JP2003174854A - 食品調味料とその製造方法 - Google Patents

食品調味料とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学的に合成された成分によらず、付加した
加工食品や調味料及びつけ汁などの後味に、まろやかな
こくを持たせることができる食品調味料を提供する。 【解決手段】 濃口醤油1重量部に対して、単糖である
グルコースを0.6重量部混合させた混合液を作り、そ
の混合液に、アルカリ性物質で強い緩衝作用のある炭酸
ナトリウムを、濃口醤油1重量部に対して0.1重量部
加えることでpH9.5のアルカリ性にする。その後
に、混合液を、温度を100℃に保った状態で7時間加
熱することで、アルカリ性物質を中和反応させていき、
pHを徐々に下げて酸性の性質のものにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】化学的に合成された成分によ
らず、加工食品、特に醤油や魚醤などの液体調味料や、
麺つゆ及び焼肉用のたれ等のつけ汁に付加することで、
それらの後味に、うま味調味料を添加したときと同じよ
うなこくを出すことができるとともに、天然素材から得
られる様なまろやかさを持たせることができる食品調味
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食品の味付けなどで広く利用され
ているものとしてはうま味調味料(化学調味料)があ
る。このうま味調味料は、天然素材に似た味を有してい
るグルタミン酸ナトリウムやコハク酸ナトリウム、そし
て、イノシン酸ナトリウム(核酸系)などの化学合成さ
れたものを主成分とすることで、添加した食品に旨味や
こく味(後味)を与えることができるものである。
【0003】しかし、近年の健康食品ブームと天然素材
から得られるまろやかな味が好まれるようにもなり、こ
のようなうま味調味料の代用品として、天然素材のみを
利用して得られる天然調味料が使用されている。この天
然調味料には、酵素の作用により酵母を分解することで
得られる酵母エキスや、蛋白質を酵素により分解するこ
とで得られる蛋白分解物などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような酵
母エキスや蛋白分解物等の天然調味料を付加させた食品
や、これらを付加させた調味料を用いて調理した料理を
食べたときに、食べ物を飲み込んだ後、口の中に十分な
こくが残らないことがあるため、加工食品や液体調味料
などの味付けに使用しても十分な効果を得ることができ
ない場合がある。
【0005】そこで本発明はこれらの問題点に鑑み、化
学的に合成された成分によらずに、付加した食品の後味
に好適なこくを与えることができるとともに、天然素材
から得られるようなまろやかさも持たせることができる
食品調味料とその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る本発明の食品調味料は、調味用の
液汁1重量部に対して、糖類を0.1〜2重量部混入さ
せた混合液に、アルカリ性物質を加えてアルカリ性にす
る。そして、その後に加熱処理を行うことで酸性にした
ことを特徴とする。
【0007】上記のように請求項1に係る本発明の食品
調味料によれば、前記調味用の液汁には、穀物または魚
介類のうち少なくともいずれか一方を醗酵させることで
得た調味料が、少なくとも一部に含有されているものを
使用する。そして、この調味用の液汁と前記糖類との重
量比率を1:0.1〜2として作られた混合液を、加工
助剤である前記アルカリ性物質を加えてアルカリ性にし
たうえで加熱処理を行う。
【0008】なお、前記糖類には還元性のある単糖や、
ニ糖でも還元性を有しているものを使用することが好ま
しい。
【0009】そして、この加熱処理により前記調味用の
液汁が加水分解され、加熱を続けることで前記アルカリ
性物質の中和反応がすすみ、前記混合液はアルカリの性
質を徐々に失っていく。そうして、pH(水素イオン指
数)を下さげていくことで、前記混合液を、アルカリ性
を有するものから酸性の性質を有するものに変化させ
た。
【0010】こうすることで、付加した食品の後味に、
うま味調味料のような雑味のないこくを与えることがで
