリペプチドと同様にプロラクチン分泌調
節活性を有するポリペプチドである。実質的に同質と
は、それらの活性が性質的に(例、生理化学的に、また
は薬理学的に)同質であることを示す。従って、プロラ
クチン分泌調節活性が同等(例、約0.1〜100倍、
好ましくは約0.5〜10倍、より好ましくは0.5〜
2倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度、
ポリペプチドの分子量などの量的要素は異なっていても
よい。プロラクチン分泌調節活性の測定は、自体公知の
方法に準じて行なうことができるが、例えば、後述する
実施例1に従って測定することができる。また、本発明
のポリペプチドとしては、例えば、配列番号:1、配
列番号:8、配列番号:14、配列番号:18、配列番
号:33または配列番号:50で表わされるアミノ酸配
列中の1〜20個(好ましくは、1〜15個、さらに好
ましくは、1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のア
ミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:1、配列
番号:8、配列番号:14、配列番号:18、配列番
号:33または配列番号:50で表わされるアミノ酸配
列に1〜20個(好ましくは、1〜15個、さらに好ま
しくは、1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミ
ノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1、配列番
号:8、配列番号:14、配列番号:18、配列番号:
33または配列番号:50で表わされるアミノ酸配列に
1〜20個(好ましくは、1〜15個、さらに好ましく
は、1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸
が挿入されたアミノ酸配列、配列番号:1、配列番
号:8、配列番号:14、配列番号:18、配列番号:
33または配列番号:50で表わされるアミノ酸配列中
の1〜20個(好ましくは、1〜15個、さらに好まし
くは、1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ
酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または
それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドなどのいわゆるムテインも含まれる。上記のように
アミノ酸配列が挿入、欠失または置換されている場合、
その挿入、欠失または置換の位置としては、特に限定さ
れない。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドの具体
例としては、例えば、配列番号:8で表わされるアミノ
酸配列を含有するポリペプチド、配列番号:14で表わ
されるアミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番
号:18で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプ
チド、配列番号:33で表わされるアミノ酸配列を含有
するポリペプチド、配列番号:50で表わされるアミノ
酸配列を含有するポリペプチドなどがあげられる。
【0009】本明細書におけるポリペプチドは、ペプチ
ド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右
端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをは
じめとする、本発明のポリペプチドは、C末端がカルボ
キシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO
)、アミド(−CONH)またはエステル(−CO
OR)の何れであってもよい。ここでエステルにおける
Rとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1−6アルキ
ル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの
3−8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナ
フチルなどのC6−12アリール基、例えば、ベンジ
ル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基も
しくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C
1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基のほ
か、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシ
メチル基などが用いられる。本発明のポリペプチドがC
末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)
を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエ
ステル化されているものも本発明のポリペプチドに含ま
れる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC
末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明のポ
リペプチドには、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニ
ン残基)のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、ア
セチル基などのC1−6アルカノイルなどのC1−6
シル基など)で保護されているもの、生体内で切断され
て生成するN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸
化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例え
ば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インド
ール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、
ホルミル基、アセチル基などのC1−6アルカノイル基
などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、
あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複
合タンパク質なども含まれる。以下、これらのポリペプ
チドを本発明のポリペプチドと略称することもある。
【0010】本発明のポリペプチドの具体例としては、
例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有
するヒト由来のポリペプチド、配列番号:8で表わされ
るアミノ酸配列を含有するヒト由来のポリペプチド、配
列番号:14で表わされるアミノ酸配列を含有するウシ
由来のポリペプチド、配列番号:18で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するラット由来のポリペプチド、配列番
号:33で表わされるアミノ酸配列を含有するマウス由
来のポリペプチド、配列番号:50で表わされるアミノ
酸配列を含有するラット由来のポリペプチドなどが用い
られ、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
を含有するヒト由来のポリペプチド、配列番号:8で表
わされるアミノ酸配列を含有するヒト由来のポリペプチ
ド、配列番号:14で表わされるアミノ酸配列を含有す
るウシ由来のポリペプチドが好ましく用いられる。
【0011】本発明のRFRP−3は、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列の第104番目(Ala)〜第
131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列番号:6
3)、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1
01番目(Ser)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列
(配列番号:65)または配列番号:14で表わされ
るアミノ酸配列の第104番目(Ser)〜第131番目
(Phe)のアミノ酸配列(配列番号:67)からなる。
また、本発明のRFRP−3は、そのアミノ酸配列中の
1〜5個(好ましくは、1〜3個のアミノ酸が欠失し、
または、そのアミノ酸配列に1〜5個(好ましくは、1
〜3個)のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配
列に1〜5個(好ましくは、1〜3個のアミノ酸が挿入
され、または、そのアミノ酸配列中の1〜5個(好まし
くは、1〜3個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された
アミノ酸配列を含有していてもよく、それらを組み合わ
せたアミノ酸配列を有していてもよい。さらに、本発明
のRFRP−3としては、少なくともC末端側に配列番
号:1または配列番号:12で表わされるアミノ酸配列
の第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ
酸配列(配列番号:69)を含有するペプチドなども使
用することができる。具体的には、配列番号:1または
配列番号:12で表わされるアミノ酸配列の第124番
目(Val)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列
番号:72)からなるペプチド(RFRP−3
(8))、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)
のアミノ酸配列(配列番号:71)からなるペプチド
(RFRP−3(7))、配列番号:1または配列番
号:12で表わされるアミノ酸配列の第126番目(As
n)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列番号:
70)からなるペプチド(RFRP−3(6))または
配列番号:1または配列番号:12で表わされるアミノ
酸配列の第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)の
アミノ酸配列(配列番号:69)からなるペプチド(R
FRP−3(5))なども使用することができ、なかで
も配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第125番
目(Pro)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列
番号:71)からなるペプチド(RFRP−3
(7))、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第
126番目(Asn)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配
列(配列番号:70)からなるペプチド(RFRP−3
(6))または配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
の第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ
酸配列(配列番号:69)からなるペプチド(RFRP
−3(5))などが好ましく使用され、特に配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列の第125番目(Pro)〜
第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列番号:7
1)からなるペプチド(RFRP−3(7))が好まし
く使用される。これらペプチドのC末端はアミドである
場合が好ましい。また、本発明のRFRP−3はC末端
がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート
(−COO)、アミド(−CONH)またはエステ
ル(−COOR)(Rは上記と同意義を示す)の何れで
あってもよい。なかでも、C末端がアミド(−CONH
)であるものが好ましい。本発明のRFRP−3がC
末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)
を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエ
ステル化されているものも本発明のポリペプチドに含ま
れる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC
末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明のR
FRP−3には、前記した本発明のポリペプチドと同様
に、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のア
ミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内
で切断され生成したグルタミン残基がピログルタミン酸
化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当
な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合し
たいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれ
る。本発明のRFRP−3は、RFamide構造を有して
いる。RFamide構造とは、ぺプチドのC末端がArginine
(アルギニン)-Phenylalanine(フェニルアラニン)-N
H2構造になっていることをいう。
【0012】本発明のポリペプチまたは本発明のRFR
P−3の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無
機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの
塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩
が好ましい。このような塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明のポリ
ペプチドもしくはその塩または本発明のRFRPもしく
はその塩は、前述したヒトや温血動物の細胞または組織
から自体公知のポリペプチドの精製方法によって製造す
ることもできるし、後述するポリペプチドをコードする
DNAを含有する形質転換体を培養することによっても
製造することができる。また、後述のペプチド合成法に
準じて製造することもできる。ヒトや哺乳動物の組織ま
たは細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物の組織また
は細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行ない、
該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマ
トグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせる
ことにより精製単離することができる。
【0013】本発明のポリペプチドもしくはその塩、ま
たは本発明のRFRPもしくはその塩の合成には、通常
市販のポリペプチド合成用樹脂を用いることができる。
そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、
ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、ア
ミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコー
ル樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM
樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミ
ドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2',4'-
ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹
脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチ
ル)フェノキシ樹脂などをあげることができる。このよ
うな樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保
護したアミノ酸を、目的とするポリペプチドの配列通り
に、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させ
る。反応の最後に樹脂からポリペプチドを切り出すと同
時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内
ジスルフィド結合形成反応を実施し、本発明のポリペプ
チドもしくはその塩または本発明のRFRPもしくはそ
の塩を取得する。上記した保護アミノ酸の縮合に関して
は、ポリペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用
いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。
カルボジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピル
カルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロ
リル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる
活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)
とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、
対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステ
ルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後
に樹脂に添加することができる。
【0014】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、ポリペプチド縮合反応に使用し
うることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例
えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチ
ルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はポ
リペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られて
いる範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の
範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体
は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反
応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護
基の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことによ
り十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返して
も十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはア
セチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル
化することによって、後の反応に影響を与えないように
することができる。
【0015】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級(C1−6)アルカノイル
基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導
される基などが用いられる。また、エーテル化に適する
基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニ
ル基、t-ブチル基などである。チロシンのフェノール性
水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−
ニトロベンジル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニ
ル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmoc
などが用いられる。
【0016】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd-炭
素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、
また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれら
の混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルア
ミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなど
による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによ
る還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、
酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、
チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジ
メチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタン
ジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効で
ある。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用
いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理
により除去され、トリプトファンのインドール保護基と
して用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。原料の
反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、
およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性
化などは公知の基または公知の手段から適宜選択しう
る。
【0017】本発明のポリペプチドもしくはRFRPの
アミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化し
て保護した後、アミノ基側にペプチド(ポリペプチド)
鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端
のα−アミノ基の保護基のみを除いたポリペプチドとC
末端のカルボキシル基の保護基のみを除去したポリペプ
チドとを製造し、この両ポリペプチドを上記したような
混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上
記と同様である。縮合により得られた保護ポリペプチド
を精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去
し、所望の粗ポリペプチドを得ることができる。この粗
ポリペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、
主要画分を凍結乾燥することで所望のポリペプチドもし
くはRFRPのアミド体を得ることができる。本発明の
ポリペプチドもしくはRFRPのエステル体を得るに
は、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシ
ル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルと
した後、ポリペプチドのアミド体と同様にして、所望の
ポリペプチドもしくはRFRPのエステル体を得ること
ができる。本発明のRFRPまたはその塩は、自体公知
のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明のポリペ
プチドを適当なペプチダーゼで切断することによって製
造することができる。ペプチドの合成法としては、例え
ば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。
すなわち、本発明のRFRPを構成し得る部分ペプチド
もしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保
護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的の
ペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保
護基の脱離としては、例えば、以下の〜に記載され
た方法があげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明のRFRPを精製単
離することができる。上記方法で得られるRFRPが遊
離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方
法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩
で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方
法によって遊離体または他の塩に変換することができ
る。
【0018】本発明のポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドとしては、本発明のポリペプチドをコードす
る塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)
を含有するものであればいかなるものであってもよい。
該ポリヌクレオチドとしては、本発明のポリペプチドを
コードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本鎖
であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、
二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハ
イブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(即
ち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(即ち、非
コード鎖)であってもよい。本発明のポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドを用いて、例えば、公知の実
験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載の
方法またはそれに準じた方法により、本発明のポリペプ
チドのmRNAを定量することができる。本発明のポリ
ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明
のポリペプチドをコードする塩基配列を含有するもので
あればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDN
A、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由
来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライ
ブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリー
に使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミ
ド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよ
い。また、前記した細胞・組織よりtotalRNAまたは
mRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Tran
scriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-P
CR法と略称する)によって増幅することもできる。
【0019】本発明のポリペプチドをコードするDNA
としては、例えば、配列番号:2、配列番号:9、配列
番号:15、配列番号:19、配列番号:34または配
列番号:51で表わされる塩基配列を含有するDNA、
または配列番号:2、配列番号:9、配列番号:15、
配列番号:19、配列番号:34または配列番号:51
で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下
でハイブリダイズする塩基配列を含有し、本発明のポリ
ペプチドと実質的に同質の活性(例、細胞刺激活性な
ど)を有するポリペプチドをコードするDNAなどであ
れば何れのものでもよい。配列番号:2、配列番号:
9、配列番号:15、配列番号:19、配列番号:34
または配列番号:51で表わされる塩基配列とハイスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAと
しては、例えば、それぞれ配列番号:2で表わされる塩
基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より
好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以
上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用
いられる。ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法
あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・ク
ローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook e
tal., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載
の方法などに従って行なうことができる。また、市販の
ライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載
の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、
ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができ
る。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリ
ウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20
mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜6
5℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mM
で温度が約65℃の場合が最も好ましい。
【0020】より具体的には、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするD
NAとしては、配列番号:2で表わされる塩基配列を含
有するDNAなどが用いられる。また、配列番号:8で
表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコー
ドするDNAとしては、配列番号:9で表わされる塩基
配列を含有するDNAなどが用いられ、配列番号:14
で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ
ードするDNAとしては、配列番号:15で表わされる
塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、配列番号:
18で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチド
をコードするDNAとしては、配列番号:19で表わさ
れる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、配列番
号:33で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドをコードするDNAとしては、配列番号:34で表
わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、配
列番号:50で表わされるアミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:51
で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ
る。
【0021】本発明のRFRP−3をコードするポリヌ
クレオチドとしては、本発明のRFRP−3をコードす
る塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)
を含有するものであればいかなるものであってもよい。
該ポリヌクレオチドとしては、本発明のRFRP−3を
コードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本鎖
であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、
二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハ
イブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(即
ち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(即ち、非
コード鎖)であってもよい。本発明のRFRP−3をコ
ードするポリヌクレオチドを用いて、例えば、公知の実
験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載の
方法またはそれに準じた方法により、本発明のRFRP
−3のmRNAを定量することができる。本発明のRF
RP−3をコードするDNAとしては、前述した本発明
のRFRP−3をコードする塩基配列を含有するもので
あればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDN
A、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由
来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライ
ブラリー、合成DNAのいずれでもよい。本発明のRF
RP−3をコードするDNAの具体的としては、 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第104番
目(Ala)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列
番号:63)からなるペプチドをコードするDNA、ま
たはこれらとハイストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズする塩基配列を含有するDNA、 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第101番
目(Ser)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列
番号:65)からなるペプチドをコードするDNA、ま
たはこれらとハイストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズする塩基配列を含有するDNA、 配列番号:14で表わされるアミノ酸配列の第104
番目(Ala)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配
列番号:67)からなるペプチドをコードするDNA、
またはこれらとハイストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズする塩基配列を含有するDNA、 などがあげられる。ハイストリンジェントな条件とは、
例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましく
は約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好まし
くは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃
度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好まし
い。
【0022】より具体的には、 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第104番
目(Ala)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列
番号:63)からなるペプチドをコードするDNAとし
ては、配列番号:2で表される塩基配列の第310番目
ないし第393番目の塩基配列(配列番号:64)から
なるDNA、 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第101番
目(Ser)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列
番号:65)からなるペプチドをコードするDNAとし
ては、配列番号:2で表される塩基配列の第301番目
ないし第393番目の塩基配列(配列番号:66)を含
有するDNA、 配列番号:14で表されるアミノ酸配列の第104番
目(Ala)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列(配列
番号:67)からなるペプチドをコードするDNAとし
ては、配列番号:15で表される塩基配列の第310番
目〜第393番目の塩基配列(配列番号:68)を含有
するDNAなどがあげられる。さらに、 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第125番
目(Pro)ないし第131番目(Phe)のアミノ酸配列か
らなるペプチドをコードするDNAとしては、配列番
号:2の第373番目ないし第393番目の塩基配列か
らなるDNA、 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第126番
目(Asn)ないし第131番目(Phe)のアミノ酸配列か
らなるペプチドをコードするDNAとしては、配列番
号:2の第376番目ないし第393番目の塩基配列か
らなるDNA、 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第127番
目(Leu)ないし第131番目(Phe)のアミノ酸配列か
らなるペプチドをコードするDNAとしては、配列番
号:2の第379番目ないし第393番目の塩基配列か
らなるDNAなどがあげられる。
【0023】本発明のポリペプチドもしくはそのRFR
P−3、後述の本発明のレセプター蛋白質もしくはその
RFRP−3およびこれらの蛋白質またはペプチドをコ
ードするDNAは、自体公知の方法で標識化されていて
もよく、具体的にはアイソトープラベル化されたもの、
蛍光標識されたもの(例えば、フルオレセインなどによ
る蛍光標識)、ビオチン化されたものまたは酵素標識さ
れたものなどがあげられる。本発明のポリペプチドまた
はRFRP−3(以下、これらポリペプチド等をコード
するDNAのクローニングおよび発現の説明において
は、これらポリペプチド等を単に本発明のポリペプチド
と略記する場合がある)を完全にコードするDNAのク
ローニングの手段としては、本発明のポリペプチドの部
分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて自体
公知のPCR法によって増幅するか、または適当なベク
ターに組み込んだDNAを本発明のポリペプチドの一部
あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成D
NAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーション
によって選別することができる。ハイブリダイゼーショ
ンの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Sp
ring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従
って行なうことができる。また、市販のライブラリーを
使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って
行なうことができる。DNAの塩基配列の変換は、公知
のキット、例えば、MutanTM-super ExpressKm(宝酒造
(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA
-LA PCR法やGapped duplex法やKunkel法等の自体公知の
方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことが
できる。クローン化されたポリペプチドをコードするD
NAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素
で消化したり、リンカーを付加したりして使用すること
ができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドン
としてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コ
ドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していて
もよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、
適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもで
きる。
【0024】本発明のポリペプチドの発現ベクターは、
例えば、(イ)本発明のポリペプチドをコードするDN
Aから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DN
A断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に
連結することにより製造することができる。ベクターと
しては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,
pBR325,pUC12,pUC13)、枯草菌由来
のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC19
4)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH1
5)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウ
イルス,ワクシニアウイルス,バキュロウイルスなどの
動物ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、pR
c/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neoな
どが用いられる。本発明で用いられるプロモーターとし
ては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロ
モーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物
細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、
SV40プロモーター、HIV・LTRプロモーター、
CMVプロモーター、HSV-TKプロモーターなどが
あげられる。これらのうち、CMV(サイトメガロウイ
ルス)プロモーター、SRαプロモーターなどを用いる
のが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、
trpプロモーター、lacプロモーター、recAプ
ロモーター、λPLプロモーター、lppプロモータ
ー、T7プロモーターなどが、宿主がバチルス属菌であ
る場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモータ
ー、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合
は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GA
Pプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。
宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモータ
ー、P10プロモーターなどが好ましい。発現ベクター
には、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライ
シングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、
SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称す
る場合がある)などを含有しているものを用いることが
できる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸
還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝
子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン
耐性遺伝子(以下、Ampと略称する場合がある)、
ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neoと略称する場
合がある、G418耐性)等があげられる。特に、dh
fr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞を用いてd
hfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、目的
遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択でき
る。
【0025】また、必要に応じて、宿主に合ったシグナ
ル配列を、本発明のポリペプチドのN端末側に付加す
る。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シ
グナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチ
ルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配
列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母で
ある場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナ
ル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュ
リン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル
配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用でき
る。このようにして構築された本発明のポリペプチドを
コードするDNAを含有するベクターを用いて、形質転
換体を製造することができる。宿主としては、例えば、
エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆
虫、動物細胞などが用いられる。
【0026】エシェリヒア属菌の具体例としては、例え
ば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・
DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,1
60(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッ
ズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,3
09(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Bio
logy)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジー
ン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Bioch
emistry),95巻,87(1984)〕などが用いられ
る。酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)KM71などが
用いられる。
【0027】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、
CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニーズ
ハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr)細
胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−20,マウ
スミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞などが
用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキ
ュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mole
cular & General Genetics),168巻,111(19
79)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イン・エ
ンザイモロジー(Methods in Enzymology),194
巻,182−187(1991)、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA),75巻,1929(1978)などに記載
の方法に従って行なうことができる。
【0028】昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、
例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology, 6, 4
7-55(1988))などに記載の方法に従って行なうことがで
きる。動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学
別冊8 新細胞工学実験プロトコール.263−267
(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virolog
y),52巻,456(1973)に記載の方法に従って
行なうことができる。このようにして、ポリペプチドを
コードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換さ
れた形質転換体を得ることができる。宿主がエシェリヒ
ア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、
培養に使用される培地としては液体培地が適当であり、
その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素
源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源として
は、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、
ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩
類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カ
ゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無
機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カル
シウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムな
どがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長
促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8
が望ましい。エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。
【0029】宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通
常約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要によ
り、通気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチルス
属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時
間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもでき
る。宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地と
しては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小
培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・
オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA),77巻,4505(1980)〕や0.5%カザ
ミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),81巻,5330(198
4)〕があげられる。培地のpHは約5〜8に調整する
のが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜
72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する
際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace, T.
