JP2003173797A - 燃料電池用電解質膜の成形方法 - Google Patents

燃料電池用電解質膜の成形方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解質層膜の膜厚を均一に成形することがで
きる燃料電池用電解質膜の成形方法を提供する。 【解決手段】 燃料電池用電解質膜の成形方法は、負極
14を負基板13に積層した負電極板12を準備すると
ともに、電解質膜用のHC系ポリマー溶液30の溶媒を
アルコール系溶媒32に置換する工程と、アルコール系
溶媒32に置換したHC系ポリマー溶液33を負電極板
12の負極14など塗布する工程と、この塗布したHC
系ポリマー溶液33を乾燥することにより電解質膜15
を成形する工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池の正・負
極間に備える電解質膜の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の燃料電池を示す説明図であ
る。この燃料電池100は、負極(水素極)101と正
極(酸素極)102との間に電解質膜103を配置し、
負極101に含む触媒に水素分子(H2)を接触させる
とともに、正極102に含む触媒に酸素分子(O2)を
接触させることにより、電子e-を矢印の如く流すこと
により、電流を発生させるものである。電流を発生させ
る際に、水素分子(H2)と酸素分子(O2)とから生成
水(H2O)を得る。
【0003】図8(a),(b)は従来の燃料電池を構
成する電解質膜の成形方法を示す説明図である。(a)
において、負極101を基板105に積層した電極板1
06を準備するとともに、電解質膜用の炭化水素系ポリ
マー溶液(以下、「HC系ポリマー溶液」という)10
8を用意し、このHC系ポリマー溶液108を電極板1
06の負極101などに塗布する。(b)において、塗
布したHC系ポリマー溶液108をヒータ109で乾燥
することにより電解質膜103を成形する。この電解質
膜103に正極102を重ねることで、図7に示す燃料
電池100を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、HC系ポリ
マー溶液108には、イオン交換性HC系樹脂を炭素と
同量以下含むとともに、溶媒としてNメチル2ピロリド
ン(以下、「NMP」という)を含んでいる。このNM
Pは、イオン交換性フッ素系樹脂に対して溶解し難い。
【0005】加えて、NMPは表面張力が高いという性
質を備えているので、電極板106の負極101などに
HC系ポリマー溶液108を塗布した際に、HC系ポリ
マー溶液108のぬれ性が悪く、HC系ポリマー溶液1
08が電極板106の負極101などで弾かれる。
【0006】これにより、HC系ポリマー溶液108を
電極板106の負極101などに均一に塗布することは
難しく、電解質膜103の膜厚が不均一になり、燃料電
池100の発電能力などを十分に確保することはできな
い。なお、想像線の電解質膜112は、膜厚が均一の状
態を示す。
【0007】そこで、本発明の目的は、電解質層膜の膜
厚を均一に成形することができる燃料電池用電解質膜の
成形方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1は、燃料電池の正・負極にそれぞれ
酸素及び水素を供給して発電させるために、前記正・負
極間に設ける電解質膜の成形方法において、前記正極又
は負極の一方の電極を基板に積層した電極板を準備する
とともに、前記電解質膜用の炭化水素系ポリマー溶液中
の溶媒をアルコール系溶媒に置換する工程と、このアル
コール系溶媒に置換した炭化水素系ポリマー溶液を前記
電極板の電極に塗布する工程と、この塗布した炭化水素
系ポリマー溶液を乾燥することにより前記電解質膜を成
形する工程とからなることを特徴とする。
【0009】ここで、アルコール系の溶液は表面張力が
小さいことは一般的に知られている。そこで、請求項1
では、電解質膜用の炭化水素系ポリマー溶液中の溶媒を
アルコール系に置換することにした。炭化水素系ポリマ
ー溶液中の溶媒を表面張力の小さいアルコール系溶媒に
置換することで、炭化水素系ポリマー溶液の表面張力を
小さく抑えることができる。
【0010】これにより、炭化水素系ポリマー溶液を電
極板の基板及び電極に塗布した際に、炭化水素系ポリマ
ー溶液のぬれ性を好適に保つことができるので、炭化水
素系ポリマー溶液が基板及び電極で弾かれることを抑え