きるとともに、天然調味料を使用したときのようなまろ
やかさを持たせることができるこく味成分を備えたもの
にすることができた。
【0011】上記の目的を達成するために、請求項2に
係る本発明の食品調味料の製造方法は、調味用の液汁1
重量部に対して、糖類を0.1〜2重量部混入して混合
液を作る。そして、この混合液にアルカリ性物質を加え
てアルカリ性にし、その後に加熱処理を行うことで酸性
にすることを特徴としている。
【0012】上記のように請求項2に係る本発明の食品
調味料の製造方法によれば、前記調味用の液汁として、
穀物または魚介類のうち少なくともいずれか一方を醗酵
させることで得た調味料が、少なくとも一部に含有され
ているものを用いる。そして、前記調味用の液汁に、こ
の調味用の液汁1重量部に対して0.1〜2重量部の前
記糖類を混入させて混合液を作る。
【0013】そうして、この混合液を、加工助剤である
アルカリ性物質を加えることでアルカリの性質にした後
に加熱処理を行い、前記調味用の液汁を加水分解する。
そして、加熱を続けることで前記アルカリ性物質の中和
反応をすすめていき、前記混合液のアルカリの性質を失
わせていく。そうしてpHを下げていき、アルカリの性
質を有している混合液を、酸性を有するものに変化させ
る。こうすることで、付加した食品の後味に、うま味調
味のような雑味のないこくを与えることができ、且つ、
天然調味料を付加したときのようなまろやかさも持たす
ことのできるこく味成分を備えた食品調味料を製造する
ことができる。
【0014】上記の目的を達成するために、請求項3に
係る本発明の食品調味料の製造方法は、アルカリ性物質
を加えて混合液をpH8以上にするとともに、加熱処理
によりpH6以下にすることを特徴としている。
【0015】このように請求項3に係る本発明の食品調
味料の製造方法によれば、前記混合液を加熱処理前に前
記アルカリ性物質を加えることでpH8以上のアルカリ
性にした状態から加熱処理を行い、前記調味用の液汁を
加水分解する。そうして、前記アルカリ性物質を中和反
応させることによりpHを下げ、前記混合液のアルカリ
の性質を徐々に失わせていき、この混合液をアルカリ性
の性質から酸性の性質を有するものに変化させる。こう
することで、付加した食品の後味に、うま味調味料のよ
うな良好なこくを与えることができるとともに、この後
味をまろやかな味わいのものにすることができる質の良
いこく味成分が多く含まれている食品調味料を作ること
ができる。
【0016】上記の目的を達成するために、請求項4に
係る本発明の食品調味料の製造方法は、アルカリ性物質
に炭酸塩を用いることを特徴とする。このように請求項
4に係る本発明の食品調味料の製造方法によれば、前記
アルカリ性物質に緩衝作用のある炭酸塩を用いること
で、この炭酸塩が加えられてアルカリ性となっている前
記混合液を、加熱処理してアルカリ性の状態から酸性の
状態にする際に、このアルカリ性の状態を長く維持して
おくことができるようになる。
【0017】上記の目的を達成するために、請求項5に
係る本発明の食品調味料の製造方法は、前記アルカリ性
物質に、炭酸ナトリウムを前記調味用の液汁1重量部に
対して少なくとも0.03重量部使用することを特徴と
している。このように請求項5に係る本発明の食品調味
料の製造方法によれば、前記アルカリ性物質として強い
緩衝作用を持つ炭酸ナトリウムを、前記混合液に、前記
調味用の液汁1重量部に対して0.03重量部以上加え
る。
【0018】こうすることで、炭酸ナトリウムを加えら
れてアルカリ性となっている前記混合液を加熱処理し、
前記調味用の液汁を加水分解させて、炭酸ナトリウムを
中和反応させることで、徐々にpHを下げてアルカリ性
を失わせていき、最終的に酸性の状態とする過程におい
て、このアルカリ性の状態をより長時間維持しておくこ
とができるようになる。
【0019】上記の目的を達成するために、請求項6に
係る本発明の食品調味料の製造方法は、加熱処理を10
0℃以上で少なくとも1時間行うことを特徴とする。こ
のように請求項6に係る本発明の食品調味料の製造方法
によれば、100℃以上の温度を保った状態で1時間以
上じっくり加熱することで、こく味成分を十分に抽出す
ることができるようになる。このため、うま味調味料を