C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非動化
した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが
用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整する
のが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行な
い、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞
である形質転換体を培養する際、培地としては、例え
ば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイ
エンス(Science),122巻,501(1952)〕,
DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,39
6(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル
・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーショ
ン(The Journal of the American Medical Associatio
n)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロ
シージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バ
イオロジカル・メディスン(Proceeding ofthe Society
for the Biological Medicine),73巻,1(195
0)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時
間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。以上のよ
うにして、形質転換体の細胞膜などに本発明のポリペプ
チドを生成せしめることができる。上記培養物から本発
明のポリペプチドを分離精製するには、例えば、下記の
方法により行なうことができる。
【0030】本発明のポリペプチドを培養菌体あるいは
細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌
体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、
超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによっ
て菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過に
よりポリペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用い
られる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白
質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤
が含まれていてもよい。培養液中にポリペプチドが分泌
される場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌
体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。この
ようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含ま
れるポリペプチドの精製は、自体公知の分離・精製法を
適宜組み合わせて行なうことができる。これらの公知の
分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度
を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、お
よびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの
主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマ
トグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニ
ティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用す
る方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性
の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の
差を利用する方法などが用いられる。
【0031】かくして得られるポリペプチドが遊離体で
得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じ
る方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得ら
れた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生するポリペプチドを、精製前また
は精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることによ
り、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除
去することもできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、
トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチ
ダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用
いられる。かくして生成する本発明のポリペプチドまた
はその塩の存在または活性は、標識したリガンドとの結
合実験および特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセ
イなどにより測定することができる。本発明のポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩、発明のRFRP−3もしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩の受容体(以下、本発明のレ
セプター蛋白質と略記する場合がある)として具体的に
は、例えば、配列番号:37で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
レセプター蛋白質(OT7T022)などがあげられ
る。
【0032】本発明で使用するレセプター蛋白質(以
下、本発明のレセプタータンパク質)は、例えば、哺乳
動物(例えば、ヒト、モルモット、ラット、マウス、ウ
サギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞
(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細
胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細
胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維
細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファー
ジ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)や血球系の細胞、
またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、
脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭核、大脳基底球、海
馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮質、延髄、小
脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳染、黒
質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、
甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管
(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下
腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、精巣、卵巣、胎
盤、子宮、骨、関節、骨格筋など(特に、脳や脳の各部
位)に由来する蛋白質であってもよく、また合成蛋白質
であってもよい。配列番号:37で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、
配列番号:37で表わされるアミノ酸配列と約50%以
上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%
以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは
約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げ
られる。
【0033】配列番号:37で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質として
は、例えば、配列番号:37で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:3
7で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質と実質的
に同質の活性を有する蛋白質などが好ましく、具体的に
は、配列番号:54で表されるアミノ酸配列を含有する
蛋白質などがあげられる。実質的に同質の活性として
は、例えば、リガンド結合活性またはシグナル情報伝達
作用などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの活
性が性質的に同質であることを示す。したがって、リガ
ンド結合活性またはシグナル情報伝達作用などの活性が
同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5
〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であること
が好ましいが、これらの活性の程度や蛋白質の分子量な
どの量的要素は異なっていてもよい。リガンド結合活性
またはシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、自体
公知の方法に準じて行なうことができるが、例えば、後
述するリガンドの決定方法やスクリーニング方法に従っ
て測定することができる。また、本発明のレセプター蛋
白質としては、配列番号:37または配列番号:54
で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ま
しくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程
度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ
酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:37または配
列番号:54で表わされるアミノ酸配列に1または2個
以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1
〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2
個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番
号:37または配列番号:54で表わされるアミノ酸配
列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程
度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは
数個(1または2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置
換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせた
アミノ酸配列を含有する蛋白質なども用いられる。
【0034】本明細書におけるレセプター蛋白質は、ペ
プチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末
端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。配列
番号:37で表わされるアミノ酸配列を含有するレセプ
ター蛋白質をはじめとする、本発明で使用するレセプタ
ー蛋白質は、C末端がカルボキシル基(−COOH)、
カルボキシレート(−COO)、アミド(−CON
)またはエステル(−COOR)何れであってもよ
い。ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−
ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シクロペン
チル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル
基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12
アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェ
ニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチル
などのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC
7−14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎
用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
【0035】本発明のレセプター蛋白質がC末端以外に
カルボキシル基(またはカルボキシレート)を有してい
る場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化さ
れているものも本発明のレセプター蛋白質に含まれる。
この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端の
エステルなどが用いられる。さらに、本発明のレセプタ
ー蛋白質には、上記したポリペプチドにおいて、N末端
のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミ
ル基、アセチルなどのC2−6アルカノイル基などのC
1−6アシル基など)で保護されているもの、N端側が
生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミ
ン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基
(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール
基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基
(例えば、ホルミル基、アセチルなどのC2−6アルカ
ノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されてい
るもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質など
の複合蛋白質なども含まれる。本発明のレセプター蛋白
質の具体例としては、例えば、配列番号:37で表わさ
れるアミノ酸配列からなるラット由来のレセプター蛋白
質、配列番号:54で表されるアミノ酸配列からなるヒ
ト由来のレセプター蛋白質などが用いられる。本発明の
レセプター蛋白質の部分ペプチドとしては、前記したレ
セプター蛋白質の部分ペプチドであれば何れのものであ
ってもよいが、例えば、本発明のレセプター蛋白質分子
のうち、細胞膜の外に露出している部位であって、レセ
プター結合活性を有するものなどが用いられる。具体的
には、配列番号:37または配列番号:54で表わされ
るアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質の部分ペプ
チドとしては、疎水性プロット解析において細胞外領域
(親水性(Hydrophilic)部位)であると分析された部
分を含むペプチドである。また、疎水性(Hydrophobi
c)部位を一部に含むペプチドも同様に用いることがで
きる。個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得る
が、複数のドメインを同時に含む部分のペプチドでも良
い。
【0036】本発明のレセプター蛋白質の部分ペプチド
のアミノ酸の数は、前記したレセプター蛋白質の構成ア
ミノ酸配列のうち少なくとも20個以上、好ましくは5
0個以上、より好ましくは100個以上のアミノ酸配列
を含有するペプチドなどが好ましい。実質的に同一のア
ミノ酸配列とは、これらアミノ酸配列と約50%以上、
好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以
上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約
95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。ここ
で、「実質的に同質の活性」とは、前記と同意義を示
す。「実質的に同質の活性」の測定は前記と同様に行な
うことができる。また、本発明のレセプター蛋白質の部
分ペプチドは、上記アミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは数個
(1または2個))のアミノ酸が欠失し、または、その
アミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜2
0個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ま
しくは数個(1または2個))のアミノ酸が付加し、ま
たは、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好まし
くは、1〜10個程度、より好ましくは数個(1または
2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていても
よい。また、本発明のレセプター蛋白質の部分ペプチド
はC末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシ
レート(−COO)、アミド(−CONH)または
エステル(−COOR)(Rは上記と同意義を示す)の
何れであってもよい。本発明のレセプター蛋白質の部分
ペプチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボ
キシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミ
ド化またはエステル化されているものもレセプター蛋白
質に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上
記したC末端のエステルなどが用いられる。さらに、本
発明のレセプター蛋白質の部分ペプチドには、前記した
レセプター蛋白質と同様に、N末端のメチオニン残基の
アミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体
内で切断され生成したGlnがピログルタミン酸化したも
の、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基
で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆ
る糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
【0037】本発明のレセプター蛋白質またはその部分
ペプチドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される
酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機
酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明の
レセプター蛋白質またはその塩は、前述したヒトや哺乳
動物の細胞または組織から自体公知のレセプター蛋白質
の精製方法によって製造することもできるし、後述する
本発明のレセプター蛋白質をコードするDNAを含有す
る形質転換体(宿主は前述の本発明のポリペプチドをコ
ードするDNAを含有する形質転換体の宿主と同様のも
のなどが用いられる。)を前述の本発明のポリペプチド
をコードするDNAを含有する形質転換体の作製方法に
準じて作製し、前述の本発明のポリペプチドをコードす
るDNAを含有する形質転換体の培養方法に準じて培養
することによっても製造することができる。また、前述
のポリペプチド合成法またはこれに準じて製造すること
もできる。ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造す
る場合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイ
ズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロ
マトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどの
クロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離
することができる。
【0038】本発明のレセプター蛋白質の部分ペプチド
またはその塩は、前述の自体公知のペプチドの合成法に
従って、あるいは本発明のレセプター蛋白質を適当なペ
プチダーゼで切断することによって製造することができ
る。本発明のレセプター蛋白質またはその塩、その部分
ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
はその塩の合成は上述の本発明のポリペプチドもしくは
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩における
合成方法と同様の方法により合成することができる。本
発明のレセプター蛋白質をコードするポリヌクレオチド
としては、本発明のレセプター蛋白質をコードする塩基
配列(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)を含有
するものであればいかなるものであってもよい。該ポリ
ヌクレオチドとしては、本発明のレセプター蛋白質をコ
ードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本鎖で
あっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二
本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイ
ブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(即ち、
コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(即ち、非コー
ド鎖)であってもよい。本発明のレセプター蛋白質をコ
ードするポリヌクレオチドを用いて、例えば、公知の実
験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載の
方法またはそれに準じた方法により、本発明のレセプタ
ー蛋白質のmRNAを定量することができる。本発明の
レセプター蛋白質をコードするDNAとしては、ゲノム
DNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組
織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNA
ライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラ
リーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラ
スミド、コスミド、ファージミドなどいずれであっても
よい。また、前記した細胞・組織よりtotalRNAまた
はmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Tr
anscriptase PolymeraseChain Reaction(以下、RT-
PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
【0039】具体的には、本発明のレセプター蛋白質を
コードするDNAとしては、例えば、配列番号:38、
配列番号:55または配列番号:56で表わされる塩基
配列を含有するDNA、または配列番号:38、配列番
号:55または配列番号:56で表わされる塩基配列と
ハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩
基配列を含有し、本発明のレセプター蛋白質と実質的に
同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達
作用など)を有するレセプター蛋白質をコードするDN
Aであれば何れのものでもよい。配列番号:38、配列
番号:55または配列番号:56で表わされる塩基配列
とハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列
番号:38、配列番号:55または配列番号:56で表
わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%
以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約
95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNA
などが用いられる。ハイブリダイゼーションは、自体公
知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sa
mbrook etal., Cold Spring Harbor Lab. Press, 198
9)に記載の方法などに従って行なうことができる。ま
た、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説
明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好
ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なう
ことができる。該ハイストリンジェントな条件とは、例
えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは
約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましく
は約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度
が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
配列番号:38、配列番号:55または配列番号:56
で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるDNAで
コードされるポリペプチドは上述の本発明のポリペプチ
ドの製造法と同様にして製造することができ、該ポリペ
プチドのアミド、エステル、塩は上述の本発明のポリペ
プチドのアミド、エステル、塩と同様のものなどがあげ
られる。より具体的には、配列番号:37で表わされる
アミノ酸配列からなるレセプター蛋白質をコードするD
NAとしては、配列番号:38で表わされる塩基配列か
らなるDNAなどが用いられ、配列番号:54で表わさ
れるアミノ酸配列からなるレセプター蛋白質をコードす
るDNAとしては、配列番号:55または配列番号:5
6で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられ
る。
【0040】本発明のレセプター蛋白質をコードするD
NAの塩基配列の一部、または該DNAと相補的な塩基
配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、下記
の本発明の部分ペプチドをコードするDNAを包含する
だけではなく、RNAをも包含する意味で用いられる。
本発明のレセプター蛋白質の部分ペプチドをコードする
DNAとしては、前述した本発明の部分ペプチドをコー
ドする塩基配列を含有するものであればいかなるもので
あってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライ
ブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記し
た細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNA
のいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクター
は、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファ
ージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細
胞・組織よりmRNA画分を調製したものを用いて直接
Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction
(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅する
こともできる。具体的には、本発明の部分ペプチドをコ
ードするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:3
8、配列番号:55または配列番号:56で表わされる
塩基配列を含有するDNAの部分塩基配列を含有するD
NA、または(2)配列番号:38、配列番号:55ま
たは配列番号:56で表わされる塩基配列とハイストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有
し、本発明のレセプター蛋白質と実質的に同質の活性
(例、リガンド結合活性またはシグナル情報伝達作用な
ど)を有するレセプター蛋白質をコードするDNAの部
分塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0041】本発明のRFRP−3に対する抗体(以
下、単に本発明の抗体と称する場合がある)は、本発明
のRFRP−3に対する抗体を認識し得る抗体であれ
ば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れで
あってもよい。本発明のRFRP−3に対する抗体は、
本発明のRFRP−3を抗原として用い、自体公知の抗
体または抗血清の製造法に従って製造することができ
る。
【0042】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のRFRP−3は、温血動物に対して投与により
抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤
とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高める
ため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイント
アジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎
に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温
血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモ
ット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげ
られるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で
免疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認めら
れた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリ
ンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種
または異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製すること
ができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の
標識化ペプチドと抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1
975)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPEGが
用いられる。骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、RFRP−3抗原
を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイ
クロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次
に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗
体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウ
ス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテイン
Aを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出す
る方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸
着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射
性物質や酵素などで標識したペプチドを加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などがあげら
れる。モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいは
それに準じる方法に従って行なうことができる。通常H
AT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を
添加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別お
よび育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できる
ものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1
〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含む
RPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含
むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリ
ドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0043】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例
えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アル
コール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換
体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行な
うことができる。
【0044】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法に従って製造することができる。例えば、免疫抗
原(RFRP−3抗原)自体、あるいはそれとキャリア
ー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗
体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動
物から本発明のペプチドに対する抗体含有物を採取し
て、抗体の分離精製を行なうことにより製造することが
できる。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原
とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白
質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キ
ャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が
効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋
させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサ
イログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1
に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合で
カプルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキャ
リアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることが
できるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレ
イミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を
含有する活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物
は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自
体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際
して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバ
ントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよ
い。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜1
0回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の方
法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは
血液から採取することができる。抗血清中のポリクロー
ナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と
同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製
は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫
グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0045】本発明のRFRP−3をコードするDNA
(以下、これらのDNAを本発明のDNAと略記する場
合がある)に相補的な、または実質的に相補的な塩基配
列を有するアンチセンスDNA(以下、これらのDNA
をアンチセンスDNAと略記する場合がある)として
は、本発明のDNAに相補的な、または実質的に相補的
な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を
有するものであれば、いずれのアンチセンスDNAであ
ってもよい。本発明のDNAに実質的に相補的な塩基配
列とは、例えば、本発明のDNAに相補的な塩基配列
(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列あ
るいは部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80
%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは
約95%以上の相同性を有する塩基配列などがあげられ
る。特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、
本発明のRFRP−3のN末端部位をコードする部分の
塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)の
相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%以上、より
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上
の相同性を有するアンチセンスDNAが好適である。こ
れらのアンチセンスDNAは、公知のDNA合成装置な
どを用いて製造することができる。
【0046】(1)本発明のRFRP−3が関与する各
種疾病の予防・治療剤 本発明のRFRP−3もしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩(以下、これらを単に本発明のR
FRP−3と略称することもある)は、プロラクチン分
泌の調節作用、つまりプロラクチン分泌の促進および抑
制作用を有する。すなわち、本発明のRFRP−3は、
プロラクチン分泌の促進作用を有するため、プロラクチ
ン分泌不全に関係する各種疾患の予防・治療薬などの医
薬として有用である。一方、本発明のRFRP−3は、
本発明のレセプター蛋白質との親和性が強いため、投与
量が増えるとプロラクチン分泌に対し脱感作(desensit
ization)が起こる結果、プロラクチン分泌を抑制する
作用も有する。この場合、本発明のRFRP−3は、プ
ロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患の予防・治療薬
として用いることができる。従って、本発明のRFRP
−3は、プロラクチン分泌促進剤として、卵巣機能低下
症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不
全、甲状腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に
関係する各種疾患の予防・治療薬として有用である。さ
らに、本発明のRFRP−3は、プロラクチン分泌促進
作用に基づき、性欲促進作用(フェロモン的作用)を有
するため、性欲促進剤としても有用である。また、本発
明のRFRP−3は、プロラクチン分泌抑制剤として、
高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異
常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊
症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、
キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴ
ンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候
群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症
候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形
成異常などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予
防および治療薬として有用である。また、本発明のRF
RP−3は、プロラクチン分泌抑制作用に基づいて、避
妊薬としても有用である。その他、本発明のRFRP−
3は、プロラクチン分泌機能を調べるための検査薬とし
ても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの哺乳動物の乳汁の
分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さらには
該哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその乳汁
中への分泌することによる有用物質生産などへの応用も
期待される。さらにまた、本発明のRFRP−3は、胎
盤機能調節作用を有するため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入
奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異
常または分娩誘発の予防または治療薬としても有用であ
る。本発明のRFRP−3のプロラクチン分泌調節活性
については、Neuroendocrinology, 62巻 1995年 198-20
6頁、または、Neuroscience Letters 203巻 1996年164-
170頁などに記載の方法またはそれに準じた方法により
行うことができ、後述の実施例に記載した方法で行うこ
とが望ましい。さらに、本発明のRFRP−3は、痛み
を誘発する作用を有しており、痛覚障害の予防または治
療薬としても有用である。
【0047】本発明のRFRP−3を前述の医薬または
動物薬として使用する場合は、常套手段に従って実施す
ればよい。例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カ
プセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとし
て経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許
容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射
剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該RFRP−
3またはその塩を生理学的に認められる担体、香味剤、
賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などととも
に一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態
で混和することによって製造することができる。これら
製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量
が得られるようにするものである。錠剤、カプセル剤な
どに混和することができる添加剤としては、例えばゼラ
チン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴム
のような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コ
ーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化
剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ
糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミン
ト、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用
いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前
記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有す
ることができる。注射のための無菌組成物は注射用水の
ようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのよ
うな天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの
通常の製剤実施にしたがって処方することができる。注
射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖
やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビト
ール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが
挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール(例え
ば、エタノール)、ポリアルコール(例えばプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界
面活性剤(例えばポリソルベート80(TM)、HCO
−50)などと併用してもよい。油性液としてはゴマ
油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸
ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウ
ム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに無菌的に充填される。
【0048】このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えば哺乳動物(例えば、ヒト、マウ
ス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ネコ、イヌ、サル、マントヒヒ、チンパンジーな
ど)に対して投与することができる。本発明のRFRP
−3の投与量は、症状などにより差異はあるが、経口投
与する場合、一般的に成人の甲状腺機能低下症患者(体
重60kgに対し)においては、一日につき通常約0.
1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与
する場合は、その1回の投与量は投与対象、症状、投与
方法などによっても異なるが、例えば注射剤の形では成
人の甲状腺機能低下症患者(体重60kgに対し)にお
いては、一日につき通常約0.01〜30mg程度、好
ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.
1〜10mg程度を静脈注射により投与すればよい。他
の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投
与することができる。
【0049】(2)本発明のRFRP−3の活性を促進
または抑制する化合物またはその塩のスクリーニング方
法 本発明のRFRP−3を用いることを特徴とする、本発
明のRFRP−3の活性を促進または阻害する化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法は、好ましくは、本発
明のRFRP−3、および本発明のレセプター蛋白質も
しくはその部分ペプチドまたはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩(以下、本発明のレセプター蛋白
質と略称することもある)を用いることを特徴とする、
発明のRFRP−3の活性を促進または阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法である。該スクリー
ニング方法は、具体的には、(i)本発明のRFRP−
3に本発明のレセプター蛋白質を接触させた場合と、
(ii)本発明のRFRP−3に本発明のレセプター蛋白
質および試験化合物を接触させた場合における、本発明
のRFRP−3の活性を測定し、比較することにより行
われる。具体的には、上記スクリーニング方法において
は、例えば、(i)と(ii)の場合における、本発明の
RFRP−3および試験化合物の細胞刺激活性または本
発明のRFRP−3および試験化合物の本発明のレセプ
ター蛋白質に対する結合量などを測定して、比較するこ
とを特徴とするものである。本発明のRFRP−3の細
胞刺激活性などは、自体公知の方法、例えば、Dockray,
G.J. et al., Nature ,305, 328-330, 1983, Fukusum
i, S., et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 23
2, 157-163, 1997, Hinuma, S., et al., Nature, 393,
272-276, 1998, Tatemoto, K., et al. Biochem. Biop
hys. Res. Commun., 251, 471-476, 1998.などに記載の
方法あるいはそれに準じる方法などに従って測定するこ
とができる。
【0050】本発明のRFRP−3および試験化合物の
本発明のレセプター蛋白質に対する結合量の測定、細胞
刺激活性の測定後述の方法またはそれらに準じた方法に
より行うことができる。試験化合物としては、例えば、
ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽
出液などがあげられ、これら化合物は新規な化合物であ
ってもよいし、公知の化合物であってもよい。上記のス
クリーニング方法を実施するには、本発明のRFRP−
3を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁するこ
とにより本発明のRFRP−3の標品を調製する。バッ
ファーには、pH約4〜10(望ましくは、pH約6〜
8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなど
の、本発明のRFRP−3と本発明のレセプター蛋白質
との反応を阻害しないバッファーであればいずれでもよ
い。例えば、上記(ii)の場合における細胞刺激活性な
どが上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好まし
くは約30%以上、より好ましくは約50%以上上昇さ
せる試験化合物を本発明のRFRP−3の細胞刺激活性
などを促進する化合物として、一方、上記(ii)の場合
における細胞刺激活性などが上記(i)の場合に比べ
て、約20%以上、好ましくは約30%以上、より好ま
しくは約50%以上阻害する試験化合物を本発明のRF
RP−3の細胞刺激活性などを阻害する化合物として選
択することができる。また、これらの試験を行う前に、
後述の「本発明のRFRP−3および試験化合物の本発
明のレセプター蛋白質に対する結合量の測定」に記載し
た〜の方法またはそれに準じた方法により試験を行
い、試験化合物が本発明のレセプター蛋白質に結合する
ことを確認することが好ましい。さらに、上記の試験化
合物が本発明のRFRP−3の活性を促進または阻害す
る化合物またはその塩であることを判断する一つの指標
としては、本発明のRFRP−3および試験化合物の本
発明のレセプター蛋白質に対する結合量と本発明のRF
RP−3の標識体との結合を阻害する活性があげられ
る。例えば,Hosoya,M. et al. Biochem. Biophys. Res.
Commun. 194(1), 133-143, 1993に記載されているよう
な結合試験系において、1×10-2M以下の濃度で標
識体の結合を10%以上阻害する試験化合物は本発明のR
FRP−3の活性を促進または阻害する化合物またはそ
の塩である可能性が高いと考えられる。但し、結合阻害
活性は標識体の結合をもとに測定した相対的な値である
ため、上記の試験化合物が本発明のRFRP−3の活性
を促進または阻害する化合物またはその塩であることを
判断する上で必須ではない。
【0051】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のRFRP−3を含有するものである。本発明のスク
リーニング用キットは本発明のRFRP−3の受容体、
即ち、本発明のレセプター蛋白質(具体的には、配列番
号:37で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその塩、
またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそ
のエステルまたはその塩)をさらに含有するものが好ま
しい。本発明のスクリーニング用キットの例としては、
次のものが挙げられる。
【0052】1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 レセプター標品 本発明のレセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、
12穴プレートに5×10個/穴で継代し、37℃、
5%CO、95%airで2日間培養したもの。 標識リガンド 市販の〔H〕、〔125I〕、〔14C〕、
35S〕などで標識した本発明のRFRP−3の水溶
液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用
時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。 リガンド標準液 本発明のRFRP−3を0.1%ウシ血清アルブミン
(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解
し、−20℃で保存する。
【0053】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセ
プター蛋白質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 10−3〜10−10Mの試験化合物溶液を5μl加
えた後、標識リガンドを5μl加え、室温にて1時間反
応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の
代わりに10−3Mのリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。 〔数1〕 PMB=[(B−NSB)/(B−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B :最大結合量 本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キ
ットを用いて得られる化合物またはその塩は、上記した
試験化合物、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド
性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物
抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物
であり、本発明のRFRP−3の活性(例、細胞刺激活
性など)を促進または阻害する化合物である。該化合物
の塩としては、前記した本発明のRFRP−3の塩と同
様のものが用いられる。
【0054】(3)本発明のRFRP−3または試験化
合物の本発明のレセプター蛋白質に対する結合量・細胞
刺激活性の測定法 本発明のレセプター蛋白質を用いるか、または組換え型
レセプター蛋白質の発現系を構築し、該発現系を用いた
レセプター結合アッセイ系を用いることによって、本発
明のレセプター蛋白質に結合して細胞刺激活性(例え
ば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
蛋白質のリン酸化、c−fos活性化、pHの低下など
を促進する活性または抑制する活性)を有する化合物
(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物など)の結合量・細胞刺激活性を
測定することができる。
【0055】該測定方法においては、本発明のレセプタ
ー蛋白質と本発明のRFRP−3または試験化合物とを
接触させた場合の、例えば、該本発明のレセプター蛋白
質に対する試験化合物の結合量や、細胞刺激活性などを
測定することを特徴とする。より具体的には、本発明
は、 標識した本発明のRFRP−3または試験化合物を、
本発明のレセプター蛋白質に接触させた場合における、
標識した本発明のRFRP−3または試験化合物の該蛋
白質に対する結合量を測定することを特徴とする測定方
法、 標識した本発明のRFRP−3または試験化合物を、
本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞または該細胞
の膜画分に接触させた場合における、標識した本発明の
RFRP−3または試験化合物の該細胞または該膜画分
に対する結合量を測定することを特徴とする測定方法、 標識した本発明のRFRP−3または試験化合物を、
本発明のレセプター蛋白質をコードするDNAを含有す
る形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現し
たレセプター蛋白質に接触させた場合における、標識し
た本発明のRFRP−3または試験化合物の該レセプタ
ー蛋白質に対する結合量を測定することを特徴とする測
定方法、 本発明のRFRP−3または試験化合物を、本発明の
レセプター蛋白質を含有する細胞に接触させた場合にお
ける、レセプター蛋白質を介した細胞刺激活性(例え
ば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を測定する
ことを特徴とする測定方法、および 本発明のRFRP−3または試験化合物を、本発明の
レセプター蛋白質をコードするDNAを含有する形質転
換体を培養することによって細胞膜上に発現したレセプ
ター蛋白質に接触させた場合における、レセプター蛋白
質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、
アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cA
MP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−f
osの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑
制する活性など)を測定することを特徴とする測定方法
を提供する。
【0056】特に、上記〜の試験を行ない、試験化
合物が本発明のレセプター蛋白質に結合することを確認
した後に、上記〜の試験を行なうことが好ましい。
まず、本測定方法に用いるレセプター蛋白質としては、
上記した本発明のレセプター蛋白質を含有するものであ
れば何れのものであってもよいが、動物細胞を用いて大
量発現させたレセプター蛋白質が適している。本発明の
レセプター蛋白質を製造するには、前述の発現方法が用
いられるが、該レセプター蛋白質をコードするDNAを
哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうこ
とが好ましい。目的とする蛋白質部分をコードするDN
A断片には、通常、相補DNAが用いられるが、必ずし
もこれに制約されるものではない。例えば、遺伝子断片
や合成DNAを用いてもよい。本発明のレセプター蛋白
質をコードするDNA断片を宿主動物細胞に導入し、そ
れらを効率よく発現させるためには、該DNA断片を昆
虫を宿主とするバキュロウイルスに属する核多角体病ウ
イルス(nuclear polyhedrosis virus;NPV)のポリ
ヘドリンプロモーター、SV40由来のプロモーター、
レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロ
モーター、ヒトヒートショックプロモーター、サイトメ
ガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターなどの
下流に組み込むのが好ましい。発現したレセプターの量
と質の検査はそれ自体公知の方法で行うことができる。
例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),267
巻,19555〜19559頁,1992年〕に記載の方法に従って行う
ことができる。したがって、該測定方法において、本発
明のレセプター蛋白質を含有するものとしては、それ自
体公知の方法に従って精製したレセプター蛋白質であっ
てもよいし、該レセプター蛋白質を含有する細胞または
その細胞膜画分を用いてもよい。
【0057】該測定方法において、本発明のレセプター
蛋白質を含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタル
アルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定
化方法はそれ自体公知の方法に従って行なうことができ
る。本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞として
は、本発明のレセプター蛋白質を発現した宿主細胞をい
うが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、昆
虫細胞、動物細胞などが用いられる。細胞膜画分として
は、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる
細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方
法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞
を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン
(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フ
レンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから
噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の
分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの
遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細
胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短
時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高
速(15000rpm〜30000rpm)で通常30
分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜
画分中には、発現したレセプター蛋白質と細胞由来のリ
ン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。該レセ
プター蛋白質を含有する細胞やその膜画分中のレセプタ
ー蛋白質の量は、1細胞当たり10〜10分子であ
るのが好ましく、10〜10分子であるのが好適で
ある。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド
結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニン
グ系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大
量の試料を測定できるようになる。上記の〜の方法
を実施するためには、適当なレセプター蛋白質画分と、
標識した試験化合物が必要である。レセプター蛋白質画
分としては、天然型のレセプター蛋白質画分か、または
それと同等の活性を有する組換え型レセプター画分など
が望ましい。ここで、同等の活性とは、同等のリガンド
結合活性、シグナル情報伝達作用などを示す。
【0058】標識した試験化合物としては、〔H〕、
125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識した
ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽
出液、血漿などから選ばれた化合物などが用いられる。
具体的には、まず本発明のレセプター蛋白質を含有する
細胞または細胞の膜画分を、決定方法に適したバッファ
ーに懸濁することによりレセプター標品を調製する。バ
ッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)
のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリ
ガンドとレセプター蛋白質との結合を阻害しないバッフ
ァーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低
減させる目的で、CHAPS、Tween−80
TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレ
ートなどの界面活性剤やウシ血清アルブミンやゼラチン
などの各種蛋白質をバッファーに加えることもできる。
さらに、プロテアーゼによるリセプターやリガンドの分
解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−64
(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアー
ゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜10
mlの該レセプター溶液に、一定量(5000cpm〜
500000cpm)の〔H〕、〔125I〕、〔
14C〕、〔35S〕などで標識した試験化合物を共存
させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰
の未標識の試験化合物を加えた反応チューブも用意す
る。反応は約0℃〜50℃、望ましくは約4℃〜37℃
で、約20分〜24時間、望ましくは約30分〜3時間
行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同
バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放
射活性を液体シンチレーションカウンターあるいはγ−
カウンターで計測する。全結合量(B)から非特異的結
合量(NSB)を引いたカウント(B−NSB)が0c
pmを越える試験化合物を本発明のRFRP−3の活性
を促進する化合物として選択することができる。
【0059】上記の〜の方法を実施するためには、
該レセプター蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、ア
ラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノ
シトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質の
リン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進
する活性または抑制する活性など)を公知の方法または
市販の測定用キットを用いて測定することができる。具
体的には、まず、レセプター蛋白質を含有する細胞をマ
ルチウェルプレート等に培養する。前もって新鮮な培地
あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換
し、本発明のRFRP−3または試験化合物などを添加
して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるい
は上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に
従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例え
ば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解
酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻
害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、cA
MP産生抑制などの活性については、フォルスコリンな
どで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対す
る産生抑制作用として検出することができる。上記測定
用キットは、本発明のレセプター蛋白質、本発明のレセ
プター蛋白質を含有する細胞、または本発明のレセプタ
ー蛋白質を含有する細胞の膜画分などを含有するもので
ある。
【0060】該測定用キットの例としては、次のものが
挙げられる。 1.測定用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター蛋白質標品 本発明のレセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、
12穴プレートに5×10個/穴で継代し、37℃、
5%CO、95%airで2日間培養したもの。 標識試験化合物 市販の〔H〕、〔125I〕、〔14C〕、
35S〕などで標識した化合物、または適当な方法で
標識化したもの 水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存
し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。水に難
溶性を示す試験化合物については、ジメチルホルムアミ
ド、DMSO、メタノール等に溶解する。 非標識試験化合物 標識化合物と同じものを100〜1000倍濃い濃度に
調製する。
【0061】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセ
プター蛋白質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 標識試験化合物を5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには非標識試験化合物
を5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識試験化合物を0.2N NaO
H−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーター
A(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定する。
【0062】(4)本発明のスクリーニング方法で得ら
れる化合物を含有する医薬 本発明のスクリーニング方法または本発明のスクリーニ
ング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、
当該化合物がプロラクチン分泌の促進作用を有する場合
はプロラクチン分泌不全に関係する各種疾患の予防およ
び治療薬に用いることができ、プロラクチン分泌の抑制
作用を有する場合はプロラクチン過剰分泌に関係する各
種疾患の予防・治療薬に用いることができる。得られる
化合物またはその塩がプロラクチン分泌の促進作用を有
する場合、該化合物またはその塩は、プロラクチン分泌
促進剤として、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆
症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不
全などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防・
治療薬として有用である。さらに、該化合物またはその
塩は、プロラクチン分泌促進作用に基づき、性欲促進作
用(フェロモン的作用)を有するため、性欲促進剤とし
ても有用である。一方、得られる化合物またはその塩が
プロラクチン分泌の抑制作用を有する場合は、プロラク
チン過剰分泌に関係する各種疾患の予防・治療薬に用い
ることができ、該化合物またはその塩は、プロラクチン
分泌抑制剤として、高プロラクチン血症、下垂体腺腫
瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プ
ロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳
汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Fro
mmel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-
del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(For
bes-Albright)症候群、乳癌、リンパ腫またはシーハン
症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関
係する各種疾患の予防・治療薬として有用である。ま
た、該化合物またはその塩は、プロラクチン分泌抑制作
用に基づいて、避妊薬としても有用である。その他、得
られる化合物またはその塩は、プロラクチン分泌機能を
調べるための検査薬としても、また、ウシ、ヤギ、ブタ
などの哺乳動物の乳汁の分泌促進剤などの動物薬として
も有用であり、さらには該哺乳動物体内で有用物質を生
産させ、これをその乳汁中への分泌することによる有用
物質生産などへの応用も期待される。さらにまた、得ら
れる化合物またはその塩は、胎盤機能調節作用を有する
ため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育
不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防
・治療薬としても有用である。上記スクリーニング方法
またはスクリーニングキットを用いて得られる化合物ま
たはその塩のプロラクチン分泌調節活性については、Ne
uroendocrinology, 62巻 1995年 198-206頁、または、N
euroscience Letters 203巻 1996年 164-170頁などに記
載の方法またはそれに準じた方法により行うことがで
き、後述の実施例に記載した方法で行うことが望まし
い。さらに、本発明のRFRP−3の活性を促進する化
合物は痛覚障害の予防・治療薬として有用である。一
方、本発明のRFRP−3の活性を阻害する化合物は鎮
痛薬として有用である。
【0063】得られる化合物またはその塩を前述の医薬
または動物薬として使用する場合は、常套手段に従って
実施すればよい。例えば、必要に応じて糖衣を施した錠
剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤な
どとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学
的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤など
の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該化合
物またはその塩を生理学的に認められる担体、香味剤、
賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などととも
に一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態
で混和することによって製造することができる。これら
製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量
が得られるようにするものである。
【0064】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結
晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラ
チン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マ
グネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカ
リンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油または
チェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形
態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさら
に油脂のような液状担体を含有することができる。注射
のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活
性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油な
どを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にした
がって処方することができる。注射用の水性液として
は、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を
含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニト
ール、塩化ナトリウムなど)などが挙げられ、適当な溶
解補助剤、例えばアルコール(例えば、エタノール)、
ポリアルコール(例えばプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例えばポ