ることができる。このため、炭化水素系ポリマー溶液を
電極板に均一の厚さで塗布することができるので、炭化
水素系ポリマー溶液を乾燥した際に、電解質膜を均一の
膜厚に成形することができる。
【0011】請求項2において、アルコール系溶媒は、
メタノール、イソプロピルアルコール及びノルマルプロ
ピルアルコールのうちの少なくとも一種であることを特
徴とする。
【0012】アルコール系溶媒として、メタノール、イ
ソプロピルアルコール及びノルマルプロピルアルコール
のうちの少なくとも一種を採用した。メタノール、イソ
プロピルアルコールやノルマルプロピルアルコールは、
表面張力が小さく、炭化水素系ポリマーとの溶解能力に
優れている。
【0013】請求項3において、アルコール系溶媒は、
イソプロピルアルコールとノルマルプロピルアルコール
との混合溶液であることを特徴とする。
【0014】アルコール系溶媒を、イソプロピルアルコ
ールとノルマルプロピルアルコールとの混合溶液とする
ことで、電解質膜の膜厚をより均一に成形することがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。図1は本発明に係る燃料電池
(第1実施形態)を示す分解斜視図である。燃料電池ユ
ニット10は複数(2個)の燃料電池11,11で構成
したものである。燃料電池11は、負基板(基板)13
に負極(水素極)14を設けて負電極板(電極板)12
を形成し、この負電極板12に燃料電池用電解質膜(電
解質膜)15を設け、正基板(基板)17に正極(酸素
極)18を設けて正電極板(電極板)16を形成し、こ
の正極18を電解質膜15に重ね、負基板13の外側に
負極側流路基板21を配置し、正基板17の外側に正極
側流路基板24を配置したものである。この燃料電池1
1をセパレータ26を介して複数個(2個)備えること
で、燃料電池ユニット10を構成する。
【0016】負基板13に負極側流路基板21を積層す
ることで、負極側流路基板21の流路溝21aを負基板
13で覆うことにより、水素ガス流路22を形成する。
また、正基板17に正極側流路基板24を積層すること
で、正極側流路基板24の流路溝24aを正基板17で
覆うことにより、酸素ガス流路25を形成する。
【0017】水素ガス流路22に水素ガスを供給するこ
とで、負極14に含む触媒に水素分子(H2)を吸着さ
せるとともに、酸素ガス流路25に酸素ガスを供給する
ことで、正極18に含む触媒に酸素分子(O2)を吸着
させる。これにより、電子(e-)を矢印の如く流して
電流を発生させることができる。なお、電流を発生させ
る際に、水素分子(H2)と酸素分子(O2)とから生成
水(H2O)を得る。
【0018】図2は本発明に係る燃料電池用電解質膜
(第1実施形態)を示す断面図であり、負基板13に負
極14を設けて負電極板12を形成し、負極14及び負
基板13のうちの負極14の周囲のから突出した部位1
3aを、電解質膜15でそれぞれ覆った状態を示す。負
基板13は、炭素で形成した板材であり、一方の面13
bに負極14を備える。この負極14に触媒を含み、こ
の触媒に水素分子(H2)を吸着させる。なお、図1に
示す正基板17は、負極板13と同様に炭素で形成した
板材であり、一方の面に正極18を備える。この正極1
8に触媒を含み、この触媒に酸素分子(O2)を吸着さ
せる。
【0019】電解質膜15は、HC系ポリマー溶液に含
む溶媒を、アルコール系溶媒に置換した状態で、負極1
4及び負基板13のうちの負極14の周囲のから突出し
た部位13aにHC系ポリマー溶液を塗布し、塗布した
後、乾燥することで得たイオン交換用の膜である。
【0020】アルコール系溶媒は表面張力が小さい。こ
のため、HC系ポリマー溶液中の溶媒をアルコール系に
置換することで、HC系ポリマー溶液の表面張力を小さ
くすることができるので、HC系ポリマー溶液のぬれ性
を好適に保つことができる。これにより、HC系ポリマ
ー溶液を負電極板12の負極14に均一の厚さで塗布す
ることができるので、電解質膜15を均一の膜厚に成形
することができる。
【0021】電解質膜15の成形方法を図3〜図4に基
づいて説明する。図3(a)〜(c)は本発明に係る燃
料電池用電解質膜の成形方法(第1実施形態)を説明す
る第1工程説明図である。(a)において、図2に示す
負電極板12を準備し、さらにNMP溶媒を含むHC系
ポリマー溶液30を容器31に入れるとともに、アルコ
ール系溶媒32を容器31に入れる。これにより、HC