添加したときのような好適なこくを後味に持たせること
ができ、且つ、この後味をまろやかなものとすることが
できる食品調味料を製造することができる。
【0020】尚、この加熱処理の条件を100〜120
℃の温度で3〜10時間の範囲とすることで、食品の後
味に最も深いこくを与えることができ、その後味を、天
然調味料を付加したようなまろやかな味わいのもにする
ことができる良質のこく味成分を多量に含んだ食品調味
料を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる食品調味
料およびその製造方法の実施例について説明する。本発
明において用いられる調味用の液汁としては、醤油や無
塩醤油または魚醤などの調味料として使用されているも
のや、麺つゆ及び焼肉のたれ等のつけ汁などをあげるこ
とができる。
【0022】そして、糖類としては、還元性を有してい
るものが好適で、単糖ではグルコースの他に、フラクト
ースやキシロースなどが使用でき、また、ニ糖ではマル
トースやラクトースなどの炭水化物を使用することがで
きる。一方、砂糖のように還元性を備えていない炭水化
物を用いると、アルカリ性物質を加えた混合液を加熱処
理して酸性にする場合に、酸性の状態になりにくいた
め、こく味成分を抽出することができず不適である。ま
た、加えられるアルカリ性物質としては、炭酸ナトリウ
ムなどの炭酸塩や水酸化ナトリウムなどを用いることが
できる。
【0023】調味用の液汁と糖類との配合比率は、調味
用の液汁1重量部に対して、糖類は0.1〜2重量部の
範囲で混入する。そして、そのように作られた混合液に
アルカリ性物質を加えることでアルカリ性にするが、よ
り良質のこく味成分を得るために、このときのpHは8
以上とすることが好ましい。次に、このようにアルカリ
性を示している混合液に加熱処理を行うことで、調味用
の液汁を加水分解する。そうして、加熱を続けてアルカ
リ性物質の中和反応をすすめていき、混合液のアルカリ
性の性質を徐々に失わせ、最終的に酸性の性質を有した
ものにする。
【0024】このときに、こく味成分を十分に抽出する
ためには、加熱条件を100℃以上で少なくとも1時間
とするのが良いが、この加熱条件を100〜120℃の
範囲で3〜10時間とすると、最も質の良いこく味成分
を得ることができる。また、加熱処理後の混合物のpH
は6以下とすることが好ましい。こうすることで、うま
味調味料を添加した場合に匹敵する、味わい深いこくを
後味に与えることができるこく味成分を得ることができ
る。また、このこく味成分は、後味に天然調味料のよう
なまろやかさを与えることもできる。
【0025】このようにして、酸性を示す性質を持つ液
状の食品調味料を得ることができるが、この食品調味料
は加熱時間などによってはペースト状のものとすること
もできる。そして得られた食品調味料は、良質のこく味
成分を多く含んだものとなっており、食品や醤油などの
液体調味料や麺つゆ等のつけ汁などに付加すると、それ
らの後味に、うま味調味料を添加したときと同様の好適
なこくを与えることができる。また、この後味は、天然
調味料を付加したときのようなまろやかなものとなる。
この後味は食べ物を飲み込んだ後でもしばらく間、口の
中に、こくのある良好な風味が残るものとなっている。
【0026】そして、この食品調味料を醤油などの液体
調味料や麺つゆ等のつけ汁などに付加する場合には、こ
れらの液汁1重量部に対して0.001〜0.05重量
部、好ましくは0.005〜0.01重量部付加するこ
とで、これらの醤油や麺つゆなどの後味に、味わい深い
こくを与えることができる。
【0027】実施例 濃口醤油1重量部に対して、単糖で還元性を有している
グルコースを0.6重量部混入させた混合液を作り、そ
の混合液に、アルカリ性物質で強い緩衝作用のある炭酸
ナトリウムを、濃口醤油1重量部に対して0.1重量部
加えることで、この混合液をpH9.5のアルカリ性に
した。その後に、この混合液の温度を100℃に保った
状態で加熱することで、濃口醤油に含まれるタンパク質
を加水分解し、炭酸ナトリウムを中和反応させていくこ
とで、混合液のアルカリ性の性質を失わせていく。そし
て、7時間加熱を続けることでpHの値が6以下となる
ようにした。こうして得られた食品調味料EはpH5.