リソルベート80(TM)、HCO−50)などと併用
してもよい。油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげ
られ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルア
ルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例え
ば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに無
菌的に充填される。このようにして得られる製剤は安全
で低毒性であるので、例えば哺乳動物(例えば、ヒト、
マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、
ウシ、ネコ、イヌ、サル、マントヒヒ、チンパンジーな
ど)に対して投与することができる。得られる化合物ま
たはその塩の投与量は、症状などにより差異はあるが、
経口投与する場合、一般的に成人の甲状腺機能低下症患
者(体重60kgに対し)においては、一日につき通常
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、
より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に
投与する場合は、その1回の投与量は投与対象、症状、
投与方法などによっても異なるが、例えば注射剤の形で
は成人の甲状腺機能低下症患者(体重60kgに対し)
においては、一日につき通常約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与すれば
よい。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算し
た量を投与することができる。
【0065】(5)本発明の抗体を用いるRFRP−3
の定量 本発明の抗体は、本発明のRFRP−3を特異的に認識
することができるので、被検液中の本発明のRFRP−
3の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量など
に使用することができる。すなわち、本発明は、(i)
本発明の抗体と、被検液および標識化された本発明のR
FRP−3とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標
識化された本発明のRFRP−3の割合を測定すること
を特徴とする被検液中の本発明のRFRP−3の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のR
FRP−3の定量法を提供する。
【0066】上記(ii)の定量法においては、一方の抗
体が本発明のRFRP−3のN端部を認識する抗体で、
他方の抗体が本発明のRFRP−3のC端部に反応する
抗体であることが望ましい。また、本発明のRFRP−
3に対するモノクローナル抗体を用いて本発明のRFR
P−3の定量を行うことができるほか、組織染色等によ
る検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体
分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(a
b')、Fab'、あるいはFab画分を用いてもよ
い。本発明の抗体を用いる本発明のRFRP−3の定量
法は、 特に制限されるべきものではなく、被測定液中
の抗原量(例えば、RFRP−3量)に対応した抗体、
抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理
的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液
を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれ
ば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメ
トリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッ
チ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述
するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
【0067】標識物質を用いる測定法に用いられる標識
剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物
質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素として
は、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔H〕、
14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定
で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラク
トシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファ
ターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが
用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカ
ミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いら
れる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノ
ール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。抗原あるいは
抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、ま
た通常ペプチドあるいは酵素等を不溶化、固定化するの
に用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体とし
ては、アガロース、デキストラン、セルロースなどの不
溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリ
コン等の合成樹脂、あるいはガラス等があげられる。サ
ンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノクロー
ナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識
化した別の本発明のモノクローナル抗体を反応させ(2
次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定す
ることにより被検液中の本発明のRFRP−3量を定量
することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行
っても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして
行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記の
それらに準じることができる。また、サンドイッチ法に
よる免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗
体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はな
く、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体
の混合物を用いてもよい。
【0068】本発明のサンドイッチ法による本発明のR
FRP−3の測定法においては、1次反応と2次反応に
用いられる本発明のモノクローナル抗体は、本発明のR
FRP−3の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用
いられる。すなわち、1次反応および2次反応に用いら
れる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本
発明のRFRP−3のC端部を認識する場合、1次反応
で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN
端部を認識する抗体が用いられる。本発明のモノクロー
ナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例え
ば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリ
ーなどに用いることができる。競合法では、被検液中の
抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたの
ち、未反応の標識抗原(F)と、抗体と結合した標識抗
原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの
標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応
法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポ
リエチレングリコール、前記抗体に対する第2抗体など
を用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を
用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第
2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられ
る。イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化
抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後
固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と
過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加
え未反応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と
液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し
被検液中の抗原量を定量する。また、ネフロメトリーで
は、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた
不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅
かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザ
ーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適
に用いられる。
【0069】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のRFRP−3の測定系を構築すればよい。これらの
一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを
参照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイ
ムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛
編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D : Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E : M
onoclonal Antibodies and General Immunoassay Metho
ds))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Par
t I : Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodi
es))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のRFRP−3を感度良く定量
することができる。
【0070】さらには、本発明の抗体を用いて本発明の
RFRP−3の濃度を定量することによって、本発明の
RFRP−3の濃度異常が検出された場合、例えば、卵
巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、
乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全、高プロラクチ
ン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレ
ス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポ
テンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フ
ロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル
・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベ
ス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌、
リンパ腫、シーハン症候群、精子形成異常などのプロラ
クチン分泌に関係する疾病または痛覚障害である、また
は将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存
在する本発明のRFRP−3を検出するために使用する
ことができる。また、本発明のRFRP−3を精製する
ために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の
本発明のRFRP−3の検出、被検細胞内における本発
明のRFRP−3の挙動の分析などのために使用するこ
とができる。
【0071】(6)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)における本発明のRF
RP−3をコードするDNAまたはmRNAの異常(遺
伝子異常)を検出することができるので、例えば、該D
NAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下
や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多な
どの遺伝子診断剤として有用である。本発明のDNAを
用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知のノーザ
ンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノ
ミックス(Genomics),第5巻,874〜879頁(1
989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエス
エー(Proceedings ofthe National Academy of Scienc
es of the United States of America),第86巻,2
766〜2770頁(1989年))などにより実施す
ることができる。例えば、ノーザンハイブリダイゼーシ
ョンにより発現異常が検出された場合は、 例えば、卵
巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、
乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全、高プロラクチ
ン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレ
ス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポ
テンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フ
ロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル
・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベ
ス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌、
リンパ腫またはシーハン症候群、精子形成異常などのプ
ロラクチン分泌に関係する疾病または痛覚障害である、
または将来罹患する可能性が高いと診断することができ
る。
【0072】(7)アンチセンスDNAを含有する医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができるアンチセンスDNAは、例えば、前
記したプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防・治
療薬、鎮痛薬として有用である。例えば、該アンチセン
スDNAを用いる場合、該アンチセンスDNAを単独あ
るいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター
などの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って
実施することができる。該アンチセンスDNAは、その
ままで、あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学
的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイ
ドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与で
きる。製剤化は、前記した本発明のRFRP−3を含有
する医薬と同様に行うことができる。本発明のアンチス
ンスDNAの投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投
与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般
的に例えば、不妊症患者(60kgとして)において
は、一日につき約0.1mg〜100mg、好ましくは
約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20m
gである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量
は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても
異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、高プロ
ラクチン血症患者(60kgとして)においては、一日
につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1
〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程
度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動
物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与するこ
とができる。さらに、該アンチセンスDNAは、組織や
細胞における本発明のDNAの存在やその発現状況を調
べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使
用することもできる。
【0073】(8)本発明の抗体を含有する医薬 本発明のRFRP−3の活性を中和する作用を有する本
発明の抗体は、例えば、前記したプロラクチン分泌に関
係する各種疾患の予防・治療薬、鎮痛薬として有用であ
る。本発明の抗体を含有する上記疾患の治療・予防剤
は、そのまま液剤として、または適当な剤型の医薬組成
物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して
経口的または非経口的に投与することができる。投与量
は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっ
ても異なるが、例えば、成人の高プロラクチン血症患者
の治療・予防のために使用する場合には、本発明の抗体
を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程
度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さら
に好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1
〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射に
より投与するのが好都合である。他の非経口投与および
経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができ
る。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量し
てもよい。本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬
組成物として投与することができる。上記投与に用いら
れる医薬組成物は、上記またはその塩と薬理学的に許容
され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものであ
る。かかる組成物は、経口または非経口投与に適する剤
形として提供される。すなわち、例えば、経口投与のた
めの組成物としては、固体または液体の剤形、具体的に
は錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸
剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含
む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。か
かる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤分
野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤
を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤
としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネ
シウムなどが用いられる。
【0074】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方
法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射
剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁
または乳化することによって調製する。注射用の水性液
としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補
助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ま
しくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有し
てもよい。
【0075】(9)DNA転移動物 本発明は、外来性の本発明のRFRP−3をコードする
DNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)また
はその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記す
る場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。す
なわち、本発明は、 (1)本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有
する非ヒト哺乳動物、 (2)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)記載
の動物、 (3)ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第(2)
記載の動物、および (4)本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを含
有し、哺乳動物において発現しうる組換えベクターを提
供するものである。 本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非
ヒト哺乳動物(以下、本発明のDNA転移動物と略記す
る)は、未受精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を
含む胚芽細胞などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動
物の発生における胚発生の段階(さらに好ましくは、単
細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以
前)に、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェ
クション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パ
ーティクルガン法、DEAE−デキストラン法などによ
り目的とするDNAを転移することによって作出するこ
とができる。また、該DNA転移方法により、体細胞、
生体の臓器、組織細胞などに目的とする本発明の外来性
DNAを転移し、細胞培養、組織培養などに利用するこ
ともでき、さらに、これら細胞を上述の胚芽細胞と自体
公知の細胞融合法により融合させることにより本発明の
DNA転移動物を作出することもできる。非ヒト哺乳動
物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサ
ギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラ
ットなどが用いられる。なかでも、病体動物モデル系の
作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短
く、また、繁殖が容易なゲッ歯動物、とりわけマウス
(例えば、純系として、C57BL/6系統,DBA2
系統など、交雑系として、B6C3F系統,BDF
系統,B6D2F系統,BALB/c系統,ICR系
統など)またはラット(例えば、Wistar,SDな
ど)などが好ましい。哺乳動物において発現しうる組換
えベクターにおける「哺乳動物」としては、上記の非ヒ
ト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
【0076】本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動
物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん
哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩
基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、
具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換など
が生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含
まれる。該異常DNAとしては、異常な本発明のRFR
P−3を発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本
発明のRFRP−3の機能を抑制するRFRP−3を発
現させるDNAなどが用いられる。本発明の外来性DN
Aは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺
乳動物由来のものであってもよい。本発明のDNAを対
象動物に転移させるにあたっては、該DNAを動物細胞
で発現させうるプロモーターの下流に結合したDNAコ
ンストラクトとして用いるのが一般に有利である。例え
ば、本発明のヒトDNAを転移させる場合、これと相同
性が高い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例え
ば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラ
ット、マウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プ
ロモーターの下流に、本発明のヒトDNAを結合したD
NAコンストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動
物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェ
クションすることによって本発明のDNAを高発現する
DNA転移哺乳動物を作出することができる。
【0077】本発明のRFRP−3の発現ベクターとし
ては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミ
ド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリ
オファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィ
ルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなど
の動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由
来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由
来のプラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDN
A発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、
ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイル
ス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイ
ルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモ
ーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の
プロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、
ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、
エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸
性タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、
血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK
14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAM
P依存タンパク質キナーゼβIサブユニット、ジストロ
フィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房
ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナー
ゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウム
アデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPas
e)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインI
およびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビタ
ー、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レ
ニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダ
ーゼ(TPO)、ペプチド鎖延長因子1α(EF−1
α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン
軽鎖1および2、ミエリン基礎タンパク質、チログロブ
リン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VN
P)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビ
ン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケ
ファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用
いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサ
イトメガロウイルスプロモーター、ヒトペプチド鎖延長
因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよびニ
ワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。上記
ベクターは、DNA転移哺乳動物において目的とするメ
ッセンジャーRNAの転写を終結する配列(一般にター
ミネターと呼ばれる)を有していることが好ましく、例
えば、ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各DNA
の配列を用いることができ、好ましくは、シミアンウイ
ルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
【0078】その他、目的とする外来性DNAをさらに
高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナ
ル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部
などをプロモーター領域の5’上流、プロモーター領域
と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3’下流 に連結する
ことも目的により可能である。正常な本発明のRFRP
−3の翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、
ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラッ
ト、マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維
芽細胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブ
ラリーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、ま
たは肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAよ
り公知の方法により調製された相補DNAを原料として
取得することが出来る。また、外来性の異常DNAは、
上記の細胞または組織より得られた正常なRFRP−3
の翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域
を作製することができる。該翻訳領域は転移動物におい
て発現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロ
モーターの下流および所望により転写終結部位の上流に
連結させる通常のDNA工学的手法により作製すること
ができる。受精卵細胞段階における本発明の外来性DN
Aの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のす
べてに存在するように確保される。DNA転移後の作出
動物の胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在
することは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞お
よび体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持する
ことを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこ
の種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべて
に本発明の外来性DNAを有する。本発明の外来性正常
DNAを転移させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来
性DNAを安定に保持することを確認して、該DNA保
有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来
る。受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転
移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過
剰に存在するように確保される。DNA転移後の作出動
物の胚芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存
在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞およ
び体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有する
ことを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこ
の種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに
本発明の外来性DNAを過剰に有する。導入DNAを相
同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、こ
の雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該D
NAを過剰に有するように繁殖継代することができる。
【0079】本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に
本発明のRFRP−3の機能亢進症を発症することがあ
り、その病態モデル動物として利用することができる。
例えば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、本発明
のRFRP−3の機能亢進症や、本発明のRFRP−3
が関連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の
治療方法の検討を行なうことが可能である。また、本発
明の外来性正常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離し
た本発明のRFRP−3の増加症状を有することから、
本発明のRFRP−3に関連する疾患に対する治療薬の
スクリーニング試験にも利用可能である。一方、本発明
の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配に
より外来性DNAを安定に保持することを確認して該D
NA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育すること
が出来る。さらに、目的とする外来DNAを前述のプラ
スミドに組み込んで原科として用いることができる。プ
ロモーターとのDNAコンストラク卜は、通常のDNA
工学的手法によって作製することができる。受精卵細胞
段階における本発明の異常DNAの転移は、対象哺乳動
物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保
される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本
発明の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が
全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常D
NAを有することを意味する。本発明の外来性DNAを
受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および
体細胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DN
Aを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得
し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫
が該DNAを有するように繁殖継代することができる。
【0080】本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に
本発明のRFRP−3の機能不活性型不応症となること
があり、その病態モデル動物として利用することができ
る。例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、本
発明のRFRP−3の機能不活性型不応症の病態機序の
解明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可
能である。また、具体的な利用可能性としては、本発明
の異常DNA高発現動物は、本発明のRFRP−3の機
能不活性型不応症における本発明の異常RFRP−3に
よる正常RFRP−3の機能阻害(dominant negative
作用)を解明するモデルとなる。また、本発明の外来異
常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のR
FRP−3の増加症状を有することから、本発明のRF
RP−3または機能不活性型不応症に対する治療薬スク
リーニング試験にも利用可能である。また、上記2種類
の本発明のDNA転移動物のその他の利用可能性とし
て、例えば、 組織培養のための細胞源としての使用、 本発明のDNA転移動物の組織中のDNAもしくはR
NAを直接分析するか、またはDNAにより発現された
ペプチド組織を分析することによる、本発明のRFRP
−3により特異的に発現あるいは活性化するペプチドと
の関連性についての解析、 DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異RFRP−3を単離精製およびその抗体
作製などが考えられる。
【0081】さらに、本発明のDNA転移動物を用い
て、本発明のRFRP−3の機能不活性型不応症などを
含む、本発明のRFRP−3に関連する疾患の臨床症状
を調べることができ、また、本発明のRFRP−3に関
連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的
所見が得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾
患による二次的疾患の研究および治療に貢献することが
できる。また、本発明のDNA転移動物から各臓器を取
り出し、細切後、トリプシンなどのタンパク質分解酵素
により、遊離したDNA転移細胞の取得、その培養また
はその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。さ
らに、本発明のRFRP−3産生細胞の特定化、アポト
ーシス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらに
おけるシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べる
ことなどができ、本発明のRFRP−3およびその作用
解明のための有効な研究材料となる。さらに、本発明の
DNA転移動物を用いて、本発明のRFRP−3の機能
不活性型不応症を含む、本発明のRFRP−3に関連す
る疾患の治療薬の開発を行なうために、上述の検査法お
よび定量法などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬の
スクリーニング法を提供することが可能となる。また、
本発明のDNA転移動物または本発明の外来性DNA発
現ベクターを用いて、本発明のRFRP−3が関連する
疾患のDNA治療法を検討、開発することが可能であ
る。
【0082】(10)ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された第(1)項記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である第(1)項記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)項記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである第(4)項記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAがレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる第(6)項記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(6)項記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
第(8)項記載の非ヒト哺乳動物、および(10)第
(7)項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポータ
ー遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のD
NAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0083】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの
発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしてい
る本発明のRFRP−3の活性を実質的に喪失させるこ
とにより、DNAが実質的に本発明のRFRP−3の発
現能を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと
称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、
ES細胞と略記する)をいう。非ヒト哺乳動物として
は、前記と同様のものが用いられる。本発明のDNAに
人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工
学的手法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他
DNAを挿入または置換させることによって行なうこと
ができる。これらの変異により、例えば、コドンの読み
取り枠をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの
機能を破壊することにより本発明のノックアウトDNA
を作製すればよい。
【0084】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレ
ポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能
を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に
遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、polyA
付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャーR
NAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子
を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖
(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例
えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得ら
れたES細胞について本発明のDNA上あるいはその近
傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼ
ーション解析あるいはターゲッティングベクター上のD
NA配列とターゲッティングベクター作製に使用した本
発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマー
としたPCR法により解析し、本発明のノックアウトE
S細胞を選別することにより得ることができる。また、
相同組換え法等により本発明のDNAを不活化させる元
のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立さ
れたものを用いてもよく、また公知 EvansとKaufmaの方
法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウ
スのES細胞の場合、現在、一般的には129系のES
細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりして
いないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景
が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C
57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさ
をDBA/2との交雑により改善したBDFマウス
(C57BL/6とDBA/2とのF)を用いて樹立
したものなども良好に用いうる。BDFマウスは、採
卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加え
て、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用
いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したと
き、C57BL/6マウスとバッククロスすることでそ
の遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可
能である点で有利に用い得る。また、ES細胞を樹立す
る場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用する
が、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して
用いることにより効率よく多数の初期胚を取得すること
ができる。また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよい
が、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出する
のに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減するた
めにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望まし
い。
【0085】ES細胞の雌雄の判定方法としては、例え
ば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を
増幅、検出する方法が、その1例としてあげることがで
きる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするの
に約10個の細胞数を要していたのに対して、1コロ
ニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初
期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別
で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能
にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バン
ディング法による染色体数の確認等により行うことがで
きる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%
が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な
場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常
細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である
細胞)に再びクローニングすることが望ましい。このよ
うにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変
良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深
く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維
芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1〜
10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましく
は、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭
酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法
で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA
溶液(通常0.001〜0.5%トリプシン/0.1〜5
mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1m
M EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意した
フィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。この
ような継代は、通常1〜3日毎に行なうが、この際に細
胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場
合はその培養細胞は放棄することが望まれる。ES細胞
は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養する
か、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することに
より、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞
に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H.
Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981
年;G. R. Martin プロシーディングス・オブ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第78巻、7634頁、1
981年;T. C. Doetschmanら、ジャーナル・オブ・エン
ブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォ
ロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を
分化させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、イ
ンビトロにおける本発明のRFRP−3または本発明の
レセプター蛋白質の細胞生物学的検討において有用であ
る。
【0086】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間
接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区
別することが可能である。該非ヒト哺乳動物としては、
前記と同様のものが用いられる。本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製し
たターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマ
ウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベク
ターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺
伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵
細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換
えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウト
させることができる。本発明のDNAがノックアウトさ
れた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA
配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解
析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、
ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発
明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマー
としたPCR法による解析で判定することができる。非
ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換
えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をク
ローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞
期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製した
キメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植
する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ
細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞と
の両者から構成されるキメラ動物である。該キメラ動物
の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場
合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することに
より得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を
加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体
を、例えば、コートカラーの判定等により選別すること
により得られる。このようにして得られた個体は、通
常、本発明のRFRP−3のヘテロ発現不全個体であ
り、本発明のRFRP−3または本発明のレセプター蛋
白質のヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔
から本発明のRFRP−3または本発明のレセプター蛋
白質のホモ発現不全個体を得ることができる。
【0087】卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞
核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入
することによりターゲッティングベクターを染色体内に
導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ること
ができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に
比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変
異のあるものを選択することにより得られる。このよう
にして本発明のDNAがノックアウトされている個体
は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックア
ウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継
代を行なうことができる。さらに、生殖系列の取得およ
び保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活
化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、
該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴー
ト動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、
母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数に
なるような状態で飼育することにより効率的に得ること
ができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配すること
により、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよび
ヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。本発明のDNA
が不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明の
DNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に
有用である。また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物は、本発明のRFRP−3または本発明のレセプタ
ー蛋白質により誘導され得る種々の生物活性を欠失する
ため、本発明のRFRP−3または本発明のレセプター
蛋白質の生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデル
となり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療法の
検討に有用である。
【0088】(10a)本発明のDNAの欠損や損傷な
どに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合
物のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予
防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることが
できる。すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を
観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠
損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を
有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供
する。該スクリーニング方法において用いられる本発明
のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様
のものがあげられる。試験化合物としては、例えば、ペ
プチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、
発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出
液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物
であってもよいし、公知の化合物であってもよい。具体
的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試
験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物
の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試
験化合物の治療・予防効果を試験することができる。試
験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、
経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、
試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することがで
きる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化
合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
【0089】例えば、プロラクチン分泌不全に関係する
各種疾患(例、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆
症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不
全など)やプロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患
(例、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、
月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノー
マ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端
肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候
群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castil
o)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albrig
ht)症候群、乳癌、リンパ腫またはシーハン症候群また
は精子形成異常など)、痛覚障害などに対して治療・予
防効果を有する化合物をスクリーニングする場合、本発
明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与
し、該動物の血液中のプロラクチン分泌量などを経時的
に測定する。
【0090】該スクリーニング方法において、試験動物
に試験化合物を投与した場合、該試験動物のプロラクチ
ン分泌量が約10%以上、好ましくは約30%以上、よ
り好ましくは約50%以上変化した場合、該試験化合物
を上記の疾患に対して治療・予防効果を有する化合物と
して選択することができる。該スクリーニング方法を用
いて得られる化合物は、上記した試験化合物から選ばれ
た化合物であり、本発明のRFRP−3の欠損や損傷な
どによって引き起こされる疾患に対して治療・予防効果
を有するので、該疾患に対する安全で低毒性な治療・予
防剤などの医薬として使用することができる。さらに、
上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化
合物も同様に用いることができる。該スクリーニング方
法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合
物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機
酸、有機酸など)や塩基(例、アルカリ金属など)など
との塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付
加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。該ス
クリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有
する医薬は、前記した本発明のRFRP−3を含有する
医薬と同様にして製造することができる。このようにし
て得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、
ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモ
ット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。該化合
物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与
ルートなどにより差異はあるが、例えば、該化合物を経
口投与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)
の甲状腺機能低下症患者においては、一日につき該化合
物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50
mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非
経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与
対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、該化
合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)の甲状
腺機能低下症患者に投与する場合、一日につき該化合物
を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜2
0mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を
静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の
場合も、60kg当たりに換算した量を投与することが
できる。
【0091】(10b)本発明のDNAに対するプロモ
ーターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニ
ング方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる
ものが用いられる。試験化合物としては、前記と同様の
ものがあげられる。レポーター遺伝子としては、前記と
同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子
またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。本発明
のDNAをレポーター遺伝子で置換された本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本
発明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在する
ので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレ
ースすることにより、プロモーターの活性を検出するこ
とができる。例えば、本発明のRFRP−3をコードす
るDNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダー
ゼ遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、本発
明のRFRP−3の発現する組織で、本発明のRFRP
−3の代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従っ
て、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル
−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−
ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色するこ
とにより、簡便に本発明のRFRP−3の動物生体内に
おける発現状態を観察することができる。具体的には、
本発明のRFRP−3欠損マウスまたはその組織切片を
グルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩
液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室
温または37℃付近で、約30分ないし1時間反応させ
た後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄
することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止さ
せ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lac
ZをコードするmRNAを検出してもよい。上記スクリ
ーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、
上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明
のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害す
る化合物である。該スクリーニング方法で得られた化合
物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、
生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基
(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生
理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩と
しては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化
水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、
酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コ
ハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との
塩などが用いられる。
【0092】本発明のDNAに対するプロモーター活性
を促進する化合物またはその塩は、本発明のRFRP−
3の発現を促進し、該RFRP−3の機能を促進するこ
とができるので、例えば、プロラクチン分泌不全に関係
する各種疾患の予防および治療薬に用いることができ、
プロラクチン分泌促進剤として、卵巣機能低下症、精嚢
発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状
腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に関係する
各種疾患または痛覚障害の予防・治療薬として有用であ
る。さらに、該化合物またはその塩は、プロラクチン分
泌促進作用に基づき、性欲促進作用(フェロモン的作
用)を有するため、性欲促進剤としても有用である。ま
た、本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害す
る化合物またはその塩は、本発明のRFRP−3の発現
を阻害し、該RFRP−3の機能を阻害することができ
るので、例えば、プロラクチン過剰分泌に関係する各種
疾患の予防・治療薬に用いることができ、プロラクチン
分泌抑制剤として、高プロラクチン血症、下垂体腺腫
瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プ
ロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳
汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Fro
mmel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-
del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(For
bes-Albright)症候群、乳癌、リンパ腫またはシーハン
症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関
係する各種疾患の予防・治療薬として有用である。ま
た、該化合物またはその塩は、プロラクチン分泌抑制作
用に基づいて、避妊薬としても有用である。さらに、該
化合物またはその塩は、鎮痛薬としても有用である。そ
の他、上記スクリーニング方法で得られる化合物または
その塩は、プロラクチン分泌機能を調べるための検査薬
としても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの哺乳動物の乳
汁の分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さら
には該哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその
乳汁中への分泌することによる有用物質生産などへの応
用も期待される。さらにまた、上記スクリーニング方法
で得られる化合物またはその塩は、胎盤機能調節作用を
有するため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児
の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発
の予防・治療薬としても有用である。さらに、上記スク
リーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同
様に用いることができる。
【0093】該スクリーニング方法で得られた化合物ま
たはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のRFR
P−3またはその塩を含有する医薬と同様にして製造す
ることができる。このようにして得られる製剤は、安全
で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例
えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、
ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異は
あるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成
人(体重60kgとして)の甲状腺機能低下症患者にお
いては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、
好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.
0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該
化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによって
も異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモー
ター活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(6
0kgとして)の甲状腺機能低下症患者に投与する場
合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。一方、例えば、本発明
のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物を
経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgとし
て)の高プロラクチン血症患者においては、一日につき
該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0
〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与す
る。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量
は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例え
ば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害す
る化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)の
高プロラクチン血症患者に投与する場合、一日につき該
化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.