系ポリマー溶液30に含むNMP溶媒を、アルコール系
溶媒32に置換したHC系ポリマー溶液33(以下、
「アルコール系のHC系ポリマー溶液33」という)を
得る。なお、HC系ポリマー溶液に含むNMP溶媒を、
アルコール系溶媒に置換する方法は、これに限らない
で、より好適な方法を適宜選択することができる。
【0022】ここで、アルコール系溶媒32としては、
例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル(IPA)及びノルマルプロピルアルコール(NP
A)のうちの少なくとも一種が該当する。メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコールやノルマルプロピ
ルアルコールは、表面張力が小さく、炭化水素系ポリマ
ーとの溶解能力に優れている。このため、これらの溶媒
を使用することで、炭化水素系ポリマーを比較的簡単に
アルコール系溶媒に置換することができる。
【0023】(b)において、負電極板12を負極14
が上向きになるようにセットし、負極14及び負基板1
3のうちの負極14の周囲のから突出した部位13aに
アルコール系のHC系ポリマー溶液33を塗布する。
【0024】(c)において、アルコール系のHC系ポ
リマー溶液33の部位P1における力のつり合いは次式
で表わすことができる。 γSV=γSL+γLV×cosθ1 但し、γSV:負電極板〜気体間の界面張力 γSL:負電極板〜溶液間の界面張力 γLV:溶液〜気体間の界面張力 θ1 :接触角 ここで、アルコール系のHC系ポリマー溶液33の表面
張力を小さく抑えたので、γLV及びγSLを小さく抑える
ことができる。これにより、接触角θ1を小さくできる
ので、アルコール系のHC系ポリマー溶液33のぬれ性
を好適に保つことができる。
【0025】また、負極14などの電極は、触媒をバイ
ンダ(以下、「イオン交換性ポリマー」という)で結合
している。このため、負極14などの電極に電解質膜を
好適に積層するためには、電解質膜の溶媒でイオン交換
性ポリマーを溶解する必要がある。HC系ポリマー溶液
33はアルコール系溶媒を含んでおり、このアルコール
系溶媒は、イオン交換性ポリマーを溶解する極性やプロ
トン溶解性を備えている。このため、アルコール系のH
C系ポリマー溶液33を負極14に塗布した際に、アル
コール系のHC系ポリマー溶液33が負極14に弾かれ
ることを防止できる。
【0026】図4(a),(b)は本発明に係る燃料電
池用電解質膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第
2工程説明図である。(a)において、上述したよう
に、アルコール系のHC系ポリマー溶液33は、ぬれ性
を好適に保つことができ、さらにイオン交換性ポリマー
を溶解する極性やプロトン溶解性を備えているので、負
極14及び負基板13の部位13aに塗布したアルコー
ル系のHC系ポリマー溶液33が、負極14及び負基板
13の部位13aで弾かれることを防止できる。このた
め、アルコール系のHC系ポリマー溶液33を負極14
及び負基板13の部位13aに均一の厚さで塗布するこ
とができる。
【0027】(b)において、負極14及び負基板13
の部位13aに均一に塗布したアルコール系のHC系ポ
リマー溶液33を、一例として乾燥炉のヒータ35で乾
燥する。これにより、負極14及び負基板13の部位1
3aに電解質膜15を均一の膜厚で成形することができ
る。
【0028】図5(a),(b)は比較例に係る燃料電
池用電解質膜の成形方法を説明する図であり、HC系ポ
リマー溶液30(すなわち、NMP溶媒を含む溶液)を
塗布した例について説明する。(a)において、図3
(b)に示す負極14及び負基板13のうちの負極14
の周囲のから突出した部位13aにHC系ポリマー溶液
30を塗布する。HC系ポリマー溶液30に含まれてい
るNMPは、表面張力が高いという性質を備えており、
HC系ポリマー溶液30の表面張力は高くなる。
【0029】ここで、HC系ポリマー溶液30の部位P
2における力のつり合いは次式で表わすことができる。 γSV=γSL+γLV×cosθ2 但し、γSV:負電極板〜気体間の界面張力 γSL:負電極板〜溶液間の界面張力 γLV:溶液〜気体間の界面張力 θ2 :接触角 HC系ポリマー溶液30の表面張力が大きくので、γLV
及びγSLが大きくなり、接触角θ2が大きくなる。この
ため、HC系ポリマー溶液30のぬれ性は悪くなる。