0の酸性を示すものとなった。
【0028】比較例 比較例として、調味用の液汁と糖類との混合比率や、糖
類及びアルカリ性物質の有無、また加熱時間などの製造
条件を変化させて、食品調味料A〜Dを製造した。実施
例の場合と同様に、調味用の液汁には濃口醤油を用い、
糖類にはグルコースを使用した。また、アルカリ性物質
にも同じように炭酸ナトリウムを使用し、加熱温度も1
00℃とした。
【0029】食品調味料Aは、濃口醤油1重量部に対し
てグルコースを0.6重量部混入して混合液を作り、こ
の混合液に炭酸ナトリウムを、濃口醤油1重量部に対し
て0.1重量部加えてpH9.5のアルカリ性にし、そ
の後に、この混合液を100℃に保った状態で30分間
だけ加熱処理を行って得たものである。このようにして
得られた食品調味料Aは、pH9.0のアルカリ性を示
すものとなった。
【0030】また食品調味料Bは、濃口醤油1重量部に
対してグルコースを0.6重量部混入させてpH5.0
の酸性の混合液を作った後に、この混合液にアルカリ性
物質を一切加えずに、100℃の状態で7時間加熱して
得たものである。こうして得た食品調味料BはpH4.
0の酸性を示した。
【0031】以下食品調味料C、Dについては表1に示
すこととする。また表1には、実施例の食品調味料Eと
比較例の食品調味料A、Bも合わせて記載することとす
る。
【0032】
【表1】 そして、これらの食品調味料A〜Eを、つゆ1重量部に
対して0.01重量部付加した麺つゆの味についての評
価を行った。後味としてまろやかなこくを有しているか
どうかを、良好なものは○、不十分なものは△、全くこ
くのないものは×とし、その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】 表2から明らかなように、本発明の製造方法以外で作ら
れた食品調味料は、麺つゆに付加すると、この麺つゆの
味に雑味を与えてしまったり、過剰な甘さのものにして
しまうのみで、良好な後味を与えることはできないのに
対して、本発明の製造方法で作られた食品調味料は、麺
つゆを雑味がなく、まろやかな後味を有したものにする
ことができた。また、この後味は、うま味調味料を添加
した場合に得られる後味に匹敵するこくのあるものとな
った。
【0034】また、濃口醤油の代わりに薄口醤油を使用
して、糖類との混合比率や加熱温度及び加熱時間などの
条件を全く同一にして評価を行った場合でも、濃口を使
用した場合と同じような結果が得られた。
【0035】
【発明の効果】請求項1にかかる本発明の食品調味料
は、良好なこく味成分を含んでいるために、加工食品や
醤油または魚醤などの調味料や麺つゆや焼肉用のたれ等
のつけ汁に付加すると、これらの後味に、うま味調味用
を添加したときように味わい深いこくを持たせることが
できる。また、この後味を、天然調味料を付加したとき
のような自然なまろやかさを有したものにすることがで
きる。
【0036】さらに、この食品調味料が付加されている
液体調味料を用いて調理された料理や、この食品調味料
が加えられている麺つゆや焼肉用のたれ等のつけ汁を用
いて食べる料理の後味は、まろやかなこくのある味わい
のものになるとともに、飲み込んだ後でも口の中に良好
な風味がしばらく残るものとなる。
【0037】そして、この食品調味料は、うま味調味料
のように多量に化学合成された成分を含んではいないた
め、人体に影響を及ぼす心配もなく、特に体の弱いお年
寄りや病人、または妊婦や小さな子供などが食べる料理
に安心して使用することができる。
【0038】請求項2にかかる本発明の製造方法によれ
ば、加工食品や醤油、無塩醤油または魚醤などの調味料
や麺つゆ及び焼肉のたれ等のつけ汁に付加して、後味
に、うま味調味料と同様の味わい深いこくを与えること
ができ、且つ、天然調味料を使用したときのようなまろ
やかさも与えることができる食品調味料を製造すること
ができる。
【0039】こうして製造された食品調味料が付加され
ている液体調味料やつけ汁などを用いて調理された食品
や料理の後味は、まろやかなこくと風味を備えたものと
なる。
【0040】そして、製造工程で使用されるアルカリ性
物質は、加工助剤として使用されているのみで、製造過
程で消滅するかまたは最終的に取除かれるものであり、
また、うま味調味料のように化学的に合成された成分そ
のものの味を利用していないため、成分中に化学合成物
質を全く含んでいないか、また、その量が極めて少ない
食品調味料を製造することができる。従って、人体に影
響を及ぼすことがなく安全な調味料を製造することがで
きることとなる。
【0041】請求項3にかかる本発明の製造方法によれ
ば、加工食品や調味料及びつけ汁などに付加することで
後味を、天然調味料を使用したときのような、まろやか
さのあるものとすることができるとともに、うま味調味
料を添加したような深いこくを備えたものにすることが