1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg
程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の
動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与する
ことができる。このように、本発明のDNA発現不全非
ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対するプロモーター
の活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスク
リーニングする上で極めて有用であり、本発明のDNA
発現不全に起因する各種疾患の原因究明または予防・治
療薬の開発に大きく貢献することができる。また、本発
明のRFRP−3のプロモーター領域を含有するDNA
を使って、その下流に種々のタンパクをコードする遺伝
子を連結し、これを動物の卵細胞に注入していわゆるト
ランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作成すれ
ば、特異的にそのRFRP−3を合成させ、その生体で
の作用を検討することも可能となる。さらに上記プロモ
ーター部分に適当なレポータ遺伝子を結合させ、これが
発現するような細胞株を樹立すれば、本発明のRFRP
−3そのものの体内での産生能力を特異的に促進もしく
は抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用
できる。
【0094】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン I :イノシン R :アデニン(A)またはグアニン(G) Y :チミン(T)またはシトシン(C) M :アデニン(A)またはシトシン(C) K :グアニン(G)またはチミン(T) S :グアニン(G)またはシトシン(C) W :アデニン(A)またはチミン(T) B :グアニン(G)、グアニン(G)またはチミン(T) D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T) V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C) N :アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)もしく はチミン(T)または不明もしくは他の塩基 RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム BHA :ベンズヒドリルアミン pMBHA :p−メチルベンズヒドリルアミン Tos :p−トルエンスルフォニル Bzl :ベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Boc :t−ブチルオキシカルボニル DCM :ジクロロメタン HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA :トリフルオロ酢酸 DIEA :ジイソプロピルエチルアミン Gly :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 BHA :ベンズヒドリルアミン pMBHA :p−メチルベンズヒドリルアミン Tos :p−トルエンスルフォニル Bzl :ベンジル OcHex :シクロヘキシルエステル Boc :t−ブチルオキシカルボニル DCM :ジクロロメタン HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA :トリフルオロ酢酸 DIEA :ジイソプロピルエチルアミン
【0095】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕後述の参考例1で得られた本発明のポ
リペプチドのアミノ酸配列(ヒト型)を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を含有する本発明のポリペプチドをコードするDNA
の塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕後述の参考例1で用いられるプライマ
ーF5の塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕後述の参考例1で用いられるプライマ
ーF6の塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕後述の参考例1で用いられるプライマ
ーF1の塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕後述の参考例1で用いられるプライマ
ーR5の塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕後述の参考例3で用いられるプライマ
ーhR1の塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕後述の参考例3で得られた本発明のポ
リペプチドのアミノ酸配列(ヒト型)を示す。 〔配列番号:9〕配列番号:8で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のポリペプチドをコードするDNAの
塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕後述の参考例4で用いられるプライ
マーbF6の塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕後述の参考例4で用いられるプライ
マーbF7の塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕後述の参考例4で用いられるプライ
マーbR6の塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕後述の参考例4で用いられるプライ
マーbR7の塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕後述の参考例4で得られた本発明の
ポリペプチドのアミノ酸配列(ウシ型)を示す。 〔配列番号:15〕配列番号:14で表わされるアミノ
酸配列を含有する本発明のポリペプチドをコードするD
NAの塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕後述の参考例5で用いられるプライ
マーrLPR1の塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕後述の参考例5で用いられるプライ
マーrLPF1の塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕後述の参考例5で得られた本発明の
ポリペプチドのアミノ酸配列(ラット型)を示す(リク
ローニング前)。 〔配列番号:19〕配列番号:18で表わされるアミノ
酸配列を含有する本発明のポリペプチドをコードするD
NAの塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕RFGK配列をコードする塩基配列
を示す。 〔配列番号:21〕RFGR配列をコードする塩基配列
を示す。 〔配列番号:22〕RSGK配列をコードする塩基配列
を示す。 〔配列番号:23〕RSGR配列をコードする塩基配列
を示す。 〔配列番号:24〕RLGK配列をコードする塩基配列
を示す。 〔配列番号:25〕RLGR配列をコードする塩基配列
を示す。 〔配列番号:26〕後述の参考例6で用いられるプライ
マーFF2の塩基配列を示す。 〔配列番号:27〕後述の参考例6で用いられるプライ
マーrR4の塩基配列を示す。 〔配列番号:28〕後述の参考例6で用いられるプライ
マーmF1の塩基配列を示す。 〔配列番号:29〕後述の参考例6で用いられるプライ
マーmF3の塩基配列を示す。 〔配列番号:30〕後述の参考例6で用いられるプライ
マーmR1の塩基配列を示す。 〔配列番号:31〕後述の参考例6で用いられるプライ
マーmoFの塩基配列を示す。 〔配列番号:32〕後述の参考例6で用いられるプライ
マーmoRの塩基配列を示す。 〔配列番号:33〕後述の参考例6で得られた本発明の
ポリペプチドのアミノ酸配列(マウス型)を示す。 〔配列番号:34〕配列番号:33で表わされるアミノ
酸配列を含有する本発明のポリペプチドをコードするD
NAの塩基配列を示す。 〔配列番号:35〕後述の参考例7で得られたラット脳
幹周辺部由来新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質rO
T7T022LをコードするcDNAをクローニングす
るために使用したプライマー1の塩基配列を示す。 〔配列番号:36〕後述の参考例7で得られたラット脳
幹周辺部由来新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質rO
T7T022LをコードするcDNAをクローニングす
るために使用したプライマー2の塩基配列を示す。 〔配列番号:37〕後述の参考例7で得られたラット脳
幹周辺部由来新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質rO
T7T022Lのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:38〕後述の参考例7で得られたラット脳
幹周辺部由来新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質rO
T7T022LをコードするcDNAの塩基配列を示
す。 〔配列番号:39〕後述の参考例7(3)で得られたペ
プチドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:40〕後述の参考例7(4)で得られたペ
プチドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:41〕後述の参考例7(5)で得られたペ
プチドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:42〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第81番目(Met)〜第92番目(Phe)のアミノ
酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示
す。 〔配列番号:43〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のア
ミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を
示す。 〔配列番号:44〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第124番目(Val)〜第131番目(Phe)のア
ミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を
示す。 〔配列番号:45〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第1番目(Met)〜第92番目(Phe)のアミノ酸
配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:46〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の、第1番目(Met)〜第112番目(Ser)のアミ
ノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示
す。 〔配列番号:47〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の、第1番目(Met)〜第131番目(Phe)のアミ
ノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示
す。 〔配列番号:48〕参考例5で用いられたプライマーra
tF2の塩基配列を示す。 〔配列番号:49〕参考例5で用いられたプライマーra
tRの塩基配列を示す。 〔配列番号:50〕後述の参考例5で得られた本発明の
ポリペプチドのアミノ酸配列(ラット型)を示す(リク
ローニング後)。 〔配列番号:51〕配列番号:50で表わされるアミノ
酸配列を含有する本発明のポリペプチドをコードするD
NAの塩基配列を示す。 〔配列番号:52〕参考例9で用いられたプライマーbF
Fの塩基配列を示す。 〔配列番号:53〕参考例9で用いられたプライマーbF
Rの塩基配列を示す。 〔配列番号:54〕参考例11で得られたhOT7T0
22で表されるタンパク質(ポリペプチド)をコードす
るアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:55〕配列番号:54で表されるアミノ酸
配列を含有するhOT7T022で表されるタンパク質
(ポリペプチド)をコードするDNAの塩基配列を示
す。 〔配列番号:56〕配列番号:54で表されるアミノ酸
配列を含有するhOT7T022で表されるタンパク質
(ポリペプチド)をコードするDNAの塩基配列を示
す。 〔配列番号:57〕参考例11で用いられたプライマー
1の塩基配列を示す。 〔配列番号:58〕参考例11で用いられたプライマー
2の塩基配列を示す。 〔配列番号:59〕実施例A4で用いられたプライマー
#1の塩基配列を示す。 〔配列番号:60〕実施例A4で用いられたプライマー
#2の塩基配列を示す。 〔配列番号:61〕実施例A4で用いられたプライマー
#3の塩基配列を示す。 〔配列番号:62〕実施例A4で用いられたプライマー
#4の塩基配列を示す。 〔配列番号:63〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)のア
ミノ酸配列を含有するペプチドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:64〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)のア
ミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を
示す。 〔配列番号:65〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第101番目(Ser)〜第131番目(Phe)のア
ミノ酸配列を含有するペプチドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:66〕配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第101番目(Ser)〜第131番目(Phe)のア
ミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を
示す。 〔配列番号:67〕配列番号:14で表わされるアミノ
酸配列の第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)の
アミノ酸配列を含有するペプチドのアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:68〕配列番号:14で表わされるアミノ
酸配列の第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)の
アミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列
を示す。 〔配列番号:69〕配列番号:1または配列番号:12
で表わされるアミノ酸配列の第127番目(Leu)〜第
131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有するペプチ
ド:RFRP−3(5)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:70〕配列番号:1または配列番号:12
で表わされるアミノ酸配列の第126番目(Asn)〜第
131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有するペプチ
ド:RFRP−3(6)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:71〕配列番号:1または配列番号:12
で表わされるアミノ酸配列の第125番目(Pro)〜第
131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有するペプチド
RFRP−3(7)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:72〕配列番号:1または配列番号:12
で表わされるアミノ酸配列の第124番目(Val)〜第
131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有するペプチド
RFRP−3(8)のアミノ酸配列を示す。
【0096】後述の参考例2で得られた形質転換体 Esc
herichia coli JM109/phRF1 は、1999年4月14
日から日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第
6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技
術総合研究所 特許生物寄託センター(旧:通商産業省
工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH))に寄
託番号FERM BP−6702として、財団法人発酵
研究所(IFO)に1999年3月5日から寄託番号 IFO 162
65として寄託されている。後述の参考例7で得られた形
質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)DH
10B/pAK−rOT022Lは、1998年11月
2日から独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄
託センター(旧NIBH)に寄託番号FERM BP−
6558として、1998年10月16日から財団法人
・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16211
として寄託されている。後述の参考例9で得られた形質
転換体 Escherichia coli JM109/pbRF2 は、1999年
8月2日から独立行政法人産業技術総合研究所 特許生
物寄託センター(旧NIBH)に寄託番号FERM B
P−6811として、財団法人発酵研究所(IFO)に
1999年6月18日から寄託番号 IFO 16288
として寄託されている。後述の参考例8で得られた形質
転換体 Escherichia coli JM109/phRF2 は、1999年
8月2日から独立行政法人産業技術総合研究所 特許生
物寄託センター(旧NIBH)に寄託番号FERM B
P−6812として、財団法人発酵研究所(IFO)に
1999年6月18日から寄託番号 IFO 16289
として寄託されている。後述の参考例6で得られた形質
転換体 Escherichia coli JM109/pmLP4 は、1999年
8月2日から独立行政法人産業技術総合研究所 特許生
物寄託センター(旧NIBH)に寄託番号FERM B
P−6813として、財団法人発酵研究所(IFO)に
1999年6月18日から寄託番号 IFO 16290
として寄託されている。後述の参考例5で得られた形質
転換体 Escherichia coli JM109/prLPL6 は、1999
年8月2日から独立行政法人産業技術総合研究所 特許
生物寄託センター(旧NIBH)に寄託番号FERM
BP−6814として、財団法人発酵研究所(IFO)
に1999年6月18日から寄託番号 IFO 1629
1として寄託されている。後述の参考例11で得られた
形質転換体 Escherichia coli DH5α / pCR2.1-hOT022T
は、1999年11月8日から独立行政法人産業技術
総合研究所 特許生物寄託センター(旧NIBH)に寄
託番号FERM BP−6930として、財団法人発酵
研究所(IFO)に1999年10月27日から寄託番
号IFO16330として寄託されている。後述の参考
例11で得られた形質転換体 Escherichia coli DH5α
/ pCR2.1-hOT022G は、1999年11月8日から独立
行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
(旧NIBH)に寄託番号FERM BP−6931と
して、財団法人発酵研究所(IFO)に1999年10
月27日から寄託番号IFO16331として寄託され
ている。後述の実施例A5で得られた形質転換体 Esche
richia coli MM294(DE3)/pTFCRFRP-1は、2000年9
月28日から独立行政法人産業技術総合研究所 特許生
物寄託センター(旧NIBH)に受託番号FERM B
P-7313として、財団法人発酵研究所(IFO)に
2000年9月19日から寄託番号IFO 16476
として寄託されている。後述の参考例12で得られた抗
ラット型RFRP-1モノクロ−ナル抗体を産生するIF3
は、2001年2月21日から独立行政法人産業技術総
合研究所 特許生物寄託センター(旧NIBH)に受託
番号FERM BP-7463として、財団法人発酵研究
所(IFO)に2001年1月16日から寄託番号IF
O 50527として寄託されている。
【0097】
【実施例】以下に、参考例および実施例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定され
るものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法
は、モレキュラー・クローニング(Molecular clonin
g)に記載されている方法に従った。 参考例1 ヒト胎児脳poly(A)RNA画分からのcD
NAの合成とRT−PCR法による生理活性ペプチドc
DNAの増幅 クローンテック社より購入したヒト胎児脳poly(A)
NA画分1μgにプライマーとしてOligodTプライマー
(GibcoBRL社)を加え、モロニイマウス白血病ウイ
ルスの逆転写酵素(GibcoBRL社)により、添付パッ
ファーを用いてcDNAを合成した。反応後の産物はフ
ェノール:クロロホルム(1:1)で抽出し、エタノー
ル沈殿を行った後、30μlのTEに溶解した。調製し
たcDNA1μlを鋳型として、次の2つのプライマー
(F5およびF6)を用いて、PCRによる増幅を行っ
た。 F5:5’-GGGCTGCACATAGAGACTTAATTTTAG-3’ (配列番号:3) F6:5’-CTAGACCACCTCTATATAACTGCCCAT-3’ (配列番号:4) 反応液の組成は、合成DNAプライマー(F5およびF
6)各20pM、0.25mM dNTPs、Ex T
aq DNA polymerase0.5μlおよび酵素に付属
のバッファー5μlで、総反応溶液量は50μlとし
た。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(パー
キン・エルマー)を用い98℃・10秒、63℃・20
秒、72℃・40秒のサイクルを40回繰り返した。さ
らにそのPCR産物の1μlを鋳型として次の2つのプ
ライマー(F1およびR5)を用いて、nestedPCRに
よる増幅を行った。 F1:5’-GCACATAGAGACTTAATTTTAGATTTAGAC-3’(配列番号:5) R5:5’-CATGCACTTTGACTGGTTTCCAGGTAT-3’(配列番号:6) 反応液の組成は、合成DNAプライマー(F1およびR
5)各20pM、0.25mM dNTPs、Ex T
aq DNA polymerase0.5μlおよび酵素に付属
のバッファー5μlで、総反応溶液量は50μlとし
た。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(パー
キン・エルマー社)を用い98℃・10秒、60℃・2
0秒、72℃・40秒のサイクルを40回繰り返した。
増幅産物の確認は1.2%アガロース電気泳動およびエ
チジウムプロミド染色によって行った。
【0098】参考例2 PCR産物のプラスミドベクタ
ーへのサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基
配列の解読による新規生理活性ペプチド候補クローンの
選択 参考例1で行ったPCR後の反応産物は1.2%のアガ
ロースゲルを用いて分離し、目的とする大きさのDNA
断片の増幅を確認した後、QuigenPCRpurification k
it(Quiagen)を用いてDNAを回収した。TAクロー
ニングキット(インビトロゲン社)の処方に従い、回収
したDNAをプラスミドベクターpCR TM2.1へサブ
クローニングした。これを大腸菌JM109competent
cell(宝酒造)に導入して形質転換したのち、cDNA
挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTGおよ
びX−galを含むLB寒天培地中で選択し、白色を呈
するクローンのみを滅菌した爪楊枝を用いて分離し、形
質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)JM
109/phRF1を得た。個々のクローンをアンピシ
リンを含むLB培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出
装置(クラボウ)を用いてプラスミドDNAを調製し
た。調製したDNAの一部を用いてEcoRIによる切
断を行い、挿入されているcDNA断片の大きさを確認
した。残りのDNAの一部をさらにRNase処理、フ
ェノール・クロロホルム抽出し、エタノール沈殿によっ
て濃縮した。塩基配列の決定のための反応はDyeDeoxy T
erminator Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用いて
行い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。得ら
れた塩基配列の情報は、DNASIS(日立システムエ
ンジニアリング社)を用いて行った。決定した塩基配列
を図1に示した。決定した塩基配列を図1をもとにホモ
ロジー検索と配列の解析を行った結果、形質転換体E.co
liJM109/phRF1の保有するプラスミドに挿入
されたcDNA断片は、新規生理活性ペプチドをコード
することが分かった。
【0099】参考例3 ヒト胎児脳cDNAからの生理活性
ぺプチドcDNAのスプライシングバリアントの取得 参考例1で作製したヒト胎児脳cDNA 1 mlを鋳型とし
て、次の二つのプライマー(F5、hR1)を用いてPCRによ
る増幅を行った。 F5:5’-GGGCTGCACATAGAGACTTAATTTTAG-3’ (配列番号:3) hR1:5’-CAGCTTTAGGGACAGGCTCCAGGTTTC-3’(配列番号:7) 反応液の組成は合成プライマー(F5およびhR1)各20 p
M、0.25 mM dNTPs、ExTaq DNA polymerase 0.5 mlおよ
び酵素に付属のバッファーで総反応液量は50 mlとし
た。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(パー
キンエルマー)を用い、98℃・10秒、65℃・20秒、72℃
・20秒のサイクルを40回くりかえした。増幅産物の確認
は1.2%アガロース電気泳動およびエチジウムブロミド染
色によって行った。PCR産物の増幅を確認した後、反応
産物をQIA quick PCR purificationKit(Quiagen)を用
いて精製し、配列決定を行った。塩基配列決定のための
反応はBigDye Deoxy Terminatoe Cycle Sequence Kit
(ABI)を用いて行い、蛍光式自動Sequencer(ABI377)
を用いて解読した。得られた塩基配列の情報解析はDNAS
IS(日立システムエンジニアリング)を用いて行った。
その結果、参考例2で得られたcDNAと3’末端側が異なる
cDNAが得られた。したがって本参考例で得られたcDNA
は、参考例2で得られたcDNAのスプライシングバリアン
トである事が分かった。決定した塩基配列(配列番号:
9)と予測されるアミノ酸の配列(配列番号:8)を図
3に示す。
【0100】参考例4 ウシ視床下部poly(A)+RNAから
の生理活性ぺプチドcDNAの取得 ウシ視床下部poly(A)+RNAからのウシ型生理活性ぺプチ
ドcDNAの取得はMarathon cDNA Amplification Kit(Clo
ntech)を用いて行った。Kitに添付のマニュアルにした
がって作製した牛視床下部cDNAを鋳型として、次の4つ
のプライマー(bF6、bF7、bR6、bR7)を合成し、Kit添
付のAP1,AP2の二種類のプライマーと組み合わせてPCR
による増幅を行った。 bF6:5’-GCCTAGAGGAGATCTAGGCTGGGAGGA-3’(配列番号:10) bF7:5’-GGGAGGAACATGGAAGAAGAAAGGAGC-3’(配列番号:11) bR6:5’-GATGGTGAATGCATGGACTGCTGGAGC-3’(配列番号:12) bR7:5’-TTCCTCCCAAATCTCAGTGGCAGGTTG-3’(配列番号:13) 5’側(N末領域)の増幅のために、まず一回目のPCR反
応を合成プライマー(bR6とAP1)を用いて行った。各プ
ライマー 20pMと0.25mMdNTPs、Klen Taq DNA polymeras
e 0.5mlおよび酵素に付属のバッファーで総反応液量は2
5mlとした。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラ
ー(パーキンエルマー)を用い、98℃10秒、72℃2分の
サイクルを5回、続いて98℃・10秒、70℃・2分のサイク
ルを5回、98℃・10秒、68℃・2分30秒のサイクルを25
回くりかえした。次にその一回目のPCR反応液を10倍に
希釈し、その1mlを鋳型にして(bR7とAP2)プライマー
にて二回目のPCRを行った。各プライマー 20pMと0.25mM
dNTPs、Klen Taq DNA polymerase 0.5mlおよび酵素に
付属のバッファーで総反応液量は25mlとした。増幅のた
めのサイクルはサーマルサイクラー(パーキンエルマ
ー)を用い、98℃・10秒、72℃・2分のサイクルを5
回、続いて98℃・10秒、70℃・2分のサイクルを5回、98
℃・10秒、68℃・2分30秒のサイクルを35回くりかえし
た。3’側(C末領域)の増幅のために、まず一回目のPC
R反応を合成プライマー(bF6とAP1)を用いて行った。
各プライマー 20pMと0.25mM dNTPs、Klen Taq polymera
se 0.5mlおよび酵素に付属のバッファーで総反応液量は
25mlとした。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラ
ー(パーキンエルマー)を用い、98℃・10秒、72℃・2
分のサイクルを5回、続いて98℃・10秒、70℃・2分のサ
イクルを5回、98℃・10秒、68℃・2分30秒のサイクル
を25回くりかえした。次にその一回目のPCR反応液を10
倍に希釈し、その1mlを鋳型にして(bF7とAP2)プライ
マーにて二回目のPCRを行った。各プライマー 20pMと0,
25mMdNTPs、Klen Taq DNA polymerase 0.5mlおよび酵素
に付属のバッファーで総反応液量は25mlとした。増幅の
ためのサイクルはサーマルサイクラー(パーキンエルマ
ー)を用い、98℃・10秒、72℃・2分のサイクルを5
回、続いて98℃・10秒、70℃・2分のサイクルを5回、98
℃・10秒、68℃・2分30秒のサイクルを35回くりかえし
た。5’側、3’側それぞれの増幅産物の確認は1.2%アガ
ロース電気泳動およびエチジウムブロミド染色によって
行った。PCR産物の増幅を確認した後、反応産物をQIA q
uick PCR purification Kit(Quiagen)を用いて精製
し、配列決定を行った。塩基配列決定のための反応はBi
g Dye Deoxy Terminator Cycle Sequence Kit(ABI)を
用いて行い、蛍光式自動Sequencer(ABI377)を用いて
解読した。得られた塩基配列の情報解析はDNASIS(日立
システムエンジニアリング)を用いて行った。決定した
塩基配列(配列番号:15)と予測されるアミノ酸の配
列(配列番号:14)を図4に示す。
【0101】参考例5 ラット脳poly(A)+RNAからの生
理活性ぺプチドcDNAの取得 ラット脳poly(A)+RNAからのラット型生理活性ぺプチドc
DNAの取得はMarathoncDNA Amplification Kit(Clonte
ch)を用いて行った。Kitに添付のマニュアルにしたが
って作製したラット脳cDNAを鋳型として、次の2つのプ
ライマー rLPR1:5’-CCCTGGGGCTTCTTCTGTCTTCTATGT-3’ (配列番号:16) rLPF1:5’-AGCGATTCATTTTATTGACTTTAGCA-3’(配列番号:17) を合成し、Kit添付のAP1,AP2の二種類のプライマーと
組み合わせてPCRによる増幅を行った。5’側(N末領
域)の増幅のために、まず一回目のPCR反応をrLPR1とAP
1のプライマーセットを用いて行った。各プライマー 20
0pMと各0.1mMdNTP、Klen Taq DNA polymerase 0.25mlお
よび酵素に付属のバッファーで総反応液量は25mlとし
た。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(パー
キンエルマー)を用い、98℃・10秒、72℃・2分のサイ
クルを5回、続いて98℃・10秒、70℃・2分のサイクルを
5回、98℃・10秒、68℃・2分30秒のサイクルを25回くり
かえした。次にその一回目のPCR反応液を鋳型にして一
回目のプライマーセット、同様の反応液組成にて二回目
のPCRを行った。増幅のためのサイクルは、98℃・10
秒、72℃・2分のサイクルを5回、続いて98℃・10秒、7
0℃・2分のサイクルを5回、98℃・10秒、(68℃・2分
30秒)のサイクルを38回くりかえした。3’側(C末領
域)の増幅のために、まず一回目のPCR反応をrLPF1とAP
1のプライマーセットを用いて行った。反応液組成は5’
側(N末領域)の増幅の場合と同様とした。増幅のため
のサイクルは、98℃・10秒、72℃・2分のサイクルを5
回、続いて98℃・10秒、70℃・2分のサイクルを5回、98
℃・10秒、65℃・20秒、72℃・2分のサイクルを25回く
りかえした。次にその一回目のPCR反応液を鋳型にしてr
LPF1とAP2プライマーにて二回目のPCRを行った。反応液
組成は一回目のPCRと同様とした。増幅のためのサイク
ルはサーマルサイクラー(パーキンエルマー)を用い、
98℃・10秒、72℃・2分のサイクルを5回、続いて98℃
・10秒、70℃・2分のサイクルを5回、98℃・10秒、65℃
・20秒、72℃・2分のサイクルを38回くりかえした。5’
側、3’側それぞれの増幅産物の確認は1.2%アガロース
電気泳動およびエチジウムブロミド染色によって行っ
た。PCR産物バンドをQIA quick Gel Extraction Kit(Q
uiagen)を用いて精製し、配列決定を行った。塩基配列
決定は参考例3と同様の方法で行った。決定した塩基配
列(配列番号:19)と予測されるアミノ酸の配列(配
列番号:18)を図5に示す。さらにこの配列をもと
に、開始コドンと終止コドンの周辺に2本のプライマー ratF2:5’-AATGGAAATTATTTCATCAAAGCGATTCAT-3’ (配列番号:48) ratR:5’-CACCTATACTGACAGGAATGATGGCTCTCC-3’(配列番号:49) を合成した。ラット視床下部poly(A)+RNA よりAMV reve
rse transferase (宝酒造)とrandom 9 mer (宝酒造)を
用いて合成したcDNA を鋳型として98℃・10秒、68℃
・40秒のサイクルを33回くりかえすPCR反応を行っ
た。さらにこの反応液を鋳型として98℃・10秒、68℃
・1分のサイクルを38回くりかえすPCR反応を行い、
約690bpのPCR産物を得た。これをTA cloning Kit (In
vitrogen)のマニュアルにしたがってクローニングベク
ターpCR2.1 TOPO へ導入、大腸菌JM109に導入して
形質転換体 E. coli JM109/prLPL6を得た。参考例3と
同様の方法で塩基配列を決定し(配列番号:51)、ア
ミノ酸配列(配列番号:50)を予測した。
【0102】参考例6 マウス脳poly(A)+RNAからのMar
athon PCR法によるマウス型生理活性ぺプチドcDNAの取
得と配列確認 マウス脳poly(A)+RNAからマウス型生理活性ぺプチドcDN
Aを取得するため、まずマウス脳poly(A)+RNA1μgをol
igo d(T) primer 2.5 pmol(宝酒造)、0.5 mMdNTPs, 10
mM DTT存在下で、SuperScriptII RNase H- 逆転写酵素
(GIBCO BRL)により、42℃、1時間の反応でcDNAを
合成した。これを鋳型として、プライマー FF2:5’-GACTTAATTTTAGATTTAGACAAAATGGAA-3’(配列番号:26) rR4:5’-TTCTCCCAAACCTTTGGGGCAGGTT-3’(配列番号:27) および、KlenTaq DNA polymerase (Clontech)を用い
て、98℃ 10秒、56℃ 20秒、72℃ 25秒のサイクルを39
回くりかえすPCR反応を行った。さらに同じプライマ
ーセットを用いて98℃ 10秒、60℃ 20秒、72℃ 25秒
のサイクルを25回くりかえすPCR反応を行い、増副
産物を2%アガロース電気泳動およびエチジウムブロミド
染色によって検出して、そのバンドをQIA quick Gel Ex
traction Kit(Quiagen)を用いて精製、参考例3と同様
の方法で塩基配列を決定した。得られたマウス型生理活
性ペプチドcDNA断片の5’および3’側の配列を取得
するため、参考例5と同様に、Marathon cDNA Amplifica
tion Kit(Clontech)を用いてマウス脳poly(A)+RNA1
μgからcDNAを合成し、鋳型とした。次の3つのプラ
イマー mF1:5’-ACAGCAAAGAAGGTGACGGAAAATACTC-3’(配列番号:28) mF3:5’-ATAGATGAGAAAAGAAGCCCCGCAGCAC-3’(配列番号:29) mR1:5’-GTGCTGCGGGGCTTCTTTTCTCATCTAT-3’(配列番号:30) を合成し、kit付属のAP1プライマーと組み合わせてPCR
を行った。5’側(N末領域)の増幅のために、まず一回
目のPCR反応をmR1とAP1のプライマーセットを用いて行
った。3’側(C末領域)の増幅のためには、一回目のPC
R反応をmF1とAP1のプライマーセットで行った。各プラ
イマー 200pMと各0.1mMdNTP、Klen Taq polymerase 0.2
5mlおよび酵素に付属のバッファーで総反応液量は25ml
とした。増幅のためのサイクルは98℃ 10秒、72℃ 2分
のサイクルを5回、続いて98℃ 10秒、70℃ 2分のサイク
ルを5回、98℃ 10秒、68℃ 2分30秒のサイクルを25回く
りかえした。次にその一回目のPCR反応液を鋳型にして
二回目のPCRを行った。5’側の増幅は一回目と同様のプ
ライマーセット、3’側の増幅はmF3とAP1プライマー
セットを用い、一回目のPCRと同様の反応液組成で反応
液を調製した。PCR反応は98℃ 10秒、72℃ 2分のサイ
クルを5回、続いて98℃ 10秒、70℃ 2分のサイクルを5
回、98℃ 10秒、68℃ 2分30秒のサイクルを38回くり
かえした。5’側、3’側それぞれの増幅産物の確認は1.