【0030】また、HC系ポリマー溶液30はNMPの
溶媒を含んでおり、このNMPの溶媒は、イオン交換性
ポリマーを溶解する極性やプロトン溶解性を備えていな
い。このため、HC系ポリマー溶液30を負極14に塗
布した際に、HC系ポリマー溶液30が負極14に弾か
れる。
【0031】(b)において、上述したように、HC系
ポリマー溶液30は、ぬれ性が悪く、さらにイオン交換
性ポリマーを溶解する極性やプロトン溶解性を備えてい
ないので、HC系ポリマー溶液30が負極14及び負基
板13の部位13aで弾かれる。これにより、HC系ポ
リマー溶液30を均一に塗布することは難しく、電解質
膜15の膜厚が不均一になる。このように電解質膜15
の膜厚が不均一になることで、電解質膜15で負極14
を覆うことができない部位が発生し、負極14が露出す
る可能性がある。
【0032】次に、アルコール系溶媒を、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール及びノルマルプロ
ピルアルコールのうちの少なくとも一種とした理由を、
表1に基づいて説明する。ここで、比較例はNMP、実
施例1はメタノール、実施例2はエタノール、実施例3
はIPA、実施例4はNPAである。なお、メタノー
ル、エタノール、IPA及びNPAには、それぞれ水が
含まれている。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すように、比較例のNMPは、フ
ッ素系ポリマーに対する溶解能力や、炭素との相性はと
もに良好であるが、表面張力(25℃において)が0.
041N/mと大きい。このため、比較例を溶媒とした
HC系ポリマーにおいて、電解質膜15の目標膜厚50
μmに対して、成形膜厚は0〜110μmとなる。これ
により、成形膜厚のバラツキ幅が110μmになり膜厚
は不均一になる。
【0035】実施例1のメタノールは、アルコール系溶
媒である。メタノールはフッ素系ポリマーに対する溶解
能力や、炭素との相性はともに良好であり、加えて表面
張力(25℃において)も0.022N/mと小さい。
このため、実施例1を溶媒としたHC系ポリマーにおい
て、電解質膜15の目標膜厚50μmに対して、成形膜
厚を40〜60μmの範囲に抑えることができる。これ
により、成形膜厚のバラツキ幅を20μmと小さくして
膜厚を均一にできる。
【0036】実施例2のエタノールは、アルコール系溶
媒である。エタノールはフッ素系ポリマーに対する溶解
能力や、炭素との相性はともに良好であり、加えて表面
張力(25℃において)も0.022N/mと小さい。
このため、実施例2を溶媒としたHC系ポリマーにおい
て、電解質膜15の目標膜厚50μmに対して、成形膜
厚を40〜55μmの範囲に抑えることができる。これ
により、成形膜厚のバラツキ幅を15μmと小さくして
膜厚を均一にできる。
【0037】実施例3のIPAは、アルコール系溶媒で
ある。IPAはフッ素系ポリマーに対する溶解能力や、
炭素との相性はともに良好であり、加えて表面張力(2
5℃において)も0.021N/mと小さい。このた
め、実施例3を溶媒としたHC系ポリマーにおいて、電
解質膜15の目標膜厚50μmに対して、成形膜厚を4
5〜55μmの範囲に抑えることができる。これによ
り、成形膜厚のバラツキ幅を10μmと小さくして膜厚
を均一にできる。
【0038】実施例4のNPAは、アルコール系溶媒で
ある。NPAはフッ素系ポリマーに対する溶解能力や、
炭素との相性はともに良好であり、加えて表面張力(2
5℃において)も0.023N/mと小さい。このた
め、実施例4を溶媒としたHC系ポリマーにおいて、電
解質膜15の目標膜厚50μmに対して、成形膜厚を4
5〜55μmの範囲に抑えることができる。これによ
り、成形膜厚のバラツキ幅を10μmと小さくして膜厚
を均一にできる。
【0039】以上説明したように、比較例の溶液は表面
張力が大きく、比較例の溶液をHC系ポリマーの溶媒と
することで、電解質膜15の膜厚は不均一になる。この
結果、比較例はHC系ポリマーの溶媒として好ましくな
いので、判断は×である。一方、実施例1〜4の溶液は
表面張力が小さく、実施例1〜4の溶液をHC系ポリマ
ーの溶媒とすることで、電解質膜15の膜厚を均一にす
ることができる。この結果、実施例1〜4はHC系ポリ
マーの溶媒として好適なので、判断は○である。
【0040】次に、第2実施形態について説明する。な
お、第1実施形態と同一部材については同一符号を付し
て説明を省略する。図6は本発明に係る燃料電池用電解