できる食品調味料を製造することができる。
【0042】こうして製造された食品調味料が付加され
ている液体調味料やつけ汁を使用して調理された食物
は、後味が良く、飲み込んだ後でもしばらく口の中に良
好な風味が残るものとなる。
【0043】請求項4にかかる本発明の製造方法によれ
ば、アルカリ性物質に炭酸塩を用いることで、加熱処理
工程において、アルカリ性の状態を長く保持できるよう
になるため、良質のこく味成分をたっぷり備えたものに
することができるようになる。このために、うま味調味
料のように、付加した加工食品や醤油などの調味料や麺
つゆ等のつけ汁の後味に、雑味の一切ない、まろやかで
深みのあるこくを与えることができるとともに、天然調
味料を付加したときのような、まろやかさも与えること
ができる食品調味料を製造することができる。
【0044】この食品調味料は付加した調味料やつけ汁
にのみ効果を発揮するのではなく、それらを用いて調理
された料理の後味もまろやかでこくのあるものとするこ
とができる。
【0045】請求項5にかかる本発明の製造方法によれ
ば、アルカリ性物質に炭酸ナトリウムを用いることで、
加熱処理の工程において、アルカリ性の状態をさらに長
時間維持することができる。このために、加工食品や醤
油などの調味料又は麺つゆ及び焼肉用のたれ等のつけ汁
にわずかに付加したのみで、これらに、うま味調味料を
添加したときのような好適なこくを与えることができ、
さらに、天然調味料を付加したときに得られるようなま
ろやかさを与えることができる食品調味料を製造するこ
とができる。
【0046】こうして製造された食品調味料が付加され
ている液体調味料やつけ汁を使用して調理された料理は
後味がまろやかで、こくのあるものとなり、飲み込んだ
後でもしばらく口の中に良好な風味が残るものとなる。
【0047】請求項6にかかる本発明の製造方法によれ
ば、加熱処理の条件を100℃以上の温度を保ちつつ、
1時間以上じっくりと行うため、液体調味料やつけ汁な
どに付加すると、うま味調味料のように後味に深みのあ
る豊かなこくを与えることができ、且つ、天然調味料の
ようなまろやかな味わいのものにすることができる食品
調味料を製造することができる。
【0048】こうして製造された食品調味料を付加して
いる液体調味料やつけ汁を使用して調理された料理は、
後味に深いこくがあり、且つ、まろやかさも備えている
ため、飲み込んだ後でも良好な風味が口の中にのこるも
のとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 聖一 兵庫県伊丹市西野3丁目93 西野団地3号 棟303 (72)発明者 下柿元 はるみ 熊本県熊本市楠8丁目12−12 Fターム(参考) 4B039 LB01 LC06 LR30 4B047 LB02 LB09 LE01 LG04 LG22 LG23 LG24 LG60 LG64 LP05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調味用の液汁1重量部に対して、糖類を
    0.1〜2重量部混入させた混合液を、アルカリ性物質
    を加えてアルカリ性にした後に、加熱処理を行うことに
    より酸性にしたことを特徴とする食品調味料。
  2. 【請求項2】 調味用の液汁1重量部に対して、糖類を
    0.1〜2重量部混入して混合液を作り、この混合液に
    アルカリ性物質を加えてアルカリ性にし、その後に加熱
    処理を行うことにより酸性にすることを特徴とする食品
    調味料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ性物質を加えて前記混合液
    をpH8以上にするとともに、前記加熱処理によりpH
    6以下にすることを特徴とする請求項2記載の食品調味
    料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ性物質に、炭酸塩を用いる
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の食品調味料の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記アルカリ性物質に、前記調味用の液
    汁1重量部に対して少なくとも0.03重量部の炭酸ナ
    トリウムを使用することを特徴とする請求項2、3又は
    4記載の食品調味料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記加熱処理を、100℃以上で少なく
    とも1時間行うことを特徴とする請求項2〜5のいずれ
    かに記載の食品調味料の製造方法。
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