2%アガロース電気泳動およびエチジウムブロミド染色に
よって行った。PCR産物のバンドをQIA quick Gel Extra
ction Kit(Quiagen)を用いて精製し、配列決定を行っ
た。塩基配列決定は参考例3と同様の方法で行った。さ
らに得られた配列をもとに2つのプライマー moF:5’-TTTAGACTTAGACGAAATGGA-3’(配列番号:31) moR:5’-GCTCCGTAGCCTCTTGAAGTC-3’(配列番号:32) を合成し、先に示した、マウス脳poly(A)+RNAよりSuper
ScriptII RNase H- 逆転写酵素で合成したcDNAを鋳型
としてPCRを行い、マウス型生理活性ぺプチド全長cDNA
を含む断片を増幅した。反応はKlenTaq DNA polymerase
(Clontech)を用いて、98℃ 10秒、56℃ 20秒、72℃
15秒のサイクルを35回くりかえした。約600bpの増
副産物を2%アガロース電気泳動およびエチジウムブロミ
ド染色によって検出し、そのバンドをQIA quick Gel Ex
traction Kit(Quiagen)を用いて精製、クローニング
ベクター pCR2.1−TOPO(TOPO TA cloning kit 、Invit
rogen)へサブクローニング、大腸菌JM109へ導入し、形
質転換体E. coli JM109/ pmLP4を得た。参考例3と同様
の方法で塩基配列を解析し、決定した塩基配列(配列番
号:34)と予測されるアミノ酸配列(配列番号:3
3)を図7に示す。
【0103】参考例7 (1)ラット脳幹周辺部のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質をコードするcDNAのクローニングと塩基配列の
決定 ラット脳幹周辺部cDNAを鋳型とし、2個のプライマ
ー、プライマー1(配列番号:35)およびプライマー
2(配列番号:36)を用いてPCR反応を行った。該
反応における反応液の組成は上記cDNAの10分の1
量を鋳型として使用し、Advantage cDNA
Polymerase Mix (CLONTECH社)
1/50量、プライマー1(配列番号:35)およびプ
ライマー2(配列番号:36)を 各0.2μM、 dN
TPs 200μM、および酵素に添付のバッファーを
加え、50μlの液量とした。PCR反応は、 94
℃・2分の後、 94℃・30秒、72℃・2分のサ
イクルを3回、 94℃・30秒、68℃・2分のサ
イクルを3回、 94℃・30秒、64℃・30秒、
68℃2分のサイクルを30回繰り返し、 最後に6
8℃・8分の伸長反応を行った。該PCR反応後の反応
産物をTAクローニングキット(Invitrogen
社)の処方に従いプラスミドベクターpCR2.1(In
vitrogen社)へ サブクローニングした。これを
大腸菌DH5αに導入し、cDNAをもつクローンをア
ンピシリンを含むLB寒天培地中で選択した後、個々の
クローンの配列を解析した結果、新規G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするcDNA配列(配列番号:
38)を得た。 このcDNAより導き出されるアミノ
酸配列(配列番号:37)を含有する新規G蛋白質共役
型レセプター蛋白質をrOT7T022Lと命名した。
本発明のラット脳幹周辺部由来のG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質rOT7T022LをコードするcDNA
(配列番号:38)がサブクローニングされたプラスミ
ドpAK−rOT022Lを、自体公知の方法に従い大
腸菌(Escherichia coli)DH10Bに導入して、形質
転換体:大腸菌(Escherichia coli)DH10B/pA
K−rOT022Lを得た。
【0104】(2)G蛋白質共役型レセプター蛋白質r
OT7T022L発現CHO細胞の樹立 直径10cmの組織培養用シャーレに1×10個のCH
Odhfr細胞を播種し、24時間培養した。(1)
で得られたrOT7T022L発現ベクターpAK−r
OT022Lを20μg用い、リポソーム法による遺伝
子導入キット(ジーントランスファー、ニッポンジーン
社)を用いて、DNA・リポソームの複合体を形成させ
た。培地を新鮮なものに交換し、これにDNA・リポソ
ームの複合体を添加して一晩インキュベートした。培地
を新鮮なものと交換してさらに1日間培養した後、形質
転換体選択用の培地に交換して2日間培養した。さら
に、トリプシン−EDTA処理によってシャーレ内の細
胞を回収し、細胞密度が希薄な状態にて再培養を行うこ
とによって、形質転換体の割合の増加を図った。これに
より、rOT7T022Lを安定に高発現する細胞株C
HO−rOT7T022Lのクローンを得た。
【0105】(3)Met-Pro-His-Ser-Phe-Ala-Asn-Leu-
Pro-Leu-Arg-Phe-NH(配列番号:39)の合成 市販p−メチルBHA樹脂(アプライド バイオシテム
ズ、現パ−キンエルマ−社製)0.5 m mole分をペプチド
合成機(アプライド バイオシテムズ社製430A)の
反応器に入れ、DCMで膨潤させた後、最初のアミノ酸
Boc-PheをHOBt/DCC法で活性化しp−メチルBHA樹脂
に導入した。 樹脂を50%TFA/DCMで処理し、Boc
基を除去してアミノ基を遊離させ、DIEAで中和した。
このアミノ基に次のアミノ酸Boc-Arg(Tos)をHOBt/DCC法
で縮合した。 未反応アミノ基の有無をニンヒドリンテ
ストで調べ反応完了を確認後同様に、Boc-Leu、 Boc-Pr
o、Boc-Leu、 Boc-Asn、 Boc-Ala、 Boc-Phe、 Boc-Ser(Bz
l)、 Boc-His(Bom)、 Boc-Pro、 Boc-Metを順次縮合し
た。全配列アミノ酸が導入され樹脂を50%TFA/DC
Mで処理し樹脂上のBoc基を除去後、樹脂を乾燥して、M
et-Pro-His(Bom)-Ser(Bzl)-Phe-Ala-Asn-Leu-Pro-Leu-A
rg(Tos)-Phe-pMBHA-resin 0.73gを得た。この樹脂0.25g
をp−クレゾール5.1g、弗化水素15mlと共にテフロン
(登録商標)製弗化水素反応装置中で0℃・60分間反
応させた。弗化水素を減圧留去し、残留物にジエチルエ
ーテル100mlを加え撹袢後、グラスフィルター上に濾
取、乾燥した。これを50%酢酸水溶液50ml中に懸濁、攪
拌し、ペプチドを抽出した後樹脂と分離し減圧下に約5
mlまでに濃縮した後、セファデックスG-25(2x90c
m)のカラムに付し50%酢酸水で展開し主要画分を集め
凍結乾燥した。次にこの粗精製ペプチドを5%チオグリ
コール酸/50%酢酸1.5mlに溶解し、50℃ 12時間保持しM
et酸化体ペプチドを還元した後、LiChroprep(商品名)
RP-18(MERCK社製)を充填した逆相系カラムにつ
け0.1% TFA水と0.1% TFA含有33%アセトニトリ
ル水溶液を用いたグラジエント溶出での精製をくり返
し、アセトニトリル濃度27%前後に溶出される部分を
集め凍結乾燥し、白色粉末26mgを得た。 質量分析による(M+H) 1428.7 (理論値 1428.8) HPLC溶出時間 18.0分 カラム条件 カラム: Wakosil(商品名) 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有5%アセトニトリル水) B液(0.1% TFA含有55%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0106】(4)Val-Pro-Asn-Leu-Pro-Gln-Arg-Phe-
NH2(配列番号:40)の合成 上述の参考例7(3)と同様にして、Boc-Phe, Boc-Arg
(Tos), Boc-Gln, Boc-Pro, Boc-Leu, Boc-Asn, Boc-Pr
o, Boc-Valを順次縮合し、Boc-Val-Pro-Asn-Leu-Pro-Gl
n-Arg(Tos)-Phe- pMBHA-resin 0.43gを得た。 この樹脂
0.22gを同様に弗化水素処理、カラムクロマト精製し白
色粉末の目的物46mgを得た。 質量分析による(M+H) 969.5 (理論値 969.6) HPLC溶出時間 11.8分 カラム条件 カラム: Wakosil(商品名) 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有5%アセトニトリル水) B液(0.1% TFA含有55%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0107】(5)Ser-Ala-Gly-Ala-Thr-Ala-Asn-Leu-
Pro-Arg-Ser-NH2(配列番号:41)の合成 上述の参考例7(3)と同様にして、Boc-Ser(Bzl), Bo
c-Arg(Tos), Boc-Leu,Boc-Pro, Boc-Leu, Boc-Asn, Boc
-Ala, Boc-Thr(Bzl), Boc-Ala, Boc-Gly, Boc-Ala, Boc
-Ser(Bzl)を順次縮合し、Boc-Ser(Bzl)-Ala-Gly-Ala-Th
r(Bzl)-Ala-Asn-Leu-Pro-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-pMBHA
-resin 0.62gを得た。この樹脂0.23gを同様に弗化水素
処理、カラムクロマト精製し白色粉末の目的物71mgを得
た。 質量分析による(M+H) 1156.4 (理論値 1156.6) HPLC溶出時間 11.8分 カラム条件 カラム: Wakosil(商品名) 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有5%アセトニトリル水) B液(0.1% TFA含有55%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0108】(6)rOT7T022L(配列番号:37)とペ
プチドMPHSFANLPLRFamide(配列番
号:39)およびペプチドVPNLPQRFamide
(配列番号:40)のサイトセンサーによる反応実験 上述の参考例7(2)で得られたrOT7T022L受容体発現
CHO細胞を、2.7×105cells/capsuleの密度でサイト
センサー用カプセルに播種し、一晩培養した後にサイト
センサーのワークステーションに装着した。サイトセン
サーの流路にセットしたアッセイ用の培地(0.1%のウ
シ血清アルブミンを含有するlow buffered RPMI1640 me
dium)を、ポンプON(80秒間)ポンプOFF(40秒
間)のサイクルで細胞に供給し、各サイクルごとにポン
プ停止8秒後から30秒間の細胞外pHの変化率をacidif
ication rateとして算出した。acidification rateの経
時変化をモニターし、安定した値を示すようになったと
ころで流路の切り換えによって細胞に各ペプチドを7分
2秒間暴露した。各ウェルのAcidification Rateの値を
ペプチドを暴露する直前の3サイクルの値を100%とし
て標準化し、細胞の反応の比較を行なったところ、rOT7
T022L発現CHO細胞はペプチドMPHSFANLPL
RFamide(配列番号:39)およびペプチドVP
NLPQRFamide(配列番号:40)に対して強
く用量依存的な反応を示す事が明らかになった(図
8)。
【0109】参考例8 ヒト新規生理活性ペプチド候補
スプライシングバリアントcDNAを保持する形質転換体の
作成 上記参考例3で行ったPCR後の反応産物は1.2%の
アガロースゲルを用いて分離し、目的とする大きさのD
NA断片の増幅を確認した後、QuigenPCRpurificati
on kit(Quiagen)を用いてDNAを回収した。TAク
ローニングキット(インビトロゲン社)の処方に従い、
回収したDNAをプラスミドベクターpCRTM2.1へ
サブクローニングした。これを大腸菌JM109compet
ent cell(宝酒造)に導入して形質転換したのち、cD
NA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTG
およびX−galを含むLB寒天培地中で選択し、白色
を呈するクローンのみを滅菌した爪楊枝を用いて分離し
た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一
晩培養し、自動プラスミド抽出装置(クラボウ)を用い
てプラスミドDNAを調製した。調製したDNAの一部
を用いてEcoRIによる切断を行い、挿入されている
cDNA断片の大きさを確認した。残りのDNAの一部
をさらにRNase処理、フェノール・クロロホルム抽
出し、エタノール沈殿によって濃縮した。塩基配列の決
定のための反応はDyeDeoxy Terminator Cycle Sequenci
ng Kit(ABI社)を用いて行い、蛍光式自動シーケン
サーを用いて解読し、形質転換体エシェリヒア コリ
(Escherichia coli)JM109/phRF2を得た。
【0110】参考例9 ウシ新規生理活性ぺプチドcDNA
を保持する形質転換体の作成 参考例4で作製したウシ視床下部cDNA 1 mlを鋳型とし
て、次の二つのプライマー(bFF、bFR)を用いてPCRに
よる増幅を行った。 bFF:5’-TTCTAGATTTTGGACAAAATGGAAATT-3’ (配列番号:52) bFR:5’-CGTCTTTAGGGACAGGCTCCAGATTTC-3’ (配列番号:53) 反応液の組成は合成プライマー(bFFおよびbFR)各20 p
M、0.25 mM dNTPs、ExTaq DNA polymerase 0.5 mlおよ
び酵素に付属のバッファーで総反応液量は50mlとした。
増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(パーキン
エルマー)を用い、98℃・10秒、65℃・20秒、72℃・20
秒のサイクルを40回くりかえした。増幅産物の確認は1.
2%アガロース電気泳動およびエチジウムブロミド染色に
よって行った。参考例3で行ったPCR後の反応産物は
1.2%のアガロースゲルを用いて分離し、目的とする
大きさのDNA断片の増幅を確認した後、QuigenPCR
purification kit(Quiagen)を用いてDNAを回収し
た。TAクローニングキット(インビトロゲン社)の処
方に従い、回収したDNAをプラスミドベクターpCR
TM2.1へサブクローニングした。これを大腸菌JM1
09competent cell(宝酒造)に導入して形質転換した
のち、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリ
ン、IPTGおよびX−galを含むLB寒天培地中で
選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌した爪楊枝を
用いて分離した。個々のクローンをアンピシリンを含む
LB培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出装置(クラ
ボウ)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製した
DNAを用いてEcoRIによる切断を行い、挿入され
ているcDNA断片の大きさを確認した。さらに調製し
たDNAをRNase処理、フェノール・クロロホルム
抽出し、エタノール沈殿によって濃縮した。塩基配列の
決定のための反応はDyeDeoxy Terminator CycleSequenc
ing Kit(ABI社)を用いて行い、蛍光式自動シーケ
ンサーを用いて解読し、形質転換体エシェリヒア コリ
(Escherichia coli)JM109/pbRF2を得た。
【0111】参考例10 ペプチドMPHSFANLP
LRFamide(配列番号:39)およびペプチドV
PNLPQRFamide(配列番号:40)のrOT7T0
22L(配列番号:37)発現CHO細胞に対するcAM
P産生抑制活性 参考例7(3)および(4)で合成したペプチドMPHSFA
NLPLRFamide(配列番号:39)、VPNLPQRFamide(配列
番号:40)がrOT7T022L受容体に対して特異的に反応
することが参考例7(6)のサイトセンサーによる実験
で確認できた。次に上述したペプチドのrOT7T022L発現C
HO細胞に対するcAMP産生抑制活性の測定を行った。参考
例7(2)で得られたrOT7T022L発現CHO細胞を1.0 x 10
5 cells/wellの濃度で24wellプレートに巻き、37℃で2
日間培養した。ハンクスバッファー(HBSS)に0.05% BS
Aと0.2mM IBMXを加えたバッファーで細胞を洗浄したの
ち、同じバッファーで30分間・37℃で放置した。30分後
細胞を上記のバッファーに Forskolin 10-6 Mを加えた
アッセイバッファーと同時にさまざまな濃度の上述した
ペプチドを添加し、37℃・30分間インキュベーションを
した。30分後各wellの細胞内のcAMP濃度をcAMP EIA Kit
(アマシャム社)の方法にしたがって測定した。その結
果、図9に示すようにペプチドMPHSFANLPLRFamide(配
列番号:39)、VPNLPQRFamide(配列番号:40)はr
OT7T022L受容体発現CHO細胞に対してcAMP産成抑制効果
を示し、そのIC50値はそれぞれ0.5nM、0.7nMと非常に低
濃度で強い効果を示した。
【0112】参考例11 ヒト視床下部のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質をコードするcDNAのクローニングと
塩基配列の決定 ヒト視床下部cDNA( CLONTECH社 )を鋳型とし、2個の
プライマー、プライマー1:5’- GTCGACATGG AGGGGGAG
CC CTCCCAGCCT C -3’(配列番号:57)およびプライ
マー2:5’- ACTAGTTCAG ATATCCCAGG CTGGAATGG -3’
(配列番号:58)を用いてPCR反応を行った。該反
応における反応液の組成は上記cDNAを10分の1量を鋳型
として使用し、 Advantage-HF Polymerase Mix (CLONT
ECH社)1/50量、プライマー1(配列番号:57)およ
びプライマー2(配列番号:58)を各0.2μM、dNTPs 2
00μM、Dimethyl Sulfoxide 4%,および酵素に添付のバ
ッファーを加え、25μlの液量とした。PCR反応は、
94℃・2分の後、94℃・20秒、72℃・1分30秒のサイ
クルを3回、94℃・20秒、67℃・1分30秒のサイクルを
3回、94℃・20秒、62℃・20秒、72℃・68℃・1分30秒
のサイクルを38回繰り返し、最後に68℃・7分の伸長反
応を行った。該PCR反応後の反応産物をTAクローニ
ングキット(Invitrogen社)の処方に従いプラスミドベ
クターpCR2.1(Invitrogen社)へサブクローニングし
た。これを大腸菌DH5αに導入し、cDNAを持つクローン
をアンピシリンを含むLB寒天培地中で選択した。個々の
クローンの配列を解析した結果、新規G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするcDNA配列(配列番号:55
および56)を得た。これら2種類の配列は、第597残基
で一塩基異なるが、導き出されるアミノ酸配列は同一
(配列番号:57)であり、このアミノ酸配列を含有す
る新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をhOT7T022と命
名した。また2種類の形質転換体を大腸菌(Escherichia
coli)DH5α / pCR2.1-hOT022T(配列番号:55で表さ
れるcDNAを含有する)、ならびに(Escherichia col
i)DH5α / pCR2.1-hOT022G(配列番号:56で表される
cDNAを含有する)と命名した。
【0113】参考例12 抗ラット型RFRP-1モノクロ−
ナル抗体の作製 ラット型RFRP-1のC末端12アミノ酸(C末端のカルボ
キシル基がアミド化されたもの:配列番号50で表され
るアミノ酸配列の第83番目(Val)〜第94番目
(Phe)のアミノ酸配列)のN末端にCys一残基を付加
したペプチド(C-VPHSAANLPLRF-NH2)を抗原としたモノク
ロ−ナル抗体を作製した。抗原ペプチド0.6mgをウシ血
清アルブミン(BSA)にマレイイミドを用いてコンジュゲ
−トした。このコンジュゲ−ト100μgをマウスの皮下に
三回注射することにより免疫した後、最終免疫としてコ
ンジュゲ−ト50μgを尾静脈に注射して免疫した。最終
免疫の四日後、マウスより脾臓細胞を採取し、マウスミ
エロ−マ細胞(P3-X63Ag8-U1:Matsumoto et al, BBRC
(1999) vol.257,264-268)とポリエチレングリコ−ルを
用いて細胞融合した。細胞融合後、ハイブリド−マ細
胞、1F3を選択し、INTREGRACL-1000を用いた大量培養に
て、1F3の培養上清を得た。この培養上清より、HiTrap
rProtein A column (Pharmacia) を用いて抗ラット型RF
RP-1モノクロ−ナル抗体を得た。Mouse mAb isotyping
kit (Amersham)を用いて調べたところ、このモノクロ−
ナル抗体のサブタイプはIgG1 κ chainであった。
【0114】参考例13 競合的EIAの構築 まず、参考例12において抗原としたペプチドをマレイ
イミドを用いて西洋ワサビペルオキシタ−ゼ(HRP)にコ
ンジュゲ−トし、HRP-rat RFRP-1を作製した。このHRP-
rat RFRP-1と参考例12で得られた抗ラット型RFRP-1モ
ノクロ−ナル抗体を用いて競合的EIAを構築した。抗マ
ウスIgGAM (Cappel) 1.5μg/wellでコ−トし、Block AC
E (大日本製薬)でブロッキングした96穴プレ−ト各穴に
バッファ−(2mM EDTA、0.4% BSA、0.1 M NaCl、0.1% mi
cro-O-protectを含む生理的リン酸バッファ−(PBS))で
希釈した抗ラット型RFRP-1モノクロ−ナル抗体50μlを
加え、同じバッファ−に溶解したサンプル50mlも加え
た。4℃にて16時間インキュベ−トした後、バッファ−
で希釈したHRP-rat RFRP-1 50μlを各穴に加えた。室
温で2時間インキュベ−トした後、0.1% Tween20 (Sigm
a)を含むPBSでプレ−トを洗浄した後、各穴に結合したH
RPの活性を TMB microwell peroxidase system (Kirkeg
aard & Perry Labs)を用いて呈色反応にて検出し450nm
における吸光度を測定した。RFRP-1関連ペプチドをサン
プルとして加えた時の吸光度の変化を図11に示す。
【0115】実施例A1 リガンドポリペプチドが血漿
中下垂体ホルモン量に及ぼす影響 配列番号:39で表わされるペプチドの第三脳室内投与
が血漿中の下垂体ホルモン量に及ぼす影響を検討した。
成熟Wistar系雄性ラット(手術時体重:約290〜35
0g)をペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与に
て麻酔し、ラット脳定位固定装置に固定した。切歯用バ
ーはインターオーラルラインから3.3mm低くした。頭
蓋骨を露出し、ガイドカニューレを埋め込むために歯科
用ドリルを用いて骨に穴を開けた。また、その周囲の一
ケ所にアンカービスを埋めた。ステンレス製ガイドカニ
ューレ、AG−12(内径0.4mm、外径0.5mm、エイ
コム社)を、その先端が第三脳室の上部に位置するよう
に挿入した。定位座標は、PaxinosとWatson(1986)の
アトラスに従い、AP:+7.2mm(インターオーラル
ラインより)、L:0.0mm、H:+2.0mm(インター
オーラルラインより)とした。ガイドカニューレは瞬間
接着剤と歯科用セメントおよびアンカービスで頭蓋骨に
固定した。ガイドカニューレにはステンレス製ダミーカ
ニューレ、AD−12(外径0.35mm、エイコム社)
を挿入し、キャップナット(エイコム社)で固定した。
術後、ラットを個別のケージで1週間以上飼育し、術後
の回復を待ってから、実験を行った。
【0116】実験を行う前日に上記手術を施したラット
をペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて麻酔
し、解剖用パッドの上に背位に固定した。右側の頸静脈
にカテーテル(SP35,夏目製作所)を挿入した。翌
日、頸静脈カテーテルから400μlの血液を採取し
た。血液凝固を防止するため、注射筒には予め200単
位/mlのヘパリンを含有する生理食塩水を20μl入れて
おいた。ラットの頭蓋骨に装着したキャップナットとダ
ミーカニューレを取り外し、代わりにテフロンチューブ
(長さ50cm、内径0.1mm、外径0.4mm、エイコム
社)につなげたステンレス製マイクロインジェクション
カニューレ、AMI13(内径0.17mm、外径0.35mm、
エイコム社)を挿入した。マイクロインジェクションカ
ニューレの長さは、その先端1mmがガイドカニューレか
ら露出するように調節しておいた。テフロンチューブの
一方をマイクロシリンジポンプにつなぎ、PBSまたは
配列番号:39で表わされるペプチドを溶解させたPB
Sを5μl/分の流速で計10μlを第三脳室に注入し
た。注入終了後1分間待ってからマイクロインジェクシ
ョンカニューレを取り外し、再びダミーカニューレをキ
ャップナットで固定した。脳室内投与を開始する直前、
および脳室内投与の開始時点から10、20、30、4
0、60分後に頸静脈に挿入したカニューレより400
μlずつ採血した。採取した血液は微量高速冷却遠心機
(MR-150,トミー精工)を用いて遠心(5,000rpm、
10分間)し、上清(血漿)を回収した。血漿中に含ま
れるプロラクチン量をラジオイムノアッセイを用いて測
定した。結果は、平均値±S.E.M.で表した。配列
番号:39で表わされるペプチドを溶解させたPBS投
与群とPBSのみを投与した対照群との間に有意差があ
るか否かの検定には Student's t-testを用いた。判定
は、両側検定で危険率5%以下を統計的に有意であると
した。図10に示すごとく、血漿プロラクチン量は、1
0nmolの配列番号:39で表わされるペプチドを第三脳
室に投与後10分から増加傾向があり、20、30、4
0分において有意に増加した。また、投与60分後でも
対照群との間に有意な差が認められた。また、血漿中G
H、LH、ACTH、TSH量は有意な変化を示さなか
った。
【0117】実施例A2 ウシ視床下部からの内因性RF
RP-1の精製 参考例13で構築した競合的EIAでウシ視床下部からの
ペプチド粗画分にRFRP-1様免疫活性が見いだされた。こ
のRFRP-1様免疫活性を指標に、ウシ視床下部より内因性
のRFRP-1を精製した。まず、凍結保存されたウシ視床下
部2.0kg を超純水(ミリQ水)中で煮沸し、酢酸を1Mと
なるように加え、ポリトロンでホモジナイズした。一晩
撹拌した後、遠心にて上清を得た。上清にトリフルオロ
酢酸(TFA)を0.05%となるように加え、C18カラム(Prep C
18 125Å; Waters)にアプライした。カラムに結合した
ペプチドを0.5%TFAを含む10、30、50%アセトニトリルで
ステップワイズに溶出した。30%アセトニトリル画分を
二倍量の20mM酢酸アンモニウム(pH4.7)で希釈し、イオ
ン交換カラム HiPrep CM-Sepharose FF (Pharmacia)に
アプライした。イオン交換カラムに結合したペプチドを
10%アセトニトリルを含む20mM酢酸アンモニウム(pH4.7)
中の0.1、0.2、0.5、1.0M NaClでステップワイズに溶出
した。もっとも多くRFRP-1様免疫活性が含まれていた0.