質膜(第2実施形態)を示す断面図であり、負基板13
に負極14を設けて負電極板12を形成し、負極14及
び負基板13のうちの負極14の周囲のから突出した部
位13aを、電解質膜45でそれぞれ覆った状態を示
す。第2実施形態が第1実施形態と相違する点は、電解
質膜15を電解質膜45に変更しただけであり、その他
の構成は第1実施形態と同様である。
【0041】電解質膜45は、HC系ポリマー溶液に含
む溶媒を、アルコール系溶媒に置換した状態で、負極1
4及び負基板13のうちの負極14の周囲のから突出し
た部位13aにHC系ポリマー溶液を塗布し、塗布した
後、乾燥することで得たイオン交換用の膜である。アル
コール系溶媒としてはIPAとNPAとの混合溶液を使
用した。アルコール系溶媒をイソプロピルアルコールと
ノルマルプロピルアルコールとの混合溶液とすること
で、電解質膜の膜厚をより均一に成形することができ
る。
【0042】次に、アルコール系溶媒としてIPAとN
PAとの混合溶液を使用した理由を、表2に基づいて説
明する。なお、比較例はNMP、実施例1はメタノー
ル、実施例2はエタノール、実施例5はIPAとNPA
との混合溶液である。
【0043】
【表2】
【0044】表2に示すように、比較例のNMPをHC
系ポリマーの溶媒とすると、電解質膜15の目標膜厚5
0μmに対して、成形膜厚は0〜110μmとなる。こ
れにより、成形膜厚のバラツキ幅が110μmになり膜
厚は不均一になる。加えて、比較例は、電極材料(一例
として、負極14)との相性が悪いので、電極(負極1
4)が露出してしまう。また、比較例は、膜電極接合体
のガス透過性が不良である。さらに、比較例は、揮発性
が遅いので乾燥に時間がかかり好ましくない。
【0045】実施例1のメタノールをHC系ポリマーの
溶媒とすると、電解質膜15の目標膜厚50μmに対し
て、成形膜厚は40〜60μmとなる。これにより、成
形膜厚のバラツキ幅が20μmになり膜厚を均一にでき
る。加えて、実施例1は、電極材料(一例として、負極
14)との相性が良いので、電極(負極14)の露出を
防止できる。また、実施例1は、膜電極接合体のガス透
過性や揮発性は良好である。
【0046】実施例2のエタノールをHC系ポリマーの
溶媒とすると、電解質膜15の目標膜厚50μmに対し
て、成形膜厚は40〜55μmとなる。これにより、成
形膜厚のバラツキ幅が15μmになり膜厚を均一にでき
る。加えて、実施例2は、電極材料(一例として、負極
14)との相性が良いので、電極(負極14)の露出を
防止できる。また、実施例2は、膜電極接合体のガス透
過性や揮発性は良好である。
【0047】実施例5のIPAとNPAとの混合溶液を
HC系ポリマーの溶媒とすると、電解質膜15の目標膜
厚50μmに対して、成形膜厚は45〜55μmとな
る。これにより、成形膜厚のバラツキ幅が10μmにな
り膜厚を均一にできる。加えて、実施例5は、電極材料
(一例として、負極14)との相性が特に良いので、電
極(負極14)の露出を防止できる。また、実施例5
は、膜電極接合体のガス透過性や揮発性は良好である。
【0048】以上説明したように、比較例の溶液をHC
系ポリマーの溶媒とすることで、電解質膜15の膜厚は
不均一になり、電極(負極)が露出してしまう。この結
果、比較例はHC系ポリマーの溶媒として好ましくない
ので、判断は×である。
【0049】また、実施例1,2の溶液をそれぞれHC
系ポリマーの溶媒とすることで、電解質膜15の膜厚を
均一にすることができ、電極(負極)の露出を防止でき
る。この結果、実施例1,2はHC系ポリマーの溶媒と
して好適なので、判断は○である。
【0050】さらに、実施例5のIPAとNPAとの混
合溶液をHC系ポリマーの溶媒とすることで、電解質膜
15の膜厚を、実施例1,2と比較してより一層好適に
均一にすることができ、電極(負極)の露出を防止でき
る。この結果、実施例5はHC系ポリマーの溶媒として
好適なので、判断は◎である。
【0051】なお、前記第1実施形態では、アルコール
系溶媒としてメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール及びノルマルプロピルアルコールのうちの一種
を採用する例について説明したが、これに限らないで、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール及び
ノルマルプロピルアルコールのうちから、例えば2種の
ように複数種を選択することも可能である。