1M NaCl画分に3倍量の冷アセトンを加え、遠心にて沈
殿を除き上清をエバポレ−トにて濃縮した。濃縮された
上清に0.1%となるようTFAを加え、逆相HPLCカラム RESO
URCE RPC (Pharmacia) にてさらなる分離を行った。RES
OURCE RPCの分離は10-30%アセトニトリルの濃度勾配で
行い、主たるRFRP-1様活性は、およそ22%アセトニトリ
ルで溶出された。この活性画分を10%アセトニトリルを
含む20mM酢酸アンモニウム(pH4.7)中での0.2-0.6M NaCl
の濃度勾配を用いた陽イオン交換カラム TSK gel CM-SW
(トーソー)で分離したところ、主たるRFRP-1様活性は、
およそ0.3M NaClで溶出された。RFRP-1様免疫活性を含
むCM-2SWカラムの画分に0.1%となるようTFAを加え、逆
相カラムdiphenyl 219TP52 (Vydac) でさらに分画し
た。21-25%アセトニトリルの濃度勾配で分離したとこ
ろ、RFRP-1様免疫活性は23%アセトニトリルで溶出され
た。このRFRP-1様免疫活性を含む画分を22-23%アセトニ
トリルの濃度勾配を用いた逆相カラムμRPC C2/C18 SC
2.1/10で最終精製し、RFRP-1様免疫活性と一致する単一
のピ−クを得た(図12)。
【0118】実施例A3 最終精製標品のN末端アミノ
酸配列分析およびマススペクトルによる分子量測定 実施例A2で得られた最終精製標品のN末端アミノ酸を
プロティンシ−クエンサ−(model 491cLC; Applied Bio
systems)で分析したところ、S-L-T-F-E-E-V-K-D-X-A-P-
K-I-K-M-N-K-P-V-(Xは同定できなかったアミノ酸残基
を示す)で示されるアミノ酸配列が得られた。また、ES
I-MS (Thermoquest)を用いて、最終精製標品の分子量を
測定したところ、3997.0の値を得た。これらの分析結果
より、ウシ視床下部からの最終精製標品は配列番号:1
4で表されるアミノ酸配列の第58番目(Ser)から第
92番目(Phe)の35アミノ酸からなるペプチドである
ことが判明した。
【0119】実施例A4 配列番号:1で表されるアミ
ノ酸配列の第56番目(Ser)〜第92番目(Phe)のア
ミノ酸配列を有するペプチドのC末端のカルボキシル基
がアミド化されたペプチド(以下hRFRP-1(37)と称する場
合がある)の構造遺伝子の調製 配列番号:59〜62に示す4種類のDNA断片(♯
1:配列番号:15、♯4:配列番号:18;キコーテ
ック社製)(♯2:配列番号:16、♯3:配列番号:
17;アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)を
用いて、自体公知の方法により、hRFRP-1(37)の構造遺
伝子を調製した。 a)DNAオリゴマーのリン酸化 5'末端になるべき#1及び#4を除いた2種類のオリゴマー
各1μgを100μLのリン酸化反応液[50mM Tris-HCl (pH
7.6), 10mM MgCl2, 1mM スペルミジン、10mMジチオスレ
イトール、0.1mg/mLウシ血清アルブミン、1mM ATP、10
ユニット T4ポリヌクレオチドキナーゼ(日本ジー
ン)]中で37℃、1時間反応させ、5'末端のリン酸化を
行った。フェノール処理を行った後、水層を回収し2倍
量のエタノールを加え、−70℃に冷却した後、遠心でDN
Aを沈殿させた。 b)DNAフラグメントの連結 上記a)で得られたリン酸化DNAフラグメントと#1及び#4
各1μgを合わせ10mM Tris/HCl、2mM
EDTA(pH8.0)に加え、120μLとした。この混合
液を80℃で10分間保った後、室温まで徐冷しアニーリン
グを行った。TaKaRa DNA Ligation Kit ver.2 (宝酒
造)を用いてライゲーション反応を行った。アニーリン
グ液30μLにキットに付属のII液30μLを加え良く混合し
た後、キットに付属のI液60μLを加え、37℃、1時間反
応させ、ライゲーションを行った。フェノール処理を行
った後、水層を回収し2倍量のエタノールを加え、-70
℃に冷却した後、遠心でDNAを沈殿させた。 c)5'末端のリン酸化 沈殿をTE緩衝液(10mM Tris-HCl(pH8.0), 1mM EDTA)
10 μLに溶解し、100μLのリン酸化反応液[50mM Tris-
HCl (pH7.6), 10mM MgCl2, 1mM スペルミジン、10mM ジ
チオスレイトール、0.1mg/mLウシ血清アルブミン、1mM
ATP、10ユニット T4ポリヌクレオチドキナーゼ(日本ジ
ーン)]中で37℃、1時間反応させ、5'末端のリン酸化
を行った。フェノール処理を行った後、水層を回収し2
倍量のエタノールを加え、−70℃に冷却した後、遠心で
DNAを沈殿させ、20μLのTE緩衝液に溶解した。
【0120】実施例A5 hRFRP-1(37)発現プラスミド
の調製 発現用ベクターとしてはpTFC(特開2000−27
0871号公報に記載)をNdeIおよびAvaI(宝
酒造)で37℃ 4時間消化した後、1%アガロースゲ
ル電気泳動により4.4kbのDNA断片をQIAquick Gel
Extraction Kit(キアゲン社)を用いて抽出し、25μ
lのTE緩衝液に溶解した。このpTFCのNdeI、
AvaI断片と上記により調製したhRFRP-1(37)の構造
遺伝子をTaKaRa DNA ligation kit ver.2 (宝酒造)を
用いてライゲーション反応を行った。この反応液を10
μl用いて大腸菌JM109コンピテントセル(東洋
紡)を形質転換し、10μg/mlのテトラサイクリン
を含むLB寒天培地上に播き、37℃で1晩培養し、生
じたテトラサイクリン耐性コロニーを選んだ。この形質
転換体をLB培地で一晩培養し、QIAprep8 Miniprep Ki
t(キアゲン社)を用いてプラスミドpTFCRFRP-1を調製
した。このhRFRP-1(37)構造遺伝子部分の塩基配列をア
プライドバイオシステムズ社モデル377DNAシーケ
ンサーを用いて確認した。プラスミドpTFCRFRP-1で大腸
菌MM294(DE3)を形質転換し、RFRP-1−CS2
3融合タンパク質発現株大腸菌(Escherichia coli) M
M294(DE3)/pTFCRFRP-1を得た(図13)。
【0121】実施例A6 実施例A5で得られた形質転
換体を、5.0mg/Lのテトラサイクリンを含むLB
培地(1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩
化ナトリウム)1Lを用いて、2リットル容フラスコ中
で37℃、8時間振とう培養した。得られた培養液を1
9リットルの主発酵培地(1.68%リン酸1水素ナト
リウム、0.3%リン酸2水素カリウム、0.1%塩化
アンモニウム、0.05%塩化ナトリウム、0.05%
硫酸マグネシウム、0.02%消泡剤、0.00025
%硫酸第一鉄、0.00025%塩酸チアミン、1.5
%ブドウ糖、1.5%カザミノ酸)を仕込んだ50L容
発酵槽へ移植して、30℃で通気撹拌培養を開始した。
培養液の濁度が約500クレット単位になった時点で、
イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシドの最終
濃度が12mg/Lになるように添加し、さらに4時間
培養を行った。培養終了後、培養液を遠心分離し、約50
0gの湿菌体を取得し、−80℃で凍結保存した。
【0122】実施例A7 hRFRP-1(37)の取得 実施例A6で得た菌体500gに6M グアニジン塩酸
塩、0.2M トリス/HCL(pH8.0)溶液100
0mlを加え、約4時間攪拌した後、遠心分離(1000
0rpm、60分)を行い、上澄液を0.6M アルギニ
ン、1mM ジチオトレイトール、50mM トリス/H
CL(pH8.0)29Lで希釈した。一晩10℃で静置
した後、濃塩酸でpH6.0に調整し、50mM リン
酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したAF-Heparin Toyop
earl 650Mカラム(11.3cmID×13cmL、東ソー)
に通液し、吸着、洗浄した後、50mM リン酸緩衝
液、2M NaCl、pH6.0で溶出を行い、100
0mlの本発明のポリペプチド(hRFRP-1(37)−CS2
3融合タンパク質画分を得た。この溶出液をペリコンミ
ニカセット(ミリポア社)で0.1M酢酸を加えながら
濃縮を行い、hRFRP-1(37)−CS23融合タンパク質の
0.1M酢酸溶液を得た。この溶液に最終濃度6Mとな
るように尿素を添加した後、1−シアノ−4−ジメチル
アミノピリジニウム塩(DMAP−CN)445mgを加
えて、室温で15分間反応した。反応終了後、反応液を
10%酢酸で平衡化したSephadex G−25カ
ラム(46mmID×600mmL、ファルマシア)に通液し、平衡化
に用いた10%酢酸を6ml/minの流速で展開し、
S−シアノ化されたhRFRP-1(37)−CS23融合タンパ
ク質画分を得た。この溶出液をペリコンミニカセット
(ミリポア社)で濃縮・脱塩を行い、hRFRP-1(37)−C
S23融合タンパク質の脱塩液を得た。この脱塩液に最
終濃度6Mとなるように尿素を添加した後、さらに、3
M濃度となるように25%アンモニア水を加え、15℃
で15分間反応させた。反応終了後、酢酸でpH6.0
に調整し、hRFRP-1(37)を得た。この反応液を3M尿素
を含む50mM MES緩衝液(pH4.5)で平衡化
したSP−5PW(5.5cmID×30cmL、東ソー)
に通液し、吸着、洗浄した後、0〜50%B(B=50
mM MES緩衝液+1M NaCl+3M尿素)の段階
勾配で溶出を行い、hRFRP-1(35)を得た(溶出時間:6
0分)。このhRFRP-1(37)画分を、さらに0.1%トリ
フルオロ酢酸(TFA)で平衡化したODS−120T(2
1.5mmID×300mmL、東ソー)に通液し、吸着、洗浄した
後、30〜60%B(B:80%アセトニトリル/0.
1%TFA)の段階勾配で溶出を行い、hRFRP-1(37)画分を
プールした(溶出時間:45分)後、凍結乾燥を行い、
hRFRP-1(37)凍結乾燥粉末を得た。
【0123】実施例A8 ヒトOT7T022受容体発現CHO細
胞に対する各種RFアミドペプチドのアゴニスト活性の比
較 WO 00/29441号に記載の方法に準じた方法によって得ら
れたヒトOT7T022受容体発現CHO細胞を3×105cells/well
の密度で24-wellプレートに播種して一晩培養した。該
細胞をハンクスバッファー(HBSS)に0.05%のBSAと0.2m
MのIBMXを加えたバッファーで洗浄した後、同じバッフ
ァーで37℃、30分間のプレインキュベーションを行っ
た。次に、ハンクスバッファー(HBSS)に0.05%のBSAと
0.2mMのIBMXを加えたバッファーあるいはそれに1μMの
ホルスコリンのみを添加したバッファー、1μMのホル
スコリンと様々な濃度のペプチドを添加したバッファー
と交換し、37℃、30分間のインキュベーションを行っ
た。インキュベーション終了後、各ウェルの細胞内cAMP
の抽出および定量をcAMP EIA Kit(アマシャム社)の方
法に従って実施した。各濃度のペプチドについて、ホル
スコリン処理による細胞内cAMP量の増加を抑制した割合
を算出し、図14に示すような用量-反応曲線を得た。
ペプチドのED50値はそれぞれ、hRFRP-1-12(配列番号:
1の第81番目(Met)ないし第92番目(Phe)のアミ
ノ酸配列を有するペプチド(○))(4.5nM)、hRFRP-1
-37(配列番号:1の第56番目(Ser)ないし第92番
目(Phe)のアミノ酸配列を有するペプチド(■))(2
1nM)、rRFRP-1-37(配列番号:50の第58番目(Se
r)ないし第94番目(Phe)のアミノ酸配列を有するペ
プチド(◇))(30nM)、hRFRP-2-12(配列番号:1の
第101番目(Phe)ないし第112番目(Ser)のアミ
ノ酸配列を有するペプチド(▲))、hRFRP-3-8(配列
番号:1の第124番目(Val)ないし第131番目(P
he)のアミノ酸配列を有するペプチド(□))(9.9n
M)、PQRFamide(Pro-Gln-Arg-Phe-NH2で表されるペプ
チド(◆))(1000nM以上)、LPLRFamide(Leu-Pro-Le
u-Arg-Phe-NH2で表されるペプチド(●))(36nM)、N
PFF(Asn-Pro-Phe-Pheで表されるペプチド(△))(14
0nM)であった。
【0124】実施例A9 RFRPペプチドによるヒトOT7T
022受容体の活性化に対する百日咳毒素の効果の検討 実施例A8で取得したヒトOT7T022受容体発現CHO細胞を
1×105cells/wellの密度で24-wellプレートに播種して
一晩培養した後、100ng/mlの百日咳毒素(pertussis tox
in,SIGMA社)を添加した培地あるいはコントロールの培
地に交換し、さらに一晩培養した。細胞をハンクスバッ
ファー(HBSS)に0.05%のBSAと0.2mMのIBMXを加えたバ
ッファーで洗浄した後、同じバッファーで37℃、30分間
のプレインキュベーションを行った。次に、細胞をハン
クスバッファー(HBSS)に0.05%のBSAと0.2mMのIBMXを
加えたバッファーのみ(黒色のカラム)、あるいはそれ
に1μMのホルスコリンのみを添加したバッファー(白
色のカラム)、1μMのホルスコリンと0.1μMのRFRP-1-
12(配列番号:1の第81番目(Met)ないし第92番
目(Phe)のアミノ酸配列を有するペプチド)を添加し
たバッファー(斜線のカラム)と交換し、37℃、30分間
のインキュベーションを行った。インキュベーション終
了後、各ウェルの細胞内cAMPの抽出および定量をcAMP E
IA Kit(アマシャム社)の方法に従って実施した。その
結果、図15に示すように百日咳毒素で処理した細胞に
ついてはRFRP-1-12によるcAMP産生抑制活性が消失した
ことから、OT7T022受容体を介したcAMP産生抑制反応は
百日咳毒素感受性のGタンパク質αサブユニットであるG
i(抑制性)あるいはGoに共役していることが示され
た。
【0125】実施例B1 抗ラット型RFRP-3モノクロ−
ナル抗体の作製 ラット型RFRP-3のC末端8アミノ酸(C末端アミド化)の
N末端にCys一残基を付加したペプチド(C-FPSLPQRF-N
H2)を抗原としたモノクロ−ナル抗体を作製した。抗原
ペプチド0.6mgをウシ血清アルブミン(BSA)にマレイイミ
ドを用いてコンジュゲートした。このコンジュゲ−ト10
0μg をマウスの皮下に三回免疫して後、最終免疫とし
てコンジュゲート50μg を尾静脈に免疫した。最終免疫
の四日後、マウスより脾臓細胞を採取し、マウスミエロ
ーマ細胞(P3-X63Ag8-U1)とポリエチレングリコールを用
い細胞融合した。細胞融合後、ハイブリドーマ細胞、7F
6を選択し、INTREGRA CL-1000を用いた大量培養にて、
7F6の培養上清を得た。この培養上清より、HiTrap rPr
otein A column (Pharmacia) を用いて抗ラット型RFRP-
3モノクロ−ナル抗体を得た。Mouse mAb isotyping kit
(Amersham)を用いて調べたところ、このモノクローナ
ル抗体のサブタイプはIgG2b k chainであった。
【0126】実施例B2 競合的EIAの構築 まず、抗原としたペプチドをマレイイミドを用いて西洋
ワサビペルオキシターゼ(HRP)にコンジュゲートし、HRP
-rat RFRP-3を作製した。このHRP-rat RFRP-3と実施例
B1で得られた抗ラット型RFRP-3モノクローナル抗体を
用いて競合的EIAを構築した。抗マウスIgGAM (Cappel)
1.5μg/wellでコートし、Block ACE (大日本製薬)でブ
ロッキングした96穴プレ−ト各穴にバッファー(2mM EDT
A、0.4% BSA、0.1 M NaCl、0.1% micro-O-protectを含
む生理的リン酸バッファー(PBS))で希釈した抗ラット型
RFRP-3モノクローナル抗体50μlを加え、同じバッファ
ーに溶解したサンプル50μlも加えた。4℃にて16時間
インキュベートした後、バッファーで希釈したHRP-rat
RFRP-3 50μlを各穴に加えた。室温で2時間インキュ
ベートした後、0.1% Tween20 (Sigma)を含むPBSでプレ
ートを洗浄した後、各穴に結合したHRPの活性を TMB mi
crowell peroxidase systemを用いて呈色反応にて検出
し450nmにおける吸光度を測定した。RFRP-3関連ペプチ
ドをサンプルとして加えた時の吸光度の変化を図16に
示す。
【0127】実施例B3 ウシ視床下部からの内因性RF
RP-3の精製 実施例B2で構築した競合的EIAでウシ視床下部からの
ペプチド粗画分にRFRP-3様免疫活性が見いだされた。こ
のRFRP-3様免疫活性を指標に、ウシ視床下部より内因性
のRFRP-3を精製した。まず、凍結保存されたウシ視床下
部2.0kg をミリQ水中で煮沸し、酢酸を1Mとなるように
加え、ポリトロンでホモジナイズした。一晩撹拌した
後、遠心にて上清を得た。上清にトリフルオロ酢酸(TF
A)を0.05%となるように加え、C18カラム(Prep C18 125
Å; Waters)にアプライした。カラムに結合したペプチ
ドを0.5%TFAを含む10、30、50%アセトニトリルでステッ
プワイズに溶出した。30%アセトニトリル画分を二倍量
の20mM酢酸アンモニウム(pH4.7)で希釈し、イオン交換
カラムHiPrep CM-Sepharose FF (Pharmacia)にアプライ
した。イオン交換カラムに結合したペプチド10%アセト
ニトリルを含む20mM酢酸アンモニウム(pH4.7)中の0.1、
0.2、0.5、1.0M NaClでステップワイズに溶出した。も
っとも多くRFRP-3様免疫活性が含まれていた0.2M NaCl
画分に3倍量の冷アセトンを加え、遠心にて沈殿を除き
上清をエバポレ−トにて濃縮した。濃縮された上清に0.
1%となるようTFAを加え、逆相HPLCカラム RESOURCE RPC
(Pharmacia) にてさらなる分離を行った。RESOURCE RP
Cの分離は10〜30%アセトニトリルの濃度勾配で行い、
主たるRFRP-3様活性は、およそ23%アセトニトリルで溶
出された。この活性画分を10%アセトニトリルを含む20m
M酢酸アンモニウム(pH4.7)中での0.2〜0.6M NaClの濃度
勾配を用いた陽イオン交換カラム TSK gel CM-SW(トー
ソー)で分離したところ、主たるRFRP-3様活性は、およ
そ0.36M NaClで溶出された。RFRP-3様免疫活性を含むCM
-2SWカラムの画分に0.1%となるようTFAを加え、18〜23%
アセトニトリルの濃度勾配を用いた逆相カラム μRPC C
2/C18 SC2.1/10で最終精製し、RFRP-3様免疫活性と一致
するピークを得た(図17)。
【0128】実施例B4 最終精製標品のN末端アミノ
酸配列分析およびマススペクトルによる分子量測定 実施例B3で得られた最終精製標品のN末端アミノ酸を
プロティンシークエンサー(491cLC; Applied Biosystem
s)で分析したところ、図18に示すアミノ酸配列が得ら
れた。また、ESI-MS (LCQ; Thermoquest)を用いて、最
終精製標品の分子量を測定したところ、3302の値を得た
(図19)。5価の分子関連イオン(m/z 661)をプリカーサ
ーイオンとして測定したMS/MSスペクトルは、RFRP前駆
体Ala104から始まる28残基のペプチドの構造に帰属され
た(図20)。これらの分析結果より、ウシ視床下部か
らの最終精製標品はウシRFRP前駆体の Ala104からPhe13
1までに相当する28アミノ酸からなるペプチドであるこ
とが判明した。
【0129】実施例B5 抗ラット型RFRP-3ポリクロ−
ナル抗体の作製 ラット型RFRP-3の17アミノ酸のC末端にCys一残基を付
加したペプチド(NMEAGTMSGFPSLPQRF-Cys)を抗原とした
ポリクロ−ナル抗体を作製した。抗原ペプチド0.6mgを
ウシ血清アルブミン(BSA)にマレイイミドを用いてコン
ジュゲ−トした。このコンジュゲ−ト500μg をウサギ
の皮下に四回免疫して後、採血し、抗血清を得た。抗血
清10mlに2倍量の3M硫安を加え、IgG画分を調整し、
抗原カラム(抗原を結合させたSulfo-linkカラム(PIERC
E))にてアフィニティー精製した結合分画を、抗ラット
型RFRP-3ポリクロ−ナル抗体として得た。
【0130】実施例B6 競合的EIAの構築 まず、抗原としたペプチドをマレイイミドを用いて西洋
ワサビペルオキシタ−ゼ(HRP)にコンジュゲ−トし、HRP
-rat RFRP-3(N)を作製した。このHRP-rat RFRP-3(N)と
実施例5Bで得られた抗ラット型RFRP-3ポリクロ−ナル
抗体を用いて競合的EIAを構築した。抗ウサギIgG(Cappe
l) 1.5μg/wellでコ−トし、Block ACE (大日本製薬)で
ブロッキングした96穴プレ−ト各穴にバッファ−(2mM E
DTA、0.4% BSA、0.1 M NaCl、0.1% micro-O-protectを
含む生理的リン酸バッファ−(PBS))で希釈した抗ラット
型RFRP-3ポリクロ−ナル抗体50μlを加え、同じバッフ
ァ−に溶解したサンプル50μlも加えた。4℃にて16時
間インキュベ−トした後、バッファ−で希釈したHRP-ra
t RFRP-3(N)50μlを各穴に加えた。室温で2時間インキ
ュベ−トした後、0.1% Tween20 (Sigma)を含むPBSでプ
レ−トを洗浄した後、各穴に結合したHRPの活性を TMB
microwell peroxidase systemを用いて呈色反応にて検
出し450nmにおける吸光度を測定した。RFRP-3関連ペプ
チドをサンプルとして加えた時の吸光度の変化を図21
に示す。
【0131】実施例B7 ヒト型RFRP-3(28)の製造 Ala-Thr-Ala-Asn-Leu-Pro-Leu-Arg-Ser-Gly-Arg-Asn-Me
t-Glu-Val-Ser-Leu-Val-Arg-Arg-Val-Pro-Asn-Leu-Pro-
Gln-Arg-Phe-NH2(配列番号:63) 市販p−メチルBHA樹脂(アプライド バイオシテム
ズ社製)0.5 m mole分をペプチド合成機(アプライド
バイオシテムズ社製430A)の反応器に入れ、DCM
で膨潤させた後、最初のアミノ酸Boc-PheをHOBt/DCC法
で活性化しp−メチルBHA樹脂に導入した。樹脂を50
%TFA/DCMで処理し、Boc基を除去してアミノ基を
遊離させ、DIEAで中和した。このアミノ基に次のアミノ
酸Boc-Arg(Tos)をHOBt/DCC法で縮合した。未反応アミノ
基の有無をニンヒドリンテストで調べ、未反応アミノ基
が残存したときには再度縮合を繰り返し反応完了を確認
後同様に、Boc-Gln、 Boc-Pro、 Boc-Leu、 Boc-Asn、 Boc
-Val、 Boc-Arg(Tos)、 Boc-Ser(Bzl)、 Boc-Glu(OcHe
x), Boc-Met, Boc-Asn, Boc-Gly, Boc-Thr(Bzl), をヒ
ト型RFRP-3(28)の配列順に縮合し、Boc-Ala-Thr(Bzl)-A
la-Asn-Leu-Pro-Leu-Arg(Tos)-Ser(Bzl)-Gly-Arg(Tos)-
Asn-Met-Glu(OcHex)-Val-Ser(Bzl)-Leu-Val-Arg(Tos)-A
rg(Tos)-Val-Pro-Asn-Leu-Pro-Gln-Arg(Tos)-Phe-pM
BHA樹脂を得た。この樹脂0.3gをp−クレゾール3.
1g、弗化水素15mlと共にテフロン製弗化水素反応装置中
で0℃・60分間反応した。弗化水素を減圧留去し、残
留物にジエチルエーテル100mlを加え撹袢後、グラスフ
ィルター上に濾取、乾燥した。これを50%酢酸水溶液50m
l中に懸濁、撹袢し、ペプチドを抽出した後樹脂と分離
し減圧下に約5mlまでに濃縮した後、セファデックスG-
25(2x90cm)のカラムに付し50%酢酸水で展開し
主要画分を集め凍結乾燥した。次にこの粗ペプチドを5
%チオグリコール酸/50%酢酸1.5mlに溶解し、50℃ 12
時間保持しMet酸化体ペプチドを還元した後、LiChropre
p(登録商標)RP-18(MERCK社製)を充填した逆相
系カラムにつけ0.1% TFA水と0.1% TFA含有33%
アセトニトリル水溶液を用いたグラジエント溶出での精
製をくり返し、主要画分を集め凍結乾燥し、白色粉末3
0mgを得た。 質量分析による(M+H) 3190.9 HPLC溶出時間 15.5分 カラム条件 カラム: Wakosil II5C18HG (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有5%アセトニトリル水) B液(0.1% TFA含有55%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0132】実施例B8 ヒト型RFRP-3(31)の製造 Ser-Ala-Gly-Ala-Thr-Ala-Asn-Leu-Pro-Leu-Arg-Ser-Gl
y-Arg-Asn-Met-Glu-Val-Ser-Leu-Val-Arg-Arg-Val-Pro-
Asn-Leu-Pro-Gln-Arg-Phe-NH2(配列番号:65) 実施例B7で調製した Boc-Ala-Thr(Bzl)-Ala-Asn-Leu-Pro-Leu-Arg(Tos)-Ser
(Bzl)-Gly-Arg(Tos)-Asn-Met-Glu(OcHex)-Val-Ser(Bzl)
-Leu-Val-Arg(Tos)-Arg(Tos)-Val-Pro-Asn-Leu-Pro-Gln
-Arg(Tos)-Phe-pMBHA樹脂にさらにBoc-Gly, Boc-
Ala, Boc-Ser(Bzl)を同様に順次縮合し、Boc-Ser(Bzl)
-Ala-Gly-Ala-Thr(Bzl)-Ala-Asn-Leu-Pro-Leu-Arg(Tos)
-Ser(Bzl)-Gly-Arg(Tos)-Asn-Met-Glu(OcHex)-Val-Ser
(Bzl)-Leu-Val-Arg(Tos)-Arg(Tos)-Val-Pro-Asn-Leu-Pr
o-Gln-Arg(Tos)-Phe-pMBHA樹脂を得た。この樹脂
を実施例B7と同様に弗化水素反応処理して得た粗ペプ
チドを同様に精製し、白色粉末25mgを得た。 質量分析による(M+H) 3405.9 HPLC溶出時間 15.7分 カラム条件 カラム: Wakosil II5C18HG (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有5%アセトニトリル水) B液(0.1% TFA含有55%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0133】実施例B9 Leu-Pro-Gln-Arg-Phe-NH
2(配列番号:69):hRFRP-3(5)の製造 実施例B7の樹脂を調製途中Boc-Leu-Pro-Gln-Arg(Tos)
-Phe-pMBHA樹脂を一部取り出し、これを実施例B
7、B8と同様に弗化水素処理しセファデックスG-25
(2x90cm)のカラムで精製、さらにLiChroprep
(登録商標)RP-18(MERCK社製)を充填した逆相
系カラムで精製しLeu-Pro-Gln-Arg-Phe-NH2を得る。
【0134】実施例B10 Asn-Leu-Pro-Gln-Arg-Phe-
NH2(配列番号:70):hRFRP-3(6)の製造 実施例B7の樹脂を調製途中Boc-Asn-Leu-Pro-Gln-Arg
(Tos)-Phe-pMBHA樹脂を一部取り出し、これを実施
例B7、B8と同様に弗化水素処理しセファデックスG-
25(2x90cm)のカラムで精製、さらにLiChroprep
(登録商標)RP-18(MERCK社製)を充填した逆相系
カラムで精製しAsn-Leu-Pro-Gln-Arg-Phe-NH2を得る。
【0135】実施例B11 Pro-Asn-Leu-Pro-Gln-Arg-
Phe-NH2(配列番号:71):hRFRP-3(7)の製造 実施例B7の樹脂を調製途中Boc-Pro-Asn-Leu-Pro-Gln-
Arg(Tos)-Phe-pMBHA樹脂を一部取り出し、これを
実施例B7、B8と同様に弗化水素処理しセファデック
スG-25(2x90cm)のカラムで精製、さらにLiChro
prep(登録商標)RP-18(MERCK社製)を充填した
逆相系カラムで精製しPro-Asn-Leu-Pro-Gln-Arg-Phe-NH
2を得る。
【0136】実施例B12 125I標識hRFRP-3(8)の作成 Tyr-hRFRP-3(8) (0.1mM) 20μl、蒸留水 10μl、ラク
トペルオキシダーゼ(シグマ社、10μg/mLに0.1M HEPES-
NaOH pH7.0を用いて調製) 20μl、Idoine-125(アマシ
ャム社製、IMS-30、74MBq)10μl、0.005% 過酸化水素
(和光純薬社製)20μl を混合、室温で10分静置した
後、0.1% TFA 600μlを添加して逆相HPLCにて分離、標
識体のピークを分取した。直ちに氷上に保管し、等量の
アッセイ用バッファー(50mM Tris-HCl, pH7.5、 5mM E
DTA、 0.1% ウシ血清アルブミン(シグマ社製)、0.5mM
PMSF(和光純薬社製)、 20μg/mL leupeptin(ペプチ
ド研究所製)、 0.1μg/mL pepstatinA(ペプチド研究所
製)、 4μg/mL E-64(ペプチド研究所製)、 10mM MgC
l2)を加えたのち、一部を採取してγ-カウンターで放
射活性を測定し、残りの標品は100μlずつ分注して凍
結保存した。
【0137】実施例B13 ヒト型OT7T022発現CHO細胞
膜画分の調製 ヒト型OT7T022発現CHO細胞を培養したフラスコを5mM ED
TA/PBSで洗浄、5mM EDTA/PBSで細胞を剥がし、遠心して
細胞を回収、25mLの 膜画分調製用緩バッファー(50mM
Tris-HCl, pH7.5、 5mM EDTA、 0.1% ウシ血清アルブミ
ン(シグマ社製)、0.5mM PMSF(和光純薬社製)、 20
μg/mL leupeptin(ペプチド研究所製)、 0.1μg/mL pe
pstatinA(ペプチド研究所製)、 4μg/mL E-64(ペプ
チド研究所製))に懸濁、ポリトロンを用い氷上でホモ
ジナイズした(12,000rpm、15秒×3回)。これを、高速
冷却遠心機にて4℃、1,000g、10分遠心し、上清を回収
した。沈殿に25mLの膜画分調製用緩衝バッファーを加
え、同様の操作で上清を回収した。これら上清をまと
め、セルストレーナーにかけた後、超遠心機用チューブ
に分注し、4℃、100,000g、1時間遠心した。ペレットを
回収し、少量の膜画分調製用バッファーに懸濁し、テフ
ロンホモジナイザーを用いて懸濁した後、一部を用いて
蛋白量を測定し、残りを分注して-80℃にて保存した。
【0138】実施例B14 結合阻害試験 アッセイ用バッファー(50mM Tris-HCl, pH7.5、 5mM E
DTA、 0.1% ウシ血清アルブミン(シグマ社製)、0.5mM
PMSF(和光純薬社製)、 20μg/mL leupeptin(ペプチ
ド研究所製)、 0.1μg/mL pepstatinA(ペプチド研究所
製)、 4μg/mL E-64(ペプチド研究所製)、 10mM MgC
l2)を作成した。これを用いて、ヒト型OT7T022発現CHO
細胞の膜画分を1μg/25μlとなるよう希釈した。表1に
示したペプチドは、10-2M又は10-3Mのストック溶液を、
アッセイの濃度(10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10
-9M、10-10M、10-11M)の2倍濃度となるようアッセイ
用バッファーで希釈した。非特異的結合の測定として、
20μM Tyr-hRFRP-3(8)を調製した。調製した試料溶液、
NSB、トータルとしてアッセイバファーを、ポリプロピ
レン製96穴プレートに、4連で50μl分注した。標識ペ
プチドは、調製した125I-Tyr-hRFRP-3(8)を測定用緩衝
液で400pMに希釈、25μlを分注し、プレートミキサーで
攪拌した。そこにヒト型OT7T022発現CHO細胞膜画分溶液
25μlを分注し、プレートミキサーで攪拌、室温1時間
半インキュベートした。これを、96穴プレート用セルハ
ーベスターを用いて、洗浄用バッファー(50mM Tris-HC
l, pH7.5)で予め湿らせたフィルターユニット(GF/C、
ポリエチレンイミン処理)に吸着、5回洗浄用緩衝液で洗
浄した後、充分に乾燥させた。フィルターユニットの下
部をシール、液体シンチレーターを50μl分注した後上
部をシールし、トップカウント(パッカード社)で放射
活性を測定し、3連でデータを解析した。表1にIC50
を示す。
【0139】実施例B15 cAMP産生抑制試験 ヒト型OT7T022を発現させたCHO細胞を、24穴プレートに
3×105個/wellで継代し、37℃、5%CO2 95%airで一日
培養した。アッセイ用バッファーとして、Hanks’ Bala
nced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.05% ウシ血清
アルブミン(BSA、シグマ社製)、200μM 3-isobutyl-
1-methylxanthine(シグマ社製)を加えたものを調製し
た。一晩培養したプレートは、まず、アッセイ用バッフ
ァー400μlで二回洗浄後、アッセイ用バッファー400μl
に交換して、30分、37℃、100% airで培養した。試料希
釈用バッファーとしてアッセイ用バッファーに1μM フ
ォルスコリンを添加したものを作成、これを用い表1に
示したペプチドのストック溶液(10-2M又は10-3M)を希釈
して、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、10-10Mの試料溶液
を調製した。アッセイ用バッファーで30分培養したプレ
ートを取り出し、アッセイ用バッファーで一回洗浄後、
試料溶液500μlを添加した。一つの試料につき、測定
は3連で行った。また、basal level測定用に同量のア
ッセイ用バッファー、maximum level測定用に同量の試
料希釈用バッファーを添加した。プレートを、30分、37
℃、100% airで培養し、細胞内cAMP量を、BiotrakTMcAM
P enzymeimmunoassay (EIA) system(アマシャム ファル
マシア バイオテク社製)を用い、本キットのプロトコー
ルに従い測定した。Maximam levelのcAMP量と各サンプ
ルを添加した時のcAMP量の差を算出して、フォルスコリ
ンによるcAMP産生促進量に対する百分率を算出し、これ
をcAMPの産生の抑制率とした。表1に各試料のEC50値を
示す。
【表1】
【0140】
【発明の効果】本発明のRFRP−3は、プロラクチン
分泌の促進および抑制作用を有する。すなわち、本発明
のRFRP−3はプロラクチン分泌の促進作用を有する
ため、プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患の予防
および治療薬に用いることができる。一方、本発明のR
FRP−3は、そのレセプター蛋白質との親和性が強い
ため、投与量が増えるとプロラクチン分泌に対し脱感作
(desensitization)が起こる結果、プロラクチン分泌
を抑制する作用も有する。この場合、プロラクチン過剰
分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬に用いるこ
とができる。
【0141】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel RFRP-3 And Its DNA <130> B02268 <150> JP 2001-254826 <151> 2001-08-24 <160> 72 <210> 1 <211> 180 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Glu Ile Ile Ser Ser Lys Leu Phe Ile Leu Leu Thr Leu Ala Thr 1 5 10 15 Ser Ser Leu Leu Thr Ser Asn Ile Phe Cys Ala Asp Glu Leu Val Met 20 25 30 Ser Asn Leu His Ser Lys Glu Asn Tyr Asp Lys Tyr Ser Glu Pro Arg 35 40 45 Gly Tyr Pro Lys Gly Glu Arg Ser Leu Asn Phe Glu Glu Leu Lys Asp 50 55 60 Trp Gly Pro Lys Asn Val Ile Lys Met Ser Thr Pro Ala Val Asn Lys 65 70 75 80 Met Pro His Ser Phe Ala Asn Leu Pro Leu Arg Phe Gly Arg Asn Val 85 90 95 Gln Glu Glu Arg Ser Ala Gly Ala Thr Ala Asn Leu Pro Leu Arg Ser 100 105 110 Gly Arg Asn Met Glu Val Ser Leu Val Arg Arg Val Pro Asn Leu Pro 115 120 125 Gln Arg Phe Gly Arg Thr Thr Thr Ala Lys Ser Val Cys Arg Met Leu 130 135 140 Ser Asp Leu Cys Gln Gly Ser Met His Ser Pro Cys Ala Asn Asp Leu 145 150 155 160 Phe Tyr Ser Met Thr Cys Gln His Gln Glu Ile Gln Asn Pro Asp Gln 165 170 175 Lys Gln Ser Arg 180 <210> 2 <211> 540 <212> DNA <213> Human <400> 2 atggaaatta tttcatcaaa actattcatt ttattgactt tagccacttc aagcttgtta 60 acatcaaaca ttttttgtgc agatgaatta gtgatgtcca atcttcacag caaagaaaat 120 tatgacaaat attctgagcc tagaggatac ccaaaagggg aaagaagcct caattttgag 180 gaattaaaag attggggacc aaaaaatgtt attaagatga gtacacctgc agtcaataaa 240 atgccacact ccttcgccaa cttgccattg agatttggga ggaacgttca agaagaaaga 300 agtgctggag caacagccaa cctgcctctg agatctgga agaaatatgga ggtgagcctc 360 gtgagacgtg ttcctaacct gccccaaagg tttgggagaa caacaacagc caaaagtgtc 420 tgcaggatgc tgagtgattt gtgtcaagga tccatgcatt caccatgtgc caatgactta 480 ttttactcca tgacctgcca gcaccaagaa atccagaatc ccgatcaaaa acagtcaagg 540 <210> 3 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 3 gggctgcaca tagagactta attttag 27 <210> 4 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 4 ctagaccacc tctatataac tgcccat 27 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 5 gcacatagag acttaatttt agatttagac 30 <210> 6 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 6 catgcacttt gactggtttc caggtat 27 <210> 7 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 7 cagctttagg gacaggctcc aggtttc 27 <210> 8 <211> 196 <212> PRT <213> Human <400> 8 Met Glu Ile Ile Ser Ser Lys Leu Phe Ile Leu Leu Thr Leu Ala Thr 1 5 10 15 Ser Ser Leu Leu Thr Ser Asn Ile Phe Cys Ala Asp Glu Leu Val Met 20 25 30 Ser Asn Leu His Ser Lys Glu Asn Tyr Asp Lys Tyr Ser Glu Pro Arg 35 40 45 Gly Tyr Pro Lys Gly Glu Arg Ser Leu Asn Phe Glu Glu Leu Lys Asp 50 55 60 Trp Gly Pro Lys Asn Val Ile Lys Met Ser Thr Pro Ala Val Asn Lys 65 70 75 80 Met Pro His Ser Phe Ala Asn Leu Pro Leu Arg Phe Gly Arg Asn Val 85 90 95 Gln Glu Glu Arg Ser Ala Gly Ala Thr Ala Asn Leu Pro Leu Arg Ser 100 105 110 Gly Arg Asn Met Glu Val Ser Leu Val Arg Arg Val Pro Asn Leu Pro 115 120 125 Gln Arg Phe Gly Arg Thr Thr Thr Ala Lys Ser Val Cys Arg Met Leu 130 135 140 Ser Asp Leu Cys Gln Gly Ser Met His Ser Pro Cys Ala Asn Asp Leu 145 150 155 160 Phe Tyr Ser Met Thr Cys Gln His Gln Glu Ile Gln Asn Pro Asp Gln 165 170 175 Lys Gln Ser Arg Arg Leu Leu Phe Lys Lys Ile Asp Asp Ala Glu Leu 180 185 190 Lys Gln Glu Lys 195 <210> 9 <211> 588 <212> DNA <213> Human <400> 9 atggaaatta tttcatcaaa actattcatt ttattgactt tagccacttc aagcttgtta 60 acatcaaaca ttttttgtgc agatgaatta gtgatgtcca atcttcacag caaagaaaat 120 tatgacaaat attctgagcc tagaggatac ccaaaagggg aaagaagcct caattttgag 180 gaattaaaag attggggacc aaaaaatgtt attaagatga gtacacctgc agtcaataaa 240 atgccacact ccttcgccaa cttgccattg agatttggga ggaacgttca agaagaaaga 300 agtgctggag caacagccaa cctgcctctg agatctggaa gaaatatgga ggtgagcctc 360 gtgagacgtg ttcctaacct gccccaaagg tttgggagaa caacaacagc caaaagtgtc 420 tgcaggatgc tgagtgattt gtgtcaagga tccatgcatt caccatgtgc caatgactta 480 ttttactcca tgacctgcca gcaccaagaa atccagaatc ccgatcaaaa acagtcaagg 540 agactgctat tcaagaaaat agatgatgca gaattgaaac aagaaaaa 588 <210> 10 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 10 gcctagagga gatctaggct gggagga 27 <210> 11 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 11 gggaggaaca tggaagaaga aaggagc 27 <210> 12 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 12 gatggtgaat gcatggactg ctggagc 27 <210> 13 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 13 ttcctcccaa atctcagtgg caggttg 27 <210> 14 <211> 196 <212> PRT <213> Bovine <400> 14 Met Glu Ile Ile Ser Leu Lys Arg Phe Ile Leu Leu Met Leu Ala Thr 1 5 10 15 Ser Ser Leu Leu Thr Ser Asn Ile Phe Cys Thr Asp Glu Ser Arg Met 20 25 30 Pro Asn Leu Tyr Ser Lys Lys Asn Tyr Asp Lys Tyr Ser Glu Pro Arg 35 40 45 Gly Asp Leu Gly Trp Glu Lys Glu Arg Ser Leu Thr Phe Glu Glu Val 50 55 60 Lys Asp Trp Ala Pro Lys Ile Lys Met Asn Lys Pro Val Val Asn Lys 65 70 75 80 Met Pro Pro Ser Ala Ala Asn Leu Pro Leu Arg Phe Gly Arg Asn Met 85 90 95 Glu Glu Glu Arg Ser Thr Arg Ala Met Ala His Leu Pro Leu Arg Leu 100 105 110 Gly Lys Asn Arg Glu Asp Ser Leu 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tggcctgcca gccccaagaa atccagaatc ctggtcaaaa gaacctaagg 540 agacggggat tccagaaaat agatgatgca gaattgaaac aagaaaaa 588 <210> 16 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 16 ccctggggct tcttctgtct tctatgt 27 <210> 17 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 17 agcgattcat tttattgact ttagca 26 <210> 18 <211> 203 <212> PRT <213> Rat <400> 18 Met Glu Ile Ile Ser Ser Lys Arg Phe Ile Leu Leu Thr Leu Ala Thr 1 5 10 15 Ser Ser Phe Leu Thr Ser Asn Thr Leu Cys Ser Asp Glu Leu Met Met 20 25 30 Pro His Phe His Ser Lys Glu Gly Tyr Gly Lys Tyr Tyr Gln Leu Arg 35 40 45 Gly Ile Pro Lys Gly Val Lys Glu Arg Ser Val Thr Phe Gln Glu Leu 50 55 60 Lys Asp Trp Gly Ala Lys Lys Asp Ile Lys Met Ser Pro Ala Pro Ala 65 70 75 80 Asn Lys Val Pro His Ser Ala Ala Asn Leu Pro Leu Arg Phe Gly Arg 85 90 95 Asn Ile Glu Asp Arg Arg Ser Pro Arg Ala Arg Ala Asn Met Glu Ala 100 105 110 Gly Thr Met Ser His Phe Pro Ser Leu Pro Gln Arg Phe Gly Arg Thr 115 120 125 Thr Ala Arg Arg Ile Thr Lys 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cacggaaaca 540 gatgatgcag aaaggaaaca agaaaaaata ggaaacctcc agccagtcct tcaaggggct 600 atgaagctg 609 <210> 20 <211> 12 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 20 mgnttyggna ar 12 <210> 21 <211> 12 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 21 mgnttyggnm gn 12 <210> 22 <211> 12 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 22 mgnwsnggna ar 12 <210> 23 <211> 12 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 23 mgnwsnggnm gn 12 <210> 24 <211> 12 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 24 mgnytnggna ar 12 <210> 25 <211> 12 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 25 mgnytnggnm gn 12 <210> 26 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 26 gacttaattt tagatttaga caaaatggaa 30 <210> 27 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 27 ttctcccaaa cctttggggc aggtt 25 <210> 28 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 28 acagcaaaga aggtgacgga aaatactc 28 <210> 29 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 29 atagatgaga aaagaagccc cgcagcac 28 <210> 30 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 30 gtgctgcggg gcttcttttc tcatctat 28 <210> 31 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 31 tttagactta gacgaaatgg a 21 <210> 32 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 32 gctccgtagc ctcttgaagt c 21 <210> 33 <211> 188 <212> PRT <213> Mouse <400> 33 Met Glu Ile Ile Ser Leu Lys Arg Phe Ile Leu Leu Thr Val Ala Thr 1 5 10 15 Ser Ser Phe Leu Thr Ser Asn Thr Phe Cys Thr Asp Glu Phe Met Met 20 25 30 Pro His Phe His Ser Lys Glu Gly Asp Gly Lys Tyr Ser Gln Leu Arg 35 40 45 Gly Ile Pro Lys Gly Glu Lys Glu Arg Ser Val Ser Phe Gln Glu Leu 50 55 60 Lys Asp Trp Gly Ala Lys Asn Val Ile Lys Met Ser Pro Ala Pro Ala 65 70 75 80 Asn Lys Val Pro His Ser Ala Ala Asn Leu Pro Leu Arg Phe Gly Arg 85 90 95 Thr Ile Asp Glu Lys Arg Ser Pro Ala Ala Arg Val Asn Met Glu Ala 100 105 110 Gly Thr Arg Ser His Phe Pro Ser Leu Pro Gln Arg Phe Gly Arg Thr 115 120 125 Thr Ala Arg Ser Pro Lys Thr Pro Ala Asp Leu Pro Gln Lys Pro Leu 130 135 140 His Ser Leu Gly Ser Ser Glu Leu Leu Tyr Val Met Ile Cys Gln His 145 150 155 160 Gln Glu Ile Gln Ser Pro Gly Gly Lys Arg Thr Arg Arg Gly Ala Phe 165 170 175 Val Glu Thr Asp Asp Ala Glu Arg Lys Pro Glu Lys 180 185 <210> 34 <211> 564 <212> DNA <213> Mouse <400> 34 atggaaatta tttcattaaa acgattcatt ttattgactg tggcaacttc aagcttctta 60 acatcaaaca ccttctgtac agatgagttc atgatgcctc attttcacag caaagaaggt 120 gacggaaaat actcccagct gagaggaatc ccaaaagggg aaaaggaaag aagtgtcagt 180 tttcaagaac taaaagattg gggggcaaag aatgttatta agatgagtcc agcccctgcc 240 aacaaagtgc cccactcagc agccaacctg cccctgagat ttggaaggac catagatgag 300 aaaagaagcc ccgcagcacg ggtcaacatg gaggcaggga ccaggagcca tttccccagc 360 ctgccccaaa ggtttgggag aacaacagcc agaagcccca agacacccgc tgatttgcca 420 cagaaacccc tgcactcact gggctccagc gagttgctct acgtcatgat ctgccagcac 480 caagaaattc agagtcctgg tggaaagcga acgaggagag gagcgtttgt ggaaacagat 540 gatgcagaaa ggaaaccaga aaaa 564 <210> 35 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 35 agtcgacagt atggaggcgg agccctc 27 <210> 36 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 36 gactagttca aatgttccag gccgggatg 29 <210> 37 <211> 432 <212> PRT <213> Rat <400> 37 Met Glu Ala Glu Pro Ser Gln Pro Pro Asn Gly Ser Trp Pro Leu Gly 5 10 15 Gln Asn Gly Ser Asp Val Glu Thr Ser Met Ala Thr Ser Leu Thr Phe 20 25 30 Ser Ser Tyr Tyr Gln His Ser Ser Pro Val Ala Ala Met Phe Ile Ala 35 40 45 Ala Tyr Val Leu Ile Phe Leu Leu Cys Met Val Gly Asn Thr Leu Val 50 55 60 Cys Phe Ile Val Leu Lys Asn Arg His Met Arg Thr Val Thr Asn Met 65 70 75 80 Phe Ile Leu Asn Leu Ala Val Ser Asp Leu Leu Val Gly Ile Phe Cys 85 90 95 Met Pro Thr Thr Leu Val Asp Asn Leu Ile Thr Gly Trp Pro Phe Asp 100 105 110 Asn Ala Thr Cys Lys Met Ser Gly Leu Val Gln Gly Met Ser Val Ser 115 120 125 Ala Ser Val Phe Thr Leu Val Ala Ile Ala Val Glu Arg Phe Arg Cys 130 135 140 Ile Val His Pro Phe 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tctggcgctg ctcatcatgt gtccctcggc ggtcactctg 540 acagtcaccc gagaggagca tcacttcatg ctggatgctc gtaaccgctc ctacccgctc 600 tactcgtgct gggaggcctg gcccgagaag ggcatgcgca aggtctacac cgcggtgctc 660 ttcgcgcaca tctacctggt gccgctggcg ctcatcgtag tgatgtacgt gcgcatcgcg 720 cgcaagctat gccaggcccc cggtcctgcg cgcgacacgg aggaggcggt ggccgagggt 780 ggccgcactt cgcgccgtag ggcccgcgtg gtgcacatgc tggtcatggt ggcgctcttc 840 ttcacgttgt cctggctgcc actctgggtg ctgctgctgc tcatcgacta tggggagctg 900 agcgagctgc aactgcacct gctgtcggtc tacgccttcc ccttggcaca ctggctggcc 960 ttcttccaca gcagcgccaa ccccatcatc tacggctact tcaacgagaa cttccgccgc 1020 ggcttccagg ctgccttccg tgcacagctc tgctggcctc cctgggccgc ccacaagcaa 1080 gcctactcgg agcggcccaa ccgcctcctg cgcaggcggg tggtggtgga cgtgcaaccc 1140 agcgactccg gcctgccatc agagtctggc cccagcagcg gggtcccagg gcctggccgg 1200 ctgccactgc gcaatgggcg tgtggcccat caggatggcc cgggggaagg gccaggctgc 1260 aaccacatgc ccctcaccat cccggcctgg aacatttga 1299 <210> 39 <211> 12 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> the C-terminus of the polypeptide is amide (-CONH2) form <400> 39 Met Pro His Ser Phe Ala Asn Leu Pro Leu Arg Phe 1 5 10 <210> 40 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> the C-terminus of the polypeptide is amide (-CONH2) form <400> 40 Val Pro Asn Leu Pro Gln Arg Phe 1 5 <210> 41 <211> 11 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> the C-terminus of the polypeptide is amide (-CONH2) form <400> 41 Ser Ala Gly Ala Thr Ala Asn Leu Pro Arg Ser 1 5 10 <210> 42 <211> 36 <212> DNA <213> Human <400> 42 atgccacact ccttcgccaa cttgccattg agattt 36 <210> 43 <211> 36 <212> DNA <213> Human <400> 43 agtgctggag caacagccaa cctgcctctg agatct 36 <210> 44 <211> 24 <212> DNA <213> Human <400> 44 gttcctaacc tgccccaaag gttt 24 <210> 45 <211> 276 <212> DNA <213> Human <400> 45 atggaaatta tttcatcaaa actattcatt ttattgactt tagccacttc aagcttgtta 60 acatcaaaca ttttttgtgc agatgaatta gtgatgtcca atcttcacag caaagaaaat 120 tatgacaaat attctgagcc tagaggatac ccaaaagggg aaagaagcct caattttgag 180 gaattaaaag attggggacc aaaaaatgtt attaagatga gtacacctgc agtcaataaa 240 atgccacact ccttcgccaa cttgccattg agattt 276 <210> 46 <211> 336 <212> DNA <213> Human <400> 46 atggaaatta tttcatcaaa actattcatt ttattgactt tagccacttc aagcttgtta 60 acatcaaaca ttttttgtgc agatgaatta gtgatgtcca atcttcacag caaagaaaat 120 tatgacaaat attctgagcc tagaggatac ccaaaagggg aaagaagcct caattttgag 180 gaattaaaag attggggacc aaaaaatgtt attaagatga gtacacctgc agtcaataaa 240 atgccacact ccttcgccaa cttgccattg agatttggga ggaacgttca agaagaaaga 300 agtgctggag caacagccaa cctgcctctg agatct 336 <210> 47 <211> 393 <212> DNA <213> Human <400> 47 atggaaatta tttcatcaaa actattcatt ttattgactt tagccacttc aagcttgtta 60 acatcaaaca ttttttgtgc agatgaatta gtgatgtcca atcttcacag caaagaaaat 120 tatgacaaat attctgagcc tagaggatac ccaaaagggg aaagaagcct caattttgag 180 gaattaaaag attggggacc aaaaaatgtt attaagatga gtacacctgc agtcaataaa 240 atgccacact ccttcgccaa cttgccattg agatttggga ggaacgttca agaagaaaga 300 agtgctggag caacagccaa cctgcctctg agatctgga agaaatatgga ggtgagcctc 360 gtgagacgtg ttcctaacct gccccaaagg ttt 393 <210> 48 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 48 ccctggggct tcttctgtct tctatgt 27 <210> 49 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 49 agcgattcat tttattgact ttagca 26 <210> 50 <211> 203 <212> PRT <213> Rat <400> 50 Met Glu Ile Ile Ser Ser Lys Arg Phe Ile Leu Leu Thr Leu Ala Thr 1 5 10 15 Ser Ser Phe Leu Thr Ser Asn Thr Leu Cys Ser Asp Glu Leu Met Met 20 25 30 Pro His Phe His Ser Lys Glu Gly Tyr Gly Lys Tyr Tyr Gln Leu Arg 35 40 45 Gly Ile Pro Lys Gly Val Lys Glu Arg Ser Val Thr Phe Gln Glu Leu 50 55 60 Lys Asp Trp Gly Ala Lys Lys Asp Ile Lys Met Ser Pro Ala Pro Ala 65 70 75 80 Asn Lys Val Pro His Ser Ala Ala Asn Leu Pro Leu Arg Phe Gly Arg 85 90 95 Asn Ile Glu Asp Arg Arg Ser Pro Arg Ala Arg Ala Asn Met Glu Ala 100 105 110 Gly Thr Met Ser His Phe Pro Ser Leu Pro Gln Arg Phe Gly Arg Thr 115 120 125 Thr Ala Arg Arg Ile Thr Lys Thr Leu Ala Gly Leu Pro Gln Lys Ser 130 135 140 Leu His Ser Leu Ala Ser Ser Glu Leu Leu Tyr Ala Met Thr Arg Gln 145 150 155 160 His Gln Glu Ile Gln Ser Pro Gly Gln Glu Gln Pro Arg Lys Arg Val 165 170 175 Phe Thr Glu Thr Asp Asp Ala Glu Arg Lys Gln Glu Lys Ile Gly Asn 180 185 190 Leu Gln Pro Val Leu Gln Gly Ala Met Lys Leu 195 200 <210> 51 <211> 609 <212> DNA <213> Rat <400> 51 atggaaatta tttcatcaaa gcgattcatt ttattgactt tagcaacttc aagcttctta 60 acttcaaaca ccctttgttc agatgaatta atgatgcccc attttcacag caaagaaggt 120 tatggaaaat attaccagct gagaggaatc ccaaaagggg taaaggaaag aagtgtcact 180 tttcaagaac tcaaagattg gggggcaaag aaagatatta agatgagtcc agcccctgcc 240 aacaaagtgc cccactcagc agccaacctt cccctgaggt ttgggaggaa catagaagac 300 agaagaagcc ccagggcacg ggccaacatg gaggcaggga ccatgagcca ttttcccagc 360 ctgccccaaa ggtttgggag aacaacagcc agacgcatca ccaagacact ggctggtttg 420 ccccagaaat ccctgcactc cctggcctcc agtgaattgc tctatgccat gacccgccag 480 catcaagaaa ttcagagtcc tggtcaagag caacctagga aacgggtgtt cacggaaaca 540 gatgatgcag aaaggaaaca agaaaaaata ggaaacctcc agccagtcct tcaaggggct 600 atgaagctg 609 <210> 52 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 52 ttctagattt tggacaaaat ggaaatt 27 <210> 53 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 53 cgtctttagg gacaggctcc agatttc 27 <210> 54 <211> 430 <212> PRT <213> Human <400> 54 Met Glu Gly Glu Pro Ser Gln Pro Pro Asn Ser Ser Trp Pro Leu Ser 1 5 10 15 Gln Asn Gly Thr Asn Thr Glu Ala Thr Pro Ala Thr Asn Leu Thr Phe 20 25 30 Ser Ser Tyr Tyr Gln His Thr Ser Pro Val Ala Ala Met Phe Ile Val 35 40 45 Ala Tyr Ala Leu Ile Phe Leu Leu Cys Met Val Gly Asn Thr Leu Val 50 55 60 Cys Phe Ile Val Leu Lys Asn Arg His Met His Thr Val Thr Asn Met 65 70 75 80 Phe Ile Leu Asn Leu Ala Val Ser Asp Leu Leu Val Gly Ile Phe Cys 85 90 95 Met Pro Thr Thr Leu Val Asp Asn Leu Ile Thr Gly Trp Pro Phe Asp 100 105 110 Asn Ala Thr Cys Lys Met Ser Gly Leu Val Gln Gly Met Ser Val Ser 115 120 125 Ala Ser Val Phe Thr