【0052】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、炭化水素系ポリマー溶液中の溶媒を
表面張力の小さいアルコール系溶媒に置換することで、
炭化水素系ポリマー溶液の表面張力を小さく抑えること
ができる。これにより、炭化水素系ポリマー溶液を電極
板の基板及び電極に塗布した際に、炭化水素系ポリマー
溶液のぬれ性を好適に保つことができるので、炭化水素
系ポリマー溶液が基板及び電極で弾かれることを防止で
きる。
【0053】このため、炭化水素系ポリマー溶液を電極
板に均一の厚さで塗布することができるので、炭化水素
系ポリマー溶液を乾燥した際に、電解質膜を均一の膜厚
に成形することができる。従って、燃料電池の発電能力
などを十分に確保することができる。
【0054】請求項2は、アルコール系溶媒として、メ
タノール、イソプロピルアルコール及びノルマルプロピ
ルアルコールのうちの少なくとも一種を採用した。メタ
ノール、イソプロピルアルコールやノルマルプロピルア
ルコールは、表面張力が小さく、炭化水素系ポリマーと
の溶解能力に優れている。このため、これらの溶媒を使
用することで、炭化水素系ポリマーを比較的簡単にアル
コール系溶媒に置換することができる。
【0055】請求項3は、アルコール系溶媒を、イソプ
ロピルアルコールとノルマルプロピルアルコールとの混
合溶液とすることで、電解質膜の膜厚をより均一に成形
することができる。従って、燃料電池の発電能力などを
より一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池(第1実施形態)を示す
分解斜視図
【図2】本発明に係る燃料電池用電解質膜(第1実施形
態)を示す断面図
【図3】本発明に係る燃料電池用電解質膜の成形方法
(第1実施形態)を説明する第1工程説明図
【図4】本発明に係る燃料電池用電解質膜の成形方法
(第1実施形態)を説明する第2工程説明図
【図5】比較例に係る燃料電池用電解質膜の成形方法を
説明する図
【図6】本発明に係る燃料電池用電解質膜(第2実施形
態)を示す断面図
【図7】従来の燃料電池を示す説明図
【図8】従来の燃料電池を構成する電解質膜の成形方法
を示す説明図
【符号の説明】
11…燃料電池、12…負電極板(電極板)、13…負
基板(基板)、14…負極、15…電解質膜(燃料電池
用電解質膜)、16…正電極板(電極板)、17…正基
板(基板)、18…正極、30…HC系ポリマー溶液
(炭化水素系ポリマー溶液)、32…アルコール系溶
媒、33…アルコール系のHC系ポリマー溶液。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 BB24Z CA22 CA47 DA06 DB01 DC18 EA07 EB11 EC30 5H026 AA06 BB03 BB04 CC03 CX04 EE18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池の正・負極にそれぞれ酸素及び
    水素を供給して発電させるために、前記正・負極間に設
    ける電解質膜の成形方法において、 前記正極又は負極の一方の電極を基板に積層した電極板
    を準備するとともに、前記電解質膜用の炭化水素系ポリ
    マー溶液中の溶媒をアルコール系溶媒に置換する工程
    と、 このアルコール系溶媒に置換した炭化水素系ポリマー溶
    液を前記電極板の電極に塗布する工程と、 この塗布した炭化水素系ポリマー溶液を乾燥することに
    より前記電解質膜を成形する工程と、からなる燃料電池
    用電解質膜の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記アルコール系溶媒は、メタノール、
    イソプロピルアルコール及びノルマルプロピルアルコー
    ルのうちの少なくとも一種であることを特徴とする請求
    項1記載の燃料電池用電解質膜の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記アルコール系溶媒は、イソプロピル
    アルコールとノルマルプロピルアルコールとの混合溶液
    であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用電解
    質膜の成形方法。
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