Leu Val Ala Ile Ala Val Glu Arg Phe Arg Cys 130 135 140 Ile Val His Pro Phe Arg Glu Lys Leu Thr Leu Arg Lys Ala Leu Val 145 150 155 160 Thr Ile Ala Val Ile Trp Ala Leu Ala Leu Leu Ile Met Cys Pro Ser 165 170 175 Ala Val Thr Leu Thr Val Thr Arg Glu Glu His His Phe Met Val Asp 180 185 190 Ala Arg Asn Arg Ser Tyr Pro Leu Tyr Ser Cys Trp Glu Ala Trp Pro 195 200 205 Glu Lys Gly Met Arg Arg Val Tyr Thr Thr Val Leu Phe Ser His Ile 210 215 220 Tyr Leu Ala Pro Leu Ala Leu Ile Val Val Met Tyr Ala Arg Ile Ala 225 230 235 240 Arg Lys Leu Cys Gln Ala Pro Gly Pro Ala Pro Gly Gly Glu Glu Ala 245 250 255 Ala Asp Pro Arg Ala Ser Arg Arg Arg Ala Arg Val Val His Met Leu 260 265 270 Val Met Val Ala Leu Phe Phe Thr Leu Ser Trp Leu Pro Leu Trp Ala 275 280 285 Leu Leu Leu Leu Ile Asp Tyr Gly Gln Leu Ser Ala Pro Gln Leu His 290 295 300 Leu Val Thr Val Tyr Ala Phe Pro Phe Ala His Trp Leu Ala Phe Phe 305 310 315 320 Asn Ser Ser Ala Asn Pro Ile Ile Tyr Gly Tyr Phe Asn Glu Asn Phe 325 330 335 Arg Arg Gly Phe Gln Ala Ala Phe Arg Ala Arg Leu Cys Pro Arg Pro 340 345 350 Ser Gly Ser His Lys Glu Ala Tyr Ser Glu Arg Pro Gly Gly Leu Leu 355 360 365 His Arg Arg Val Phe Val Val Val Arg Pro Ser Asp Ser Gly Leu Pro 370 375 380 Ser Glu Ser Gly Pro Ser Ser Gly Ala Pro Arg Pro Gly Arg Leu Pro 385 390 395 400 Leu Arg Asn Gly Arg Val Ala His His Gly Leu Pro Arg Glu Gly Pro 405 410 415 Gly Cys Ser His Leu Pro Leu Thr Ile Pro Ala Trp Asp Ile 420 425 430 <210> 55 <211> 1290 <212> DNA <213> Human <400> 55 atggaggggg agccctccca gcctcccaac agcagttggc ccctaagtca gaatgggact 60 aacactgagg ccaccccggc tacaaacctc accttctcct cctactatca gcacacctcc 120 cctgtggcgg ccatgttcat tgtggcctat gcgctcatct tcctgctctg catggtgggc 180 aacaccctgg tctgtttcat cgtgctcaag aaccggcaca tgcatactgt caccaacatg 240 ttcatcctca acctggctgt cagtgacctg ctggtgggca tcttctgcat gcccaccacc 300 cttgtggaca acctcatcac tgggtggccc ttcgacaatg ccacatgcaa gatgagcggc 360 ttggtgcagg gcatgtctgt gtcggcttcc gttttcacac tggtggccat tgctgtggaa 420 aggttccgct gcatcgtgca ccctttccgc gagaagctga ccctgcggaa ggcgctcgtc 480 accatcgccg tcatctgggc cctggcgctg ctcatcatgt gtccctcggc cgtcacgctg 540 accgtcaccc gtgaggagca ccacttcatg gtggacgccc gcaaccgctc ctaccctctc 600 tactcctgct gggaggcctg gcccgagaag ggcatgcgca gggtctacac cactgtgctc 660 ttctcgcaca tctacctggc gccgctggcg ctcatcgtgg tcatgtacgc ccgcatcgcg 720 cgcaagctct gccaggcccc gggcccggcc cccgggggcg aggaggctgc ggacccgcga 780 gcatcgcggc gcagagcgcg cgtggtgcac atgctggtca tggtggcgct gttcttcacg 840 ctgtcctggc tgccgctctg ggcgctgctg ctgctcatcg actacgggca gctcagcgcg 900 ccgcagctgc acctggtcac cgtctacgcc ttccccttcg cgcactggct ggccttcttc 960 aacagcagcg ccaaccccat catctacggc tacttcaacg agaacttccg ccgcggcttc 1020 caggccgcct tccgcgcccg cctctgcccg cgcccgtcgg ggagccacaa ggaggcctac 1080 tccgagcggc ccggcgggct tctgcacagg cgggtcttcg tggtggtgcg gcccagcgac 1140 tccgggctgc cctctgagtc gggccctagc agtggggccc ccaggcccgg ccgcctcccg 1200 ctgcggaatg ggcgggtggc tcaccacggc ttgcccaggg aagggcctgg ctgctcccac 1260 ctgcccctca ccattccagc ctgggatatc 1290 <210> 56 <211> 1290 <212> DNA <213> Human <400> 56 atggaggggg agccctccca gcctcccaac agcagttggc ccctaagtca gaatgggact 60 aacactgagg ccaccccggc tacaaacctc accttctcct cctactatca gcacacctcc 120 cctgtggcgg ccatgttcat tgtggcctat gcgctcatct tcctgctctg catggtgggc 180 aacaccctgg tctgtttcat cgtgctcaag aaccggcaca tgcatactgt caccaacatg 240 ttcatcctca acctggctgt cagtgacctg ctggtgggca tcttctgcat gcccaccacc 300 cttgtggaca acctcatcac tgggtggccc ttcgacaatg ccacatgcaa gatgagcggc 360 ttggtgcagg gcatgtctgt gtcggcttcc gttttcacac tggtggccat tgctgtggaa 420 aggttccgct gcatcgtgca ccctttccgc gagaagctga ccctgcggaa ggcgctcgtc 480 accatcgccg tcatctgggc cctggcgctg ctcatcatgt gtccctcggc cgtcacgctg 540 accgtcaccc gtgaggagca ccacttcatg gtggacgccc gcaaccgctc ctacccgctc 600 tactcctgct gggaggcctg gcccgagaag ggcatgcgca gggtctacac cactgtgctc 660 ttctcgcaca tctacctggc gccgctggcg ctcatcgtgg tcatgtacgc ccgcatcgcg 720 cgcaagctct gccaggcccc gggcccggcc cccgggggcg aggaggctgc ggacccgcga 780 gcatcgcggc gcagagcgcg cgtggtgcac atgctggtca tggtggcgct gttcttcacg 840 ctgtcctggc tgccgctctg ggcgctgctg ctgctcatcg actacgggca gctcagcgcg 900 ccgcagctgc acctggtcac cgtctacgcc ttccccttcg cgcactggct ggccttcttc 960 aacagcagcg ccaaccccat catctacggc tacttcaacg agaacttccg ccgcggcttc 1020 caggccgcct tccgcgcccg cctctgcccg cgcccgtcgg ggagccacaa ggaggcctac 1080 tccgagcggc ccggcgggct tctgcacagg cgggtcttcg tggtggtgcg gcccagcgac 1140 tccgggctgc cctctgagtc gggccctagc agtggggccc ccaggcccgg ccgcctcccg 1200 ctgcggaatg ggcgggtggc tcaccacggc ttgcccaggg aagggcctgg ctgctcccac 1260 ctgcccctca ccattccagc ctgggatatc 1290 <210> 57 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 57 gtcgacatgg agggggagcc ctcccagcct c 31 <210> 58 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 58 actagttcag atatcccagg ctggaatgg 29 <210> 59 <211> 57 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 59 tatgagcctg aactttgaag aactgaaagat tggggtccga aaaatgtgat taaaatg 57 <210> 60 <211> 61 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 60 agcaccccgg cggtgaataa aatgccgcat agctttgcga atctgccgct gcgtttttgc 60 c 61 <210> 61 <211> 62 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 61 ggtgctcatt ttaatcacat ttttcggacc ccaatctttc agttcttcaa agttcaggct 60 ca 62 <210> 62 <211> 59 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 62 tcggggcaaa aacgcagcgg cagattcgca aagctatgcg gcattttatt caccgccgg 59 <210> 63 <211> 28 <212> PRT <213> Human <400> 63 Ala Thr Ala Asn Leu Pro Leu Arg Ser Gly Arg Asn Met Glu Val Ser 1 5 10 15 Leu Val Arg Arg Val Pro Asn Leu Pro Gln Arg Phe 20 25 <210> 64 <211> 84 <212> DNA <213> Human <400> 64 gcaacagcca acctgcctct gagatctgga agaaatatgg aggtgagcct cgtgagacgt 60 gttcctaacc tgccccaaag gttt 84 <210> 65 <211> 31 <212> PRT <213> Human <400> 65 Ser Ala Gly Ala Thr Ala Asn Leu Pro Leu Arg Ser Gly Arg Asn Met 1 10 15 Glu Val Ser Leu Val Arg Arg Val Pro Asn Leu Pro Gln Arg Phe 20 25 30 <210> 66 <211> 93 <212> DNA <213> Human <400> 66 agtgctggag caacagccaa cctgcctctg agatctggaa gaaatatgga ggtgagcctc 360 gtgagacgtg ttcctaacct gccccaaagg ttt 93 <210> 67 <211> 28 <212> PRT <213> Bovine <400> 67 Ala Met Ala His Leu Pro Leu Arg Leu Gly Lys Asn Arg Glu Asp Ser 1 5 10 15 Leu Ser Arg Trp Val Pro Asn Leu Pro Gln Arg Phe 20 25 <210> 68 <211> 84 <212> DNA <213> Bovine <400> 68 gcgatggccc acctgcctct gagactcgga aaaaatagag aggacagcct ctccagatgg 60 gtcccaaatc tgccccagag gttt 84 <210> 69 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 69 Leu Pro Gln Arg Phe 1 5 <210> 70 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 70 Asn Leu Pro Gln Arg Phe 1 5 <210> 71 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 71 Pro Asn Leu Pro Gln Arg Phe 1 5 <210> 72 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 72 Val Pro Asn Leu Pro Gln Arg Phe 1 5
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例2で得られた本発明のポリペプチド(ヒ
ト型)をコードするDNAの塩基配列および該塩基配列
から推定されるアミノ酸配列を示す。
【図2】本発明のポリペプチドの疎水性プロットを示
す。
【図3】参考例3で得られた本発明のポリペプチド(ヒ
ト型)をコードするDNAの塩基配列および該塩基配列
から推定されるアミノ酸配列を示す。
【図4】参考例4で得られた本発明のポリペプチド(ウ
シ型)をコードするDNAの塩基配列および該塩基配列
から推定されるアミノ酸配列を示す。
【図5】参考例5で得られた本発明のポリペプチド(ラ
ット型)をコードするDNAの塩基配列および該塩基配
列から推定されるアミノ酸配列を示す。
【図6】参考例3、4、5で得られた本発明のポリペプ
チドのアミノ酸配列の比較を示す。
【図7】参考例6で得られた本発明のポリペプチド(マ
ウス型)のアミノ酸配列および該ポリペプチドをコード
するDNAの塩基配列を示す。
【図8】参考例7で行われたサイトセンサーによるrOT7
T022L受容体発現CHO細胞に対するペプチドの反応性
を示す図を示す。図中、●−●はMPHSFANLPL
RFamide(配列番号:39)、△−△はVPNL
PQRFamide(配列番号:40)を示す。
【図9】参考例10で行われたMPHSFANLPLRFamide(配
列番号:39)、VPNLPQRFamide(配列番号:40)のr
OT7T022L発現CHO細胞に対するcAMP産生抑制活性を示す
図を示す。図中、□−□はMPHSFANLPLRFamide(配列番
号:39)、●−●はVPNLPQRFamide(配列番号:4
0)を示す。
【図10】実施例A1で行われた血漿中に含まれるプロ
ラクチン量の測定結果を示す。図中、●−●は配列番
号:39で表わされるペプチドを溶解させたPBS投与
群のプロラクチン量を、○−○はPBSのみを投与した
対照群のプロラクチン量を示す。また、投与した時間を
0分とし、*は危険率:p<0.05を、**は危険率:p<0.01
を示す。
【図11】参考例13で行われた抗ラット型RFRP-1モノ
クロ−ナル抗体1F3を用いた競合的EIAにおけるRFアミド
関連ペプチドの反応性の結果を示す。抗マウスIgGAM抗
体をコ−トした96穴プレ−トに、抗ラット型RFRP-1モノ
クロ−ナル抗体1F3 50μl、横軸に示す濃度のペプチド5
0μlを加えた。4℃にて16時間インキュベ−トした後、H
RP-rat RFRP-1を加え、さらに室温で2時間インキュベ−
トした。プレ-トを洗浄後、HRP活性を450nmにおける吸
光度として測定した。Bはペプチドを加えたときの吸光
度、B0はペプチドを加えないときの吸光度を示す。図
中、−●−は配列番号:50で表されるアミノ酸配列の
第83番目(Val)〜第94番目(Phe)のアミノ
酸配列のC末端のカルボキシル基がアミド化されたペプ
チド(VPHSAANLPLRF-NH2)、−▲−は配列番号:50で表
されるアミノ酸配列の第90番目(Leu)〜第94番
目(Phe)のアミノ酸配列のC末端のカルボキシル基
がアミド化されたペプチド(LPLRF-NH2)、−■−は配列
番号:1で表されるアミノ酸配列の第124番目(Va
l)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列のC末端
のカルボキシル基がアミド化されたペプチド(VPNLPQRF-
NH2)、−◆−は配列番号:1で表されるアミノ酸配列の
第128番目(Pro)〜第131番目(Phe)のア
ミノ酸配列のC末端のカルボキシル基がアミド化された
ペプチド(PQRF-NH2)を示す。
【図12】実施例A2で行われたウシ視床下部からの内
因性RFRP-1の最終精製のクロマトパタ−ン図を示す。最
終精製段階の μRPC C2/C18 SC 2.1/10 のクロマトグラ
ムを示す。縦軸は215nmの吸光度とアセトニトリルの溶
出濃度を示し、横軸は溶出時間を示す。図中の黒いカラ
ムは各フラクションの抗ラット型RFRP-1モノクロ−ナル
抗体1F3を用いた競合的EIA を用いて測定したRFRP-1様
免疫活性を示す。
【図13】実施例A4で得られたプラスミドpTFCRFRP-1
の構築図を示す。
【図14】実施例A8で行われた各種ペプチドのホルス
コリン処理による細胞内cAMP量の増加抑制活性を示す図
を表す。図中、−○−はhRFRP-1-12(配列番号:1の第
81番目(Met)ないし第92番目(Phe)のアミノ酸配
列を含有するペプチド)、−■−はhRFRP-1-37(配列番
号:1の第56番目(Ser)ないし第92番目(Phe)の
アミノ酸配列を含有するペプチド)、−◇−はrRFRP-1-
37(配列番号:50の第58番目(Ser)ないし第94
番目(Phe)のアミノ酸配列を含有するペプチド、−▲
−はhRFRP-2-12(配列番号:1の第101番目(Phe)
ないし第112番目(Ser)のアミノ酸配列を含有する
ペプチド、−□−はhRFRP-3-8(配列番号:1の第12
4番目(Val)ないし第131番目(Phe)のアミノ酸配
列を含有するペプチド、−◆−はPQRFamide(Pro-Gln-A
rg-Phe-NH2で表されるペプチド、−●−はLPLRFamide
(Leu-Pro-Leu-Arg-Phe-NH2で表されるペプチド、−▲
−はNPFF(Asn-Pro-Phe-Pheで表されるペプチド)を示
す。
【図15】実施例A9で行われたRFRPペプチドによるヒ
トOT7T022受容体の活性化に及ぼす百日咳毒素の効果をc
AMP産生抑制作用を指標にして表した図を示す。
【図16】抗ラット型RFRP-3モノクロ−ナル抗体7F6を
用いた競合的EIAにおけるRFアミド関連ペプチドの反応
性を示す。Bはペプチドを加えたときの吸光度、B0はペ
プチドを加えないときの吸光度を示す。
【図17】ウシ視床下部からの内因性RFRP-3の最終精製
のクロマトパタ−ンを示す。クロマトのチャ−トは215n
mの吸光度とアセトニトリルの溶出濃度を示し、図中の
黒いカラムは各フラクションの抗ラット型RFRP-3モノク
ロ−ナル抗体7F6を用いた競合的EIA を用いて測定したR
FRP-3様免疫活性を示す。
【図18】ウシ視床下部から精製した内因性RFRP−
3最終精製標品のN末端アミノ酸を分析した結果を示
す。
【図19】ウシ視床下部から精製した内因性RFRP−
3最終精製標品の分子量を測定した結果を示す。
【図20】5価の分子関連イオン(m/z 661)をプリカーサ
ーイオンとして測定したウシ視床下部から精製した内因
性RFRP−3最終精製標品MS/MSスペクトルを示す。
【図21】抗ラット型RFRP-3ポリクロ−ナル抗体を用い
た競合的EIAにおけるRFアミド関連ペプチドの反応性を
示す。Bはペプチドを加えたときの吸光度、B0はペプチ
ドを加えないときの吸光度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 5/06 4C085 48/00 5/14 4C086 A61P 5/06 7/00 4H045 5/14 13/12 7/00 15/00 13/12 15/10 15/00 15/12 15/10 19/10 15/12 25/18 19/10 35/00 25/18 37/02 35/00 C07K 14/47 37/02 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A C12Q 1/68 A61K 37/02 (72)発明者 羽畑 祐吾 茨城県つくば市並木3丁目17番地1 ロイ ヤルコーポヨコタ606号 (72)発明者 細谷 昌樹 茨城県土浦市板谷1丁目711番地の83 (72)発明者 北田 千恵子 大阪府堺市南向陽町1丁目2番8号 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 DA06 EA04 HA01 HA12 4B063 QQ08 QQ63 QR32 QR55 QR77 QS33 QS34 QS36 QX02 QX07 4B064 AG01 CA02 CA10 CC24 DA01 DA13 4B065 AA26X AA90X AB01 BA02 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA13 AA14 AA17 BA01 BA08 BA16 BA17 BA19 BA23 BA35 BA44 CA18 CA20 NA14 ZA022 ZA512 ZA812 ZA972 ZB072 ZB262 ZC042 ZC062 4C085 AA13 AA14 BB11 CC02 CC04 CC05 CC13 CC21 CC23 EE01 GG01 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA51 ZA81 ZA97 ZB07 ZB26 ZC04 ZC06 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 BA17 BA18 CA40 DA45 DA75 EA20 EA50 FA30 FA44 FA74 GA22 GA25

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)配列番号:1の第104番目(Al
    a)ないし第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなる
    ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
    はその塩、(2)配列番号:1の第101番目(Ser)
    ないし第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペ
    プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
    その塩または(3)配列番号:14の第104番目(Al
    a)ないし第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなる
    ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
    はその塩。
  2. 【請求項2】(1)配列番号:1で表わされるアミノ酸
    配列の第125番目(Pro)ないし第131番目(Phe)
    のアミノ酸配列からなるペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩、(2)配列番号:1
    で表わされるアミノ酸配列の第126番目(Asn)ない
    し第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチ
    ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩または(3)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
    の第127番目(Leu)ないし第131番目(Phe)のア
    ミノ酸配列からなるペプチドもしくはそのアミドもしく
    はそのエステルまたはその塩。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のペプチドのアミド
    またはその塩。
  4. 【請求項4】C末端のカルボキシル基がアミド化されて
    いる請求項1または2記載のペプチドまたはその塩。
  5. 【請求項5】請求項1記載のペプチドをコードするポリ
    ヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】請求項2記載のペプチドをコードするポリ
    ヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】DNAである請求項5または6記載のポリ
    ヌクレオチド。
  8. 【請求項8】(1)配列番号:2の第310番目ないし
    第393番目の塩基配列、(2)配列番号:2の第30
    1番目ないし第393番目の塩基配列、または(3)配
    列番号:15の第310番目ないし第393番目の塩基
    配列からなる請求項5記載のポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】(1)配列番号:2の第373番目ないし
    第393番目の塩基配列、(2)配列番号:2の第37
    6番目ないし第393番目の塩基配列、または(3)配
    列番号:2の第379番目ないし第393番目の塩基配
    列からなる請求項6記載のポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】請求項5または6記載のポリヌクレオチ
    ドを含有する組換えベクター。
  11. 【請求項11】請求項10記載の組換えベクターで形質
    転換させた形質転換体。
  12. 【請求項12】請求項11記載の形質転換体を培養し、
    請求項1または2記載のペプチドを生成せしめることを
    特徴とする請求項1または2記載のペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法。
  13. 【請求項13】請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有
    してなる医薬。
  14. 【請求項14】請求項5または6記載のポリヌクレオチ
    ドを含有してなる医薬。
  15. 【請求項15】プロラクチン分泌調節剤である請求項1
    3または14記載の医薬。
  16. 【請求項16】プロラクチン分泌促進剤である請求項1
    3または14記載の医薬。
  17. 【請求項17】プロラクチン分泌抑制剤である請求項1
    3または14記載の医薬。
  18. 【請求項18】卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆
    症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下または
    腎不全の予防・治療薬である請求項16記載の医薬。
  19. 【請求項19】高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間
    脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラク
    チノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏
    症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Fromme
    l)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del
    Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes
    -Albright)症候群、乳癌リンパ腫、シーハン症候群ま
    たは精子形成異常の予防・治療剤である請求項17記載
    の医薬。
  20. 【請求項20】哺乳動物の乳汁の分泌促進剤である請求
    項13または14記載の医薬。
  21. 【請求項21】プロラクチン分泌機能の検査薬である請
    求項13または14記載の医薬。
  22. 【請求項22】請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対す
    る抗体。
  23. 【請求項23】請求項22記載の抗体を含有してなる医
    薬。
  24. 【請求項24】高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間
    脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラク
    チノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏
    症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Fromme
    l)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del
    Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes
    -Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候
    群または精子形成異常の予防・治療剤である請求項23
    記載の医薬。
  25. 【請求項25】請求項22記載の抗体を含有してなる診
    断剤。
  26. 【請求項26】卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆
    症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下または
    腎不全、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫
    瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノ
    ーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末
    端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候
    群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castil
    o)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albrig
    ht)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または
    精子形成異常の診断剤である請求項25記載の診断剤。
  27. 【請求項27】請求項5または6記載のポリヌクレオチ
    ドを含有してなる診断剤。
  28. 【請求項28】卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆
    症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下または
    腎不全、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫
    瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノ
    ーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末
    端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候
    群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castil
    o)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albrig
    ht)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または
    精子形成異常の診断剤である請求項27記載の診断剤。
  29. 【請求項29】請求項1または2記載のペプチドをコー
    ドするDNAに相補的または実質的に相補的な塩基配列
    またはその一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る作
    用を有するアンチセンスDNA。
  30. 【請求項30】請求項29記載のアンチセンスDNAを
    含有してなる医薬。
  31. 【請求項31】高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間
    脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラク
    チノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏
    症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Fromme
    l)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del
    Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes
    -Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候
    群または精子形成異常の予防・治療剤である請求項30
    記載の医薬。
  32. 【請求項32】請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用い
    ることを特徴とする請求項1または2記載のペプチドも
    しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の
    活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリ
    ーニング方法。
  33. 【請求項33】さらに配列番号:37で表されるアミノ
    酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
    有する蛋白質またはその塩、またはその部分ペプチドも
    しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を
    用いることを特徴とする請求項32記載のスクリーニン
    グ方法。
  34. 【請求項34】さらに配列番号:37または配列番号:
    54で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質またはその
    塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
    はそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする
    請求項32記載のスクリーニング方法。
  35. 【請求項35】請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有
    してなる請求項1または2記載のペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進
    または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用
    キット。
  36. 【請求項36】請求項32記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項35記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、請求項1または2記載のペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を
    促進または阻害する化合物またはその塩。
  37. 【請求項37】請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性
    を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してな
    る医薬。
  38. 【請求項38】請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性
    を促進する化合物またはその塩を含有してなるプロラク
    チン分泌促進剤。
  39. 【請求項39】請求項1記載のペプチドもしくはそのア
    ミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進す
    る化合物またはその塩を含有してなる卵巣機能低下症、
    精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、
    甲状腺機能低下または腎不全の予防・治療剤。
  40. 【請求項40】請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性
    を促進する化合物またはその塩を含有してなる哺乳動物
    の乳汁の分泌促進剤。
  41. 【請求項41】請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性
    を阻害する化合物またはその塩を含有してなるプロラク
    チン分泌抑制剤。
  42. 【請求項42】請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性
    を阻害する化合物またはその塩を含有してなる高プロラ
    クチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、スト
    レス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、イン
    ポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・
    フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デ
    ル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォー
    ベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌
    リンパ腫、シーハン症候群または精子形成異常の予防・
    治療剤。
  43. 【請求項43】哺乳動物に対して、請求項1または2
    記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはその塩、請求項5または6記載のポリヌクレ
    オチドまたは請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性
    を促進する化合物またはその塩の有効量を投与すること
    を特徴とするプロラクチン分泌促進方法。
  44. 【請求項44】哺乳動物に対して、請求項1または2
    記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはその塩、請求項5または6記載のポリヌクレ
    オチドまたは請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性
    を促進する化合物またはその塩の有効量を投与すること
    を特徴とする卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆
    症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下または
    腎不全の予防・治療方法。
  45. 【請求項45】哺乳動物に対して、請求項22記載の
    抗体、請求項29記載のアンチセンスDNAまたは
    請求項1または2記載のペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合
    物またはその塩の有効量を投与することを特徴とするプ
    ロラクチン分泌抑制方法。
  46. 【請求項46】哺乳動物に対して、請求項22記載の
    抗体、請求項29記載のアンチセンスDNAまたは
    請求項1または2記載のペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合
    物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする高
    プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異
    常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊
    症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、
    キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴ
    ンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候
    群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症
    候群、乳癌リンパ腫、シーハン症候群または精子形成異
    常の予防・治療方法。
  47. 【請求項47】プロラクチン分泌促進剤を製造するため
    の請求項1または2記載のペプチドもしくはそのアミ
    ドもしくはそのエステルまたはその塩、請求項5また
    は6記載のポリヌクレオチドまたは請求項1または2
    記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩の
    使用。
  48. 【請求項48】卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆
    症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下または
    腎不全の予防・治療剤を製造するための請求項1また
    は2記載のペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエ
    ステルまたはその塩、請求項5または6記載のポリヌ
    クレオチドまたは請求項1または2記載のペプチドも
    しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の
    活性を促進する化合物またはその塩の使用。
  49. 【請求項49】プロラクチン分泌阻害剤を製造するため
    の請求項22記載の抗体、請求項29記載のアンチ
    センスDNAまたは請求項1または2記載のペプチド
    もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩
    の活性を阻害する化合物またはその塩の使用。
  50. 【請求項50】高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間
    脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラク
    チノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏
    症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Fromme
    l)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del
    Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes
    -Albright)症候群、乳癌リンパ腫、シーハン症候群ま
    たは精子形成異常の予防・治療剤を製造するための請
    求項22記載の抗体、請求項29記載のアンチセンス
    DNAまたは請求項1または2記載のペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性
    を阻害する化合物またはその塩の使用。
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